JPH081292A - 連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度的にも優れ、かつ通常の１セットのスラ
イディングプレート流量制御と同様の制御を可能とする
とももに、単位時間当たりの鋳型への溶湯供給量を多く
し、高速連続鋳造時における鋳型への広幅での均一給湯
を可能とする。 【構成】 溶湯流入部１とこれに連続する溶湯流出案内
部２とで形成する。溶湯流入部１は、所定間隔を存して
配置された２つの筒状体１ａと、これら筒状体１ａを連
結する連結部１ｂとで構成する。溶湯流出案内部２は、
前記２つの筒状体１ａの孔部１ａａに連通する合流孔部
２ａと、この合流孔部２ａと下部に開設した流出口２ｂ
を連続する連通孔部２ｃとで形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造において、特
に薄鋳片を高速で連続鋳造するのに適した連続鋳造用浸
漬ノズルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】薄鋳片を高速で連続鋳造するためには、
鋳型内に供給する溶融金属の単位時間当たりの注湯量を
増加させる必要があり、従来より、特開昭５５−１２
６３５５号公報、特開昭６２−１９７２５２号公報、
特開昭６２−２９２２５５号公報、特開昭６０−１
２２６４号公報、特開昭６３−７２４５４号公報等
に、連続鋳造用浸漬ノズルが提示されている。

【０００３】この内、の特開昭５５−１２６３５５号
公報では、２本の浸漬ノズルを所定の間隔を存して配置
し給湯する方法が開示されている。また、の特開昭６
２−１９７２５２号公報では、下向きに横長の末広がり
に形成し、この末広がりの流路における横長壁には溶融
金属の流れに直交する堰を設けた浸漬ノズルが開示され
ている。

【０００４】また、の特開昭６２−２９２２５５号公
報では、下端が閉じている中空の筒状体と、この筒状体
を包んで接続した下端が開放している横長の末広形中空
体とから成り、前記筒状体の開口部を末広形中空体の横
長内壁に対向して設けた浸漬ノズルが開示されている。

【０００５】また、の特開昭６０−１２２６４号公報
では、長方形断面の抽出口を有する筒体の上部に分割可
能な矩形頂板を取り付けた浸漬ノズルが開示されてい
る。また、の特開昭６３−７２４５４号公報では、ノ
ズル出口部の上部にノズル壁から突き出た屋根形案内部
を、また下部には底部およびノズル壁で形成される分流
縁を有する浸漬ノズルが開示されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の特
開昭５５−１２６３５５号公報で開示された方法では、
２個のスライディングプレートとこれらのスライディン
グプレートを開閉するための制御駆動装置が必要であ
り、その同調制御が困難であるとともに、浸漬ノズルの
コストが上昇する。また、の特開昭６２−１９７２５
２号公報や、の特開昭６２−２９２２５５号公報で開
示された浸漬ノズルでは、タンディッシュとの接続部は
１孔でノズル途中より末広形状となるため、形状的に不
安定で特に根元におけるノズル強度が要求される。

【０００７】また、の特開昭６０−１２２６４号公報
で開示された浸漬ノズルでは、長方形断面が増大すると
ノズル耐火物の厚みが薄くなって幅中央部の強度が問題
となり、ノズル内での負圧発生時にはノズル内側に引っ
張られて亀裂が発生する場合があり、最悪の場合には破
断に至る可能性がある。

【０００８】また、の特開昭６３−７２４５４号公報
で開示された浸漬ノズルでは、出口の形状がかなり複雑
となるので、実施例に示されるように異形形状の鋳型に
のみ適用が可能であり、またコストも上昇する。

【０００９】本発明は、上記した各種の浸漬ノズルが有
する問題点を解決し、の特開昭５５−１２６３５５号
公報で開示された２本のノズルを使用した場合のメリッ
トを維持しつつ、強度的にも問題がなく低コストな浸漬
ノズルを提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、溶湯流入部
とこれに連続する溶湯流出案内部とで形成され、溶湯流
入部は、所定間隔を存して配置された２つの筒状体と、
これら筒状体を連結する連結部とから成り、一方、溶湯
流出案内部は、前記２つの筒状体の孔部に連通する合流
孔部と、この合流孔部と下部に開設した流出口を連続す
る連通孔部とで形成しているのである。

【００１１】

【作用】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、溶湯流入部
が、所定間隔を存して配置された２つの筒状体を一体に
形成したものであるから、スライディングプレート流量
制御に使用するプレート１枚当たりに２個の孔を施工す
るだけで通常の１セットのスライディングプレート流量
制御と同様の制御が行え、かつ単位時間当たりの鋳型へ
の溶湯供給量を多くできる。また、２つの筒状体を連結
部で連結しているので、強度的にも優れている。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルを添付
図面に示す実施例に基づいて説明する。図１〜図４はそ
れぞれ本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの第１実施例〜第
４実施例を一部断面して示す斜視図である。

【００１３】図１〜図４において、１はスライディング
プレートを介してタンディッシュから溶湯を受け入れる
溶湯流入部であり、所定間隔を存して配置された２つの
筒状体１ａと、これら筒状体１ａを連結する連結部１ｂ
とで構成されている。

