JPH08117501A - 淡水製造装置 - Google Patents

淡水製造装置

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JPH08117501A
JPH08117501A JP25541694A JP25541694A JPH08117501A JP H08117501 A JPH08117501 A JP H08117501A JP 25541694 A JP25541694 A JP 25541694A JP 25541694 A JP25541694 A JP 25541694A JP H08117501 A JPH08117501 A JP H08117501A
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heat exchange
plate
gas
aqueous solution
seawater
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JP25541694A
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Hidefusa Kudo
英興 工藤
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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 海水等の水溶液から淡水を製造する装置にお
いて、蒸気発生釜等を設けることなく、小型で、且つ、
ランニングコストの低い構成とする。 【構成】 裏面からバーナー16によって加熱される波
板状の熱交換板14に、海水導出板18と流量規制板2
2との間の隙間20から膜状に海水を流下し、熱交換板
14上を流れる間に水分を蒸発分離させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は淡水製造装置に係り、
特に、海水から淡水を製造したり、例えばめっき排液等
の水溶液から淡水を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海水から淡水を製造する装置とし
ては、例えば多段フラッシュ式、イオン交換式、逆浸透
膜式等がある。又、例えばめっき排液等の産業廃棄物を
加熱濃縮してその発生蒸気を凝縮して淡水として取り出
すものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記海水淡水化装置、
あるいはめっき排液蒸発濃縮装置は、いずれも熱エネル
ギーに無駄が生じないように効率的に構成されてはいる
が、産業用であるために設備が大型であり、且つ大型で
あるが故に高効率を維持することができるものであるの
で、家庭用等の小規模で海水を淡水化したり、あるいは
小工場でめっき排液を処理したりする場合には用いるこ
とができないという問題点がある。
【0004】又、上記従来の海水淡水化装置等は、効率
が良くなったとは言え、石化燃料の燃焼により海水等を
加熱するのがほとんどであり、燃料コストが高いという
問題点がある。
【0005】この発明は上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、小規模での海水、めっき排液等の水
溶液から高効率で淡水を製造する装置を提供することを
目的とする。
【0006】更に、ランニングコストが非常に少ない淡
水製造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、傾斜して配
置され、表側がカバーにより密閉状態に被われた熱交換
板と、この熱交換板の裏面を加熱するバーナーと、前記
熱交換板の上端に連続された略水平の水溶液導出板と、
この水溶液導出板の上側に僅かな隙間をもって平行に配
置され、該隙間を前記熱交換板の上端近傍に開口させ、
該熱交換板上に水溶液を膜状に流下させる流量規制板
と、前記熱交換板とカバーの間の密閉空間の上端に接続
され、該上端から水蒸気を導出させる蒸気導出部と、前
記熱交換板の下端に配置され、該熱交換板に沿って流下
した濃縮液及び残渣の少なくとも一方を受け止めて排出
する排出物受け止め部と、前記水溶液導出板下側近傍に
配置され前記熱交換板の裏面から前記水溶液導出板の下
