JPH08132990A - 自動車フロア用サイレンサーパッド - Google Patents

自動車フロア用サイレンサーパッド

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JPH08132990A
JPH08132990A JP6273510A JP27351094A JPH08132990A JP H08132990 A JPH08132990 A JP H08132990A JP 6273510 A JP6273510 A JP 6273510A JP 27351094 A JP27351094 A JP 27351094A JP H08132990 A JPH08132990 A JP H08132990A
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fiber
pad
automobile floor
main
melting point
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Hiroshi Kawase
寛 川瀬
Kazuyuki Yamaguchi
和之 山口
Shinji Ota
信次 太田
Yutaro Kasai
勇太郎 笠井
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Toyota Auto Body Co Ltd
Ube Exsymo Co Ltd
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Toyota Auto Body Co Ltd
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性合成樹脂からなる主繊維とバインダ
ー繊維とをシート面に対してほぼ垂直に配向させ、かつ
繊維同士を熱融着してなるシート状の繊維構造体からな
り、該繊維構造体の密度が0.01〜0.045g/c
3 、動バネ定数が0.1×106 〜0.5×106
/mであることを特徴とする自動車フロア用サイレンサ
ーパッド。 【効果】 軽量であるだけでなく、面圧を加えてもへた
りが少なく回復力に優れた自動車フロア用サイレンサー
パッドが提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車フロア用複合制
振防音材(制振材、遮音材、吸音材の組み合わされた防
音材)に好ましく用いられるサイレンサーパッドに関す
る。
【0002】
【背景技術】自動車の複合制振防音材には、従来より反
毛フェルトや各種の繊維からなるシート状構造体がサイ
レンサーパッドとして用いられていた。近年、自動車に
は燃費向上と快適さが求められている。快適さの一つに
静粛性があるが、これは一般的に使用する防音材の重量
が増すほど向上するとされている。しかし、重量が増す
と燃費の向上は達成できなくなる。そこで、軽量であっ
ても防音効果の大きい防音材が望まれている。自動車の
車室内の防音材は使用部位により、基本的には2種類に
分けられる。1つはドア、天井、ダッシュボードパネル
のように面圧の殆ど加わらない部位に用いる防音材と、
フロアパネルのように面圧の加わる部位に用いる防音材
である。
【0003】本出願人は、主繊維として、結晶性ポリプ
ロピレンを、そしてバインダー繊維として、モノマーの
主成分がプロピレンである低融点重合体からなる鞘成分
と、結晶性ポリプロピレンである高融点重合体からなる
芯成分とを複合させてなる鞘芯型複合繊維を用い、これ
ら繊維をシート面に対して平行に配列してなるサイレン
サーパッドが、面圧が殆ど加わらない部位に用いる防音
材として、従来のアスファルト系シート(制振材)の代
りに好適に用いられることを見い出し、このサイレンサ
ーパッドについて特許出願している(特願平5−306
863号明細書)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
許出願のサイレンサーパッドは、パッド(シート状の繊
維構造体の一種)を形成している繊維の殆どがシート面
に対して平行に配向しているため、軽量化と静粛性の向