【００１４】そして、この溶湯流入部１において、前記
２つの筒状体１ａの間隔を短くすれば、従来の２本の浸
漬ノズルを使用した場合のような２セットのスライディ
ングプレート流量制御を行う必要はなく、ただ単にスラ
イディングプレート流量制御に使用するプレート１枚当
たりに２個の孔を開設すれば、１セットのスライディン
グプレート流量制御でよくなる。

【００１５】また、図１〜図４に示す実施例のように、
前記連結部１ｂの厚さを筒状体１ａの外径より薄くすれ
ば、浸漬ノズルの重量が軽減できてセット時における作
業性が良くなる。

【００１６】２は前記溶湯流入部１に連続し、タンディ
ッシュからスライディングプレートを介して受け入れた
溶湯を鋳型内に流出すべく案内する溶湯流出案内部であ
り、その上部には前記２つの筒状体１ａの孔部１ａａに
連通する横断面が長方形の合流孔部２ａが形成されてい
る。そして、この合流孔部２ａと下部に開設した流出口
２ｂとは同じく横断面が長方形の連通孔部２ｃによって
連続している。

【００１７】ところで、図１に示す第１の実施例は、流
出口２ｂは溶湯流出案内部２の下端に開設され、長辺側
は合流孔部２ａと同じ長さの長方形状で、かつ短辺側を
合流孔部２ａより短くしたものである。そして、連通孔
部２ｃは合流孔部２ａから流出口２ｂに向かって短辺側
が先窄まり状となっている。したがって、この図１に示
す第１の実施例の場合には、２つの筒状体１ａの孔部１
ａａを通って合流孔部２ａに導かれた溶湯は、連通孔部
２ｃを介して断面積の小さい流出口２ｂから流速を制動
されて鋳型内に流出する。

【００１８】また、図２に示す第２の実施例では、２つ
の筒状体１ａの孔部１ａａを通って合流孔部２ａに導か
れた溶湯が、直接、流出口２ｂの両端部から流出しない
ように、連通孔部２ｃにおける合流孔部２ａ側端部を長
辺側に突出させ、この突出部２ｃａに孔部１ａａを通っ
てきた溶湯を衝突させるようにしたものである。したが
って、この図２に示す第２の実施例の場合には、流出口
２ｂから流出する溶湯の流速が遅くなって静かに鋳型内
に流入し、溶湯内に気泡等が生じにくくなる。加えて突
出部２ｃａには溶湯内の介在物が付着するので、製品中
に含まれる介在物が減少する。

【００１９】また、図３に示す第３の実施例では、溶湯
流出案内部２の下端を中央部が突出した段差形成すると
ともに、流出口２ｂを中央突出部２ｄにおける両側壁
と、両側における段差部２ｅの底壁の４か所に開設した
ものである。したがって、この図３に示す第３の実施例
の場合には、それぞれの側壁と底壁に開設された流出口
２ｂからの流出流が互いに衝突してその流速を制動する
効果を付与し、流出する溶湯の流速が遅くなって溶湯が
鋳型内の下方まで流入せず、溶湯内の介在物が湯面上に
浮上し易くなる。

【００２０】また、図４に示す第４の実施例では、溶湯
流出案内部２の下端部の両側に凹部２ｆを形成するとと
もに、これら凹部２ｆの直上の底壁に流出口２ｂを開設
し、これら流出口２ｂからの流出流が凹部２ｆに衝突し
てその流速を制動するようにしている。したがって、こ
の図４に示す第４の実施例の場合にも、流出する溶湯の
流速が遅くなって溶湯が鋳型内の下方まで流入せず、溶
湯内の介在物が湯面上に浮上し易くなる。加えて、凹部
２ｆにおける流出流の衝突部には溶湯内の介在物が付着
するので、製品中に含まれる介在物が減少する。なお、
この第４実施例の場合には、溶湯の流出流が衝突する凹
部２ｆの角度を変更することにより溶湯の流出角度を変
更できる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の連続鋳造
用浸漬ノズルは、溶湯流入部が、所定間隔を存して配置
された２つの筒状体を連結部で連結したものなので、強
度的にも優れ、かつスライディングプレート流量制御に
使用するプレート１枚当たりに２個の孔を施工するだけ
で通常の１セットのスライディングプレート流量制御と
同様の制御が行えるとともに、単位時間当たりの鋳型へ
の溶湯供給量を多くでき、高速連続鋳造時における鋳型
への広幅での均一給湯が可能となる。

【００２２】また、溶湯流出案内部の形状を工夫するこ
とで、メニスカス部の幅方向温度の均一化や、鋳型内で
の流出流による介在物侵入深さの低減等により鋳片品質
の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの第１実施例を
一部断面して示す斜視図である。

【図２】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの第２実施例を
一部断面して示す斜視図である。

【図３】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの第３実施例を
一部断面して示す斜視図である。

【図４】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの第４実施例を
一部断面して示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 溶湯流入部 １ａ 筒状部 １ａａ 孔部 １ｂ 連結部 ２ 溶湯流出案内部 ２ａ 合流孔部 ２ｂ 流出口 ２ｃ 連通孔部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶湯流入部とこれに連続する溶湯流出案
   内部とで形成され、溶湯流入部は、所定間隔を存して配
   置された２つの筒状体と、これら筒状体を連結する連結
   部とから成り、一方、溶湯流出案内部は、前記２つの筒
   状体の孔部に連通する合流孔部と、この合流孔部と下部
   に開設した流出口を連続する連通孔部とで形成したこと
   を特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。