JPH08120367A - 耐摩耗性アルミニウム合金系複合材料 - Google Patents
耐摩耗性アルミニウム合金系複合材料Info
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- JPH08120367A JPH08120367A JP6281227A JP28122794A JPH08120367A JP H08120367 A JPH08120367 A JP H08120367A JP 6281227 A JP6281227 A JP 6281227A JP 28122794 A JP28122794 A JP 28122794A JP H08120367 A JPH08120367 A JP H08120367A
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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Abstract
(57)【要約】
【目的】非焼付性、耐摩耗性などの摺動特性に優れた摺
動材料として強化繊維を加えたアルミニウム合金系複合
材料を提供する。 【構成】直径0.2〜1.2μm、長さ10〜30μm
の無機系ウイスカーを重量%で85〜95%と、長さ1
00〜300μmのアルミナファイバーを重量%で5〜
15%からなるハイブリッド成形体を体積率で10〜4
0%含み、マトリックスが重量%でSi4〜12%、残
部Alからなり、前記Siの平均粒子径を5μm以下と
している。特に無機系ウイスカーをチタン酸カリウム及
び/又はほう酸アルミニウムとする。
動材料として強化繊維を加えたアルミニウム合金系複合
材料を提供する。 【構成】直径0.2〜1.2μm、長さ10〜30μm
の無機系ウイスカーを重量%で85〜95%と、長さ1
00〜300μmのアルミナファイバーを重量%で5〜
15%からなるハイブリッド成形体を体積率で10〜4
0%含み、マトリックスが重量%でSi4〜12%、残
部Alからなり、前記Siの平均粒子径を5μm以下と
している。特に無機系ウイスカーをチタン酸カリウム及
び/又はほう酸アルミニウムとする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は耐摩耗性に優れたアル
ミニウム合金系複合材料に関する。
ミニウム合金系複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータリーコンプレッサのロータやベー
ンなどはロータリシリンダ内を摺動回転運動を行なう。
このような摺動部材はこれらの高速化に伴って、軽量化
とともに摺動特性を高める必要がある。このような事情
から、Al系合金に強化繊維を強化材料として加えた複
合材料が種々開発され、この例として、下記の従来技術
1及び従来技術2などが知られている。
ンなどはロータリシリンダ内を摺動回転運動を行なう。
このような摺動部材はこれらの高速化に伴って、軽量化
とともに摺動特性を高める必要がある。このような事情
から、Al系合金に強化繊維を強化材料として加えた複
合材料が種々開発され、この例として、下記の従来技術
1及び従来技術2などが知られている。
【0003】従来技術1:特開平4ー350135号公
報に開示された発明は、ロータリーコンプレッサ用のベ
ーン部材とロータ部材などの摺動部材同士の組成の組合
せ構造に関する発明であって、第一の部材がほう酸アル
ミニウムウイスカとアルミナファイバのハイブリッド成
形体にアルミニウム合金を含浸したアルミニウム合金複
合材からなる摺動材料とされている。また、第二の部材
として穴あけ加工により軽量化された鋳鉄系材としてい
る。そして、この第一の部材では、ほう酸アルミニウム
ウイスカとアルミナファイバとの配合比を0.5〜2.
0とするとともに、含浸するアルミナ合金にはSiが2
0〜30%含有されている。この構成によって、相手部
材の鋳鉄系材に対する攻撃性を緩和することができると
している。
報に開示された発明は、ロータリーコンプレッサ用のベ
ーン部材とロータ部材などの摺動部材同士の組成の組合
せ構造に関する発明であって、第一の部材がほう酸アル
ミニウムウイスカとアルミナファイバのハイブリッド成
形体にアルミニウム合金を含浸したアルミニウム合金複
合材からなる摺動材料とされている。また、第二の部材
として穴あけ加工により軽量化された鋳鉄系材としてい
る。そして、この第一の部材では、ほう酸アルミニウム
ウイスカとアルミナファイバとの配合比を0.5〜2.