側面に沿って流れる、前記バーナーの燃焼ガスを導出す
るガス導出部と、前記隙間に水溶液を供給すると共に、
前記ガス導出部及び前記蒸気導出部の各々の少なくとも
一部が通過し、供給される水溶液と燃焼ガス及び蒸気が
熱交換するようにされた水溶液供給部と、を有してなる
淡水製造装置により上記目的を達成するものである。
【0008】上記淡水製造装置は、請求項2のように、
前記バーナーを、燃料を沸点以上、発火点未満の温度に
加熱して発生した1次燃料ガスを供給する燃料ガス源
と、この燃料源から流出する1次燃料ガスを一方向に導
くガス流下パイプと、このガス流下パイプの入口近傍に
先端が配置され、前記燃料ガス流下方向に圧力空気を噴
出させるエアーノズルを含み、前記ガス流下パイプ入口
近傍で、1次燃料ガスとエアノズルからの空気とを混合
させる旋回流及び渦流の少なくとも一方を含む混合流を
形成して、2次燃料ガスを生成する混合流形成手段と、
前記2次燃料ガスに空気を混ぜた混合ガスに点火する点
火装置とを有してなるようにしてもよい。
【0009】又、前記淡水製造装置において、請求項3
のように、前記熱交換板を、水平方向の凸条が平行に複
数形成された波板としてもよい。
【0010】更に、前記淡水製造装置において、請求項
4のように、前記隙間における水溶液流量を制御する流
量制御手段を設けるようにしてもよい。
【0011】又、淡水製造装置において、請求項5のよ
うに、前記流量規制板の上側に、前記カバー内の密閉空
間上端に連続し前記蒸気導出部の一部となる熱交換室を
形成し、この熱交換室の上側に水溶液が導入される水溶
液導入室を設けるようにしてもよい。
【0012】
【作用及び効果】請求項1の発明によれば、裏面からバ
ーナーによって加熱された傾斜熱交換板の上端に連続す
る水溶液導出板裏側の僅かな隙間から海水等の水溶液を
該熱交換板上に膜状に流下させ、この熱交換板上で水溶
液中の水分を蒸発させ、蒸発後の濃縮液又は残渣を下か
ら回収し、発生した蒸気は前記隙間に供給される海水等
の供給路内に配置された蒸気導出部を通って導出される
ので、水溶液との熱交換により凝縮され、水滴となって
回収される。又、蒸気によって水溶液が加熱されるの
で、前記隙間に到達するときには、水溶液はかなり温度
が高くなっている。
【0013】バーナーの燃焼ガスは熱交換板の裏面から
更に水溶液導出板の裏面を加熱することによって、隙間
を通る水溶液を効率的に加熱し、しかる後、ガス導出部
を通って外部に排出される際に、水溶液と熱交換して冷
却され、且つ水溶液を加熱する。水溶液が隙間から膜状
に熱交換板上に導入されることによって効率良く加熱蒸
発される。又、バーナーの燃焼ガス及び上記導出管内の
蒸気も、水溶液によって冷却されるので、熱エネルギー
の無駄がない。
【0014】更に、僅かな隙間から膜状に流下する水溶
液を熱交換板上にあって直ちに蒸発させるので、水溶液
を加熱させるための蒸発釜等が不要となり、装置を小さ
く構成することができる。
【0015】請求項2の発明によれば、例えば燃料をア
ルコールとした実験結果では、アルコールの燃焼によっ
て通常得られる熱エネルギーの数倍のエネルギーを得る
ことができ、従って淡水製造装置において、最も問題と
なる熱源のランニングコストを大幅に低減させることが
できる。
【0016】請求項3の発明によれば、前記熱交換板が
波板から構成されているので、バーナーの火炎による加
熱効率が高く、又この波板の表面を流れる水溶液も受熱
効率が高いので、効率的に水蒸気を発生させることがで
きる。
【0017】請求項4の発明によれば、流量制御手段に
よって、熱交換板上に形成される水溶液の膜厚を最適に
制御して、効率良く水蒸気を発生させることができる。
【0018】請求項5の発明によれば、水蒸気出口近傍
における熱交換室の上側で水溶液と熱交換するので、水
蒸気の冷却と水溶液の加熱が効率良くなされる。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0020】この実施例に係る淡水製造装置10は、箱
状の容器内に傾斜して配置され、表側がカバー12によ
り密閉状態に被われた熱交換板14と、この熱交換板1
4の上端の裏面を加熱するバーナー16と、前記熱交換
板14の上端に連続された略水平の海水導出板18と、
この海水導出板18の裏側に僅かな隙間20をもって平
行に配置され、該隙間20を前記熱交換板14の上端近
