JPH08121344A - 油圧ポンプの傾転角制御装置 - Google Patents

油圧ポンプの傾転角制御装置

Info

Publication number
JPH08121344A
JPH08121344A JP6262273A JP26227394A JPH08121344A JP H08121344 A JPH08121344 A JP H08121344A JP 6262273 A JP6262273 A JP 6262273A JP 26227394 A JP26227394 A JP 26227394A JP H08121344 A JPH08121344 A JP H08121344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tilt angle
gain
hydraulic pump
output
output value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6262273A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3192054B2 (ja
Inventor
Kazuyoshi Narita
和義 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP26227394A priority Critical patent/JP3192054B2/ja
Publication of JPH08121344A publication Critical patent/JPH08121344A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3192054B2 publication Critical patent/JP3192054B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作動油温度に応じて可変容量形油圧ポンプ
の傾転角制御の制御ゲインを可変にすることで、油圧ポ
ンプの動特性の変化を抑え、アクチュエータの動きが振
動的になったり、緩慢になったりするのを防止する油圧
ポンプの傾転角制御装置の提供。 【構成】 操作装置24の操作量に基づくパイロット
信号と油圧ポンプ1の吐出圧信号とに基づいて目標傾転
角を演算する目標傾転角演算装置6と、目標傾転角と実
傾転角の偏差を算出する差分器7と、差分器7によって
出力される偏差を積分する定常偏差補償器8と、作動油
温度センサ23からの信号に応じた制御ゲインを出力す
る比例ゲインテーブル14,積分ゲインテーブル15を
備えたPI制御系から構成される安定化補償器20とを
備え、定常偏差補償器8の出力値を安定化補償器20に
入力し、その値にそれぞれ、比例ゲインテーブル14,
積分ゲインテーブル15がら出力される制御ゲインを乗
じることにより油圧ポンプ1に出力される指令値のゲイ
ンを可変にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変容量形油圧ポンプ
における傾転角制御装置に係り、特に、作動油の粘度に
相関する物理量に基づいてその制御ゲインを変更し、制
御精度の向上を図った油圧ポンプの傾転角制御装置に関
する。
【0002】
【従来技術】作動油の粘度は、温度によって大きく変化
し、低温時には高く、高温時には低くなる。作動油が高
粘度のときには、油圧ポンプの摺動抵抗が大きくなるた
め、大量の作動油がポンプに吸入,吐出されると油圧ポ
ンプにキャビテーションが発生し、油圧ポンプの寿命に
悪影響を与えることになる。そこで作動油の粘度を検出
し、その粘度が高いときにはポンプの傾転角を抑え、油
圧ポンプに吸入,吐出される作動油の流量,流速を抑え
ることでポンプにキャビテーションが発生するのを防止
する油圧回路が特開昭53−78402号公報に開示さ
れている。この油圧回路は、作動油の粘度μを図3に示
す関係から求められる下記の計算式より求め、
【数1】 μ=K・P2/√(P1−P2)・・・
(1) 作動油の粘度μの変化を圧力の変化として検出し、図4
に示すような回路を構成して、作動油の粘度μに応じて
ポンプ傾転角を抑えるようにしたものである。なお、K
は、重力加速度、流量係数などの定数をまとめたもので
ある。
【0003】その回路において、低温時には、粘度検出
回路73のオリフィス68,チョーク69間の圧力P2
が上昇し、その圧力P2によって方向切換弁71がばね
70に打ち勝ってb位置に切り換えられると、主ポンプ
60の傾転角を変更するシリンダ62の左室が油タンク
