JPH08132401A - 木製球状体の製造方法並びにその切削工具 - Google Patents

木製球状体の製造方法並びにその切削工具

Info

Publication number
JPH08132401A
JPH08132401A JP6302798A JP30279894A JPH08132401A JP H08132401 A JPH08132401 A JP H08132401A JP 6302798 A JP6302798 A JP 6302798A JP 30279894 A JP30279894 A JP 30279894A JP H08132401 A JPH08132401 A JP H08132401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting tool
cutting
spherical body
plate material
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6302798A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuro Koizumi
琢郎 小泉
Seigo Ichikawa
成吾 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TANAKA JIYUUKEN KK
Original Assignee
TANAKA JIYUUKEN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TANAKA JIYUUKEN KK filed Critical TANAKA JIYUUKEN KK
Priority to JP6302798A priority Critical patent/JPH08132401A/ja
Publication of JPH08132401A publication Critical patent/JPH08132401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 木製球状体を精度高く量産化し、材料ロスも
少なくする。又、木製球状体を製造するのに好適な切削
工具にする 【構成】 彫り出す球状体の基になっている各種円の直
径又は長手径或いは短手径にほぼ等しい厚みを有する板
材12を用い、その板材12を固定し、その板材12の
一方の面18の側から先端部に切削刃26を備え、回転
及び前進、後退自在に支持した切削工具24を当てて半
球状体32を彫り出し、更に他の面16の側から同一又
は同様の切削工具40を当てて残りの半球状体を彫り出
して球状体を形成する。又、切削工具24には回転軸3
4の先端部に円弧形状の刃先28を少なくとも1箇所設
けた切削刃26を備える

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は健康器具、インテリア、
遊具、宗教用品、家具部品等、種々の用途に使用可能な
木製球状体の製造方法並びにその切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木製の球状体はカー座席用背もた
れマット、指圧ローラー、指圧枕、肩たたき、玉暖簾、
剣玉、数珠、家具の取っ手、入浴用芳香剤等、種々の用
途に使用されている。これ等の球状体は通常木材を加工
して形成する。その際、一般には板材から更に製材した
細長い角材又は丸材を用い、その角材等を木工旋盤又は
ろくろにくわえさせて回転させ、それに直角方向よりバ
イト又は回転している成型カッタを当てて切削するとい
う方法が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法では量産が行なえず、製品の精度も一定しな
い。しかも、板材から更に細長い角材又は丸材に製材し
た後に切削加工を行なうため材料ロスが多くなる。
【0004】本発明はこのような従来の問題点に着目し
てなされたものであり、第1目的は木製の球状体を精度
高く量産化でき、材料ロスも少ない製造方法を提供する
ことである。又、第2目的はそのような製造方法で使用
するのに好適な切削工具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による木製球状体56の製造方法では、彫り
出す球状体56の基になっている各種円の直径又は長手
