JPH08122787A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置及びその製造方法

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JPH08122787A
JPH08122787A JP25545194A JP25545194A JPH08122787A JP H08122787 A JPH08122787 A JP H08122787A JP 25545194 A JP25545194 A JP 25545194A JP 25545194 A JP25545194 A JP 25545194A JP H08122787 A JPH08122787 A JP H08122787A
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洋二 鈴木
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琢也 吉見
Yasutoshi Tasaka
泰俊 田坂
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    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
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    • G02F1/133761Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers with different alignment orientations or pretilt angles on a same surface, e.g. for grey scale or improved viewing angle with different pretilt angles

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広い視角特性を実現するため、配向分割され
た液晶表示装置に関し、製造工程を複雑にすることな
く、確実に高プレチルト配向膜同士が対向しない配向分
割領域を形成し、表示品質を向上させる。 【構成】 液晶層1を挟む第1の基板201及び第2の
基板202と、隣接する高プレチルト配向領域7及び低
プレチルト配向領域6を有する第1の配向膜と、隣接す
る高プレチルト配向領域12及び低プレチルト配向領域
11を有する第2の配向膜とを有し、高プレチルト配向
領域7の第2の基板202への対向領域には低プレチル
ト配向領域11が存在し、かつ高プレチルト配向領域1
2の第1の基板201への対向領域には低プレチルト配
向領域6が存在し、互いに隣接する高プレチルト配向領
域及び低プレチルト配向領域7/6,12/11との境
界領域近傍は、低プレチルト配向領域6,11が対向し
ていることを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置及びその製
造方法に関し、より詳しくは、広い視角特性を実現する
ため、配向分割された液晶表示装置及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータを中心と
して薄型表示装置の需要が拡大している。このような表
示装置として液晶表示装置が注目されている。液晶表示
装置に用いられる液晶パネルは2枚のガラス基板によっ
て液晶を挟み、更にその外側を偏光板等によって挟んだ
構造を有し、液晶分子の配向を制御して液晶層の光の透
過を制御するものである。しかしながら、液晶分子に配
向を付与したときに生ずるプレチルトにより、視角依存
性が生じ、見る方向によって明暗が反転したり、コント
ラストが低下する。例えば、液晶層に電圧を印加すると
液晶分子はプレチルトを持つ方向に立ち上がってくるた
め、この方向から見た場合、最も見えやすくなる。
【0003】このような視角依存性を改善するため、一
画素を例えば2つの領域に分割し、配向を逆向きにした
り、プレチルト角に差をつけたりすることにより、液晶
分子のねじれ方が互いに逆向きになるようにしている。
このような配向分割方式を用いた液晶表示パネルについ
て、図7を参照しながら説明する。図7は透過型の配向
分割型液晶表示パネルの断面図である。
【0004】TFTマトリクスの形成された第1の基板
101とカラーフィルタ層58の形成された第2の基板
102により液晶層62が挟まれた構造を有している。
なお、第1の基板101は透明基板51とゲートバスラ