に連通し、シリンダ62の右室に内蔵されるばね65に
よりピストン63が左方へ動かされ、主ポンプ60の傾
転角は減少し、吐出流量が減少する。このとき、主ポン
プ60の傾転角を作業者の操作量によって決定する方向
切換弁64からの圧油は、方向切換弁71によって遮断
されているので、作動油の粘度が所定の値より高い間
は、主ポンプ60は方向切換弁64の位置に関係なく小
さな傾転角で運転されるため、主ポンプ60に吸入さ
れ、吐出される作動油の流量,流速も小さくなり、キャ
ビテーションの発生が防止される。
【0004】油温が上昇し、作動油の粘度μが低下すれ
ば圧力P2も低下し、方向切換弁71は図示の状態にな
るので主ポンプ60の吐出量は方向切換弁64の操作量
に応じて制御される。
【0005】また、図5は、可変容量形油圧ポンプを搭
載した油圧ショベルの油圧ポンプ制御系の油圧回路図の
一例を示し、図6は、傾転角制御の一例を示すブロック
図である。図5において、エンジン等の原動機によって
駆動される可変容量形油圧ポンプ1(以下、ポンプ1と
呼ぶ)とこのポンプ1から吐出される圧油によって駆動
されるアクチュエータ26との間には、アクチュエータ
26に供給される圧油の方向、流量を制御することでア
クチュエータの駆動を制御する方向切換弁25が介在さ
れ、この方向切換弁25は、操作装置24からその操作
量に応じた操作圧(パイロット圧)が出力されることで
任意に切換操作される。また、前述のポンプ1には、そ
の傾転角を変更するレギュレータ2と、傾転角を検出す
る傾転角検出器5とが取り付けられている。ポンプ1の
傾転角は、操作装置24から出力されるパイロット圧を
検出するパイロット圧検出器21とポンプ1の吐出圧力
を検出する吐出圧力検出器22の圧力信号とに基づいて
制御装置4によって制御される。なお、図中、3は可変
容量形油圧ポンプ1とレギュレータ2とを含む制御対象
である。
【0006】次に制御装置4による傾転角の制御の内容
を図6のブロック図を用いて説明する。操作装置24の
操作量に応じたパイロット圧力とポンプ1の吐出圧とに
基づいて、目標傾転角演算装置6でポンプ1の目標傾転
角が演算される。ここで演算される目標傾転角は、操作
装置24の操作量に応じてポンプ傾転角を増やすポジテ
ィブ制御(いわゆるポジコン)で決定されるポンプ傾転
角と、ポンプ1の吐出圧力が大きくなった場合にポンプ
傾転角を抑える制御(いわゆる全馬力制御)で決定され
るポンプ傾転角のうち小さい値を選択し、その値を目標
傾転角にするものである。目標傾転角演算装置6で演算
された目標傾転角と、傾転角検出器5によって検出され
る実傾転角との偏差が差分器7でとられる。そして、こ
の偏差を定常偏差補償器8で積分することで定常状態で
の偏差をなくし、その値を安定化補償器13に入力す
る。安定化補償器13は、例えばPI補償器であり、定
常偏差補償器8で積分された値をポンプ傾転角の制御の
動特性を変えるような指令値の信号に変換してレギュレ
ータ2に出力し、ポンプの傾転角を目標値に近づけるよ
うに制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】可変容量形油圧ポンプ
を流れる作動油は、温度によってその粘度が大きく変化
し、高温になるほどその粘度は低下し、低温になるほど
高粘度となる。作動油の粘度が低い場合は、ポンプ傾転
角の移動機構部を流れる作動油の粘性抵抗も小さいため
ポンプ傾転角制御系の応答性は良く、この状態において
ポンプの制御ゲインは比較的低く設定されていても問題
はない。
【0008】一方、寒冷地,あるいは冬場における作動
油温度は、0℃あるいは、それ以下になって作動油が高
粘度となり、作動油の粘性抵抗の増加によりポンプ傾転
角の移動機構部の作動油の抜けが悪くなるため、傾転角
の移動速度が遅くなる。したがって、前述の指令値に対
してポンプ傾転角を瞬時に変更することができないおそ
れがあり、この場合は、制御ゲインを高くして応答性を
向上させる必要がある。しかしながら、作動油温度が低
く粘度が高い状態に合わせて制御ゲインを高く設定する
と、作動油温度が上昇して粘度が低くなった場合に、作
動油の粘度に対して制御ゲインが高すぎてしまい、ポン
プにハンチングが起こり、そのポンプの吐出圧油によっ
て駆動されるアクチュエータが振動的になってしまう。
また、その逆に作動油の粘度の低い状態に合わせて制御
ゲインを低めに設定した場合には、冬場や寒冷地で作動
油の温度が低く粘度が高い状態では、ポンプ傾転角の移
動の応答性が悪くなり、アクチュエータの動きが緩慢に
なってしまう。このように、油圧ポンプの傾転角制御に
おける動特性は、作動油の粘度によって大きく変化す
る。
【0009】また前述の特開昭53−78402号公報