径或いは短手径にほぼ等しい厚みを有する板材12を用
い、その板材12を固定し、その板材12の一方の面1
8の側から先端部に切削刃26を備え、回転及び前進、
後退自在に支持した切削工具24を当てて半球状体32
を彫り出し、更に他の面16の側から同一又は同様の切
削工具40を当てて残りの半球状体54を彫り出して球
状体56を形成するという工程を踏む。
【0006】又、上記製造方法に使用する切削工具24
として、回転軸34の先端部に円弧形状の刃先28を少
なくとも1箇所設けた切削刃26を備えたものを用いる
と好ましくなる。
【0007】又、上記製造方法に使用する切削工具12
6として、回転軸134の先端部に円弧形状の刃先14
2を少なくとも1箇所設けた錐146付き切削刃138
を備えたものを用いるとよい。
【0008】
【作用】上記のように構成し、彫り出す球状体56の直
径又は長手径或いは短手径にほぼ等しい厚みを有する板
材12を用い、その板材12を固定し、その板材12の
一方の面18の側から先端部に切削刃26を備え、回転
及び前進、後退自在に支持した切削工具24を当てて半
球状体32を彫り出し、更に他の面16の側から同一又
は同様の切削工具40を当てて残りの半球状体54を彫
り出して球状体56を形成すると、固定した板材12に
直接切削加工し、半球状体32、54毎に分けて彫り出
すため、球状体56の表面を滑らかにし、精度を上げる
ことができる。しかも、切削工具24(40)を多軸化
して板面18(16)と直角方向に立てて並べ、切削刃
26(44)を互いに近付けて配設し、更に板材12を
定寸送りすることが可能になる。
【0009】又、木製球状体56を製造する切削工具2
4として、回転軸34の先端部に円弧形状の刃先28を
少なくとも1箇所設けた切削刃26を備えたものを用い
ると、軸34を回転しながら切削刃26を板面18に当
て、一定距離前進させるだけで、半球状体32を素早
く、精度高く形成できる。
【0010】又、木製球状体166を製造する切削工具
126として、回転軸134の先端部に円弧形状の刃先
142を少なくとも1箇所設けた錐146付き切削刃1
38を備えたものを用いると、軸134を回転しながら
切削刃138を板面150に当て、一定距離前進させる
だけで、穴154付き半球状体156を素早く、精度高
く形成できる。
【0011】
【実施例】以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例
を説明する。図1は本発明を適用した中心貫通穴付き木
製球の下側に設置した切削工具による下半球製造過程を
一部断面図で示す正面図、図2は輪切板材、長方形板材
の斜視図である。図中、10は木材の繊維方向と直角方
向に切断した輪切板材、12は木材の繊維方向に沿って
切断した長方形板材である。これ等の板材10、12は
共に中心貫通穴付き球の製造に使用でき、各板材10、
12の厚みを製造すべき球の直径よりやや厚くして用い
る。例えば、長方形板材12から中心貫通穴付き球を製
造する場合、先ずその板面を水平に保って搬送装置に固
定する。次に、板材12をルータマシン等のコレットチ
ャックに装着した錐に向けて搬送し、図3に示すような
高速度鋼、超硬合金等からなる刃先を持った錐14の下
側位置まで移動する。そして、図4に示すように錐14
で板材12の所定箇所に板面に垂直方向に上面16から
下面18まで貫く穴20を開ける。なお、22は錐14
の軸を一方向又は反対方向に自在に回転し、前進、後退
自在に支持するコレットチャックである。
【0012】次に、貫通穴20を設けた板材12をやは
りルータマシン等のコレットチャックに装着して、上下
にそれぞれ配設してある高速度鋼、超硬合金等からなる
刃先を持った切削工具に向けて搬送する。但し、上側の
切削工具は搬送方向の前方側に配置して板材12の上面
より上側に設置し、下側の切削工具は搬送方向の後方側
に配置して板材12の下面より下側に設置する。
【0013】しかも、各切削工具として回転軸の先端部
に切削刃を備え、その切削刃の先端に半円弧の刃先を1
箇所設けたものを使用する。なお、切削刃には少なくと
も1箇所4分の1円弧の刃先が必要である。又、各切削
工具の回転軸を板材12の上面或いは下面に対して直角
方向に配置し、それ等の各回転軸を直角方向を保ったま
ま上下面に対して前進、後退自在に即ち上下動自在に支
持する。更に、各切削工具に備えた切削刃の刃先の半円