上には効果があるが、これをこのまま面圧の加わる自動
車フロア用複合制振防音材に用いると、シートがすぐに
へたってしまい密度が大きくなるとともに、バネ定数も
大きくなり結局振動絶縁の効果がなくなってしまうとい
う問題があった。
【0005】従って本発明の目的は、軽量性、静粛性な
どの長所を有するとともに、上記特許出願に記載のサイ
レンサーパッドの欠点を解消し、面圧の加わる自動車フ
ロア用複合制振防音材に用いても、シートのへたりによ
る密度の増大やバネ定数の増大がなく、振動絶縁の効果
が維持される自動車フロア用サイレンサーパッドを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性合成
樹脂からなる主繊維とバインダー繊維とをシート面に対
してほぼ垂直に配向させ、かつ繊維同士を熱融着させて
得られる、密度が0.01〜0.045g/cm3 、動
バネ定数が0.1×106 〜0.5×106 N/mであ
るシート状の繊維構造体が、面圧が加わっても復元性に
優れ、へたりが少ないので、密度が大きくならず、且つ
500Hz以下の低周波数域の振動減衰にも効果を有
し、自動車フロア用サイレンサーパッドとして好適であ
ることを見い出した。
【0007】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のであり、熱可塑性合成樹脂からなる主繊維とバインダ
ー繊維とをシート面に対してほぼ垂直に配向させ、かつ
繊維同士を熱融着してなるシート状の繊維構造体からな
り、該繊維構造体の密度が0.01〜0.045g/c
3 、動バネ定数が0.1×106 〜0.5×106
/mであることを特徴とする自動車フロア用サイレンサ
ーパッドを要旨とする。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0008】本発明の自動車フロア用サイレンサーパッ
ドは、熱可塑性樹脂からなる主繊維とバインダー繊維と
からなり、バインダー繊維は、主繊維の成分である熱可
塑性合成樹脂よりも融点が20℃以上低い熱可塑性樹脂
を鞘成分とし、主繊維と同種の熱可塑性樹脂を芯成分と
する鞘芯型複合繊維を用いるのが好ましい。その理由
は、繊維構造体をバインダー繊維の鞘成分の融点以上で
かつ芯成分の融点未満の温度に加熱することにより、容
易に繊維同士が熱融着するからである。このような主繊
維とバインダー繊維との好適な組み合わせとしては、主
繊維が結晶性ポリプロピレンである場合には、バインダ
ー繊維は、モノマーの主成分がプロピレンである低融点
共重合体を鞘成分とし、結晶性ポリプロピレンからなる
高融点重合体を芯成分とする鞘芯型複合繊維がよい。
【0009】また主繊維が融点200℃以上の高融点ポ
リエステルである場合には、バインダー繊維は、主繊維
と同種の高融点ポリエステルを芯成分とし、芯成分の融
点より20℃以上低い融点を有する低融点コポリエステ
ルを鞘成分とする鞘芯型複合繊維がよい。融点が200
℃以上である高融点ポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好適
に用いられる。低融点コポリエステルとしては、テレフ
タル酸からなる酸成分とエチレングリコール、プロピレ
ングリコールまたはブチレングリコールからなるグリコ
ール成分との重縮合物であるポリエステルの酸成分側お
よび/またはグリコール成分側に共重合成分を入れたも
のであり、酸成分側の共重合成分としては、イソフタル
酸、トリメリット酸、アジピン酸等のカルボン酸が挙げ
られ、グリコール成分側の共重合成分としては、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオー
ルが挙げられる。
【0010】なお、上記主繊維およびバインダー繊維に
は、必要に応じて着色剤、難燃剤、消臭剤、抗菌剤、安
定剤などの各種の添加剤を含有することができる。
【0011】本発明の自動車フロア用サイレンサーパッ
ドにおいては、上記主繊維とバインダー繊維がシート面
に対してほぼ垂直に配向し、かつ繊維同士が熱融着して
いる。
【0012】ここに主繊維をバインダー繊維がほぼ垂直
に配向しているとは、次のような状態を意味する。すな
