JPH08119177A - 自転車用ブレーキ装置とブレーキレバー - Google Patents
自転車用ブレーキ装置とブレーキレバーInfo
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- JPH08119177A JPH08119177A JP26012894A JP26012894A JPH08119177A JP H08119177 A JPH08119177 A JP H08119177A JP 26012894 A JP26012894 A JP 26012894A JP 26012894 A JP26012894 A JP 26012894A JP H08119177 A JPH08119177 A JP H08119177A
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- B62L3/02—Brake-actuating mechanisms; Arrangements thereof for control by a hand lever
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Abstract
とを防止し、ブレーキ操作を軽く安全に行うことがで
き、しかも、サイクリストの体格や好みに応じてブレー
キ感などを変更することの可能なブレーキ装置とブレー
キレバーの提供。 【構成】 車輪制動力がある設定値になる設定操作位置
にまでブレーキレバー体3が引かれると、レバー体3に
対して車輪制動力が増大する側への引き操作に抵抗力を
付与してレバー体3の作動を不能にするように作用する
ストッパー手段17を備え、設定操作位置にあるレバー
体3に抵抗力より大なる引き操作力を付与すると、スト
ッパー手段17によるストッパー作用が解除されて、レ
バー体3の引き操作による車輪制動力の増大操作を可能
にするとともに、ストッパー手段17によって設定され
る設定値の値を変更する設定値変更手段20を設けてあ
る自転車用ブレーキ装置とそのブレーキ装置に使用する
ブレーキレバー。
Description
とブレーキレバーとに関し、より詳しくは、ブレーキレ
バー体の引き操作中にブレーキレバー体の操作力が大き
く変化するように構成したブレーキ装置と、そのブレー
キ装置に使用するブレーキレバーとに関する。
キレバーとしては、例えば特開平5−16865号公報
に開示のものが知られている。まず、この公知のブレー
キレバーにつき、添付の図9に基づいて説明すると、ハ
ンドルバー1に固定のブラケット2に枢支軸32を介し
てブレーキレバー体3が回動可能に枢着され、かつ、こ
のブラケット2にボルト33を介して一端が自由なコイ
ルばね34が取り付けられ、ブレーキレバー体3を引き
操作すると、一定のストローク回動した後に、ブレーキ
レバー体3からの延出部35がこのコイルばね34の自
由端に当接するように構成されている。したがって、こ
の公知のブレーキレバーを使用するブレーキ装置にあっ
ては、図10に示すように、ブレーキレバー体3を一定
のストローク引き操作して延出部35がコイルばね34
に当接する操作点Bにまで至ると、その後においては操
作抵抗が増大して大きな操作力を必要とし、ブレーキレ
バー体3の操作ストロークをサイクリストが感覚的に把
握できるように構成され、かつ、前記ボルト33の調節
で操作点Bの位置も変更できるようになっている。
ブレーキレバーを使用するブレーキ装置では、ブレーキ
レバー体3の延出部35がコイルばね34に当接する操
作点Bの前後において、図10に示すように、制動力に
対するブレーキレバー体3の操作力の傾斜勾配がただ単
に変化するだけであるから、起こりうるあらゆる状況に
対応できるというものではなく、この点に改良の余地が
あった。すなわち、上述した従来の装置においても、通
常の場合であればブレーキレバー体の操作ストロークを
感覚的に把握することはできる。しかしながら、非常事
態に直面したような場合、サイクリストは往々にしてブ
