JPH08120125A - 熱変色性の改善された難燃性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

熱変色性の改善された難燃性ポリオレフィン樹脂組成物

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JPH08120125A
JPH08120125A JP28417194A JP28417194A JPH08120125A JP H08120125 A JPH08120125 A JP H08120125A JP 28417194 A JP28417194 A JP 28417194A JP 28417194 A JP28417194 A JP 28417194A JP H08120125 A JPH08120125 A JP H08120125A
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JP
Japan
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polyolefin resin
group
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flame
nitrogen
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JP28417194A
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English (en)
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Toru Fukazawa
徹 深澤
Shinichi Akitaya
真一 秋田谷
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】成形時や燃焼時に腐食性や有毒性のガスを発生
せず、成形加工性の低下が少なく、成形品の熱変色性を
改善できる難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を提供する
ことである。 【構成】(1)下記(A)から(D)までの合計を10
0重量%として (A)リン系酸化防止剤 0.5〜3重量% (B)ポリ燐酸アンモニウム 10〜40重量% (C)含窒素有機化合物 3〜15重量% (D)ポリオレフィン樹脂 86.5〜42重量% からなる熱変色性の改善された難燃性ポリオレフィン樹
脂組成物。 (2)含窒素有機化合物が下記式で表されるモノマー構
造を基本単位とする単独重合体もしくは共重合体、また
はシアヌル酸クロライドとジアミンとを反応させた反応
生成物である前記1記載の熱変色性の改善された難燃性
ポリオレフィン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱変色性の改善された難
燃性ポリオレフィン樹脂組成物に関する。さらに詳しく
は、ポリオレフィン樹脂を主成分とし、成形時や燃焼時
に腐食性のガスや有毒性のガスの発生が少なく、また成
形加工性の低下も少なく、成形品としたときに得られる
成形品が高度の難燃性能を有し、熱履歴による変色が著
しく改善された難燃性樹脂組成物に関する。従来より、
ポリオレフィン樹脂は加工性、耐薬品性、耐候性、電気
的特性および機械的強度の良さから家庭用電器製品の分
野を始めとして、建築物、室内装飾品、自動車用部品な
ど各種の分野に多用されている。
【0002】
【従来技術】本来ポリオレフィン樹脂は、燃焼し易い樹
脂であるが、使用される用途の拡大にともない該ポリオ
レフィン樹脂にも難燃性が要求され始め、しかも年々、
その要求性能が厳しくなってきている。特に最近では、
従来の難燃化技術の主流であるハロゲン含有化合物と酸
化アンチモンとをポリオレフィン樹脂に配合した難燃性
樹脂組成物は、燃焼時または成形時に腐食性や有毒性を
有するハロゲン系ガスが発生するため問題視されてい
る。そこで燃焼時や成形時にハロゲン系ガスを発生しな
い難燃性樹脂組成物が要求され始めている。これらの要
求に応えるために種々の難燃性樹脂組成物が提案されて
いる。
【0003】例えば特開昭53−92855号公報、特
開昭54−29350号公報、特開昭54−77658
号公報、特開昭56−26954号公報、特開昭57−
87462号公報、特開昭60−110738号公報等
に開示されているように、含水無機化合物(例えば、水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタル
サイト等)を熱可塑性樹脂に添加した組成物、特開昭5
2−146452号公報、特開昭59−147050号
公報に開示されているように、燐酸アンモニウム(もし
くは燐酸アミン)および環状構造に挿入された>C=O
基、>C=S基または>NH基を含有する窒素化合物と
アルデヒドとの反応生成物または1,3,5−トリアジ
ン誘導体のオリゴマ−(もしくはポリマ−)を熱可塑性
樹脂に添加した組成物等が提案されている。しかしなが
ら、含水無機化合物を熱可塑性樹脂に添加した組成物、
例えば水酸化マグネシウムを添加した組成物では、高度
の難燃性を得るために多量の該含水無機化合物を添加す
る必要があり、その結果、該組成物は成形加工性の低下
をもたらすのみならず該組成物を用いて得られる成形品
の物性の低下をもたらす。
【0004】また、特開昭52−146452号公報、
特開昭59−147050号公報に開示されている難燃
性樹脂組成物は成形加工性の低下は比較的少なく、成形
時や燃焼時に腐食性や有毒性を有するガスが発生するこ
とも少ない。しかしながら、該組成物は熱履歴により著
しく変色するため成形品の外観を損ねるといった欠点を
有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、高度の
難燃性を有し、成形時や燃焼時に腐食性や有毒性のガス
を発生せず、成形加工性の低下が少なく、しかも成形品
としたときに得られる成形品の熱変色性を改善できる難
燃性ポリオレフィン樹脂組成物を得るべく鋭意研究し
た。その結果、リン系酸化防止剤、ポリ燐酸アンモニウ
ムおよび含窒素有機化合物の特定量をポリオレフィン樹
脂に配合した難燃性ポリオレフィン樹脂組成物が上述の
課題を解決することができることを見いだし、この知見
に基づき本発明を完成した。以上の記述から明かなよう
に、本発明の目的は成形時や燃焼時に腐食性や有毒性の
ガスを発生せず、成形加工性の低下が少なく、成形品と
したときに得られる成形品の熱変色性を改善できる難燃
性ポリオレフィン樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成を有
する。 (1)下記(A)から(D)までの合計を100重量%
として (A)リン系酸化防止剤 0.5〜3重量% (B)ポリ燐酸アンモニウム 10〜40重量% (C)含窒素有機化合物 3〜15重量% (D)ポリオレフィン樹脂 86.5〜42重量% からなる熱変色性の改善された難燃性ポリオレフィン樹
脂組成物。 (2)含窒素有機化合物が下記化2で表されるモノマー
構造を基本単位とする単独重合体もしくは共重合体、ま
たはシアヌル酸クロライドとジアミンとを反応させた反
応生成物である前記1記載の熱変色性の改善された難燃
性ポリオレフィン樹脂組成物。
【化2】 (式中X,Z1 はいずれも窒素原子を介してトリアジン
骨格に結合している構造であり、Xは−NHR1もしく
は−NR23の基で表されるアルキルアミノ基、モルホ
ルノ基、ピペリジノ基(R1、R2、R3 はそれぞれ炭素
数1〜6を有する線状または分枝状アルキル基であり、
2、R3は同一の基であっても異なっても良い)または
−NHR4 、−NR56の基で表されるヒドロキシアル
キルアミノ基(R4、R5、R6 は炭素数2〜6を有する
線状または分枝状ヒドロキシアルキル基でありR5,R6
は同一の基であっても異なっても良い)。Z1 はピペラ
ジンの2価の基または式−HN(CH2mNH−で表さ
れる2価の基(mは2〜6の整数である)または−NR
7(CH2l8N−で表される基(R7、R8の一方また
は両方がヒドロキシエチル基である)。 (3)ポリオレフィン樹脂がオレフィン系重合体、オレ
フィン系共重合体もしくはポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーである前記第1項記載の熱変色性の改善され
た難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
【0007】本発明で用いられるリン系酸化防止剤とし
ては、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスフ
ァイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−ト
リデシルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブ
タン、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリ
トールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリ
トールジフォスファイト、ジフェニル−ペンタエリスリ
トール−ジフォスファイト、ビス(2,4,6−トリ−
t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォス
ファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス
(モノ、ジ−ノニルフェニル)フォスファイト、トリス
ノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトおよ
びこれらの2以上の混合物を例示でき、好ましくはテト
ラトリデシル−4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイトであ
るリン系酸化防止剤と構造式中にペンタエリスリトール
の構造を有するリン系酸化防止剤との併用が好ましい。
さらに好ましくはテトラトリデシル−4,4’−ブチリ
デン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)
ジフォスファイトとビス(2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファ
イトとの併用である。該リン系酸化防止剤の配合量は組
成物に対して0.5〜3重量%、好ましくは1〜2重量
%である。該配合量が0.5重量%未満では熱履歴によ
る変色の抑制効果が乏しく、また3重量%を超えて配合
しても熱履歴による変色抑制の効果が飽和し、これ以上
の効果が期待されない。
【0008】本発明で用いられるポリ燐酸アンモニウム
は、通常市販品をそのまま用いれば良く、該市販品とし
ては例えばスミセ−フP(商標、住友化学工業(株)
製)、エクソリット(Exolit)422(商標、ヘ
キスト社製)、エクソリット(Exolit)700
(商標、ヘキスト社製)、フォスチェックP/40(商
標、モンサント社製)等を挙げることができる。さらに
特開平4−300204号に記載されたII型ポリ燐酸ア
ンモニウム微粒子も用いることができ、該II型ポリ燐酸
アンモニウム微粒子は例えば次の方法で得ることができ
る。即ち等モルの燐酸二アンモニウムと五酸化リンを混
合し、温度290〜300℃に加熱攪拌し、次いで燐酸
二アンモニウムに対して0.5倍モルの尿素を溶解させ
た濃度77重量%の尿素水溶液を噴霧しながら添加し、
引き続きアンモニア雰囲気下で数時間、温度250〜2
70℃で焼成する方法によって得られる。
【0009】さらに特願平5−75256号に記載され
たメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウムも用いることがで
きる。このメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウムとは、前
述のポリ燐酸アンモニウムの粒子表面にメラミンが付加
及び/または付着されているポリ燐酸アンモニウムであ
り、その製造方法としては、以下の方法を例示できる。
即ち、予め280℃に加熱されたニ−ダ−に上述のポリ
燐酸アンモニウムを2000重量部投入し、窒素雰囲気
または不活性ガス雰囲気下で3時間加熱混合しアンモニ
アを脱離させる。この時、アンモニアが化学量論量より
も不足した状態のポリ燐酸アンモニウムの1重量%懸濁
液のpHは4.0程度であり、このアンモニアが不足し
た状態のポリ燐酸アンモニウムに対し、メラミン200
重量部を添加する。この時点でニ−ダ−の上蓋を閉じ、
この状態で280℃で4時間加熱混合を行う。加熱混合
は、ポリ燐酸アンモニウムの形態を変化させる事なく行
われ、メラミンが被覆されたポリ燐酸アンモニウムを得
ることができる。該ポリ燐酸アンモニウムの配合量は組
成物に対して10〜40重量%である。該配合量が10
重量%未満では高度の難燃性を達成する組成物が得られ
ず、また40重量%を超えて配合しても構わないが、そ
れ以上の難燃性の向上効果が得られず、かつコストが高
くなるので好ましくない。
【0010】本発明で用いられる含窒素有機化合物と
は、ポリ燐酸アンモニウムとともにポリオレフィン樹脂
中に存在する場合に、発火または炎の接触等による熱分
解によって非引火性ガス(水、二酸化炭素、窒素等)を
発生するとともに炭素質残査のみを生じる有機化合物類
をいい、下記のものを例示することができる。即ち、前
記化2で表されるモノマー構造を基本単位とする単独重
合体及び/または共重合体の例としては、2−ピペラジ
ニレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジン、2