弧の両端を結ぶ直線を回転軸の中心線と直角に交わるよ
うにする。因みに、各刃先の半円弧の両端を結ぶ直線と
板材12の中心線とは平行になる。
【0014】そして、板材12が手前側にある切削工具
上の所定位置に達し、貫通穴20の中心線が切削工具の
回転軸の中心線と一致したら搬送を停止して、切削工具
をその軸を回転させながら上動する。すると、図1に示
すように切削工具24の切削刃26の先端に設けた半円
弧の刃先28を板材12の下面18から中心線30の位
置まで切り込んで、下側分の半球32を素早く、精度高
く形成できる。なお、34は切削工具24の回転軸、3
6はその軸34を一方向又は反対方向に自在に回転し、
前進、後退自在に支持するコレットチャック、38は切
削刃26の切り屑を取り除く溝である。
【0015】このような切削工具24と対になるのが、
板材12の上面16の上側に設置した切削工具40であ
る。この切削工具40も回転軸42とその先端部に備え
た切削刃44からなり、下側に設置した切削工具24と
配置が上下反対になっているだけで、同様の構造を備え
ている。そして、切削刃44の先端に半円弧の刃先46
を有し、周面に切り屑除去溝48を有する。但し、切削
工具40は切削工具24より前方にある。なお、参考ま
でにコレットチャックによる切削工具の支持状態を明ら
かにするため、切削工具40を支持するコレットチャッ
ク50は断面図で示した。
【0016】下側半球32を彫り出した後、切削工具2
4を所定の位置まで下動し、次に搬送されてくる板材1
2に備えて待機させる。そして、下側半球32を彫り出
した状態の板材12を更に前方にある切削工具40の下
側まで搬送し、やはり貫通穴20の中心線が切削工具4
0の回転軸42の中心線と一致したら搬送を停止して、
切削工具40をその軸42を回転させながら下動する。
すると、図5に示すように切削工具40に設けた半円弧
の刃先46を板材12の上面16から中心線30に向け
て切り込ませることができる。なお、52は半球32の
周囲にできる穴である。
【0017】更に切り込んで行くと、上半分の半球をや
はり素早く、精度高く形成できる。すると、図6に示す
ような上側半球54の形成と同時に、中心に貫通穴20
を有する例えば直径が10mm程の完成した球56が板
材12から離れて落下する。なお、58は球56を掘り
出した穴である。そこで、切削工具40を所定の位置ま
で上動し、次に搬送されてくる板材12に備えてやはり
待機状態にする。このようにして、板材12から切削加
工によって球56を彫り出すと、球56の表面が滑らか
になる。因みに、球とは円の直径を中心とする回転体で
ある。
【0018】上記実施例では錐14と1対の切削工具2
4、40を用いて板材12から中心貫通穴20付き球5
6を1個彫り出すことについて説明したが、これ等の錐
14と切削工具24、40はいずれも多軸化できる。そ
こで、板材12の上側に多軸化し、互いに近付けて配置
した各錐14を設置すると、板材12を定寸送りして、
板材12に多数の貫通穴20を互いに近付けて明けるこ
とができる。そして、更に板材12の下側或いは上側に
それぞれ多軸化し、互いに近付けて配置した各切削刃2
4、40を設置すると、板材12を定寸送りして、同一
の板材12から多数の中心貫通穴20付き球56を材料
ロスを少なく彫り出せる。
【0019】このようにして、次々に彫り出した中心貫
通穴20付き球56を磨き装置の入口に投入する。この
磨き装置はその構造が一側面側から見ると図7のように
なっており、上側から見ると図8のようになっている。
図中、60は磨き装置、62はその投入口、64は本体
ケース、66は吐出口である。この本体ケース64は三
角柱状の内部空間68を有し、その上側の広い空間内に
大部分を占有するように2本の回転ブラシ70、72を
並べて設け、それ等の両回転ブラシ70、72の下側近
傍に空間68を仕切ってそれぞれ円弧状に各ブラシ7
0、72を囲む篩い74を設ける。そして、その篩い7
4の下側近傍に金網76を水平に張り渡し、下側空間の
大部分を集塵室78に形成し、その最下部にある室壁に
集塵口80を設ける。
【0020】これ等の各回転ブラシ70、72は中心に
それぞれ軸82、84を有し、それ等の各軸82、84
に植毛用胴部86、88をそれぞれ固着してあり、それ
等の各胴部86、88の円周上に沿って等間隔に離して
止め金90でナイロン製等の強靱な多量の毛92をまと
めて例えば8列に分けてそれぞれ植毛してある。又、篩
