JPH08123020A - 画像形成用マイクロカプセル - Google Patents

画像形成用マイクロカプセル

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JPH08123020A
JPH08123020A JP25390294A JP25390294A JPH08123020A JP H08123020 A JPH08123020 A JP H08123020A JP 25390294 A JP25390294 A JP 25390294A JP 25390294 A JP25390294 A JP 25390294A JP H08123020 A JPH08123020 A JP H08123020A
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pigment
image
resin
substance
forming
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JP25390294A
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Inventor
Masayuki Tsuda
政之 津田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 顔料を用いた場合でも、画像の濃度が十分に
高く、画像の濃淡にも十分な階調が出て、その結果、鮮
明で高品質な画像を形成可能な画像形成用マイクロカプ
セルを提供すること。 【構成】 本発明の画像形成用マイクロカプセルは、少
なくとも画像形成用顔料と光重合性物質とから構成され
る液状成分を、樹脂等からなる壁材によって封入した構
造にされ、特に、画像形成用顔料の表面が樹脂によって
被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置あるいは
プリンター等で使用される画像形成用マイクロカプセル
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有色材料と光重合性物質とを内包
し、光に反応して機械的強度が変化する画像形成用マイ
クロカプセルが、特開平5−066559号公報等に開
示されている。また、上記画像形成用マイクロカプセル
を用い、マイクロカプセルを露光した後、加圧などによ
って強度の弱いカプセルのみを破壊し、内包された有色
材料を受像紙に転写するという現像方法によって、受像
紙に画像を形成する画像形成装置が、特開平5−068
871号、同5−066559号、同5−297552
号公報等に開示されている。
【0003】上記画像形成用マイクロカプセルにおいて
は、有色材料として、染料前駆体、染料、顔料等が用い
られ、光重合性物質としては、通常、光重合開始剤,重
合性物質等を混合したものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記画像形
成装置において受像紙に画像を形成する場合、画像の濃
度が十分に高いことや、画像の濃淡に多段階の階調があ
る(いわゆるハーフトーンが出せる)こと等が望まれ
る。
【0005】しかしながら、従来の画像形成用マイクロ
カプセルでは、受像紙に形成された画像の濃度が低くな
る場合や、画像の濃淡に十分な階調が出せない場合があ
り、特に、上記有色材料として顔料を用いた際に、濃度
が低い、階調が出ないといった傾向が大きくなるという
問題があった。
【0006】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、上記有色材料として顔料を用い
た場合でも、画像の濃度が十分に高く、画像の濃淡にも
十分な階調が出て、その結果、鮮明で高品質な画像を形
成可能な画像形成用マイクロカプセルを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、光に反応して硬化する光重合性物質と、
該光重合性物質中に分散された画像形成用顔料とを、樹
脂等の壁材に封入してなる画像形成用マイクロカプセル
において、前記画像形成用顔料の表面を樹脂で被覆した
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】上記の構成を有する本発明の画像形成用マイク
ロカプセルによれば、画像形成用顔料の表面を樹脂で被
覆してあるので、以下に述べる種々の作用が、単独ある
いは複合的に働くものと考えられる。
【0009】まず、画像の濃度が向上する理由の一つと
して、カプセル内に残留して無駄になる顔料が減少し、
カプセル外へ放出される顔料の量自体が増加することが
