JPH09242708A - 油圧アクチュエータの速度制御装置 - Google Patents

油圧アクチュエータの速度制御装置

Info

Publication number
JPH09242708A
JPH09242708A JP5353496A JP5353496A JPH09242708A JP H09242708 A JPH09242708 A JP H09242708A JP 5353496 A JP5353496 A JP 5353496A JP 5353496 A JP5353496 A JP 5353496A JP H09242708 A JPH09242708 A JP H09242708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
hydraulic actuator
outflow side
opening area
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5353496A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Tsutsui
昭 筒井
Hirokazu Shintani
裕和 新谷
Yasushi Kono
康 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobelco Construction Machinery Co Ltd
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Yutani Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd, Yutani Heavy Industries Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP5353496A priority Critical patent/JPH09242708A/ja
Publication of JPH09242708A publication Critical patent/JPH09242708A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータ起動時の速度制御を、大きな
オーバーシュート、アンダーシュートなしに安定して行
う。 【解決手段】 操作レバー9、レバーセンサ10、目標
速度設定部4によって設定された目標速度と、速度/摩
擦特性に基づいて求められたそのときの摩擦力とから流
入側圧力の目標値を演算し、旋回モータ1の流入側圧力
をこの目標値に向けて制御すると同時に、流出側開口面
積を、旋回モータ1を目標速度で作動させるのに必要な
値に制御する摩擦補償付きのフィードフォワード制御を
行う構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧クレーン、油圧
ショベル等の油圧機械における油圧アクチュエータの作
動速度を制御する油圧アクチュエータの速度制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧アクチュエータの速度制御装
置として、電子制御方式によるもの、すなわち、(イ)
操作レバーの操作量をポテンショメータ等によって検出
し、(ロ)この検出されたレバー操作量に応じてアクチ
ュエータの目標作動速度を設定し、(ハ)アクチュエー
タの実際の作動速度を検出し、(ニ)この実際速度と目
標速度の偏差を求め、(ホ)この偏差が解消される方向
にアクチュエータの流入側、流出側圧力を制御する方式
のものが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この公知の
制御装置によると、上記のように速度偏差に基づくフィ
ードバック制御のみによっており、しかもアクチュエー
タの動き始めの摩擦力(負荷による静止摩擦力および動
摩擦力)に対する補償を行っていないため、この起動時
の低速域での速度制御がオーバーシュート、アンダーシ
ュートの大きい不安定なものとなるという問題があっ
た。
【0004】そこで本発明は、アクチュエータ起動時の
速度制御を安定して行うことができる油圧アクチュエー
タの速度制御装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、
(a)油圧アクチュエータの目標速度を設定する目標速
度設定手段、(b)油圧アクチュエータの実際の作動速
度を求める手段、(c)アクチュエータ速度とアクチュ
