JPH08120355A - 非鉄金属製錬用電気錬かん炉およびその原料スラグ装入方法 - Google Patents
非鉄金属製錬用電気錬かん炉およびその原料スラグ装入方法Info
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- JPH08120355A JPH08120355A JP28450594A JP28450594A JPH08120355A JP H08120355 A JPH08120355 A JP H08120355A JP 28450594 A JP28450594 A JP 28450594A JP 28450594 A JP28450594 A JP 28450594A JP H08120355 A JPH08120355 A JP H08120355A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 硫化精鉱を原料とする非鉄金属製錬におい
て、電気錬かん炉及びその操業に関し、排出スラグ中の
目的金属含有量を低下させ、目的金属の実収率を向上さ
せる。また、電気錬かん炉のスラグ流入口のスラグが衝
突する部分について、耐火物熔損を防止する。 【構成】 硫化精鉱を原料とする非鉄金属製錬におい
て、該製錬に使用する熔錬炉から排出されるスラグ中の
有価金属を回収するための電気錬かん炉であって、該電
気錬かん炉の該スラグ流入口に水冷ジャケットを設け、
熔錬炉から排出されるスラグを該電気錬かん炉に移送す
るスラグ樋の流出口から該スラグが流れ出る際、該水冷
ジャケットに衝突させ、熔体スラグの水平方向の速度を
実質上零にした後、該電気錬かん炉内へ落下流入させ
る。
て、電気錬かん炉及びその操業に関し、排出スラグ中の
目的金属含有量を低下させ、目的金属の実収率を向上さ
せる。また、電気錬かん炉のスラグ流入口のスラグが衝
突する部分について、耐火物熔損を防止する。 【構成】 硫化精鉱を原料とする非鉄金属製錬におい
て、該製錬に使用する熔錬炉から排出されるスラグ中の
有価金属を回収するための電気錬かん炉であって、該電
気錬かん炉の該スラグ流入口に水冷ジャケットを設け、
熔錬炉から排出されるスラグを該電気錬かん炉に移送す
るスラグ樋の流出口から該スラグが流れ出る際、該水冷
ジャケットに衝突させ、熔体スラグの水平方向の速度を
実質上零にした後、該電気錬かん炉内へ落下流入させ
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、硫化精鉱を原料とする
非鉄金属製錬に関し、該製錬に使用する熔錬炉から排出
されるスラグ中の有価金属を回収するための電気錬かん
炉およびその操業方法に関する。
非鉄金属製錬に関し、該製錬に使用する熔錬炉から排出
されるスラグ中の有価金属を回収するための電気錬かん
炉およびその操業方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】硫化精鉱を原料とする非鉄金属製錬にお
いて、脈石成分は、熔錬炉でスラグとして目的金属と分
離される。熔錬炉で分離されたスラグ中には、多少の目
的金属が物理的に分散混在または化学的に熔解している
ため、そのまま系外へ排出することは、目的金属の実収
率が低下し経済的でない。従って、熔錬炉から排出され
たスラグは、物理的に分散混在している目的金属の回収
を目的として、電気錬かん炉で再度処理されている。熔
錬炉から排出されたスラグの電気錬かん炉への移送に
は、カーボンや水冷銅ジャケット式等の樋を使用してい
る。この樋のスラグ流出口先端は、電気錬かん炉の天井
や側壁の開口部に位置付けられている。スラグは、その
開口部より電気錬かん炉内へ流入する。電気錬かん炉の
スラグの流入用開口部において、スラグ樋の流出口先端
を離れたスラグは、電気錬かん炉内のスラグ表面に、水
平方向の速度を持ったまま落下する。水平方向の速度を
持ったまま落下したスラグは、炉内のスラグを攪拌し、
