JPH0812873A - 強化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 - Google Patents

強化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物

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JPH0812873A
JPH0812873A JP14688594A JP14688594A JPH0812873A JP H0812873 A JPH0812873 A JP H0812873A JP 14688594 A JP14688594 A JP 14688594A JP 14688594 A JP14688594 A JP 14688594A JP H0812873 A JPH0812873 A JP H0812873A
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molecular weight
average molecular
polyphenylene ether
resin
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JP14688594A
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English (en)
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Kenichi Okada
研一 岡田
Toshiaki Ozeki
寿朗 大関
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物であっ
て、下記(a)、(b)、(c)とからなることを特徴
とする樹脂組成物。 (a)重量平均分子量が40000〜100000で、
かつ特定の分子量分布の広がりを有することを特徴とす
るポリフェニレンエーテル系樹脂、(b)鱗片状フィラ
ー、(c)スチレン系樹脂。 【効果】 本発明の、ポリフェニレン系樹脂組成物は、
優れた耐熱性、耐衝撃性、成形加工性、剛性、寸法精度
を有しており、板金代替など多くの用途に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐熱性、耐衝撃
性、成形加工性、剛性、寸法精度をもつポリフェニレン
エーテル系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、特定
の分子量と分子量分布をもつポリフェニレンエーテル系
樹脂と、スチレン系樹脂、鱗片状フィラーからなる組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリフェニレンエーテル樹脂は、
耐熱性、電気的特性、耐酸性、耐アルカリ性等に優れ、
しかも低比重、低吸水性である等の優れた特性を有する
樹脂であるが、一方、流動性が低いため溶融成形加工が
困難で、かつ衝撃強度が低いため若干脆いという欠点も
有している。そして、これらの欠点を同時に改良するた
めに、ポリブタジエン成分を含む耐衝撃性ポリスチレン
を配合する技術が米国特許第3383435号公報明細
書に開示されている。また、特公表4−500094号
公報には、2種類の特定の溶液粘度をもつポリフェニレ
ンエーテルの混合物を含有する樹脂組成物が提案されて
いる。しかし、溶液粘度では分子量分布は規定できず、
また、単に低い溶液粘度のものをブレンドしても、成形
加工性は改良されても衝撃強度、耐薬品性等の物性の低
下を伴ってしまう。
【0003】また、特開平3−229756号公報によ
ると、低い固有粘度を有するポリフェニレンエーテル樹
脂と、ガラスの繊維、微粒子、球状体との組成物が示さ
れ、改善されたメルトフロー値を得られるとしている。
メルトフロー値の向上は見られるものの、衝撃強さ、曲
げ強さ、曲げ弾性率などは低下しており、実用に供せな
いものであった。さらに、プラスチックの廃棄物問題が
深刻化し、材料の薄肉化、軽量化が要求され、また多種
多様な成形方法が開発されている現在、成形加工性を更
に改良することは必須となってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
した手段で問題となっている衝撃強度、耐薬品性等の物
性の低下がなく、かつ成形加工性と剛性、寸法精度がさ
らに改良されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を
得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、一定範囲の重量平均分
子量で、かつ、特定範囲の分子量分布の広がりを持った
ポリフェニレンエーテル系樹脂に加えて鱗片状フィラー
を用いることで、優れた効果が得られる知見を得た。こ
の知見に基づき本発明に到った。
【0006】すなわち、本発明は、 1、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物であって、下
記(a)及び(b)とからなることを特徴とする樹脂組
成物。 (a)重量平均分子量が40000〜100000で、
かつ下記の数式(1)および(2)によるS1 2 、S2
2 で示される分子量分布の広がりが、0.27≦S1 2
≦0.39かつ、0.12≦S2 2 ≦0.27であるこ
とを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂100重
量部、 S1 2 =Σ{Ai1×(logMi1−logMw)2 } (1) Mi1:重量平均分子量以下の分子量 Ai1:重量平均分子量以下の総重量を1としたときのM
i1の重量分率 Mw:(a)成分全体の重量平均分子量 S2 2 =Σ{Ai2×(logMi2−logMw)2 } (2) Mi2:重量平均分子量以上の分子量 Ai2:重量平均分子量以上の総重量を1としたときのM
i2の重量分率 Mw:(a)成分全体の重量平均分子量 (b)鱗片状フィラー5〜150重量部、 2、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物であって、下
記(a)、(b)および(c)とからなることを特徴と
する樹脂組成物。
【0007】(a)重量平均分子量が40000〜10
0000で、かつ下記の数式(1)および(2)による
1 2 、S2 2 で示される分子量分布の広がりが、0.
