JPH08117563A - 中空糸膜束及びその製造方法 - Google Patents

中空糸膜束及びその製造方法

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JPH08117563A
JPH08117563A JP25712794A JP25712794A JPH08117563A JP H08117563 A JPH08117563 A JP H08117563A JP 25712794 A JP25712794 A JP 25712794A JP 25712794 A JP25712794 A JP 25712794A JP H08117563 A JPH08117563 A JP H08117563A
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JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
membrane bundle
hollow yarn
diameter
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Tamiyuki Eguchi
民行 江口
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空糸膜の充填状態の粗密が均一で、特別な
形状保持材を用いることなく中空糸膜の形状を保持さ
せ、有効面積を大きくし且つ流体の流れを均一にし、流
体の流れにより自然に発生する中空糸膜の揺れ若しくは
振動を妨げず、目詰まりし難く、ろ過効率の高い形状の
中空糸膜束及びその製造方法を提供する。 【構成】 中空糸膜の開口端が一ヶ所で集束固定された
中空糸膜型の流体分離装置に用いる中空糸膜束であっ
て、全ての中空糸膜1が、該中空糸膜束の直線状部分5
における軸方向に対して垂直な方向の断面の最小直径の
1.15倍以下の直径で各々複数の交差点を有しながら
ループ状に折り返され、且つループ部分6の断面が略円
形で、その最大直径が直線状部分の前記最小直径の0.
95〜1.15倍であり、更にループ部分の中央の中空
糸膜の長さが最も短くなるように束ねられていることを
特徴とする形状保持材を持たない中空糸膜束である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、限外ろ過装置、精密ろ
過装置等の流体分離装置に使用される中空糸膜束及びそ
の製造方法に係わり、更に詳しくは特定の形状で一端を
ループ状に折り返すことによって形状を保持し、流体の
流れを均一にした中空糸膜束及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】流体の流れが均一になるように多数の中
空糸膜を、各々が数ヶ所以上の交差点を持つ(以下、
「綾をかける」と言う)ように束ねた中空糸膜束を逆浸
透、限外ろ過、精密ろ過、人工透析、ガス分離等に利用
することはよく知られている。
【0003】逆浸透、ガス分離では、中空糸膜間の隙間
を閉塞させるような物質を含まない比較的きれいな流体
が通常処理されるので、中空糸膜束はゆるぎなく強固に
束ねられている。限外ろ過では、濃度分極の影響を軽減
させるために中空糸膜の内側に流体を流すように直線状
の中空糸膜束が両端で集束固定されている。人工透析
器、血漿分離器、人工肺等の中空糸膜を用いた医療機器
も直線状の中空糸膜束が両端で集束固定されている。
【0004】中空糸膜をループ状に折り返し、その両端
を一ヶ所で集束固定した中空糸膜型の流体分離装置で
は、容易に推測できるように特別な工夫を施さなければ
中空糸膜束のループ部分の断面が円形にならないだけで
なく、その相当直径は直線状部分の断面の直径よりも通
常20%以上大きくなる。このような中空糸膜束ではル
ープ部分だけでなく直線状部分でも中空糸充填状態に粗
密のバラツキが大きくなり、均一な流体の流れが期待で
きない。
【0005】図5は、従来の製造方法によって中空糸膜
束を製造する際の巻き取り工程を示したものであり、中
空糸膜101を巻き取る二軸のカセ102と、綾をかけ
るためのトラバース103を示し、図6及び図7は、従
来の直線状のカセ102に中空糸膜101を巻き取った
ときのループ部分を示し、各図の(a) はループ部分10
4のカセ102を含む中空糸膜束の軸方向の断面、(b)
は中空糸膜束の軸方向に対して垂直な方向の断面を表し
ている。図6(b) から従来のカセでは、カセの断面積が
そのままループ部分の空間になり、ループ部分104の
束の直径が直線状部分105より大きくならざるを得な
いことがわかる。また、中空糸膜をカセ全体に均一に巻
き取ると中空糸膜束の外形が矩形になり、通常使用され
る円筒形の容器に充填したときには該容器との間に隙間
が生じることもわかる。そこで、図7(b) のように中空
糸膜束の外形が円形になるように巻き取ると、図7(a)
のように流体が最も流れにくい中空糸膜束の中央の中空
糸膜が最も長くなって好ましくない。
【0006】一方、互いに交差積層した中空糸膜の帯状
積層体を芯管に巻き付けたもの(特開昭53−3718
3号公報)、サポート部材を設けて中空糸膜束の形状を
保持するもの(実開昭62−103407号公報、実開
昭62−103409号公報、実開平1−92203号
公報等)では、形状保持材を用いることによって中空糸
膜の充填状態の粗密を均一にしている。また、実開平4
−33927号公報では、中空糸膜の充填量を大きくす
るために、中空糸膜束のループ部分の直径が直線状部分
よりも大きいことを利用して複数の中空糸膜束が互いに
交差するように配置しているが、それぞれの束の中空糸
膜の充填状態は改善されているとは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、略巻き
取り幅に等しい範囲でトラバースを用いて中空糸膜を往
復させながら直線状の二軸のカセで中空糸膜を巻き取る
従来の製造方法によって、ループ状に折り返した中空糸
膜束を得るが、中空糸膜とカセの接触面積を小さくする
と、中空糸膜に大きな圧力が加わって中空糸膜が潰れる
ので、従来の直線状のカセの厚さを単に薄くしても、ル
ープ部分の断面(以下、断りなく「断面」と言う場合に
は、中空糸膜束の軸方向に対して垂直な方向の断面を意
味する)の最大直径は、直線状部分の直径のおよそ1.