い74は丸棒94を等間隔に離して並べて形成し、それ
等の隣接する丸棒94の間隔を磨きの対象となる中心貫
通穴20付き球56が下方に落ちないように球56の直
径より少し狭くする。なお、96はピローブロックであ
る。
【0021】このような磨き装置60は磨き時に、各軸
82、84の一端部にそれぞれ備えたスプロケット9
8、100を介して、各回転ブラシ70、72に駆動力
を伝達する。そして、例えば投入口62の側に設置した
回転ブラシ70の周速が140〜150m/minとな
り、吐出口66の側に設置した回転ブラシ72の周速が
100〜125m/minとなるようにそれぞれ矢印方
向に回転させる。それ故、球56を多量に投入口62か
ら入れても、各球56を篩い74の隣接する丸棒94の
間にできる空間内に入れながら表面と貫通穴20の内面
とを回転ブラシ70に植え付けた毛先で擦り、何回も篩
い74に沿って同様の磨きを繰り返して順次前方へと送
り、更に回転ブラシ72の毛先で同様に擦った後に吐出
口66から放出できる。
【0022】このようにして、両回転ブラシ70、72
で各球56の表面と貫通穴20の内面とを擦ると、そこ
に付着していた削り粉等を取り除ける。しかも、各球5
6の表面を一層滑らかにして素早く、良好な光沢面にで
きる。それ故、これ等の球56は外観的に優れたものと
なり、種々の用途に使用できる。例えば、球56の各貫
通穴20に紐等を通し、隣接する球56を互いに接触さ
せ、長方形の格子状に配置するとマット状になる。そこ
で、図9に示すようにカー座席102に敷いて用いる
と、背もたれマット104として運転中に良好な指圧効
果が得られる。そして、球及び貫通穴の直径を適宜選ぶ
ことにより、貫通穴付き木製球の使用に適した指圧ロー
ラー、指圧枕、肩たたき等の健康器具、玉暖簾等のイン
テリア、剣玉等の遊具、数珠等の宗教用品等、他の用途
にも使用できる。
【0023】又、上記実施例では各切削刃26、44に
半円弧の刃先28、46をそれぞれ設けた1対の切削工
具24、40を用いて球56を彫り出すことについて説
明したが、各切削刃に少なくとも4分の1長円弧の刃先
をそれぞれ1箇所設けた1対の切削工具を用いると、図
10に示すような長円の長手径106を中心とする回転
体からなる長円球状体108を彫り出すことができる。
又、長円の短手径を中心とする回転体にして長円球状体
を彫り出すこともできる。なお、110は先に錐14で
形成した中心貫通穴である。又、各切削刃に少なくとも
4分の1楕円弧の刃先をそれぞれ1箇所設けた1対の切
削工具を用いると、図11に示すような楕円の長手径1
12を中心とする回転体からなる楕円球状体114を彫
り出すことができる。又、楕円の短手径を中心とする回
転体にして楕円球状体を彫り出すこともできる。なお、
116は先に錐14で形成した中心貫通穴である。
【0024】又、各切削刃に少なくとも4分の1円弧の
刃先をそれぞれ1箇所設けた1対の切削工具を用い、下
側に設置した切削工具の切り込み深さに比べ、上側に設
置した切削工具の切り込み深さを浅くすると、図12に
に示すような円の長径を中心とする一部欠けた回転体か
らなる不完全球118を彫り出すことができる。なお、
120は先に錐14で形成した中心まで達する穴であ
る。又、板材12に穴を明けることなく同様の切削工具
のみを用いて、上下に設置した各切削工具による切り込
み深さを等しくすると、図13に示すような円の長径を
中心とする回転体からなる球122を彫り出すことがで
きる。
【0025】これ等の球状体108、114や球122
等を彫り出す場合、それ等の基になっている長円、楕円
の長手径や短手径或いは円の直径よりやや厚みがある板
材を使用する。但し、不完全球118を彫り出す場合に
は基になっている円の直径より厚みの少ない板材を使用
する。これ等の球状体108、114や球122等も磨
き装置60に投入し、それ等の各表面から削り粉を取り
除き、光沢面にして健康器具等、各種用途に使用する。
その際、不完全球118は家具の取っ手等に使用すると
よく、球122は浴槽に浮かべ入浴用芳香剤等として使
用できる。但し、球122を入浴用芳香剤等として使用
する場合には、板材に檜、杉等の芳香性の物質(テルペ
ン)を多く発生する木を用いる。なお、他の球状体につ
いても芳香性物質の発生を利用する場合には当然板材に
芳香性物質を発生する檜、杉等の木を使用する。
【0026】図14は本発明を適用した中心貫通穴付き
球の下側に設置した錐付き切削刃を有する切削工具によ