また、電気錬かん炉においてスラグ流入用開口部と反対
側にあるスラグ排出口付近へのショートパスの原因とな
る。そのため、スラグの炉内滞留時間を短縮させ、比重
差による金属の分離が不十分のまま、スラグ排出口から
流出してしまうので、目的金属の回収率を悪化させると
いう問題があった。
いて、脈石成分は、熔錬炉でスラグとして目的金属と分
離される。熔錬炉で分離されたスラグ中には、多少の目
的金属が物理的に分散混在または化学的に熔解している
ため、そのまま系外へ排出することは、目的金属の実収
率が低下し経済的でない。従って、熔錬炉から排出され
たスラグは、物理的に分散混在している目的金属の回収
を目的として、電気錬かん炉で再度処理されている。熔
錬炉から排出されたスラグの電気錬かん炉への移送に
は、カーボンや水冷銅ジャケット式等の樋を使用してい
る。この樋のスラグ流出口先端は、電気錬かん炉の天井
や側壁の開口部に位置付けられている。スラグは、その
開口部より電気錬かん炉内へ流入する。電気錬かん炉の
スラグの流入用開口部において、スラグ樋の流出口先端
を離れたスラグは、電気錬かん炉内のスラグ表面に、水
平方向の速度を持ったまま落下する。水平方向の速度を
持ったまま落下したスラグは、炉内のスラグを攪拌し、
また、電気錬かん炉においてスラグ流入用開口部と反対
側にあるスラグ排出口付近へのショートパスの原因とな
る。そのため、スラグの炉内滞留時間を短縮させ、比重
差による金属の分離が不十分のまま、スラグ排出口から
流出してしまうので、目的金属の回収率を悪化させると
いう問題があった。
【０００３】このスラグの水平方向の速度を減少させる
ため、電気錬かん炉の天井部にスラグ流入口がある場合
は、スラグ樋の流出口先端から流出したスラグを、キャ
スター等の耐火物で作られた流入口の立壁に衝突させた
後、電気錬かん炉内に流入させていた。しかし、スラグ
が１２００℃以上と高温であるため、電気錬かん炉内に
流入するスラグは、該耐火物を熔損しやすい性質を保持
している。従って、熔体スラグの衝突する部分の耐火物
の立壁は、２〜３ケ月で熔損してしまっていた。耐火物
の立壁が熔損すると、その後部にある電気錬かん炉の天
井部本体や、天井を支えているＨ型鋼が熔損するという
問題もあった。スラグの流入口が電気錬かん炉の側壁に
ある場合は、スラグは炉壁や天井等に接触や衝突するこ
となく炉内へ流入する構造となっているため熔損の問題
はない。しかし、スラグ樋先端が炉内熔体スラグ面に近
くなると共に、スラグ樋の傾斜は大きくなる。電気錬か
ん炉のスラグ流入口が電気錬かん炉の天井より低い位置
の側壁にあるからである。その結果、炉内へ流入するス
ラグは、水平方向に大きな速度を保持したまま炉内へ落
下することになる。従って、電気錬かん炉のスラグ流入
口が電気錬かん炉の天井にある場合より、炉内に滞留し
ているスラグを大きく攪拌することになり、またスラグ
排出口付近へのショートパスの可能性も大きくなり、目
的金属の回収率をさらに悪化させるという問題もあっ
た。
ため、電気錬かん炉の天井部にスラグ流入口がある場合
は、スラグ樋の流出口先端から流出したスラグを、キャ
スター等の耐火物で作られた流入口の立壁に衝突させた
後、電気錬かん炉内に流入させていた。しかし、スラグ
が１２００℃以上と高温であるため、電気錬かん炉内に
流入するスラグは、該耐火物を熔損しやすい性質を保持
している。従って、熔体スラグの衝突する部分の耐火物
の立壁は、２〜３ケ月で熔損してしまっていた。耐火物
の立壁が熔損すると、その後部にある電気錬かん炉の天
井部本体や、天井を支えているＨ型鋼が熔損するという
問題もあった。スラグの流入口が電気錬かん炉の側壁に
ある場合は、スラグは炉壁や天井等に接触や衝突するこ
となく炉内へ流入する構造となっているため熔損の問題
はない。しかし、スラグ樋先端が炉内熔体スラグ面に近
くなると共に、スラグ樋の傾斜は大きくなる。電気錬か
ん炉のスラグ流入口が電気錬かん炉の天井より低い位置