傍に開口させる流量規制板22と、前記熱交換板14と
カバー12の間の密閉空間24の上端に接続され、該上
端から水蒸気を導出させる蒸気導出部26と、前記熱交
換板14の下端に配置され、該熱交換板14に沿って流
下した濃縮海水及び塩等の残渣の少なくとも一方を受け
止めて排出する排出物受け止め部28と、前記海水導出
板18近傍に配置され、前記熱交換板14の裏面から前
記海水導出板18の下側面に沿って流れる前記バーナー
16の燃焼ガスを導出するガス導出部30と、前記隙間
20に海水を供給すると共に、前記ガス導出部30及び
前記蒸気導出部26の各々の一部が通過し、供給される
海水と燃焼ガス及び蒸気が熱交換するようにされた海水
供給部32と、から構成されている。
【0021】前記熱交換板14は、その凸条が水平方向
となるように配置された波板から構成され、且つ上端縁
は略水平の前記海水導出板18に連続して接続されてい
る。又、前記排出物受け止め部28は、断面が半円形の
樋状部材であって、上端の一方が前記熱交換板14の下
端縁に接続され、又他の上端は前記カバー12の下端縁
に接続されている。又、排出物受け止め部28は長手方
向一方に傾斜され、傾斜下端に排出管29が設けられ、
濃縮海水や残渣が排出されるようになっている。
【0022】前記略水平の海水導出板18の、図におい
て左端は、ケーシング34の縦壁34Aに接続され、
又、海水導出板18の上側にこれと平行に配置された流
量規制板22も同様にその端部が縦壁34Aに接続され
ている。ケーシング34の上底34Bは、前記縦壁34
Aの上端から前記カバー12の上端にまで水平に接続配
置され、この上底34Bと前記流量規制板22との間に
は、略水平の海水導入板36が設けられ、上底34Bと
海水導入板36との間の海水導入室37に海水が導入さ
れ得るようになっている。
【0023】前記熱交換板14の裏側には、この熱交換
板14と略平行に傾斜して配置された隔壁38が設けら
れ、この隔壁38と前記熱交換板14の間の位置に、前
記バーナー16から火炎が噴き出されるようにされてい
る。
【0024】前記隔壁38の上端は、前記海水導出板1
8の下側にこれと略平行に配置された水平隔壁40に接
続され、前記熱交換板14の裏側を加熱した後のバーナ
ー16の燃焼排ガスが、これら海水導出板18と水平隔
壁40の間のガス導出部30に導かれるようにされてい
る。この水平隔壁40の、図において左端は、前記縦壁
34Aに接続されている。
【0025】又、前記海水導出板18には、前記縦壁3
4Aを貫通し、直角下向きに屈曲し、更に、海水導入板
36、流量規制板22を貫通した、水平方向に幅広のガ
ス導出管42の下端が開口接続され、前記海水導出板1
8と水平隔壁40との間を通った燃焼排ガスがガス導出
管42に導かれるようにされている。
【0026】このガス導出管42の図において左端は、
細い円形パイプ状の第2ガス導出管44に接続され、該
第2ガス導出管44の上方に屈曲した煙突部44Aから
大気中に燃焼排ガスが放出されるようになっている。
【0027】前記流量規制板22と、蒸気冷却板36の
間には、熱交換板14の表側面で発生した水蒸気が導入
される熱交換室46が形成されている。熱交換室46は
前記蒸気導出部26の一部を構成している。
【0028】この熱交換室46の図において左端は、前
記縦壁34Aであり、この縦壁34Aの、前記ガス導出
管42の両側に一対形成された蒸気出口46Aには、前
記蒸気導出部26の一部を構成する蒸気導出管26Aが
接続されてい。この蒸気導出管26Aは、偏平な蒸気出
口46Aに合致する長円断面形状であって、前記第2ガ
ス導出管44の外側を通って、且つ煙突部44Aの図に
おいて左側位置で1本の凝縮管48に接続されている。
【0029】この凝縮管48の左端は下方に略直角に屈
曲されて、排出弁50を通って、淡水タンク52内に凝
縮水を排出できるようにされている。
【0030】ここで、前記流量規制板22の上面、蒸気
導出部26及び凝縮管48は、図において左側ほど下が
るように僅かに傾斜され、これによって流量規制板22
の上面、蒸気導出部26及び凝縮管48内で凝縮により
蒸気から形成された水が自然に排出弁50方向に流下で
きるようにされている。
【0031】前記蒸気冷却板36の上側の上底34Bと
の間の偏平空間は、海水導入室54とされ、この海水導
入室54には、縦壁34Aに形成された海水導入口56
を介して、前記海水供給部32から海水が供給されるよ