2倍までが限界である。また、直線状のカセでループ部
分の断面が円形になるように中空糸膜を巻き取るために
は、トラバースが特殊な動きをしなければならないだけ
でなく、このようにしてもループ部分の軸方向の断面の
形状は山なりになり、流体の到達が最も遅い中空糸膜束
の中央の中空糸膜の長さが最も長くなってろ過効率が低
下する等の欠点が生じる。
【0008】中空糸膜型の流体分離装置の長所の一つ
は、有効膜面積を他の形状のものに比べて大きくするこ
とができる点である。しかしながら、中空糸膜の充填状
態に粗密があれば流体の流れが不均一になり、全ての中
空糸膜が有効に使われない。中空糸膜の充填状態の粗密
を均一にするために束の形状を保持する形状保持材を用
いると、装置が複雑になるだけでなく中空糸膜の充填量
が保持材の分だけ減少する。また、保持材の形態によっ
ては中空糸膜の自由な振動まで妨げるために中空糸膜の
表面に付着物が蓄積し、目詰まりし易い等の欠点があ
る。
【0009】そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、中空糸膜の充填状態の粗密が均
一で、特別な形状保持材を用いることなく中空糸膜の形
状を保持させることによって、有効面積を大きくしなが
ら流体の流れを均一にし、流体の流れにより自然に発生
する中空糸膜の揺れ若しくは振動を妨げないことによっ
て、目詰まりし難く、ろ過効率の高い形状の中空糸膜束
を提供し、併せてその中空糸膜束の製造方法を提供する
点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、カセの形状
と綾のかけ方を種々検討した結果、中空糸膜の開口端が
一ヶ所で集束固定された中空糸膜型の流体分離装置に用
いる中空糸膜束であって、全ての中空糸膜が、該中空糸
膜束の直線状部分における軸方向に対して垂直な方向の
断面の最小直径の1.15倍以下の直径で各々複数の交
差点を有しながらループ状に折り返され、且つループ部
分の断面が略円形で、その最大直径が直線状部分の前記
最小直径の0.95〜1.15倍であり、更にループ部
分の中央の中空糸膜の長さが最も短くなるように束ねら
れていることを特徴とする形状保持材を持たない中空糸
膜束を発明するに至った。
【0011】また、中空糸膜を、中空糸膜束の直線状部
分の軸方向に対して垂直な方向の断面の最小直径に略等
しい半円形状で且つ厚さが該直径の20%以下の巻取部
を有する二軸カセで、綾をかけながら巻き取ることを特
徴とする上記の中空糸膜束の製造方法を見出して、前述
の問題を解決することができた。そして、中空糸膜を前
記二軸カセの巻取部に綾をかけながら巻き取った後、直
線状部分の中央部であって近接した二ヶ所をバンドで緊
迫し、その間を切断して中空糸膜束を得るのである。
【0012】
【作用】以上の如き内容からなる本発明の中空糸膜束
は、全ての中空糸膜が、該中空糸膜束の直線状部分にお
ける軸方向に対して垂直な方向の断面の最小直径の1.
