JPH08132604A - インクジェット記録装置およびその制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびその制御方法

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JPH08132604A
JPH08132604A JP27362094A JP27362094A JPH08132604A JP H08132604 A JPH08132604 A JP H08132604A JP 27362094 A JP27362094 A JP 27362094A JP 27362094 A JP27362094 A JP 27362094A JP H08132604 A JPH08132604 A JP H08132604A
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temperature
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ink
image signal
recording medium
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JP27362094A
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Masanori Shida
昌規 志田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱体の輻射熱による加熱に伴って記録ヘッ
ドが経時的に大きく温度変化して、インクの粘度が経時
変動して、インク吐出量が不安定になるという影響を避
けることができ、経時的に安定したインク吐出を得るこ
とができ、画像濃度を安定させることができるインクジ
ェット記録装置と制御方法を提供する。 【構成】 記録媒体の種類に応じて記録媒体を加熱する
発熱体の温度を変えるとともに、該発熱体の温度に応じ
て印字待機時の記録ヘッドの温度を上げておき、入力画
像信号に対応する出力画像信号を前記記録ヘッドの温度
に応じて補正することにより記録ヘッドのインク吐出量
を制御することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置およびその制御方法に関し、記録ヘッドにより記録媒
体上に吐出した記録インクを加熱乾燥させる手段を有す
るインクジェット記録装置およびその制御方法に関す
る。なお、ここで、記録とは、布、糸、紙、シート材等
のインク付与を受けるインク支持体全てへのインク付与
等を含むもので、記録装置とは、各種情報処理装置全て
あるいはその出力器としてのプリンタを含むものであ
り、本発明はこれらへの用途が可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、記録ヘッドにより記録媒体上に吐
出した記録インクを加熱乾燥させる手段を有するインク
ジェット記録装置としては、特公昭54−156536
号公報や、特公昭55−84670号公報に記載の装置
などがある。これらのインクジェット記録装置における
記録インク加熱乾燥手段では、発熱体が例えばプラテン
ローラの下に配置されており、この発熱体により、記録
媒体上にインクが付着するとすぐに強制的に乾燥させる
構成であるので、インクによる記録画像の不必要なにじ
み、あるいは記録媒体のコックリングを有効に防止する
ことができる。
【0003】また、この記録インクを加熱乾燥させる手
段には、特公昭62−173259号公報に記載されて
いるように、OHPなどの記録媒体の種類によって加熱
温度を変化させ、記録媒体に適した温度で記録インクを
加熱乾燥させる機能を有する手段がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の記録インク
を加熱乾燥させる手段は、前記したように、インクのに
じみなどを防止し、さまざまな汎用記録媒体で鮮明な画
像を得ることができる手段である。しかし、この手段で
は、記録インクを乾燥するために記録媒体を発熱体を用
いて加熱する構成であるので、インクを吐出する記録ヘ
ッドが、発熱体による加熱の影響を経時的に受けて、図
1に示すように、その温度が、初期状態の温度Tから印
字終了時には温度T′まで昇温してしまうという問題が
起こる。このように、記録ヘッドが大きく昇温すると、
ヘッド内のインクの粘度が下がり、それに伴ってインク
吐出量が増え、結果として画像濃度が濃くなってしま
う。この場合、記録ヘッドは印字前の初期状態から昇温
しているわけではなく、図1に示すように、印字する毎
に昇温していくため、初期状態での記録ヘッドの温度T
と印字終了時における記録ヘッドの温度T′との温度差
ΔTが大きくなる。そのため、シリアルスキャンで印字
する場合、ヘッドの経時昇温によるインク粘度変化に伴
うインク吐出量の変化により、記録媒体上の一行目の画
像より、最終行の画像のほうが、濃くなってしまい、同
一記録媒体内での画像の濃度差が大きくなって、画像濃
度にむらが生じる欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録ヘッドに
より記録媒体に印字した記録インクを発熱体を用いて加