エータ作動時に作用する摩擦力との関係を表す速度/摩
擦特性に基づいて、アクチュエータ作動速度から摩擦力
を求める摩擦力演算手段、(d)上記目標速度と、上記
摩擦力演算手段によって求められた摩擦力とから、油圧
アクチュエータの流入側圧力の目標値を演算し、アクチ
ュエータ流入側圧力をこの目標値に向けて制御する流入
側圧力制御手段、(e)上記目標速度に応じて油圧アク
チュエータの流出側開口面積を制御する流出側開口面積
制御手段を具備するものである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、流入側圧力制御手段が、目標速度と摩擦力とに基づ
く演算値に、目標速度と実際のアクチュエータ速度との
偏差に応じた補正を加え、この補正後圧力が得られるよ
うにアクチュエータ流入側圧力を制御するフィードバッ
ク制御を行い、流出側開口面積制御手段が、目標速度に
基づく演算値に、上記偏差に応じた補正を加え、この補
正後開口面積が得られるように流出側開口面積を制御す
るフィードバック制御を行うように構成されたものであ
る。
【0007】請求項3の発明は、請求項1の構成におい
て、油圧アクチュエータが起動したか否かを判断する起
動判断手段を備え、摩擦力演算手段が、この起動判断手
段によってアクチュエータの起動が判断された後に摩擦
力を演算するように構成されたものである。
【0008】請求項4の発明は、請求項2の構成におい
て、油圧アクチュエータが起動したか否かを判断する起
動判断手段を備え、流入側圧力制御手段および流出側開
口面積制御手段が、この起動判断手段によってアクチュ
エータの起動が判断された後にフィードバック制御を行
うように構成されたものである。
【0009】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れかの構成において、油圧アクチュエータの実際の作動
速度を求める手段が、(i)油圧アクチュエータの流出
側圧力を検出する流出側圧力検出手段と、(ii)タンク
圧を検出するタンク圧検出手段と、(iii)目標速度に
応じた油圧アクチュエータの流出側開口面積を演算する
流出側開口面積演算部と、(iv)上記流出側圧力検出手
段によって検出された流出側圧力と、上記タンク圧検出
手段によって検出されたタンク圧と、上記流出側開口面
積演算部によって演算された流出側開口面積とから油圧
アクチュエータの作動速度の推定値を求める速度推定部
とによって構成されたものである。
【0010】請求項6の発明は、請求項5の構成におい
て、速度推定部が、油の漏れ量を演算して速度推定値を
求めるように構成されたものである。
【0011】請求項7の発明は、請求項5または6の構
成において、速度推定部が、流量係数を流出側開口面積
が小さい範囲では大きくなるように流出側開口面積に応
じて変化させて速度推定値を求めるように構成されたも
のである。
【0012】上記構成によると、目標速度設定手段によ
って設定された目標速度と、速度/摩擦特性に基づいて
求められたそのときの摩擦力とから流入側圧力の目標値
が演算され、アクチュエータ流入側圧力がこの目標値に
向けて制御されると同時に、流出側開口面積が、アクチ
ュエータを目標速度で作動させるのに必要な値に制御さ
れる。
【0013】すなわち、摩擦補償付きのフィードフォワ
ード制御が行われるため、従来の摩擦補償なしのフィー
ドバック制御方式をとる場合と比較して、アクチュエー
タ起動時の低速域での速度制御を、大きなオーバーシュ
ート、アンダーシュートなしに安定して行うことができ
る。
【0014】また、請求項2の構成によると、目標速度
と実速度の偏差に基づいたフィードバック制御が補助的
に加えられるため、目標速度設定手段による目標速度の
設定に対するアクチュエータ作動の追従性能がより向上
する。
【0015】一方、請求項3の構成によると、起動判断
手段によってアクチュエータの起動が判断された後に摩
擦力演算手段によって摩擦力が演算されるため、機械の
傾きや風の影響等といった外乱要因を含む摩擦力が正確
に求められ、起動時の速度制御がより高精度で行われ
る。
【0016】さらに、請求項4の構成によると、アクチ
ュエータ起動後に上記フィードバック制御が開始される
ため、起動前からフィードバック制御を行う場合と比較
して、速度偏差が小さくなり、オーバーシュート、アン
ダーシュートをより小さく抑えることができる。
【0017】ところで、低速度域での速度制御を行う場
合、アクチュエータの実際の速度を求める手段として速
度検出器を用いるとすると、分解能の高い、高価な検出
器が必要となる。
【0018】この点、請求項5の構成によると、アクチ