15倍以下の直径で各々複数の交差点を有しながらルー
プ状に折り返され、且つループ部分の断面が略円形で、
その最大直径が直線状部分の前記最小直径の0.95〜
1.15倍であることから、直線状部分とループ部分と
で中空糸膜の充填状態の粗密が略均一になって流体の流
れが均一化されるとともに、当該中空糸膜束を収容する
容器への装填作業が簡単になり且つ容器との間の間隔も
均一化され、しかも形状保持材によって中空糸膜を固定
していないので、流体の流れにより自然に発生する中空
糸膜の揺れ若しくは振動を妨げないのである。また、流
体の到達が最も遅いループ部分の中央の中空糸膜の長さ
が最も短くなるように束ねられていることによって、全
ての中空糸膜のろ過特性が平均化するのである。
【0013】また、製造方法においては、中空糸膜束の
直線状部分の軸方向に対して垂直な方向の断面の最小直
径に略等しい半円形状で且つ厚さが該直径の20%以下
の巻取部を有する二軸カセを用いて、従来の製造方法と
同様に中空糸膜を綾をかけながらカセに巻き取ることに
よって、上記特性を備えた形態の中空糸膜束を製造でき
るのである。その後、直線状部分の中央部であって近接
した二ヶ所をバンドで緊迫し、その間を切断することに
よって、同時に二つの中空糸膜束を製造できる。
【0014】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
発明の詳細を説明する。図1は本発明の製造方法によっ
て中空糸膜束を製造する際の巻き取り工程を示したもの
であり、連続した中空糸膜1を回転する二軸のカセ2
に、トラバース3で綾をかけながら巻き取る方法は従来
と同様であるが、前記カセ2には互いに接近する方向に
半円形状に湾曲した巻取部4,4を設けている点が大き
く異なっている。
【0015】前記カセ2の巻取部4は、図2に示すよう
に、中空糸膜束の直線状部分5の軸方向の断面の最小直
径に略等しい直径Dの半円形状を有し且つ厚さdが該直
径Dの20%以下になるように設定している。図2(b)
は中空糸膜束のループ部分6における軸方向の断面を示
し、該ループ部分6のカセ2による空間は軸方向に分散
されており、一断面ではカセ2との接触部分のみとなっ
ているので束のループ部分6と直線状部分5の断面の直
径の差は殆どなく、カセ2から外した束の外形が略円柱
形になることがわかる。また、図2(a) は中空糸膜束の
ループ部分6を軸方向から見た図であり、束のループ部
分6の中央の中空糸膜1が最も短くなることもわかる。
【0016】そして、綾は、中空糸膜1をカセ2に巻き
取りながら、略巻き取り幅に等しい幅でトラバース3を
往復させることによって与えられる。この往復周期を短
くすると中空糸膜1の交差点数が多くなり、束の外形は
太く(即ち、中空糸膜1の充填密度は小さく)、形状は
より強く保持される。
【0017】中空糸膜自身で中空糸膜束の形状を保持さ
せるために必要なトラバース3の往復回数は、カセ2の
一回転あたりおよそ1から3である。この値が1のとき
ループ部分6の断面の最大直径が直線状部分5の最小直
径のおよそ1.15倍になり、2のときに両者は略等し
く、3のときにはおよそ0.95倍とむしろ小さくな
る。この範囲であれば、中空糸膜自身が中空糸膜束の形
状を保持するだけでなく、中空糸膜束中の中空糸膜の充
填密度及びこの中空糸膜束の通常用いられる円筒状の容
器に収容したときの中空糸膜束の充填状態に粗密のむら
がなく、流体が中空糸膜全体にわたって均一に流れる。
【0018】本発明に使用する中空糸膜の外径は、およ
そ500〜2000μmである。500μm以下ではカ
セの厚さが小さくなり、カセとの接触部分で中空糸膜が
潰れ易くなる。2000μm以上のときには中空糸膜自
身が綾をかけなくとも中空糸膜束の形状を保持する強度
を持つだけでなく、中空糸膜間の隙間も現実上問題にな
らない程に自然に形成されるが、中空糸膜の充填密度が
低くなって有効膜面積が減少するので好ましくない。
【0019】本発明が実施可能なカセに巻き取る中空糸
膜の数は、中空糸膜の太さにもよるが、中空糸膜の太さ
が2000μmでおよそ100本以上、500μmでお
よそ2000本以上である。
【0020】カセに送る中空糸膜は、1本から20本一
組の範囲で特に限定されない。20本を越えるとこの一
組の中空糸膜密度が必然的に大きくなり、中空糸膜束全
体としても中空糸膜の充填密度が過度に大きくなるため
に、限外ろ過や精密ろ過のような中空糸膜間の隙間を閉
塞させるような物質を比較的多量に含む流体を処理する
分野には好ましくないものとなる。また、中空糸膜束の
長さは、特に限定されないが、通常数cmから約1mで
ある。
【0021】本発明の製造方法が効果的に実施できる中
空糸膜は、乾湿式紡糸によるものであって、未乾燥状態
のもの、更に好ましくは溶剤が残留していて凝固が完全
には終了していないものである。乾湿式紡糸によって、
例えば、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリフッ化ビニリデン、セルロースアセテート、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等からなる限外ろ
過膜、精密ろ過膜が製造されているが、これらは何れも
未乾燥状態では柔軟で、弛むことなくカセに巻き取られ
る。この状態で乾燥すると中空糸膜束の状態がそのまま
形状記憶されて固定される。即ち、溶剤が残留していて
凝固が完全に終了していない状態の中空糸膜を巻き取っ
て、この状態で凝固を終了させると、カセからこの中空
糸膜束を外して乾燥しても中空糸膜束の状態が維持され
る。
【0022】次に、実施例によって本発明をより具体的
に説明するが、本発明を限定するものではない。
【0023】(比較例1)ポリスルホン溶液からなる紡
糸原液を二重管状ノズルから芯液とともに空中に押し出
し、20cm下にある水中に侵入させ、水中を50m/
分の速度で約3m走行させてから、カセ間の距離が45
cm、太さ8mmの丸棒の直線状カセに、巻き取り幅が
55mmで、カセ一回転あたりトラバースを1.2往復
させながら、内径500μm、外径800μmの、0.