に示す油圧回路は、作動油の粘度をオリフィス,チョー
ク等を用いた粘度検出回路によって油圧回路内の圧力の
変化として検出し、作動油の粘度が予め設定される粘度
よりも高いときには、ポンプの傾転角を抑えて、ポンプ
に吸入され、吐出される作動油の流量,流速を抑え、ポ
ンプ内部にキャビテーションが発生するのを防ぐもので
ある。しかしながら、この油圧回路はあくまで粘度に応
じて傾転角それ自体の大きさを変更制御するものであ
り、粘度にかかわらず、傾転角を目標値に制御する際の
応答性やハンチング性を改善するにはいたっていない。
【0010】本発明の目的は、作動油の粘度変化にかか
わらず油圧ポンプの動特性の変化を抑え、粘度が変動し
てポンプの吐出油によって駆動されるアクチュエータの
動きが振動的になったり、緩慢になったりするのを防止
するようにした油圧ポンプの傾転角制御装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1およ
び図2に対応づけて本発明を説明すると、本発明は、可
変容量形油圧ポンプ1と、この可変容量形油圧ポンプ1
の傾転角を変更し吐出流量を調整する傾転角変更手段2
と、前記可変容量形油圧ポンプ1の実傾転角を検出する
傾転角検出器5と、前記可変容量形油圧ポンプ1の目標
傾転角を演算する目標傾転角演算手段6と、この目標傾
転角演算手段6によって演算される目標傾転角と傾転角
検出器5によって検出される実傾転角との偏差を演算す
る差分器7と、前記差分器7によって演算される偏差と
制御ゲインとに基づいて前記傾転角変更手段2を前記目
標値に制御する指令値を出力する安定化補償器(20,
51)とを備えた油圧ポンプの傾転角制御装置に適用さ
れる。そして、請求項1の発明では、図1に示すよう
に、前記可変容量形油圧ポンプ1に供給される圧油の粘
度に相関する物理量を検出する物理量検出手段(23)
と、前記物理量検出手段(23)によって検出される物
理量に基づいて前記ゲインを変更するゲイン変更手段と
を具備することにより、上述した目的が達成される。請
求項2の発明は、前記偏差を積分する定常偏差補償器8
を備え、前記安定化補償器20は、前記物理量に応じた
制御ゲインをそれぞれ出力する比例ゲイン設定器14お
よび積分ゲイン設定器15と、前記定常偏差補償器8か
らの出力値と比例ゲイン設定器14から出力される出力
値とを乗算する第1の乗算器16と、前記定常偏差補償
器8からの出力値と積分ゲイン設定器15からの出力値
とを乗算する第2の乗算器17と、第2の乗算器17か
らの出力値を積分する積分器18と、この積分器18か
らの出力値と第1の乗算器16からの出力値とを加算し
て前記傾転角変更手段2の指令値として出力する加算器
19とを有するPI制御系としたものである。請求項3
の発明は、図2に示すように、前記偏差を積分する定常
偏差補償器8を備え、前記安定化補償器51は、前記物
理量に応じた制御ゲインを出力する第1のゲイン設定器
41と、この第1のゲイン設定器41の出力値と前記定
常偏差補償器8の出力値とを乗算する乗算器40と、前
記傾転角変更手段2に出力される指令値に基づいて前記
傾転角変更手段2の状態量を推定する状態観測器と、こ
の状態観測器からの出力値と傾転角検出器5の検出値で
ある実傾転角とに基づき、前記状態観測器から出力され
る信号を補正する状態観測器補正部(35,36,4
5,46,47)と、この状態観測器補正部から出力さ
れる補正状態量を補正するゲインであって前記物理量に
基づいて決定されるゲインを出力する第2のゲイン設定
器(42,43)と、前記状態量を前記ゲインに基づい
て補正し、その補正値をフィードバック信号として出力
する状態フィードバック部(37,38,42,43,
49)と、前記乗算器40の出力値と前記状態フィード
バック部から出力されるフィードバック信号とを差分す
る差分器50とを有する状態フィードバック制御系とし
たものである。請求項4の発明は、前記物理量に基づい
て作動油の粘度が高いほど、前記ゲインを高く設定する
ものである。請求項5の発明は、前記物理量検出手段
を、前記作動油の粘度に相関する物理量を作動油の温度
として検出する作動油温度検出器23としたものであ
る。
【0012】
【作用】請求項1の発明では、目標傾転角演算手段6で
油圧ポンプ1の目標傾転角が演算され出力される。この
出力された目標傾転角と傾転角検出器5によって検出さ
れるポンプの実傾転角との偏差が差分器7で算出され
る。この算出された偏差は安定化補償器20に入力さ
れ、そこで物理量検出手段(23)からの物理量と偏差
とに基づいて傾転角変更手段2の制御ゲインが変更され
る。請求項2の発明では、PI制御系から構成される安
