JPH08131719A - フィルター及びそのフィルターを利用した汚濁の除去方法又は有効物質の捕集方法 - Google Patents

フィルター及びそのフィルターを利用した汚濁の除去方法又は有効物質の捕集方法

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JPH08131719A
JPH08131719A JP6302741A JP30274194A JPH08131719A JP H08131719 A JPH08131719 A JP H08131719A JP 6302741 A JP6302741 A JP 6302741A JP 30274194 A JP30274194 A JP 30274194A JP H08131719 A JPH08131719 A JP H08131719A
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JP
Japan
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filter
nonwoven fabric
length
woven fabric
flow
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JP6302741A
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Akinori Minami
彰則 南
Mika Hazama
美香 間
Tomoyuki Kimura
智之 木村
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この出願発明は、複数の多孔質シートとくに
立体状不織布を配置したフィルターを提供すること、こ
のフィルターを使用して効率よく汚濁を除去すること又
は有効物質を捕集することを目的とする。 【構成】 この出願発明は、複数の多孔質シートを互い
に近接もしくは接し、しかも流れを遮るように配置した
フィルター及びそのフィルターを利用した汚濁の除去方
法又は有効物質の捕集方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願発明は、フィルターおよ
びこのフィルターを使用した汚濁の除去方法及び有効物
質の捕集方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の汚濁の除去方法及び有効物質の捕
集方法としては、濾過性能を有する1枚の不織布シート
を流れに対して直交方向に並べる方法、不織布等の濾材
をワインディング加工したカートリッジフィルターを流
れに対して直交方向に並べる方法あるいは非透過性の膜
を水中にカーテン状に吊り下げる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前二者の方法
は濾過性能はよいが目詰まりが生じ、寿命が短いという
問題があり、また、非透過性の膜を水中にカーテン状に
吊り下げる方法は、流速が早い場合には膜がめくれ、除
去あるいは捕集すべき物質が外部に流出するという問題
があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この出願発明者等は、汚
濁成分の除去あるいは有効物質の捕集についていろいろ
検討した結果、複数の多孔質シートとくに立体状不織布
によりこれらの問題を解決したものであり、複数の多孔
質シートとくに立体状不織布を配置したフィルター、こ
のフィルターを使用して汚濁成分を除去すること及び有
効物質を捕集することを目的とする。
【0005】多孔質シートとしては、濾過性能を有し可
とう性のあるものがよい。織物、発泡ウレタン、網、ネ
ットなどが使用されるが、濾過性能と可とう性の点で不
織布、とくに立体状不織布が好ましい。
【0006】不織布は、繊維径の平均値は、1〜100
0μmが好ましく、とくに10〜100μmが好まし
い。1μm以下の場合には、不織布の孔径が小さくなっ
て目詰まりを起こしやすく、また、1000μm以上の