の側壁にあるからである。その結果、炉内へ流入するス
ラグは、水平方向に大きな速度を保持したまま炉内へ落
下することになる。従って、電気錬かん炉のスラグ流入
口が電気錬かん炉の天井にある場合より、炉内に滞留し
ているスラグを大きく攪拌することになり、またスラグ
排出口付近へのショートパスの可能性も大きくなり、目
的金属の回収率をさらに悪化させるという問題もあっ
た。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硫化精鉱を
原料とする非鉄金属製錬において、電気錬かん炉の操業
について、前記問題点を解決し、第１に電気錬かん炉内
のスラグ中に物理的に懸垂している目的金属の分離を促
進し、電気錬かん炉から排出されたスラグの中の目的金
属含有量を低下させ、目的金属の実収率を向上させるこ
とにある。第２に電気錬かん炉のスラグ流入口のスラグ
が衝突する部分について、耐火物熔損を防止することを
目的とする。
原料とする非鉄金属製錬において、電気錬かん炉の操業
について、前記問題点を解決し、第１に電気錬かん炉内
のスラグ中に物理的に懸垂している目的金属の分離を促
進し、電気錬かん炉から排出されたスラグの中の目的金
属含有量を低下させ、目的金属の実収率を向上させるこ
とにある。第２に電気錬かん炉のスラグ流入口のスラグ
が衝突する部分について、耐火物熔損を防止することを
目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、硫化精鉱を原料とする非鉄金属製錬に
おいて、該製錬に使用する熔錬炉から排出されるスラグ
中の有価金属を回収するための電気錬かん炉への該スラ
グの流入方式を改良する。具体的には、該電気錬かん炉
の該スラグ流入部にスラグ流れ速度の減少および流れ方
向の変更を目的とする銅または銅合金製の水冷ジャケッ
トを設ける。すなわち、熔錬炉から排出されるスラグを
該電気錬かん炉に移送するスラグ樋の流出口から流れ出
るスラグを該水冷ジャケットに衝突させ、該スラグの水
平方向の速度を実質上零にまで失わせた後、該電気錬か
ん炉内へ落下流入させることができる。このように、本
発明に係わる電気錬かん炉により、該電気錬かん炉の該
スラグ流入部において、高温状態のスラグに対し流れ速
度の減少および流れ方向の変更の目的を達成できる。
に、本発明では、硫化精鉱を原料とする非鉄金属製錬に
おいて、該製錬に使用する熔錬炉から排出されるスラグ
中の有価金属を回収するための電気錬かん炉への該スラ
グの流入方式を改良する。具体的には、該電気錬かん炉
の該スラグ流入部にスラグ流れ速度の減少および流れ方
向の変更を目的とする銅または銅合金製の水冷ジャケッ
トを設ける。すなわち、熔錬炉から排出されるスラグを
該電気錬かん炉に移送するスラグ樋の流出口から流れ出
るスラグを該水冷ジャケットに衝突させ、該スラグの水
平方向の速度を実質上零にまで失わせた後、該電気錬か
ん炉内へ落下流入させることができる。このように、本
発明に係わる電気錬かん炉により、該電気錬かん炉の該
スラグ流入部において、高温状態のスラグに対し流れ速
度の減少および流れ方向の変更の目的を達成できる。
【０００６】また、本発明は硫化精鉱を原料とする非鉄
金属製錬において、該製錬に使用する熔錬炉から排出さ
れるスラグ中の有価金属を回収するための電気錬かん炉
の原料装入方法に係わる。すなわち、熔錬炉から排出さ
れるスラグを該電気錬かん炉に移送するスラグ樋の流出
口から該スラグが流れでる際、銅または銅合金製の水冷
ジャケットに衝突させ、該スラグの水平方向の速度を実
質上零にまで失わせた後、該電気錬かん炉内へ落下流入
させる。本発明に係わる電気錬かん炉原料スラグ装入方
法により、該電気錬かん炉の該スラグ流入部において、
高温状態のスラグに対し流れ速度の減少および流れ方向
の変更の目的を達成できる。さらに、本発明は、硫化精
鉱を原料として製錬する熔錬炉から排出されるスラグ中
の有価金属を回収するための電気錬かん炉に対し、該ス