定化補償器20内に設けられた比例ゲイン設定器14、
積分ゲイン設定器15が物理量検出手段(23)によっ
て検出される作動油温などの粘度に相関する物理量に応
じた制御ゲインをそれぞれ出力する。その出力された制
御ゲインは、定常偏差補償器8から出力された出力値と
第1,第2の乗算器16,17でそれぞれ乗算される。
そして第2の乗算器17によって乗算された値は、積分
器18で積分され、加算器19で第1の乗算器16の出
力値と加算されて傾転角変更手段2の指令値として出力
される。請求項3の発明では、安定化補償器51内に設
けられる状態観測器が傾転角変更手段2に出力される指
令値に基づいて可変容量形油圧ポンプ1の状態量(傾転
角の位置,傾転角の移動速度など)を推定する。状態観
測器補正部は、前記状態観測器から出力される前記状態
量と傾転角検出器5によって検出される実傾転角とに基
づいて前記状態観測器によって推定される前記状態量を
補正する。第2のゲイン設定器(42,43)は、検出
された物理量に応じたゲインを出力する。状態フィード
バック部(49)は、このゲインに基づいて補正状態量
をさらに補正してフィードバック信号として出力する。
前記定常偏差補償器8の出力値と第1のゲイン設定器4
1から出力される制御ゲインとを掛け合わせる乗算器4
0の出力値と上記フィードバック信号との偏差が差分器
50により求められ、指令値として傾転角変更手段2に
出力される。請求項4の発明では、前記物理量によって
作動油の粘度の高い状態が示されるほど、ゲインが高く
設定される。請求項5の発明では、作動油温度検出器2
3が作動油の粘度と相関する作動油温度を検出し、その
作動油の温度から前記制御ゲインを決定する。
【0013】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために、実施例の図を用いたがこれにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0014】
【実施例】
−第1の実施例− 図1は本発明の第1の実施例を示す油圧ポンプの傾転角
制御装置における制御系のブロック図を示す。なお、図
5,図6に示す構成要素のものと同一の構成要素のもの
には、同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0015】本実施例は、図5に示す制御装置4を図1
に示すような制御装置30に置き換えたもので、その制
御装置30は、パイロット圧検出器21と吐出圧力検出
器22からそれぞれ出力されるパイロット信号および吐
出圧信号に基づきポンプ1の目標傾転角を決定する目標
傾転角演算装置6と、目標傾転角演算装置6から出力さ
れる目標傾転角と傾転角検出器5から検出される実傾転
角との偏差を演算する差分器7と、差分器7から出力さ
れる偏差を積分する定常偏差補償器8と、定常偏差補償
器8の出力値に基づき制御対象3への指令値を演算する
安定化補償器20から構成される。
【0016】安定化補償器20は、この実施例ではPI
制御系から構成され、作動油温センサ23によって検出
される作動油温に応じて制御ゲインが出力される比例ゲ
インテーブル14および積分ゲインテーブル15と、定
常偏差補償器8の出力値と比例ゲインテーブル14およ
び積分ゲインテーブル15から出力される制御ゲインと
をそれぞれ乗算する乗算器16,17と、乗算器17の
出力値を積分する積分器18と、乗算器16の出力値と
積分器18の出力値を加算して制御対象3の指令値を出
力する加算器19とから構成されている。
【0017】以上のように構成される第1の実施例で
は、目標傾転角演算装置6において、操作装置24の操
作量に応じたパイロット圧力に比例して求められる傾転
角と、ポンプ1の吐出圧に反比例して求められるポンプ
傾転角のうち小さい値を選択し、その値が目標傾転角と
して出力される。目標傾転角演算装置6で演算された目
標傾転角と傾転角検出器5によって検出された実傾転角
との偏差が差分器7でとられ、その偏差は、定常状態で
の偏差をなくすために定常偏差補償器8で積分される。
定常偏差補償器8の出力値は安定化補償器20に入力さ
れる。安定化補償器20では、作動油温度センサ23の
検出値に応じた制御ゲインが比例ゲインテーブル14,
積分ゲインテーブル15からそれぞれ出力され、それら
制御ゲインと定常偏差補償器8の出力値とがそれぞれ乗
算器16,17で並列的に乗算される。
【0018】この制御ゲインは、作動油の温度が高い
(粘度が低い)状態では低く設定され、作動油の温度が
低い(粘度が高い)状態では高く設定され、作動油温に
基づく粘度と、その粘度によるポンプ傾転角制御の応答