場合には不織布の孔径が大きくなりすぎて濾過性能が低
下するおそれがある。
【0007】孔径は捕集すべき物質の大きさにより異な
るが、不織布の平均孔径は、通常懸濁物の平均粒径の1
0〜500倍であることが好ましい。この倍率が低けれ
ば濾過性能はよいが洗浄までの寿命は短くなる。また、
倍率が高ければ寿命は延びるが、濾過性能は低い。
【0008】不織布の目付、厚み、見かけ密度は捕集す
べき物質の大きさと要求される濾過性能により異なる
が、一般には、目付は100〜1000g/m2、厚み
は3〜20mm、見かけ密度は0.02〜0.30g/
cm3の範囲で使用することが好ましい。
【0009】不織布は、後述する接合部を熱融着等によ
って形成する場合には、熱可塑性繊維、例えば、ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニリ
デン、アクリル系繊維などを主体として構成される不織
布が好ましく、湿熱と圧力でシールする場合は、ビニロ
ンやポリビニルアルコール繊維などか好ましい。また、
ホットメルト型の接着剤によりシールすることもでき
る。具体的には、ポリエステル系熱融着複合繊維とポリ
エチレンテレフタレート繊維の熱融着不織布、ポリオレ
フィン系繊維の熱融着不織布あるいはさらにハロゲン化
ベンジル4ビニルピリジン−スチレンコポリマーを、た
とえば溶剤に希釈して含浸または塗布等により付与した
不織布が好ましく、その量は不織布に対して0.2〜
0.7wt%、0.5wt%程度がとくに好ましい。
【0010】除去あるいは捕集する物質の粒径が小さい
場合には、多孔質物質の表面をそれらの物質の電荷と反
対の電荷に帯電させておくとより効率的に濾過すること
ができる。帯電の方法としては、例えば、ポリマー処
理、イオン性粉末の固着などにより行うことができる。
【0011】立体状不織布としては、放射状のひだを有
する形状の断面を有し、内部に線状の接合部を有するも
のが流量等に対応して変化するのでとくに好ましい。具
体的には、たとえば図1〜図2に示すように種々の形状
のものを使用することができる。(特願平5−2319
8号、特願平5−62538号参照)
【0012】放射状のひだを有する立体状不織布は、ひ
だが4〜16枚のものが好ましく、とくに、4〜12枚
が好ましい。また、ひだの直径は、3〜50cmが好ま
しく、とくに、5〜20cmが好ましい。ひだの数が多
く、ひだの大きさの小さいものが単位体積あたりの不織
布充填量が増すため濾過効率は高く好ましい。
【0013】複数の多孔質シートは、近接もしくは接し
て配置されるが、流れがある場合には、流れを遮るよう
に互いに接するように、およそ多孔質シートの直径の1
/3以下の程度の距離で配置することが好ましく、多孔
質シートの直径の1/5以下の程度の距離で配置するこ
とがとくに好ましく、互いに接して配置することが最も
好ましい。これにより汚濁物質の除去あるいは有効物質
の捕集を効率的に行うことができる。また、流れ方向に
対しても複数の多孔質シートを配置することが好まし
く、3〜30本、とくに10〜25本の多孔質シートを
配置することが好ましい。また、その間隔(隣り合う多
孔質シートの中心から中心までの距離)は、5〜20c
m、とくに7〜15cmで配置することが好ましい。多
孔質シートが立体状不織布である場合、立体状不織布と
立体状不織布とは互いに近接もしくは接するように配置
することが望ましく、このようにすると通常は流れを閉
塞しているが、限界圧損を越えるときには、ひだが変形
することにより流れを後方に送るので目詰まりをせず、
流れ方向に対して複数の立体状不織布が配置される場合
には、次のフィルターにより除去あるいは捕集するの
で、フィルターの寿命は長くなる。
【0014】複数の立体状不織布は、棒状のものを枠体
あるいはフロートなどによって近接もしくは接するよう
に連結することにより、あるいは長尺のものを互いに近
接もしくは接するようにし、しかも流れに平行に配置す
ることが好ましいが、流れに対して平行に長尺シートを
配置する場合には、引っ張り、引き裂き強度が要求され