イン(ゲート電極)52とゲート絶縁膜53と画素電極
54と配向膜とからなり、第2の基板102は透明基板
57とカラーフィルタ58と共通電極59と配向膜とか
らなる。
【0005】第1の基板102及び第2の基板103の
対向面の配向膜は、それぞれ下層の低プレチルト配向膜
55,60上に高プレチルト配向膜56,61が選択的
に形成された2層膜からなる。対向面には低プレチルト
配向領域及び高プレチルト配向領域が交互に並び、かつ
一画素当たり一対の高/低プレチルト配向領域の帯状領
域A,Bが存在するように形成されている。
【0006】しかも、A領域では第1の基板102の高
プレチルト配向膜56と第2の基板103の低プレチル
ト配向膜60とが対向し、B領域では第1の基板102
の低プレチルト配向膜55と第2の基板103の高プレ
チルト配向膜61とが対向している。高/低プレチルト
配向膜が対向したとき、配向膜間に挟まれた液晶分子の
傾きの方向は、高プレチルト配向膜56,61の傾きの
方向に対応する。
【0007】従って、両基板102,103の配向膜の
ラビング方向が互いに直交し、かつともに図7上左から
右に向かう方向にあるとすると、第1及び第2の基板1
02,103の高プレチルト配向膜56,61側でラビ
ング方向の先の方、即ち、図7では液晶分子の右側がプ
レチルト角θ1で大きく傾くとともに、捩じれの向きは
上側又は下側から見てA領域とB領域で互いに逆にな
る。なお、低プレチルト配向膜55,60側で液晶分子
は小さいプレチルト角θ2を有する。
【0008】更に、画素電極54及び共通電極59への
電圧印加により、液晶分子は高プレチルト配向膜56,
61側のプレチルト角θ1が更に大きくなる方向、即ち
A領域とB領域で互いに相反する方向に立ち上がる。こ
のように一画素に液晶分子の傾きが相反し、かつねじれ
の方向が逆のA領域とB領域が存在するため、視角依存
性が平均化されて視角特性が向上する。
【0009】次に、第1の基板101の配向膜の作成方
法について図8(a)〜(c)を参照しながら説明す
る。なお、図8(a)〜(c)中、符号100は図7に
示した透明基板51,ゲートバスライン52,ゲート絶
縁膜53及び画素電極54からなる基板を示す。まず、
図8(a)に示すように、基板100上に低プレチルト
配向膜55と高プレチルト配向膜56を積層した後、さ
らにその上にレジスト膜63を塗布する。このレジスト
膜63にマスク64を介して紫外線65で露光した後、
現像し、レジストマスク63aを形成する。
【0010】次に、図8(b)に示すように、レジスト
マスク63aにより高プレチルト配向膜56の不要部分
をエッチングし、除去して、高プレチルト配向膜56の
帯状のパターンを形成する。次いで、図8(c)に示す
ように、レジストマスク63aを剥離し、低プレチルト
配向膜55の露出部分と高プレチルト配向膜56の表面
をナイロン布などで1方向に擦ってラビングする。こう
して、ラビング方向が同じで帯状の低/高プレチルト配
向領域が交互に並んだ配向膜パターンを形成する。
【0011】このようなフォトリソグラフィによる配向
膜のパターニング方法は、精度が良いという利点がある
が、露光/現像、エッチング、剥離の工程を必要とする
ために製造工程が複雑になるという不都合があった。ま
た、現像やエッチングに耐える配向膜材料を使用しなけ
ればならないために配向膜材料が限定され、またこの工
程において配向膜材料本来の特性が損なわれるなど、プ
ロセスマージンを狭めるという問題もあった。
【0012】このような問題に対処するため、図9
(a)、(b)の断面図で示すような、グラビア印刷な
どの印刷法による配向膜パターンの形成方法が提案され
た。この方法は、まず、図9(a)に示すように、選択
形成する高プレチルト配向膜の形状を刻んだ感光性樹脂
などの凸版66の凸部に配向膜材料56aを付着させた
後、図9(b)に示すように、低プレチルト配向膜55
上の適切な位置に押し当てて、高プレチルト配向膜56
aを選択的に付着させるものである。このとき、従来凸
版66の凸部の寸法は、ポリイミドの流れを考慮して高
プレチルト配向領域は低プレチルト配向領域が最終的に
1対1となるように決められている。
【0013】この方法によれば、通常の印刷により配向
膜を選択形成できるので工程が簡略化され、フォトリソ
グラフィのような露光/現像、エッチング及び剥離の工
程が不要なため、配向膜材料本来の特性が損われること
がなく、信頼性の高い特性の配向膜を形成することがで
きる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな印刷による配向膜パターンの形成方法は、凸版66
が樹脂製で柔軟性を有し、配向膜材料がポリイミドなど
