JPH08120583A - 化学パルプの酸素漂白方法 - Google Patents

化学パルプの酸素漂白方法

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JPH08120583A
JPH08120583A JP25844094A JP25844094A JPH08120583A JP H08120583 A JPH08120583 A JP H08120583A JP 25844094 A JP25844094 A JP 25844094A JP 25844094 A JP25844094 A JP 25844094A JP H08120583 A JPH08120583 A JP H08120583A
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JP
Japan
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pulp
bleaching
chelating agent
treatment
oxygen bleaching
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JP25844094A
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English (en)
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Hiroichi Hara
普一 原
Kazuhiro Nakamura
和廣 中村
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】化学パルプの酸素漂白方法において低カッパー
価のパルプを提供することである。 【構成】化学パルプの酸素漂白方法においてそれに続く
キレート剤処理段又はキレート剤と酵素の混合物による
処理段から発生する処理排水を酸素漂白に使用してパル
プ粘度を維持して脱リグニン度を高める酸素漂白方法。 【効果】従来法の酸素漂白方法と比較して低いカッパー
価のパルプが得られ漂白排水の負荷量軽減が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学パルプの酸素漂白方
法に関する。さらに詳しくは化学パルプの酸素漂白方法
において、それに続くキレート剤処理段またはキレート
剤と酵素の混合物による処理段から発生する処理排水を
酸素漂白に使用してパルプ粘度を維持して脱リグニン度
を高める酸素漂白方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パルプ漂白の目的は、パルプ繊維の内部
や表面に付着しているリグニンや着色物質を分解・変質
させたり可溶性にして取り除き、白色度を上昇させる事
である。従来化学パルプの漂白は塩素、次亜塩素酸塩、
過酸化水素及び二酸化塩素等で段階的に処理する方法が
取られてきたが、近年酸素漂白法が開発されてからは、
排水負荷量の軽減及び漂白薬品費の軽減を目的として、
その方法は日本も含め世界の紙パルプの主要国で多数採
用されてきた。
【0003】酸素漂白法はパルプを加熱加圧下の反応容
器中にアルカリ及び酸素を加えてパルプ中のリグニンや
樹脂等を酸化分解してパルプ漂白を行うものである。こ
の中でも最近では設備費や得られるパルプ品質との関係
から中濃度(パルプ濃度8〜15%)酸素漂白法と称さ
れる方法が主として採用されている。近年特に環境問題
への対応から、排水負荷量の軽減を図るために酸素漂白
法で脱リグニン率を上げて低カッパー価のパルプを得た
り、酸素漂白後の洗浄度を向上させる事が重要になって
きた。
【0004】中濃度酸素漂白法で脱リグニン率を上げる
には、アルカリを多く添加する事で対処できる事が知ら
れている。しかし、アルカリを過剰に添加しても限界が
あり、脱リグニン率を上げて低カッパー価のパルプを得
る事ができないという問題がある。この問題の対策とし
て、特公昭63−99389号公報に示されるように、
中濃度酸素漂白法の基本的な装置の組み合わせ単位を直
列にして複数段設けた装置で漂白する事が提案されてい
る。この方法で前記問題点はある程度改善されるが、ま
だ十分に脱リグニン率を上げて低カッパー価のパルプを
得る事ができないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、キレート処理段また
はキレート剤と酵素の混合物による処理段から発生する
処理排水を酸素漂白に使用すればパルプ粘度を維持して
脱リグニン度を高めることを見いだしこの知見に基づき
本発明を完成するに至った。本発明の目的は酸素漂白と
非塩素漂白における前記問題点を解決して高品質、低コ
ストのパルプ漂白方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は化学パルプの酸
素漂白方法であって、酸素漂白後に続く非塩素漂白段の
ひとつであるキレート剤処理段またはキレート剤と酵素
の混合物による処理段から発生する処理排水を酸素漂白
段に添加することを特徴とする酸素漂白方法に関するも
のである。
【0007】本発明は酸素漂白後の漂白段にキレート剤
で処理する漂白段を設けている工程に特に適用される。
尚、キレート剤処理では酵素等の薬品を同時に添加して
処理する漂白段でも適用できる。このキレート剤処理段
はその後に過酸化物やオゾン漂白を行うための前処理段
として設けられる事が多い。キレート剤処理段で使用さ
れるキレート剤はジエチレントリアミン5酢酸(DTP
A)、ニトリロ3酢酸(NTA)等の窒素を含む有機キ
レート剤やこれらの高分子の塩からなるキレート剤例え
ばポリアルキレンポリアミンポリアセテート等である。
【0008】キレート剤処理段には酵素を同時に添加す
る事もできるが、使用できる酵素はヘミセルラーゼまた
はセルラーゼと称され、特にヘミセルロースを加水分解
する酵素であり広葉樹パルプを対象とする場合はキシラ
ナーゼを主体とする酵素を用いる。これらキレート剤処
理段の処理条件はその後の過酸化物やオゾン漂白での過
酸化水素を効率よく反応させるような条件が選ばれる。
【0009】パルプ濃度は2〜15重量%、処理温度は
30〜80℃、処理時間は30〜150分、処理pHは
4〜10、キレート剤の添加量は0.01〜5重量%
(対絶乾パルプ)であり、キレート剤処理段に酵素を添
加する場合の酵素の添加量はキシラナーゼの場合は0.