2μmのコロイダルシリカが通過しない中空糸膜を17
00本巻き取った。巻き取り中は、中空糸膜に水を振り
かけて凝固を進行させた。中空糸膜束を中央の二ヶ所を
幅5mmのバンド7で縛り、その間を切断して二つの中
空糸膜束をカセから抜き取った。この中空糸膜束に熱水
を振りかけて残存する溶剤を更に除去してからバンドに
針金をかけて中空糸膜束を吊るし、90℃で恒量になる
ので乾燥した。
【0024】この中空糸膜束は、全長が約24cm、外
観は略図6に示すものであった。中空糸膜束の直線状部
分とループ部分に紙テープを巻き、その長さから相当す
る直径を測定した結果、それぞれ55mm、66mm
で、ループ部分の直径は直線状部分の直径の1.2倍で
あった。
【0025】(実施例1)太さ8mmの丸棒を内径55
mmの半円状に曲げて巻取部を形成したカセを用いた以
外は、比較例1と同様にして中空糸膜束Aを作成した。
この中空糸膜束Aの外観は略図2及び図3に示すもので
あった。ループ部分6の直径は60mmで、直線状部分
5の直径55mmの1.09倍であった。
【0026】(実施例2)外径960μm、内径600
μmの中空糸膜を1100本巻き取った以外は、実施例
1と同様にして中空糸膜束Aを作成した。この中空糸膜
Aの外観、ループ部分及び直線状部分の直径は実施例1
と略同じであった。
【0027】(比較例2)中空糸膜を1400本巻き取
る以外は比較例1と同様にして中空糸膜束を作成した。
この中空糸膜束のループ部分の直径は60mmで、直線
状部分の直径50mmの1.2 倍であった。
【0028】(実施例3)図4に示すように、実施例1
の中空糸膜束Aを内径62mmの多孔管8に入れ、中空
糸膜1の開口端を一ヶ所でポッティング材9で集束固定
し、有効外表面積が約1.6m2 の流体分離装置10を
作成した。この流体分離装置10を、透明な通常のハウ
ジング11に装着してろ過装置Bを構成した。このろ過
装置Bの入口12から水を供給し、多孔管8を通して中
空糸膜束Aの外側から水を毎分20リットルでろ過さ
せ、出口13から排出させながら中空糸膜1の動きを観
察した。中空糸膜1は、互いに略均一な間隔を保ちなが
ら多孔管8の中を満たすように広がり、小さく振動し
た。次に、0.2μmのコロイダルシリカの100pp
m水溶液を毎分6リットルでろ過圧力が初期ろ過圧力の
10倍になるまでろ過した。積算ろ過量は約400リッ
トルであった。
【0029】(比較例3)比較例2の中空糸膜束を用い
て実施例3と同様な観察をした。実施例3と同じろ過圧
力のときの水のろ過速度は、中空糸膜の充填本数に略比
例して毎分16リットルであった。また、中空糸膜束は
水の入口12と反対の方向へ偏り、振動する中空糸膜1
はまばらであった。次に、実施例3と同様にしてコロイ
ダルシリカの水溶液をろ過したところ、積算ろ過量は2
60リットルであった。
【0030】(実施例4)実施例3で水を毎分100リ
ットルになるまでろ過したが、振動が激しくなった以
外、中空糸膜1に異常は発生しなかった。
【0031】(比較例4)比較例1でカセに巻き取った
中空糸膜束から両端をバンドで縛った長さ約30cmの
直線状部分を切り出し、比較例1と同様にして直線状の
中空糸膜束を作成した。この中空糸膜束を実施例3と同
じ多孔管8に入れ、中空糸膜の一方を開口部にまでポッ
ティング材を充填して固定し、他方を開口状態で集束固
定した。これを用いて実施例4と同様にして水をろ過し
たが、毎分80リットルのときに中空糸膜の切断が発生
した。
【0032】
【発明の効果】本発明の中空糸膜束を限外ろ過や精密ろ
過のような中空糸膜間の隙間を閉塞させるような物質を
比較的多量に含む流体を処理するための中空糸膜の開口
端が一ヶ所で集束固定された中空糸膜型の流体分離装置
に使用すると、 中空糸膜の充填状態に粗密のバラツキがないために流
体が中空糸膜束全体に均一に分散されて流れること、 流体が最も流れ難い中空糸膜束の中央の中空糸膜が最