液状材料であるため、印刷する際に凸版66の凸部が変
形して、高プレチルト配向膜56,61のパターンの縁
が波打ったり、パターンの幅が広がりすぎたりして、1
画素を正確に2分割することができない。
【0015】液晶を挟んでこのような基板を重ね合わせ
ると、高プレチルト配向膜56,61のパターン幅が広
い場合、高プレチルト配向膜56,61同士が対向する
領域が生じる。このような場合、図3(b)に示すよう
に、液晶分子が正常な場合と逆方向に捩じれてしまう逆
ツイスト領域が発生し易くなる。高/低プレチルト配向
膜56/60,55/61に挟まれた領域にある液晶分
子SとWは、通常左回りに90度ツイストしているが、
高プレチルト配向膜56/61に挟まれた領域にある液
晶分子TとVは、正常な方向と逆回りに90度ツイスト
する。このような現象が生じると、部分領域で光の漏れ
や光の非透過領域が生じ、表示品質が低下する。
【0016】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、高プレチルト配向膜と低プレチルト配
向膜とを対向させることにより異なる配向を有する領域
に一画素内を分割した液晶表示装置及びその製造方法に
おいて、製造工程を複雑にすることなく、確実に高プレ
チルト配向膜同士が対向しない配向分割領域を形成し、
表示品質を向上させることを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1に、液
晶層を挟持する第1の基板及び第2の基板と、電圧を印
加して液晶分子の配向を制御し、前記液晶層の光の透過
を制御する、前記第1の基板に形成された第1の電極及
び前記第2の基板に形成された第2の電極と、前記第1
の基板に形成され、画素内で互いに隣接する高プレチル
ト配向領域及び低プレチルト配向領域を有する第1の配
向膜と、前記第2の基板に形成され、前記画素内で互い
に隣接する高プレチルト配向領域及び低プレチルト配向
領域を有する第2の配向膜とを有し、前記第1の配向膜
の前記高プレチルト配向領域の前記第2の基板への対向
領域には前記第2の配向膜の前記低プレチルト配向領域
が存在し、かつ前記第2の配向膜の前記高プレチルト配
向領域の前記第1の基板への対向領域には前記第1の配
向膜の前記低プレチルト配向領域が存在し、互いに隣接
する前記高プレチルト配向領域及び前記低プレチルト配
向領域との境界領域近傍は、前記第1及び前記第2の配
向膜における低プレチルト配向領域が対向していること
を特徴とする液晶表示装置によって達成され、第2に、
前記第1及び前記第2の配向膜のラビング方向は直交す
ることを特徴とする第1の発明に記載の液晶表示装置に
よって達成され、第3に、前記第1及び前記第2の配向
膜は低プレチルト配向膜上に高プレチルト配向膜が選択
的に形成された2層膜からなることを特徴とする第1又
は第2の発明に記載の液晶表示装置によって達成され、
第4に、前記高プレチルト配向膜は印刷によって形成さ
れていることを特徴とする第3の発明に記載の液晶表示
装置によって達成され、第5に、互いに交差する第1の
バスライン及び第2のバスラインが前記第1の基板に形
成されており、前記第1の配向膜の前記高プレチルト配
向領域の側端部及び前記第2の配向膜の前記高プレチル
ト配向領域の前記第1の基板への対向領域の側端部が、
前記第1又は前記第2のバスラインの長手方向に沿う中
央線と前記第1の電極の側端部との間にあることを特徴
とする第1乃至第4の発明のいずれかに記載の液晶表示
装置によって達成され、第6に、前記第1の基板に前記
画素毎に薄膜トランジスタが形成されており、前記第1
のバスラインは前記薄膜トランジスタのゲート電極と接
続されたゲートバスラインであり、前記第2のバスライ
ンは前記薄膜トランジスタのドレイン電極と接続された
ドレインバスラインであり、前記第1の電極は前記薄膜
トランジスタのソース電極と接続された画素電極である
ことを特徴とする第5の発明に記載の液晶表示装置によ
って達成され、第7に、前記低プレチルト配向膜が液晶
分子に与えるプレチルト角は1度以下であり、前記高プ
レチルト配向膜が液晶分子に与えるプレチルト角は7度
以上であることを特徴とする第1乃至第6の発明のいず
れかに記載の液晶表示装置によって達成され、第8に、
電圧を印加して液晶分子の配向を制御し、液晶層の光の
透過を制御する第1の電極が形成された第3の基板上に
低プレチルト配向膜を形成する工程と、電圧を印加して
前記液晶分子の配向を制御し、前記液晶層の光の透過を
制御する第2の電極が形成された第4の基板上に低プレ
チルト配向膜を形成する工程と、画素内で高プレチルト
配向領域と低プレチルト配向領域とが隣接するように、