−ピペラジニレン−4−ピペリジノ−1,3,5−トリ
アジン、2−ピペラジニレン−4−N,Nビス(ヒドロ
キシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジンまたは2
−ピペラジニレン−4−N−ヒドロキシエチルアミノ−
1,3,5−トリアジンをモノマー単位とする単独重合
体およびこれらの共重合体を挙げることができる。また
シアヌル酸クロライドとアミン類を反応させた反応生成
物、好ましくはシアヌル酸クロライドとジアミン類とを
モル比2:3で反応させて得られる反応生成物、例えば
シアヌル酸クロライドとエチレンジアミンとをモル比
2:3で反応させて得られる反応生成物、シアヌル酸ク
ロライドと1,3−ジアミノプロパンとをモル比2:3
で反応させて得られる反応生成物も用いることができ
る。
【0011】上述した含窒素有機化合物以外にも公知で
ある含窒素有機化合物、例えば環状構造に挿入された>
C=O基、>C=S基または>NH基を含有する窒素化
合物とアルデヒドとの反応生成物、ベンジルグアナミン
とアルデヒドとの反応生成物またはトリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドロキ
シ−N−プロピル)イソシアヌレート、トリス(2,3
−エポキシプロピル)イソシアヌレートなどのイソシア
ヌル酸の誘導体である含窒素有機化合物を配合すること
もできる。該含窒素有機化合物の配合量は、組成物に対
して3〜15重量%である。該配合量が3重量%未満で
は高度の難燃性を達成する組成物が得られず、また15
重量%を超えて配合しても構わないがそれ以上の難燃性
の向上効果が得られず、かつコストが高くなるので好ま
しくない。
【0012】また、該含窒素有機化合物の一種である上
述の2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5
−トリアジンをモノマー単位とする単独重合体を得るに
は、等モルの2,6−ジハロ−4−モルホリノ−1,
3,5−トリアジン(例えば2,6−ジクロロ−4−モ
ルホリノ−1,3,5−トリアジン)とピペラジンとを
有機もしくは無機塩基(例えばトリエチルアミン、水酸
化ナトリウム)の存在下に、キシレン等の不溶性溶媒中
で加熱下反応させる。反応終了後に該反応化合物を濾過
して固形物を分離し、該固形物を沸騰水で洗浄して副生
物の塩を除去した後、固形物を乾燥することによって得
られる。
【0013】さらにシアヌル酸クロライドとエチレンジ
アミンの反応生成物を得るには、シアヌル酸クロライド
とエチレンジアミンを2:3のモル比で有機塩基もしく
は無機塩基(例えばトリエチルアミン、水酸化ナトリウ
ム)の存在下に水を溶媒として反応させる。反応は、1
0℃以下の温度から開始しゆっくりと還流温度まで加熱
して行う。反応終了後に該反応生成物を濾過して固形物
を分離し、該固形物を沸騰水で洗浄して副生成物の塩を
除去したのち、固形物を乾燥することによって得ること
ができる。
【0014】本発明に用いられるポリオレフィン樹脂と
しては、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、
プロピレンを主成分とするプロピレンとエチレン、ブテ
ン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペン
テン−1の中から選ばれた1以上との結晶性共重合体、
エチレン−プロピレンラバー、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体ラバ−、ポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマ−等の中から選ばれた1または2以上の混合物で
ある。
【0015】本発明の組成物にあっては、通常ポリオレ
フィン樹脂に添加される各種添加剤、例えば紫外線吸収
剤、光安定剤、帯電防止剤、銅害防止剤、滑剤、中和
剤、無機充填剤、顔料、過酸化物等を併用することもで
きる。
【0016】本発明の組成物の製造方法は特に限定され
ないが、前述の(A)、(B)、(C)、(D)の各成
分の所定量を攪拌混合装置、例えばヘンシェルミキサ−
(商品名)、ス−パ−ミキサ−またはタンブラ−ミキサ
−等に投入し、1〜10分間攪拌混合したのち、得られ
た混合物をロ−ル混練機または押出機等を用いて溶融混
練し、ペレット化することによって得ることができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。また、実施例、比較例において用いた評価法は