うになっている。
【0032】この海水導入室54内には、該海水導入室
54内に下方から突出している前記ガス導出管44の両
側を挟み込むようにして一対の仕切壁54Aが設けられ
ている。この仕切壁54Aは、縦壁34Aから延在さ
れ、海水導入室54の図において右端の手前までの間を
隔絶するように配置されている。又、海水導入室54の
底壁を構成する前記海水導入板36には、前記ガス導出
管42の図において右側位置に隣接して海水排出路58
が開口接続されている。
【0033】この海水排出路58は、前記ガス導出管4
2の図において右端の縦壁に沿って、熱交換室46及び
流量規制板22を貫通して該流量規制板22と海水導出
板18との間の隙間20にまで垂直下方に延在され、海
水導入室54内の海水を隙間20に供給するようにされ
ている。
【0034】従って、海水導入室54の海水導入口56
から流入した海水は、仕切壁54Aに沿ってその先端を
廻り、該仕切壁54Aの内側に逆行し、そこから海水排
出路58を通って隙間20に供給されるようになってい
る。
【0035】ここで、前記海水導入口56には、流量制
御手段60が配置され、海水排出路58に流入する海水
の流量をケーシング34の外側から制御できるようにさ
れている。
【0036】前記海水供給部32は、平面形状が略三角
形で偏平な断面であり、前記蒸気導出管26A、ガス導
出管42及び第2ガス導出管44の水平部分を内包して
設けられ、前記海水導入室54に海水を供給するように
されている。
【0037】更に、前記海水供給管32の図において左
端には、円形パイプ状の第2海水供給管32Aが接続さ
れ、この第2海水供給管32Aは、前記パイプ状の凝縮
管48を内方して直線状に配置されている。この第2海
水供給管32Aには、図2に示されるように、ポンプ6
2によってフィルター64を通った海水が供給されるよ
うになっている。
【0038】次に前記バーナー16について説明する。
【0039】このバーナー16は、前記傾斜した隔壁3
8から先端が突出して左右一対に配置され、その各々
は、水平方向に配置された円筒体であって、図4に拡大
して示されるように、図において軸方向左端に空気吸入
口74が、右端に燃焼ガス排出口76が設けられ、内部
で液体燃料、例えばアルコールを燃焼させて、1次燃料
ガスを発生させる燃焼室72と、この燃焼室72に対し
て基端(左端)が前記燃料ガス排出口76に接続され、
前記燃焼室72から流出する1次燃料ガスを図の右方に
導くガス流下パイプ78と、前記燃焼室72の中心軸線
に沿って左端から水平に延在して取付けられ、先端(右
端)が、前記燃焼室72内の燃焼ガス排出口76の近傍
位置に配置され、前記ガス流下パイプ78における1次
燃料ガス流下方向に圧力空気を噴出させるエアーノズル
80と、を備え、エアーノズル80の先端81から前記
ガス流下パイプ78内に至る範囲で、1次燃料ガスとエ
アーノズル80からの空気とを混合させる旋回流及び渦
流の少なくとも一方を含む混合流を形成して、燃料ガス
を生成し、これに空気を混合して点火し、火炎を発生す
るようにしたものである。
【0040】前記燃焼室72の左端開口は円形蓋75に
より閉じられ、前記空気吸入口74は、この円形蓋75
に多数の小孔として形成されている。又前記円形蓋75
には、前記エアーノズル80を水平方向摺動自在に支持
するための支持円筒部86が設けられている。
【0041】又前記燃焼室72の内周面には、燃焼ガス
排出口76近傍部分を除き、連続発泡メタルからなる燃
料層88が形成されている。この燃料層88には液体燃
料がポンプ90から供給ポート92を経て供給されるよ
うになっている。供給ポート92から供給されて燃料層
88で燃焼された残りの液体燃料は、燃焼室72下端に
設けられた回収ポート94から燃料タンク96に戻さ
れ、ここから再びポンプ90によって吸い上げられるよ
うになっている。図1の符号98は燃料層88に取付け
られたグロープラグ等からなる燃料点火栓を示す。
【0042】前記ガス流下パイプ78は、前記燃焼室7
2に接続される小径部78Aと、この小径部78Aの図
において右端に接続される大径部78Bとからなり、前
記小径部78Aの途中には、複数の空気流入孔78Cが
その円周方向に適宜間隔で形成されている。
【0043】前記ガス流下パイプ78の先端(右端)は
開口され、この開口先端部には、前記燃焼室72におけ
