JPH08132232A - ダイヤフラム付鋼管柱 - Google Patents

ダイヤフラム付鋼管柱

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JPH08132232A
JPH08132232A JP27351194A JP27351194A JPH08132232A JP H08132232 A JPH08132232 A JP H08132232A JP 27351194 A JP27351194 A JP 27351194A JP 27351194 A JP27351194 A JP 27351194A JP H08132232 A JPH08132232 A JP H08132232A
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diaphragm
steel pipe
welding
steel
pipe column
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Toshiaki Miyao
俊明 宮尾
Yutaka Osanawa
裕 長縄
Mikio Sawa
幹夫 澤
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイヤフラムと鋼管外面の間隔を小さく抑え
るようにしてダイヤフラムを鋼管に固定するための溶接
を問題なく行うことができるようにすること。 【構成】 ダイヤフラム3が取付けられる鋼管1は鋼板
を円筒形状に成形し、次いで長手方向に少なくとも外面
側を潜弧溶接してなり、その外面側溶接部の高さを母材
の外面に対して0〜0.5mmになるように形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は梁が接続されるダイヤフ
ラム付鋼管柱に係り、さらに詳しくは中央に開口部を有
する一体型、又は半割り型ダイヤフラムの開口部に鋼管
を嵌入して形成されるダイヤフラム付鋼管柱に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のダイヤフラム付鋼管柱の一例は特
開平5−255972号公報に開示されている。この従
来例はダイヤフラムである環状体を鋼管に嵌め込んでな
るダイヤフラム付鋼管柱に関するもので、環状体の開口
は鋼管の外周寸法より少々大きいことが開示されてい
る。そして、環状体の開口を鋼管の外周寸法より少々大
きくすることにより、鋼管と環状体との隅肉溶接が容易
になると述べられているが、環状体と鋼管の間隙は環状
体の開口の寸法のみならず鋼管の外周寸法によっても影
響されるのは当然である。特に、環状体の開口は一般に
機械加工で製作されるのに対し、鋼管はその軸に平行な
方向またはスパイラル状の溶接部を持つことが多く、環
状体の開口と鋼管外周の間隙は場所によって異なる。そ
の場合、この間隙をどの程度に設定するかが重要となる
が、その従来例を記載した特開平5−255972号公
報には具体的な記載がなく、実際にダイヤフラム付鋼管
柱を製造する際には問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、鋼管柱として
梁が取り付けられる鋼管は、通常大径厚肉であり、鋼板
を円筒形状に成形し、次いで長手方向に少なくとも外面
側を潜弧溶接して製造される場合が多い。該鋼管におい
ては溶接部の厚みは鋼管母材の厚みよりも厚くすること
が常識で、溶接部の少なくとも外面側をほぼ全長にわた
り切削して余盛を除去することは一般的でない。それは
溶接部が母材部に比べ強度、破壊抵抗に関して信頼性が
低いためである。しかし、鋼管柱に荷重が加わった場合
の鋼管柱の変形挙動を詳細に解析した結果、溶接部を母
材とほぼ同じ厚みにしてもその性能上問題はないとの知
見を得た。
【0004】そこで、本発明はダイヤフラムと鋼管外面
の間隔を小さく抑えるようにしてダイヤフラムを鋼管に
固定するための溶接を問題なく行うことができるように
なったダイヤフラム付鋼管柱を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダイヤフラ
ム付鋼管柱を構成する鋼管は、鋼板を円筒形状に成形
し、次いで長手方向に少なくとも外面側を潜弧溶接して
なり、その外面側溶接部の高さを母材の外面に対して0
〜0.5mmになるように切削して形成されている。さ
らに、ダイヤフラム付鋼管柱を構成するダイヤフラム
は、一体型の環形状に形成されている。また、ダイヤフ
ラム付鋼管柱を構成するダイヤフラムは、2個の半割り
ダイヤフラムを鋼管の外面に管周方向に沿って配置し、
これら半割りダイヤフラムの突合わせ部分が溶接接合さ
れて環状に形成されている。
【0006】
【作用】本発明においては、鋼管の外面溶接部の高さが
母材の外面に対し、0〜0.5mmの範囲になるよう切
削することによって生じる作用を説明すると、以下の通
りである。まず、外面溶接部の高さの母材の外面に対す
る下限を0mmとしたのは、もしそれがマイナスになる
と、溶接部の厚みが隣接する母材の厚みより薄くなり、
溶接部から破壊することが懸念されるためである。ま
た、外面溶接部の高さの母材の外面に対する上限を0.