レーキレバー体を無意識のうちに強く握るものであり、
咄嗟にブレーキレバー体を強く握ってしまうと、制動力
が一挙に上昇して車輪がロックしてしまう危険な状態と
なる。
するもので、無意識のうちにブレーキレバー体を強く握
ろうとも、車輪がロックすることを極力防止し得て、か
つ、通常のブレーキ操作を軽い操作力で安全に行うこと
ができ、しかも、サイクリストの体格や好みに応じてブ
レーキ感などを自由に変更することの可能なブレーキ装
置と、そのブレーキ装置に使用するブレーキレバーの提
供を目的とする。
め、本発明によるブレーキ装置は、請求項1に記載のよ
うに、ブレーキシューによる車輪制動力がある設定値に
なる設定操作位置にまでブレーキレバー体が引き操作さ
れると、このブレーキレバー体に対して車輪制動力が増
大する側への引き操作に抵抗力を付与してブレーキレバ
ー体の作動を不能にするように作用するストッパー手段
を備え、前記設定操作位置にあるブレーキレバー体に前
記抵抗力より大なる引き操作力を付与すると、前記スト
ッパー手段によるストッパー作用が解除されて、前記ブ
レーキレバー体の引き操作による車輪制動力の増大操作
を可能にするとともに、前記ストッパー手段によって設
定される前記設定値の値を変更する設定値変更手段を設
けることを主たる特徴とする。
手段によって変更可能な前記設定値が、車輪制動力0か
ら車輪がロックする値の範囲であることをも特徴とす
る。
バー体にブレーキ用のインナーワイヤの連結部を設ける
とともに、このブレーキレバー体を第1枢支軸を介して
枢支部材に枢支連結し、この第1枢支軸を中心として前
記連結部の反対側に位置する第2枢支軸を介して前記枢
支部材をブレーキレバー体のブラケットに枢支連結し、
前記枢支部材とブレーキレバー体との間に前記ストッパ
ー手段を介装してあることをも特徴とする。
手段が、前記枢支部材に設けられたストッパー部材と、
このストッパー部材に当接すべく前記ブレーキレバー体
から延設の当たり部材とからなることをも特徴とする。
部材が、前記枢支部材に対して回動可能に設けられると
ともに、その周囲に複数個の当接面を有し、これら複数
個の当接面と前記ストッパー部材を回動操作する操作部
とにより前記設定値変更手段を構成してあることをも特
徴とする。
求項6に記載のように、ブレーキレバー体が設定操作位
置にまで引き操作されると、このブレーキレバー体の引
き操作に抵抗力を付与してブレーキレバー体の作動を不
能にするように作用するストッパー手段を備え、このブ
レーキレバー体に前記抵抗力より大なる引き操作力を付
与すると、前記ストッパー手段によるストッパー作用が
解除されて、それ以上の前記ブレーキレバー体の引き操
作を可能にするとともに、前記ストッパー手段によって
設定される前記設定操作位置を変更する設定位置変更手
段を設けてあることを特徴とする。
ば、ブレーキシューによる車輪制動力がある設定値にな
る設定操作位置にまでブレーキレバー体が引き操作され
ると、このブレーキレバー体に対して車輪制動力が増大
する側への引き操作に抵抗力を付与してブレーキレバー
体の作動を不能にするように作用するストッパー手段を
備えるものであるから、車輪制動力がある設定値になる
と、一旦それ以上の制動力の増大が阻止される。そし
て、この設定操作位置にあるブレーキレバー体に前記抵
抗力より大なる引き操作力を付与すると、前記ストッパ
ー手段によるストッパー作用が解除されて、前記ブレー
キレバー体の引き操作による車輪制動力の増大操作を可
能にするものであるから、ブレーキレバー体にある設定
力よりも大きな操作力を付与して始めて、それ以上の制
動力の増大が可能となるものである。
ある設定値Pのまま一定で、ブレーキレバー体の操作力
のみが操作点BからCへと増大する領域が生じ、操作点
Cの操作力、具体的にはストッパー手段による抵抗力を
適切に設定しさえすれば、例え咄嗟の場合にブレーキレ
バー体を強く握ろうとも一挙に車輪がロックする事態を
回避することができる。殊に、通常のブレーキ操作にお