ると同様のグロープラグ等からなる点火栓100が設け
られている。
【0044】又図4の符号102は前記エアーノズル8
0に加圧空気を供給するためのエアポンプ、符号10
4、106は燃料ポンプ90、エアーポンプ102をそ
れぞれ駆動するためのモータを示す。
【0045】次に上記実施例の作用について説明する。
【0046】燃料ポンプ90より、供給ポート92から
燃焼室72の内周面の燃料層88に例えばアルコールか
らなる液体燃料を供給し、同時に、エアーポンプ102
により圧力空気を供給して、点火栓98に通電すること
によって、燃料層88に供給された液体燃料に点火す
る。燃料層88の液体燃料に点火した後、エアポンプ1
02から加圧空気をエアーノズル80に供給する。
【0047】燃焼室72内におけるアルコール等の液体
燃料の燃焼によって発生した燃焼ガスは1次燃料ガスと
なって、エアーノズル80からの圧力空気流に巻き込ま
れるようにして旋回流となって流出される。又、エアー
ノズル20からの空気流及びこれに巻き込まれた1次燃
料ガスの一部が、燃焼室72からガス流下パイプ78に
おける小径部78Aに至るとき、その段差部に衝突して
渦流を形成する。
【0048】上記のような渦流、旋回流が最も形成され
易いように、エアーノズル20の軸方向位置を調整す
る。
【0049】1次燃料ガスと空気流が形成する渦流及び
旋回流により、両者は強く反応する。これらの反応は、
1次燃料ガス中の炭化水素を炭素と水素とに分解し、
又、これらの炭素、水素及び残った炭化水素が賦活され
て、燃料ガスに変換される。
【0050】上記の賦活された炭素及び水素を含むガス
は、ガス流下パイプ18の開口から流出するのである
が、その途中で、空気流入孔78Cを通って空気が更に
供給され、燃焼に最適な空気と燃料ガスの比率が得られ
ると同時に、この空気流入孔78C近傍においても供給
される空気と燃料ガスとの間にも渦流が発生して、更に
反応が促進される。流下パイプ78の右端に配置された
点火栓100によって前記1次燃料ガスと空気の混合体
に着火され火炎が発生することになる。
【0051】一方、ポンプ62を作動し、海水をフィル
タ64から、第2海水供給管32A、海水供給部32を
通って、海水導入口56から海水導入室54内に導く。
【0052】海水導入室54内の海水は、海水導入口5
6から入った後、仕切壁54Aに沿って、図において右
方向に流れ、次いで仕切壁54Aの先端を廻って逆方向
に流れ、ガス導出管42に隣接する海水排出路58を通
って、流量規制板22と海水導出板18の間の隙間20
に流出する。
【0053】隙間20を通った海水は、波板状の熱交換
板14の上面に沿って膜状に流下し、この間に、該熱交
換板14の裏側からのバーナー16の火炎によって加熱
され、その水分が蒸発し、残りの濃縮海水及び/又は残
渣は、熱交換板14下端に連続して設けられた排出物受
け止め部28に溜まり、ここから、排出管29を通って
外部に排出される。
【0054】前記熱交換板14で発生した蒸気は、海水
導入板36と流量規制板22との間の熱交換室46を通
って蒸気出口46Aから、更に蒸気導出管26Aに排出
される。この過程において、海水導入室54内の海水
と、海水導入板36を介して熱交換し、海水を加熱する
と同時に、蒸気が冷却され、一部が凝縮される。
【0055】蒸気導出管26Aは、海水供給部32内を
通っているので、ここでも蒸気が海水と熱交換し凝縮さ
れ、且つ海水を加熱し、最終的には、凝縮管48を通っ
て排出弁50から凝縮水として淡水タンク52に集めら
れる。
【0056】ここで、前記熱交換室46、蒸気導出管2
6A及び凝縮管48内でそれぞれ蒸気が凝縮し水滴とな
るが、これらは図において左方向に傾斜して配置されて
いるので、いずれの個所において発生した凝縮水も必ず
排出弁50方向に流下することになる。
【0057】前記バーナー16で発生した火炎は、熱交
換板14の裏面を加熱した後、燃焼排ガスとなって、ガ
ス導出部30を通り、更にガス導出管42、第2ガス導
出管44を経て、煙突部44Aから大気中に排出され
る。
【0058】この過程で、燃焼排ガスは、海水導出板1
8の下側を通る際にこれを加熱し、隙間20を通る海水
を加熱すると同時に冷却される。更に、ガス導出管42
を通る際に、その周囲の海水と熱交換して、海水を加熱
すると同時に自ら冷却される。従って、煙突部44Aか
ら排出される燃焼排ガスはほとんど冷却され、余剰熱が