挙げられる。ここで、カプセル外へ放出される顔料の量
が増加する理由としては、第1に、光重合性物質と顔料
との間に顔料表面の樹脂が介在しているので、光重合性
物質と顔料との馴染みが良くなり、光重合性物質中で顔
料がきわめて均一に分散し、例えば、顔料が光重合性物
質中で沈澱するといったことがなくなり、その結果、カ
プセルが破壊されると、未硬化の光重合性物質と共に顔
料もカプセル外へ放出されやすくなるという理由が考え
られる。
【0010】また、第2に、顔料表面の樹脂が顔料粒子
同士の接近を妨げて顔料粒子が凝集する(一体化する)
のを防止しているため、カプセル内で顔料粒子が微細な
状態のまま存在し、カプセルの微小な亀裂からでも放出
されやすいという理由も考えられる。
【0011】更に、第3に、顔料表面の樹脂が顔料表面
にある凹凸や突起を覆い隠して顔料表面を滑らかな面に
改質しているため、顔料自体の流動性が改善され、顔料
がカプセル外へ放出されやすいといった理由も考えられ
る。一方、画像の濃度が向上するもう一つの理由とし
て、顔料の量自体とは別に、カプセル外へ放出された顔
料の外部に露出している部分の表面積、すなわち、発色
に寄与する部分の表面積が、実質的に増大していること
が挙げられる。
【0012】ここで、顔料の表面積が増大する理由とし
ては、上記の通り、樹脂が顔料粒子の凝集を防止すると
共に顔料粒子をきわめて均一に分散させるため、この状
態がカプセル外への放出後も維持され、顔料が分散した
状態のまま受像紙に転写されているという理由が考えら
れる。つまり、仮に顔料の量自体が同じであっても、凝
集した状態で転写されると、凝集体の表面に表れない顔
料の表面は全く発色に寄与できないのに対し、分散した
状態で転写されると、数多くの顔料の表面が発色に寄与
し、結果として画像の濃度が向上するのである。
【0013】次に、画像の濃淡に多段階の階調が出しや
すくなる理由としては、前提として、上記の通り、画像
の濃度を向上させたことが挙げられる。すなわち、最も
淡い階調は未着色部分なので、最も濃い階調に相当する
濃度が向上するほど、中間の階調として選べる濃度の幅
が広がったと言える。
【0014】しかし、単に濃淡の幅が広がっても、カプ
セル外へ放出される顔料の量を適切に制御できなけれ
ば、濃度に中間的な階調を出すことはできない。この
点、本発明のマイクロカプセルによれば、カプセルの露
光の程度、すなわち、カプセルの硬化の程度に応じて、
放出される顔料の量が適切な量になっていると推測され
る。
【0015】ここで、放出される顔料の量が適切な量に
なる理由としては、第1に、上記の通り、顔料表面の樹
脂が光重合性物質中に顔料粒子をきわめて均一に分散さ
せるため、未硬化の光重合性物質に含まれる顔料の量が
一定の割合になり、放出される顔料の量が硬化の程度に
比例した量になるという理由が考えられる。つまり、仮
に光重合性物質中において顔料が不均一に偏った状態で
存在したとすると、未硬化部分にほとんどの顔料が含ま
れていて濃度が下がらない、あるいは、未硬化部分には
ほとんど顔料が含まれず発色しないといった状態が起こ
り、カプセルの硬化の程度と顔料の放出量とに相関が無
くなる恐れがあるが、本発明のマイクロカプセルの場合
はその様な恐れがない。
【0016】また、第2に、未硬化部分に含まれる顔料
が確実に放出される一方、硬化部分に含まれる顔料が確
実に放出されなくなっているという理由が考えられる。
すなわち、未硬化部分においては、上記の通り、顔料表
面の樹脂により、顔料粒子が微細な状態にあり、しかも
顔料の流動性が改善されていることによって、例えば、
硬化部分の隙間に未硬化部分がある様な場合でも、顔料
粒子が硬化部分に引っかかったりせず、未硬化部分に含
まれる顔料はすべてスムーズに放出されると考えられ、
一方、硬化部分においては、顔料が単に硬化部分に囲ま
れるだけではなく、顔料表面の樹脂と光重合性物質とが
重合して強固な結合を作ることによって、例えば、硬化
部分と未硬化部分の境界面にある顔料がすべて未硬化部
分の方へ脱落することがない、また、例えば、受像紙へ
の転写の際に硬化部分が受像紙に押し付けられても、硬
化部分に保持されている顔料が硬化部分から外れて転写
されてしまうことがないといったことが考えられる。つ
まり、第1の理由に挙げた通り、未硬化の光重合性物質
の量とそこに含まれる顔料の量とがうまく比例していた
としても、未硬化部分に含まれる顔料がうまく放出され
なかったり、硬化部分の顔料が転写されてしまったりす
ると、カプセルの硬化の程度と顔料の放出量とに相関が
無くなる恐れがあるが、本発明のマイクロカプセルの場
合はその様な恐れがない。
【0017】以上説明した通り、本発明の画像形成用マ
イクロカプセルによれば、顔料が放出されやすく、放出