る下半球製造過程を一部断面図で示す正面図である。図
中、124は板材、126は下側切削工具、128はそ
の下側切削工具126を保持するコレットチャック、1
30は上側切削工具、132はその上側切削工具130
を保持するコレットチャックである。これ等の各切削工
具126、130は上記実施例による各切削工具24、
40と比べ、各回転軸134、136の先端部に備える
切削刃138、140の構造が異なる。そして、各切削
刃138、140には先端に半円弧の刃先142、14
4をそれぞれ設け、更に各刃先142、144の中心か
ら錐146、148をそれぞれ突設する。その際、各錐
146、148の中心線を各回転軸134、136の中
心線と一致させ、各錐146、148の長さを各刃先1
42、144を形成する半円弧の円弧半径より僅かに長
くする。なお、各刃先142、144の形状等は上記実
施例による各刃先28、46の形状等と同一にする。
【0027】このような切削工具126、130を使用
すると、中心貫通穴付き球を製作する際に、当然独立し
た錐を必要とせず、板材124を直接上下に配設してあ
る切削工具126、130に向けて搬送すればよい。そ
して、板材124が手前側にある切削工具126上の所
定位置に達したら搬送を停止し、やはり切削工具126
の軸134を回転させながら上動する。すると、図14
に示すように切削工具126の切削刃138の先端に設
けた半円弧の刃先142を板材124の下面150から
中心線152の位置まで切り込んで、下側分の中心穴1
54付き半球156を素早く、精度高く形成できる。な
お、錐146の先端は中心線152を僅かに超えて突出
する。
【0028】下側の中心穴154付き半球156を彫り
出した後、切削工具126を所定の位置まで下動し、次
に搬送されてくる板材124に備えて待機させる。そし
て、下側の中心穴154付き半球156を彫り出した状
態の板材124を更に前方にある切削工具130の下側
まで搬送し、所定の位置に達したら搬送を停止して切削
工具130の軸136を回転させながら下動する。する
と、図15に示すように切削工具130に設けた半円弧
の刃先144、錐148等を板材124の上面158か
ら中心線152に向けて切り込ませることができる。
【0029】更に切り込んで行くと、上半分の中心穴付
き半球をやはり素早く、精度高く形成できる。すると、
図16に示すような上側の中心穴160付き半球162
の形成と同時に、中心貫通穴164付きの例えば直径が
10mm程の完成した球166が板材124から離れて
落下する。そこで、切削工具130を所定の位置まで上
動し、次に搬送されてくる板材124に備えてやはり待
機状態にする。このようにして、1対の切削工具12
6、130を使用し、板材124から直接中心貫通穴1
64付き球166を彫り出すと、独立した貫通穴の形成
工程が必要なくなり、製品の彫り出しスピードが上が
り、精度も向上する。そして、多軸化等を実施すると、
一層多量生産に適するようになる。なお、錐付き切削刃
に備える刃先の形状を2分の1又は4分の1長円弧、或
いは2分の1又は4分の1楕円弧等に替えると、当然板
材から直接中心貫通穴付き長円球状体、中心貫通穴付き
楕円球状体等を彫り出すことができる。
【0030】なお、上記実施例では1対の切削工具を用
い、各切削工具で半分ずつ彫り出して球等の球状体を完
成させたが、1方の切削工具のみを用いても、その切削
工具の位置を180°変えられるよう移動可能にしてお
くと、やはり半分ずつ彫り出して球状体を完成できる。
【0031】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項1
では板材を固定し、その板材の一方の面側から先端部に
切削刃を備え、回転及び前進、後退自在に支持した切削
工具を当てて半球状体を彫り出し、更に他の面側から同
一又は同様の切削工具を当てて残りの半球状体を彫り出
して球状体を形成するため、固定した板材に直接加工
し、半球状体毎に分けて彫り出しを行ない、球状体の精
度を上げることができる。しかも、切削工具を多軸化し
て板面と直角方向に立てて並べ、切削刃を互いに近付け
易いので、板材を定寸送りすることにより、同一板材か
ら球状体を多量生産できる。そして、彫り出す球状体の
基になっている各種円の直径又は長手径或いは短手径と
ほぼ等しい厚みを有する板材を用いると、材料ロスも少
なくなる。
【0032】請求項2では切削工具として、回転軸の先