1〜1000U/g(対絶乾パルプ)である。ここでキ
シラナーゼ活性は1%のキシラン(約pH5)1mlと
酵素1mlを50℃、30分作用させた時1分間に1μ
molのキシロースに相当する還元糖を生成する活性を
1U/gとして表す。
【0010】以上のような条件でキレート剤処理段で処
理されて発生する排水中には金属が多く含まれている。
これはキレート剤処理段でパルプ中に存在する金属がキ
レート剤によって除去され排水中に移行するからであ
る。
【0011】キレート剤処理段の後に続く漂白段が過酸
化水素の場合は過酸化水素の漂白作用に悪影響を及ぼす
といわれているマンガンを除去する事がキレート剤処理
段の目的であるため本処理段では特に処理排水中にマン
ガンを多く含有する。
【0012】一方酸素漂白においてマンガンが脱リグニ
ンの効率を高めることは公知である。従って、本発明で
はキレート剤処理段から発生する処理排水を酸素漂白段
に添加する。処理排水の添加方法は以下に示す方法があ
る。通常酸素漂白工程は漂白工程の前にありこれは本発
明のキレート剤処理段をもつ非塩素漂白工程でも同様で
ある。酸素漂白後は洗浄が必要なため通常酸素漂白段の
後に洗浄機がひとつ又は複数設置されている。一般に洗
浄機の白水の一部は酸素漂白段に入るパルプの濃度を調
整するための希釈水として使用される。従って処理排水
を洗浄機の洗浄水として使用すれば酸素漂白に処理排水
を添加する事になる。この事は処理排水を前工程へ回収
する事を意味する。
【0013】添加する処理排水の量はキレート剤処理段
から発生する量の全量あるいはその一部を使用する。酵
素漂白の効率を上げるための添加量は多いほど好まし
い。しかし、洗浄機の洗浄水の量は洗浄条件や工程全体
の水バランスによって変わってくるため添加量はこれら
の制限条件に応じて決められる。処理排水のもうひとつ
の添加方法は酸素漂白段に入るパルプの濃度調整の希釈
水として使用する方法である。この場合も発生する処理
排水の全量あるいはその一部を希釈水として使用するが
工程全体の水バランスによってその量は決められる。こ
れら処理排水中に含まれるマンガンが酸素漂白段に添加
されて本発明は達成される。
【0014】酸素漂白段の漂白条件は一般に中濃度酸素
漂白法と称される方法を採用する時はパルプ濃度は8〜
10%、温度70〜140℃、滞留時間10〜90分、
圧力大気圧〜9Kg/cm2、酸素添加量0.5〜3.
