JPH08117987A

JPH08117987A - 溶湯ノズル

Info

Publication number: JPH08117987A
Application number: JP26378894A
Authority: JP
Inventors: Toshihiko Nakano; 敏彦中野; Hiroshi Isaki; 博伊崎; Masanori Yoshino; 正規吉野
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1994-10-27
Filing date: 1994-10-27
Publication date: 1996-05-14

Abstract

(57)【要約】【目的】取替えが容易で、経済的な溶湯ノズルを提供
する。【構成】溶融金属が収容される供給容器１の底部に着
脱自在に装着され、ストッパー２の上下動によりノズル
孔３が開閉される溶湯ノズル４において、前記溶湯ノズ
ル４は、ノズル本体５の上端部にノズル孔３を有する小
型ノズル６が着脱自在に装着され、前記小型ノズル６は
下端外周に前記小型ノズル６と前記ノズル本体５の間に
漏れた溶湯金属の流下を阻止するための直角ないし鋭角
状の外周縁部７が形成され、下端内周が前記ノズル本体
５の溶融金属の流下孔８内に突出して形成されている。
小型ノズル６の外周面には、直角ないし鋭角状の湯漏れ
防止凸部９が一つ以上形成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、溶融状金属材料を流下
供給させるための供給容器に着脱自在に装着される溶湯
ノズルに関する。

【０００２】

【従来の技術】急冷凝固金属粉末は、結晶粒が微細で合
金元素も過飽和に含有させることができるので、急冷凝
固粉末によって形成された押出材や焼結材は、溶製材で
は具備することのない優れた材質特性を有し、機械部品
等の素材として注目されている。

【０００３】前記急冷凝固金属粉末の好適な製造方法と
して、例えば特開平４−１７６０５号公報に開示されて
いるように、旋回水流法がある。この方法は、冷却用筒
体の内周面に開口した冷却液供給流路から冷却液を筒体
内周面に沿って噴射供給し、該冷却用筒体の内周面に旋
回しながら流下する冷却液層を形成し、前記冷却用筒体
の上方に設けた噴射容器内の溶融金属をその底部に形成
された噴射ノズルから細流状に冷却液層にに向けて噴射
供給し、これを前記冷却液層によって分断して急冷凝固
させて金属粉末を得る。前記噴射容器の上方に金属を溶
融・保持する供給容器１１が設けられ、該供給容器１１
内の溶融金属が前記噴射容器に供給される。

【０００４】前記供給容器１１は、図４に示すように、
基板１６により支持され、該基板１６の隅部は支持フレ
ーム１７の底部にボルトで固定されている。前記基板１
６には、絶縁体で形成された支持部材１５が立設され、
該支持部材１５に前記供給容器１１の外周面に設けられ
た加熱コイル１８が固定されている。前記供給容器１１
の上端には上蓋積載用リング１９が付設され、該上蓋載
置用リング１９に上蓋２０がシール材２１を介して押圧
状に設置される。前記上蓋２０にはストッパー取付孔２
２が形成され、該ストッパー取付孔２２に棒状のストッ
パー１２が挿通され上下動自在に設置されている。ま
た、前記供給容器１１の底部には、ノズル孔１３を有す
る溶融ノズル１４が着脱自在に装着され、前記ストッパ
ー１２の上下動により前記ノズル孔１３が開閉され、前
記ストッパー１２を上方に移動させることにより溶融金
属が前記ノズル孔１３を通して下方に設けられた噴射容
器に供給される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来、供給容器に装着
する溶湯ノズルは耐熱材により一体成形されているた
め、ストッパーの開閉により、溶湯ノズルの上端部が摩
耗・損耗すると、使用した溶湯ノズル全体を取替えなけ
ればならない。このように、溶湯ノズルは使い捨てられ
るため、低品質のものが使用され、溶湯ノズルの使用期
間は短く、不経済である。

【０００６】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、取替えが容易で、経済的な溶湯ノズルを提供するこ
とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の溶融ノズルは、
溶融金属が収容される供給容器の底部に着脱自在に装着
され、ストッパーの上下動によりノズル孔が開閉される
溶湯ノズルにおいて、前記溶湯ノズルは、ノズル本体の
上端部にノズル孔を有する小型ノズルが着脱自在に装着
され、前記小型ノズルは下端外周に小型ノズルと前記ノ
ズル本体の間に漏れた溶湯金属の流下を阻止するための
直角ないし鋭角状の外周縁部が形成され、下端内周が前
記ノズル本体の溶融金属の流下孔内に突出して形成され
ている。また、小型ノズルの外周面には、直角ないし鋭
角状の湯漏れ防止凸部が一つ以上形成されることが望ま
しい。

