JPH08121326A - ピストン型吸引ポンプ - Google Patents

ピストン型吸引ポンプ

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JPH08121326A
JPH08121326A JP6262461A JP26246194A JPH08121326A JP H08121326 A JPH08121326 A JP H08121326A JP 6262461 A JP6262461 A JP 6262461A JP 26246194 A JP26246194 A JP 26246194A JP H08121326 A JPH08121326 A JP H08121326A
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JP
Japan
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piston
cylinders
cylinder
motor
suction pump
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JP6262461A
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English (en)
Inventor
Masato Higuma
正人 樋熊
Morihito Idemoto
守人 出本
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸引圧力の脈動の増大を削減し、尚且つ小
型、軽量化し、耐久性の向上を実現し、従来以上の製
作、組立作業の短縮をはかることの出来るピストン型吸
引ポンプを提供する。 【構成】 ピストンを内蔵した2つのシリンダ2,2′
の基準位置における中心軸がそれぞれ、駆動源となるモ
ーター17の主軸方向を挟んで対称の位置にあり、ま
た、2つのシリンダはそれぞれの中心軸を含む平面の1
つが互いに平行で、且つそれぞれの基準位置におけるシ
リンダの中心軸が互いに直交しており、さらにモーター
の主軸を含む平面の1つとも互いに平行になるように配
置されると共に、ギヤボックス19に収容された歯車を
介して、モーターの駆動力によって回転運動をするクラ
ンク20の偏心軸22に、2つのシリンダのピストンロ
ッド14の先端部を往復運動可能に取り付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として医療分野で
使用されるピストン型吸引ポンプの、改良された構成に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用の吸引ポンプは、病室における患
者のたんの吸引除去や、手術中に破砕した組織片や体液
の吸引除去等に使用されており、吸引特性の他、静音
性、収納性、耐久性に優れ、軽量であり、また低価格で
あることが重視される。
【0003】従来から使用されている医療用吸引ポンプ
には、ダイヤフラム方式、ロータリー方式、及びピスト
ン方式がある。ダイヤフラム方式は、ダイヤフラムの振
動による排気音が大きいこと、大きな排気容量を得るた
めにはダイヤフラムの面積を大きくすることが必要で、
小型化する上で問題があり、また、合成ゴム等で作られ
たダイヤフラムは破れ等の耐久性に問題があるなどの欠
点がある。
【0004】一方、ロータリー方式は、複数のベーンの
回転によって吸引力を発生するもので、複数ベーンの高
速回転時の羽切り音による作動音が大きく、また200
0〜5000rpmという高速回転によって生ずるベー
ンの摩耗が大きく、ベーンの交換等によるランニングコ
ストが高い等の欠点があり、さらに、排出空気中にロー
タリーベーンの摩耗による微粉が混入し、院内のクリー
ンルーム等の使用が難しくなる問題がある。
【0005】ピストン方式では、単動シリンダの場合、
シリンダ内面とピストン外周との接触部の摺動音がサイ
レンサーを通じて排出されるときの排気音のみで、作動
音は小さく、ダイヤフラム方式やロータリー方式と比較
すると、ピストンの往復運動は他のポンプに比べて毎分
50〜200回転と小さく、摺動部の摩耗も少ないが、