5mmとしたのは、それ以上を越えると、鋼管をダイヤ
フラムの開口部に嵌入したとき、ダイヤフラムと鋼管外
面との隙間が大きくなり過ぎ、ダイヤフラムを固定する
溶接が困難になるとともに溶接できたとしても欠陥が多
くなってしまうためである。従って、外面溶接部の高さ
が母材の外面に対し、0〜0.5mmの範囲になるよう
に切削することにより、鋼管の平均外径に対し、ダイヤ
フラムの開口部の内径を6mm程度大きくすれば、鋼管
をダイヤフラムに嵌入する作業が問題なく行え、同時に
該ダイヤフラムを鋼管に固定する隅肉溶接も容易に行え
ることとなった。
【0007】この場合、鋼管とダイヤフラムの開口部の
内径との差が8mmであれば、鋼管外面とダイヤフラム
内周面の隙間は、鋼管の外面溶接部では3.5mm、そ
れ以外の部分では4mmとなり、この大きさの隙間は、
鋼管をダイヤフラムに嵌入する作業および隅肉溶接の両
方にとって好ましい大きさである。また、ダイヤフラム
は一体型の環状であるから、ダイヤフラムを鋼管に取り
付けるための取扱いが容易になる。即ち、ダイヤフラム
が一体型であれば、位置決めは一回やればよく施工能率
がよい。なお、一体型は鋼管への取付けの際、鋼管の端
をダイヤフラムの開口部に挿入し、ダイヤフラムを鋼管
の軸に沿って滑らせて所定位置までもっていかねばなら
ない煩わしさがある。さらに、ダイヤフラムを2個の半
割りダイヤフラムからなる分割型としたときには、2個
の半割りダイヤフラムを直接鋼管の取付け位置へ持って
いき、そのまま溶接することにより、ダイヤフラムを構
成して取り付けることができ、一体型のダイヤフラムに
比べて施工が容易となる。どちらの形式がよいかは、鋼
管、ダイヤフラムの寸法により異なり、必要に応じて各
場面でいずれか適当な能率の良い方法を採用することが
できる。
【0008】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1.図1は本発明の一実施例に係るダイヤフラム
付鋼管柱の鋼管柱軸に沿う断面図、図2は同ダイヤフラ
ム付鋼管柱の鋼管柱軸に直角な断面図、図3は同ダイヤ
フラム付鋼管柱の溶接部とダイヤフラムの位置関係を示
す断面図である。図において、1は鋼管で、鋼板を円筒
形状にプレス成形後、鋼板の合わせ目を内面及び外面か
ら潜弧溶接にて溶接して製造されている。その潜弧溶接
の手順は、プレス成形された鋼板の合わせ目部分に予め
形成された内面の開先部分を溶接し、次いで外面にグラ
インダ等で開先を形成してその部分を潜弧溶接するのが
一般的であるが、プレス成形された鋼板の合わせ目部分
の内面と外面に予め形成されている開先にそれぞれ潜弧
溶接を行う場合もある。そして、鋼管1の潜弧溶接され
た溶接部2の外面側はグラインダで切削される。2は鋼
管1の溶接部、2aは溶接部2の外面側を切削する前の
状態を示し、2bは溶接部2の外面側を切削した後の状
態を示している。
【0009】3はダイヤフラムで、本実施例では一体型
で内周と外周が円環状に鍛造で成形されている。このダ
イヤフラム3はその中央の開口部から鋼管1の所定位置
まで挿入し、ダイヤフラム3の内周縁部と鋼管1の外周
面との隙間に溶接して隅肉溶接部4を形成し、鋼管1の
所定の位置にダイヤフラム3を固定している。5はダイ
ヤフラム3と鋼管1の外面との隙間である。鋼管1に固
定されたダイヤフラム3の外周部は、鋼管1が小径の場
合は梁を接続するときにその梁が接続される一部が現場
で切断されるが、鋼管1が大径の場合は梁が接続される
その一部が予め製作工場で切断されているか、始めから
切断された形状で製作されている。なお、この実施例で
はダイヤフラムの固定のための溶接は半自動の炭酸ガス
