JP3538001B2 - 建設機械のエンジン制御装置 - Google Patents
建設機械のエンジン制御装置Info
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Description
射量を制御するエンジン制御装置に係わり、特に、燃料
噴射装置つきのエンジンを原動機として備えた建設機械
のエンジン制御装置に関する。
複数のアクチュエータを駆動するため少なくとも1つの
油圧ポンプを備えており、この油圧ポンプを回転駆動す
る原動機としてエンジンが用いられている。このエンジ
ンは、燃料噴射装置により燃料噴射量が制御されてお
り、例えばエンジンに加わる外部負荷が大きくなって回
転数が下がると、燃料噴射量が増大し、これによりエン
ジン回転数がオペレータが設定した目標回転数となるよ
うになっている。
知技術として、例えば、特開昭63−208642号公
報がある。この公報に記載のエンジン制御装置では、燃
料噴射量を調整するコントロールラックの実開度を示す
コントロールラック開度検出信号と、エンジンの実回転
数を示すエンジン回転数検出信号とに基づき、エンジン
外部負荷を模擬的に推定する外部負荷模擬信号を発生さ
せ、この外部負荷模擬信号に応じてエンジン回転数を自
動的に設定する。これにより、外部負荷変動に見合った
回転数を確保し、可動部の摩擦による損失を少なくして
省エネ化を図れるようになっている。また、外部負荷の
変動をエンジン外乱の一種として扱うフィードフォワー
ド制御系を形成することにより、オペレータの回転数指
令に対して少ない時間遅れで追従することができるの
で、これによっても省エネ化を図れるようになってい
る。
ン制御装置では、エンジン外部負荷を、コントロールラ
ック開度検出信号とエンジン回転数検出信号とによって
推定しており、エンジンにかかる外部負荷を直接かつ正
確に検出していなかった。そのため、エンジン回転数を
外部負荷に見合った回転数とするのに限界があった。ま
た、油圧ショベル等の建設機械に用いられるエンジンの
場合、前述したようにエンジンの駆動対象は油圧ポンプ
であるが、この油圧ポンプが複数のアクチュエータを駆
動するときに吐出流量や吐出圧力が頻繁に変化するた
め、油圧ポンプの負荷すなわちエンジンの外部負荷が変
動する。このため、特にこのようなエンジンでコントロ
ールラック開度検出信号と外部負荷模擬信号とでエンジ
ン回転数制御を行った場合、油圧ポンプの負荷の変動に
追従し応答よく回転数を制御するのに限界があった。以
上のように、上記従来技術のエンジン制御装置では、外
部負荷の急激な変動にもすばやく追従して燃料噴射量を
増減しエンジン回転数の急激な変動を抑制する急負荷外
乱抑制効果に限界があり、十分な省エネ化を図るのが困
難であった。本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的は、エンジンに直接負荷
を与えるポンプの吸収トルクをエンジンの外部負荷とす
ることにより、急負荷外乱抑制効果を向上して十分な省
エネ化を図れる建設機械のエンジン制御装置を提供する
ことにある。
は、エンジンと、このエンジンにより回転駆動され、複
数の油圧アクチュエータを駆動する少なくとも1つの可
変容量型の油圧ポンプと、前記複数の油圧アクチュエー
タを操作する複数の操作手段とを有する建設機械に設け
られ、前記エンジンの目標回転数を設定入力するための
回転数入力手段と、前記エンジンの燃料噴射量を制御す
る噴射制御手段とを有し、かつ前記噴射制御手段が、前
記目標回転数に応じた駆動信号により駆動する、前記エ
ンジンの燃料噴射量を決定するための噴射量制御アクチ
ュエータを備えた建設機械のエンジン制御装置におい
て、前記油圧ポンプの吐出圧力を検出する吐出圧検出手
段と、前記操作手段の操作量に応じて算出されたポジデ
ィブ制御による目標押しのけ容積及び前記油圧ポンプの
入力トルクが前記エンジンの出力トルク以下となるよう
な入力トルク制限制御による目標押しのけ容積の最小値
と、前記吐出圧検出手段の検出値とから前記油圧ポンプ
の予想吸収トルクを算出する予想トルク演算手段とを有
し、かつ、前記噴射制御手段は、この予想トルク演算手
段で求めた前記油圧ポンプの予想吸収トルクに基づき前
記駆動信号を補正する補正手段を備えている。本発明に
おいては、回転数入力手段でエンジンの目標回転数を設
定入力すると、この目標回転数に応じた駆動信号により
噴射制御手段の噴射量制御アクチュエータが駆動し、こ
れによって燃料噴射量が決定され、この燃料噴射量に対
応した回転数でエンジンが回転する。このとき、操作手