ュエータの流出側圧力と、流出側開口面積と、タンク圧
とからアクチュエータ速度を推定するため、速度検出器
を用いる場合と比較してコストが安くてすむ。
【0019】この場合、請求項6の構成によると、油の
漏れ量を加味した速度推定を行うため、より正確な速度
推定が可能となる。
【0020】一方、請求項7の構成によると、速度を推
定するための一要素である流量係数を、流出側開口面積
が小さい範囲では大きくなるように変化させるため、開
口面積が小さい範囲での速度変化を正確に推定すること
ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図によって説
明する。
【0022】この実施形態では、制御対象として、油圧
クレーン、油圧ショベルにおける上部旋回体を旋回させ
る旋回用油圧モータを例にとっている。
【0023】1は旋回用油圧モータ(以下、旋回モータ
という)、2はこの旋回モータ1の油圧源としての油圧
ポンプである。
【0024】旋回モータ1と油圧ポンプ2との間には、
油圧パイロット式の三位置切換弁3が設けられ、この切
換弁3によって旋回モータ1の回転方向(旋回体の旋回
方向)と速度が制御される。
【0025】ここで、切換弁3のストロークと、流入側
(メータイン)、流出側(メータアウト)、ブリードオ
フ各流路の開口面積との関係は、図2に示すように、流
入側流路が開き始める前にブリードオフ流路が閉じ、流
入側流路がほぼ全開状態となるように設定されている。
【0026】この設定により、切換弁3の位置制御を行
うことで、同弁3における流出側流路の開口面積(流出
側開口面積)を、流入側流路の開口面積(流入側開口面
積)に影響を与えずに制御できるようにしている。
【0027】また、切換弁3は、目標速度設定部4から
の信号に基づいて切換弁コントローラ5から供給される
パイロット圧によって位置制御され、これによって旋回
モータ1の流出側開口面積が制御される。
【0028】一方、ポンプ2の吐出回路に電磁比例式の
可変リリーフ弁6が設けられ、流入側圧力演算部7から
の指令に基づくリリーフ弁コントローラ8からの指令信
号によってこの可変リリーフ弁6の設定圧、すなわち、
旋回モータ1の流入側圧力が制御される。
【0029】目標速度設定手段は、旋回モータ1の回転
方向と速度を指令する操作レバー9と、この操作レバー
9の操作方向と操作量を検出するレバーセンサ(たとえ
ばポテンショメータが用いられる)10と、このレバー
センサ10からの信号を受け取る目標速度設定部4とに
よって構成され、レバー操作量がこの目標速度設定部4
によって旋回モータ1の目標作動速度に変換される。
【0030】このレバー操作量と目標作動速度の関係
は、作業内容等に応じて任意に設定することができ、た
とえば図3に示すようにレバー操作量が大きいほど目標
作動速度の増加率が大きくなる二次曲線の特性をもって
設定することができる。図3中、αは操作レバー9の遊
び範囲を示す。
【0031】このように設定すれば、高速を要求してい
るオペレータの意思に沿って速度を速やかに上昇させる
ことができ、オペレータの意思にマッチした良好な操作
フィーリングを得ることができる。
【0032】なお、図3の二次曲線に代えて三次曲線、
四次曲線の特性をもって設定してもよい。また、図3中
の遊び範囲αの大きさも任意に設定することができる。
【0033】レバーセンサ10からの信号は、流出側開
口面積演算部11にも送られ、ここで演算によって求め
られた流出側開口面積の信号が切換弁コントローラ5と
旋回速度推定部12とに送られる。
【0034】この旋回速度推定部12には、また、旋回
モータ1の流出側圧力を検出する流出側圧力センサ13
からの圧力信号と、タンク圧を検出するタンク圧センサ
14からの圧力信号が送られ、これら各信号に基づいて
旋回モータ1の回転速度の推定値が演算で求められる。
【0035】また、流出側圧力センサ13からの圧力信
号は、旋回モータ1が起動したか否かを判断する起動判
断演算部15にも送られる。
【0036】そして、この起動判断演算部15からの信
号と、旋回速度推定部12からの信号(速度推定値)
と、目標速度設定部4からの信号(目標速度)とがフィ
ードバック制御のためのP・I補正圧力演算部16に送
られ、このP・I補正圧力演算部16からの信号が流入
側圧力演算部7と流出側開口面積演算部11とに送られ
る。
【0037】一方、旋回速度推定部12および起動判断
演算部15からの信号、モータ流入側圧力を検出する流
入側圧力センサ17からの圧力信号、それにレバーセン
サ10からの信号は摩擦力演算部18に送られ、同演算