シールドアーク溶接を採用したが、ほかに手溶接、潜弧
溶接などが適用可能である。
【0010】以下に具体例を示す。 (具体例1)用いた鋼管は直径750mm,管厚30m
mで,鋼板を円筒形に曲げた後、合わせ目を内外面から
それぞれ潜弧溶接で溶接して鋼管にした。この時の外面
溶接部の余盛高さは3.1mmであった。この鋼管に開
口部直径が2種類のダイヤフラムを適用し、かつ外面溶
接部の余盛高さを変化させて組立試験を実施した。用い
たダイヤフラムは一体型である。結果を表1の試験番号
Aに示す。また、その比較例をa−1 〜a−3 に示す。
【0011】
【表1】
【0012】試験番号Aでは余盛高さが0.3mmにな
るように砥石で切削し、内径756mmのダイヤフラム
を用いた。そのため、鋼管とダイヤフラムの隙間は2.
7mm〜3mmの範囲におさまっており、ダイヤフラム
の位置決め作業、溶接作業とも順調であった。一方、余
盛高さを1.5mmと本発明の範囲より高くすると、a
−1 に示すように外面溶接部の頂部との隙間が1.5m
mと著しく小さくなり、ダイヤフラムの位置決め作業に
大幅な支障が生じた。また、外面溶接部付近で隙間が
1.5mm〜3mmと急激に変化するため、溶接はでき
たものの欠陥が多発した。a−2は外面溶接部を切削し
ない場合で、内径756mmのダイヤフラムは挿入不可
能であった。a−3 は、ダイヤフラムを挿入可能とする
ために、ダイヤフラムの内径を760mmと大きくした
結果で、位置決め作業は順調に行えたが、ダイヤフラム
と鋼管との隙間が大きすぎること及び外面溶接部付近で
該隙間の変化が急激であるため溶接が不可能であった。
【0013】(具体例2)用いた鋼管は直径910m
m、管厚32mmで、鋼板を円筒形に曲げた後、合わせ
目を内外面からそれぞれ潜弧溶接で溶接して鋼管にし
た。この時の外面溶接部の余盛高さは3.2mmであっ
た。この鋼管を用いて具体例1と同様の組立試験を行っ
た。用いたダイヤフラムは一体型である。組立試験の結
果を表1の試験番号Bに示す。また、その比較例をb−
1〜b−3に示す。本実施例においても、余盛高さを
0.5mm以下となるように余盛を切削してやれば、ダ
イヤフラムの位置決め及び溶接が順調であったのに対
し、余盛高さが0.5mmを越えるb−1〜b−3では
a−1〜a−3で述べたと同じような問題点が生じた。
【0014】なお、ここで外面溶接部の余盛高さの切削
には砥石を用いたが、余盛高さの切削方法は、これに限
定されるものではなく、ミリングカッタ−による切削で
も構わない。また、上記具体例の鋼管は直径750m
m、管厚30mmと直径910mm、管厚32mmのも
のであるが、本発明は直径400〜1500mm、管厚
15〜50mmの鋼管にも適用可能であり、それに伴い
ダイヤフラムもその内径が大きくなり、ダイヤフラムは
その内径が鋼管の直径に最大3mm加えたものが用いら
れることとなる。
【0015】実施例2.この実施例は本発明の一つであ
る分割型のダイヤフラムを鋼管に取り付けた例で、2個
の半割りダイヤフラムを用いており、2個の半割りダイ
ヤフラムを鋼管の外面に管周方向に沿って配置し、これ
ら半割りダイヤフラムの突合わせ部分を溶接接合して円
環形状に形成される。なお、鋼管及びダイヤフラムの寸
法は実施例1の具体例の場合と同様である。本実施例は
ダイヤフラムが分割型であるため、ダイヤフラムの位置
決め作業が実施例1の場合に比べ容易であった。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ダイヤフ
ラムが取付けられる鋼管は鋼板を円筒形状に成形し、次
いで長手方向に少なくとも外面側を潜弧溶接してなり、
その外面側溶接部の高さを母材の外面に対して0〜0.