段の操作量に応じて算出されたポジディブ制御による目
標押しのけ容積及び油圧ポンプの入力トルクがエンジン
の出力トルク以下となるような入力トルク制限制御によ
る目標押しのけ容積の最小値と、吐出圧検出手段の検出
値とから予想トルク演算手段で油圧ポンプの予想吸収ト
ルクを演算し、さらにこの求めた予想吸収トルクに基づ
き補正手段で噴射量制御アクチュエータを駆動させる駆
動信号を補正する。これにより、エンジンにかかる正確
な負荷を算出するとともにこの正確な負荷に基づき燃料
噴射量を精度よく制御できるので、エンジン回転数を負
荷に見合った値に精度よく制御することができる。ま
た、油圧ポンプの吐出流量や吐出圧力が頻繁に変化し、
油圧ポンプの負荷(すなわちエンジン負荷)が変動した
としても、この変動に追従して応答よく噴射量を制御で
きるので、エンジン回転数を応答よく制御することがで
きる。これにより、エンジン回転数の急負荷外乱抑制効
果を向上できるので、十分な省エネ化を図ることができ
る。
前記エンジンの実回転数を検出する回転数検出手段をさ
らに有し、かつ、前記噴射制御手段は、前記目標回転数
と前記実回転数とに基づき前記噴射量制御アクチュエー
タの駆動信号を生成する駆動信号生成手段を備える。
参照しつつ説明する。本発明の第1の実施形態を図1〜
図10により説明する。図1は、この実施形態によるエ
ンジン制御装置が備えられる建設機械の油圧駆動装置の
油圧回路図を示している。この図1において、油圧駆動
装置は、例えば油圧ショベルに備えられるものであり、
エンジン1によって駆動される可変容量型の油圧ポンプ
2と、この油圧ポンプ2の吐出回路の最大圧力を決定す
るリリーフ弁3と、油圧ポンプ2から吐出された圧油に
より駆動される油圧シリンダ4,5を含む複数のアクチ
ュエータと、油圧シリンダ4,5を操作する操作レバー
装置6,8を含む複数の操作手段と、油圧ポンプ2の押
しのけ容積を制御するポンプ制御手段、例えばレギュレ
ータ9とを備えている。
の油圧駆動装置に設けられるものであり、オペレータが
使用条件に応じてエンジン1の目標回転数Nrを指令値
として操作入力するアクセル操作入力部17と、エンジ
ン1の実回転数Neを検出する回転数センサ26と、ア
クセル操作入力部17からの目標回転数Nrと回転数セ
ンサ26からの検出信号Neとが入力されるエンジンコ
ントローラ25と、エンジン1内に設けられた電子燃料
噴射装置7と、ポンプ吐出圧Psを検出する圧力センサ
24と、後述するポンプコントローラ19の予想トルク
演算部19dとから形成されている。
を図2に示す。この図2において、電子燃料噴射装置7
は、エンジン1の各シリンダ毎に噴射ポンプ28と噴射
ノズル29とガバナ機構30とを有している。噴射ポン
プ28は、プランジャ28aと、このプランジャ28a
が内部を上下動するプランジャバレル28bとを有して
おり、エンジン1のクランクシャフト(図示せず)に連
動して回転するカムシャフト31が回転すると、この回
転によりカムシャフト31に設けられたカム32がプラ
ンジャ28aを押し上げ燃料を加圧し、その加圧燃料が
噴射ノズル29に送出され、エンジン1のシリンダ内に
噴射されるようになっている。また、ガバナ機構30
は、例えば電磁ソレノイドで形成されるガバナアクチュ
エータ33により位置制御されるリンク機構34を有
し、このリンク機構34がプランジャ28aを回転させ
ることによりプランジャ28aに設けられたリードとプ
ランジャバレル28bに設けられた燃料吸入ポートとの
位置関係を変化させ、プランジャ28aの有効圧縮スト
ロークを変化させて燃料噴射量を調整するようになって
いる。なおこのときのリンク機構34のリンク位置はリ
ンク位置センサ35で検出されフィードバック制御のた
めエンジンコントローラ25に入力されている。
アクセル操作入力部17からの目標回転数Nr、ポンプ
コントローラ19からのポンプ予想吸収トルクTpr、回
転数センサ26からのエンジン実回転数Ne、リンク位
置センサ35からの検出信号(リンク位置信号)を入力
し、所定の演算処理を行い、ガバナアクチュエータ33
に制御電流xを出力する。なお、このエンジンコントロ
ーラ25の演算内容の詳細については後述する。
おいて、油圧シリンダ4,5は、例えば図示しない油圧
ショベルのブーム及びアームをそれぞれ回動するブーム
シリンダ4及びアームシリンダ5とから形成されてい
る。そして、これらブームシリンダ4及びアームシリン
ダ5を含む複数のアクチュエータに対し油圧ポンプ2か
らそれぞれ圧油が供給されるとき、その流量及び方向
が、ブーム用コントロールバルブ10及びアーム用コン
トロールバルブ11を含む対応するコントロールバルブ