しかしピストンの移動による吸引圧の脈動が大きいた
め、一定の吸引圧を必要とする吸引には不向きであると
いう欠点がある。特にシリンダが2つ以上ある場合は個
々のシリンダの吸引圧力の脈動の位相が同調すると、相
乗的に脈動幅が増大する特性がある。
【0006】また、駆動源からクランクへの回転力の伝
達はベルトで行っているケースが多いが、ベルトとプー
リー等の滑りやベルトの張力等のため、多段プーリー、
複数ベルトにて高速回転を減速し、高トルクを得る方式
がとられているが、高速回転側のプーリー、ベルト等の
耐久性が乏しく、消耗部品の交換期間が短いという欠点
がある。また、高吸引圧力を得るために、ピストンとシ
リンダの接触摺動部のシール性能を上げるため、数種の
シールリングまたはOリング等を用いて調整作業を行っ
ている。装着作業性の点で帯リング状に加工し、ピスト
ンの周囲に装着する方式がとられているが、シール材両
端の接合部の気密性を維持するための調整に時間を要
し、結果的に作業工数が多くなるという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のピス
トン型吸引ポンプのこのような問題点を解決することを
目的としたもので、吸引圧力の脈動の増大を小さくし、
尚且つ小型、軽量化を実現し、従来以上の製作、組立作
業の短縮と耐久性を持たせることを目的としている。
【0008】
【問題を解決するための手段】即ち本発明は、ピストン
を内蔵した2つのシリンダと、駆動源となるモーターと
からなる吸引ポンプであって、2個の傘歯歯車もしくは
ウォーム歯車装置を介して、モーターの駆動力によって
回転するクランクの偏心軸に、前記2つのシリンダのピ
ストンロッドの先端部を往復運動可能に取り付けたこと
を特徴とし、さらに、2つのシリンダの基準位置におけ
る中心軸をそれぞれモーターの主軸方向を挟んで対称の
位置に配設し、2つのシリンダはそれぞれその中心軸を
含む平面の1つが互いに平行で、且つそれぞれの基準位
置におけるシリンダの中心軸が互いに直交するように配
置し、また、2つのシリンダのそれぞれの中心軸を含む
平面の1つと、モーターの主軸を含む平面の1つとが、
互いに平行になるように配置したことを特徴とするピス
トン型吸引ポンプである。
【0009】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。図1は本発明の一実施例となるピストン型吸引ポ
ンプの正面図で、図2はその一部内部断面を含む上面図
である。
【0010】本発明の吸引ポンプは、それぞれピストン
(13)を内蔵した2つのシリンダ(1,2)と、駆動
源となるモーター(17)とで基本的に構成され、モー
ター(17)の回転力は歯車(18,18′)を介して
クランク(20)に伝達され、クランクの偏心軸(2
2)に取り付けられた2つのピストンロッド(14,1
4’)によって、ピストン(13)の往復運動として、
2つのシリンダ(1,2)にそれぞれ伝えられる。
【0011】本発明においてポンプの駆動源として使用
されるモーター(17)は、ACモーター、DCモータ
ーなどその種類は限定しないが、ポンプ駆動時の最大負
荷時においても変わらない回転数を発生させるトルクを
得るものが必要とされる。モーター(17)は、図2に
示したように吸引ポンプの上方から見たとき、その主軸
を含む平面の1つが、シリンダ(1,2)のそれぞれ中
心軸を含む平面の1つと平行になるように配置される。
【0012】モーター(17)の回転力を、上記のよう
にその中心軸を含む平面が互いに平行になるように配置
されたシリンダに伝達するためには、運動方向を変換す
る必要があり、その手段としては、2個のかさ歯歯車の
組合せ、または、ウォームとはすば歯車もしくはウォー
ム歯車の組合せであるウォーム歯車装置を使用するのが
良い。
【0013】図2における歯車(18)は、2個のかさ
歯歯車を示しており、モーター(17)の回転軸には2
個の傘歯歯車の一方(18)が装着されており、モータ
ー(17)より発生した回転力は、一方のかさ歯歯車
(18)からクランク(20)に接続されたもう一方の
かさ歯歯車(18′)に伝達され、クランク(20)に
90°変換された回転を与える。このかさ歯歯車は、樹
脂製、アルミニウム合金製、真鍮製、ステンレス合金製