ラグを導くスラグ樋の構造に関する。すなわち、該スラ
グ樋のスラグ流出口に、流出するスラグを衝突させて、
その水平方向速度を失わせる水冷銅ジャケットを一体に
設ける。
金属製錬において、該製錬に使用する熔錬炉から排出さ
れるスラグ中の有価金属を回収するための電気錬かん炉
の原料装入方法に係わる。すなわち、熔錬炉から排出さ
れるスラグを該電気錬かん炉に移送するスラグ樋の流出
口から該スラグが流れでる際、銅または銅合金製の水冷
ジャケットに衝突させ、該スラグの水平方向の速度を実
質上零にまで失わせた後、該電気錬かん炉内へ落下流入
させる。本発明に係わる電気錬かん炉原料スラグ装入方
法により、該電気錬かん炉の該スラグ流入部において、
高温状態のスラグに対し流れ速度の減少および流れ方向
の変更の目的を達成できる。さらに、本発明は、硫化精
鉱を原料として製錬する熔錬炉から排出されるスラグ中
の有価金属を回収するための電気錬かん炉に対し、該ス
ラグを導くスラグ樋の構造に関する。すなわち、該スラ
グ樋のスラグ流出口に、流出するスラグを衝突させて、
その水平方向速度を失わせる水冷銅ジャケットを一体に
設ける。
【０００７】なお、スラグ樋から流出するスラグの有す
る水平方向の速度は、スラグ樋に沿って熔体スラグが流
れる方向が最大である。従って、基本的には、スラグ樋
の延長線上に１枚の銅板水冷ジャケットを設け、スラグ
樋の流出口先端から流出した熔体スラグを該水冷ジャケ
ットに衝突させ、この衝突後のスラグを電気錬かん炉へ
落下流入させることで、スラグ流れの速度の減少および
流れ方向の変更の目的を大部分達成できる。しかし、ス
ラグは、水冷ジャケットへの衝突によって、スラグ樋に
沿って熔体スラグが流れる方向とほぼ直交する方向へ、
弱いながらも水平方向の速度を持つことになる。そこ
で、たとえば、電気錬かん炉天井部のスラグ流入口は、
ジャケットで囲むことが望ましい。この場合、天井部の
スラグ流入口を平板ジャケットで囲んでもよいし、曲面
を有するジャケットを設置してもよい。スラグ流入口の
レンガ構造と一体化してもよい。
る水平方向の速度は、スラグ樋に沿って熔体スラグが流
れる方向が最大である。従って、基本的には、スラグ樋
の延長線上に１枚の銅板水冷ジャケットを設け、スラグ
樋の流出口先端から流出した熔体スラグを該水冷ジャケ
ットに衝突させ、この衝突後のスラグを電気錬かん炉へ
落下流入させることで、スラグ流れの速度の減少および
流れ方向の変更の目的を大部分達成できる。しかし、ス
ラグは、水冷ジャケットへの衝突によって、スラグ樋に
沿って熔体スラグが流れる方向とほぼ直交する方向へ、
弱いながらも水平方向の速度を持つことになる。そこ
で、たとえば、電気錬かん炉天井部のスラグ流入口は、
ジャケットで囲むことが望ましい。この場合、天井部の
スラグ流入口を平板ジャケットで囲んでもよいし、曲面
を有するジャケットを設置してもよい。スラグ流入口の
レンガ構造と一体化してもよい。
【０００８】一方、スラグの流入口が電気錬かん炉の側
壁にある場合は、衝突用の銅板水冷ジャケットを天井部
から吊す方法や、スラグ樋のスラグ流出口先端部におい
て落し口を囲むようにスラグ樋と一体化する方法があ
る。衝突用の銅板水冷ジャケットを設置する目的は、ス
ラグの水平方向の速度がなくなるように、スラグを銅水
冷ジャケットに衝突させることである。従って、ジャケ
ットの構造、形、取り付け方法等は、スラグを銅水冷ジ
ャケットに衝突させることにより、スラグの水平方向の
速度が失われるという目的を果たせば、なんら制限され
るものではない。なお、電気錬かん炉に流入するスラグ
の水平方向成分は実質上零になることが望ましいが、電
気錬かん炉の大きさによっては水平方向成分が少し残っ
ていても実際的には本発明の目的を達成する。
壁にある場合は、衝突用の銅板水冷ジャケットを天井部
から吊す方法や、スラグ樋のスラグ流出口先端部におい
て落し口を囲むようにスラグ樋と一体化する方法があ
る。衝突用の銅板水冷ジャケットを設置する目的は、ス