ない状態となる。
【0059】又、海水も凝縮管48、蒸気導出管26
A、ガス導出管42、第2ガス導出管44で蒸気及び燃
焼排ガスとの熱交換によって加熱され、更には、海水導
入室54では海水導入板36を介して熱交換室46を通
る蒸気と熱交換し、更に隙間20に至る海水導出路58
ではガス導出管42の縦壁部で熱交換し、隙間20で
も、その下側を通る燃焼排ガス、上側を通る蒸気と熱交
換して効率的に加熱される。
【0060】更に、海水が熱交換板14上面を流下する
際に薄膜状となって流れ、且つ熱交換板14の全領域に
亘って加熱されるので、海水の流量を調整することによ
って、流下した海水を全量蒸発させることが可能であ
る。
【0061】又、従来の加熱型の海水淡水化装置におい
ては、大量の海水を加熱して蒸気を発生させるための蒸
気発生釜を必要としているが、この実施例の場合は、熱
交換板によって蒸気を発生させるようにしているので、
装置が小型化されている。
【0062】本発明者の実験によれば、バーナー16に
おいて例えばアルコールを燃焼されたとき、このアルコ
ールの燃焼によって本来得られる熱エネルギーの数倍の
熱エネルギーが得られるので、ランニングコストを大き
く低下させることができた。
【0063】又、上記実施例は、その燃焼室72の内周
面に燃料層88が形成されていて、これに略均一に液体
燃料が供給されるものであるが、本発明はこれに限定さ
れるものでなく、例えば図5に示されるように、燃料層
を燃焼室72の軸方向に隣接して配置させた第1燃料層
88Aと、これより細幅の第2燃料層88Bとから構成
し、例えば、第1燃料層には濃度40%以上60%未満
のアルコール、又第2燃料層には濃度60%以上のアル
コールを、燃料タンク90A、90Bからポンプ93
A、93Bによりそれぞれ供給するように構成する。
【0064】このようにすると、本来燃焼を維持し難い
低濃度のアルコールを、第2燃料層88Bの高濃度のア
ルコールの燃焼によって常時着火して、安定した燃焼を
得ることができる。
【0065】又上記のように、低濃度のアルコール即ち
水分を多くしたアルコールを燃焼して、且つエアーノズ
ル80から流出される圧力空気と反応させた場合、実験
によれば、水分中の水素がかなり分離して高温且つ高効
率の燃焼を得ることができた。
【0066】更に、上記各実施例においては、アルコー
ルを燃焼室内で燃焼させることによって1次燃料ガスを
得るようにしているが、本発明はこれに限定されるもの
でなく、アルコール以外の液体燃料、ガス燃料、固体燃
料を沸点以上、発火点未満の温度に加熱した燃料ガスを
発生する燃料ガス源を燃焼室の代りに設けたものであっ
てもよい。
【0067】要すれば、例えば図6に示されるように、
加熱装置110により、燃料を沸点以上、発火点未満の
温度に加熱して発生した1次燃料ガスを供給する燃料ガ
ス源112と、この燃料ガス源112から流出する1次
燃料ガスを一方向に導くガス流下パイプ114と、この
ガス流下パイプ114の前記燃料ガス源112への接続
部近傍における燃料ガス源112からガス流下パイプ1
14内の間の位置に先端の空気噴出口116Aが配置さ
れ、前記燃料ガス流下方向に圧力空気を噴出させるエア
ーノズル116と、を設け、エアーノズル116先端の
空気噴出口116Aから前記ガス流下パイプ114内に
至る範囲の少なくとも一部で、1次燃料ガスとエアーノ
ズル116からの空気とを混合させるものであればよ
い。
【0068】なお、上記実施例は海水から淡水を蒸発、
分離するものであるが、本発明はこれに限定されず、例
えばめっき廃液から淡水を製造する場合、更には、含有
金属類を分離回収する場合等の、水溶液から淡水を分離
する場合に一般的に応用され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る淡水製造装置の実施例を示す一部
断面とした斜視図
【図2】同実施例の淡水製造装置を示す断面図
【図3】同実施例装置の平断面図
【図4】同実施例装置に用いられるバーナーを示す一部
ブロック図を含む断面図
【図5】バーナーの他の実施例を示す断面図
【図6】バーナーの更に他の実施例を示す断面図
【符号の説明】