いては、ほとんどの場合、車輪がロックする制動力に満
たない力でブレーキを掛けるものであり、かかる現状を
踏まえた上で、前述の設定値Pを車輪がロックする制動
力よりも若干低く設定すれば、例え操作点Bに至るまで
のブレーキレバー体の操作力を大幅に軽くしたとしても
車輪のロックを回避して、安全に軽くブレーキ操作を行
うことができ、それでいて必要によっては、操作点Cに
示す以上の操作力で設定値P以上の制動力を得ることも
できる。
される前記設定値の値を変更する設定値変更手段を設け
るものであるから、サイクリストの体重などに応じて設
定値を変更することで、種々の条件に対応して使用する
ことができる。つまり、車輪がロックする制動力は、サ
イクリストの体格、特に体重によって左右され、さら
に、坂道を上る場合と下る場合などのように、各種の条
件によって微妙に異なるものである。かかる場合、必要
に応じて、前記設定値変更手段で設定値を変更すること
により、種々の条件に合致した状態での使用が可能とな
り、また、サイクリストの好みに応じて所望の設定値に
して使用することもできるのである。
値変更手段によって変更可能な前記設定値が、車輪制動
力0から車輪がロックする値の範囲であるから、サイク
リストの体重や走行条件に対応して幅の広い範囲から選
択して使用することができるのみならず、図5に示すよ
うなブレーキ性能や図6に示すようなブレーキ性能での
使用も可能で、例えばサイクリストの握力に応じて最適
な状態で使用することができる。
ーキレバー体にブレーキ用のインナーワイヤの連結部を
設けるとともに、このブレーキレバー体を第1枢支軸を
介して枢支部材に枢支連結し、この第1枢支軸を中心と
して前記連結部の反対側に位置する第2枢支軸を介して
前記枢支部材をブレーキレバー体のブラケットに枢支連
結し、前記枢支部材とブレーキレバー体との間に前記ス
トッパー手段を介装するものであるから、通常ブレーキ
側に設けられているリターンばねの弾性力を利用してブ
レーキ装置を所望通りに作動させることができ、特別な
ばねを設ける必要もなく、構造の簡素化を図ることがで
きる。
ッパー手段が、前記枢支部材に設けられたストッパー部
材と、このストッパー部材に当接すべく前記ブレーキレ
バー体から延設の当たり部材とからなるものであるか
ら、構造が比較的簡単で、例えば、ストッパー部材を枢
支部材と一体的に形成したり、また、当たり部材をブレ
ーキレバー体と一体的に形成することも可能で、このス
トッパー手段を極力簡単な構造にしながら、しかも、ブ
レーキレバー体のストッパー作用を確実に実行すること
ができる。
ッパー部材が、前記枢支部材に対して回動可能に設けら
れるとともに、その周囲に複数個の当接面を有し、これ
ら複数個の当接面と前記ストッパー部材を回動操作する
操作部とにより前記設定値変更手段を構成するものであ
るから、このストッパー部材をしてストッパー手段の構
成部材と設定値変更手段の構成部材とに兼用することが
でき、この部材の兼用化により、さらに構造の簡素化を
図ることができる。
によれば、ブレーキレバーそのものが、ブレーキレバー
体が設定操作位置にまで引き操作されると、このブレー
キレバー体の引き操作に抵抗力を付与してブレーキレバ
ー体の作動を不能にするように作用するストッパー手段
を備え、このブレーキレバー体に前記抵抗力より大なる
引き操作力を付与すると、前記ストッパー手段によるス
トッパー作用が解除されて、それ以上の前記ブレーキレ
バー体の引き操作を可能にするとともに、このブレーキ
レバーそのものに、前記ストッパー手段によって設定さ
れる前記設定操作位置を変更する設定位置変更手段を設
けてあるが故に、このブレーキレバーにブレーキワイヤ
を介して通常のカンチブレーキなどを連動連結しさえす
れば、このカンチブレーキなどを特殊な構成にしなくと
も、そのまま、上記ブレーキ装置の主たる特徴や請求項
2で述べた作用を現出することができる。
置の主たる特徴によれば、制動力がある設定値のまま一
定で、ブレーキレバー体の操作力のみが増大する領域が
存在するので、ストッパー手段による抵抗力を適切に設