【０００８】

【作用】溶湯ノズルは、ノズル本体の上端部に小型ノズ
ルが着脱自在に装着されているため、溶湯ノズルとスト
ッパーとの当接による摩耗・損耗が小型ノズルだけに止
まり、小型ノズルを交換することでノズル本体の交換が
不要になる。また小型ノズルの下端外周に直角ないし鋭
角状の外周縁部が形成されているため、小型ノズルとノ
ズル本体の間に漏れ伝わった溶湯金属が小型ノズルの外
周縁部でせき止められ、溶融金属の流下が阻止される。
また、小型ノズルの下端内周がノズル本体の溶融金属の
流下孔内に突設されているため、溶湯ノズルの下方から
適宜の棒状の治具をノズル本体の溶融金属の流下孔内に
挿入し、小型ノズルの下端を治具により突き上げれば、
ノズル本体から小型ノズルが容易に取り外され、小型ノ
ズルの交換が簡単に行われる。

【０００９】

【実施例】図１は溶融金属の供給容器１の底部に実施例
に係る溶湯ノズル４が着脱自在に装着された状態を示し
ている。前記溶湯ノズル４は、ノズル本体５と、該ノズ
ル本体５の上端部に湯漏れ防止用の耐熱性モルタルを介
して着脱自在に装着されている小型ノズル６からなる。
前記ノズル本体５と前記小型ノズル６は、Ａｌ₂Ｏ₃、
ＳｉＯ₂、ＳｉＣ、Ｓｉ ₃Ｎ₄、スピネル、マグネシ
ア、黒鉛等の高融点耐火材で形成されている。

【００１０】前記ノズル本体５は、前記供給容器１の底
部に嵌入される挿入部２６を有し、該挿入部２６の下部
に取付部２７が連成されている。前記挿入部２６は外周
面が上端側を小径とするテーパ周面であり、前記取付部
２７は前記挿入部２６の下端外周より小さな外周を有す
る円筒部材で形成される。そして、前記ノズル本体５の
軸中心には下方に拡径する流下孔８が貫設されている。

【００１１】前記小型ノズル６は、上部に形成される流
入部２８を有し、該流入部２８の下部にテーパ部２９が
連成され、該テーパ部２９の下部に排出部３０が連成さ
れている。前記流入部２８は円筒部材で形成され、下端
外周に垂直方向に形成された側面３７と水平方向に形成
された下面３８を有する外周縁部７が形成されている。
前記テーパ部２９は、外周面が下端側を小径とするテー
パ周面となっている。前記排出部３０は、前記流入部２
８より小さな外径を有する円筒部材で形成され、下端外
周即ち前記小型ノズル６の下端外周に前記外周縁部７が
形成され、下端内周が前記ノズル本体５の溶融金属の前
記流下孔８に突出して形成されている。

【００１２】また、前記流入部２８及び前記テーパ部２
９の内周面には、開閉用ストッパー２の下部と当接する
ように漏斗状のテーパ周面３１が形成され、該テーパ周
面３１は、前記ノズル本体５に設けた前記流下孔８の上
部開口より小さい径を有する前記ノズル孔３に連通して
いる。前記溶湯ノズル４を前記供給容器１に装着するに
は、まず、前記供給容器１を支持する基板２５の軸中心
に貫設されたノズル取付孔３２から前記溶湯ノズル４を
挿入し、前記供給容器１の底部に前記溶湯ノズル４を嵌
入させる。次に、前記溶湯ノズル４をノズル取付部材３
３により固定する。該ノズル取付部材３３は、前記ノズ
ル取付孔３２より大きい外径を有する台座部３４を備
え、その内周部に前記基板２５の前記ノズル取付孔３２
に嵌入される円筒部３５が形成されている。前記ノズル
取付部材３３を前記基板２５に固定するには、前記供給
容器１の下方より前記ノズル本体５の取付部２７を装着
しつつ、前記基板２５の前記ノズル取付孔３２に前記ノ
ズル取付部材３３の円筒部３５を装着した後、前記ノズ
ル取付部材３３の前記台座部３４を前記基板２５にボル
トで固定する。