によって制御されるようになっている。操作レバー装置
6,8は、ブーム用コントロールバルブ10を切り換え
てブームを操作するためのブーム用操作レバー装置6
と、アーム用コントロールバルブ11を切り換えてアー
ムを操作するためのアーム用操作レバー装置8とから形
成されている。これら操作レバー装置6,8を含む複数
の操作手段はそれぞれ、パイロット圧を発生し、対応す
るパイロット管路を介しそのパイロット圧により対応す
るコントロールバルブを切り換えるようになっている。
と、操作レバー6a及び減圧弁6bが備えられており、
操作レバー6aをブーム上げ方向(又は下げ方向)に操
作すると、図示しない油圧源からのパイロット圧が減圧
弁6bでその操作量に応じて減圧され、このパイロット
圧がパイロット管路13a(又は13b)を介してブー
ム用コントロールバルブ10の駆動部10a(又は10
b)に導かれ、コントロールバルブ10が切り換えられ
る。これによりブームシリンダ4のボトム側(又はロッ
ド側)に圧油が供給され、ブームが上げ方向(下げ方
向)に回動するようになっている。また操作レバー装置
8も同様に、アーム用操作レバー装置8の操作レバー8
aをアームクラウド方向(又はダンプ方向)に操作する
と、減圧弁8bからのパイロット圧がパイロット管路1
4a(又は14b)を介しアーム用コントロールバルブ
11の駆動部11a(又は11b)に導かれ、アームシ
リンダ5のボトム側(又はロッド側)に圧油が供給され
てアームがクラウド方向(ダンプ方向)に回動するよう
になっている。他の操作手段に関しても同様に、対応す
るパイロット管路を介して対応するコントロールバルブ
を切り換えるようになっている。そして、これら複数の
パイロット管路内の圧力は、圧力センサ20,21,2
2,23を含む対応する圧力センサで検出され、ポンプ
コントローラ19へ出力されるようになっている。
油圧ポンプ2とコントロールバルブ10,11とを接続
する吐出回路の管路15から分岐しタンク16に至る管
路18に逆止弁27を介して設けられている。そして、
油圧ポンプ2の吐出回路の圧力がばね3aのばね力によ
り設定されるリリーフ圧Prに達すると動作し、油圧ポ
ンプ2からの圧油をタンク16に戻すようになってい
る。
9から出力される目標押しのけ容積qに応じ油圧ポンプ
2の斜板2aの傾転角を制御し、これによって押しのけ
容積を制御するようになっている。
タのうち油圧シリンダ4,5以外のアクチュエータ、上
記複数の操作手段のうち操作レバー装置6,8以外の操
作手段、及びこれらに関連するコントロールバルブ・圧
力センサ・管路については、煩雑を防止するために図示
を省略し、一点鎖線の囲み部12により一括して表示し
ている。
に示す。図3において、ポンプコントローラ19は、操
作レバー装置6,8を含む複数の操作手段からの操作量
に応じたポジティブ制御による目標押しのけ容積qpを
算出するポジコン制御部19aと、油圧ポンプ2の吐出
圧Ps及び後述の最大許容トルクTpに基づき、油圧ポン
プ2の入力トルクがエンジン1の出力トルク以下となる
ような入力トルク制限制御による目標押しのけ容積qh
を算出する入力トルク制限制御部19bと、ポジコン制
御部19a及び入力トルク制限制御部19bからの目標
押しのけ容積qp,qhのうち最小値を最終的な目標押し
のけ容積qとして選択する最小値選択部19cと、この
最小値選択部19cで選択された目標押しのけ容積qと
油圧ポンプ2の吐出圧Psとから油圧ポンプ2の予想吸
収トルクTprを算出し、エンジンコントローラ25に出
力する予想トルク演算部19dと、アクセル操作入力部
17からの目標回転数Nrに基づき最大許容トルクTpを
算出する最大許容トルク演算部19eと、目標回転数信
号Nr及び回転数センサ26からのエンジンの実回転数
信号Neとの差、すなわち回転数偏差ΔNに相当するエ
ンジントルクΔTを算出するスピードセンシング部19
fと、上述した最大許容トルクTpとΔTとを加算し、
その結果を補正した最大許容トルクTpoとして入力トル
ク制限制御部19bへ出力する加算器19gとを備えて
いる。
ンサ20,21,22,23を含む複数の圧力センサで
検出されたパイロット圧P1,P2,P3,P4…が入力さ
れている。このとき、その詳細機能を図4に示すよう
に、これらパイロット圧P1,P2,P3,P4…に応じた
目標押しのけ容積q1,q2,q3,q4…を演算部19a
1,19a2,19a3,19a4…に予め設定された図示
テーブルでそれぞれ演算し、さらにこれらのうちの最大
値を最大値選択部19a5で選択して、ポジティブ制御