わち主繊維、バインダー繊維には捲縮が付与されている
為、弛緩し屈曲しているので、真っ直ぐな繊維がシート
面に対して垂直方向に平行に配列していることを意味し
ているのではなく、繊維の配列方向がシート面に対して
垂直方向に比較的揃っていることを意味する。主繊維と
バインダー繊維がほぼ垂直に配向している状態の具体例
を図1および図5に示す。
【0013】図1は、折り畳み型パッドの斜視図を示
し、この折り畳み型パッドの製造方法の一例としては、
主繊維とバインダー繊維を混綿し、カード機にかけて得
られるウェッブを波型に折り畳んだ後、熱風融着する方
法が挙げられる。
【0014】図5は、直立型パッドの斜視図を示し、こ
の直立型パッドの製造方法の一例としては、図1に示す
折り畳み型パッドの上、下面の折り返し部分を切除する
方法が挙げられる。
【0015】またボビンに巻き付けた主繊維とバインダ
ー繊維とを垂直に切断すると共に両切断面を熱融着し、
得られた繊維構造体を、その両切断面が上下に位置する
ように配置したのち、上部より繰り返し圧縮を加えて繊
維構造体の水平方向への拡がりを促進することにより、
直立型パッドを得ることもできる。
【0016】またマット状に成形した、主繊維とバイン
ダー繊維からなる繊維構造体にニードルパンチを施すこ
とにより繊維を垂直方向に配向させることにより、直立
型パッドを得ることもできる。
【0017】上述のように主繊維とバインダー繊維とを
シート面に対してほぼ垂直に配向させることは、本発明
の自動車フロア用サイレンサーパッドにおける重要な構
成要件であり、この構成要件によりシートのへたりによ
る密度の増大やバネ定数の増大がなく、振動絶縁の効果
が維持される。
【0018】本発明の自動車フロア用サイレンサーパッ
ドを構成する繊維複合体において、その動バネ定数は
0.1×106 〜0.5×106 N/mに限定される。
その理由は、0.5×106 N/mを超えると10〜2
0mmの厚さのパッドでは共振ピークを低下させること
ができず、パッド層をさらに厚くする必要が生じ車内空
間が狭くなるという問題が発生する。一方、動バネ定数
が0.1×106 N/m未満となると、実質的には密度
が非常に小さく、パッド自体が安定して製造できるレベ
ルにない上に、他の材料と組み合わせて防音材とする加
工工程でも支障をきたすからである。
【0019】本発明の自動車フロア用サイレンサーパッ
ドを構成する繊維複合体の密度は0.01〜0.045
g/cm3 に限定される。その理由は固体振動を減衰す
る作用において、パッドの密度が防音性能に及ぼす効果
は、密度が小さいほど振動減衰効果は大きいのではある
が、前述の理由と同様に0.01g/cm3 未満では密
度が小さすぎて、そのような低密度のパッドを安定して
製造することが出来なくなるからである。一方、0.0
45g/cm3 を超えるとパッドの動バネ定数が0.5
×106 N/mを超えてしまい、振動減衰効果が出ない
からである。密度は、特に望ましくは0.013〜0.
020g/cm3 である。
【0020】主繊維(A)とバインダー繊維(B)の混
合率[B/(A+B)]については、混合率を低くする
と、熱融着における接着点が非常に少なく、動バネ定数
の小さいパッドが得られるが、でき上がったパッドは、
繊維の毛羽が発生し易く、強度も低いため防音材として
他の素材と組み合わせる工程で支障が出る。一方、混合
率を増すと接着点の数が増すためパッドの強力は上がる
が、動バネ定数も大きくなる。さらに、バインダー繊維
は主繊維と違って2成分からなる複合繊維であるためコ
ストも上昇する。従って、混合率は加工時の操作性を考
慮して出来るだけ少なくするのが望ましい。
【0021】次に主繊維(A)の太さ(DA )とバイン
ダー繊維(B)の太さ(DB )の比率(デニール比:D
A /DB )が大きくなるのは、DA が大きくなる場合と
Bが小さくなる場合とがあり、DB が一定でDA が大
きくなる場合には、熱融着点の数が少なくなるので、パ
ッドの強力は低下し、DA が一定でDB が小さくなる場
合には、熱融着点の数が増えるので、パッドの強力は向
上する。
【0022】以上述べてきたように、パッドの構成(密
