JPH08119733A - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
- Publication number
- JPH08119733A JPH08119733A JP6284100A JP28410094A JPH08119733A JP H08119733 A JPH08119733 A JP H08119733A JP 6284100 A JP6284100 A JP 6284100A JP 28410094 A JP28410094 A JP 28410094A JP H08119733 A JPH08119733 A JP H08119733A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- less
- ceramic composition
- piezoelectric ceramic
- pbo
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- Pending
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 PZT系圧電磁器組成物において、より高い
比誘電体の取得と、焼成困難性の緩和の二つの課題を解
決した新たな組成を提供する。 【構成】 PbOの一部をBaO又はSrOで置換して
なる化学式PbXBaY[(Mn1/3Sb2/3)AZrBTi
C]O3、又はPbXSrY[(Mn1/3Sb2/3)AZrBT
iC]O3において、(X+Y)<1なる組成とすること
によって、1200℃を超えない温度においても焼成が
可能で、より高い比誘電率を示すPZT系の磁器組成物
を得る。
比誘電体の取得と、焼成困難性の緩和の二つの課題を解
決した新たな組成を提供する。 【構成】 PbOの一部をBaO又はSrOで置換して
なる化学式PbXBaY[(Mn1/3Sb2/3)AZrBTi
C]O3、又はPbXSrY[(Mn1/3Sb2/3)AZrBT
iC]O3において、(X+Y)<1なる組成とすること
によって、1200℃を超えない温度においても焼成が
可能で、より高い比誘電率を示すPZT系の磁器組成物
を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電磁器組成物に関
し、特に大きな静電容量を必要とする圧電素子に好適な
圧電磁器組成物に関する。
し、特に大きな静電容量を必要とする圧電素子に好適な
圧電磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電磁器組成物は、従来、ジルコン酸チ
タン酸鉛系組成物(以下、PZT系組成物)がよく使わ
れてきた。最近用途が多方面に広がるに伴い、より高い
比誘電率が要求されるようになってきた。
タン酸鉛系組成物(以下、PZT系組成物)がよく使わ
れてきた。最近用途が多方面に広がるに伴い、より高い
比誘電率が要求されるようになってきた。
【0003】PZT系組成物のPbOの一部をBaO又
はSrOで置換することによって、比誘電率を高めるこ
との可能性は、以前から指摘されていた。従来のPZT
系組成物は、通常、約1200℃の温度で焼成して使用
されていた。しかし、PbOの一部をBaO又はSrO
で置換したPZT系組成物では、更に、高温にしないと
焼成しにくいという事実があり、設備能力等の理由から
工業的には広く実施されるに至っていない。
はSrOで置換することによって、比誘電率を高めるこ
との可能性は、以前から指摘されていた。従来のPZT
系組成物は、通常、約1200℃の温度で焼成して使用
されていた。しかし、PbOの一部をBaO又はSrO
で置換したPZT系組成物では、更に、高温にしないと
焼成しにくいという事実があり、設備能力等の理由から
工業的には広く実施されるに至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
困難な焼成条件が緩和でき、かつ、高い比誘電率を示す
PZT系組成物を供することにある。具体的には、12
00℃を超えない温度において焼成でき、かつ、高い比
誘電率を示す新たなPZT系組成物を提供する。
困難な焼成条件が緩和でき、かつ、高い比誘電率を示す
PZT系組成物を供することにある。具体的には、12
00℃を超えない温度において焼成でき、かつ、高い比
誘電率を示す新たなPZT系組成物を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、化学式が、PbXBaY[(Mn1/3Sb
2/3)AZrBTiC]O3、又はPbXSrY[(Mn1/3S
b2/3)AZrBTiC]O3で表され、Aが0.05以
下、Bが0.45から0.50、Cが0.45から0.
50の値をとり、かつ、A+B+C=1を満たす組成の
圧電磁器組成物において、Yが0を除く0.05以下に
して、かつXが0.93以上、1.00未満の値であ
り、かつ、X+Yが1未満であることを特徴とする圧電
磁器組成物である。
に、本発明は、化学式が、PbXBaY[(Mn1/3Sb
2/3)AZrBTiC]O3、又はPbXSrY[(Mn1/3S
b2/3)AZrBTiC]O3で表され、Aが0.05以
下、Bが0.45から0.50、Cが0.45から0.
50の値をとり、かつ、A+B+C=1を満たす組成の
圧電磁器組成物において、Yが0を除く0.05以下に
して、かつXが0.93以上、1.00未満の値であ
り、かつ、X+Yが1未満であることを特徴とする圧電
磁器組成物である。
【0006】
【作用】PZT系組成物は、追って実施例等に示すよう
に、原料混合物を仮焼し、これを粉砕した粉末に有機バ
インダを添加し、所定の圧力で成形した上、1200℃
程度の温度において数時間焼成して得られる。比誘電率
を高めるために、PbOの一部をBaO又はSrOによ
って置換する試みは、これまで多くなされてきたもの
の、焼成の困難性のために目的達成が阻まれていたこと
は、前述のとおりである。本発明者は、種々の実験を重
ねた結果、化学式Pb[(Mn1/3Sb2/3)AZrBTi
C]O3(ここで、A+B+C=1)で表されるPZT系
圧電組成物において、PbOの一部をBaO又はSrO
によって置換するとともに、当該置換量以上にPbOの
組成を減じ、即ち、化学式PbXBaY[(Mn1/3Sb
2/3)AZrBTiC]O3、又はPbXSrY[(Mn1/3S
b2/3)AZrBTiC]O3において、(X+Y)<1な
る組成とすることによって、1200℃を超えない温度
において焼成が可能で、かつ、より高い比誘電率を得る
ことを見出した。
に、原料混合物を仮焼し、これを粉砕した粉末に有機バ
インダを添加し、所定の圧力で成形した上、1200℃
程度の温度において数時間焼成して得られる。比誘電率
を高めるために、PbOの一部をBaO又はSrOによ
って置換する試みは、これまで多くなされてきたもの
の、焼成の困難性のために目的達成が阻まれていたこと
は、前述のとおりである。本発明者は、種々の実験を重
ねた結果、化学式Pb[(Mn1/3Sb2/3)AZrBTi
C]O3(ここで、A+B+C=1)で表されるPZT系
圧電組成物において、PbOの一部をBaO又はSrO
によって置換するとともに、当該置換量以上にPbOの
組成を減じ、即ち、化学式PbXBaY[(Mn1/3Sb
2/3)AZrBTiC]O3、又はPbXSrY[(Mn1/3S
b2/3)AZrBTiC]O3において、(X+Y)<1な
る組成とすることによって、1200℃を超えない温度
において焼成が可能で、かつ、より高い比誘電率を得る
ことを見出した。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について、比較例とと
もに説明する。
もに説明する。
【0008】出発原料として、純度99%以上の粉末原
料を選び、表1に示す組成に配合し、ボールミル混合、
850℃における仮焼、湿式粉砕を順に経た後、有機バ
インダーを適量添加し、圧力1トン/cm2で成形し、
1200℃、及び比較例として1260℃までの温度で
数時間それぞれ焼成した。得られた焼成体を所定の形状
に切断し、研磨して電極を付け、これらを油中分極を行
った上で圧電諸特性を測定した。表1には、比較例およ
び本発明の実施例の試料について併せて記載する。
料を選び、表1に示す組成に配合し、ボールミル混合、
850℃における仮焼、湿式粉砕を順に経た後、有機バ
インダーを適量添加し、圧力1トン/cm2で成形し、
1200℃、及び比較例として1260℃までの温度で
数時間それぞれ焼成した。得られた焼成体を所定の形状
に切断し、研磨して電極を付け、これらを油中分極を行
った上で圧電諸特性を測定した。表1には、比較例およ
び本発明の実施例の試料について併せて記載する。
【0009】
【表1】
【0010】本実施例において、表1における番号1、
及び番号2から番号7の試料は、比較例としての組成の
試料である。番号1の試料は、Pb(Mn1/3Sb2/3)
0.03Zr0.49Ti0.48O3で表され、BaOを含まない
PZT系組成物である。本発明に係る実施例は、番号8
〜11の試料である。これらの試料では、PbOの一部
をBaOで置換するとともに、PbOおよびBaOの和
を化学量論的組成よりも少なくする。即ち、X+Y<1
とする。その結果、これに該当する番号8〜11の試料
は、いずれも比較例の番号1の試料と同じく、温度12
00℃において十分焼成されることを確認した。これら
の試料の圧電特性は、番号1の試料に対して比誘電率が
7〜11%高く、電気機械結合係数も、ほぼ同等であ
る。
及び番号2から番号7の試料は、比較例としての組成の
試料である。番号1の試料は、Pb(Mn1/3Sb2/3)
0.03Zr0.49Ti0.48O3で表され、BaOを含まない
PZT系組成物である。本発明に係る実施例は、番号8
〜11の試料である。これらの試料では、PbOの一部
をBaOで置換するとともに、PbOおよびBaOの和
を化学量論的組成よりも少なくする。即ち、X+Y<1
とする。その結果、これに該当する番号8〜11の試料
は、いずれも比較例の番号1の試料と同じく、温度12
00℃において十分焼成されることを確認した。これら
の試料の圧電特性は、番号1の試料に対して比誘電率が
7〜11%高く、電気機械結合係数も、ほぼ同等であ
る。
【0011】なお、BaOの組成(Y)が0.05を超
えると、焼成が困難となり、比誘電率を含む圧電特性が
低下する結果が得られる。又、PbOの組成(X)を
0.93よりも下げると、同様に焼成が困難となり、有
効な圧電特性が得られない。又、Aが0.05を超えた
時、Bが0.45未満、又は0.50を超えた時、及び
Cが0.45未満、又は0.50を超えた組成の場合
は、比誘電率が低く、有効でない。
えると、焼成が困難となり、比誘電率を含む圧電特性が
低下する結果が得られる。又、PbOの組成(X)を
0.93よりも下げると、同様に焼成が困難となり、有
効な圧電特性が得られない。又、Aが0.05を超えた
時、Bが0.45未満、又は0.50を超えた時、及び
Cが0.45未満、又は0.50を超えた組成の場合
は、比誘電率が低く、有効でない。
【0012】番号2〜4の試料は、X+Y=1を満たす
組成で、PbOの一部をBaOで置換し、番号1の試料
と同様に、1200℃において焼成したものである。こ
れらは、番号1の試料に比べて、比誘電率が多少増加す
るものの、Yの値の増加とともに、焼成体粒径が減少
し、焼成が困難となっていると解される。
組成で、PbOの一部をBaOで置換し、番号1の試料
と同様に、1200℃において焼成したものである。こ
れらは、番号1の試料に比べて、比誘電率が多少増加す
るものの、Yの値の増加とともに、焼成体粒径が減少
し、焼成が困難となっていると解される。
【0013】又、番号4〜7の試料は、X+Y=1を満
たす組成で、PbOの一部をBaOで置換し、番号4を
基準にして焼成温度の影響を調査したものである。焼成
温度の上昇は、焼成体密度の増加および比誘電率の上昇
となって表われる。しかしながら、1200℃を超えた
高温における焼成は、焼成炉の設備能力等の理由から実
用的ではない。
たす組成で、PbOの一部をBaOで置換し、番号4を
基準にして焼成温度の影響を調査したものである。焼成
温度の上昇は、焼成体密度の増加および比誘電率の上昇
となって表われる。しかしながら、1200℃を超えた
高温における焼成は、焼成炉の設備能力等の理由から実
用的ではない。
【0014】又、PbOの一部をSrOで置換した化学
式PbXSrY[(Mn1/3Sb2/3)AZrBTiC]O3に
おいても、(X+Y)<1なる組成とすることによって
も、前記BaOの場合と同等の結果が確認された。
式PbXSrY[(Mn1/3Sb2/3)AZrBTiC]O3に
おいても、(X+Y)<1なる組成とすることによって
も、前記BaOの場合と同等の結果が確認された。
【0015】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明は、PZ
T系磁器組成物のPbOの一部をBaO又はSrOによ
って置換するとともに、当該置換量以上にPbOの組成
を減じ、即ち、化学式PbXBaY[(Mn1/3Sb2/3)
AZrBTiC]O3、又はPbXSrY[(Mn1/3S
b2/3)AZrBTiC]O3において、X+Y<1なる組
成とした。これらの磁器組成物は、1200℃を超えな
い温度において、焼成が可能で、より高い比誘電率を示
し、従来のPZT系磁器組成物の製造条件を共通にする
点で、本発明の工業的意義は大きい。
T系磁器組成物のPbOの一部をBaO又はSrOによ
って置換するとともに、当該置換量以上にPbOの組成
を減じ、即ち、化学式PbXBaY[(Mn1/3Sb2/3)
AZrBTiC]O3、又はPbXSrY[(Mn1/3S
b2/3)AZrBTiC]O3において、X+Y<1なる組
成とした。これらの磁器組成物は、1200℃を超えな
い温度において、焼成が可能で、より高い比誘電率を示
し、従来のPZT系磁器組成物の製造条件を共通にする
点で、本発明の工業的意義は大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】 化学式が、PbXBaY[(Mn1/3Sb
2/3)AZrBTiC]O3、又はPbXSrY[(Mn1/3S
b2/3)AZrBTiC]O3で表され、Aが0.05以
下、Bが0.45から0.50、Cが0.45から0.
50の値をとり、かつ、A+B+C=1を満たす組成の
圧電磁器組成物において、Yが0を除く0.05以下に
して、かつXが0.93以上、1.00未満の値であ
り、かつ、X+Yが1未満であることを特徴とする圧電
磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6284100A JPH08119733A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6284100A JPH08119733A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 圧電磁器組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08119733A true JPH08119733A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17674207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6284100A Pending JPH08119733A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08119733A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6278225B1 (en) | 1997-11-18 | 2001-08-21 | Denso Corporation | Piezoelectric ceramic composition for use in an ultrasonic wave motor |
JP2002293625A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-09 | Kyocera Corp | アクチュエータ用圧電磁器及び積層型圧電アクチュエータ並びに噴射装置 |
WO2007143244A3 (en) * | 2006-03-14 | 2008-11-20 | Piezotech Llc | High temperature piezo buzzer |
-
1994
- 1994-10-24 JP JP6284100A patent/JPH08119733A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6278225B1 (en) | 1997-11-18 | 2001-08-21 | Denso Corporation | Piezoelectric ceramic composition for use in an ultrasonic wave motor |
JP2002293625A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-09 | Kyocera Corp | アクチュエータ用圧電磁器及び積層型圧電アクチュエータ並びに噴射装置 |
JP4688329B2 (ja) * | 2001-03-29 | 2011-05-25 | 京セラ株式会社 | アクチュエータ用圧電磁器及び積層型圧電アクチュエータ並びに噴射装置 |
WO2007143244A3 (en) * | 2006-03-14 | 2008-11-20 | Piezotech Llc | High temperature piezo buzzer |
US7548013B2 (en) * | 2006-03-14 | 2009-06-16 | Piezotech, Llc | High temperature piezo buzzer |
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