による目標押しのけ容積qpとして出力するようになっ
ている。入力トルク制限制御部19bは、圧力センサ2
4で検出されたポンプ吐出圧Psと、加算器19gから
の補正された最大許容トルクTpoとが入力される。そし
て、図5に示すテーブルによって、入力トルク制限制御
による目標押しのけ容積qhを算出する。このとき、図
示のように、最大許容トルクTpoが小さくなるに従って
油圧ポンプ2の吐出流量の最大値が小さく制限されるよ
うになっている。なお、図中には前述したリリーフ弁3
によるリリーフ圧Prを併せて示している。予想トルク
演算部19dは、その詳細機能を図6に示すように、最
小値選択部19cからの目標押しのけ容積qがモデル演
算部19d1に入力され、予め求めておいた公知のポン
プ伝達関数モデルを用い、ポンプ実押しのけ容積予想値
qeyを算出する。その後、乗算部19d2で、このポン
プ実押しのけ容積予想値qeyと、圧力センサ24からの
ポンプ吐出圧Psとを用い、下記の式(1)によりポン
プ予想吸収トルクTprを算出する。 Tpr=qey・Ps … (1) このようにして算出されたポンプ予想吸収トルクTpr
は、エンジンコントローラ25へ出力される。最大許容
トルク演算部19eは、その詳細機能を図7に示すよう
に、アクセル操作入力部17からの目標回転数Nrが高
くなるに従って最大許容トルクTpが増大するような図
示テーブルによって最大許容トルクTpに変換する。
すように、回転数センサ26により検出された実回転数
Neと、アクセル操作入力部17からの目標回転数Nrと
の差ΔNを求め、この偏差ΔNの大きさに比例するエン
ジン1のトルクΔTをテーブルから読み込み、出力す
る。このトルクΔTと、前述した最大許容トルクTpと
が加算器19gにより加算され、その結果が補正された
最大許容トルクTpoとして、前述したように入力トルク
制限制御部19bに入力される。これにより、アクセル
操作入力部17から入力される目標回転数が低くなるに
従って、油圧ポンプ2の吐出流量の最大値が小さく制限
されるようになっている。
機能を図9に示す。まず、回転数センサ26からの実回
転数信号Neとアクセル操作入力部17からの目標回転
数信号Nrとを減算部25aに入力し、これらの偏差Δ
N=Nr−Neを算出する。その後この偏差ΔNに基づき
比例積分微分演算部25bで公知の比例積分微分演算を
行い、乗算部25cで所定のゲインKを乗じてガバナア
クチュエータ33を駆動するための補正前駆動信号x1
とする。この補正前駆動信号x1は、基本的に、回転数
偏差ΔNがプラス方向に増大すると燃料噴射量を増大す
るようにリンク機構34のリンク位置を調整し、回転数
偏差ΔNがマイナス方向に減少すると燃料噴射量を減少
するようリンク機構34のリンク位置を調整するように
なっている。一方、ポンプコントローラ19の予想トル
ク演算部19dからの予想吸収トルクTprを乗算部25
dに入力し、この乗算部25dで所定のゲインを乗じて
ガバナアクチュエータ33の駆動信号補正値x2とす
る。そして、加算部25eで補正前駆動信号x1に対し
てフィードフォワード要素として駆動信号補正値x2を
加算し、最終的な駆動信号xとしてガバナアクチュエー
タ33に出力する。
む複数の操作手段、パイロット管路13a,13b,1
4a,14b,…、圧力センサ20,21,22,2
3,…、ポンプコントローラ19のポジコン制御部19
a、入力トルク制限制御部19b、最小値選択部19
c、最大許容トルク演算部19e、スピードセンシング
部19f、及びレギュレータ9が油圧ポンプの吐出流量
を指令する流量指令手段を構成する。また、アクセル操
作入力部17がエンジン1の目標回転数Nrを設定入力
するための回転数入力手段を構成し、回転数センサ26
がエンジン1の実回転数Neを検出する回転数検出手段
を構成する。さらに、エンジンコントローラ25及び電
子燃料噴射装置7のガバナアクチュエータ33・ガバナ
機構30がエンジン1の燃料噴射量を制御する噴射制御
手段を構成し、そのうちガバナアクチュエータ33が目
標回転数Nrに応じた駆動信号xにより駆動するエンジ
ン1の燃料噴射量を決定するための噴射量制御アクチュ
エータを構成し、エンジンコントローラ25の減算部2
5a、比例積分微分演算部25b、及び乗算部25c
が、目標回転数Nrと実回転数Neとに基づき噴射量制御
アクチュエータの駆動信号を生成する駆動信号生成手段
を構成する。また、圧力センサ24は、油圧ポンプ2の
吐出圧力を検出する吐出圧検出手段を構成する。さらに
ポンプコントローラ19の予想トルク演算部19dが、
吐出圧検出手段の検出値と流量指令手段が指令する油圧