5mmになるように形成されているので、ダイヤフラム
と鋼管外面の間隔を小さく抑えることができ、ダイヤフ
ラムを鋼管に固定するための溶接を問題なく行なうこと
ができるという効果を有する。また、ダイヤフラムを一
体型、分割型のいずれか一方を、鋼管及びダイヤフラム
の寸法に応じて選択することにより、ダイヤフラムの取
り付け能率が向上するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係るダイヤフラム付
鋼管柱の鋼管柱軸に沿う断面図である。
【図2】図2は同ダイヤフラム付鋼管柱の鋼管柱軸に直
角な断面図である。
【図3】図3は同ダイヤフラム付鋼管柱の溶接部とダイ
ヤフラムの位置関係を示す断面図である。
【符号の説明】
1 鋼管 2 溶接部 3 ダイヤフラム 4 隅肉溶接部 5 ダイヤフラムと鋼管外面との隙間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管の外面にダイヤフラムを取付けてな
    るダイヤフラム付鋼管柱において、 前記鋼管は鋼板を円筒形状に成形し、次いで長手方向に
    少なくとも外面側を潜弧溶接してなり、その外面側溶接
    部の高さを母材の外面に対して0〜0.5mmになるよ
    うに切削して形成されていることを特徴とするダイヤフ
    ラム付鋼管柱。
  2. 【請求項2】 鋼管の外面にダイヤフラムを取付けてな
    るダイヤフラム付鋼管柱において、 前記鋼管は鋼板を円筒形状に成形し、次いで長手方向に
    少なくとも外面側を潜弧溶接してなり、その外面側溶接
    部の高さを母材の外面に対して0〜0.5mmになるよ
    うに切削して形成され、前記ダイヤフラムは一体型の環
    状に形成されていることを特徴とするダイヤフラム付鋼
    管柱。
  3. 【請求項3】 鋼管の外面にダイヤフラムを取付けてな
    るダイヤフラム付鋼管柱において、 前記鋼管は鋼板を円筒形状に成形し、次いで長手方向に
    少なくとも外面側を潜弧溶接してなり、その外面側溶接
    部の高さを母材の外面に対して0〜0.5mmになるよ
    うに切削して形成され、前記ダイヤフラムは2個の半割
    りダイヤフラムを鋼管の外面に管周方向に沿って配置
    し、これら半割りダイヤフラムの突合わせ部分が溶接接
    合されて環状に形成されていることを特徴とするダイヤ
    フラム付鋼管柱。
JP27351194A 1994-11-08 1994-11-08 ダイヤフラム付鋼管柱 Ceased JP3232917B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2824257B1 (de) 2013-07-04 2017-08-16 SIAG Industrie GmbH Verfahren zur Herstellung und zum Errichten eines Rohrturmbauwerks

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2824257B1 (de) 2013-07-04 2017-08-16 SIAG Industrie GmbH Verfahren zur Herstellung und zum Errichten eines Rohrturmbauwerks
EP2824257B2 (de) 2013-07-04 2023-11-15 SIAG Industrie GmbH Verfahren zur Herstellung und zum Errichten eines Rohrturmbauwerks

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