端部に円弧形状の刃先を少なくとも1箇所設けた切削刃
を備えたものを使用すると、半球状体を素早く、精度高
く形成できて好都合となる。
【0033】請求項3では切削工具として、回転軸の先
端部に円弧形状の刃先を少なくとも1箇所設けた錐付き
切削刃を備えたものを使用すると、穴付き半球状体を素
早く、精度高く形成できて好都合となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した中心貫通穴付き木製球の下側
に設置した切削工具による下半球製造過程を一部断面図
で示す正面図である。
【図2】同中心貫通穴付き木製球の製造に用いる輪切板
材、長方形板材の斜視図である。
【図3】同板材を錐の下側位置まで移動した状態を示す
正面図である。
【図4】同板材に錐で貫通穴を開けた状態を一部断面図
で示す正面図である。
【図5】同中心穴付き木製球の上側に設置した切削工具
による上半球製造過程を一部断面図で示す正面図であ
る。
【図6】同上側切削工具によって上半球を彫り出し、木
製球を完成させた状態を示す正面図である(下側切削工
具の図示は省略)。
【図7】本発明を適用した木製球状体を磨く、磨き装置
の一側面側から見た構造を示す図である。
【図8】同磨き装置の上側から見た構造を示す図であ
る。
【図9】本発明を適用した中心貫通穴付き木製球の使用
例たるカー座席用背もたれマットを示す斜視図である。
【図10】本発明を適用した中心貫通穴付き木製長円球
状体を示す正面図である。
【図11】本発明を適用した中心貫通穴付き木製楕円球
状体を示す正面図である。
【図12】本発明を適用した中心穴付き不完全球を示す
正面図である。
【図13】本発明を適用した球を示す正面図である。
【図14】本発明を適用した中心貫通穴付き木製球の下
側に設置した錐付き切削刃を有する切削工具による下半
球製造過程を一部断面図で示す正面図である。
【図15】同中心貫通穴付き木製球の上側に設置した錐
付き切削刃を有する切削工具による上半球製造過程を一
部断面図で示す正面図である。
【図16】同上側切削工具によって中心穴付き上半球を
彫り出し、中心貫通穴付き木製球を完成させた状態を示
す正面図である
【符号の説明】
10、12…板材 14、146、148…錐 16、
158…上面 18、150…下面 20、110、1
16、164…中心貫通穴 22、36、50、12
8、132…コレットチャック 24、40、126、
130…切削工具 26、44、138、140…切削刃 28、46、1
42、144…刃先 30、152…中心線 32、54、156、162…
半球 34、42、134、136…回転軸 60…磨
き装置 70、72…回転ブラシ 104…カー座席用
背もたれマット 108…長円球状体 114…楕円球
状体 118…不完全球 120、154、160…中
心穴 56、122、166…球

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 彫り出す球状体の基になっている各種円
    の直径又は長手径或いは短手径とほぼ等しい厚みを有す
    る板材を用い、その板材を固定し、その板材の一方の面
    側から先端部に切削刃を備え、回転及び前進、後退自在
    に支持した切削工具を当てて半球状体を彫り出し、更に
    他の面側から同一又は同様の切削工具を当てて残りの半
    球状体を彫り出して球状体を形成することを特徴とする
    木製球状体の製造方法。
  2. 【請求項2】 回転軸の先端部に円弧形状の刃先を少な
    くとも1箇所設けた切削刃を備えることを特徴とする請
    求項1記載の製造方法に使用する切削工具。
  3. 【請求項3】 回転軸の先端部に円弧形状の刃先を少な
    くとも1箇所設けた錐付き切削刃を備えることを特徴と
    する請求項1記載の製造方法に使用する切削工具。
JP6302798A 1994-11-10 1994-11-10 木製球状体の製造方法並びにその切削工具 Pending JPH08132401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6302798A JPH08132401A (ja) 1994-11-10 1994-11-10 木製球状体の製造方法並びにその切削工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6302798A JPH08132401A (ja) 1994-11-10 1994-11-10 木製球状体の製造方法並びにその切削工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08132401A true JPH08132401A (ja) 1996-05-28