部18で求められたモータ速度に応じた摩擦力(静止摩
擦力および動摩擦力)の信号が流入側圧力演算部7に送
られる。
【0038】なお、図1中、19はタンク圧を設定する
背圧弁である。
【0039】次に、この装置の作用を説明する。
【0040】(イ) レバー操作量に応じた流入側圧力
(フィードフォワード量)の演算 旋回モータ1の流出側圧力をPOUT、流入側圧力をPIN
とすると、旋回モータ1についての運動方程式は、
【0041】
【数1】
【0042】そこで、旋回体を旋回目標速度で旋回させ
るのに必要な流入側圧力は、
【0043】
【数2】
【0044】となる。
【0045】ただし、モータ起動時には、流出側開口面
積が小さく、この状態では流出側圧力は流入側圧力に対
して敏感に変動し、瞬間的に数十kg/mm2も上昇する可能
性がある。
【0046】こうなると、流入側圧力の設定を行うフィ
ードフォワード項としては、流出側圧力に対して旋回モ
ータ1を目標速度で作動させるのに必要な圧力を上乗せ
することから、流出側圧力も大きく上昇し、回路上限圧
に達してしまう。
【0047】このため、旋回モータ1を目標速度で作動
させるのに必要な差圧を確保できなくなる。
【0048】そこで、流入側圧力演算部7において、上
記数2の式による演算と並行して、予め定められた流出
側圧力POUTLMを用いて、
【0049】
【数3】
【0050】の演算を行う。そして、数2と数3で求め
られた値のうち低い側の値を選択し、これをレバー操作
量に応じた流入側圧力のフィードフォワード量として決
定する。
【0051】(ロ)レバー操作量に応じた流出側開口面
積(フィードフォワード量)の演算 流出側開口面積は、基本的には、流出側開口面積演算部
11において、図2に示す切換弁3のスプールストロー
クと開口面積の関係と、操作レバー9とスプール間の接
続関係(この実施例では操作レバー9の操作量に応じて
スプールを動かす方式)から求める。
【0052】一般的には、レバー操作量とスプールスト
ロークは比例関係にあり、レバー操作量Rxからスプー
ルストロークSxを、
【0053】
【数4】Sx=f(X)Rx で求める。
【0054】ここで、f(X)は、操作レバー9とスプ
ール間の特性を表す関数であり、操作レバーの領域別に
異なる係数から成る比例係数の集合と考える。
【0055】上記数4で求めたスプールストロークSx
を用い、図2の切換弁スプールストローク/開口面積の
関係から、流出側開口面積AOUTを求めることができ
る。
【0056】(ハ) 旋回モータ速度の推定 旋回モータ1の回転速度は、旋回速度推定部12におい
て、流出側圧力センサ13によって検出されたアクチュ
エータ流出側圧力と、タンク圧センサ14によって検出
されたタンク圧と、上記(ロ)で求められた流出側開口
面積とにより、次式で求められる。
【0057】
【数5】
【0058】この場合、流量係数Cは一定値としてもよ
いが、図4に示すように流出側開口面積に応じて、この
開口面積が小さい範囲で大きくなるように変化させるの
が望ましい。
【0059】こうすれば、流出側開口面積が小さい範囲
での速度変化を正確に推定することができる。
【0060】また、モータ回路における流入側、流出側
量流路間に別の配管や弁が存在する場合等にはその部分
で漏れが生じるため、次式のように油の漏れ流量を加味
した速度推定を行う。
【0061】
【数6】
【0062】ここで、AOTは流出側からタンク側への油
の漏れ部分の開口面積、AIOは流入側から流出側への油
の漏れ部分の開口面積、PINは流入側圧力である。
【0063】(ニ) 摩擦補償 旋回モータが起動する直前に存在する外乱(機械の傾き
や風の影響等)を含めた静止摩擦力から動摩擦力への変
化と回転速度の関係(速度/摩擦特性)は図5のように
なる。
【0064】ただし、静止摩擦力F0の具体的な大きさ
は外乱の大きさによって変化し、この静止摩擦力F0
大きさに応じて、速度に対応する動摩擦力の具体的数値
も図5の特性をもって変化する。
【0065】そこで、旋回モータ1が起動した瞬間の流
入側圧力(流入側圧力センサ17で検出される)によっ
て静止摩擦力F0を求め、起動後、図5の特性に基づ
き、静止摩擦力F0に応じた所定の係数を掛けて旋回速
度に応じた摩擦力を求める。具体的には次の通りであ
る。
【0066】 外乱を含む静止摩擦力F0の決定 運転開始時に、摩擦力演算部18において、モータ流入
側の設定圧力を、操作レバー9の操作時間RTに応じ
て、数9,10のように増加させる。ただし、数7,8
に示すようにレバー操作量Rx(R0はレバー操作量
0)に応じた上限値Flimが存在する。
【0067】