定することで、例え咄嗟の場合にブレーキレバー体を強
く握ろうとも一挙に車輪がロックする事態を回避するこ
とができ、それによって、通常のブレーキ操作を軽く行
うことができ、必要によっては、前記設定値以上の制動
力を得ることも可能で、さらに、サイクリストの体重差
などの種々の条件に対応して、前記設定値を変更して使
用することができる。
値を幅の広い範囲から選択して使用することができるの
みならず、図5や図6に示すような従来と同じブレーキ
性能での使用も可能で、その場合、サイクリストの握力
に応じて最適な状態で使用することができる。
ーキ側に設けられているリターンばねの弾性力を利用す
ることで、構造の簡素化を図ることができる。
ー手段を極力簡単な構造にしながら、所望通りのストッ
パー作用を確実に実行することができる。
ー部材をしてストッパー手段と設定値変更手段との構成
部材に兼用することができ、さらに構造の簡素化を図る
ことができる。
によれば、このブレーキレバーにブレーキワイヤを介し
て通常のカンチブレーキなどを連動連結しさえすれば、
このカンチブレーキなどを特殊な構成にしなくとも、そ
のまま、上記ブレーキ装置の主たる特徴や請求項2で述
べた効果を期待することができる。
キレバーの第一の実施例を図1から図3に基づいて説明
する。図外自転車のハンドルバー1に固定して使用する
ブレーキレバーは、ハンドルバー1に固定するためのブ
レーキレバー用のブラケット2や、このブラケット2に
回動操作可能に取り付けられたブレーキレバー体3など
からなり、前記ブラケット2には、ブレーキワイヤ4の
アウターワイヤ4bを保持する取付具5が螺着されてい
る。前記ブレーキレバー体3は、ブラケット2に直接枢
支されるのではなく、第1枢支軸6を介して枢支部材7
に回動可能に枢支連結され、さらに、この枢支部材7
が、第2枢支軸8を介してブラケット2に回動可能に枢
支連結されている。
3の握り部3a側で、かつ、この第1枢支軸6を中心と
して前記第2枢支軸8の反対側のブレーキレバー体3部
分には、ブレーキワイヤ4のインナーワイヤ4aを連結
するための連結部として作用する貫通孔9が穿設され、
このブレーキレバー体3の貫通孔9に取付具10を介し
てインナーワイ4aが連結され、このインナーワイヤ4
aの他端が、通常のカンチブレーキ11に連動連結され
ていて、後述するように、ブレーキレバー体3の握り部
3aを握ってブレーキレバー体3を引き操作すると、カ
ンチブレーキ11のブレーキシュー12が後車輪13の
リムの両側に押圧作用し、この後車輪13にブレーキを
掛けるように構成されている。そして、ブレーキレバー
体3を離すと、従来のブレーキ装置と同様に、カンチブ
レーキ11側に設けられた図外のリターンばねにより、
ブレーキレバー体3が元の位置に弾性復帰するように構
成されている。
2枢支軸8との中間部には、回動軸14が回動自在に取
り付けられ、この回動軸14には、その周囲に複数個の
当接面15aを有するストッパー部材15と、ギヤ16
とが固着されている。他方、ブレーキレバー体3の方に
は、前記ストッパー部材15側に向けて延出する当たり
部材3bが一体的に設けられ、ブレーキレバー体3を第
1枢支軸6の周りに一定角度回動させると、この当たり
部材3bが、ストッパー部材15の当接面15aのいず
れかひとつに当接して、一時的にブレーキレバー体3の
それ以上の回動操作を阻止するようになっている。つま
り、後に詳しく説明するように、ストッパー部材15や
当たり部材3bから構成されるストッパー手段17の作
用で、ブレーキレバー体3の回動操作が一時的に阻止さ
れるのである。
可能に保持され、この第2枢支軸8には、第1枢支軸6
のギヤ16に噛み合う別のギヤ18が固着され、ブラケ
ット2から突出する部分につまみ状の操作部19が取り
付けられている。そして、この操作部19を回動操作す
ることにより、両ギヤ16,18を介して第1枢支軸6
を回動し、この第1枢支軸6に固着のストッパー部材1
5を回動して、ブレーキレバー体3の当たり部材3bが