熱乾燥させる手段を有するインクジェット記録装置にお
いて、記録媒体の種類に応じて記録媒体を加熱する発熱
体の温度を変えるとともに、該発熱体の温度に応じて印
字待機時の記録ヘッドの温度を上げておき、入力画像信
号に対応する出力画像信号を前記記録ヘッドの温度に応
じて補正することにより記録ヘッドのインク吐出量を制
御することを特徴としている。
【0006】すなわち、本発明のインクジェット記録装
置は、印字のために記録ヘッドにより記録媒体に付着さ
せた記録インクを発熱体により加熱乾燥させる手段を有
するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体の
種類に応じて発熱体の温度を変え、該発熱体の温度に対
応して印字待機時の前記記録ヘッドの温度を制御する温
度制御手段と、入力画像信号に対する出力画像信号に、
前記記録ヘッドの制御温度に基づいて、補正を掛けるこ
とによって、前記記録ヘッドのインク吐出量を制御する
吐出量制御手段と、を有することを特徴とするものであ
る。
【0007】ここで、前記温度制御手段は、前記記録媒
体の種類をユーザーがセレクトする記録媒体セレクト手
段を有してもよく、前記記録媒体の種類を自動検知する
記録媒体自動検知手段を有してもよい。
【0008】また、前記吐出量制御手段は、入力画像信
号に対する出力画像信号にγ補正を掛けることによっ
て、吐出量を制御させる手段であってもよく、入力画像
信号に対する出力画像信号をマスキング処理によって吐
出量制御する手段であってもよい。
【0009】なお、このインクジェット記録装置の記録
ヘッドは、インクを吐出するためのエネルギー発生素子
として、前記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギー
を発生する電気熱変換体を有するものであってもよく、
記録ヘッドが記録装置本体に対して着脱可能に取り付け
られている構成であってもよい。
【0010】一方、本発明のインクジェット記録装置の
制御方法は、印字のために記録ヘッドにより記録媒体に
付着させた記録インクを発熱体により加熱乾燥させる手
段を有するインクジェット記録装置の制御方法であっ
て、前記記録媒体の種類に応じて発熱体の温度を変え、
該発熱体の温度に対応して印字待機時の前記記録ヘッド
の温度を制御する温度制御工程と、入力画像信号に対す
る出力画像信号に、前記記録ヘッドの制御温度に基づい
て、補正を掛けることによって、前記記録ヘッドのイン
ク吐出量を制御する吐出量制御工程と、を有することを
特徴とするものである。
【0011】ここで、前記温度制御工程において、前記
記録媒体の種類をユーザーがセレクト構成でもよく、前
記記録媒体の種類を記録媒体自動検知手段を用いて自動
検知する構成でもよい。
【0012】また、前記吐出量制御工程において、イン
ク吐出量を、入力画像信号に対する出力画像信号にγ補
正を掛けることによって、制御してもよく、入力画像信
号に対する出力画像信号をマスキング処理によって、制
御してもよい。
【0013】
【作用】本発明では、前記の温度制御手段および吐出量
制御手段により、初期状態の記録ヘッドの温度を、従来
の温度Tより高いが、従来の吐出終了時の記録ヘッドの
温度T’より低い温度T1にまで上げることによって、
発熱体による記録媒体加熱の影響によって記録ヘッドに
経時的に生じる温度差を、従来より小さい値ΔT1′
(<ΔT)とすることで、印字初期のインクの粘度と経
時後の印字終了時のインクの粘度の差を低減し、記録ヘ
ッドのインクの経時的な吐出量を安定させる。さらに、
この時の記録ヘッドの吐出量にあわせて、入力画像信号
に対応する画像パラメーターを変化させ、それによっ
て、出力画像信号を制御し、記録媒体上の印字一行目の
画像濃度と最終行の画像濃度の差を最小限に抑え、記録
画像の濃度むらを低減することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。以下の実施例は、それぞれ本発明の特徴を良好
に説明できる一例に過ぎず、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0015】(実施例1)図2は、本発明にかかるイン
クジェット記録装置の第1の実施例を示す要部の斜視図
である。同図において、1は記録媒体であり、この記録
媒体1は、ガイドローラ2、3を経てシート送りローラ
4の回転摩擦力により搬送され、矢印A方向に排出され
る。
【0016】上下のガイドローラ2、3の間の記録媒体
1の前面には、図示しない複数のノズルを有するととも
に画像信号に応じたインク滴を吐出するC(シアン)、
M(マゼンダ)、Y(黄色)、Bk(黒)の四本の記録
ヘッド5a、5b、5c、5dを搭載したキャリッジ6
が配置されており、この領域が記録部Wとなる。
【0017】符号7で示すプラテンは、前記記録ヘッド
5a、5b、5c、5dと対向した部分の記録紙(記録
媒体)1を平面に保つためのもので、これにより記録ヘ
ッド5a、5b、5c、5dと記録紙1との間隔が一定
に保たれるようになっている。
【0018】前記記録部Wには、ガイドローラ2、3と
平行に配置されたガイド軸8が設けられ、このガイド軸
8に沿ってキャリッジ6が往復運動を行う。
【0019】キャリッジ6は、キャリッジモータ9によ