度、主繊維(A)とバインダー繊維(B)との混合率
(B/(A+B))、主繊維の太さ(DA )とバインダ
ー繊維の太さ(DB )とのデニール比)とパッドの性能
(動バネ定数、振動レベル、強力、復元性)との関係を
まとめると表1のようになる。
【0023】
【表1】
【0024】本発明の自動車フロア用サイレンサーパッ
ドは、ポリ塩化ビニルシート、通気孔を有するポリ塩化
ビニルシートおよび再生綿フェルトを組み合せることに
より、軽量、静粛性に優れるとともに、制振性、防音性
に優れた自動車フロア用複合制振防音材を得ることがで
きる。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例に従い詳細に説明する
が、その前に各種の測定方法について記す。
【0026】1.密度 パッド重量[g]÷パッド見掛け体積[cm3 ] なお、パッド見掛け体積[cm3 ]の算出においては、
パッドの厚さとして後記5.回復率(耐へたり性)で求
めた初期厚さを採用した。
【0027】2.動バネ定数 厚さ10mmのアルミ板を基板とし、これを加振用治具
に固定する。基板上にパッドを載せ、更にその上に同じ
サイズのポリ塩化ビニルシート(3kg/m2)を載せ
る。加振機にて加振用治具全体をランダム加振し、ポリ
塩化ビニルシートの中央に取り付けた加速機ピックアッ
プにて一次共振点の周波数を計測し、次式により動バネ
定数(k)を算出した。 k=(2πf)2 ×m[N/m] f:一次共振点の周波数[Hz] m:ポリ塩化ビニルシートの面重量[kg・m-2
【0028】3.振動レベルの測定方法 固定枠に固定した1.6mm厚さの鋼板製の加振板の上
に試料を載置し、加振板を振動させた。そして、上記加
振板及び防音材の表皮層上面の振動レベルを測定し、下
式によりその振動レベル(X)を算出した。 振動レベル(X)=log(表皮層における振動レベル
2 )−log(鋼板の振動レベルX0
【0029】4.引張強力 20℃、65%RHの雰囲気で幅50mm、チャック間
隔100mm、引張速度200mm/分で測定した。な
お、折り畳み型パッドについては図1に示すようにMD
方向およびCD方向を定めた。
【0030】5.回復率(耐へたり性) 300×300×15mmの試験片を平らな台上に置
き、直径200mmの円形加圧板にて試験片の上面から
押さえ、前荷重として、4.9N(0.5kgf)をか
けた時の、厚さを測定し、これを初期厚さとする。
【0031】次に、円形加圧板で、147N(15kg
f)の荷重を50℃、95%RHの雰囲気中で11時間
かけ、次に荷重を取り除き1時間後の厚さを測定し、下
式より回復率(%)を求める。 回復率(%)=(荷重解放1時間後の厚み)/(初期厚
み)×100
【0032】実施例1(ポリプロピレン系折り畳み型パ
ッド) 主繊維(A)およびバインダー繊維(B)として下記の
ものを用いた。 主繊維(A) 単一型ポリプロピレン繊維 原料:UBEポリプロ ZS1276(ホモポリマー) 繊維長76mm、単糸23de、捲縮数10個/インチ バインダー繊維(B) 鞘芯型複合繊維 鞘部原料:昭和電工(株)製 TD750(エチレン−
プロピレン2元ランダムコポリマー) 芯部原料:UBEポリプロ ZS1276(ホモポリマ
ー) 繊維長51mm、単糸4de、捲縮数15個/インチ
【0033】主繊維(A)とバインダー繊維(B)とを
混合率[B/(A+B)×100]=35%となるよう
に混綿し、カード機にかけて目付125g/m2 の均一
なウェッブを作製した。次に、このウェッブを波型に折
り畳み、このウェッブを熱風温度145℃、滞留時間1
分の条件で熱風融着機に通して主繊維とバインダー繊維
を熱融着させ、厚さ15mm、密度0.017g/cc
のパッドを得た。得られた折り畳み型パッドの斜視図を
図1に示す。また得られた折り畳み型パッドの諸性能を
表2に示す。表2より、動バネ定数(E′)は0.18
×106 N/m、振動レベルは19.6dB、回復率6
3%であり、制振性、耐へたり性に優れていることが明
らかとなった。なおMD引張強力は5.5kg/5cm
であり、この程度の強力があれば、他の材料と組み合せ
て複合制振防音材とする工程で支障をきたさないことも
明らかとなった。