ポンプ2の吐出流量とから油圧ポンプ2の負荷を算出す
る負荷演算手段を構成し、エンジンコントローラ25の
乗算部25d及び加算部25eが負荷演算手段で求めた
油圧ポンプ2の負荷に基づき駆動信号を補正する補正手
段を構成する。
は、アクセル操作入力部17でエンジン1の目標回転数
Nrを設定入力すると、この目標回転数Nrと実回転数N
eとに応じた駆動信号x1がエンジンコントローラ25の
減算部25a、比例積分微分演算部25b、及び乗算部
25cで生成される。一方このとき、ポンプ吐出圧Ps
と目標押しのけ容積qとに基づきポンプコントローラ1
9の予想トルク演算部19dで油圧ポンプ2の予想吸収
トルクTprを演算し、このTprを用いてエンジンコント
ローラ25の乗算部25d及び加算部25eで駆動信号
x1に補正値x2を加え、xに補正する。そして、この駆
動信号xに基づきガバナアクチュエータ33が駆動して
噴射ノズル29からの燃料噴射量が決定され、この燃料
噴射量に対応した回転数でエンジン1が回転する。これ
により、エンジン1にかかる正確な負荷を算出するとと
もにこの正確な負荷に基づき燃料噴射量を精度よく制御
できるので、エンジン1の回転数を負荷に見合った値に
精度よく制御することができる。また、油圧ポンプ2の
吐出流量や吐出圧力が頻繁に変化し、油圧ポンプ2の負
荷(すなわちエンジン1の負荷)が変動したとしても、
この変動に追従して応答よく噴射量を制御できるので、
エンジン1の回転数を応答よく制御することができる。
このことを図10(a)〜(c)に示す。図10(a)
は、油圧ポンプ2の負荷(すなわちエンジン1の負荷)
が時間とともに変化する場合の一例を示しており、図1
0(b)及び図10(c)はそのときの本実施形態によ
る燃料噴射量及びエンジン1の回転数の時間変化を示し
たものである。なお、図10(b)及び図10(c)に
は、比較のために従来における燃料噴射量及びエンジン
回転数の変化を破線で併せて示す。
の負荷が増大すると図10(b)の破線で示すようにこ
の変動に応答よく追従することができずある程度の時間
遅れをもって燃料噴射量が増大していた。この結果、図
10(c)の破線で示すようにエンジン回転数は一旦大
きく低下し時間遅れをもってもとのエンジン回転数に復
帰していた。また従来は負荷を正確に検出できなかった
ために負荷の変動に見合ったエンジン回転数及びそれに
対応する燃料噴射量にただちに制御することが困難であ
り、例えば図10(b)や図10(c)に示すように適
正な燃料噴射量及びエンジン回転数より大きくなって可
動部の摩擦による損失等のエネルギロスが生じていた。
(b)及び図10(c)の実線で示すように、変動に追
従して応答よくかつ高精度に噴射量を制御できるので、
エンジン1の回転数を応答よくかつ高精度にもとの回転
数に復帰させることができる。したがって、エンジン1
の回転数の急負荷外乱抑制効果を向上でき、十分な省エ
ネ化を図ることができる。なおこのとき、図10(b)
における燃料噴射量の立ち上がりの程度は、ポンプコン
トローラ19の予想トルク演算部19dのモデル演算部
19d1で用いたポンプ伝達関数モデルの時定数をどう
とるかによって適宜調整することができる(なおポンプ
伝達関数モデルを用いない場合には図10(b)中に一
点鎖線で示したように瞬間的に立ち上がる特性とな
る)。
9dで、油圧ポンプ2の押しのけ容積(吐出流量)が実
際に変化する前の目標押しのけ容積qを用いて油圧ポン
プ2の負荷を演算することにより、後述する第2の実施
形態に比べ、負荷の変動に対する噴射量制御の追従の応
答性が良く、エンジン1の回転数を一層応答よく制御で
きる効果もある。
ーラ19のポジコン制御部19aでポジティブ制御によ
って目標押しのけ容積qpを算出したが、これに限られ
ず、油圧ポンプ2の吐出流量の指令値を与える他の制
御、例えばネガティブ制御による目標押しのけ容積を算
出してもよい。この場合も同様の効果を得る。また、上
記実施形態においては、油圧ポンプ2が1つだけ設けら
れている場合について説明したが、2つ以上設けられて
いる場合にも適用できることは言うまでもない。
により説明する。本実施形態は、予想吸収トルクTprを
目標押しのけ容積qでなく実押しのけ容積qeから算出
する場合の実施形態である。図11は本実施形態による
エンジン制御装置が備えられる油圧駆動装置の油圧回路
図であり、図12は図11中に示されたポンプコントロ
ーラ219の詳細機能を表すブロック図であり、図13
は図12中に示された実トルク演算部219dの詳細機
能を表すブロック図であり、図14は図11中に示され
たエンジンコントローラ225の詳細機能を表すブロッ