りタイミングベルト10を介して往復運動され、シート
送りローラ4は、シート送りモータ11により回転駆動
されるようになっており、各モータ9、11は駆動制御
回路12により制御される。記録紙1上のインクを乾燥
するための発熱体は、図中符号13で示されており、プ
ラテン7の下に平行に配置されている。
【0020】次に、図3を参照して本実施例の動作を説
明する。入力画像信号21は、一スキャン分の画像メモ
リーであるバッファメモリ22に一旦記憶される。つづ
いて、この画像記録信号はバッファメモリ22からγ変
換部23に送られる。
【0021】一方、記録媒体セレクト手段24は、普通
紙、OHPのいずれかの画像記録を行うかをユーザーが
指定するためのもので、画像記録装置の使用者が外部か
らセレクトスイッチ等で選択して指定する。この選択操
作により発生したセレクト信号25は、判別手段26に
送られ、この判別手段26は、前記の選択に応じて、入
力に対する普通紙あるいはOHPへの出力を、前記のγ
変換部23、ヘッド温度制御部27、記録紙加熱温度制
御部28に送る。
【0022】ここで、前記セレクト手段24での選択結
果が普通紙である場合、発熱体13の温度を普通紙でイ
ンクにじみが防止できる程度の温度に加熱するため、判
別手段26は温度制御信号29を記録紙加熱温度制御部
28に送る。また、同時に判別手段26から、ヘッド温
度信号30をヘッド温度制御部27に送り、γ制御信号
31をγ変換部23に送る。
【0023】また、選択結果がOHPである場合、OH
Pでは普通紙に比べてインク吸収が遅く、OHP自体あ
たたまりにくいため、普通紙を加熱するときの温度と別
の温度に設定する。しかし、加熱温度を高くしすぎると
変形の恐れがあるため、あまり高温にはできない。本発
明者の実験では、OHPが140℃以上の加熱で変形し
たため、140℃以下が望ましい。したがって、このよ
うなOHPでの加熱温度に設定し、上記と同じ様な方法
で上記と違った信号を各部に送る。
【0024】前記のようにして温度制御信号29を受け
た温度制御部28は加熱信号32により発熱体13の加
熱を行う。
【0025】ヘッド温度制御部27は、記録ヘッド加熱
手段と記録ヘッド温度検知手段とから構成されており、
記録ヘッド5を、一方の記録ヘッド加熱手段によって加
熱し、他方の記録ヘッド温度検知手段によって温度の調
節を行うようになっている。このヘッド温度制御部27
は、前記ヘッド温度信号30を受け、発熱体13の温度
を、普通紙の加熱の場合で、図4に示す温度T2′まで
昇温し、OHP加熱の場合で、図5に示す温度T4′ま
で昇温する。これらの目的の温度に発熱体13が加熱す
るまで時間がかかるが、この待機時間内に、記録ヘッド
5の温度を、普通紙の場合で、図4に示す温度T3に調
節し、OHPの場合で、図5に示す温度T5に調節して
おく。この設定温度T3またはT5は、記録ヘッド5が
最終的に昇温される温度T3’(図4)またはT5’
(図5)でのインク吐出量とほぼ変わらないインク吐出
量が得られる記録ヘッドの温度範囲内における最低温度
である。換言すれば、インク吐出量が記録ヘッド5の温
度に左右されない記録ヘッドの温度範囲の最低温度に、
印字開始前の記録ヘッド5の温度が設定されることにな
る。これは、この設定温度以下に設定した場合、吐出量
がヘッド温度に左右されてインク吐出量の変化につなが
ってしまうためであり、また、ヘッドの耐久性の面から
見て、この設定温度以上には出来ないことも考慮して、
各記録媒体での記録ヘッドの印字前の設定温度を前記の
温度T3,T5とするものである。
【0026】次に、γ変換部23は、前記γ制御信号3
1の値に応じて、異なるテーブルでγ変換を行う。図6
は、入力画像信号に対する出力画像濃度のグラフで、入
力画像信号に対する出力画像濃度の関係が、普通紙の場
合には曲線Aとなり、OHPの場合には曲線Bとなる。
これらの曲線から、入力画像信号に対して、出力画像濃
度が大きくなっていることがわかる。したがって、図7
に示すような、γの補正テーブルにおいて、入力画像信
号に対する出力画像信号に対して、普通紙では曲線Dで
示される補正を掛け、OHPでは曲線Cで示される補正
を掛けて、入力画像信号と出力画像濃度との関係を、図
6に示す線分Eで表されるような線形性のものとする。
【0027】γ変換部23からの出力画像信号33は、
二値化処理部34に送られ、この二値化処理部34で二
値化され、この二値化処理部34は駆動信号35を発し
て記録ヘッド5を駆動させ、画像記録を行う。
【0028】上記の動作によって、記録ヘッド5は、発
熱体13の輻射熱に伴う影響を受けず、その温度変化は
少なく保たれ、そのため、経時的インク吐出量は安定す
る。また、このインク吐出量を前記のようにγ変換部2
3において制御することによって、入力された画像信号
に近い出力画像信号すなわち出力画像が得られる。
【0029】なお、上記の場合、二値化による記録ヘッ
ドの例を上げたが、多値化による記録ヘッドでも同様の
効果を得ることができる。
【0030】(実施例2)次に、第2の実施例を図8を
参照して説明する。
【0031】この第2の実施例では、記録媒体1をマテ
リアル検知手段(記録媒体自動検知手段)24aによっ
て、自動検知する方法を用いたことを特徴としており、
記録媒体1の反射光量のレベルの違いによるマテリアル