るので、プラスチック等で補強されていることが好まし
い。また、帆布や補強材が入っているプラスチックによ
って補強されていてもよい。立体状不織布の場合には、
シール部分に補強材を入れることが好ましい。
【0015】フロートは、流れの方向に平行に配置する
ことが好ましく、とくに、枠状のもので支えることが好
ましい。具体的に示すと、水の流路に使用するときは、
たとえば図3〜図6に示すように配置することができ、
これらの場合には、流量が小さいときには全体が流れと
接触し、流量が多いときにはひだが変形して接触面積が
小さくなるので、流量が変化する場合には好ましい。
【0016】なお、立体状不織布に除去された汚濁物質
あるいは捕集された有効物質は、それらの立体状不織布
を下部からのバブリング、バイブレーション、超音波振
動等により容易に取り除くことにより再生、再使用がで
きる。
【0017】この出願発明は、複数の多孔質シートとく
に複数の立体状不織布を配置したフィルターを利用する
ことにより、液体中に懸濁、分散している無機、有機、
金属の単独あるいは混合微粒子を液体中から効率的に除
去あるいは捕集することが容易となり、長期間使用する
ことができるので取扱いの上でも優れた効果がある。自
然環境の浄化に用いる場合、例えば、河川や、海、湖
沼、池、廃水等の浄化において有機物や藻類、土粒子を
除去する場合には、付加的効果として立体状不織布が生
物膜の接触材としても働くため、水中の固形分濃度(S
S)の低減効果だけでなく立体状不織布の表面に自然発
生する有用微生物群によりBOD、COD、N、Pの低
減による水質の浄化も同時に行うことが期待できる。
【0018】
【実施例】
実施例1 ポリエステル系熱融着繊維(ポリエチレンテレフタレー
ト成分と低融点ポリエステル成分からなる複合繊維)と
ポリエチレンテレフタレート繊維(平均繊度20デニー
ル)からなる目付250g/m2、厚み7mm、見掛密
度が0.036g/cm3の熱融着不織布を8cm幅×
20cm長に裁断し、3枚積層し、長手方向に中央部を
超音波シールする。このようにして、直径約8cm、長
さ20cmの断面が6枚の花びらを形成し、内周部は密
着し、外周部はそれぞれ開いた、棒状不織布を作製す
る。幅24cm、深さ25cm、長さ2.5mの水槽の
中央部に、上記棒状の立体状不織布を幅方向に3本(2
4cm)を並べて上下で枠体に固定し、実質的に幅方向
に隙間ができないようにする。このように固定されたフ
ィルターを長さ方向に2mにわたり10cm間隔(不織
布間の間隙は2cm)で20列の不織布を配置する。こ
の水槽に、平均粒径が30μm、乾燥固形分が110m
g/lの珪藻土懸濁液を水位が15cmまで加え、つい
で流速が5cm/secになるように懸濁水をポンプで
循環させる。ポンプを15サイクル循環させた後、すな
わち30m分に相当する棒状不織布を通過させた後固形
分を測定したところ、7mg/lとなり、流速が早いに
もかかわらず93.6%の高い濾過性能を示した。
【0019】比較例1 実施例1と同じ不織布基材及び水槽を使用し、不織布基
材の使用量は実施例1と同一になるように20cm幅×
160cm長、厚み7mmの不織布基材9枚を、幅方向
に2.7cm間隔(不織布厚み0.7cm、不織布間隙
間2.0cm)で不織布基材面が流れ方向と平行になる
ように吊り下げた。懸濁水、流速は実施例1と同じと
し、15サイクルした後の固形分量を測定したところ、
50.6mg/lとなり濾過性能は54.0%であっ
た。
【0020】実施例2 ポリエステル系熱融着複合繊維とポリエチレンテレフタ
レート繊維(平均繊度5デニール)からなる目付240
g/m2、厚み9mm、見掛密度が0.023g/cm3
の熱融着不織布を8cm幅×20cm長に裁断し、5枚
積層し、長手方向に中央部を超音波シールする。このよ
うにして、直径約8cm、長さ20cmの断面が10枚
の花びらを形成し、内周部は密着し、外周部はそれぞれ
開いた、棒状不織布を形成する。幅24cm、深さ25
cm、長さ2.5mの水槽の中央部に、上記棒状の立体
状不織布を幅方向に3本(24cm)並べて上下で枠体
に固定し、実質的に幅方向に隙間ができないようにす