27≦S1 2 ≦0.39かつ、0.12≦S2 2 ≦0.
27であることを特徴とするポリフェニレンエーテル系
樹脂100〜10重量部、 S1 2 =Σ{Ai1×(logMi1−logMw)2 } (1) Mi1:重量平均分子量以下の分子量 Ai1:重量平均分子量以下の総重量を1としたときのM
i1の重量分率 Mw:(a)成分全体の重量平均分子量 S2 2 =Σ{Ai2×(logMi2−logMw)2 } (2) Mi2:重量平均分子量以上の分子量 Ai2:重量平均分子量以上の総重量を1としたときのM
i2の重量分率 Mw:(a)成分全体の重量平均分子量 (b)鱗片状フィラー5〜150重量部、及び (c)スチレン系樹脂90重量部以下 とからなることを特徴とするポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物に関するものである。
【0008】本発明の(a)成分に用いるポリフェニレ
ンエーテル系樹脂とは、次に示す一般式(1)、
【0009】
【化1】
【0010】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5
6 は炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲ
ン、水素等の一価の残基であり、R5 ,R6 は同時に水
素ではない)を繰り返し単位とし、構成単位が一般式
(1)の〔a〕及び〔b〕からなる単独重合体、あるい
は共重合体が使用できる。ポリフェニレンエーテル系樹
脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチ
ル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニ
レン)エーテル等のホモポリマーが挙げられる。
【0011】ポリフェニレンエーテル共重合体は、2,
6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェ
ノールとの共重合体、あるいはo−クレゾールとの共重
合体、あるいは2,3,6−トリメチルフェノール、及
びo−クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエー
テル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共重
合体を包含する。
【0012】また、本発明のポリフェニレンエーテル系
樹脂中には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフ
ェニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提案
されている、他の種々のフェニレンエーテルユニットを
部分構造として含んでいても構わない。少量共存させる
ことが提案されているものの例としては、特願昭63−
12698号及び特開昭63−301222号公報に記
載されている2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メ
チルフェニレンエーテルユニットや、2−(N−アルキ
ル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレ
ンエーテルユニット等が挙げられる。
【0013】また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖
中にジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。
さらに、例えば、特開平2−276823号公報、特開
昭63−108059号公報、特開昭59−59724
号公報等に記載されている、炭素−炭素二重結合を持つ
化合物により変性されたポリフェニレンエーテルも含
む。
【0014】また、本発明に用いるポリフェニレンエー
テル系樹脂の分子量、および分子量分布は、以下の方法
で求めることができる。東洋曹達(株)製ゲルパーミェ
ーションクロマトグラフィーHL−802RTSで、標
準ポリスチレンを用いて検量線を作成し測定する。標準
ポリスチレンの分子量は、264、364、466、5
68、2800、16700、186000、1260
000のものを用いる。カラムは、東洋曹達(株)製T
SKgelG2500HXL、TSKgelG3000H
XL、TSKgelG4000HXL、TSKgelG50
00HXLを直列につないで使用する。また、溶媒はクロ
ロホルム、溶媒の流量は0.9ml/min、カラムの
温度は40℃で測定する。検出部のUVの波長は、標準
ポリスチレンが254nm、ポリフェニレンエーテル系
樹脂が283nmで測定する。
【0015】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂の
重量平均分子量は、40000〜100000である。
40000未満の場合は、耐薬品性等の物性が低下して
しまい、100000を超えると流動性が低下してしま
う。また、S1 2 で表される重量平均分子量以下の分子
量分布の広がりは、0.27〜0.37である。0.2
7未満の場合は、流動性が低下してしまい、0.37を
超えると耐薬品性等の物性が低下してしまう。S2 2
表される重量平均分子量以上の分子量分布の広がりは、
0.15〜0.25である。0.15未満の場合は、耐
薬品性が低下してしまい、0.25を超えると流動性が
低下してしまう。
【0016】本発明に用いるポリフェニレンエーテル系
樹脂の製造方法は、特に限定されるものではないが、例
えば、米国特許4,788,277号明細書(特願昭6
2−77570号)に記載されている方法に従って、ジ
ブチルアミンの存在下に、2,6−キシレノールを酸化
カップリング重合して製造することができる。又、分子
量および分子量分布の調製方法も特に限定されるもので