当接する当接面15aを自由に選択できるように構成さ
れている。つまり、ストッパー部材15の当接面15a
や操作部19などにより、後に詳しく説明する設定値変
更手段20が構成されている。
置の作用について説明すると、ブレーキワイヤ4のイン
ナーワイヤ4aは、通常、カンチブレーキ11側に設け
られたリターンばねによって図1に示す矢印方向に引っ
張られている。したがって、ブレーキレバー体3は、第
1枢支軸6を中心として図1の反時計方向へ回動される
が、ブレーキレバー体3の当接面3cが断面形状コの字
形の枢支部材7の内側面7aに当接し、かつ、この枢支
部材7の外側面7bがブラケット2に設けられた移動阻
止面2aに当接するように構成されているため、通常、
この図1に示す状態に維持されている。
部3aを握って引き操作すると、まずブレーキレバー体
3は第1枢支軸6を中心として回動し、その操作力がイ
ンナーワイヤ4aを介してカンチブレーキ11に伝達さ
れ、ブレーキシュー12が後車輪13のリム側に移動す
る。最初はいわゆる空引きの状態で、ブレーキシュー1
2がリムに当接するまでの間はほとんど操作力を必要と
しない。しかし、図4に示すように、ブレーキシュー1
2がリムに当接した操作点Aから徐々に操作力が増加
し、それに比例して制動力も増大する。さらにブレーキ
レバー体3を引き操作すると、このブレーキレバー体3
から延出の当たり部材3bがストッパー手段17を構成
するストッパー部材15の当接面15aのいずれかに当
接して図4に示す操作点Bに至る。
6周りでのそれ以上の回動が阻止されるので、このブレ
ーキレバー体3は、第2枢支軸8を中心として時計方向
に回動しようとする。ところが、第1枢支軸6からイン
ナーワイヤ4aまでの距離よりも、第2枢支軸8からイ
ンナーワイヤ4aまでの距離の方が長いので、インナー
ワイヤ4aの引張力に起因する回転モーメントが急に大
きくなり、操作点Bの位置からさらにブレーキレバー体
3を引き操作しようとしても、単に操作力が増加するの
みでブレーキレバー体3は回動せず、制動力も横這いの
状態となる。さらにブレーキレバー体3に対する操作力
を増加して操作点Cに至ると、図2に示すように、ブレ
ーキレバー体3は、枢支部材7と一体的に第2枢支軸8
を中心として回動し、この回動再開後においては、操作
力の増加に比例して制動力も増大してストロークエンド
Dにまで至る。
輪13の制動力がある特定の設定値Pになる設定操作位
置Bにまでブレーキレバー体3を引き操作すると、スト
ッパー手段17の作用によって、一旦それ以上の制動力
の増大を不能にする。しかし、その後において、さらに
ブレーキレバー体3に操作力を付与すると、再びブレー
キレバー体3の引き操作が可能となり、換言すると、ス
トッパー手段17のストッパー作用が解除されて、制動
力が設定値P以上に増大するのである。
ックするロック制動値Qよりも若干低い値に設定してお
くと、ブレーキレバー体3の操作を非常に軽く操作でき
るように設計することが可能となる。詳述すると、ブレ
ーキレバー体3はできるだけ軽く操作できるのが好まし
いのであるが、ただ単に軽くするだけでは咄嗟の場合に
ブレーキレバー体3を無意識のうちに強く引き過ぎる
と、一挙に制動力がロック制動値Q以上になり、非常に
危険な状態となる。その点、本発明のブレーキ装置にあ
っては、図4の操作点Bから操作点Cに示すように、制
動力は設定値Pのまま一定でブレーキレバー体3の操作
力のみが増大する領域があるので、この設定値Pをロッ
ク制動値Qよりも若干低く設定することにより、例え操
作点Aから操作点Bまでのブレーキレバー体3の操作力
を大幅に軽くしたとしても、制動力が一挙にロック制動
値Qに至ることを防止することができる。さらに、場合
によってはロック制動値Q以上の制動力を必要とするこ
ともあり、かかる場合には、多少大きな操作力を要する
が、操作点Cに示す以上の操作力を付与すれば、確実に
ロック制動値Q以上の制動力を得ることもできる。
体格、特に体重によって左右され、さらに、坂道を上る
場合と下る場合などのように、各種の条件によって微妙