ク図であり、それぞれ第1の実施形態の図1、図3、図
6、及び図9に相当する。なお、第1の実施形態と同等
の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
態によるエンジン制御装置は、油圧ポンプ2の斜板2a
の傾転角θを検出する傾転角センサ201を設け、この
検出した傾転角θに応じてポンプコントローラ219の
実トルク演算部219dで油圧ポンプ2の実吸収トルク
Tpeを算出し、エンジンコントローラ225でこの実吸
収トルクTpeに応じてガバナアクチュエータ33の補正
前駆動信号x1を補正する補正値x3を算出することが第
1の実施形態と異なる。すなわち、図12に示すよう
に、ポンプコントローラ219は、第1の実施形態のポ
ンプコントローラ19の予想トルク演算部19dを実ト
ルク演算部219dに置き換えた機能となっている。こ
の実トルク演算部219dでは、図13に示すように、
まず、傾転角センサ201からの傾転角θが関数発生器
219d1に入力され、関数発生器219d1では、この
傾転角θ基づき、図示のマップを用いてポンプ実押しの
け容積qeが求められる。その後、このポンプ実押しの
け容積qeと圧力センサ24からのポンプ吐出圧Psとが
乗算部219d2に入力され、下記の式(2)によりポ
ンプ実吸収トルクTpeが算出される。 Tpe=qe・Ps … (2) このようにして算出されたポンプ実吸収トルクTpeがエ
ンジンコントローラ225へ出力される。
ローラ225は、第1の実施形態のエンジンコントロー
ラ25の乗算部25dを乗算部225dに置き換えた機
能となっている。この乗算部225dには、前述した実
トルク演算部219dの乗算部219d2からのポンプ
実吸収トルクTpeが入力され、この乗算部225dで所
定のゲインを乗じてガバナアクチュエータ33の駆動信
号補正値x3とする。これ以降は第1の実施形態と機能
的には同様であり、加算部25eで補正前駆動信号x1
に対してこの駆動信号補正値x3を加算し、最終的な駆
動信号xとしてガバナアクチュエータ33に出力する。
とほぼ同様であるので、説明を省略する。なお、上記に
おいて、傾転角センサ201が、油圧ポンプ2の傾転位
置を検出する傾転検出手段を構成し、実トルク演算部2
19dが、吐出圧検出手段と傾転検出手段の検出値から
油圧ポンプ2の負荷を算出する負荷演算手段を構成す
る。
同様、エンジン1の回転数の急負荷外乱抑制効果を向上
でき、十分な省エネ化を図れる効果がある。またこれに
加え、油圧ポンプ2の実押しのけ容積qe(実吐出流
量)を用いて油圧ポンプ2の実吸収トルクTpを算出す
ることにより、目標押しのけ容積qを用いて油圧ポンプ
2の予想吸収トルクTprを算出する第1の実施形態より
も油圧ポンプ2の負荷(すなわちエンジン負荷)をより
正確に算出できるので、エンジン1の回転数を負荷に見
合った値に一層精度よく制御できる効果もある。
ントローラ19のポジコン制御部19aでポジティブ制
御によって目標押しのけ容積qpを算出したが、これに
限られず、油圧ポンプ2の吐出流量の指令値を与える他
の制御、例えばネガティブ制御による目標押しのけ容積
を算出してもよい。またこれらポジティブ制御・ネガテ
ィブ制御等を行わず、入力トルク制限制御のみによって
目標押しのけ容積を算出しても良い。これらの場合も、
同様の効果を得る。
により説明する。本実施形態は、第1の実施形態のエン
ジンの電子燃料噴射装置7を機械的な燃料噴射装置30
7に置き換えた場合の実施形態である。図15は本実施
形態によるエンジン制御装置が備えられる油圧駆動装置
の油圧回路図であり、図16は燃料噴射装置及びその制
御系の概要図であり、図17はエンジンコントローラの
詳細機能を表すブロック図であり、それぞれ第1の実施
形態の図1、図2、及び図9に相当する。なお、第1の
実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明
を省略する。
ガバナ機構330のリンク機構334が、カムシャフト
31の回転と連動して回転するフライウェイト336の
力とばね337のばね力とがつり合うように軸方向に摺
動するシフタ338に接続されており、かつ、このばね
337のばね力をステッピングモータ339で調整可能
としている点が、特に第1の実施形態の燃料噴射装置7
と異なる。すなわち、エンジン1の回転数が増加してカ
ムシャフト31の回転数が増加すると、ガバナ機構33
0においてフライウェイト336の遠心力に基づくばね
337を縮み方向へ押す力がばね337のばね力を上回
るようになり、ばね力が遠心力とつり合うところまでば
