JPH08121137A - エンジンのオイルストレーナー組付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ストレーナーの上下面を逆にして組付けるこ
とがなくて、確実に気密性が保てて、誤組付けを防ぐこ
とができるエンジンのオイルストレーナー組付け装置を
得ること。 【構成】 左右割りエンジンケース１の一方に設けた吸
油孔７の下側の全体がコ字状をした横溝８に、ストレー
ナー２の外枠４を差込んで組付けるもので、外周にシー
ルリップ９を形成したストレーナー２の外枠４の差込方
向口元の一側に凸部１０を突設し、該凸部１０を横溝８
の入口一側に形成した凹部１１に嵌合せて組付けるよう
にしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、誤組付けが防止でき
るようにしたエンジンのオイルストレーナー組付け装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】四サイクルエンジンなどでは、エンジン
ケースの下部に、所定量の潤滑オイルを封入しておき、
エンジンに連動するオイルポンプで潤滑オイルを汲上げ
て、各部を潤滑するようにしている。そして、オイルポ
ンプの吸油孔端には、ストレーナーを取付けて、ストレ
ーナーで潤滑オイル中に含まれた埃などを濾過するよう
にしている。

【０００３】図７及び図８に示すように、ストレーナー
Ａは、金網などのストレーナー網Ｂの周囲に合成樹脂な
どで成形する外枠Ｃを取付けて、剛性を高めてあり、左
右割りのエンジンケースＤでは、一方のエンジンケース
Ｄの吸油孔下側に設けた上方から見て全体がコ字状で、
水平な向きの横溝Ｅに、左右のエンジンケースＣを組立
てる前に、外枠Ｂを差込んで組付けるようにしている。

【０００４】この装置では、ストレーナーＡの外枠Ｃと
エンジンケースＤの横溝Ｅの製作精度を高く保つように
しないと、外枠Ｃと横溝Ｅの間にできる隙間から、吸入
される潤滑オイルと共に埃などが入り込んで都合が悪
い。そして、製作精度を高めるように、加工精度を上げ
たりすると、コスト高につく。それで、図９に示すよう
に、ストレーナーＡの外枠Ｃの外周全体にシールリップ
Ｆを形成し、エンジンケースＤの横溝Ｅの溝底にシール
リップＦを当てるようにして、製作精度を高めなくて
も、気密性が保てるようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】シールリップＦには、
方向性があって、一方からのシールを保つことができる
ようにしてあり、逆方向からのシール性は半減する。ス
トレーナーＡは、略矩形にしてあるので、上下を逆にし
て組付けても、組付けすることができる。若し、上下面
を逆に組付けると、十分なシール性を保てない。このた
め、組付け作業時に十分な注意をして上下面を確認する
必要があって手間がかかる。又、若し、逆向きに組付け
た場合に、エンジンを組立てた後では、確認が困難であ
る。

【０００６】かかる点に鑑み、この発明は、ストレーナ
ーの上下面を逆にして組付けることがなくて、確実に気
密性が保てて、誤組付けを防ぐことができるエンジンの
オイルストレーナー組み付け装置を得ることを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明のエンジンのオイルストレーナー組付け装
置は、左右割りエンジンケースの一方に設けた吸油孔の
下側の全体がコ字状をした横溝に、ストレーナーの外枠
を差込んで組付けるもので、外周にシールリップを形成
したストレーナーの外枠の差込方向口元の一側に凸部を
突設し、該凸部を横溝の入口一側に形成した凹部に嵌合
せて組付けるようにしたことにある。

【０００８】

【作用】ストレーナーの上下面が正しければ、ストレー
ナーをエンジンケースの横溝に差込むと、ストレーナー
の凸部が、横溝の凹部に嵌合せることができて、ストレ
ーナーを正しくセットすることができ、シールリップに
よって気密性を保つことができる。ストレーナーの上下
面を正しい向きと逆にして、エンジンケースの横溝に差
込むと、ストレーナーの凸部と横溝の凹部の位置が合わ
なくなり、ストレーナーを正しい位置まで差込むことが
できない。このため、ストレーナーの端が、左右割りの
エンジンケースの合せ面に突出して止り、左右のエンジ
ンケースも組立てることができなくなる。こうして、ス
トレーナーの誤組付けを防ぐことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１乃至図６によっ
て説明する。図１乃至図３及び図５並びに図６は、本発
明の一実施例を示すものである。エンジンケース１は、
左右分割型で、最中状に左右を合せてボルトで締着する
ようにしてある。ストレーナー２は、金網などのストレ
ーナー網３の周囲に、合成樹脂などで一体的に成形する
外枠４を取付けて、剛性を出すようにしてある。一方の
エンジンケース１には、ギヤー５で、エンジンに連動す
るオイルポンプ６が組込んであり、オイルポンプ６の吸
油孔７の下端に、ストレーナー２を取付け、ストレーナ
ー２は、潤滑オイルの油面下に位置するようにしてあ
る。