前記第3の基板の前記低プレチルト配向膜上に印刷によ
り高プレチルト配向膜を形成する工程と、前記画素内で
高プレチルト配向領域と低プレチルト配向領域とが隣接
するように、前記第4の基板の前記低プレチルト配向膜
上に印刷により高プレチルト配向膜を形成する工程と、
前記第3及び前記第4の基板間に液晶を注入する工程を
含み、前記高プレチルト配向膜は、前記第3の基板の前
記高プレチルト配向領域の前記第4の基板への対向領域
には前記第4の基板の前記低プレチルト配向領域が存在
し、かつ前記第4の基板の前記高プレチルト配向領域の
前記第3の基板への対向領域には前記第3の基板の前記
低プレチルト配向領域が存在し、隣接する前記高プレチ
ルト配向領域及び前記低プレチルト配向領域との境界領
域近傍に前記低プレチルト配向膜が対向するように形成
することを特徴とする液晶表示装置の製造方法によって
達成される。
【0018】
【作用】図10は、本願発明者が調査した、液晶層を挟
み、高/中/低のプレチルト角を液晶分子に付与する配
向膜の組み合わせと液晶分子の逆ツイストが発生する印
加電圧との関係を示した表である。この表において、高
プレチルト角として7度のプレチルト角、中プレチルト
角として3度のプレチルト角、および低プレチルト角と
して1度以下のプレチルト角をそれぞれ液晶分子に与え
る配向膜を用いている。
【0019】また、各欄の上段はカイラルピッチを75
μmとした場合の逆ツイストが発生する印加電圧、下段
はカイラルピッチを40μmとした場合の逆ツイストが
発生する印加電圧を示す。また、「−」が記された欄
は、逆ツイストが発生しない配向膜の組合せを示す。こ
の表によれば、配向膜のプレチルト角が異なる場合には
逆ツイストは生じないが、配向膜のプレチルト角が等し
い場合に逆ツイストが生じる。
【0020】また、逆ツイストが生じる電圧は、配向膜
のプレチルト角が小さいほど高く、配向膜のプレチルト
角が大きいほど低い。更に、逆ツイストが生じる電圧は
カイラルピッチが小さいほど高くなり、大きいほど低く
なる。ところで、一般に液晶の飽和電圧は5.5V程度
なので、配向膜が高プレチルト角の場合には、液晶の飽
和電圧以下の電圧で逆ツイストが発生し、逆に配向膜が
低プレチルト角の場合には、液晶の飽和電圧よりもかな
り高い電圧を印加しなければ逆ツイストが発生しない。
【0021】本発明によれば、液晶層を挟む第1及び第
2の基板に低プレチルト配向領域と高プレチルト配向領
域が隣接して形成され、互いに隣接する高プレチルト配
向領域及び低プレチルト配向領域との境界領域近傍は、
第1及び第2の配向膜における低プレチルト配向領域が
対向している。即ち、境界領域近傍では高プレチルト配
向領域同士が確実に対向しないようにしている。
【0022】従って、液晶層は低プレチルト配向領域に
より挟まれることはあるが、高プレチルト配向領域によ
り挟まれることはない。このため、飽和電圧以下で、確
実に液晶分子の逆ツイストが生じるのを回避することが
できる。これにより、部分領域の光の漏れや非透過領域
の形成、またはコントラストの低下などの表示品質の低
下を回避することができる。
【0023】また、少なくとも第1又は第2の配向膜の
高プレチルト配向領域を印刷で形成することができるの
で、製造工程が簡略化され、またフォリソグラフィによ
るパターニング法とは異なり、現像/露光やエッチング
など配向膜材料に悪影響を与える工程がないので、配向
膜の特性が損なわれることはない。更に、第1及び第2
の配向膜は低プレチルト配向膜上に高プレチルト配向膜
が選択的に形成された2層膜からなり、高プレチルト配
向膜を印刷により作成している。これにより、配向膜材
料の溶剤などにより下層の配向膜のプレチルト角が低下
したり、パターニングした上層の低プレチルト配向膜の
断面形状が崩れたりするような、好ましくない影響を回
避することができる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。図1は、本発明の一実施例に係る90
°ツイストネマティックモードの液晶パネルの構造を概
略的に示した断面図である。アクティブマトリクス回路
の薄膜トランジスタが形成されたTFT側基板(第1の
基板)201と、カラーフィルタ(CF)が形成された
CF側基板(第2の基板)202が液晶層1を挟んで対
向配置している。光は、図示しない光源からTFT側基
板201を介してCF側基板202を透過する。
【0025】TFT側基板201には、ガラスなどの透
明基板2上にゲートバスライン3、ゲート絶縁膜4およ
びITO膜からなる透明な画素電極(第1の電極)5が
形成されている。更に、これらを被覆してポリイミドか