に異なるものであるから、必要に応じて、設定値変更手
段20を構成する操作部19を回動し、前記設定値Pを
所望の値に変更するのである。つまり、操作部19の回
動に伴って回動するストッパー部材15の各当接面15
aは、その回動軸14の中心からの距離がそれぞれ異な
っているため、当接面15aを選択することで、ブレー
キレバー体3の当たり部材3bがその当接面15aに当
接するまでのブレーキレバー体3の回動角度、つまり、
図4に示す操作点Bの位置を変えて、前記設定値Pを所
望の値に変更することができる。
用条件に対応するように設定値Pを変更調節することが
できるのであるが、前記当接面15aのうち、回動軸1
4の中心からの距離が最も短いものは、ブレーキレバー
体3を引き操作して当たり部材3bがこの当接面15a
に当接する前にストロークエンドDに至るように設定さ
れている。したがって、この場合には、図5に示すよう
なブレーキ性能となり、ストロークエンドDに至るまで
の間に図4に示すような操作点Bも操作点Cも存在せ
ず、従来と同じような感覚でのブレーキ操作が可能とな
る。さらに、この図1から図3に示す実施例においては
特に設けてはいないが、回動軸14の中心からの距離を
長くしてブレーキレバー体3の引き操作の当初から、当
たり部材3bが当接する当接面15aを設けることもで
き、この場合には、図6に示すようなブレーキ性能とな
り、図5に示すよりも若干重い感じでのブレーキ操作が
可能となる。
置とブレーキレバーの第二の実施例と第三の実施例につ
いて説明するが、第一の実施例と同じ部品や同じ作用を
有する部品については、同じ符号を付すことによって詳
細な説明を省略し、極力重複説明を避けることにする。
キレバー体3は、枢支軸21を介してブラケット2に直
接枢支連結されている。しかし、この枢支軸21は、ブ
ラケット2に穿設の長孔22内に係入され、この長孔2
2に沿って移動できるように構成されるとともに、この
枢支軸21とブラケット2との間に介装されたコイルば
ね23によって図中の矢印方向に弾性付勢されている。
そして、この枢支軸21を中心としてインナーワイヤ4
aの取付具10と反対側のブレーキレバー体3部分に
は、ピン24が突設され、ブラケット2側には、前記ピ
ン24が当接するボルト25が螺合されていて、これら
ピン24やボルト25などによりストッパー手段17が
構成されるとともに、前記ボルト25などにより設定値
変更手段20が構成されている。
引きの状態と、ブレーキシュー12がリムに当接した操
作点Aから徐々に操作力が増加する間は、ブレーキレバ
ー体3が枢支軸21を中心として回動し、このブレーキ
レバー体3の引き操作に比例して制動力も増大する。さ
らにブレーキレバー体3を引き操作すると、このブレー
キレバー体3に突設したピン24がブラケット2側のボ
ルト25に当接し、図4に示す操作点Bに至る。する
と、ブレーキレバー体3の枢支軸21周りでのそれ以上
の回動が阻止され、今まで枢支軸21を中心として回動
していたブレーキレバー体3が、急にピン24を中心と
して回動しようとし、第一の実施例と全く同じ作用で、
操作点Bの位置からさらにブレーキレバー体3を引き操
作しようとしても、単に操作力が増加するのみでブレー
キレバー体3は回動せず、制動力が横這いの状態とな
る。
を増加して操作点Cに至ると、ブレーキレバー体3がピ
ン24を中心として、かつ、枢支軸21も一緒に長孔2
2に沿って回動を再開して、ストロークエンドDに至る
のである。そして、この第二の実施例においては、ボル
ト25の調節により設定値Pを無段階に変更調節するこ
とができ、ボルト25を引っ込めてピン24から大きく
離したり取り外したりすることで、図5に示すようなブ
レーキ性能となり、また、ボルト25を大きく突出させ
て、ブレーキレバー体3の引き操作の当初からボルト2
5をピン24に当接するように設定することで、図6に
示すようなブレーキ性能を得ることもできる。その上、
枢支軸21を弾性付勢しているコイルばね23にプリロ