ラグの水平方向の速度がなくなるように、スラグを銅水
冷ジャケットに衝突させることである。従って、ジャケ
ットの構造、形、取り付け方法等は、スラグを銅水冷ジ
ャケットに衝突させることにより、スラグの水平方向の
速度が失われるという目的を果たせば、なんら制限され
るものではない。なお、電気錬かん炉に流入するスラグ
の水平方向成分は実質上零になることが望ましいが、電
気錬かん炉の大きさによっては水平方向成分が少し残っ
ていても実際的には本発明の目的を達成する。
【０００９】
【作用】銅板水冷ジャケットとの衝突によって、電気錬
かん炉に流入するスラグは、水平方向の速度を持たず、
あるいは極めて小さくし、自由落下によって電気錬かん
炉内の熔体スラグ表面上に供給される。そのため、電気
錬かん炉内のスラグは、スラグ排出口付近にショートパ
スすることなく、所定の滞留時間の後に電気錬かん炉外
に排出される。その結果、電気錬かん炉内のスラグ中に
物理的に分散混在している目的金属の回収処理を効率よ
く行える。
かん炉に流入するスラグは、水平方向の速度を持たず、
あるいは極めて小さくし、自由落下によって電気錬かん
炉内の熔体スラグ表面上に供給される。そのため、電気
錬かん炉内のスラグは、スラグ排出口付近にショートパ
スすることなく、所定の滞留時間の後に電気錬かん炉外
に排出される。その結果、電気錬かん炉内のスラグ中に
物理的に分散混在している目的金属の回収処理を効率よ
く行える。
【００１０】
【実施例】本発明の実施例について図１〜図５に基づい
て説明する。なお、各図の同一の構成は同一の番号を使
用した。図１は、本発明の実施例に係わる熔錬炉と電気
錬かん炉の接続関係を示す一部省略平断面図である。熔
錬炉１と電気錬かん炉２、両者を接続するスラグ樋３、
電気錬かん炉天井部のスラグ流入口４および電極５を主
な構成とする。本実施例では、スラグ樋３を介してスラ
グを流出するために、熔錬炉１は電気錬かん炉２より高
く配置されている。図２は、電気錬かん炉２の一部断面
側面図であり、スラグ樋３の一部が示されている。電気
錬かん炉２の耐火レンガ壁にはマットホール２ａ、スラ
グホール２ｂおよび排ガス煙道２ｃが設けられている。
天井には、電極穴の他にフラックス投入口２ｄが設けら
れている。
て説明する。なお、各図の同一の構成は同一の番号を使
用した。図１は、本発明の実施例に係わる熔錬炉と電気
錬かん炉の接続関係を示す一部省略平断面図である。熔
錬炉１と電気錬かん炉２、両者を接続するスラグ樋３、
電気錬かん炉天井部のスラグ流入口４および電極５を主
な構成とする。本実施例では、スラグ樋３を介してスラ
グを流出するために、熔錬炉１は電気錬かん炉２より高
く配置されている。図２は、電気錬かん炉２の一部断面
側面図であり、スラグ樋３の一部が示されている。電気
錬かん炉２の耐火レンガ壁にはマットホール２ａ、スラ
グホール２ｂおよび排ガス煙道２ｃが設けられている。
天井には、電極穴の他にフラックス投入口２ｄが設けら
れている。
【００１１】図３は、スラグ樋３に対し、電気錬かん炉
に取り付けられたスラグ流入口４の詳細斜視図である。
スラグ流入口４は、図示しない支持装置により天井部に
支持されている。すなわち、該スラグを受け入れる電気
錬かん炉天井部に、図３の水冷ジャケット流入口を設け
る。水冷銅板ジャケット４は、たとえば厚さ８０ｍｍの
直立形水冷銅板４ａ、４ｂをコの字形に組み合わせたも
ので、水平断面の内寸法が、たとえば７００ｍｍ×４２
０ｍｍである。また、スラグ樋３の断面は円弧状でその
幅は、たとえば４００ｍｍである。なお、各水冷銅板４
ａ、４ｂ、４ｃは、その中に水路が形成されていて、冷
却水が流入口６から入って、流出口８から出るようにな
っている。スラグ樋３の流出口は水冷銅板４ｃの上に載
置されている。このスラグ樋３の方向に対し、水冷銅板
４ａは垂直方向に向いている。
に取り付けられたスラグ流入口４の詳細斜視図である。
スラグ流入口４は、図示しない支持装置により天井部に