0とするとともに、含浸するアルミナ合金にはSiが2
0〜30%含有されている。この構成によって、相手部
材の鋳鉄系材に対する攻撃性を緩和することができると
している。
【0004】従来技術2:特開平4ー350136号公
報に開示された発明は、ほう酸アルミニウムウイスカと
アルミナファイバの割合が体積百分率で20〜80%か
らなる強化繊維にアルミニウム合金を含浸した摺動材料
の例が示されている。
報に開示された発明は、ほう酸アルミニウムウイスカと
アルミナファイバの割合が体積百分率で20〜80%か
らなる強化繊維にアルミニウム合金を含浸した摺動材料
の例が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術1において
は、第一の部材がほう酸アルミニウムウイスカとアルミ
ナファイバからなるハイブリッド成形体からなり、アル
ミナファイバが33〜67%配合することによって、ハ
イブリッド成形体の成形性を確保している。しかし、ア
ルミナファイバは硬度が高いために、このハイブリット
成形体にアルミニウム系合金を含浸した摺動材料は、相
手材に対する攻撃性が高くなるという課題がある。ま
た、含浸するアルミニウム系合金にはSiを20〜30
%含有することによって、耐摩耗性及び低熱膨張性を確
保しているが、硬くて脆い粗大な初晶シリコン粒子が析
出して、靱性に欠けたものとなるという課題がある。ま
た、従来技術2においても、ハイブリッド成形体の中に
アルミナファイバが20〜80%含まれているために相
手材に対する攻撃性が高くなるという課題がある。
は、第一の部材がほう酸アルミニウムウイスカとアルミ
ナファイバからなるハイブリッド成形体からなり、アル
ミナファイバが33〜67%配合することによって、ハ
イブリッド成形体の成形性を確保している。しかし、ア
ルミナファイバは硬度が高いために、このハイブリット
成形体にアルミニウム系合金を含浸した摺動材料は、相
手材に対する攻撃性が高くなるという課題がある。ま
た、含浸するアルミニウム系合金にはSiを20〜30
%含有することによって、耐摩耗性及び低熱膨張性を確
保しているが、硬くて脆い粗大な初晶シリコン粒子が析
出して、靱性に欠けたものとなるという課題がある。ま
た、従来技術2においても、ハイブリッド成形体の中に
アルミナファイバが20〜80%含まれているために相
手材に対する攻撃性が高くなるという課題がある。
【0006】このように従来のハイブリッド成形体で
は、その保形性を確保するためにアルミナファイバの配
合割合を高くしているために、このハイブリッド成形体
を使用した摺動材料では、非焼付性、耐摩耗性などの摺
動特性が未だ十分な性能を発揮するに至っていなかっ
た。そこで、この発明では、摺動材料として要求される
非焼付性、耐摩耗性などの摺動特性に優れたアルミニウ
ム合金系複合材料を提供することを目的としている。
は、その保形性を確保するためにアルミナファイバの配
合割合を高くしているために、このハイブリッド成形体
を使用した摺動材料では、非焼付性、耐摩耗性などの摺
動特性が未だ十分な性能を発揮するに至っていなかっ
た。そこで、この発明では、摺動材料として要求される
非焼付性、耐摩耗性などの摺動特性に優れたアルミニウ
ム合金系複合材料を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明では、直径0.2〜1.2μ
m、長さ10〜30μmの無機系ウイスカーを重量%で
85〜95%と、長さ100〜300μmのアルミナフ
ァイバーを重量%で5〜15%からなるハイブリッド成
形体を体積率で10〜40%含み、マトリックスが重量
%でSi4〜12%、残部Alからなり、前記Siの平
均粒子径が5μm以下としている。
ために、請求項1の発明では、直径0.2〜1.2μ
m、長さ10〜30μmの無機系ウイスカーを重量%で
85〜95%と、長さ100〜300μmのアルミナフ
ァイバーを重量%で5〜15%からなるハイブリッド成
形体を体積率で10〜40%含み、マトリックスが重量
%でSi4〜12%、残部Alからなり、前記Siの平