らなる低プレチルト配向膜6が形成され、低プレチルト
配向膜6上に選択的に高プレチルト配向膜7が積層され
ている。
【0026】このTFT側基板201を液晶層側から見
た平面図を図2(a)に示す。ゲートバスライン3とド
レインバスライン13が直交し、交差点の近傍にTFT
が形成されている。ゲートバスライン3はTFTのゲー
ト電極と接続され、ドレインバスライン13はTFTの
ドレイン電極と接続されている。ゲートバスライン3と
ドレインバスライン13により区分される領域が画素領
域に相当する。
【0027】この画素領域内に、画素領域毎に分離され
た画素電極5と、これらを被覆して画素領域全面に低プ
レチルト配向膜6が形成されている。画素電極5はTF
Tのソース電極と接続されている。さらにその上に、画
素領域をゲートバスライン3に沿ってほぼ2分した上下
領域のうち下側の領域を覆うように、帯状の高プレチル
ト配向膜7が形成されている。高プレチルト配向膜7
は、画素領域の中央線よりも少し下から下側のゲートバ
スライン3の長手方向に沿う中心線までの範囲に形成さ
れている。
【0028】これらの低プレチルト配向膜6と高プレチ
ルト配向膜7のラビング方向は同じであり、図2(a)
の右側に矢印Cで示した。また、低プレチルト配向膜6
と高プレチルト配向膜7が液晶分子に与えるプレチルト
角は異なり、低プレチルト配向膜6のプレチルト角は約
1度、高プレチルト配向膜7のプレチルト角は約7度と
なっている。
【0029】一方、CF側基板202には、ガラスなど
の透明基板8上にカラーフィルタ膜9と透明電極(第2
の電極;共通電極)10が積層され、さらにその上にポ
リイミドからなる低プレチルト配向膜11が形成され、
低プレチルト配向膜11上に選択的に高プレチルト配向
膜12が形成されている。CF側基板Bを液晶側から見
た平面図を図2(b)に示し、画素領域毎に分離された
矩形状のカラーフィルタ膜9の上に透明電極10が形成
され、これらを被覆して画素領域全面に低プレチルト配
向膜11が形成されている。
【0030】更に、その上に画素領域をゲートバスライ
ン3に沿ってほぼ2分した上下領域のうち上側の領域を
覆うように、帯状の高プレチルト配向膜12が形成され
ている。高プレチルト配向膜12は、画素領域の中心線
よりもわずかに上から上側のゲートバスライン3の長手
方向に沿う中心線までの範囲に形成されている。この図
2(b)に示したCF側基板202を、液晶表示パネル
としてTFT側基板201と重ね合わせたとき、上下は
同じままであるが、左右が逆になる。したがって、CF
側基板202の高プレチルト配向膜12の形成領域のT
FT側基板201への対向領域は、TFT側基板201
の高プレチルト配向膜7の形成領域とは間隔をもって離
隔し、重ならない。この間隔は製造上ばらつきを考慮し
て確実に重ならないような寸法に設定される。
【0031】また、低プレチルト配向膜11及び高プレ
チルト配向膜12のラビング方向は、図2(b)の右側
の矢印Dで示したとおり、TFT側基板201と重ね合
わせたときに、低プレチルト配向膜6及び高プレチルト
配向膜7のラビング方向と直交する向きである。以上の
ように、図1に示すように、第1及び第2の基板の高プ
レチルト配向膜7,12は、画素領域を2分した領域よ
りもわずかに狭い領域に形成されているため、低プレチ
ルト配向膜6,11同士は対向する部分があるが、高プ
レチルト配向膜7,12同士は対向することはない。
【0032】次に、図1に示した構造の液晶表示パネル
に電圧を印加したときの、画素領域の境界付近における
液晶分子の配向状態を図3(a)に示す。基板平面方向
で異なる位置にある液晶分子S、T、U、V、Wの配向
状態を示し、TFT側基板201の配向膜からCF側基
板202の配向膜までの位置における基板平面方向に対
する傾きとして表してある。液晶分子は、実際には基板
平面方向にねじれているが、理解しやすくするため図で
はそのねじれを示していない。
【0033】TFT側基板201の画素電極5とCF側
基板202の透明電極10の間に電圧を印加すると、液
晶層1内の液晶分子が立ち上がる。本実施例の液晶表示
パネルでは、低プレチルト配向膜6,8同士は重なって
いるが、高プレチルト配向膜7,12同士は重なってい
ない。したがって、図10の表に関連して説明したよう
に、低プレチルト配向膜が重なっている部分の液晶分子
T,Vの逆ツイストが生じる電圧印加は液晶の飽和電圧
よりもかなり高いため、通常の動作電圧では液晶分子の
逆ツイストは発生しない。
【0034】次に、以上説明した本発明による液晶表示
パネルの製造方法を説明する。図4から図6はそれぞ
れ、(a)がTFT側基板201の製造工程、(b)が