などがあるが、高強度と高耐摩耗性を得られるステンレ
ス合金製のものが好適である。また、かさ歯歯車の減速
比は特に限定しないが、これはシリンダの容量と必要排
気容量、そしてモーターの常用回転数、かさ歯歯車の耐
用トルク等により決定する。また、クランク(20)よ
り発生するトルクを大きくしたい場合は、モーター(1
7)とクランク(20)との減速比を大きくしなければ
ならないので、この場合はウォーム歯車装置を使用する
のが好適となる。
【0014】かさ歯歯車は、使用上、2個のかさ歯歯車
同士の位置が正確に配置されるように装着しなければな
らない。従って、製作時には、このかさ歯歯車同士の位
置調整を精度良く行わなければならないので、製作工数
が増えてしまうという欠点がある。そこで本発明におい
ては、2個のかさ歯歯車を一体化し、モーター(17)
の軸とクランク主軸(21)の軸穴および固定手段を有
するギヤボックス(19)内に収納する方法をとる。製
作時には、2個のかさ歯歯車とクランク(20)、モー
ター(17)をギヤボックス(19)に固定するだけ
で、精度良く2個のかさ歯歯車を設置することができ
る。これによって、2個のかさ歯歯車の装着作業工数が
削減できる。ギヤボックス(19)の材質としては、強
度と耐腐食性の優れたステンレス合金が好適である。
【0015】クランク(20)は、クランク主軸(2
1)とかさ歯歯車(18′)とが中心軸を共有するよう
に配置され、さらに、ピストン(13)が最も後端側に
来た基準位置における、シリンダ(1)の後端部を支え
るシリンダ回転軸(15)とクランク主軸(21)のそ
れぞれの中心を結ぶ線と、シリンダ(2)のシリンダ回
転軸(15′)とクランク主軸(21)のそれぞれの中
心を結ぶ線、即ち2つのシリンダーの基準位置における
中心軸の交差角度が、互いに90°となるように各シリ
ンダ、クランクを配置する。
【0016】クランク(20)はクランク主軸(21)
より偏心したクランク偏心軸(22)を有し、クランク
偏心軸には前述したようにシリンダ(1)とシリンダ
(2)のピストンロッド(14,14′)のリング状の
先端が連結される。これによって、モーター(17)よ
り伝達された回転運動によりクランク(20)が回転す
るとクランク偏心軸(22)の中心は偏心軸を半径と
し、クランク主軸(21)を中心とする円を軌跡とした
円運動を行う。この円運動は、クランク偏心軸(22)
に接続連結されたピストンロッド(14,14’)に、
前記偏心幅の2倍の幅の往復運動を与え、同時にピスト
ンロッド(14,14′)に接続されたピストン(1
3)にも同じ移動幅の往復運動を与え、ピストン(1
3)はクランク(20)が1回転すると1往復運動す
る。尚、クランク(20)の材質は、耐腐食性と強度に
優れたステンレス合金が好適である。
【0017】2つのシリンダ(1,2)にはそれぞれ
に、一方弁を有する吸引口A(3)、吸引口B(4)
と、これらをつなぐ吸引口バイパス管(5)を設け、吸
引口A(3)にはシリンダ吸引管(6)が接続され、2
つのシリンダ(1,2)のシリンダ吸引管(6)が吸引
ポート(7)に集合配管されている。また、シリンダに
はそれぞれに一方弁を有する排気口A(9)、排気口B
(10)と、これらをつなぐ排気口バイパス管(11)
を設け、排気口B(10)には消音のためのサイレンサ
(12)が接続されている。
【0018】シリンダおよび吸気口、排気口の材質とし
ては、材料コストと加工コストが低く、軽量で、比較的
腐食しにくいアルミニウム合金が良い。また、一方弁
は、バネによりバイパスが開閉する構造のものもある
が、低コストであることを重視して、通る空気の方向に
よりゴム製の流路が異なった変形を行うことで空気の整
流を行うタイプのものが好ましい。吸引口バイパス管
(5)と排気口バイパス管(11)は、金属のパイプで
も良いが、低コスト化と配管取付作業の高効率化を考慮
して、塩化ビニール製のチューブを用いるのが好適であ
る。シリンダ吸引管(6)も低コスト化と配管取付作業
の高効率化のため、また可動するシリンダに接続するの
で柔軟性も必要となるのを踏まえて、塩化ビニール製の
チューブが好適となる。
【0019】シリンダにはピストン(13)が内蔵さ
れ、ピストン(13)に接続されたピストンロッド(1
4)はその先端がシリンダ外部まで伸び、リング状をな