均粒子径が5μm以下としている。
【0008】請求項2の発明では、請求項1において、
無機系ウイスカーがチタン酸カリウム及び/又はほう酸
アルミニウムとしている。請求項3の発明では、Cu
4.5%以下、Mg3%以下、Ni3%以下を含むこと
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の耐摩耗性アル
ミニウム合金系複合材料。
無機系ウイスカーがチタン酸カリウム及び/又はほう酸
アルミニウムとしている。請求項3の発明では、Cu
4.5%以下、Mg3%以下、Ni3%以下を含むこと
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の耐摩耗性アル
ミニウム合金系複合材料。
【0009】
【作用】次にこの発明の構成を定めた理由について説明
する。 (1)マトリックス Siは耐摩耗性、耐クリープ性を向上させるとともに、
熱膨張率を低くする。8%未満では、特に耐摩耗性が十
分ではない。14%を越えると脆い初晶シリコンが析出
して衝撃に対して弱くなる。このため、Siを4〜12
%とする。Siの結晶粒子は5μm以上となるとマトリ
ックスが脆化するため、5μm以下とする。特に2〜4
μmが望ましい。
する。 (1)マトリックス Siは耐摩耗性、耐クリープ性を向上させるとともに、
熱膨張率を低くする。8%未満では、特に耐摩耗性が十
分ではない。14%を越えると脆い初晶シリコンが析出
して衝撃に対して弱くなる。このため、Siを4〜12
%とする。Siの結晶粒子は5μm以上となるとマトリ
ックスが脆化するため、5μm以下とする。特に2〜4
μmが望ましい。
【0010】また、特にCu、Mg、Niを添加するこ
とによってマトリックスを強化し、さらにSiの結晶粒
子が微細化されるために、これらを添加することが望ま
しい。添加量はCu4.5%以下、Mg3%以下、Ni
3%以下とする。この理由として、Cuはマトリックス
中に固溶し、マトリックスの強度を向上させる。また結
晶を微細化して、硬さ、引張り強度などの機械的強度、
耐摩耗性を高める。5%を越えると脆くなるばかりか、
鋳造性も悪くなるため、4.5%以下とする。Mgはマ
トリックス中に固溶または金属間化合物(Mg2Si)
を析出する。これによって引張り強さ、硬度及び耐摩耗
性を向上する。0.1%未満ではこの効果が期待できな
い。また、3%を越えると鋳造性が悪くなるため、3%
以下とする。Niはマトリックスを強化し、耐摩耗性も
向上させる。これによって引張り強さ、硬度及び耐摩耗
性を向上する。また、3%を越えると鋳造性が悪くなる
ため、3%以下とする。
とによってマトリックスを強化し、さらにSiの結晶粒
子が微細化されるために、これらを添加することが望ま
しい。添加量はCu4.5%以下、Mg3%以下、Ni
3%以下とする。この理由として、Cuはマトリックス
中に固溶し、マトリックスの強度を向上させる。また結
晶を微細化して、硬さ、引張り強度などの機械的強度、
耐摩耗性を高める。5%を越えると脆くなるばかりか、
鋳造性も悪くなるため、4.5%以下とする。Mgはマ
トリックス中に固溶または金属間化合物(Mg2Si)
を析出する。これによって引張り強さ、硬度及び耐摩耗
性を向上する。0.1%未満ではこの効果が期待できな
い。また、3%を越えると鋳造性が悪くなるため、3%
以下とする。Niはマトリックスを強化し、耐摩耗性も
向上させる。これによって引張り強さ、硬度及び耐摩耗
性を向上する。また、3%を越えると鋳造性が悪くなる
ため、3%以下とする。
【0011】(2)ハイブリッド成形体 無機系ウイスカーは、ほう酸アルミニウムウイスカー及
び/又はチタン酸カリウムウイスカーからなる。このほ
う酸アルミニウムウイスカー及び/又はチタン酸カリウ
ムウイスカーは、潤滑特性に優れており、特に相手材の
攻撃性が少ない。無機系ウイスカーは、直径1.2μm
以下、長さ30μm以下とする。また、アルミナファイ
バーは、長さ100〜300μmとして、このアルミナ
ファイバーの長い繊維と無機ウイスカーの短い繊維を混