ードを掛けておけば、操作点Cの位置を図4の右側へず
らせることも、また、コイルばね23を弾性力の異なる
ものと取り替えることにより、操作点Cからストローク
エンドDに至るまでの傾斜を変更することもできる。
レーキレバー体3も枢支軸26を介してブラケット2に
直接枢支連結されているが、先の第二の実施例とは異な
り、この枢支軸26は、ブラケット2に対して相対移動
不能に構成されている。この枢支軸26近くのブレーキ
レバー体3には、枢支軸26を中心として一定の半径R
を有する円弧状の第1カム面27aがブレーキレバー体
3と一体的に形成されるとともに、この枢支軸26の周
りに回動可能で、かつ、ブレーキレバー体3に対して固
定可能な操作部材28が設けられている。この操作部材
28には、第1カム面27aの半径Rよりも長い距離を
有し、かつ、徐々にその距離が長くなるインボリュート
曲線状の第3カム面27cと、この第3カム面27cと
ブレーキレバー体3側の第1カム面27aとを結ぶ突起
状の第2カム面27bとが設けられ、これら3つのカム
面27a,27b,27cで連続するひとつのカム面を
形成するように構成されている。
体3の枢支軸26とは別の枢支軸29によって揺動部材
30が回動可能に枢着され、この揺動部材30に螺着し
た取付具5にアウターワイヤ4bが取り付けられてい
て、このアウターワイヤ4bの反力によって揺動部材3
0が枢支軸29を中心として前記カム面側に揺動付勢さ
れている。そして、この揺動部材30には、前記カム面
に当接しカムフォロアとして作用するローラ31が回転
可能に枢着され、このローラ31や前記カム面27a,
27b,27cなどによりストッパー手段17が構成さ
れ、前記操作部材28などにより設定値変更手段20が
構成されている。
引きの状態と、ブレーキシュー12がリムに当接した操
作点Aから徐々に操作力が増加する間は、ローラ31が
第1カム面27aに摺接していて、特に揺動部材30が
揺動することもなく、ブレーキレバー体3の引き操作に
比例して制動力も増大する。さらにブレーキレバー体3
を引き操作すると、このブレーキレバー体3と一体的に
回動する操作部材28の第2カム面27bが前記ローラ
31に当接して図4に示す操作点Bに至る。ところが、
このローラ31を枢着する揺動部材30には、アウター
ワイヤ4bの反力によってカム面側に揺動しようとする
力が作用しており、かつ、第2カム面27bも第1カム
面27aから急に外側へ突出した形状となっているた
め、この操作点Bの位置からさらにブレーキレバー体3
を引き操作しようとしても、単に操作力が増加するのみ
でブレーキレバー体3は回動せず、したがって、制動力
も横這いの状態となる。
を増加してローラ31が第2カム面27bの頂点を越え
ると、つまり、図4の操作点Cに至ると、ブレーキレバ
ー体3が回動を再開すると同時に、第3カム面27cが
ローラ31を介して揺動部材30をブレーキレバー体3
とは逆の方向に強制的に回動させて、ストロークエンド
Dに至る。そして、この第三の実施例においては、ブレ
ーキレバー体3に対する操作部材28の固定位置を変更
し、第1カム面27aに対する第2カム面27bと第3
カム面27cとの位置を変更することによ設定値Pを無
段階に変更調節することができ、操作部材28をローラ
31の反対側へ大きく離して固定することで、図5に示
すようなブレーキ性能となり、また、操作部材28をロ
ーラ31側へ回動固定して、ブレーキレバー体3の引き
操作の当初から第2カム面27bをローラ31に当接す
るように設定することで、図6に示すようなブレーキ性
能を得ることができる。
に基づいて具体的な構造を説明したが、実際の実施にあ
たってはその他に色々な改変が考えられ、その一例を下
記すると、実施例としては、カンチブレーキ11を例と
して説明したが、ブレーキそのものは特に特定されるも
のではなく、バンドブレーキでもコースタブレーキで
も、その他種々のブレーキでも実施可能である。また、
第一から第三の実施例においては、ストッパー手段17
や設定値変更手段20をブレーキレバーそのものに設け