はないが、例えば、異なった分子量、および分子量分布
をもったポリフェニレンエーテル系樹脂をブレンドする
方法、溶融混練時にジビニルベンゼン、無水コハク酸等
ポリマー鎖どうしを結合させ得る化合物を添加する方
法、無水マレイン酸等ポリマー鎖を切断させ得る化合物
を添加する方法、またはこれらを併用する方法等が挙げ
られる。
【0017】本発明に用いる(b)成分鱗片状フィラー
は、樹脂配合後の長径が1000μm以下、好ましくは
1〜500μmの範囲であり、かつ、アスペクト比(長
径と厚みの比)が5以上、好ましくは10以上、更に好
ましくは30以上のものがよい。該鱗片状フィラーとし
ては、ガラスフレークやマイカが挙げられ、また、両者
の併用も含まれるが、特に好ましいのはガラスフレーク
である。該鱗片状フィラーは、市販されているものをそ
のまま用いることができるが、また樹脂に配合する際に
必要に応じ適宜粉砕して用いても良い。前記鱗片状フィ
ラーが、長径1000μmを超えるものは、配合時に分
級が生じて樹脂との均一混合が困難となり、また、成形
品の物性にバラツキを生じる場合がある。一方、アスペ
クト比が5未満のものでは、成形品の熱変形温度の向上
が不十分で、アイゾット衝撃強さも低下する傾向がある
ので好ましくない。本発明においては、該鱗片状フィラ
ーの効果を発揮する範囲で、他のフィラーの1種、又は
それ以上を併用しても良い。その強化用フィラーとして
は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、
金属繊維などの短繊維系強化充填剤や、ガラスビーズ、
ガラスバルーン、タルク、ウォラストナイト、炭酸カル
シューム等の無機質充填剤が挙げられる。
【0018】本発明において鱗片状フィラーの使用量
は、組成物中に5〜60重量%、好ましくは10〜50
重量%の範囲で選ばれる。この量が5重量%未満では、
特に線膨張係数の改良が不十分になるし、60重量%を
超えると均一混合が難しく、また組成物の成形性や、外
観の低下が生じる。さらに、(c)成分に用いられるス
チレン系樹脂とは、スチレン系化合物、スチレン系化合
物と共重合可能な化合物をゴム質重合体存在、または、
非存在下に重合して得られる重合体である。
【0019】スチレン系化合物とは、一般式(2)
【0020】
【化2】
【0021】(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハ
ロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級ア
ルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数であ
る。)で表される化合物を意味する。これらの具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等
が挙げられる。また、スチレン系化合物と共重合可能な
化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート等のメタクリル酸エステル類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類、
無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系
化合物とともに使用される。また、重合時に共存させ得
るゴム質重合体としては、共役ジエン系ゴム、あるいは
共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマー、あるい
はこれらを一部水素添加したもの、あるいはエチレン−
プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。
【0022】本発明の(c)成分スチレン系樹脂の製造
方法は、限定されるものではなく、当業者に良く知られ
ている塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のいず
れを用いても良い。また本発明の組成物には必要に応じ
て他のゴム質重合体、例えば、スチレンーブタジエンブ
ロック共重合体、またはその水添物等を添加することも
可能である。スチレンーブタジエンブロック共重合体の
水添物とは、少なくとも1個のスチレン系ポリマーブロ
ックと、少なくとも1個のオレフィン系エラストマーブ
ロックとより成るブロック共重合体である。
【0023】本発明に言うスチレン系ポリマーブロック
とは、具体的には一般式(2)
【0024】
【化3】
【0025】(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハ
ロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級ア
ルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数であ
る)で表される化合物から誘導されるポリマー、または
共重合体ブロックである。本発明に言うオレフィン系エ
ラストマーブロックとは、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、イソブチレン等のモノオレフィン、あるいはブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等の共役
ジオレフィン、1,4−ヘキサジエン、ノルボルネン誘
導体等の非共役ジオレフィンのうちから選ばれた1種以
上のオレフィン化合物が重合、あるいは共重合した形態
を有する重合体ブロックであり、しかも、該ブロックの
不飽和度は20%以下である。したがって、オレフィン
系エラストマーブロックの構成モノマーとして上記のジ
オレフィン類を用いた場合には、該ブロック部分の不飽
和度が20%を超えない程度まで水添等により不飽和度