性等(ポンプ傾転角の移動速度、ハンチングなど)を考
慮して、経験値,実験値により予め設定される値であ
る。
【0019】乗算器17の出力値は積分器18で積分さ
れる。そして、積分器18の出力値と乗算器16の出力
値とは加算器19で加算され、制御対象3への指令値と
して出力される。
【0020】本実施例では、作動油の粘度を温度によっ
て検出し、その温度が高いときには制御ゲインを低く
し、温度が低いときには制御ゲインを高くする。これに
より作動油の温度変化による粘度の変化でポンプがハン
チングを起こしたり、応答性が緩慢になったりするのを
防止できる。
【0021】−第2の実施例− 次に第2の実施例を図2に示す。第1の実施例と同一の
構成要素のものには同一の符号を付し相違点を主に説明
する。本実施例は、第1の実施例における制御装置30
のPI制御系の安定化補償器20に代えて、状態フィー
ドバック制御系の安定化補償器51を内蔵した制御装置
44を用いるものである。制御装置44は、第1の実施
例と同様にポンプの目標傾転角を演算して出力する目標
傾転角演算装置6と、その目標傾転角と傾転角検出器5
によって検出されるポンプ1の実傾転角との偏差を算出
する差分器7と、差分器7によって算出される偏差を積
分する定常偏差補償器8と、定常偏差補償器8の出力値
から制御対象3のレギュレータ2への指令値を演算する
安定化補償器51とから構成されている。
【0022】前述の安定化補償器51は、ゲイン設定器
33,34,39、積分器31,32および加算器4
7,48から構成される状態観測器(以下オブザーバと
呼ぶ)と、ゲイン設定器35,36、差分器45および
加算器46,47から構成される状態観測器補正部と、
乗算器37,38および加算器49から構成される状態
フィードバック部と、定常偏差補償器8の出力値の制御
ゲインKiを設定する第1のゲインテーブル41と、定
常偏差補償器8の出力値と第1のゲインテーブル41に
よって設定されるゲインKiとを乗算する乗算器40
と、オブザーバの積分器31,32の出力値に対するゲ
インK1,K2を設定する第2,第3のゲインテーブル
42,43と、乗算器40の出力値と状態フィードバッ
ク部からのフィードバック信号との差を求め、制御対象
3のレギュレータ2へ指令値を出力する差分器50とか
ら構成されている。なお、第2,第3のゲインテーブル
42,43は、作動油の温度(粘度)に影響されるポン
プ1の状態量を補正するためのゲインを決定するもので
あり、また前述のゲイン設定器33,34,39,3
5,36は、設計上のパラメータとして実験値,経験値
から求められ、作動油に粘度変化が起きてもポンプ制御
特性にさほど影響を与えないような値として予め設定さ
れるものである。
【0023】以上のように構成される第2の実施例の動
作を説明する。安定化補償器51内のオブザーバは、差
分器50から出力される制御対象3への指令値と、ゲイ
ン設定器33,34,39とに基づいて、ポンプ1の状
態量(ポンプ傾転角の位置X1,ポンプ傾転角の移動速
度X2)を推定するもので、その初期値は、X1が最小
傾転位置,X2は速度0である。そして、この状態から
ポンプの制御を開始すると、ポンプ1の初期値X2はゲ
イン設定器34に設定したゲインと乗じられ、初期値X
1はゲイン設定器33と乗じられる。そしてこれらの値
は加算器48で加算され、この加算値には、ポンプ1の
指令値とゲイン設定器39に設定されたゲインとを乗じ
た値が加算器47で加算される。この加算器47によっ
て算出された値が積分器32によって積分されること
で、その時点でのポンプ1の傾転角の移動速度X2が算
出され、また、その移動速度X2を積分器31で積分す
ることでポンプ傾転角の位置X1が算出される。これら
X1,X2が推定されるポンプ1の状態量である。ここ
で、ゲイン設定器33、34によって設定されるゲイン
はフィードバックゲインであり、積分器31、32の出
力値が発散するのを防ぐ役割をしている。
【0024】ここで、ポンプ傾転角の位置X1を差分器
45に入力して、傾転角検出器5の出力値である実傾転
角との偏差を算出し、その偏差にそれぞれゲイン設定器
35,36にそれぞれ設定されたゲインを並列的に乗じ
て加算器46,47に入力することで、時間とともに変
化するポンプ1の状態量の推定値と実際値との誤差を補
正する。これが状態観測器補正部の動作である。
【0025】また、オブザーバによって推定される状態
量X2,X1に第2、第3のゲインテーブル42,43
の出力値K1,K2をそれぞれ乗算器38,37で乗じ
て、それら状態量を作動油温度に基づいて補正し、それ
らの値を加算器49で加算して、差分器50にフィード
バックする。これが状態フィードバック部の動作であ