る。このように固定されたフィルターを長さ方向に2m
にわたり10cm間隔で20列の不織布を配置する。こ
の水槽に、平均粒径が30μm、乾燥固形分が125m
g/lの珪藻土懸濁液を水位が15cmまで加え、つい
で流速が5cm/secになるように懸濁水をポンプで
循環させる。ポンプを3サイクル循環させた後、すなわ
ち6m分に相当する棒状不織布を通過させた後固形分を
測定したところ、10.0mg/lとなり、短い距離で
92.0%の高い濾過性能を示した。
【0021】実施例3 ポリエステル系熱融着複合繊維とポリエチレンテレフタ
レート繊維(平均繊度5デニール)からなる目付240
g/m2、厚み9mm、見掛密度が0.023g/cm3
の熱融着不織布を8cm幅×20cm長に裁断し、2枚
積層し、長手方向に中央部を超音波シールする。このよ
うにして、直径約8cm、長さ20cmの断面が4枚の
花びらを形成し、内周部は密着し、外周部はそれぞれ開
いた、棒状不織布を形成する。幅24cm、深さ25c
m、長さ2.5mの水槽の中央部に、上記棒状の立体状
不織布を幅方向に3本(24cm)並べて上下で枠体に
固定し、実質的に幅方向に隙間ができないようにする。
このように固定されたフィルターを長さ方向に2mにわ
たり10cm間隔で20列の不織布を配置する。この水
槽に、平均粒径が30μm、乾燥固形分が125mg/
lの珪藻土懸濁液を水位が15cmまで加え、ついで流
速が5cm/secになるように懸濁水をポンプで循環
させる。ポンプを7サイクル循環させた後、すなわち1
4m分に相当する棒状不織布を通過させた後固形分を測
定したところ、6.2mg/lとなり、短い距離で9
5.0%の高い濾過性能を示した。
【0022】実施例4 ポリエステル系熱融着複合繊維とポリエチレンテレフタ
レート繊維(平均繊度5デニール)からなる目付240
g/m2、厚み9mm、見掛密度が0.023g/cm3
の熱融着不織布を8cm幅×20cm長に裁断し、5枚
積層し、長手方向に中央部を超音波シールする。このよ
うにして、直径約8cm、長さ20cmの断面が10枚
の花びらを形成し、内周部は密着し、外周部はそれぞれ
開いた、棒状不織布を形成する。幅24cm、深さ25
cm、長さ2.5mの水槽の中央部に、上記棒状の立体
状不織布を幅方向に3本(24cm)並べて上下で枠体
に固定し、実質的に幅方向に隙間ができないようにす
る。このように固定されたフィルターを長さ方向に2m
にわたり10cm間隔で20列の不織布を配置する。こ
の水槽に、平均粒径が30μm、乾燥固形分が680m
g/lと高濃度の珪藻土懸濁液を水位が15cmまで加
え、ついで流速が5cm/secになるように懸濁水を
ポンプで循環させる。ポンプを7サイクル循環させた
後、すなわち14m分に相当する棒状不織布を通過させ
た後固形分を測定したところ、31.0mg/lとな
り、短い距離で95.4%の高い濾過性能を示した。
【0023】実施例5 ポリエステル系熱融着複合繊維とポリエチレンテレフタ
レート繊維(平均繊度5デニール)からなる目付240
g/m2、厚み9mm、見掛密度が0.023g/c
3、長さが1.6mの熱融着不織布を5枚積層し、8
cm間隔に平行に超音波シールする。5枚積層下中央部
の不織布基材を除き、シール部の中央を、シールと平行
にカットする。このようにして、直径約8cm、長さ2
0cmの断面が10枚の花びらを形成し、内周部は密着
し、外周部はそれぞれ開いた、両面に花びらを有するシ
ート状不織布を形成する。幅24cm、深さ25cm、
長さ2.5mの水槽の中央部に、上記シート状の立体状
不織布を幅方向に3本(24cm)並べて上下で枠体に
固定し、実質的に隙間ができないようにする。このよう
に固定されたフィルターを長さ方向に1.6mにわたり
接するように3枚の不織布シートを配置する。この水槽
に、平均粒径が30μm、乾燥固形分が150mg/l
の珪藻土懸濁液を水位が15cmまで加え、ついで流速
が5cm/secになるように懸濁水をポンプで循環さ
せる。ポンプを3サイクル循環させた後、すなわち4.
8m分に相当する棒状不織布を通過させた後固形分を測