た構造のものを示したが、ブレーキレバーとしては通常
のものを用いて、前記ストッパー手段17や設定値変更
手段20をカンチブレーキ11などのブレーキ側に設け
て実施することもできる。
5の周面に複数個の当接面15aを形成して、設定値P
を段階的に変更調節するものを示したが、ストッパー部
材15の周面を連続する当接面にして設定値Pを無段階
に変更調節できるようにして実施することもできる。逆
に、第二の実施例において、ボルト25の代わりに、ブ
ラケット2に対して複数段に突出量を変更できる棒状体
を用いたり、第三の実施例において、ブレーキレバー体
3に対し操作部材28を複数箇所で固定できるように
し、設定値Pを段階的に変更調節できるように構成して
実施することもできる。
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
部切り欠き平面図
フ
フ
ラフ
Claims (6)
- 【請求項1】 ブレーキシュー(12)による車輪制動
力がある設定値(P)になる設定操作位置(B)にまで
ブレーキレバー体(3)が引き操作されると、このブレ
ーキレバー体(3)に対して車輪制動力が増大する側へ
の引き操作に抵抗力を付与してブレーキレバー体(3)
の作動を不能にするように作用するストッパー手段(1
7)を備え、前記設定操作位置(B)にあるブレーキレ
バー体(3)に前記抵抗力より大なる引き操作力を付与
すると、前記ストッパー手段(17)によるストッパー
作用が解除されて、前記ブレーキレバー体(3)の引き
操作による車輪制動力の増大操作を可能にするととも
に、前記ストッパー手段(17)によって設定される前
記設定値(P)の値を変更する設定値変更手段(20)
を設けてある自転車用ブレーキ装置。 - 【請求項2】 前記設定値変更手段(20)によって変
更可能な前記設定値(P)が、車輪制動力0から車輪が
ロックする値の範囲である請求項1記載の自転車用ブレ
ーキ装置。 - 【請求項3】 前記ブレーキレバー体(3)にブレーキ
用のインナーワイヤ(4a)の連結部(9)を設けると
ともに、このブレーキレバー体(3)を第1枢支軸
(6)を介して枢支部材(7)に枢支連結し、この第1
枢支軸(6)を中心として前記連結部(9)の反対側に
位置する第2枢支軸(8)を介して前記枢支部材(7)
をブレーキレバー体(3)のブラケット(2)に枢支連
結し、前記枢支部材(7)とブレーキレバー体(3)と
の間に前記ストッパー手段(17)を介装してある請求
項2記載の自転車用ブレーキ装置。 - 【請求項4】 前記ストッパー手段(17)が、前記枢
支部材(7)に設けられたストッパー部材(15)と、
このストッパー部材(15)に当接すべく前記ブレーキ
レバー体(3)から延設の当たり部材(3b)とからな
る請求項3記載の自転車用ブレーキ装置。 - 【請求項5】 前記ストッパー部材(15)が、前記枢
支部材(7)に対して回動可能に設けられるとともに、
その周囲に複数個の当接面(15a)を有し、これら複
数個の当接面(15a)と前記ストッパー部材(15)
を回動操作する操作部(19)とにより前記設定値変更
手段(20)を構成してある請求項4記載の自転車用ブ
レーキ装置。 - 【請求項6】 ブレーキレバー体(3)が設定操作位置
(B)にまで引き操作されると、このブレーキレバー体
(3)の引き操作に抵抗力を付与してブレーキレバー体
(3)の作動を不能にするように作用するストッパー手
段(17)を備え、このブレーキレバー体(3)に前記
抵抗力より大なる引き操作力を付与すると、前記ストッ
パー手段(17)によるストッパー作用が解除されて、
それ以上の前記ブレーキレバー体(3)の引き操作を可
能にするとともに、前記ストッパー手段(17)によっ
て設定される前記設定操作位置(B)を変更する設定位
置変更手段(20)を設けてある請求項1または2記載
の自転車用ブレーキ装置に使用するブレーキレバー。
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