分類や、その他の検知方法によってマテリアル分類を行
う。判別したマテリアルの信号36を判別手段26に送
る。その後の動作については前記した第1の実施例と同
様である。
【0032】上記動作により、マテリアルを自動に検知
するので、ユーザーの手を煩わすことがなく操作手順の
簡略化につながる。
【0033】(実施例3)第3の実施例を図9を参照し
て説明する。
【0034】この第3の実施例では、複数のインク色の
異なる記録ヘッド5に対する各入力画像信号をマスキン
グにより補正することを特徴としている。この補正は、
マスキング補正部37で以下の行列式の演算をつかって
行われ、主にa11,a22,a33,a44を補正す
ることによって、前述のγ補正の場合と同じ様な効果を
得られるようにしている。
【0035】
【数1】
【0036】また、上記の第3の実施例(図9)では、
記録媒体1の分類方法が、マテリアル検知手段24aに
よるものであったが、前述の第1の実施例におけるよう
な、セレクト手段によるマテリアル分類での組み合わせ
も考えられる。
【0037】なお、上記の各実施例における制御を説明
した図3、図8、図9において、入力画像信号を順次処
理する上段の一連の手段は、本発明において吐出量制御
手段を構成しており、同じく下段の一連の手段は、温度
制御手段を構成している。
【0038】なお、上記の第1〜3までの実施例におい
て、発熱体の種類、加熱温度などは特に指定しなかった
が、記録ヘッドにより記録媒体上に吐出した記録インク
を加熱乾燥させる手段を有するインクジェット記録装置
において、記録ヘッドが発熱体の影響を受けて記録ヘッ
ドの温度が昇温してしまうような構成のインクジェット
記録装置であれば、上記と同じような効果が得られる。
【0039】また、上記のすべての実施例は、カラーの
インクジェット記録装置についての実施例であるが、白
黒のインクジェット記録装置においても同じ効果が得ら
れる。
【0040】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0041】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0042】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0043】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0044】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0045】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0046】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0047】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0048】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録インクを加熱乾燥させる手段を有するインクジェッ
ト記録装置において、記録ヘッドを印字待機時に予め昇
温させておくことによって、発熱体の輻射熱による加熱
に伴って記録ヘッドが経時的に大きく温度変化して、イ
ンクの粘度が経時変動して、インク吐出量が不安定にな
るという影響を避けることができ、経時的に安定したイ
ンク吐出を得ることができる。また、そのインク吐出量
に対応して画像パラメーターを変化させるので、さらに
画像濃度を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のインクジェット記録装置における記録ヘ
ッド温度の経時変化を示したグラフである。
【図2】本発明にかかるインクジェット記録装置の構成
を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例における制御手段を示し
たブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例において普通紙の場合の
時間に対するヘッド温度の関係を示したグラフである。
【図5】本発明の第1の実施例においてOHPの場合の
時間に対するヘッド温度の関係を示したグラフである。
【図6】本発明の第1の実施例における入力画像に対す
る出力濃度の関係を示したグラフである。
【図7】本発明の第1の実施例における制御を説明する
γテーブルである。
【図8】本発明の第2の実施例における制御手段を示し
たブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施例における制御手段を示し
たブロック図である。
【符号の説明】
1 記録媒体 5a、5b、5c、5d 記録ヘッド 12 駆動制御回路 13 発熱体 22 バッファメモリ 23 γ変換部 24 記録媒体セレクト手段 24a マテリアル検知手段(記録媒体自動検知手段) 26 判別手段 27 ヘッド温度制御部 28 記録紙加熱温度制御部 34 二値化処理部 37 マスキング変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 29/00 B41J 29/00 H