【数7】Flim=α (Rx≦R0
【0068】
【数8】Flim=β(Rx−R02+α
(R0<Rx)
【0069】
【数9】F=γRT (F≦Flim)
【0070】
【数10】F=Flim (F>Flim) ここで、α、β、γは係数である。
【0071】上記数7〜数10に基づいてモータ流入側
の設定圧を増加させていき、旋回モータ1が起動した瞬
間(起動判断の仕方は次に述べる)の流入側圧力が起動
開始直前の静止摩擦力F0の具体的な大きさとなり、こ
れが摩擦力演算部18に記憶される。
【0072】 起動判断 旋回モータ1が動き始めると、流出側圧力がモータ回転
速度に応じて高くなる。そこで、常に数周期過去の流出
側圧力を流出側圧力センサ13によって検出し、かつ起
動判断演算部15に保持しておき、現時点で検出した流
出側圧力と比較して、現時点の圧力値が大きければ旋回
モータ1が起動したものと判断する。具体的な判断アル
ゴリズムは図6のようになる。
【0073】 静止摩擦力から動摩擦力への推移 上記の方法によって起動判断が下された後、前記
(ハ)によって求められた速度推定値の大きさに応じ
て、前記で求められる静止摩擦力F0の値を次の数1
1,12に従って変化させる。
【0074】
【数11】
【0075】
【数12】
【0076】そして、上記数11,12の摩擦力に相当
するモータ流入側圧力PFの設定を行う。
【0077】
【数13】PF=κF ここで、∂、σ、κは係数である。
【0078】(ホ)PI・補正圧力演算 起動判断演算部15によって旋回モータ1の起動判断が
下された後、PI・補正圧力演算部16において、目標
速度設定部4で設定された目標速度と、旋回速度推定部
12で得られたモータ速度(旋回速度)との偏差を求
め、これをもとに比例積分処理を行って流入側の設定圧
力と流出側開口面積とに補正を加える。
【0079】すなわち、上記速度偏差に、予め定められ
た比例ゲインを乗算してなる比例項と、偏差を予め定め
た積分時間内で積分してなる積分項との総和を求め、こ
れを流入側圧力および流出側開口面積についてのフィー
ドバック量Px,Xとして決定する。
【0080】(ヘ)流入側目標圧力の演算 流入側圧力演算部7では、上記(イ)(ニ)(ホ)から流入
側目標圧力PINLMを、
【0081】
【数14】PINLM=PIN+PF+Px で求め、この値を可変リリーフ弁6の設定圧として、リ
リーフ弁コントローラ8を介して同リリーフ弁7に指令
する。
【0082】(ト)流出側目標開口面積の演算 流出側開口面積演算部11では、上記(ロ)で得られた
レバー操作量に応じた開口面積AOUTと、PI・補正圧
力演算部16で得られた流出側開口面積についてのフィ
ードバック量Xとから、目標速度を得るための流出側目
標開口面積AOUTLMを、
【0083】
【数15】AOUTLM=AOUT+X で求める。
【0084】そして、この算出された目標値を切換弁コ
ントローラ5に入力し、目標値が得られるように切換弁
3の位置を制御する。
【0085】以上により、流入側圧力PINLMおよび流出
側開口面積AOUTLMが設定され、旋回モータ1が設定さ
れた目標速度で回転する。
【0086】ところで、上記実施形態では、旋回モータ
1の回転速度を、流出側圧力とタンク圧力と、流出側開
口面積とに基づいて旋回速度推定部12で推定する構成
をとったが、このモータ速度を速度検出器によって検出
する構成をとってよい。
【0087】また、上記実施形態では、油圧クレーンや
油圧ショベルにおいて上部旋回体を旋回させる旋回モー
タを制御対象として例にとったが、本発明は、巻上用油
圧モータやブーム起伏シリンダ等、他の油圧アクチュエ
ータにも上記同様に適用することができる。
【0088】
【発明の効果】上記のように本発明によるときは、目標
速度設定手段によって設定された目標速度と、速度/摩
擦特性に基づいて求められたそのときの摩擦力とから流
入側圧力の目標値を演算し、アクチュエータ流入側圧力
をこの目標値に向けて制御すると同時に、流出側開口面
積を、アクチュエータを目標速度で作動させるのに必要
な値に制御する構成、すなわち、摩擦補償付きのフィー
ドフォワード制御を行う構成としたから、従来の摩擦補
償なしのフィードバック制御方式をとる場合と比較し
て、アクチュエータ起動時の速度制御を、大きなオーバ
ーシュート、アンダーシュートなしに安定して行うこと
ができる。
【0089】また、請求項2の発明によると、目標速度
と実速度の偏差に基づいたフィードバック制御を補助的
に加えるため、目標速度設定手段による目標速度の設定
に対するアクチュエータ作動の追従性能がより向上す
る。