ね337が縮み、この結果シフタ338が図示右方向に
移動する。この移動がリンク機構334を介しプランジ
ャ28aを燃料噴射量の減少方向に回転させ、これによ
り噴射ノズル29からの燃料噴射量を減少させるように
なっている。
整は、エンジンコントローラ325によるステッピング
モータ339の駆動制御により行われる。すなわち図1
7において、まず、アクセル操作入力部17からの目標
回転数信号Nrに対し、乗算部325aで所定のゲイン
Kを乗じてステッピングモータ339を駆動するための
補正前駆動信号y1とする。またこのとき、第1の実施
形態と同様、ポンプコントローラ19の予想トルク演算
部19dからの予想吸収トルクTprを乗算部325bに
入力し、所定のゲインを乗じてステッピングモータ33
9の駆動信号補正値y2とし、加算部325cで補正前
駆動信号y1に対してこの駆動信号補正値y2を加算し、
最終的な駆動信号yとする。そして、ステッピングモー
タ339はこの駆動信号yに応じて駆動し、ばね337
のばね力を調整する。なおこのときのステッピングモー
タ339の駆動位置は、図16に示すようにポテンショ
メータ340で検出されフィードバック制御のためエン
ジンコントローラ325に入力される。
とほぼ同様であるので、説明を省略する。なお、上記に
おいて、エンジンコントローラ325及び燃料噴射装置
307のステッピングモータ339・ガバナ機構330
がエンジン1の燃料噴射量を制御する噴射制御手段を構
成し、そのうちステッピングモータ339が目標回転数
Nrに応じた駆動信号yにより駆動するエンジン1の燃
料噴射量を決定するための噴射量制御アクチュエータを
構成し、エンジンコントローラ325の乗算部325b
及び加算部325cが負荷演算手段としての予想トルク
演算部19dで求めた油圧ポンプ2の負荷に基づき駆動
信号を補正する補正手段を構成する。
は、アクセル操作入力部17でエンジン1の目標回転数
Nrを設定入力すると、これに応じた駆動信号y1を乗算
部325aで生成する。一方、ポンプコントローラ19
の予想トルク演算部19dからの予想吸収トルクTprを
用いて乗算部325bで補正値y2を算出し、加算部3
25cで駆動信号y1に補正値y2を加えて駆動信号yに
補正する。そして、この駆動信号yに基づきステッピン
グモータ339が駆動して噴射ノズル29からの燃料噴
射量が決定され、これに対応した回転数でエンジン1が
回転する。これにより、第1の実施形態と同様、油圧ポ
ンプ2の負荷の変動に追従して応答よくかつ高精度に噴
射量を制御できるので、エンジン1の回転数を応答よく
かつ高精度に制御することができる。したがって、エン
ジン1の回転数の急負荷外乱抑制効果を向上でき、十分
な省エネ化を図ることができる。
機械の一例として油圧ショベルに適用した場合を例に取
って説明したが、これに限られず、クレーン、ホイール
ローダ等、他の建設機械に適用される場合にも適用する
ことができ、これらの場合も同様の効果を得る。
な負荷を算出するとともにこの正確な負荷に基づき燃料
噴射量を精度よく制御できるので、エンジン回転数を負
荷に見合った値に精度よく制御することができる。ま
た、油圧ポンプの吐出流量や吐出圧力が頻繁に変化し、
油圧ポンプの負荷(すなわちエンジン負荷)が変動した
としても、この変動に追従して応答よく噴射量を制御で
きるので、エンジン回転数を応答よく制御することがで
きる。したがって、エンジン回転数の急負荷外乱抑制効
果を向上し、十分な省エネ化を図ることができる。
置が備えられる油圧駆動装置の油圧回路図である。
図である。
図である。
ある。
ク図である。
である。
ク図である。
ク図である。
ク図である。
合における、燃料噴射量及びエンジン回転数の変化の一
例を示す図である。
装置が備えられる油圧駆動装置の油圧回路図である。
ク図である。
図である。
ック図である。
装置が備えられる油圧駆動装置の油圧回路図である。
す図である。
ック図である。
ュエータ、噴射制御手段) 201 傾転角センサ(傾転検出手段) 219 ポンプコントローラ 219d 実トルク演算部(負荷演算手段) 225 エンジンコントローラ(噴射制御手段) 307 燃料噴射装置 319 ポンプコントローラ 325 エンジンコントローラ(噴射制御手段) 325b 乗算部(補正手段) 325c 加算部(補正手段) 330 ガバナ機構(噴射制御手段) 339 ステッピングモータ(噴射量制御アクチ