支持されている。すなわち、該スラグを受け入れる電気
錬かん炉天井部に、図３の水冷ジャケット流入口を設け
る。水冷銅板ジャケット４は、たとえば厚さ８０ｍｍの
直立形水冷銅板４ａ、４ｂをコの字形に組み合わせたも
ので、水平断面の内寸法が、たとえば７００ｍｍ×４２
０ｍｍである。また、スラグ樋３の断面は円弧状でその
幅は、たとえば４００ｍｍである。なお、各水冷銅板４
ａ、４ｂ、４ｃは、その中に水路が形成されていて、冷
却水が流入口６から入って、流出口８から出るようにな
っている。スラグ樋３の流出口は水冷銅板４ｃの上に載
置されている。このスラグ樋３の方向に対し、水冷銅板
４ａは垂直方向に向いている。
【００１２】図４は、電気錬かん炉に取り付けられたス
ラグ流入口４が曲面を有する水冷ジャケットである態様
の例を示すスラグ樋３、電気錬かん炉天井部のスラグ流
入口４の詳細斜視図である。図５は、スラグ樋３に水冷
銅板ジャケット４ａを組み合わせて、樋３自体で水冷銅
板ジャケット４を支持する実施例を示す。スラグは、樋
３内の開口３ａから落下する。この場合、スラグ樋３は
カーボン製でもよいが、スラグ樋３を銅製水冷ジャケッ
トで作製すれば、一体構造が強化され、電気錬かん炉の
天井構造や側壁構造に負担をかけなくて済む。
ラグ流入口４が曲面を有する水冷ジャケットである態様
の例を示すスラグ樋３、電気錬かん炉天井部のスラグ流
入口４の詳細斜視図である。図５は、スラグ樋３に水冷
銅板ジャケット４ａを組み合わせて、樋３自体で水冷銅
板ジャケット４を支持する実施例を示す。スラグは、樋
３内の開口３ａから落下する。この場合、スラグ樋３は
カーボン製でもよいが、スラグ樋３を銅製水冷ジャケッ
トで作製すれば、一体構造が強化され、電気錬かん炉の
天井構造や側壁構造に負担をかけなくて済む。
【００１３】図１〜３に説明した装置を使用し、本発明
に係わる電気錬かん炉の操業方法を実施した。銅精鉱を
日量１９００トン処理する自熔炉すなわち熔錬炉１ら排
出される流量毎時５０トンのスラグを該電気錬かん炉２
に移送するスラグ樋３の流出口から該スラグが流れ出る
際、該電気錬かん炉２の該スラグ流入口に設けた銅板水
冷ジャケット４に衝突させた。衝突後のスラグは、水平
方向の速度を実質上なくした状態で電気錬かん炉２内に
落下した。熔体スラグは、水平方向の速度を持たず、自
由落下によって電気錬かん炉２内の熔体スラグに供給さ
れた。そのため、電気錬かん炉２内に収容されている熔
体スラグは、電気錬かん炉２の排出口付近にまでショー
トパスすることなく、所定の滞留時間の後に電気錬かん
炉２外に排出された。その結果、電気錬かん炉２から排
出されるスラグ中の銅含有量は、従来の０．７４％から
０．６７％まで低下した。しかも、本発明に係わる水冷
ジャケット４を取り付け後、数か月経過しても水冷ジャ
ケット４は、熔損することはなかった。また、天井部の
熔損も全く起きなかった。なお、本実施例でスラグ樋の
断面を円弧状としたが矩形の断面であってもよいことは
いうまでもない。
に係わる電気錬かん炉の操業方法を実施した。銅精鉱を
日量１９００トン処理する自熔炉すなわち熔錬炉１ら排
出される流量毎時５０トンのスラグを該電気錬かん炉２
に移送するスラグ樋３の流出口から該スラグが流れ出る
際、該電気錬かん炉２の該スラグ流入口に設けた銅板水
冷ジャケット４に衝突させた。衝突後のスラグは、水平
方向の速度を実質上なくした状態で電気錬かん炉２内に
落下した。熔体スラグは、水平方向の速度を持たず、自
由落下によって電気錬かん炉２内の熔体スラグに供給さ
れた。そのため、電気錬かん炉２内に収容されている熔
体スラグは、電気錬かん炉２の排出口付近にまでショー
トパスすることなく、所定の滞留時間の後に電気錬かん
炉２外に排出された。その結果、電気錬かん炉２から排
出されるスラグ中の銅含有量は、従来の０．７４％から
０．６７％まで低下した。しかも、本発明に係わる水冷
ジャケット４を取り付け後、数か月経過しても水冷ジャ