【0090】一方、請求項3の発明によると、起動判断
手段によってアクチュエータの起動が判断された後に摩
擦力演算手段によって摩擦力を演算する構成としたか
ら、機械の傾きや風の影響等といった外乱要因を含む摩
擦力が正確に求められ、起動時の速度制御がより高精度
で行われる。
【0091】さらに、請求項4の発明によると、アクチ
ュエータ起動後にフィードバック制御を開始する構成と
したから、起動前からフィードバック制御を行う場合と
比較して、速度偏差が小さくなり、オーバーシュート、
アンダーシュートをより小さく抑えることができる。
【0092】また、請求項5の発明によると、アクチュ
エータの流出側圧力と、流出側開口面積と、タンク圧と
からアクチュエータ速度を推定するため、速度検出器を
用いる場合と比較してコストが安くてすむ。
【0093】この場合、請求項6の発明によると、油の
漏れ量を加味した速度推定を行うため、より正確な速度
推定が可能となる。
【0094】一方、請求項7の発明によると、速度を推
定するための一要素である流量係数を、流出側開口面積
が小さい範囲では大きくなるように変化させるため、開
口面積が小さい範囲での速度変化を正確に推定すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる旋回モータの速度制
御装置全体の構成図である。
【図2】同装置における旋回モータの作動を制御する切
換弁のスプールストロークと流入側、流出側量開口面積
の関係を示す図である。
【図3】同装置における操作レバーの操作量と目標旋回
速度の関係を示す図である。
【図4】同装置において速度推定に用いられる流量係数
と流出側開口面積の関係を示す図である。
【図5】同装置において摩擦補償に用いる摩擦力とモー
タ速度の関係を示す図である。
【図6】同装置においてモータの起動を判断するための
判断アルゴリズムを示す図である。
【符号の説明】
1 旋回モータ(制御対象となる油圧アクチュエータ) 2 油圧ポンプ 7 流入側圧力制御手段を構成する流入側圧力演算部 8 同リリーフ弁コントローラ 9 同リリーフ弁 11 流出側開口面積制御手段を構成する流出側開口面
積演算部 3 同切換弁 5 同切換弁コントローラ 9 目標速度設定手段を構成する操作レバー 10 同レバーセンサ 4 同目標速度設定部 12 旋回モータの回転速度を求める手段を構成する旋
回速度推定部 13 同流出側圧力センサ(流出側圧力検出手段) 14 同タンク圧センサ(タンク圧検出手段) 16 フィードバック制御のためのPI・補正圧力演算
部 18 摩擦力演算部(摩擦力演算手段) 15 起動判断演算部(起動判断手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 康 兵庫県明石市大久保町八木740番地 株式 会社神戸製鋼所大久保建設機械工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)油圧アクチュエータの目標速度を設
    定する目標速度設定手段、 (b)油圧アクチュエータの実際の作動速度を求める手
    段、 (c)アクチュエータ速度とアクチュエータ作動時に作
    用する摩擦力との関係を表す速度/摩擦特性に基づい
    て、アクチュエータ作動速度から摩擦力を求める摩擦力
    演算手段、 (d)上記目標速度と、上記摩擦力演算手段によって求
    められた摩擦力とから、油圧アクチュエータの流入側圧
    力の目標値を演算し、アクチュエータ流入側圧力をこの
    目標値に向けて制御する流入側圧力制御手段、 (e)上記目標速度に応じて油圧アクチュエータの流出
    側開口面積を制御する流出側開口面積制御手段を具備す
    ることを特徴とする油圧アクチュエータの速度制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油圧アクチュエータの速
    度制御装置において、流入側圧力制御手段が、目標速度
    と摩擦力とに基づく演算値に、目標速度と実際のアクチ
    ュエータ速度との偏差に応じた補正を加え、この補正後
    圧力が得られるようにアクチュエータ流入側圧力を制御
    するフィードバック制御を行い、流出側開口面積制御手
    段が、目標速度に基づく演算値に、上記偏差に応じた補
    正を加え、この補正後開口面積が得られるように流出側
    開口面積を制御するフィードバック制御を行うように構
    成されたことを特徴とする油圧アクチュエータの速度制
    御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の油圧アクチュエ