ュエータ、噴射制御手段) Ne エンジンの実回転数 Nr エンジンの目標回転数 Ps 油圧ポンプの吐出圧 q 目標押しのけ容積 qe ポンプ実押しのけ容積 Tp 最大許容トルク Tpe ポンプ実吸収トルク Tpr ポンプ予想吸収トルク x 駆動信号 x1 補正前駆動信号 x2 補正値 x3 補正値 y 駆動信号 y1 補正前駆動信号 y2 補正値 θ 傾転角
Claims (2)
- 【請求項1】エンジンと、このエンジンにより回転駆動
され、複数の油圧アクチュエータを駆動する少なくとも
1つの可変容量型の油圧ポンプと、前記複数の油圧アク
チュエータを操作する複数の操作手段とを有する建設機
械に設けられ、前記エンジンの目標回転数を設定入力す
るための回転数入力手段と、前記エンジンの燃料噴射量
を制御する噴射制御手段とを有し、かつ前記噴射制御手
段が、前記目標回転数に応じた駆動信号により駆動す
る、前記エンジンの燃料噴射量を決定するための噴射量
制御アクチュエータを備えた建設機械のエンジン制御装
置において、 前記油圧ポンプの吐出圧力を検出する吐出圧検出手段
と、前記操作手段の操作量に応じて算出されたポジディブ制
御による目標押しのけ容積及び前記油圧ポンプの入力ト
ルクが前記エンジンの出力トルク以下となるような入力
トルク制限制御による目標押しのけ容積の最小値と、前
記 吐出圧検出手段の検出値とから前記油圧ポンプの予想
吸収トルクを算出する予想トルク演算手段とを有し、か
つ、 前記噴射制御手段は、この予想トルク演算手段で求めた
前記油圧ポンプの予想吸収トルクに基づき前記駆動信号
を補正する補正手段を備えていることを特徴とする建設
機械のエンジン制御装置。 - 【請求項2】請求項1記載のエンジン制御装置におい
て、 前記エンジンの実回転数を検出する回転数検出手段をさ
らに有し、かつ、前記噴射制御手段は、前記目標回転数
と前記実回転数とに基づき前記噴射量制御アクチュエー
タの駆動信号を生成する駆動信号生成手段を備えている
ことを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20783697A JP3538001B2 (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 建設機械のエンジン制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20783697A JP3538001B2 (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 建設機械のエンジン制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1150871A JPH1150871A (ja) | 1999-02-23 |
JP3538001B2 true JP3538001B2 (ja) | 2004-06-14 |
Family
ID=16546335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20783697A Expired - Lifetime JP3538001B2 (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 建設機械のエンジン制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3538001B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006040975A1 (ja) * | 2004-10-13 | 2006-04-20 | Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. | 油圧建設機械の制御装置 |
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-
1997
- 1997-08-01 JP JP20783697A patent/JP3538001B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006040975A1 (ja) * | 2004-10-13 | 2006-04-20 | Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. | 油圧建設機械の制御装置 |
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JPH1150871A (ja) | 1999-02-23 |
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