【0034】次に図2に示すように、厚さ15mm、目
付255g/m2 の上記パッド1を、厚さ1.5m、目
付2330g/m2 のポリ塩化ビニル(PVC)シート
2、厚さ1.5m、目付2290g/m2 の、通気孔を
有するポリ塩化ビニル(PVC)シート3および厚さ1
0mm、目付430g/m2 の再生綿フェルト4と組み
合せることにより、複合制振防音材を作製し、振動レベ
ルの測定を行った。その結果を図3に示す。図3より明
らかなように、実施例1のパッドを用いた複合制振防音
材は、現在一般車に使用されている図4に示す防音材
(厚さ1.5mmのPVCシート2と、20mmの再生
綿フェルト4と、2mmの熱硬化樹脂シート5と、3m
mのアスファルト系シート6とからなる防音材)に比べ
て振動レベルが広範囲にわたり著しく減衰していた。し
かも実施例1の複合制振防音材は現在使用されている防
音材に比べ、重量は11.69kg/m2 から5.31
kg/m2 に減少させることができた。
【0035】実施例2(ポリプロピレン系直立型パッ
ド) 先ず、実施例1と同様にして図1に示すような折り畳み
型パッドを作製した。得られたパッドの厚さは30mm
であり、この点でのみ厚さ15mmのパッドを得た実施
例1と異なる。
【0036】得られたパッドの上下面の折り返し部分を
切除して、構成繊維がほぼ直立している実施例2のパッ
ド(厚さ15mm、密度0.017g/m2 )を得た。
得られた直立型パッドの斜視図を図5に示す。また得ら
れた直立型パッドの諸性能を表2に示す。表2より、動
バネ定数E′は0.25×106 N/m、振動レベルは
22.0dB、回復率は73%であり、制振性、耐へた
り性に優れていた。なおこのようにして作製したパッド
には、図5に示すように、目視では判らない程度のウェ
ッブの境界面が残る。この境界面には繊維のつながりが
無いため、切除前のMDに相当する方向の引張強力は
1.5kg/5cm、一方CDに相当する方向では繊維
のつながりがあるため引張協力は5.5kg/5cmで
ある。このようにMD方向の強力は低いが、他の材料と
組み合せて複合制振防音材とする工程で支障をきたさな
いことも明らかとなった。
【0037】次に、得られたパッドを用いて、実施例1
と同様にして図2に示すような複合制振防音材を作製
し、実施例1と同様にして振動レベルの測定を行なった
結果、実施例1と同様に振動レベルが広範囲にわたり減
衰していることが明らかとなった。
【0038】また実施例2の複合制振防音材は、重量が
5.31kg/m2 と軽量であった。
【0039】実施例3(ポリエチレンテレフタレート系
折り畳み型パッド) 主繊維(A)、バインダー繊維(B)として下記のもの
を用いた以外は実施例1と同様にして、図1に示すよう
な折り畳み型パッドを作製した。 主繊維(A) 単一型ポリエチレンテレフタレート繊維 原料:カネボウ(株)製 K101 繊維長76mm、単糸20de、捲縮数9個/インチ バインダー繊維(B) 鞘芯型複合繊維 商品名:ユニチカ(株)製 メルティ 繊維長51mm、単糸4de、捲縮数12.6個/イン
【0040】得られた折り畳み型パッドの諸性能を表2
に示す。表2より、動バネ定数(E′)は0.19×1
6 N/m、振動レベルは20.1dB、回復率68%
であり、制振性、耐へたり性に優れていることが明らか
となった。なおMD引張強力は5.3kg/5cmであ
り、他の材料と組み合せて複合制振防音材とする工程で
支障をきたさないことも明らかとなった。
【0041】次に、得られたパッドを用いて、実施例1
と同様にして図2に示すような複合制振防音材を作製
し、実施例1と同様にして振動レベルの測定を行なった
結果、実施例1と同様に振動レベルが広範囲にわたり減
衰していることが明らかとなった。また実施例3の複合
制振防音材は、重量が5.31kg/m2 と軽量であっ
た。
【0042】実施例4(ポリエチレンテレフタレート系
直立型パッド) 主繊維(A)およびバインダー繊維(B)として、実施
例3で用いたと同一のポリエチレンテレフタレート系材
料を用いた以外は実施例2と同一の方法で、図5に示す
ような直立型パッドを得た。得られた直立型パッドの諸
性能を表2に示す。表2より、動バネ定数(E′)は