も短いので合理的であること、 中空糸膜自身が中空糸膜束の形状を保持しているので
構造が簡単であること、 中空糸膜束が略円柱状で、中空糸膜の充填状態に粗密
のバラツキがなく、しかも形状保持材を持たないので、
有効膜面積が大きくなって過効率を向上させることがで
きること、 流体の流れによって自然に発生する中空糸膜の揺れ若
しくは振動を妨げないので、目詰まりし難く、寿命がな
がいこと、 等の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によってカセに中空糸膜を巻
き取る状態を示した簡略説明図である。
【図2】同じくカセに巻き取った中空糸膜束のループ部
分を示し、(a) は中空糸膜束の軸方向の断面図、(b) は
ループ部分を軸方向から見た平面図である。
【図3】本発明の中空糸膜束を一部破断して示した斜視
図である。
【図4】本発明の中空糸膜束を用いたろ過装置を示す簡
略断面図である。
【図5】従来の製造方法によってカセに中空糸膜を巻き
取る状態を示した簡略説明図である。
【図6】同じくカセに巻き取った中空糸膜束のループ部
分を示し、(a) は中空糸膜束の軸方向の断面図、(b) は
軸方向に対して垂直な方向の断面図である。
【図7】同じく断面が半円形状になるようにカセに巻き
取った中空糸膜束のループ部分を示し、(a) は中空糸膜
束の軸方向の断面図、(b) は軸方向に対して垂直な方向
の断面図である。
【符号の説明】
A 中空糸膜束 1 中空糸膜 2 カセ 3 トラバース 4 巻取部 5 直線状部分 6 ループ部分 7 バンド 8 多孔管 9 ポッティング材 10 流体分離装置 11 ハウジング 12 入口 13 出口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜の開口端が一ヶ所で集束固定さ
    れた中空糸膜型の流体分離装置に用いる中空糸膜束であ
    って、全ての中空糸膜が、該中空糸膜束の直線状部分に
    おける軸方向に対して垂直な方向の断面の最小直径の
    1.15倍以下の直径で各々複数の交差点を有しながら
    ループ状に折り返され、且つループ部分の断面が略円形
    で、その最大直径が直線状部分の前記最小直径の0.9
    5〜1.15倍であり、更にループ部分の中央の中空糸
    膜の長さが最も短くなるように束ねられていることを特
    徴とする形状保持材を持たない中空糸膜束。
  2. 【請求項2】 中空糸膜を、中空糸膜束の直線状部分の
    軸方向に対して垂直な方向の断面の最小直径に略等しい
    半円形状で且つ厚さが該直径の20%以下の巻取部を有
    する二軸カセで、綾をかけながら巻き取ることを特徴と
    する中空糸膜束の製造方法。
  3. 【請求項3】 中空糸膜を前記二軸カセの巻取部に綾を
    かけながら巻き取った後、直線状部分の中央部であって
    近接した二ヶ所をバンドで緊迫し、その間を切断してな
    る請求項2記載の中空糸膜束の製造方法。
JP25712794A 1994-10-21 1994-10-21 中空糸膜束及びその製造方法 Pending JPH08117563A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015134658A (ja) * 2014-01-16 2015-07-27 アズビル株式会社 通信ケーブル巻き取り方法及び通信ケーブル巻き取り装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015134658A (ja) * 2014-01-16 2015-07-27 アズビル株式会社 通信ケーブル巻き取り方法及び通信ケーブル巻き取り装置

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