【００１３】前記溶湯ノズル４を取外すには、まず、溶
融金属の排出後、まだ各部材が熱の影響で膨張している
間に、適宜の棒状の治具を前記ノズル本体５の溶融金属
の前記流下孔８内に挿入し、適宜の棒状の治具で前記小
型ノズル６の下端を突き上げる。これにより、前記ノズ
ル本体５から前記小型ノズル６が容易に取り外される。
冷却後、前記ノズル本体５の上部開口部が清掃され、新
しい小型ノズル６が再び前記ノズル本体５に取り付けら
れる。

【００１４】図２は、本発明の実施例２であり、上記実
施例１と同様の構成については同符号を付して詳細説明
を省略する。本実施例では、前記流入部２８及び前記排
出部３０の下端の外周縁部７の下面３８が垂直状の側面
３７に対し鋭角状になるよう形成されている。前記ノズ
ル本体５と前記小型ノズル６との間に侵入した溶融金属
は、前記下面３８が水平方向に対し上方に角度をもって
形成されているので、前記ノズル本体５と前記小型ノズ
ル６の隙間から侵入する溶融金属は前記側面３７から前
記下面３８に沿って重力に逆らって流れなければなら
ず、溶融金属の流れは効果的に阻止される。

【００１５】前記側面３７に対する前記下面３８の角度
は、水平方向に対して上方に角度を持っていれば良い。
もっとも、前記下面３８の水平方向に対する上方への角
度が大きくなるほど溶融金属の流下はより阻止される。
図３は、本発明の実施例３であり、上記実施例１と同様
の構成については同符号を付して詳細説明を省略する。

【００１６】本実施例では、前記テーパ部２９の外周面
に、鋭角状の湯漏れ防止凸部９が形成されている。前記
湯漏れ防止凸部９はテーパ状の側面４０と、該側面４０
に対して鋭角状に形成された下面４１とを有し、前記ノ
ズル本体５と前記小型ノズル６との間に侵入した溶融金
属の流下を阻止する。前記実施例２の場合と同様に、前
記下面４０は、水平方向に対して上方に角度を持ってい
るほど良い。

【００１７】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、ノ
ズル本体の上端部に小型ノズルが着脱自在に装着されて
いるので、小型ノズルを取り替えるだけで摩耗・損耗部
分が交換でき、メンテナンスが簡単に行われ、ノズル本
体は繰り返し使用できるので、経済性がよく、一体成形
の溶融ノズルよりコストを低下させることができる。ま
た、小型ノズルの下端内周がノズル本体の溶融金属の流
下孔内に突出して形成されているので、小型ノズルの交
換作業は容易に行うことができる。

【００１８】また、小型ノズルの下端外周縁部が直角な
いし鋭角状のが形成されているので、小型ノズルとノズ
ル本体の間を通って漏れてきた溶融金属の流下が阻止で
きる。そして、小型ノズルの外周面に湯漏れ防止用凸部
を形成すると、溶融金属の流下が弱められ、さらに、湯
漏れ防止凸部を複数形成することにより、溶融金属の流
下はさらに確実に阻止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】供給容器に装着された実施例１に係る溶湯ノズ
ルの要部断面図である。

【図２】実施例２に係る溶湯ノズルの要部断面図であ
る。

【図３】実施例３に係る溶湯ノズルの要部断面図であ
る。

【図４】溶湯ノズルが装着された従来例に係る供給容器
の断面図である。

【符号の説明】

１供給容器２ストッパー３ノズル孔４溶湯ノズル５ノズル本体６小型ノズル７外周縁部８流下孔９湯漏れ防止凸部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】溶融金属が収容される供給容器（１）の
底部に着脱自在に装着され、ストッパー（２）の上下動
によりノズル孔（３）が開閉される溶湯ノズル（４）に
おいて、前記溶湯ノズル（４）は、ノズル本体（５）の上端部に
ノズル孔（３）を有する小型ノズル（６）が着脱自在に
装着され、前記小型ノズル（６）は下端外周に前記小型
ノズル（６）と前記ノズル本体（５）の間に漏れた溶湯
金属の流下を阻止するための直角ないし鋭角状の外周縁
部（７）が形成され、下端内周が前記ノズル本体（５）
の溶融金属の流下孔（８）内に突出して形成されている
ことを特徴とする溶湯ノズル。
【請求項２】小型ノズル（６）の外周面には、直角な
いし鋭角状の湯漏れ防止凸部（９）が一つ以上形成され
ることを特徴とする請求項１に記載の溶湯ノズル。