    ータの速度制御装置において、油圧アクチュエータが起
    動したか否かを判断する起動判断手段を備え、摩擦力演
    算手段が、この起動判断手段によってアクチュエータの
    起動が判断された後に摩擦力を演算するように構成され
    たことを特徴とする油圧アクチュエータの速度制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の油圧アクチュエータの速
    度制御装置において、油圧アクチュエータが起動したか
    否かを判断する起動判断手段を備え、流入側圧力制御手
    段および流出側開口面積制御手段が、この起動判断手段
    によってアクチュエータの起動が判断された後にフィー
    ドバック制御を行うように構成されたことを特徴とする
    油圧アクチュエータの速度制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の油圧
    アクチュエータの速度制御装置において、油圧アクチュ
    エータの実際の作動速度を求める手段が、 (i)油圧アクチュエータの流出側圧力を検出する流出
    側圧力検出手段と、 (ii)タンク圧を検出するタンク圧検出手段と、 (iii)目標速度に応じた油圧アクチュエータの流出側
    開口面積を演算する流出側開口面積演算部と、 (iv)上記流出側圧力検出手段によって検出された流出
    側圧力と、上記タンク圧検出手段によって検出されたタ
    ンク圧と、上記流出側開口面積演算部によって演算され
    た流出側開口面積とから油圧アクチュエータの作動速度
    の推定値を求める速度推定部とによって構成されたこと
    を特徴とする油圧アクチュエータの速度制御装置。
  6. 【請求項6】 速度推定部が、油の漏れ量を演算して速
    度推定値を求めるように構成されたことを特徴とする請
    求項5記載の油圧アクチュエータの速度制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の油圧アクチュエ
    ータの速度制御装置において、速度推定部が、流量係数
    を流出側開口面積が小さい範囲では大きくなるように流
    出側開口面積に応じて変化させて速度推定値を求めるよ
    うに構成されたことを特徴とする油圧アクチュエータの
    速度制御装置。
JP5353496A 1996-03-11 1996-03-11 油圧アクチュエータの速度制御装置 Pending JPH09242708A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5353496A JPH09242708A (ja) 1996-03-11 1996-03-11 油圧アクチュエータの速度制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5353496A JPH09242708A (ja) 1996-03-11 1996-03-11 油圧アクチュエータの速度制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09242708A true JPH09242708A (ja) 1997-09-16

Family

ID=12945479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5353496A Pending JPH09242708A (ja) 1996-03-11 1996-03-11 油圧アクチュエータの速度制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09242708A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007186126A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 鉄道車両における操舵用アクチュエータの制御方法
US8190334B2 (en) 2007-02-21 2012-05-29 Kobelco Construction Machinery Co., Ltd. Rotation control device and working machine therewith
JP2018112303A (ja) * 2017-03-10 2018-07-19 川崎重工業株式会社 建設機械の油圧駆動システム