合することによって、これらが絡み合って、保形性のあ
るハイブリッド成形体が形成される。このハイブリッド
成形体には無機系ウイスカーが85〜95%、アルミナ
ファイバーが5〜15%の混合割合とする。アルミナフ
ァイバーが15%を越えると、耐焼付性が劣化するとと
もに相手材へ攻撃性が高くなる。また、5%未満では、
ハイブリッド成形体の保形性が維持できなくなって、ア
ルミニウム溶湯を注ぎ込む際に、このハイブリッド成形
体がへたって、二層の材料となってしまい、アルミニウ
ム合金が含浸した複合材料が得られ難くなる。このハイ
ブリッド成形体を体積比で10〜40%とし、アルミニ
ウム系合金を60〜90%とした複合材料とする。ハイ
ブリッド成形体が10%未満では、耐摩耗性及び保形性
が悪くなり、90%を越えるともろくなる。特に15〜
30%が望ましい。
び/又はチタン酸カリウムウイスカーからなる。このほ
う酸アルミニウムウイスカー及び/又はチタン酸カリウ
ムウイスカーは、潤滑特性に優れており、特に相手材の
攻撃性が少ない。無機系ウイスカーは、直径1.2μm
以下、長さ30μm以下とする。また、アルミナファイ
バーは、長さ100〜300μmとして、このアルミナ
ファイバーの長い繊維と無機ウイスカーの短い繊維を混
合することによって、これらが絡み合って、保形性のあ
るハイブリッド成形体が形成される。このハイブリッド
成形体には無機系ウイスカーが85〜95%、アルミナ
ファイバーが5〜15%の混合割合とする。アルミナフ
ァイバーが15%を越えると、耐焼付性が劣化するとと
もに相手材へ攻撃性が高くなる。また、5%未満では、
ハイブリッド成形体の保形性が維持できなくなって、ア
ルミニウム溶湯を注ぎ込む際に、このハイブリッド成形
体がへたって、二層の材料となってしまい、アルミニウ
ム合金が含浸した複合材料が得られ難くなる。このハイ
ブリッド成形体を体積比で10〜40%とし、アルミニ
ウム系合金を60〜90%とした複合材料とする。ハイ
ブリッド成形体が10%未満では、耐摩耗性及び保形性
が悪くなり、90%を越えるともろくなる。特に15〜
30%が望ましい。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、この請求項1の発
明では、直径0.2〜1.2μm、長さ10〜30μm
の無機系ウイスカーを重量%で85〜95%と、長さ1
00〜300μmのアルミナファイバーを重量%で5〜
15%からなるハイブリッド成形体を体積率で10〜4
0%含み、マトリックスが重量%でSi4〜12%、残
部Alからなり、前記Siの平均粒子径が5μm以下と
することにより、耐焼付性及び耐摩耗性に優れるととも
に、特に相手材の攻撃性の少ないアルミニウム合金系複
合材料とすることができる。
明では、直径0.2〜1.2μm、長さ10〜30μm
の無機系ウイスカーを重量%で85〜95%と、長さ1
00〜300μmのアルミナファイバーを重量%で5〜
15%からなるハイブリッド成形体を体積率で10〜4
0%含み、マトリックスが重量%でSi4〜12%、残
部Alからなり、前記Siの平均粒子径が5μm以下と
することにより、耐焼付性及び耐摩耗性に優れるととも
に、特に相手材の攻撃性の少ないアルミニウム合金系複
合材料とすることができる。
【0013】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、無機系ウイスカーとして特に優れるチタン酸カリ
ウム及び/又はほう酸アルミニウムとして、請求項1の
発明の効果を高めることができる。
いて、無機系ウイスカーとして特に優れるチタン酸カリ
ウム及び/又はほう酸アルミニウムとして、請求項1の
発明の効果を高めることができる。
【0014】請求項3の発明では、請求項1又は請求項
2の発明において、マトリックス中にCu4.5%以
下、Mg3%以下、Ni3%以下を含むことによって、
更に請求項1又は請求項2の発明の効果を高めることが
できる。
2の発明において、マトリックス中にCu4.5%以
下、Mg3%以下、Ni3%以下を含むことによって、