ケット４は、熔損することはなかった。また、天井部の
熔損も全く起きなかった。なお、本実施例でスラグ樋の
断面を円弧状としたが矩形の断面であってもよいことは
いうまでもない。
【００１４】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。 （１）電気錬かん炉から排出されるスラグ中の有価金属
の含有量を低下させることができる。その結果、目的金
属の実収率がよくなる。 （２）スラグ流入口が、たとえば電気錬かん炉の天井部
にある場合でも、水冷ジャケットは熔損することはな
く、電気錬かん炉の天井部の熔損もない。その結果、長
期間連続操業ができる。
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。 （１）電気錬かん炉から排出されるスラグ中の有価金属
の含有量を低下させることができる。その結果、目的金
属の実収率がよくなる。 （２）スラグ流入口が、たとえば電気錬かん炉の天井部
にある場合でも、水冷ジャケットは熔損することはな
く、電気錬かん炉の天井部の熔損もない。その結果、長
期間連続操業ができる。
【図１】本発明に係わる熔錬炉と電気錬かん炉の接続関
係を示す一部省略概略平断面図である。
係を示す一部省略概略平断面図である。
【図２】本発明を実施した電気錬かん炉の一部断面側面
図である。
図である。
【図３】本発明の実施例に係わる電気錬かん炉天井部の
スラグ流入口銅製水冷ジャケットとスラグ樋との詳細斜
視図である。
スラグ流入口銅製水冷ジャケットとスラグ樋との詳細斜
視図である。
【図４】別の実施例に係わる電気錬かん炉天井部のスラ
グ流入口銅製水冷ジャケットとスラグ樋との詳細斜視図
である。
グ流入口銅製水冷ジャケットとスラグ樋との詳細斜視図
である。
【図５】別の実施例に係わる銅製水冷ジャケットを有す
るスラグ樋の詳細斜視図である。
るスラグ樋の詳細斜視図である。
１ 熔錬炉 ２ 電気錬かん炉 ３ スラグ樋 ４ 銅板水冷ジャケット ５ 電極
Claims (4)
- 【請求項１】 硫化精鉱を製錬する熔錬炉から排出され
るスラグ中の有価金属を回収するために熔体スラグを収
容する電気錬かん炉において、熔錬炉から排出されるス
ラグを該電気錬かん炉に移送するスラグ樋から該スラグ
が流れ出る際、銅または銅合金製の水冷ジャケットに該
スラグを衝突させ、該スラグの水平方向の速度を失わせ
て、電気錬かん炉内に落下させることを特徴とする電気
錬かん炉の原料スラグ装入方法。 - 【請求項２】 硫化精鉱を製錬する熔錬炉から排出され
るスラグを原料として、該スラグ中の有価金属を回収す
るための電気錬かん炉において、熔錬炉からスラグ樋を
介して排出されるスラグを衝突させる銅または銅合金製
の水冷ジャケットを炉床上一定の高さに設け、スラグ樋
を流出したスラグが該水冷ジャケットとの衝突により水
平方向速度を失うように前記水冷ジャケットを構成した
ことを特徴とする電気錬かん炉。 - 【請求項３】 硫化精鉱を製錬する熔錬炉から排出され
るスラグ中の有価金属を回収するための電気錬かん炉で
あって、該電気錬かん炉のスラグ流入部に銅または銅合
金製の水冷ジャケットを設け、熔錬炉から排出されるス
ラグを該電気錬かん炉に移送するスラグ樋から流れ出る
スラグが、該水冷ジャケットとの衝突により、水平方向
の速度を失うように該水冷ジャケットを構成したことを
特徴とする電気錬かん炉。 - 【請求項４】 硫化精鉱を製錬する熔錬炉から排出され
るスラグを原料として、該スラグ中の有価金属を回収す
るための電気錬かん炉へ前記スラグを導くスラグ樋であ
って、該スラグ樋が水冷銅ジャケット式で形成され、該
スラグ樋のスラグ流出口に流出スラグ衝突用の水冷銅ジ
ャケットが一体に組み合わされていることを特徴とする