された顔料が有効に発色し、更に、カプセルの露光状態
に応じて放出量が適切に制御され、その結果、未露光部
分においては、受像紙に転写する画像の濃度を高くで
き、しかも、露光の程度に応じて、画像の濃淡にも多段
階の階調を付与できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を説明す
る。画像形成用マイクロカプセルは、少なくとも画像形
成用顔料と光重合性物質とから構成される液状成分を、
樹脂等からなる壁材によって封入した構造にされ、特
に、画像形成用顔料の表面が樹脂によって被覆されてい
る。なお、この画像形成用マイクロカプセルの平均粒径
は、5μm〜50μmが望ましいが、特に限定されるも
のではない。
【0019】上記画像形成用顔料としては、無機顔料、
有機顔料のどちらでも使用可能で、マイクロカプセルの
平均粒径にもよるが、一般的な顔料の平均粒径として
は、0.01μ〜10μ程度のものが利用できる。望ま
しくは、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アゾレーキ
顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、アンスラ
ピリミジン系顔料、イソインドリノン系顔料、スレン系
顔料、フタロシアニン系顔料等の有機顔料、カーボンブ
ラック、黄鉛、ベンガラ、酸化チタン、モリブデン赤、
カドミウムレッド、コバルトブルー、クロムグリーン等
の無機顔料が挙げられる。これらの顔料は、単独でも2
種以上を混合して用いてもよい。
【0020】画像形成用顔料の表面を被覆する樹脂とし
ては、特に限定されるものではないが、少なくとも重合
性物質との馴染みの良いものが望ましい。それには、例
えば、重合性物質と少なくとも1つは同一の基を有する
化合物等は望ましく、アルキル基、水酸基、フェニル
基、アミノ基、アミド基、アクリル基等を有する化合物
がより望ましい。さらにアミド結合、ウレタン結合等を
有する化合物も使用できる。代表的な樹脂としては、メ
チル基を有する樹脂として、シリコーン、エポキシ樹脂
等が、水酸基を有する樹脂して、フェノール、エポキシ
樹脂等が、フェニル基を有する樹脂として、シリコー
ン、フェノール樹脂等が挙げられる。ここで、例えば、
重合性物質としてメチル基及び水酸基の両方を有する物
質を用いたならば、メチル基あるいは水酸基の少なくと
もどちらか一方を有する樹脂で表面を被覆すると良い。
また、重合性物質を複数混合して用いた場合は、混合し
た重合性物質中の少なくとも1種類について、同一の基
を少なくとも1つ有する樹脂で表面を被覆してあると良
い。この様な樹脂及び重合性物質の選定に当たっては、
重合性物質を選定してから表面被覆用樹脂を決定しても
よいが、逆に表面被覆用樹脂を選定した後に、それと同
一の基を少なくとも1つは有する重合性物質を決定して
も何ら差し支えない。また、表面被覆用樹脂は、複数混
合して用いてもよい。この場合も、混合した表面被覆用
樹脂中、少なくとも1種類について重合性物質と同一の
基を少なくとも1つは有しているとよい。顔料に対する
表面被覆用樹脂の種類は、特に限定はされないが、顔料
を2種以上を混合して用いる場合、同一樹脂による被覆
が施してあることがより望ましい。
【0021】顔料の被覆の方法としては、現在公知とな
っている種々の方法が利用でき、特に限定はされない
が、例えば、有機溶媒等に溶解あるいは分散させた樹脂
を顔料の表面に付着させて薄膜を形成する方法、ボール
ミル,アトライター,粉砕機,ヘンシェルミキサー等の
分散・粉砕を用いながら新生表面の活性によって、モノ
マーあるいはポリマーをグラフトさせる方法、高速で回
転する羽根によって顔料と被覆用樹脂との混合物に衝撃
を加えて固着する方法、顔料と被覆用樹脂との混合物を
高速気流中に投入して加速させ衝突板に衝突させる方法
等が挙げられる。これらのどの方法で被覆しても、これ
ら以外の方法で被覆してもよいが、より安価で早く被覆
できる方法が望ましい。樹脂の形態については、被覆方
法によっても種々異なるが、微粉体状あるいは液状のも
のが利用しやすい。更に、被覆によって形成された樹脂
膜の厚さは、顔料の粒径にもよるが、通常は顔料粒径の
1/2〜1/1000程度になっていると考えられる。
【0022】以上のようにして被覆処理された顔料は、
光重合性物質と混合される。光重合性物質は、光に感応
し硬化する物質であり、通常、光重合開始剤と重合性物
質を混合して用いられる。前記重合性物質は、単一の物
質でも複数の物質を混合したものでもよいが、上記の通
り、顔料を被覆した樹脂と同一の基を1つは有する物質
を含有している方が望ましい。
【0023】この重合性物質としては、エチレン系不飽