を減らす処置が施されていなければならない。又、オレ
フィン系エラストマーブロックにはスチレン系化合物が
ランダムに共重合されてもよい。
【0026】本発明において、樹脂と鱗片状フィラーと
の配合方法については特に制限はなく、任意の方法が用
いられる。例えば、溶融状態の樹脂に鱗片状フィラー、
及びその他の強化充填剤とを添加して混合する方法、樹
脂と鱗片状フィラー、及びその他の強化充填剤とを予め
混合し、ついで溶融混合する方法など、一般に溶融混合
する方法であればいずれの方法でも利用可能である。
【0027】また、前記強化用フィラーは、樹脂との親
和性を改良する目的で、例えば、シラン系や、チタネー
ト系などの種々のカップリング剤で表面処理したものを
使用することができる。また、フィラーの供給を容易に
するために、鱗片状フィラーに結合剤、例えばポリ酢酸
ビニル、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、
(酸変成)ポリエチレン、(酸変成)ポリプロピレン、
ポリウレタン、ナイロン、エポキシレジン、(不)飽和
ポリエステルなどを添加し、鱗状フイラーを互いに接着
させるなどして、顆粒化しても良い。本発明の組成物に
は他の添加剤、例えば、可塑剤、安定剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、着色剤、離型剤を添加することができる。
安定剤としては、亜リン酸エステル類、ヒンダードフェ
ノール類、アルカノールアミン類、酸アミド類、ジチオ
カルバミン酸金属塩類、無機硫化物、金属酸化物類の中
から単独で、または組み合わせて使用することができ
る。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール類、サ
リシレート類、ベンゾフェノン類等が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、各測定は以下の条件によって行った。 ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以下GPC
という):東洋曹達(株)製ゲルパーミェーションクロ
マトグラフィーHL−802RTSで標準ポリスチレン
を用いて検量線を作成し測定した。標準ポリスチレンの
分子量は、264、364、466、568、280
0、16700、186000、1260000のもの
を用いた。カラムは、東洋曹達(株)製TSKgelG
2500H XL、TSKgelG3000HXL、TSKg
elG4000HXL、TSKgelG5000HXLを直
列につないで使用した。また、溶媒はクロロホルム、溶
媒の流量は0.9ml/min、カラムの温度は40℃
で測定した。検出部の波長は、標準ポリスチレンが25
4nm、ポリフェニレンエーテル系樹脂が283nmで
測定した。
【0029】なお、樹脂組成物の特性は、東芝機械
(株)製IS80EPN射出成形機を使用し、シリンダ
ー温度300℃、金型温度80℃において試験片を作製
し、次の試験法に従って評価した。 (1)加熱変形温度:ASTM−D648 (2)曲げ弾性率:ASTM−D790 (3)アイゾット衝撃強さ:ASTM−D256、1/
4インチ厚ノッチ付き (4)成形収縮率:ASTM−D955、150×15
0×3mm平板、収縮率は、0.4%以下が好ましい。 (5)難燃性:UL−94、1/8インチ成形片使用。 (6)メルトフローレート:宝工業(株)製メルトイン
デクサーMX−101Aを使用し、250℃、10kg
荷重での流動量を求め、10分間での流動量(g/10
min.)として表現する。 (7)外観:引張強さ測定用ダンベルを成形し、目視、
及び触診にて判断した。 (8)反り:150×150×3mm平板を用い、隙間
ゲージを使用して最高の反り(mm)を測定する。数値
が少ない程、寸法精度が良好であることを示す。 (9)耐薬品性:引張強さ用ダンベルをイソプロパノー
ルとn−ヘキサンの重量比1:1の混合溶液に、23℃
で1時間1%歪み下で浸漬後、引張強度を測定し、浸漬
せずに測定した引張強度からの保持率で評価する。80
%以上あることが好ましい。さらには90%を超えるの
が好ましい。 (10)線膨張係数:アニーリングによって歪みを除去
し、ASTM−D618の方法で前処理した試験片を使
用して、樹脂の流動方向と、流動方向に対して直角方向
のそれぞれの線膨張係数を、抵抗線歪み計を用いAST
M−D696の方法に準じて−35℃〜65℃の間で測
定した。
【0030】本発明で用いる線膨張係数の異方性とは、
直角方向の線膨張係数を、流れ方向の線膨張係数で除し
た値である。この数値が1に近い樹脂組成物ほど異方性
が少ないといえる。板金代替用エンジニアリング樹脂と
しては、この異方性が2以下であることが必要である。
実施例において使用したポリフェニレンエーテル系樹脂
(a成分)は以下のものである。
【0031】米国特許4,788,277号明細書(特
願昭62−77570号)に記載されている方法に従っ
て、ジブチルアミンの存在下に、2,6−キシレノール
を酸化カップリング重合して製造した。 a−1:Mwが3.0×104 、S1 2 =0.19、S
2 2 =0.08であるポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレン)エーテル a−2:Mwが4.5×104 、S1 2 =0.22、S
2 2 =0.09であるポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレン)エーテル a−3:Mwが8.5×104 、S1 2 =0.22、S
2 2 =0.09であるポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレン)エーテル
【0032】
【実施例1】シリンダーの流れ方向にほぼ等間隔に、第