更に請求項1又は請求項2の発明の効果を高めることが
できる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
この実施例及び比較例の試験材を得るために、まずハイ
ブリッド成形体を製作した。無機系ウイスカーとして
は、ほう酸アルミニウムウイスカとチタン酸カリウムウ
イスカーを選んだ。ほう酸アルミニウムウイスカ及びチ
タン酸カリウムウイスカーは、平均繊維径0.5μm、
平均繊維長さ20μmのものを使用した。また、アルミ
ナファイバーとしては、平均繊維径3μm、平均繊維長
さ200μmのものを使用した。また、バインダーとし
てアルミナゾル又はシリカゾルを用いた。これらを表1
に示す所定の配合割合になるように水溶液中に投入、攪
拌し、無機ウイスカーとアルミナファイバーを分散、混
合した。その後所定の体積率になるようサンクションポ
ンプにより金型内に吸引凝集し、さらにプレスにより体
積率を整えながら脱水した。これにより保形性が確保さ
れ、乾燥後に1100゜Cで焼成して、ハイブリッド成
形体を作成した。
この実施例及び比較例の試験材を得るために、まずハイ
ブリッド成形体を製作した。無機系ウイスカーとして
は、ほう酸アルミニウムウイスカとチタン酸カリウムウ
イスカーを選んだ。ほう酸アルミニウムウイスカ及びチ
タン酸カリウムウイスカーは、平均繊維径0.5μm、
平均繊維長さ20μmのものを使用した。また、アルミ
ナファイバーとしては、平均繊維径3μm、平均繊維長
さ200μmのものを使用した。また、バインダーとし
てアルミナゾル又はシリカゾルを用いた。これらを表1
に示す所定の配合割合になるように水溶液中に投入、攪
拌し、無機ウイスカーとアルミナファイバーを分散、混
合した。その後所定の体積率になるようサンクションポ
ンプにより金型内に吸引凝集し、さらにプレスにより体
積率を整えながら脱水した。これにより保形性が確保さ
れ、乾燥後に1100゜Cで焼成して、ハイブリッド成
形体を作成した。
【0016】このようにして作成したハイブリッド成形
体を250℃に予熱された金型内にセットした上で、表
1に示す成分からなるアルミニウム合金の溶湯をそれぞ
れ注入し、直ちに約1000kgf/cm2の圧力で加
圧して円板状の鋳造体を得た。この鋳造体をT6処理
(溶体化520℃、人工時効170℃×7時間)して、
図1、図2に示す形状に機械加工によって成形し、両リ
ング溝間をリング形状の摺動面とする実施例1〜9及び
比較例10〜15の試験片1を得た。
体を250℃に予熱された金型内にセットした上で、表
1に示す成分からなるアルミニウム合金の溶湯をそれぞ
れ注入し、直ちに約1000kgf/cm2の圧力で加
圧して円板状の鋳造体を得た。この鋳造体をT6処理
(溶体化520℃、人工時効170℃×7時間)して、
図1、図2に示す形状に機械加工によって成形し、両リ
ング溝間をリング形状の摺動面とする実施例1〜9及び
比較例10〜15の試験片1を得た。
【0017】
【表1】
【0018】次に、この実施例1〜9及び比較例10〜
15について、焼付試験を行った。焼付試験は、特開平
2ー80813号公報にも記載されている鈴木式摩擦試
験機を使用し、焼付試験を表3及び表4に示す試験条件
で行なった。馴染み運転の後に静荷重を順次増加して、
この試料の背面温度が200℃を越えるか又は摩擦力が
50kgf・cmに達した時の荷重を焼付面圧とした。
この結果を表2に示す。
15について、焼付試験を行った。焼付試験は、特開平
2ー80813号公報にも記載されている鈴木式摩擦試
験機を使用し、焼付試験を表3及び表4に示す試験条件
で行なった。馴染み運転の後に静荷重を順次増加して、
この試料の背面温度が200℃を越えるか又は摩擦力が
50kgf・cmに達した時の荷重を焼付面圧とした。
この結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】この表2に示されるように、無機系ウイス
カーとしてほう酸アルミニウムウイスカーを用いて、こ
れを重量%で75,70%のハイブリッド成形体を用い