CF側基板202の製造工程を概略的に示す断面図であ
る。まず図4の工程では、各基板に画素電極及び共通電
極を形成する。図4(a)では、ガラスなどの透明基板
2にゲートバスライン3、ゲート絶縁膜4および透明な
画素電極5を積層する。これらは第3の基板を構成す
る。また図4(b)では、ガラス基板などの透明基板8
にカラーフィルタ9と透明電極10を積層する。これら
は第4の基板を構成する。
【0035】次に図5の工程では、低プレチルト配向膜
6,11を形成する。図5(a)では、低プレチルト配
向膜6を、ベタパターンで印刷して80℃3分間のプリ
ベークを行い、乾燥する。また図5(b)では、透明電
極10の上の全面に、低プレチルト配向膜11をベタパ
ターンで印刷してプリベークを行い、乾燥する。次に図
6の工程では、高プレチルト配向膜7,12を選択形成
する。図6(a)では、画素電極のほぼ中央からゲート
バスライン3までの領域の低プレチルト配向膜6上に高
プレチルト配向膜7のストライプパターンを印刷し、8
0℃で3分間プリベークし、さらに180℃で1時間焼
成を行う。また図6(b)でも同様に、低プレチルト配
向膜11上に高プレチルト配向膜12のストライプパタ
ーンを印刷した後、上記と同様にプリベークし、焼成す
る。なお、積層する順序を変えて、高プレチルト配向膜
7,12の上に低プレチルト配向膜6,11を印刷によ
り形成すると、配向膜材料の溶剤などにより下層の高プ
レチルト配向膜12のプレチルト角が低下したり、パタ
ーニングした上層の低プレチルト配向膜11の断面形状
が崩れたりするので好ましくない。
【0036】次に、この高プレチルト配向膜7,12の
ストライプパターン印刷について説明する。印刷用の版
は、図9に示したものと同様に感光性樹脂凸版(旭化成
製)を使用し、10.4インチの表示サイズの液晶パネ
ルを作成するために、版幅60μm、ピッチ330μm
の凸状のストライプパターンを刻む。
【0037】この樹脂凸版を用いてグラビア印刷により
配向膜をパターニングするが、樹脂凸版はその材質の性
質上硬度が低く、配向膜材料は粘度が40〜50cpと
低い液状であるため、配向膜材料を付着させて押し付け
た際に、樹脂凸版の台形の凸部が潰れたり凸部の縁に回
りこんで、配向膜材料の幅が樹脂凸版の幅の2〜3倍に
広がり、配向膜のストライプパターンの縁が波うつた
め、印刷されたストライプパターンの幅には±15%の
ばらつきが生じる。
【0038】このようなストライプパターンの幅のばら
つきに対処するために、本実施例では、印刷した後の高
プレチルト配向膜7,12の幅がそれぞれ最大で165
μmとなるようにして、TFT側基板201とCF側基
板202をはり合わせたときに、高プレチルト配向膜
7,12が対向し合うことがないようにしている。この
例では、実際に印刷されるパターン幅が140±20μ
mとなることから、樹脂凸版の版幅の値を60μmにし
ている。
【0039】このようにして作成されたTFT側基板2
01とCF側基板202は、図2の(a),(b)に示
した方向にそれぞれラビング処理され、図1に示すよう
に、高/高プレチルト配向膜が対向しないように重ね合
わされた後、液晶1が真空注入される。このとき、液晶
1には、液晶分子のねじれ方向を決めるためのカイラル
剤が添加されるが、本実施例による液晶パネルの液晶分
子は逆ツイストが生じやすいので、カイラルピッチはセ
ルギャップの10倍以下にするのが好ましい。本実施例
の液晶パネルはセルギャップが5μmなので、液晶のカ
イラルピッチを40μmとしている。
【0040】上記のように液晶を封入した後、注入口を
封止し、透明基板1と8の外側に偏光板を透過軸が平行
もしくは垂直になるように貼り付けて、液晶表示パネル
が完成する。以上のように、高プレチルト配向膜7,1
2のパターン幅が、画素領域をゲートバスラインに沿っ
て2分した上下領域幅よりも狭くなるようにすることに
より、TFT側基板201とCF側基板202を重ね合
わせたとき、高プレチルト配向膜7の形成領域の対向領
域は高プレチルト配向膜12の形成領域と間隔をあけて
離隔する。
【0041】特に、その間隔を印刷ばらつき以上に設計
しておくことにより、印刷ばらつきが生じても、高プレ
チルト配向膜7,12同士が対向することがなく、重な
ることがなくなる。これにより、液晶分子の逆ツイスト
の発生を確実に回避できる。なお、本実施例による液晶
パネルは、全面に形成した低プレチルト配向膜6,11
の上に、高プレチルト配向膜7,12を積層することに
より、基板201,202上に低プレチルト配向膜6,
11と高プレチルト配向膜7,12を形成しているが、
配向膜を2層に積層しないで、それぞれ異なる領域に低