す先端部が前述のようにクランク偏心軸(22)に連結
されていて、クランク(20)の回転運動を往復運動に
変えてピストン(13)に伝達する。一方シリンダの後
端部には、その中心にシリンダを横方向に貫通したシリ
ンダ回転軸(15)が設けられており、シリンダはクラ
ンク(20)の回転に連れて、シリンダ回転軸(15)
を支軸として揺動運動をする。ピストンロッド(14)
およびシリンダ回転軸(15)の材質は、強度が高く、
耐腐食性の高いステンレス合金製が好適である。
【0020】ピストン(13)の外周には、図4(a)
に示すように、溝(32)を設けてOリング状のクッシ
ョンリング(33)を埋め込み、その外側にさらにピス
トンリング(34)を取り付けることにより、シリンダ
の内壁との間の気密性を保つようになっている。クッシ
ョンリング(33)は、滑走中のピストンリング(3
4)の振動を吸収してピストン(13)への振動の伝達
を絶つ効果と、クッションリング(33)に弾性を持た
せることでピストンリング(34)をシリンダ内壁側へ
押し当て室内の気密性を高める効果を持たせるためのも
ので、材質は限定しないが、バイトンゴム製のOリング
の使用が適当である。また、ピストンリング(34)は
シリンダの内壁と接触して滑走するので、摩擦抵抗の少
ないフッ素樹脂系のテフロン(登録商標)等を用いるの
が好適である。
【0021】ピストンリング(34)をピストン(1
3)の外周に装着するには、帯状の素材を巻きつけるの
が一般的で、本発明におけるピストンリング(34)
は、その両端の接合部(35)が、図4(b)に示すよ
うな合木状に形成されている。接合部(35)の形状
は、従来一般的には図5に示すような単純な突き合せ形
状になっているが、このような形状では、高圧時の高い
気密性を保つためには、合せ目に隙間が生じないように
する必要があり、製作、組立て時に非常に多くの調整作
業の工数を必要とする。それに比べて、本発明のように
合木状の接合部(35)にすると接合長が長くなるの
で、接合部(35)に多少の隙間があっても空気は抜け
にくくなり、室内の気密性が確保できるようになるの
で、結果的に調整作業工数を削減することが可能とな
る。
【0022】本発明における2つのシリンダ、モーター
等は、底面板、左右の側面板、および頂部の補強板から
なる、箱形状の本体フレームに組付け、固定されてい
る。即ち、図1(正面図)に示したように、モーター
(17)は本体フレームの奥側に、本体フレームの対角
線に沿って45°の角度で斜めに取付けられている。そ
して2つのシリンダ(1,2)は、後端部のシリンダ回
転軸(15,15’)両側の支承部が本体フレームの手
前側のそれぞれ一方の側面板と底面板に取付けられてい
て、シリンダの中心軸が底面板または側面板と平行にな
ったそれぞれの基準位置における2つのシリンダ中心軸
は、互いに直交すると共に、モーターの主軸方向を挟ん
で対称の位置になっている。また、モーターと2つのシ
リンダをつなぐ歯車を収納したギヤボックス(19)
も、本体フレームのコーナー部に取付け、固定されてい
る。
【0023】本体フレームは箱形状としたことにより、
シンプルな部品構成としたにも拘らずポンプ作動時の高
い発生応力に耐え得る剛性を得ることができ、また、本
体フレームの個々の部品が単純な形状となるので製作工
数や部品コストの削減が可能となる。本体フレームの各
部品の材質は、腐食しにくいアルミニウム合金、ステン
レス合金などが使用できるが、コストを重視すればアル
ミニウム合金を用いるのが良い。
【0024】次に図3により、本発明によるピストン型
吸引ポンプにおける、シリンダおよびピストン(13)
の動きと、気体の流れについて説明する。尚、この実施
例ではクランク(20)の回転方向は、正面から向かっ
て反時計周りとするが、その方向は限定しない。
【0025】シリンダ内部はピストン(13)を境にし
て、後方シリンダ回転軸(15)側の室A(30)と前
方ピストンロッド(14)側の室B(31)の2室に分
かれ、室A(30)には吸引口A(3)と排気口A
(8)、室B(31)には吸引口B(4)と排気口B
(10)がそれぞれ設けられている。吸引口A(3)お
よび吸引口B(4)には一方弁が内蔵されており、また
排気口A(9)および排気口B(10)にも一方弁が内