一、第二、第三原料供給口を設けたウェルナー社製ZS
K40を用い、前記第一原料供給口から第二原料供給口
までの温度を340℃、第二原料供給口から第三供給口
まで、及び第三供給口からダイまでの温度を320℃に
保持し、回転数250rpmの条件下、第一原料供給口
からa−1のポリフェニレンエーテル31重量部、a−
3のポリフェニレンエーテル31重量部、安定剤アデカ
AO−30(旭電化(株)製)0.25重量部を、第二
原料供給口からトリフェニルホスフェート8重量部を、
第三原料供給口からガラスフレークCEF150A(日
本板硝子(株)製)30重量部を供給し、ダイから出た
溶融ストランドを水冷してストランドカッターでペレッ
トを得た。こうして得られたペレットを射出成形機(東
芝機械(株)製IS−80EPN)で330℃で成形
し、試験片を作製した。この試験片を用いて物性を評価
し、結果を表1に示した。
【0033】
【実施例2】シリンダーの流れ方向にほぼ等間隔に、第
一、第二、第三原料供給口を設けたウェルナー社製ZS
K40を用い、前記第一原料供給口から第二原料供給口
までの温度を320℃、第二原料供給口から第三供給口
まで、及び第三供給口からダイまでの温度を280℃に
保持し、回転数250rpmの条件下、第一原料供給口
からa−1のポリフェニレンエーテル20重量部、a−
3のポリフェニレンエーテル20重量部、GPポリスチ
レン685(旭化成工業(株)製)7重量部、安定剤ア
デカAO−30(旭電化(株)製)0.25重量部を、
第二原料供給口からゴム変性スチレン系樹脂494(旭
化成工業(株)製)15重量部及びトリフェニルホスフ
ェート8重量部を、第三原料供給口からガラスフレーク
CEF150A(日本板硝子(株)製)30重量部を供
給し、ダイから出た溶融ストランドを水冷してストラン
ドカッターでペレットを得た。こうして得られたペレッ
トを射出成形機(東芝機械(株)製IS−80EPN)
で300℃で成形し、試験片を作製した。この試験片を
用いて物性を評価し、結果を表1に示した。
【0034】
【実施例3】実施例1においてa−1をa−2に替えた
以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に
示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂
組成物は、優れた衝撃強度、機械的強度、成形加工性、
剛性、寸法精度を有しており、板金代替など多くの用途
に適用することが可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物で
    あって、下記(a)及び(b)、とからなることを特徴
    とする樹脂組成物。 (a)重量平均分子量が40000〜100000で、
    かつ下記の数式(1)および(2)によるS1 2 、S2
    2 で示される分子量分布の広がりが、0.27≦S1 2
    ≦0.39かつ、0.12≦S2 2 ≦0.27であるこ
    とを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂100重
    量部、 S1 2 =Σ{Ai1×(logMi1−logMw)2 } (1) Mi1:重量平均分子量以下の分子量 Ai1:重量平均分子量以下の総重量を1としたときのM
    i1の重量分率 Mw:(a)成分全体の重量平均分子量 S2 2 =Σ{Ai2×(logMi2−logMw)2 } (2) Mi2:重量平均分子量以上の分子量 Ai2:重量平均分子量以上の総重量を1としたときのM
    i2の重量分率 Mw:(a)成分全体の重量平均分子量 (b)鱗片状フィラー5〜150重量部
  2. 【請求項2】 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物で
    あって、下記(a)、(b)及び(c)、とからなるこ
    とを特徴とする樹脂組成物。 (a)重量平均分子量が40000〜100000で、
    かつ下記の数式(1)および(2)によるS1 2 、S2
    2 で示される分子量分布の広がりが、0.27≦S1 2
    ≦0.39かつ、0.12≦S2 2 ≦0.27であるこ
    とを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂100〜
    10重量部、 S1 2 =Σ{Ai1×(logMi1−logMw)2 } (1) Mi1:重量平均分子量以下の分子量 Ai1:重量平均分子量以下の総重量を1としたときのM
    i1の重量分率 Mw:(a)成分全体の重量平均分子量 S2 2 =Σ{Ai2×(logMi2−logMw)2 } (2) Mi2:重量平均分子量以上の分子量 Ai2:重量平均分子量以上の総重量を1としたときのM
    i2の重量分率 Mw:(a)成分全体の重量平均分子量 (b)鱗片状フィラー5〜150重量部、及び (c)スチレン系樹脂90重量部以下
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010539321A (ja) * 2007-09-20 2010-12-16 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ ポリ(アリーレンエーテル)組成物および物品

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JP2010539321A (ja) * 2007-09-20 2010-12-16 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ ポリ(アリーレンエーテル)組成物および物品

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