JPH08119378A - セメントサイロ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】セメントサイロの軽量化及び小型化を図る。 【構成】セメントを収納する収納容器の上方部を、テン
ト骨組１５、１６とテントキャンバスからなる下部開口
の袋状の上部収納部２０とから構成する。対向する１組
のテント骨組１５は下部収納容器１０の上方開口縁部２
５に折り畳み自在に取り付ける。他の１組のテント骨組
１６は取り外し自在とする。上部収納部２０の天部周縁
をテント骨組１５、１６に着脱可能に取り付ける。上部
収納部２０の下方開口縁部は、押さえ板により下部収納
容器２０の上方開口縁部２５に固定される。セメントの
搬入口３０と搬出口１２を上方部と下方部のそれぞれに
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、セメントを一時的に
貯蔵するための大型のセメントサイロに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の大型のセメントサイロは、その収
納容器の全体が金属製の密閉式のものであって、その形
状は、略円筒形や略直方体等種々のものがあるが、例え
ば、上方部で略直方体を成し、その下方部で直方体の対
向する２側面が下方部に向かってその幅が狭まる形状を
有したものもある。その下端部にはセメント搬出用のス
クリューコンベア等が設けられたもの、その上方部には
セメントが搬送されてくる搬入口が設けらたものもあ
る。また、収納容器の底面に移動用の複数の車輪が設け
られたものもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の大型のセメ
ントサイロにおいては、その収納容器の全体が金属製の
ため、その重量が極めて重いという問題点があり、また
その移動も容易ではなかった。そこで、本願発明におい
ては、金属製の密閉容器からなるサイロの収納容器本体
の構造に関して改良を加えて、その軽量化及び小型化を
図ることをその課題とし、その移動に当たっても容易に
行いうるものを提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明の第一のものは、上方部に設けられたセメ
ントの搬入口及び下方部に設けられたセメントの搬出口
を有する大型のセメントの収納容器から成るセメントサ
イロにおいて、その収納容器の上方部分を、テント骨組
１５、１６とこのテント骨組１５、１６に取り付ける下
方部開口の袋状のシートから成る上部収納部２０とから
構成し、この上部収納部２０の下方開口縁部４０を下部
収納容器１０の上方開口縁部２５に固定手段により固定
したものである。また、本願発明の第２のものは、上記
の構成において、下部収納容器１０の上方開口縁部２５
を平面視略長方形又は略正方形とし、その対向する２辺
にテント骨組１５を下部収納容器１０の開口部の側に折
り畳み自在に取り付け、他の２辺に取り付けるテント骨
組１６を取り外し自在とし、上部収納部２０の天部周縁
部をテント骨組１５、１６に着脱自在に取り付け、上部
収納部２０の下方開口縁部４０を下部収納容器１０の上
方開口縁部２５に押さえ板４５によって挟持し、固定し
たものである。本願発明の第３のものは、上記第２の発
明において、取り外し自在のテント骨組１６が、下部収
納容器１０に折り畳み自在に取り付けられたテント骨組
１５のジョイント部１９と、下部収納容器１０の上方開
口縁部に設けられたジョイント部２６で結合され、組み
立てられたものである。本願発明の第４のものは、上記
の第２又は第３の発明において、取り外し自在のテント
骨組１６が複数の構成片から構成されているものであ
る。

【０００５】

【作用】本願発明の第１のものにあっては、収納容器の
上方部分が、テント骨組１５、１６と袋状のシートから
構成されているため、サイロの重量を軽減することがで
きる。本願発明の第２のものにあっては、テント骨組１
５、１６を組み立て自在とし、一組のテント骨組１６、
１６を取り外し自在とし、他のテント骨組１５、１５を
下部収納容器１０の上縁部で下部収納容器１０の開口部
の側に折り畳み自在としているために、不使用時にはサ
イロの収納容器の上方部分を下部収納容器１０の上部で
折り畳むことができ、小型にすることができる。本願発
明の第３のものにおいては、取り外し自在のテント骨組
１６が折り畳み自在のテント骨組１５のジョイント部１
９と下部収納容器１０の上方開口縁部２５に設けられた
ジョイント部２６に簡単に結合され、組み立てることが
可能となる。本願発明の第４のものにおいては、取り外
し自在のテント骨組１６が、複数の構成片によって組み
立てられるため、個々の構成片が小さくなり、組立作業
が容易で、分解後のテント骨組の取り扱い及び保管場所
への収納も容易となる。

【０００６】

【実施例】以下、添付の図面に従って実施例について説
明する。添付の図面は全て本願発明の実施例について図
示している。図１は、本願発明の実施例の正面説明図で
ある。セメントの収納容器は、下方部の金属製の下部収
納容器１０と、上方部のテント骨組１５、１６に支持さ
れたテントキャンバス等のシートからなる袋状の上部収
納部２０とから構成されている。テントキャンバスと
は、ジーンズ等の生地として使用されるデニム生地から
なるものである。テントキャンバスから成る上部収納部
２０は、下方部が開口した袋状の形状を有し、下方の下
方開口縁部が下部収納容器１０の上方開口縁部２５の部
分に固定されうる（固定の詳細については後述す
る。）。従って、図中実線で示した下部収納容器１０の
上方開口縁部２５を境界線として、下が金属製の収納容
器、上がテントキャンバス製の収納容器と成る。本実施
例においては、境界線となる上方開口縁部２５は、サイ
ロの収納容器の上下長さの略中央部よりも少し下方に位
置している。