次の方法によった。 1)熱変色性の評価 長さ50mm×幅25mm×厚さ1mmの試験片を射出
成形機にて成形し、これを150℃恒温槽に静置し、各
経日毎に取り出した。取り出した試験片を色差計(スガ
試験(株)製 SM−4−CH型)にて明度を測定し
た。尚、この変色性は、150℃よりも低い温度でも同
様な傾向を示すため促進試験として150℃で行った。 2)難燃性 ULサブジェクト94(アンダ−ライタ−・ラボラトリ
−ズインコ−ポレ−テッド)の「機器の部品用プラスチ
ック材料の燃焼試験」に規定された垂直燃焼試験に準
拠。
【0018】実施例1 ポリオレフィン樹脂として、メルトフロ−レ−ト(温度
230℃、荷重2.16Kgを加えた時の10分間の溶
融樹脂の吐出量)23g/10分の結晶性エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体74.6重量%、ポリ燐酸ア
ンモニウムとしてエクソリット422((商品名)、ヘ
キスト社製)16.1重量%、含窒素有機化合物として
2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5−ト
リアジンをモノマー単位とする単独重合体5.3重量
%、リン系酸化防止剤として、テトラトリデシル−4,
4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)ジフォスファイト2重量%、ビス(2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリス
リトールジフォスファイト2重量%をヘンシェルミキサ
−(商品名)に入れ、3分間攪拌混合した。得られた混
合物を口径45mmの2軸押出機で溶融混練温度200
℃で溶融混練押出し、ペレット化した。得られたペレッ
トを100℃で2時間乾燥したのち、シリンダーの最高
温度を200℃に設定した射出成形機により所定の試験
片を作成し、変色性および難燃性を評価した。その結果
を表1に示した。
【0019】実施例2〜4,比較例1〜6 実施例1で用いた酸化防止剤と添加量およびポリオレフ
ィン樹脂の添加量を後述の表1記載の酸化防止剤と添加
量にした以外は、実施例1に準拠してペレットを得た。
得られたペレットを用いて実施例1に準拠して所定の試
験片を作成し、変色性および難燃性の評価を行った。
【0020】実施例5 含窒素有機化合物をシアヌル酸クロライドとエチレンジ
アミンとの反応生成物にかえ、さらに酸化防止剤とその
添加量およびポリオレフィン樹脂の添加量を後述の表1
に記載の酸化防止剤と添加量とした以外は、実施例1に
準拠してペレットを得た。得られたペレットを用いて実
施例1に準拠して所定の試験片を作成し、変色性および
難燃性の評価を行った。
【0021】実施例6,比較例7 実施例1で用いたポリ燐酸アンモニウムをメラミン被覆
ポリ燐酸アンモニウムに代え、酸化防止剤とその添加量
およびポリオレフィン樹脂の添加量を後述の表2記載の
酸化防止剤と添加量にした以外は、実施例1に準拠して
ペレットを得た。得られたペレットを用いて実施例1に
準拠して所定の試験片を作成し、変色性および難燃性の
評価を行った。
【0022】実施例7,比較例8 ポリオレフィン樹脂としてメルトインデックス(温度1
80℃、荷重2.16Kgを加えた時の10分間の溶融
樹脂の吐出量)5g/10分の高密度ポリエチレンを用
い、後述の表2に記載の酸化防止剤と添加量にした以外
は、実施例1に準拠してペレットを得た。得られたペレ
ットを用いて実施例1に準拠して所定の試験片を作成
し、変色性および難燃性の評価を行った。
【0023】実施例8,比較例9 ポリオレフィン樹脂として、メルトフロ−レ−ト(温度
230℃、荷重2.16Kgを加えた時の10分間の溶
融樹脂の吐出量)20g/10分のオレフィン系熱可塑
性エラストマ−(ミラストマー(商品名)、三井石油化
学工業(株)製)を用い、後述の表2記載の酸化防止剤
と添加量にした以外は、実施例1に準拠してペレットを
得た。得られたペレットを用いて実施例1に準拠して所
定の試験片を作成し、変色性および難燃性の評価を行っ
た。
【0024】実施例9 実施例1で用いたポリオレフィン樹脂を54.6重量%
とし、高密度ポリエチレン10重量%、エチレン−プロ
ピレンラバ−(メルトフロ−レ−ト3.2g/10分、
EP02P(商品名)、日本合成ゴム(株)製)10重
量%を添加した以外は、実施例1に準拠してペレットを
得た。得られたペレットを用いて実施例1に準拠して所
定の試験片を作成し、変色性および難燃性の評価を行っ
た。
【0025】実施例10、11 実施例1で用いたポリ燐酸アンモニウムと含窒素有機化
合物の添加量を後述の表2に記載の添加量にした以外
は、実施例1に準拠してペレットを得た。得られたペレ
ットを用いて実施例1に準拠して所定の試験片を作成
し、変色性および難燃性の評価を行った。
【0026】表1から明らかなように、リン系酸化防止
剤を用いた実施例1〜4は、フェノ−ル系酸化防止剤、
イオウ系酸化防止剤、ヒンダ−ドアミン系酸化防止剤を
用いた比較例1〜4に比べ明度が高く、熱による変色性
が抑制されていることが分かる。また、比較例5、6で
は、リン系酸化防止剤の添加量が0.5重量%以下では
その効果が発揮されず、3重量%以上添加してもそれ以
上の効果が期待されないことが分かる。
【0027】実施例5から明らかなように、含窒素有機
化合物としてシアヌル酸クロライドとエチレンジアミン
の反応生成物を用いた場合にもリン系酸化防止剤を添加
する事によって熱による変色性を改善する効果が確認さ
れる。また実施例6と比較例7から、メラミン被覆ポリ
燐酸アンモニウムを用いた場合にも、リン系酸化防止剤
による効果が確認される。さらに実施例7〜9および比
較例8、9からポリオレフィン樹脂として、高密度ポリ
エチレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、結晶性
エチレン−プロピレン共重合体と高密度ポリエチレンと
エチレン−プロピレンラバーの混合物を用いた場合にも
リン系酸化防止剤による効果が確認できた。最後に実施
例10、11からポリ燐酸アンモニウムと含窒素有機化
合物の添加量を低下させた場合でも難燃性が発現してい
ることが確認される。以上のように、リン系酸化防止剤
を用いることによって熱による変色性を改善することが
できる。
【0028】
【発明の効果】本発明の組成物を用いて得られた成形品
は、高度な難燃性を有し、燃焼時や成形時に有毒ガスの
発生が少なく、熱による変色性が改善される。従って熱
履歴を受けるような各種成形品の分野、例えば電気用品
の分野に好適に使用することができる。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)から(D)までの合計を100
    重量%として (A)リン系酸化防止剤 0.5〜3重量% (B)ポリ燐酸アンモニウム 10〜40重量% (C)含窒素有機化合物 3〜15重量% (D)ポリオレフィン樹脂 86.5〜42重量% からなる熱変色性の改善された難燃性ポリオレフィン樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】含窒素有機化合物が下記化1で表されるモ
    ノマー構造を基本単位とする単独重合体もしくは共重合
    体またはシアヌル酸クロライドとジアミン類とを反応さ
    せた反応生成物である請求項1記載の熱変色性の改善さ
    れた難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 【化1】 (式中X,Z1 はいずれも窒素原子を介してトリアジン
    骨格に結合している構造であり、Xは−NHR1もしく
    は−NR23の基で表されるアルキルアミノ基、モルホ
    ルノ基、ピペリジノ基(R1、R2、R3 はそれぞれ炭素
    数1〜6を有する線状または分枝状アルキル基であり、
    2、R3は同一の基であっても異なっても良い)または
    −NHR4 、−NR56の基で表されるヒドロキシアル
    キルアミノ基(R4、R5、R6 は炭素数2〜6を有する
    線状または分枝状ヒドロキシアルキル基でありR5,R6
    は同一の基であっても異なっても良い)。Z1 はピペラ
    ジンの2価の基または式−HN(CH2mNH−で表さ
    れる2価の基(mは2〜6の整数である)または−NR
    7(CH2l8N−で表される基(R7、R8の一方また
    は両方がヒドロキシエチル基である)。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン樹脂がオレフィン系重合
    体、オレフィン系共重合体もしくはポリオレフィン系熱
    可塑性エラストマーである請求項1記載の熱変色性の改
    善された難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004009691A3 (en) * 2002-07-22 2004-07-29 Leonid Izrailev Activated flame retardants and their applications

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