蔵されている。
【0026】先ず図3(a)は、ピストン(13)が最
も後端側に来た基準位置を示し、図3(b)はクランク
(20)が90°回転して、ピストン(13)がその往
復運動域のほぼ中間点に来た状態を示す。この時、シリ
ンダはシリンダ回転軸を支軸として下方に傾斜してい
る。この過程では、室A(30)が吸気状態となり、気
体はシリンダ吸引管(6)から吸引口A(3)を経て室
A(30)に進入する。気流に対して吸気口A(3)の
一方弁は開放となり、吸引口B(4)は閉塞状態とな
る。一方、室B(31)内は圧縮状態となり、気体を排
出するための排出口B(10)の一方弁は開放となり、
サイレンサ(12)を経てシリンダ外に排出される。こ
のとき、室A(30)側の排出口A(9)は閉塞状態と
なる。
【0027】図3(c)は、クランク(20)がさらに
90°回転してピストン(13)が最も先端側に来た状
態を示し、図3(d)はさらに90°回転して、ピスト
ン(13)が往復運動域のほぼ中間点まで後退した状態
を示す。この時、シリンダはシリンダ回転軸を支軸とし
て上方に揺動し傾斜している。図3(b)から(c)の
状態へ移る過程では、気体の流れと各吸排気口の一方弁
の開閉は図3(a)から(b)への過程と同じである
が、(c)の状態を過ぎると逆転する。即ち、ピストン
(13)が後退し始めるため室A(30)側の吸気口A
(3)の一方弁が閉塞状態になり、気体は吸引バイパス
管(5)を通って、開放状態になった吸引口B(4)か
ら室B(31)へ進入する。この時、排気口B(10)
は閉塞状態となり、一方、排気口A(9)が開放され
て、室A(30)内の気体は排気口A(9)から排気口
バイパス管(11)を通りサイレンサ(12)を経て、
シリンダ外に排出される。
【0028】図3(d)の状態からクランク(20)が
さらに90°回転すると、図3(a)の状態に戻り、こ
れで1サイクルとなる。このように、シリンダ単体では
1室内あたりで吸引と排気を繰り返しており、1サイク
ルを位相360°とした場合、隣接する室A(30)と
室B(31)が180°の位相差をもって交互に吸引、
排気を行うことになる。
【0029】ここで、前述したように2つのシリンダを
それぞれの基準位置における中心軸が互いに90°の角
度で交叉するように配置し、ピストンロッド(14)の
リング状の先端部を、クランク(20)のクランク偏心
軸(22)の同軸上に連結することにより、シリンダ
(1)が図3(a)の往復連動するピストン(13)が
最もシリンダ回転軸(15)に近付く直前の状態のと
き、シリンダ(2)はそれよりクランク(20)が90
°回転し、ピストン(13)がその往復運動域の中間点
にある直前の図3(b)状態となる。1サイクル中のど
の状態においても、この位相のずれは発生し、2つのシ
リンダは常に互いに90°の位相のずれをもって吸引、
排気を繰り返す。
【0030】このようにしてシリンダ(1)のシリンダ
吸引管(6)からは1サイクル中180°の位相差にて
吸引を行い、同様にシリンダ(2)のシリンダ吸引管
(6)からも1サイクル中180°の位相差にて吸引を
行い、なおかつ、2つのシリンダが常に互いに90°の
位相のずれをもって吸引、排気を繰り返すので、2つの
シリンダ(1,2)のシリンダ吸引管(6)が集合配管
された吸引ポート(7)においては、クランク(20)
の1回転を1サイクル、位相360°とした場合、計4
室の各室が位相90°間隔、すなわち、等間隔でシリン
ダ(1)の室A(30)、シリンダ(2)の室A(3
0)、シリンダ(1)の室B(31)、シリンダ(2)
の室B(31)の順序で繰り返す状態にて吸引を行うこ
ととなる。これにより吸引ポート(7)に発生する吸引
圧力の脈動が平滑化され、スムーズな吸引が行なわれる
という効果を生み出す。
【0031】また、圧力の強い脈動は、駆動源であるモ
ーターの回転負荷、伝達機構である各摺動部分にかかる
摺動負荷の脈動の発生を意味し、この負荷の脈動は、ピ
ストンロッド(14)、クランク(20)、シリンダ回
転軸(15)や前記各ベアリング類の摺動部品や駆動源
であるモーターに過大な負担をかけるため、これらの寿
命を短くするが、圧力の脈動が平滑化されることで負荷
の脈動も低減され、各部品の寿命を伸ばす効果をも生み
出す。
【0032】