電気錬かん炉装入用スラグ樋。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28450594A JP3431314B2 (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 非鉄金属製錬用電気錬かん炉およびその原料スラグ装入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28450594A JP3431314B2 (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 非鉄金属製錬用電気錬かん炉およびその原料スラグ装入方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08120355A true JPH08120355A (ja) | 1996-05-14 |
| JP3431314B2 JP3431314B2 (ja) | 2003-07-28 |
Family
ID=17679382
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28450594A Expired - Lifetime JP3431314B2 (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 非鉄金属製錬用電気錬かん炉およびその原料スラグ装入方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3431314B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103643051A (zh) * | 2013-12-30 | 2014-03-19 | 河南豫光金铅股份有限公司 | 采用底吹熔池熔炼技术处理铜铅冶炼混合渣的工艺及其装置 |
| CN104561563A (zh) * | 2014-12-29 | 2015-04-29 | 河南豫光锌业有限公司 | 一种铟富集渣还原预浸工艺及其装置 |
| CN108531745A (zh) * | 2018-06-28 | 2018-09-14 | 衢州市荣胜环保科技有限公司 | 金属熔渣回收处理系统 |
| CN114807477A (zh) * | 2022-05-24 | 2022-07-29 | 广东韶钢松山股份有限公司 | 一种高炉渣沟流嘴以及排渣方法 |
-
1994
- 1994-10-26 JP JP28450594A patent/JP3431314B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103643051A (zh) * | 2013-12-30 | 2014-03-19 | 河南豫光金铅股份有限公司 | 采用底吹熔池熔炼技术处理铜铅冶炼混合渣的工艺及其装置 |
| CN104561563A (zh) * | 2014-12-29 | 2015-04-29 | 河南豫光锌业有限公司 | 一种铟富集渣还原预浸工艺及其装置 |
| CN108531745A (zh) * | 2018-06-28 | 2018-09-14 | 衢州市荣胜环保科技有限公司 | 金属熔渣回收处理系统 |
| CN108531745B (zh) * | 2018-06-28 | 2024-05-07 | 衢州市荣胜环保科技有限公司 | 金属熔渣回收处理系统 |
| CN114807477A (zh) * | 2022-05-24 | 2022-07-29 | 广东韶钢松山股份有限公司 | 一种高炉渣沟流嘴以及排渣方法 |
| CN114807477B (zh) * | 2022-05-24 | 2023-09-05 | 广东韶钢松山股份有限公司 | 一种高炉渣沟流嘴以及排渣方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3431314B2 (ja) | 2003-07-28 |
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