プレチルト配向膜と高プレチルト配向膜を形成してもよ
い。
【0042】また、本実施例による液晶表示パネルの配
向分割領域はゲートバスラインに平行な領域によって分
割されているが、画素領域を分割する形状は特に限定さ
れず、たとえばドレインバスラインに沿った領域によっ
て画素領域を2分し、その分割した領域の形状に合わせ
て配向膜をパターニングしてもよい。更に、画素領域を
2分しているが、2つ以上の複数の配向分割領域に分割
されてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、液晶層
を挟む第1及び第2の基板に低プレチルト配向領域と高
プレチルト配向領域が隣接して形成され、互いに隣接す
る高プレチルト配向領域及び低プレチルト配向領域との
境界領域近傍は、第1及び第2の配向膜における低プレ
チルト配向領域が対向している。
【0044】従って、高プレチルト配向膜を印刷により
形成する場合等でも、第1及び第2の基板の高プレチル
ト配向領域同士が対向するのを確実に防止することがで
きる。このため、高プレチルト配向領域が対向すること
によって生じる液晶分子の逆ツイストを回避することが
でき、これにより、視角特性が改善されると共にコント
ラストを高める等表示品質の向上を図ることができる。
【0045】また、高プレチルト配向膜を印刷により形
成することができるので、液晶表示パネルの製造工程が
簡略化され、同時にフォトリソグラフィによるパターニ
ングのように配向膜の特性を損なうことがなく、液晶表
示パネルの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る液晶表示装置の概略的
な断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る液晶表示装置の液晶層
を挟む各基板の構成を示し、(a)はTFT側基板を液
晶層側から見た平面図、(b)はカラーフィルタ側基板
を液晶層側から見た平面図である。
【図3】液晶表示パネル内の液晶分子の配向状態を示
し、(a)は本発明の液晶表示パネルにおける液晶分子
の配向状態を示す断面図、(b)は従来の液晶表示パネ
ルにおける液晶分子の配向状態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る液晶表示装置の各基板
の製造方法を示し、(a)はTFT側基板を示す断面
図、(b)はカラーフィルタ側基板を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の一実施例に係る液晶表示装置の各基板
の製造方法を示し、(a)はTFT側基板を示す断面
図、(b)はカラーフィルタ側基板を示す断面図であ
る。
【図6】本発明の一実施例に係る液晶表示装置の各基板
の製造方法を示し、(a)はTFT側基板を示す断面
図、(b)はカラーフィルタ側基板を示す断面図であ
る。
【図7】プレチルト角の制御による配向分割型液晶表示
パネルの原理を説明するための断面図である。
【図8】フォトリソグラフィ技術による配向膜の形成方
法を示し、(a)〜(c)はそれぞれ各工程を示す断面
図である。
【図9】印刷による配向膜の形成方法を示し、(a),
(b)はそれぞれ各工程を示す断面図である。
【図10】液晶層を挟む配向膜のプレチルト角と液晶分
子の逆ツイストが発生する電圧との関係を示す表であ
る。
【符号の説明】
1 液晶層、 2、8、51、57 透明基板、 3、52 ゲートバスライン、 4、53 ゲート絶縁膜、 5、54 画素電極(第1の電極)、 6、55 低プレチルト配向膜、 7、56、56a 高プレチルト配向膜、 9、58 カラーフィルタ膜、 10、59 透明電極(共通電極;第2の電極)、 11、60 低プレチルト配向膜、 12、61 高プレチルト配向膜、 13 ドレインバスライン、 63 レジスト膜、 63a レジストマスク、 64 マスク、 65 紫外線、 66 凸版、 201 TFT側基板(第1の基板)、 202 CF側基板(第2の基板)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶層を挟持する第1の基板及び第2の
    基板と、 電圧を印加して液晶分子の配向を制御し、前記液晶層の
    光の透過を制御する、前記第1の基板に形成された第1
    の電極及び前記第2の基板に形成された第2の電極と、 前記第1の基板に形成され、互いに隣接する高プレチル
    ト配向領域及び低プレチルト配向領域を画素内に有する
    第1の配向膜と、 前記第2の基板に形成され、互いに隣接する高プレチル
    ト配向領域及び低プレチルト配向領域を前記画素内に有