【０００７】下部収納容器１０の底部には収納されたセ
メントを搬出するための搬出手段１１としてスクリュー
コンベアが設備され、これによってセメントが搬出口１
２から搬出されうる。図１に図示したものには、この搬
出口１２にセメントを上方に搬送しうる上方搬送手段１
３が更に付加されている。この上方搬送手段１３によっ
てセメントは他の容器等に容易に移し変えることが可能
になる。これらの搬出手段１１及び上方搬送手段１３は
本実施例において必須のものではない。セメントサイロ
としては、少なくともセメントの搬入口と搬出口が設け
られていればよい。また、搬出口１２を下部収納容器１
０の底部に設け、そこにバルブを設けて、このバルブを
開放して自然落下によって内部のセメントを下方に搬出
するように構成することも自由である。

【０００８】テント骨組１５は、横パイプ１７と縦パイ
プ１８とを格子状に組み合わせて固定したものであり、
各縦パイプ１８の根本部が下部収納容器１０の上方開口
縁部２５に回動自在に、つまり、下部収納容器１０の開
口部の側に折り畳むことができるように取り付けられて
いる。両側の縦パイプ１８に設けられている筒形状のジ
ョイント部１９・・・は、テント骨組１６の横パイプ２
３の端部を嵌合させて結合させるためのものである。テ
ント骨組１６は取り外し自在である。３０はセメントの
搬入口を示しており、他から空気輸送などによりセメン
トをサイロ内に搬入することができる。３１は、下部収
納容器１０の内部の保守点検用の開口扉を示している。
更に、このサイロの底面には、移動用の車輪３２も備え
られている。

【０００９】図２は、図１の右側面説明図であって、上
方搬送手段１３は省略してある。下部収納容器１０の上
方開口縁部２５の図中左右両側に、テント骨組１５、１
５の縦パイプ１８、１８が取り付けられており、これら
の縦パイプ１８、１８のそれぞれにジョイント部１９が
３個ずつ設けられている。また、下部収納容器１０の上
方開口縁部２５にも筒形状のジョイント部２６が３個設
けられている。このジョイント部２６は、上方開口周縁
部２５の対向する辺の側にも同様に設けられている。こ
れらのジョイント部１９、２６にテント骨組１６の骨組
端部が嵌合し、組み立てられる。即ち、テント骨組１６
は、下部骨組２７、中央部骨組２８及び上部骨組２９の
３つの骨組から構成されており、先ず、下部骨組２７の
横パイプ２３の両端部をジョイント部１９に嵌合させ、
その縦パイプ３５の下端をジョイント部２６に嵌合させ
て組み立てる。横パイプ２３の両端部は下方に折曲され
ており、円筒形状のジョイント部１９の内部に嵌合され
うる。次に、中央部骨組２８の横パイプ２３の両端部を
上記と同様にジョイント部１９に嵌合させ、縦パイプ３
５は下部骨組２７の縦パイプ３５とジョイント部により
連結する。最後に、上部骨組２９の横パイプ２３の両端
部を同様にジョイント部１９に嵌合させ、その縦パイプ
３５を中央部骨組の縦パイプとジョイント部により連結
する。以上により、テント骨組は完成する。取り外し可
能なテント骨組１６は、３つの部分から構成されている
ため、その大きさを小さくすることができ、分解及び保
管する際に、極めて取り扱いが便利なものとなる。

【００１０】完成したテント骨組の内側に、テントキャ
ンバスからなる上部収納部２０を取り付ける。テントキ
ャンバスは、ジーンズ等の生地として用いられるデニム
生地から構成されており、この上部収納部２０は、上方
部が略直方体、下方部がその一組の対向面を下方部に向
かって狭くなるように形成した下端に開口部を有する袋
形状のものである。上部収納部２０のテント骨組への取
り付けは、図示はしていないが、上部収納部２０の天部
周縁部に設けられた輪状取り付け部をテント骨組に設け
られたフックに引っ掛けることによって行う。これによ
り容易に着脱自在に取り付けられうる。また、上部収納
部２０の周囲の側面にも適宜これら輪状取り付け部を設
けることも自由である。また、この取り付け法は、種々
の構成を採用することができ、要するに上部収納部２０
をテント骨組に引っ掛けられうるようにすればよい。