和基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物等が挙
げられるが、エチレン系不飽和基を有する化合物が望ま
しい。エチレン系不飽和基を有する化合物としては、ア
クリル酸及びその塩、アクリル酸エステル類、アクリル
アミド類、メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸エス
テル類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイ
ン酸エステル類、イタコン酸エステル類、スチレン類、
ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素
環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれ
らの誘導体等が挙げられる。特に望ましくは、アクリル
酸エステル類あるいはメタクリル酸エステル類である。
【0024】アクリル酸エステル類の具体例としては、
以下に示すような物質が挙げられる。水酸基を有する物
質は、1,6−ヘキサンジオールのジグリンジルエーテ
ルのジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート
等が、フェニル基を有する物質は、フェノール変性アク
リレート、ノニルフェノール変性アクリレート、ビスフ
ェノールA変性ジアクリレート、フタル酸モノヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピルアクリレート等が挙げられる。
【0025】アルキル基を有する化合物としては、2−
エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、
1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付
加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキ
シピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カ
プロラクトン付加物のジアクリレート等、及びメタクリ
ル酸エステル類全てが挙げられる。メタクリル酸エステ
ル類の具体例としては、ブチルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレー
ト、エトキシエチルメタクリレート、ヘキサンジオール
メタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、
1,3−ジオキソランメタクリレート、ブタンジオール
ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レート、ビスフェノールAジメタクリレート、ペンタエ
リスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールの
カプロラクトン付加物のヘキサメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチロール
プロパンのプロピレンオキサイド付加物のトリメタクリ
レート、ポリオキシエチレン化ビスフェノールAのジメ
タクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリウレ
タンメタクリレート等が挙げられる。
【0026】アクリル基を有する化合物としては、アク
リル酸エステル類あるいはメタクリル酸エステル類全て
が挙げられる。重合性物質を2種以上混合して用いる場
合、少なくとも1種は顔料の表面被覆用樹脂と同一の基
を少なくとも1つは有していると良いが、残りの他の物
質については特に限定されない。
【0027】前記光重合開始剤は、光に感応し樹脂の重
合を開始させるものであり、直接解裂型、水素引き抜き
型、2分子系等の開始剤が使用可能である。これらの開
始剤の具体例としては、芳香族カルボニル化合物、アセ
トフェノン類、有機過酸化物、ジフェニルハロニウム
塩、有機ハロゲン化物、2,4,6−置換−S−トリア
ジン類、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量
体、アゾ化合物、染料ボレート錯体、金属アレーン錯
体、チタノセン化合物等が挙げられる。望ましくは、ベ
ンゾフェノン、ベンジル、キサントン、チオキサント
ン、アントラキノン、アセトフェノン、2,2−ジメチ
ル−2−モルフォリノ−4′−メチルチオアセトフェノ
ン、ベンゾイルパーオキサイド、3,3′,4,4′−
テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフ
ェノン、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニ
ルヨードニウムクロライド、四塩化炭素、四臭化炭素、
2,4,6−トリストリクロロメチル−S−トリアジ
ン、(η5 −2,4−シクロペンタジエン−1−イル)
[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチ
ル)ベンゼン]鉄(1+)ヘキサフルオロホスフェート
(1−)等が挙げられる。また、これらの光重合開始剤
は、単独でも、2種以上を混合したものでもよい。
【0028】上記構成の画像形成用マイクロカプセル
は、すでに当業界において公知の技術となっている方法
で作製することが可能である。例えば、米国特許第28
00457号、同第2800458号明細書等に示され
るような水溶液からの相分離法、特公昭38−1974
号、同昭42−446号、同昭42−771号公報等に
示されるような界面重合法、特公昭36−9168号、
特開昭51−9079号公報等に示されるモノマーの重
合によるin−situ法、英国特許第952807
号、同第965074号明細書に示される融解分散冷却
法等があるが、これに限定されるものではない。但し、
本発明においてはある程度粒径が限られるので、所期の
粒径のカプセルが得られるような作製方法がより好まし
い。所期の粒径から外れるカプセルが含まれている場合
には、カプセル作製後にフィルタリング等を行い粒径を
揃える必要がある。
【0029】マイクロカプセルの外郭である壁材を形成
する材料としては、前記カプセル製造方法にて利用可能
であれば、無機物質でも有機物質でもよい。望ましく
は、有機物質であり、光を十分に透過させるような材質
がより好ましい。具体例としては、ゼラチン、アラビア
ゴム、デンプン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
ウレタン、ポルユリア、ポリウレタン、ポリスチレン、
ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロー
ス、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂等、及びこれらの共重合物等が挙げられ
る。
【0030】次に、具体例を記述するが、本発明の実施
例としては、この具体例に限定されるものではなく、こ
れまでに記述された範囲で、用いられる材料物質、その
量比及び作製条件を変更しても実施可能である。 [具体例]有色材料としてイエローの顔料を含有し、4
50nm付近に感光感度を持つイエロー画像記録用マイ
クロカプセルを作製する。
【0031】まず、高速気流中衝撃法により、アゾバリ
ウムレーキ系顔料の表面をエポキシ−アルキド樹脂の微
粉体によって被覆した。より具体的には、アゾバリウム
レーキ系顔料100重量部と、エポキシ−アルキド樹脂
の微粉体12重量部とをミキサーに入れて10〜20分
間混合し、その混合物20gを、ハイブリダイゼーショ
ンシステム NSH−0型(奈良機械製作所製)を用い
て、周速100m/secで5分間処理した。処理中の
温度は約110℃であった。
【0032】次に、ポリエチレングリコールジメタクリ
レートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを
3:4に配合したものを100重量部に、前記被覆を施
した顔料を3重量部混合して分散させた。これにクマリ
ン系染料0.5重量部、N,N−ジメチルアニリン2重
量部、光重合開始剤である(η5 −2,4−シクロペン
タジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−
η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]鉄(1+)ヘキ
サフルオロホスフェート(1−)3重量部を加え、10
0℃で10分間加熱することにより疎水性の液状成分を
得た。
【0033】次に、乳化剤である5%ポリスチレンスル
ホン酸の一部ナトリウム塩水溶液と5%スチレン−無水
マレイン酸共重合体水溶液の1:1水溶液100cc中
に、前記疎水性の液状成分を加え、ホモジナイザーで6
000回転、5分間攪拌して水溶液中に液状成分が5〜
20μmの大きさの液滴として存在する、いわゆるO/
Wエマルジョンを得た。
【0034】別に、ホルムアルデヒド37%水溶液に市
販のメラミン粉末を加え、水酸化ナトリウム溶液によっ
てPH9.0に調整し、水温60度で30分間加熱して
メラミン・ホルムアルデヒドプレポリマーを得た。この
メラミン・ホルムアルデヒドプレポリマーを、先に作製
したO/Wエマルジョンに加え、アジホモミキサーなど