0重量%(対絶乾パルプ)である。
【0015】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。 実施例1 国産広葉樹をクラフト蒸解後、酸素漂白した未晒パルプ
(カッパー価9.5)をキレート剤で処理した。キレー
ト剤の処理条件はキレート剤としてジエチレントリアミ
ン5酢酸(DTPA)を0.1重量%(対絶乾パルプ)
添加し、pHを硫酸で6.0、パルプ濃度10.0%に
調整し、50℃で60分間反応させた。反応後パルプを
脱水して濾液を採取した。得られた濾液中のマンガンの
濃度を表1に示す。本濾液を以下に行う酸素漂白に使用
した。
【0016】国産広葉樹をクラフト蒸解し洗浄して得ら
れた未晒パルプ(パルプ濃度22%、カッパー価18.
2、パルプ粘度32.6cP)を酸素漂白した。漂白条
件はアルカリ添加率1.5重量%(対絶乾パルプ、as
NaOH)、酸素添加量1.5重量%(対絶乾パル
プ)、反応温度110℃、反応時間60分で行った。パ
ルプ濃度は12%の中濃度で行ったが、未晒パルプのパ
ルプ濃度である22%から12%まで濃度を低下させる
ための希釈液は前記で得られたキレート剤処理の濾液を
使用した。酸素漂白で得られたパルプのカッパー価とパ
ルプ粘度を表2に示す。
【0017】実施例2 実施例1と同じ国産広葉樹の未晒パルプ(カッパー価
9.5)をキレート剤と酵素を同時に添加して処理し
た。キレート剤、酵素同時処理の条件はキレート剤とし
てジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)を0.1重
量%(対絶乾パルプ)と酵素としてキシラナーゼを10
U/g(対絶乾パルプ)同時に添加し、pHを硫酸で
5.0、パルプ濃度10.0%に調整し、50℃で60
分間反応させた。反応後パルプを脱水して濾液を採取し
た。得られた濾液中のマンガンの濃度を表1に示す。本
濾液を以下に行う酸素漂白に使用した。酸素漂白は実施
例1のパルプ濃度を22%から12%まで低下させるの
に使用した希釈液をここで得られた濾液を使用する事以
外は実施例1と同じ未晒パルプを用いて同じ条件で行っ
た。得られたパルプのカッパー価とパルプ粘度を表2に
示す。
【0018】実施例3 実施例1と同じ国産広葉樹の未晒パルプ(カッパー価
9.5)をキレート剤と酵素を同時に添加して処理し
た。キレート剤、酵素同時処理の条件はキレート剤とし
てポリアルキレンポリアミンポリアセテートを0.2重
量%(対絶乾パルプ)と酵素としてキシラナーゼを10
U/g(対絶乾パルプ)同時に添加し、pHを硫酸で
5.0、パルプ濃度10.0%に調整し、60℃で80
分間反応させた。反応後パルプを脱水して濾液を採取し
た。得られた濾液中のマンガンの濃度を表1に示す。本
濾液を以下に行う酸素漂白に使用した。酸素漂白は実施
例1のパルプ濃度を22%から12%まで低下させるの
に使用した希釈液をここで得られた濾液を使用する事以
外は実施例1と同じ未晒パルプを用いて同じ条件で行っ
た。得られたパルプのカッパー価とパルプ粘度を表2に
示す。
【0019】比較例1 実施例1で使用した酸素漂白で未晒パルプのパルプ濃度
である22%から12%まで低下させるための希釈液に
純水(マンガン濃度は検出限界である0.1ppm以
下)を使用した以外は実施例1同じ未晒パルプを用いて
同じ条件で酸素漂白を行った。得られたパルプのカッパ
ー価とパルプ粘度を表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表2の実施例1,2,3と比較例1の比較
から本発明のキレート剤処理段やキレート剤と酵素の混
合物による処理段から発生する処理排水を酸素漂白に使
用すれば脱リグニン度が高められることが分かる。
【0023】
【発明の効果】本発明の酸素漂白方法を用いれば従来法
の酸素漂白方法に比較して低いカッパー価のパルプが得
られ、漂白排水負荷量の軽減が図られるという利点があ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学パルプの酸素漂白方法であって、酸
    素漂白後に続く非塩素漂白段のひとつであるキレート剤
    処理段またはキレート剤と酵素の混合物による処理段か
    ら発生する処理排水を酸素漂白段に添加することを特徴
    とする化学パルプの酸素漂白方法。
JP25844094A 1994-10-24 1994-10-24 化学パルプの酸素漂白方法 Pending JPH08120583A (ja)

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