10…淡水製造装置 12…カバー 14…熱交換板 16…バーナー 18…海水導出板 20…隙間 22…流量規制板 24…密閉空間 26…蒸気導出部 26A…蒸気導出管 28…排出物受け止め部 30…ガス導出部 32…海水供給部 32A…第2海水供給管 34A…縦壁 36…海水導入板 38…隔壁 40…水平隔壁 42…ガス導出管 44…第2ガス導出管 46…熱交換室 46A…蒸気出口 48…凝縮弁 52…淡水タンク 54…海水導入室 56…海水導入口 58…海水排出路 60…流量制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】傾斜して配置され、表側がカバーにより密
    閉状態に被われた熱交換板と、この熱交換板の裏面を加
    熱するバーナーと、前記熱交換板の上端に連続された略
    水平の水溶液導出板と、この水溶液導出板の上側に僅か
    な隙間をもって平行に配置され、該隙間を前記熱交換板
    の上端近傍に開口させ、該熱交換板上に水溶液を膜状に
    流下させる流量規制板と、前記熱交換板とカバーの間の
    密閉空間の上端に接続され、該上端から水蒸気を導出さ
    せる蒸気導出部と、前記熱交換板の下端に配置され、該
    熱交換板に沿って流下した濃縮液及び残渣の少なくとも
    一方を受け止めて排出する排出物受け止め部と、前記水
    溶液導出板下側近傍に配置され前記熱交換板の裏面から
    前記水溶液導出板の下側面に沿って流れる、前記バーナ
    ーの燃焼ガスを導出するガス導出部と、前記隙間に水溶
    液を供給すると共に、前記ガス導出部及び前記蒸気導出
    部の各々の少なくとも一部が通過し、供給される水溶液
    と燃焼ガス及び蒸気が熱交換するようにされた水溶液供
    給部と、を有してなる淡水製造装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記バーナーは、燃料
    を沸点以上、発火点未満の温度に加熱して発生した1次
    燃料ガスを供給する燃料ガス源と、この燃料源から流出
    する1次燃料ガスを一方向に導くガス流下パイプと、こ
    のガス流下パイプの入口近傍に先端が配置され、前記燃
    料ガス流下方向に圧力空気を噴出させるエアーノズルを
    含み、前記ガス流下パイプ入口近傍で、1次燃料ガスと
    エアノズルからの空気とを混合させる旋回流及び渦流の
    少なくとも一方を含む混合流を形成して、2次燃料ガス
    を生成する混合流形成手段と、前記2次燃料ガスに空気
    を混ぜた混合ガスに点火する点火装置と、を有してなる
    ことを特徴とする淡水製造装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記熱交換板
    は、水平方向の凸条が平行に複数形成された波板である
    ことを特徴とする淡水製造装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のずれかにおいて、前記隙
    間における水溶液流量を制御する流量制御手段を設けた
    ことを特徴とする淡水製造装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記
    流量規制板の上側に、前記カバー内の密閉空間上端に連
    続し前記蒸気導出部の一部となる熱交換室を形成し、こ
    の熱交換室の上側に水溶液が導入される水溶液導入室を
    設けたことを特徴とする淡水製造装置。
JP25541694A 1994-10-20 1994-10-20 淡水製造装置 Pending JPH08117501A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001276443A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Nissho Iwai Chemimac Tokyo Corp 走行火炎設備装置および走行火炎方法

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JP2001276443A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Nissho Iwai Chemimac Tokyo Corp 走行火炎設備装置および走行火炎方法

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