によって100〜300回転で攪拌しつつ水温が80℃
になるように加熱した状態で5時間保持し、その後PH
7に調整して常温まで冷却した。この結果、O/Wエマ
ルジョンの液滴のまわりにメラミン−ホルムアルデヒド
樹脂の壁材が析出し、イエロー画像形成用マイクロカプ
セルエマルションが得られた。
【0035】次に、上記具体例の効果を検証するため、
上記工程により得られた画像形成用マイクロカプセルを
用いて、画像形成用シートを作製した。具体的には、上
記マイクロカプセルエマルションを、1日暗所に放置し
て上澄み液を取り除き、残ったマイクロカプセルに5%
PVA50gを加え、厚さ25μmのPETフィルムに
バーコータを用いて塗布して、画像形成用シートとし
た。
【0036】また、比較例として、表面に樹脂被覆を行
っていないアゾバリウムレーキ系顔料を用いることを除
いて、上記作製方法と同様の条件でイエロー画像形成用
マイクロカプセルを作製し、上記と同様の方法で画像形
成用シートを作製した。こうして得られた2種類の画像
形成用シートを用いて、それぞれに露光量Eと画像濃度
Dとの関係を測定した。具体的には、段階的に透過率の
異なった1枚のフィルム(ステップタブレット)を用い
て、上記画像形成用シートを露光し、その後、圧力を加
えてカプセルを破壊すると共に、未硬化の芯物質を流出
させて受像紙に転写し、受像紙に形成された着色部分の
濃度をマクベス反射濃度計によって測定し、横軸に露光
量Eの対数(logE)、縦軸に測定された濃度Dをと
って、照射エネルギーと濃度との関係を表す特性曲線を
作製した。その結果を、図1に示す。
【0037】図1において、露光によるエネルギーが小
さい場合を比較すると、上記具体例のマイクロカプセル
(図中+印で示す)の場合、比較例のマイクロカプセル
(図中□印で示す)よりも画像の濃度が著しく向上して
いることが明らかである。また、同図において、露光に
よるエネルギーに応じて画像の濃淡に階調の出せる幅L
1,L2を比較すると、上記具体例のマイクロカプセル
の場合、比較例のマイクロカプセルに対し、大きく幅が
広がっている(すなわち、L2>L1である)。したが
って、画像の濃淡に多段階の階調を与えることが容易と
なり、例えば、画像に微妙な陰影などを形成するといっ
たことも可能となる。
【0038】更に細かく見ると、同図において、上記具
体例のマイクロカプセルの場合、比較例のマイクロカプ
セルよりも低エネルギー側から濃度の低下が始まってい
る。この点から見て、上記具体例では僅かに光重合性物
質が硬化しても、その硬化部分に顔料が固定されやすい
と言え、原因としては、顔料が光重合性物質全体によく
分散していることや、顔料表面の樹脂と光重合性物質と
の重合が起きていること等が推察される。
【0039】一方、上記具体例のマイクロカプセルの場
合、比較例のマイクロカプセルよりも高エネルギー側ま
で濃度が低下しない。この点から見て、上記具体例では
未硬化部分が僅かとなっても、顔料が放出されやすいと
言え、原因としては、顔料が微細な状態で存在し僅かな
隙間からも放出されることや、顔料自体の流動性が良好
で硬化部分による阻害を受けにくいこと等が推察され
る。
【0040】以上説明した通り、本実施例で作製した画
像形成用マイクロカプセルによれば、顔料を用いている
にもかかわらず、画像の濃度が十分に高く、画像の濃淡
にも十分な階調が出る。したがって、鮮明で高品質な画
像を形成することができる。以上本発明の実施例を説明
したが、本発明は上述した実施例にとらわれることな
く、その趣旨を逸脱しない範囲で種々なる態様に変更す
ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の画像形成用マイクロカプセルによれば、画像の
濃度がきわめて高くなり、画像の濃淡にも多段階の階調
を出せる。したがって、鮮明で高品質な画像を形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 照射エネルギーと濃度との関係を表す特性曲
線を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光に反応して硬化する光重合性物質と、
    該光重合性物質中に分散された画像形成用顔料とを、樹
    脂等の壁材に封入してなる画像形成用マイクロカプセル
    において、 前記画像形成用顔料の表面を樹脂で被覆したことを特徴
    とする画像形成用マイクロカプセル。
JP25390294A 1994-10-19 1994-10-19 画像形成用マイクロカプセル Pending JPH08123020A (ja)

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