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字のために記録ヘッドにより記録媒体
    に付着させた記録インクを発熱体により加熱乾燥させる
    手段を有するインクジェット記録装置において、 前記記録媒体の種類に応じて発熱体の温度を変え、該発
    熱体の温度に対応して印字待機時の前記記録ヘッドの温
    度を制御する温度制御手段と、 入力画像信号に対する出力画像信号に、前記記録ヘッド
    の制御温度に基づいて、補正を掛けることによって、前
    記記録ヘッドのインク吐出量を制御する吐出量制御手段
    と、を有することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記温度制御手段が、前記記録媒体の種
    類をユーザーがセレクトする記録媒体セレクト手段を有
    することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録装置。
  3. 【請求項3】 前記温度制御手段が、前記記録媒体の種
    類を自動検知する記録媒体自動検知手段を有することを
    特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記吐出量制御手段が、入力画像信号に
    対する出力画像信号にγ補正を掛けることによって、吐
    出量を制御させる手段であることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記吐出量制御手段が、入力画像信号に
    対する出力画像信号をマスキング処理によって吐出量制
    御する手段であることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、インクを吐出するた
    めのエネルギー発生素子として、前記インクに膜沸騰を
    生じさせる熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有す
    ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載
    のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドが記録装置本体に対して
    着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項
    1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  8. 【請求項8】 印字のために記録ヘッドにより記録媒体
    に付着させた記録インクを発熱体により加熱乾燥させる
    手段を有するインクジェット記録装置の制御方法であっ
    て、 前記記録媒体の種類に応じて発熱体の温度を変え、該発
    熱体の温度に対応して印字待機時の前記記録ヘッドの温
    度を制御する温度制御工程と、 入力画像信号に対する出力画像信号に、前記記録ヘッド
    の制御温度に基づいて、補正を掛けることによって、前
    記記録ヘッドのインク吐出量を制御する吐出量制御工程
    と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置
    の制御方法。
  9. 【請求項9】 前記温度制御工程において、前記記録媒
    体の種類をユーザーがセレクトすることを特徴とする請
    求項8に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  10. 【請求項10】 前記温度制御工程において、前記記録
    媒体の種類を記録媒体自動検知手段を用いて自動検知す
    ることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記
    録装置の制御方法。
  11. 【請求項11】 前記吐出量制御工程において、インク
    吐出量を、入力画像信号に対する出力画像信号にγ補正
    を掛けることによって、制御することを特徴とする請求
    項8ないし10のいずれかに記載のインクジェット記録
    装置の制御方法。
  12. 【請求項12】 前記吐出量制御工程において、インク
    吐出量を、入力画像信号に対する出力画像信号をマスキ
    ング処理によって、制御することを特徴とする請求項8
    ないし10のいずれかに記載のインクジェット記録装置
    の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017217907A (ja) * 2016-06-01 2017-12-14 キヤノン株式会社 液体吐出方法及びインクジェット記録装置

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JP2017217907A (ja) * 2016-06-01 2017-12-14 キヤノン株式会社 液体吐出方法及びインクジェット記録装置

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