た比較例11及び比較例15では、6MPaの焼付面圧
となって低い非焼付性を示した。一方実施例1〜実施例
9では、9MPa以上の焼付面圧となって高い耐焼付性
を示した。特に、実施例1及び実施例2では、15MP
aの焼付面圧と高い耐焼付性を示した。
カーとしてほう酸アルミニウムウイスカーを用いて、こ
れを重量%で75,70%のハイブリッド成形体を用い
た比較例11及び比較例15では、6MPaの焼付面圧
となって低い非焼付性を示した。一方実施例1〜実施例
9では、9MPa以上の焼付面圧となって高い耐焼付性
を示した。特に、実施例1及び実施例2では、15MP
aの焼付面圧と高い耐焼付性を示した。
【0023】次に摩耗試験を表5に示す試験条件で行っ
た。
た。
【0024】
【表5】
【0025】この結果を表2に示す。試験材及び相手材
摩耗量は、試験前と試験後の板厚の差により求めた。こ
の表2に示されるように、チタン酸カリウムウイスカー
を100%とし、アルミナファイバーを混合していない
比較例12では、試験材摩耗量が大きかった。また、マ
トリックス金属にSiが2%と低い比較例14において
も試験材摩耗量が大きかった。
摩耗量は、試験前と試験後の板厚の差により求めた。こ
の表2に示されるように、チタン酸カリウムウイスカー
を100%とし、アルミナファイバーを混合していない
比較例12では、試験材摩耗量が大きかった。また、マ
トリックス金属にSiが2%と低い比較例14において
も試験材摩耗量が大きかった。
【0026】相手材摩耗量としては、アルミナ短繊維が
20%以上含まれているハイブリッド成形体の比較例1
0、比較例11及び比較例15では、硬いアルミナファ
イバーの混合%が高いために、その摩耗量が大きくなっ
たものと思われる。また、マトリックス金属中にSiが
17%含まれている比較例13では、初晶シリコンによ
って平均Si粒子径が8μmと粗大化しており、この粗
大なSi粒子によって相手材摩耗量が大きくなったもの
と思われる。この表2に示される焼付試験、及び摩耗試
験の結果から、実施例1〜実施例9のいずれにおいて
も、耐焼付性・耐摩耗性のいずれも良好であることが示
された。
20%以上含まれているハイブリッド成形体の比較例1
0、比較例11及び比較例15では、硬いアルミナファ
イバーの混合%が高いために、その摩耗量が大きくなっ
たものと思われる。また、マトリックス金属中にSiが
17%含まれている比較例13では、初晶シリコンによ
って平均Si粒子径が8μmと粗大化しており、この粗
大なSi粒子によって相手材摩耗量が大きくなったもの
と思われる。この表2に示される焼付試験、及び摩耗試
験の結果から、実施例1〜実施例9のいずれにおいて
も、耐焼付性・耐摩耗性のいずれも良好であることが示
された。
【図1】試験片の平面図である。
【図2】A−A線断面図である。
1…試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 善昭 名古屋市北区猿投町2番地 大同メタル工 業株式会社内 (72)発明者 加藤 鋭次 名古屋市名東区猪高町大字高針字原10ー36
Claims (3)
- 【請求項1】 直径0.2〜1.2μm、長さ10〜3
0μmの無機系ウイスカーを重量%で85〜95%と、
長さ100〜300μmのアルミナファイバーを重量%
で5〜15%からなるハイブリッド成形体を体積率で1
0〜40%含み、マトリックスが重量%でSi4〜12
%、残部Alからなり、前記Siの平均粒子径が5μm
以下である耐摩耗性アルミニウム合金系複合材料。 - 【請求項2】 無機系ウイスカーが、チタン酸カリウム
及び/又はほう酸アルミニウムであることを特徴とする
請求項1記載の耐摩耗性アルミニウム合金系複合材料。 - 【請求項3】 Cu4.5%以下、Mg3%以下、Ni
3%以下を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2
記載の耐摩耗性アルミニウム合金系複合材料。
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