【００１０】而して、一方のエンジンケース１の吸油孔
７の下側には、全体がコ字状で、水平に横溝８を設け、
横溝８に、ストレーナー１の外枠４を、左右のエンジン
ケース１の合せ面側から差込む。そして、外枠４の外周
には全周に下側に向けたシールリップ９を形成する。
又、外枠４の差込側口元の一側下面に凸部１０を突設す
る。エンジンケース１の横溝８の入口の一側下面には、
凸部１０に合せて凹部１１を形成する。

【００１１】ストレーナー２は、外枠４を、一方のエン
ジンケース１の横溝８に、左右のエンジンケース１の合
せ面側から差込む。そして、差込みの最後に凸部１０が
凹部１１に嵌合されて、正しい位置にセットされる。こ
の状態で、シールリップ９が正常に働く。エンジンに連
動するオイルポンプ６は、ストレーナー網３で埃などを
濾過して吸油孔７を通して潤滑オイルを吸入し、エンジ
ン各部に送り出して潤滑する。ストレーナー２の上下の
向きを逆に差込むと、凸部１０が横溝８の端に当って、
正しい位置まで差込むことができないので、誤組付けが
防止でき、左右のエンジンケース１も、凸部１０が当っ
て合せられなくなる。

【００１２】図４は、本発明の他の実施例を示すもので
ある。この場合には、ストレーナー２の外枠４の差込側
口元の一側外側に凸部１０を形成し、これに合せて、エ
ンジンケース１の横溝８の口元一側の溝底側に凹部１１
を形成したものである。但し、シールリップ９の形状は
複雑になって好ましくない。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、この発明は上述の
ように構成したので、ストレーナーの上下面を逆にして
エンジンケースの横溝に差込んで組付けようとすると、
ストレーナーの外枠に設けた凸部が横溝の端面に当っ
て、完全に差込むことができなくなる。これによって誤
りが判り、正しく差込み直すことができる。こうして、
シールリップの方向を正しく差込むことができて、気密
性を保つことができる。又組付けミスが確実に判るの
で、組付け時に、ストレーナーの上下面をシールリップ
の向きで確認する作業をする必要がなくなり、作業能率
を向上できる。そして、ストレーナーの凸部は、外枠成
形時に一体成形することができ、横溝端の凹部は、エン
ジンケース鋳造時に成形できるので、殆んどコストアッ
プなしでできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すストレーナーの側面図
である。

【図２】本発明の一実施例を示すストレーナーの平面図
である。

【図３】本発明の一実施例を示すストレーナーの縦断正
面図である。

【図４】本発明の他の実施例を示すストレーナーの側面
図である。

【図５】本発明の一実施例を示すストレーナーをエンジ
ンケースに組付けた縦断側面図である。

【図６】本発明の一実施例を示すストレーナーをエンジ
ンケースに組付けた縦断正面図である。

【図７】従来例を示すストレーナーの側面図である。

【図８】従来例を示すストレーナーの平面図である。

【図９】他の従来例を示すストレーナーを組付けた縦断
側面図である。

【符号の説明】

１ エンジンケース ２ ストレーナー ４ 外枠 ７ 吸油孔 ８ 横溝 ９ シールリップ １０ 凸部 １１ 凹部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右割りエンジンケースの一方に設けた
   吸油孔の下側の全体がコ字状をした横溝に、ストレーナ
   ーの外枠を差込んで組付けるもので、外周にシールリッ
   プを形成したストレーナーの外枠の差込方向口元の一側
   に凸部を突設し、該凸部を横溝の入口一側に形成した凹
   部に嵌合せて組付けるようにしたことを特徴とするエン
   ジンのオイルストレーナー組付け装置。