【００１１】図３は、サイロ主要部の横断面説明図であ
って、上部収納部２０の下端の下方開口縁部の取り付け
について説明するものであって、各構成要素の肉厚は、
簡略化のため省略している。下部収納容器１０の上方開
口縁部２５は、その全周に渡って水平外側方向に鍔形状
に延設されている。テントキャンバスから成る上部収納
部２０の下方開口縁部４０は、下部収納容器１０の上方
開口縁部２５と押さえ板４５によって挟持され、図示は
していないがクランプ等によって固定される。この固定
は、クランプでなくともよく、ボルト・ナット等の各種
固定手段によって固定してもよいことは勿論である。
尚、この実施例では、テントキャンバスから成る上部収
納部２０の外側側面をナイロンからなる合成繊維製の布
帛４６を縫着して、２重構造としている。この布帛４６
は、上部収納部２０の外側側面のみばかりでなく、天部
全体をも覆い得るように、即ち、上部収納部２０外表面
の全体を被覆するような二重構造に構成してもよい。更
に、この外側の布帛４６を防水性のものとすることによ
ってこのサイロを室外で使用することも可能となる。

【００１２】図４は、本願発明のサイロの上部のテント
骨組１５、１５を折り畳んだ状態を図示する側面説明図
である。下部収納容器１０の上方開口縁部２５の図中左
右の側縁部上部に設けられたテント骨組１５、１５は、
テントキャンバスからなる上部収納部を取り外し、更
に、テント骨組１６、１６を取り外した後に、下部収納
容器１０の開口部の側に図示したように折り畳むことが
できる。このようにして、サイロ不使用時にはサイロの
上方部を折り畳み、小型にすることができるのである。

【００１３】以上、実施例について説明したが、本願発
明においては、その形状及び大きさは、自由に設計する
ことがができ、また、構成要素であるテント骨組の構造
も全く自由であり、取り外し自在のテント骨組において
は、それを３つの部分に分割して実施しなくともよく、
その全体を１つのものとして形成することもできる。上
部収納部２０の下方開口縁部４０を固定する押さえ板４
５は、テント骨組１５、１６の根本部に蝶番を介して連
結しておいてもよい。これによりテント骨組の組み立て
と同時に押さえ板４５が配置されうることになる。筒形
状のジョイントの部の形状も全く自由である。テントキ
ャンバスも他の素材のものを使用することができる。セ
メントの搬入口及び搬出口の位置も全く自由である。

【００１４】

【発明の効果】上記の構成から成る本願発明は以下の如
き効果を発揮する。従来においてはセメントの収納部の
全体が金属製であったが、本願発明においては、その上
方部分がテント骨組とシートによって構成されているた
め、サイロ全体の重量を極めて軽量にすることができ
る。サイロの上方部がテント骨組とシートによって組み
立てられ、また、分解も可能で、テント骨組を下部収納
容器の開口部側に折り畳むことができるため、不使用時
には折り畳んで、小型にすることができる。また、軽量
化及び小型化に伴って、サイロ自体を容易に移動するこ
とも可能となる。更に、本願発明においては、上部収納
部がシートから構成されているため、内部に収納された
セメントの分量をシートの外側から手を触れ、押圧する
ことによって、内部にセメントが残っているか否かを確
認することもできるという利点も存する。以上、本願発
明は著大な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の一実施例の正面説明図である。

【図２】図１の右側面説明図である。

【図３】上記実施例の要部横断面説明図である。

【図４】上記実施例のテント骨組を折り畳んだ状態の側
面説明図である。

【符号の説明】

１０ 下部収納容器 １２ 搬出口 １５、１６ テント骨組 １７、２３ 横パイプ １８、３５ 縦パイプ １９、２６ ジョイント部 ２０ 上部収納部 ２５ 上方開口縁部 ３０ 搬入口 ４０ 下方開口縁部 ４５ 押さえ板

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方部に設けられたセメントの搬入口及
   び下方部に設けられたセメントの搬出口を有する大型の
   セメントの収納容器から成るセメントサイロにおいて、
   その収納容器の上方部分を、テント骨組(15)(16)とこの
   テント骨組(15)(16)に取り付ける下方部開口の袋状のシ
   ートから成る上部収納部(20)とから構成し、この上部収
   納部(20)の下方開口縁部(40)を下部収納容器(10)の上方
   開口縁部(25)に固定手段により固定したことを特徴とす
   るセメントサイロ。
2. 【請求項２】 請求項１において、下部収納容器(10)の
   上方開口縁部(25)を平面視略長方形又は略正方形とし、
   その対向する２辺にテント骨組(15)を下部収納容器(10)
   の開口部の側に折り畳み自在に取り付け、他の２辺に取
   り付けるテント骨組(16)を取り外し自在とし、上部収納
   部(20)の天部周縁部をテント骨組(15)(16)に着脱自在に
   取り付け、上部収納部(20)の下方開口縁部(40)を下部収
   納容器(10)の上方開口縁部(25)に押さえ板(45)によって
   挟持し、固定したことを特徴とするセメントサイロ。
3. 【請求項３】 請求項２において、取り外し自在のテン
   ト骨組(16)が、下部収納容器(10)に折り畳み自在に取り
   付けられたテント骨組(15)のジョイント部(19)と、下部
   収納容器(10)の上方開口縁部(25)に設けられたジョイン
   ト部(26)で結合され、組み立てられたことを特徴とする
   セメントサイロ。
4. 【請求項４】 請求項２又は３において、取り外し自在
   のテント骨組(16)が複数の構成片から構成されているこ
   とを特徴とするセメントサイロ。