Family

ID=17913245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6302798A Pending JPH08132401A (ja) 1994-11-10 1994-11-10 木製球状体の製造方法並びにその切削工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08132401A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112706236A (zh) * 2021-01-05 2021-04-27 李明枫 一种圆珠加工设备

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112706236A (zh) * 2021-01-05 2021-04-27 李明枫 一种圆珠加工设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107042439B (zh) 一种木质工艺品打磨抛光机
US4979782A (en) Process and apparatus for production of bristle products
US8465346B1 (en) Slidable platform abrasion workstation device for truing model car wheels and axles
EP3782786B1 (en) Brushing machine for producing vintage-style lumber and method for producing vintage-style lumber
JP2012045629A (ja) 樹脂成形品のパートライン研磨装置及びその研磨方法
US2467194A (en) Machine for removing the soft wood from the surface of plywood panels
JPH08132401A (ja) 木製球状体の製造方法並びにその切削工具
US4627477A (en) Lathe, duplicating
US4861364A (en) Method for using stained glass revolving work station with removable work surface
JP2013059858A (ja) 樹脂成形品のパートライン研磨装置
JPH0525632B2 (ja)
CN212824378U (zh) 一种设备生产用打磨平台
JPS58217265A (ja) 割ばし自動艶出し装置
CN112497978A (zh) 一种在工艺品坯体表面雕刻纹理的装置
JPH08117075A (ja) 枕芯材用球状体並びにその製造方法及びその製造工具
US20070144613A1 (en) Method for engraving and decorating wooden objects
US558951A (en) Carving-machine
US3064510A (en) Spherical contour slotting and shaping lathe
CN220876212U (zh) 一种分叉式斜角刷加工平台
CN217044775U (zh) 一种龙门铣床工作台
JPH01135463A (ja) 木工用仕上研削機
JP3155296B2 (ja) 床柱の切削加工機
Hildburgh Chinese methods of cutting hard stones
US487233A (en) Island
US164648A (en) Improvement in comb-cutting machines

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051122

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060117