る。
【0026】そして、定常偏差補償器8の出力値と、作
動油の温度が高いときには制御ゲインを低くし、作動油
の温度が低いときには制御ゲインを高くするように設定
された第1のゲインテーブル41の出力値とが乗算器4
0で掛け合わされ、その値と前述の状態フィードバック
部からの出力値との差が差分器50で求められること
で、制御対象3への指令値が算出され、制御対象3へ出
力される。
【0027】本実施例では、作動油の温度変化に伴うポ
ンプ1の内部的な状態量の変化を推定し、その値に基づ
いて制御対象3へ出力する指令値を決定できるため、第
1の実施例よりもさらに制御性が向上する。なお、本実
施例におけるオブザーバは、2つの積分器31,32を
有する2次系のものを用いたが、制御対象の動作特性な
どに応じて積分器の数を増やすことも可能であり、その
場合は、その積分器の数に応じてオブザーバのゲイン、
状態観測器補正部におけるゲイン,加算器、状態フィー
ドバック部におけるのゲインテーブルなどを本実施例に
ならって追加すれば良い。
【0028】上述した各実施例で述べた比例ゲインテー
ブル14、積分ゲインテーブル15、第1のゲインテー
ブル41、第2のゲインテーブル42および第3のゲイ
ンテーブル43は、作動油の温度変化による粘度変化に
基づく制御の応答性等を考慮して予め設定されるもので
ある。また、作動油温を検出して粘度を推定したが、作
動油の粘度そのものを測定したり、その他の粘度に相関
する物理量、例えばエンジン冷却水温、大気温などを検
出してもよい。さらに以上では、開回路に用いる可変容
量形油圧ポンプを一例として説明したが、閉回路に用い
る可変容量形油圧ポンプの傾転角制御にも本発明を適用
できる。
【0029】以上の実施例において、レギュレータ2が
傾転角変更手段を、目標傾転角演算装置6が目標傾転角
演算手段を、作動油温度センサ23が物理量検出手段
を、比例ゲインテーブル14,積分ゲインテーブル15
および乗算器16,17がゲイン変更手段を、比例ゲイ
ンテーブル14が比例ゲイン設定器を、積分ゲインテー
ブル15が積分ゲイン設定器を、第1のゲインテーブル
41が第1のゲイン設定器を、第2,第3のゲインテー
ブル42,43が第2のゲイン設定器をそれぞれ構成す
る。
【0030】
【発明の効果】本発明は、作動油の粘度に相関する物理
量(例えば作動油の温度)に基づいて、可変容量形油圧
ポンプの傾転角制御におけるゲインを可変にしたので、
粘度にかかわらずポンプ傾転角の動特性の変動を抑え
て、粘度の変化によって可変容量形油圧ポンプによって
駆動されるアクチュエータが振動的になったり、その動
きが緩慢になったりすることを防止できる。また、安定
化補償器を状態観測器、状態観測器補正部、状態フィー
ドバック部を有する状態フィードバック制御とすれば、
可変容量形油圧ポンプの状態量を推測し、その値に基づ
いてポンプ傾転角の制御を行うことができ、より高い制
御性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による油圧ポンプの傾転角制御装置の第
1の実施例における制御系のブロック図である。
【図2】本発明による油圧ポンプの傾転角制御装置の第
2の実施例における制御系のブロック図である。
【図3】従来技術による油圧ポンプの傾転角制御装置の
回路図である。
【図4】従来技術による油圧ポンプの傾転角制御装置の
回路図である。
【図5】図1,図2,図6における油圧ポンプの傾転角
制御装置の回路図である。
【図6】従来技術による油圧ポンプの傾転角制御装置に
おける制御系のブロック図である。
【符号の説明】
1 可変容量形油圧ポンプ 2 レギュレータ 5 傾転角検出器 6 目標傾転角演算装置 7 差分器 8 定常偏差補償器 14 比例ゲインテーブル 15 積分ゲインテーブル 16 乗算器 17 乗算器 20 安定化補償器 41 第1のゲインテーブル 42 第2のゲインテーブル 43 第3のゲインテーブル 50 差分器 51 安定化補償器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量形油圧ポンプと、この可変容
    量形油圧ポンプの傾転角を変更し吐出流量を調整する傾
    転角変更手段と、前記可変容量形油圧ポンプの実傾転角
    を検出する傾転角検出器と、前記可変容量形油圧ポンプ
    の目標傾転角を演算する目標傾転角演算手段と、この目
    標傾転角演算手段によって演算される目標傾転角と傾転
    角検出器によって検出される実傾転角との偏差を演算す
    る差分器と、前記差分器によって演算される偏差と制御
    ゲインとに基づいて、前記傾転角変更手段を前記目標値