    する第2の配向膜とを有し、 前記第1の配向膜の前記高プレチルト配向領域の前記第
    2の基板への対向領域には前記第2の配向膜の前記低プ
    レチルト配向領域が存在し、かつ前記第2の配向膜の前
    記高プレチルト配向領域の前記第1の基板への対向領域
    には前記第1の配向膜の前記低プレチルト配向領域が存
    在し、互いに隣接する前記高プレチルト配向領域及び前
    記低プレチルト配向領域との境界領域近傍は、前記第1
    及び前記第2の配向膜における低プレチルト配向領域が
    対向していることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び前記第2の配向膜のラビン
    グ方向は直交することを特徴とする請求項1に記載の液
    晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び前記第2の配向膜は低プレ
    チルト配向膜上に高プレチルト配向膜が選択的に形成さ
    れた2層膜からなることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記高プレチルト配向膜は印刷によって
    形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液晶
    表示装置。
  5. 【請求項5】 互いに交差する第1のバスライン及び第
    2のバスラインが前記第1の基板に形成されており、前
    記第1の配向膜の前記高プレチルト配向領域の側端部及
    び前記第2の配向膜の前記高プレチルト配向領域の前記
    第1の基板への対向領域の側端部が、前記第1又は前記
    第2のバスラインの長手方向に沿う中央線と前記第1の
    電極の側端部との間にあることを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の基板に前記画素毎に薄膜トラ
    ンジスタが形成されており、前記第1のバスラインは前
    記薄膜トランジスタのゲート電極と接続されたゲートバ
    スラインであり、前記第2のバスラインは前記薄膜トラ
    ンジスタのドレイン電極と接続されたドレインバスライ
    ンであり、前記第1の電極は前記薄膜トランジスタのソ
    ース電極と接続された画素電極であることを特徴とする
    請求項5に記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記低プレチルト配向膜が液晶分子に与
    えるプレチルト角は1度以下であり、前記高プレチルト
    配向膜が液晶分子に与えるプレチルト角は7度以上であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに
    記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 電圧を印加して液晶分子の配向を制御
    し、液晶層の光の透過を制御する第1の電極が形成され
    た第3の基板上に低プレチルト配向膜を形成する工程
    と、 電圧を印加して前記液晶分子の配向を制御し、前記液晶
    層の光の透過を制御する第2の電極が形成された第4の
    基板上に低プレチルト配向膜を形成する工程と、 画素内で高プレチルト配向領域と低プレチルト配向領域
    とが隣接するように、前記第3の基板の前記低プレチル
    ト配向膜上に印刷により高プレチルト配向膜を形成する
    工程と、 前記画素内で高プレチルト配向領域と低プレチルト配向
    領域とが隣接するように、前記第4の基板の前記低プレ
    チルト配向膜上に印刷により高プレチルト配向膜を形成
    する工程と、 前記第3及び前記第4の基板間に液晶を注入する工程を
    含み、前記高プレチルト配向膜は、前記第3の基板の前
    記高プレチルト配向領域の前記第4の基板への対向領域
    には前記第4の基板の前記低プレチルト配向領域が存在
    し、かつ前記第4の基板の前記高プレチルト配向領域の
    前記第3の基板への対向領域には前記第3の基板の前記
    低プレチルト配向領域が存在し、隣接する前記高プレチ
    ルト配向領域及び前記低プレチルト配向領域との境界領
    域近傍に前記低プレチルト配向膜が対向するように形成
    することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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