WO2019224877A1 (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 川崎重工業株式会社 建設機械の油圧駆動システム
WO2023053502A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 日立建機株式会社 作業機械
WO2024071389A1 (ja) * 2022-09-29 2024-04-04 日立建機株式会社 作業機械

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007186126A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 鉄道車両における操舵用アクチュエータの制御方法
US8190334B2 (en) 2007-02-21 2012-05-29 Kobelco Construction Machinery Co., Ltd. Rotation control device and working machine therewith
JP2018112303A (ja) * 2017-03-10 2018-07-19 川崎重工業株式会社 建設機械の油圧駆動システム
WO2019224877A1 (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 川崎重工業株式会社 建設機械の油圧駆動システム
CN111936751A (zh) * 2018-05-21 2020-11-13 川崎重工业株式会社 建筑机械的油压驱动系统
GB2585813A (en) * 2018-05-21 2021-01-20 Kawasaki Heavy Ind Ltd Hydraulic drive system of construction machine
GB2585813B (en) * 2018-05-21 2022-10-19 Kawasaki Heavy Ind Ltd Hydraulic drive system of construction machine
WO2023053502A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 日立建機株式会社 作業機械
WO2024071389A1 (ja) * 2022-09-29 2024-04-04 日立建機株式会社 作業機械

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0851122B1 (en) Hydraulic pump control system
US6662705B2 (en) Electro-hydraulic valve control system and method
JP3561667B2 (ja) 油圧ポンプの制御装置
EP2587074B1 (en) Hydraulic pump control system for construction machinery
JP3434514B2 (ja) 油圧作業機の油圧駆動装置
CN113227586B (zh) 工程机械
KR20020001516A (ko) 유압굴삭차량의 유압제어장치
JPH09242708A (ja) 油圧アクチュエータの速度制御装置
KR101057229B1 (ko) 건설 기계의 엔진 랙 다운 억제 장치
JPH09189302A (ja) 油圧アクチュエータの速度制御装置
JP3493691B2 (ja) 油圧作業機械のアクチュエータ制御装置
JP3479451B2 (ja) 油圧ポンプの制御方法および制御装置
KR20210013201A (ko) 작업 기계
JP3344023B2 (ja) 作業機械の油圧制御装置
JP3352125B2 (ja) 油圧回路の制御装置
JP3713175B2 (ja) 流体圧回路における負荷圧力推定方法およびその装置
JP2001183222A (ja) 負荷圧力処理方法およびその装置
JP7119833B2 (ja) 建設機械のポンプ制御装置及び建設機械
JP2000035005A (ja) 油圧駆動機械の制御装置
JP3626537B2 (ja) 油圧アクチュエータの制御装置
EP4194621A1 (en) Work machine
US20240151003A1 (en) Work Machine
JP3192054B2 (ja) 油圧ポンプの傾転角制御装置
JP3673129B2 (ja) 制御弁のバネ力調整方法およびその装置
US20220298752A1 (en) Work Machine