0.27×106 N/m、振動レベルは23.2dB、
回復率75%であり、制振性、耐へたり性に優れている
ことが明らかとなった。なおMD引張強力は1.4kg
/5cmであるが、他の材料と組み合せて複合制振防音
材とする工程で支障をきたさないことも明らかとなっ
た。
【0043】次に、得られたパッドを用いて、実施例1
と同様にして図2に示すような複合制振防音材を作製
し、実施例1と同様にして振動レベルの測定を行なった
結果、実施例1と同様に振動レベルが広範囲にわたり減
衰していることが明らかとなった。また実施例4の複合
制振防音材は、重量が5.31kg/m2 と軽量であっ
た。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、軽
量であるだけでなく、面圧を加えてもへたりが少なく回
復力に優れた自動車フロア用サイレンサーパッドが提供
された。そして、このサイレンサーパッドを用いて軽量
性、制振性、防音性に優れた自動車フロア用複合制振防
音材が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサイレンサーパッドの一例を示す斜視
図である。
【図2】本発明のサイレンサーパッドを組み込んだ複合
制振防音材の断面図である。
【図3】防音材の振動レベルを示すグラフである。
【図4】現行の防音材の断面図である。
【図5】本発明のサイレンサーパッドの他の例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 サイレンサーパッド 2 PVCシート 3 通気孔を有するPVCシート 4 再生綿フェルト 5 熱硬化性樹脂シート 6 アスファルトシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/54 A C 1/70 A G10K 11/162 (72)発明者 太田 信次 岐阜県岐阜市藪田西2丁目1番1号 宇部 日東化成株式会社内 (72)発明者 笠井 勇太郎 岐阜県岐阜市藪田西2丁目1番1号 宇部 日東化成株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂からなる主繊維とバイ
    ンダー繊維とをシート面に対してほぼ垂直に配向させ、
    かつ繊維同士を熱融着してなるシート状の繊維構造体か
    らなり、該繊維構造体の密度が0.01〜0.045g
    /cm3 、動バネ定数が0.1×106 〜0.5×10
    6 N/mであることを特徴とする自動車フロア用サイレ
    ンサーパッド。
  2. 【請求項2】 バインダー繊維が、主繊維の成分である
    熱可塑性合成樹脂よりも融点が20℃以上低い熱可塑性
    樹脂を鞘成分とし、主繊維と同種の熱可塑性樹脂を芯成
    分とする、請求項1に記載の自動車フロア用サイレンサ
    ーパッド。
  3. 【請求項3】 主繊維が、結晶性ポリプロピレン繊維で
    あり、バインダー繊維が、モノマーの主成分がプロピレ
    ンである低融点共重合体を鞘成分とし、結晶性ポリプロ
    ピレンからなる高融点重合体を芯成分とする鞘芯型複合
    繊維である、請求項1または2に記載の自動車フロア用
    サイレンサーパッド。
  4. 【請求項4】 主繊維が融点200℃以上のポリエステ
    ル繊維からなり、バインダー繊維が、低融点コポリエス
    テルを鞘成分とし、主繊維と同種の高融点ポリエステル
    を芯成分とする鞘芯型複合繊維である、請求項1または
    2に記載の自動車フロア用サイレンサーパッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のサ
    イレンサーパッドを必須の部材として含む自動車フロア
    用複合制振防音材。
  6. 【請求項6】 請求項3または4に記載のサイレンサー
    パッドと、ポリ塩化ビニルシート、通気孔を有するポリ
    塩化ビニルシートおよび再生綿フェルトとを組み合せて
    なる自動車フロア用複合制振防音材。
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