    に制御する指令値を出力する安定化補償器とを備えた油
    圧ポンプの傾転角制御装置において、前記可変容量形油
    圧ポンプに供給される圧油の粘度に相関する物理量を検
    出する物理量検出手段と、前記物理量検出手段によって
    検出される物理量に基づいて前記ゲインを変更するゲイ
    ン変更手段とを具備することを特徴とする油圧ポンプの
    傾転角制御装置。
  2. 【請求項2】 前記偏差を積分する定常偏差補償器を
    備え、前記安定化補償器は、前記物理量に応じた制御ゲ
    インをそれぞれ出力する比例ゲイン設定器および積分ゲ
    イン設定器と、前記定常偏差補償器からの出力値と前記
    比例ゲイン設定器から出力される出力値とを乗算する第
    1の乗算器と、前記定常偏差補償器からの出力値と前記
    積分ゲイン設定器からの出力値とを乗算する第2の乗算
    器と、前記第2の乗算器からの出力値を積分する積分器
    と、この積分器からの出力値と前記第1の乗算器からの
    出力値とを加算して前記傾転角変更手段の指令値として
    出力する加算器とを有するPI制御系であることを特徴
    とする請求項1に記載の油圧ポンプの傾転角制御装置。
  3. 【請求項3】 前記偏差を積分する定常偏差補償器を
    備え、前記安定化補償器は、前記物理量に応じた制御ゲ
    インを出力する第1のゲイン設定器と、この第1のゲイ
    ン設定器の出力値と前記定常偏差補償器の出力値とを乗
    算する乗算器と、前記傾転角変更手段に出力される指令
    値に基づいて前記傾転角変更手段の状態量を推定する状
    態観測器と、この状態観測器からの出力値と前記傾転角
    検出器の検出値である実傾転角とに基づき前記状態観測
    器から出力される信号を補正する状態観測器補正部と、
    この状態観測器補正部から出力される補正状態量を補正
    するゲインであって前記物理量に基づいて決定されるゲ
    インを出力する第2のゲイン設定器と、前記状態量を前
    記ゲインに基づいて補正し、その補正値をフィードバッ
    ク信号として出力する状態フィードバック部と、前記乗
    算器の出力値と前記状態フィードバック部から出力され
    るフィードバック信号とを差分する差分器とを有する状
    態フィードバック制御系であることを特徴とする請求項
    1に記載の油圧ポンプの傾転角制御装置。
  4. 【請求項4】 前記物理量に基づいて作動油の粘度が
    高いほど前記ゲインを高く設定することを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載の油圧ポンプの
    傾転角制御装置。
  5. 【請求項5】 前記物理量検出手段は、前記作動油の
    粘度に相関する物理量を作動油の温度として検出する作
    動油温度検出器であることを特徴とする請求項1ないし
    請求項4のいずれかに記載の油圧ポンプの傾転角制御装
    置。
JP26227394A 1994-10-26 1994-10-26 油圧ポンプの傾転角制御装置 Expired - Fee Related JP3192054B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26227394A JP3192054B2 (ja) 1994-10-26 1994-10-26 油圧ポンプの傾転角制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26227394A JP3192054B2 (ja) 1994-10-26 1994-10-26 油圧ポンプの傾転角制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08121344A true JPH08121344A (ja) 1996-05-14
JP3192054B2 JP3192054B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=17373510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26227394A Expired - Fee Related JP3192054B2 (ja) 1994-10-26 1994-10-26 油圧ポンプの傾転角制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3192054B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014010222A1 (ja) 2012-07-10 2014-01-16 川崎重工業株式会社 傾転角制御装置