定したところ、12.9mg/lとなり、91.4%の
高い濾過性能を示した。
【0024】比較例2 実施例1と同じ不織布基材及び水槽を使用し、不織布基
材の使用量は実施例1と同一になるように24cm幅×
20cm長、厚み7mmの不織布基材60枚を、不織布
基材面が流れ方向と直角になり、かつ互いに接するよう
に吊り下げた。120mg/lの懸濁水を使用し、流速
は実施例1と同じとし、15サイクルした後の固形分量
を測定したところ、8.0mg/lとなり濾過性能は9
3.3%と高い除去率が得られたが、やがて目詰まりの
ため水が流れなくなった。
【0025】実施例6 ポリエステル系熱融着複合繊維とポリエチレンテレフタ
レート繊維(平均繊度5デニール)からなる目付240
g/m2、厚み9mm、見掛密度が0.023g/cm3
の熱融着不織布を8cm幅×20cm長に裁断し、5枚
積層し、長手方向に中央部を超音波シールする。このよ
うにして、直径約8cm、長さ20cmの断面が10枚
の花びらを形成し、内周部は密着し、外周部はそれぞれ
開いた、棒状不織布を形成する。幅26.4cm、深さ
25cm、長さ2.5mの水槽の中央部に、上記棒状の
立体状不織布を幅方向に3本(24cm)を幅方向の立
体状不織布間の隙間が0.8cmとなるように上下で枠
体に固定する。このように固定されたフィルターを長さ
方向に2mにわたり10cm間隔で20列の不織布を配
置する。この水槽に、平均粒径が30μm、乾燥固形分
が125mg/lの珪藻土懸濁液を水位が15cmまで
加え、ついで流速が5cm/secになるように懸濁水
をポンプで循環させる。ポンプを3サイクル循環させた
後、すなわち6m分に相当する棒状不織布を通過させた
後固形分を測定したところ、12.0mg/lとなり、
90.4%の高い濾過性能を示した。
【0026】実施例7 ポリエステル系熱融着複合繊維とポリエチレンテレフタ
レート繊維(平均繊度5デニール)からなる目付240
g/m2、厚み9mm、見掛密度が0.023g/cm3
の熱融着不織布を8cm幅×20cm長に裁断し、5枚
積層し、長手方向に中央部を超音波シールする。このよ
うにして、直径約8cm、長さ20cmの断面が10枚
の花びらを形成し、内周部は密着し、外周部はそれぞれ
開いた、棒状不織布を形成する。幅24cm、深さ25
cm、長さ2.5mの水槽の中央部に、上記棒状の立体
状不織布を幅方向に3本(24cm)並べて上部のみを
フロートで固定し、実質的に幅方向に隙間ができないよ
うにする。このように固定されたフィルターを長さ方向
に2mにわたり10cm間隔で20列の不織布を配置す
る。この水槽に、平均粒径が30μm、乾燥固形分が1
20mg/lの珪藻土懸濁液を水位が15cmまで加
え、ついで流速が5cm/secになるように懸濁水を
ポンプで循環させる。ポンプを3サイクル循環させた
後、すなわち6m分に相当する棒状不織布を通過させた
後固形分を測定したところ、10.2mg/lとなり、
91.5%の高い濾過性能を示した。
【0027】実施例8 ポリエステル系熱融着複合繊維とポリエチレンテレフタ
レート繊維(平均繊度5デニール)からなる目付240
g/m2、厚み9mm、見掛密度が0.023g/cm3
の熱融着不織布を8cm幅×20cm長に裁断し、5枚
積層し、長手方向に中央部を超音波シールする。このよ
うにして、直径約8cm、長さ20cmの断面が10枚
の花びらを形成し、内周部は密着し、外周部はそれぞれ
開いた、棒状不織布を形成する。幅24cm、深さ25
cm、長さ2.5mの水槽の中央部に、上記棒状の立体
状不織布を幅方向に3本(24cm)並べて上下で枠体
に固定し、幅方向に実質的に隙間ができないようにす
る。このように固定されたフィルターを長さ方向に2m
にわたり10cm間隔で20列の不織布を配置する。こ
の水槽に、平均粒径が4.2μm、乾燥固形分が145
mg/lのカオリン懸濁液を水位が15cmまで加え、
ついで流速が1cm/sec(60cm/min)にな
るように懸濁水をポンプで循環させる。ポンプを24サ
イクル循環させた後、すなわち48m分に相当する棒状
不織布を通過させた後固形分を測定したところ、24.
4mg/lとなり、83.2%の高い濾過性能を示し
た。
【0028】比較例3 実施例8と同じ不織布基材及び水槽を使用し、不織布基
材の使用量は実施例8と同一になるように20cm幅×
160cm長、厚み9mmの不織布基材9枚を、幅方向
に2.7cm間隔(不織布厚み0.9cm、不織布間隙
間1.8cm)で不織布基材面が流れ方向と平行となる
ように吊り下げた。懸濁水、流速は実施例8と同じと
し、24サイクルした後の固形分量を測定したところ、
91.6mg/lとなり濾過性能は36.8%であっ
た。
【0029】実施例9 ハロゲン化ベンジル4ビニルピリジン−スチレンコポリ
マーをエチルアルコールに溶解して含浸させることによ
り0.5wt%付与したポリエステル系熱融着複合繊維
とポリエチレンテレフタレート繊維(平均繊度5デニー
ル)からなる目付240g/m2、厚み9mm、見掛密
度が0.023g/cm3の熱融着不織布を8cm幅×
20cm長に裁断し、5枚積層し、長手方向に中央部を
超音波シールする。このようにして、直径約8cm、長
さ20cmの断面が10枚の花びらを形成し、内周部は
密着し、外周部はそれぞれ開いた、棒状不織布を形成す
る。幅24cm、深さ25cm、長さ2.5mの水槽の
中央部に、上記棒状の立体状不織布を幅方向に3本(2
4cm)並べて上下で枠体に固定し、幅方向に実質的に
隙間ができないようにする。このように固定されたフィ
ルターを長さ方向に2mにわたり10cm間隔で20列
の不織布を配置する。この水槽に、平均粒径が4.2μ
m、乾燥固形分が140mg/lのカオリン懸濁液を水
位が15cmまで加え、ついで流速が1cm/sec
(60cm/min)になるように懸濁水をポンプで循
環させる。ポンプを24サイクル循環させた後、すなわ
ち48m分に相当する棒状不織布を通過させた後固形分
を測定したところ、15.1mg/lとなり、89.2
%と実施例8に比べて高い濾過性能を示した。
【0030】
【発明の効果】この出願発明は、複数の多孔質シートと
くに複数の立体状不織布を配置したフィルターを利用す
ることにより、液体中に懸濁、分散している無機、有
機、金属の単独あるいは混合微粒子を液体中から効率的
に除去あるいは捕集することが容易となり、長期間使用
することができるので取扱いの上でも優れた効果があ
る。複数の立体状不織布を流れに対して複数列配置して
いる場合には、流圧により空間が生じても、次のフィル
ターにより除去あるいは捕集できるので、どのような圧
力の変化にも対応でき、したがって、流速の変化の多い
場合にとくに効率的に除去あるいは捕集することができ
るという優れた効果がある。自然環境の浄化に用いる場
合、例えば、河川や、海、湖沼、池、廃水等の浄化にお
いて有機物や藻類、土粒子を除去する場合には、付加的
効果として立体状不織布が生物膜の接触材としても働く
ため、水中の固形分濃度(SS)の低減効果だけでなく
立体状不織布の表面に自然発生する有用微生物群により
BOD、COD、N、Pの低減による水質の浄化も同時
に行うことが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】花びらを有する棒状の立体状不織布
【図2】花びらを有するシート状の立体状不織布
【図3】棒状の立体状不織布を配置した平面図
【図4】棒状の立体状不織布を配置した断面図
【図5】シート状の立体状不織布を配置した平面図
【図6】シート状の立体状不織布を配置した断面図
【符号の説明】
1 不織布 2 線状の結合部 3 フロート 4 枠体 5 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 29/04 530 A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の多孔質シートを互いに近接もしく
    は接し、しかも流れを遮るように配置したことを特徴と
    するフィルター。
  2. 【請求項2】 複数の多孔質シートを流れ方向に配置し
    たことを特徴とする請求項1に記載のフィルター。
  3. 【請求項3】 複数の多孔質シートが長尺物であること
    を特徴とする請求項1〜2に記載のフィルター。
  4. 【請求項4】 多孔質シートが枠体で支持されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3に記載のフィルター。
  5. 【請求項5】 多孔質シートの上部がフロートで水中に
    吊り下げられていることを特徴とする請求項1〜3に記
    載のフィルター。
  6. 【請求項6】 多孔質シートが立体状不織布であること
    を特徴とする請求項1〜5に記載のフィルター。
  7. 【請求項7】 立体状不織布が放射状のひだを有する形
    状の断面を有し、内部に線状の接合部を有することを特
    徴とする請求項1〜6に記載のフィルター。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載のフィルターを使用
    して汚濁を除去する方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7に記載のフィルターを使用
    して有効物質を捕集する方法。
JP6302741A 1994-11-14 1994-11-14 フィルター及びそのフィルターを利用した汚濁の除去方法又は有効物質の捕集方法 Pending JPH08131719A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013039536A (ja) * 2011-08-18 2013-02-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 微生物付着用担体
US9216306B2 (en) 2005-12-22 2015-12-22 3M Innovative Properties Company Filter element that has plenum containing bonded continuous filaments
CN116102101A (zh) * 2023-04-04 2023-05-12 福建省粤华环保科技有限公司 一种医院污水深度处理系统

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