【発明の効果】本発明に従うと、発生する吸引圧力の脈
動の増大を削減し、一定吸引圧力により吸引が可能にな
り、尚且つ小型、軽量化を実現し、従来以上の製作、組
立作業の短縮により低価格化が可能となり、また、耐久
性も向上し、医療分野で使用する吸引ポンプとして好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となるピストン型吸引ポンプ
の正面図である。
【図2】本発明の一実施例となるピストン型吸引ポンプ
の一部内部断面を含む上面図である。
【図3】本発明によるピストン型吸引ポンプの動作と気
体の流れを説明するための図である。
【図4】本発明において使用するピストンおよびピスト
ンリングの形状を説明するための図である。
【図5】従来のピストンリングの接合部の形状を示す図
である。
【符号の説明】
1,2 シリンダ 3 吸引口A 4 吸引口B 5 吸引口バイパス管 6 シリンダ吸引管 7 吸引ポート 9 排気口A 10 排気口B 11 排気口バイパス管 12 サイレンサ 13 ピストン 14,14′ ピストンロッド 15,15′ シリンダ回転軸 17 モーター 18,18′ 歯車 19 ギヤボックス 20 クランク 21 クランク主軸 22 クランク偏心軸 30 室A 31 室B 32 溝 33 クッションリング 34 ピストンリング 35 接合部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンを内蔵した2つのシリンダと、
    駆動源となるモーターとからなる吸引ポンプであって、
    歯車を介してモーターの駆動力によって回転運動をする
    クランクの偏心軸に、前記2つのシリンダのピストンロ
    ッドの先端部を往復運動可能に取り付けたことを特徴と
    するピストン型吸引ポンプ。
  2. 【請求項2】 歯車が、2個の傘歯歯車もしくはウォー
    ム歯車装置よりなることを特徴とする、請求項(1)記
    載のピストン型吸引ポンプ。
  3. 【請求項3】 2つのシリンダの基準位置における中心
    軸をそれぞれモーターの主軸方向を挟んで対称の位置に
    配設し、2つのシリンダはそれぞれその中心軸を含む平
    面の1つが互いに平行で、且つそれぞれの基準位置にお
    けるシリンダの中心軸が互いに直交していることを特徴
    とする、請求項(1)もしくは請求項(2)記載のピス
    トン型吸引ポンプ。
  4. 【請求項4】 2つのシリンダのそれぞれの中心軸を含
    む平面の1つと、モーターの主軸を含む平面の1つと
    が、互いに平行であることを特徴とする、請求項(1)
    乃至請求項(3)のいずれかに記載のピストン型吸引ポ
    ンプ。
  5. 【請求項5】 シリンダの内面に接触し摺動するピスト
    ンリングが、両端に合木状の接合部を設けた帯状体から
    なることを特徴とする、請求項(1)乃至請求項(4)
    のいずれかに記載のピストン型吸引ポンプ。
  6. 【請求項6】 シリンダの内面に接触し摺動するピスト
    ンリングが、フッソ系樹脂の帯状体からなることを特徴
    とする、請求項(1)乃至請求項(5)のいずれかに記
    載のピストン型吸引ポンプ。
JP6262461A 1994-10-26 1994-10-26 ピストン型吸引ポンプ Pending JPH08121326A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008500843A (ja) * 2004-03-26 2008-01-17 エンライトン テクノロジーズ, インコーポレイテッド 医療用吸引システムのための二重シリンダー減圧ポンプ
JP2016196847A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 株式会社Ihi 可変容量型液圧ポンプとその制御方法
KR102621626B1 (ko) * 2023-02-01 2024-01-08 주식회사 엘에이치바이오메드 지방 흡인술용 석션 펌프 및 지방 흡인술용 석션 장치

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