WO2018016276A1 (ja) * 2016-07-22 2018-01-25 アイシン精機株式会社 電動オイルポンプ装置
WO2018230639A1 (ja) * 2017-06-16 2018-12-20 川崎重工業株式会社 油圧システム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014010222A1 (ja) 2012-07-10 2014-01-16 川崎重工業株式会社 傾転角制御装置
KR20150030719A (ko) 2012-07-10 2015-03-20 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 경전각 제어 장치
US10066610B2 (en) 2012-07-10 2018-09-04 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Tilting angle control device
WO2018016276A1 (ja) * 2016-07-22 2018-01-25 アイシン精機株式会社 電動オイルポンプ装置
CN109477479A (zh) * 2016-07-22 2019-03-15 爱信精机株式会社 电动油泵装置
WO2018230639A1 (ja) * 2017-06-16 2018-12-20 川崎重工業株式会社 油圧システム
CN110651123A (zh) * 2017-06-16 2020-01-03 川崎重工业株式会社 油压系统
GB2578554A (en) * 2017-06-16 2020-05-13 Kawasaki Heavy Ind Ltd Hydraulic system
US11041515B1 (en) 2017-06-16 2021-06-22 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Hydraulic system
GB2578554B (en) * 2017-06-16 2022-04-27 Kawasaki Heavy Ind Ltd Hydraulic system

Also Published As

Publication number Publication date
JP3192054B2 (ja) 2001-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0851122B1 (en) Hydraulic pump control system
KR101015771B1 (ko) 건설 기계용 3 펌프 시스템의 토크 제어 장치
JP5150094B2 (ja) 流体静力学的な駆動システム
WO1993018308A1 (en) Hydraulically driving system
JP2002188177A (ja) 建設機械の制御装置
JP2015197185A (ja) 作業機械の油圧制御装置
JP3192054B2 (ja) 油圧ポンプの傾転角制御装置
JPH10299034A (ja) 建設機械
JP6814440B2 (ja) 作業機械
US11933331B2 (en) Control device and hydraulic system including the same
JP3685287B2 (ja) 可変容量型油圧ポンプの容量制御装置
JPH0988902A (ja) ポンプ容量制御方法および装置
JPH08219106A (ja) 油圧駆動回路
JPH06117404A (ja) 油圧回路の制御装置
US11131380B2 (en) Position controller
JPH04351304A (ja) 油圧駆動装置
JP3538001B2 (ja) 建設機械のエンジン制御装置
JPH06159319A (ja) 油圧作業機のポンプ吐出流量制御装置
JP2774773B2 (ja) 可変容量油圧ポンプの制御装置
JPS6246886B2 (ja)
JPH09242708A (ja) 油圧アクチュエータの速度制御装置
JPH07293508A (ja) 油圧制御装置
JPH04351301A (ja) 油圧回路の制御装置
JPH06200878A (ja) 作業機械におけるパワーユニットの出力制御装置
JP3655910B2 (ja) 油圧駆動機械の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees