JPH08117208A - Mrイメージング装置 - Google Patents

Mrイメージング装置

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Publication number
JPH08117208A
JPH08117208A JP6289043A JP28904394A JPH08117208A JP H08117208 A JPH08117208 A JP H08117208A JP 6289043 A JP6289043 A JP 6289043A JP 28904394 A JP28904394 A JP 28904394A JP H08117208 A JPH08117208 A JP H08117208A
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JP
Japan
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pulse
magnetic field
echo signal
gradient
gradient magnetic
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Application number
JP6289043A
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English (en)
Inventor
Osamu Kono
理 河野
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像ぶれアーティファクトを抑制することが
できるMRイメージング装置を提供する。 【構成】 各スピンエコー信号に印加される位相エンコ
ード量の積算量301c’〜303c’は、順に正から
零を通って負の方向(符号c)に変化するように設定さ
れ、各グラジェントエコー信号に印加される位相エンコ
ード量の積算量301a’〜303a’,301b’〜
303b’,301d’〜303d’,301e’〜3
03e’は、スピンエコー信号の発生した時点を基準と
して時間間隔が最も短いグラジェントエコー信号群から
時間間隔が長くなるにつれて、スピンエコー信号に施さ
れた位相エンコード量の積算量の変化の方向とは交互に
切り換えた方向(符号b,d:逆方向,符号a,e:同
方向)に変化するように設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、NMR(Nuclear Ma
gnetic Resonance)(核磁気共鳴)現象を利用してイメ
ージングを行なうMRイメージング装置に係り、特にG
RASE(Gradient and Spin ehco)法によって高速に
イメージングを行なうMRイメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高速にイメージングすること
のできる種々のMRイメージング装置が考えられてい
る。例えば、GRASE法と呼ばれる高速イメージング
のパルスシーケンスを行うMRイメージング装置が知ら
れている(米国特許第5270654号およびK.Oshio
and D.A.Feiberg "GRASE(Gradient-and Spin-Echo)Imag
ing:A Novel Fast MRI Technique" Mganetic Resonance
in Medicine 20,344-349,1991) 。このGRASE法の
パルスシーケンスは、高速イメージング法の一種であ
り、傾斜磁場の極性を切り換えてグラジェントエコー信
号を発生させるEPI(Echo Planar Imaging)法と、励起R
F(Radio Frequency) パルスとリフォーカスRFパルス
とを用いてスピンエコー信号を生じさせるRARE(Rapid A
cquisition with Relaxation Enhancement) 法とを組み
合わせたようなパルスシーケンスとなっている。
【0003】まず、従来行なわれているGRASE法の
パルスシーケンスについて、図5,図6を参照して説明
する。このシーケンスでは、図5(a)に示すように、
1個の励起RFパルス100(プロトンのスピン位相を
90°回転させるので90°パルスとも呼ばれる)を印
加した後、複数個(ここでは3個)のリフォーカスRF
パルス101〜103(プロトンのスピン位相を180
°回転させるので180°パルスとも呼ばれる)を加え
るとともに、図5(b)に示すようにこれらのRFパル
スの各々と同時にスライス選択用の傾斜磁場Gsのパル
ス110〜113を加える。そして、図5(c)に示す
ようにプロトンの位相をばらばらにするディフェーズ用
の傾斜磁場Grのパルス120を加え、これに続いて読
み出し用および周波数エンコード用の傾斜磁場Grのパ
ルス121〜123を上記のRFパルスの間隔内で加え
る。
【0004】さらに、図5(c)に示すように、これら
のGrパルス121〜123を180°パルスと次の1
80°パルスとの間(101と102,102と10
3)で複数回(ここでは4回)スイッチングさせて、
〔90°パルス100と180°パルス101との時間
間隔の偶数倍の時間間隔の時点に生じる〕スピンエコー
の信号S3(SE1)、S8(SE2)、S13(SE
3)に加えてグラジェントエコーの信号S1(GE
1)、S2(GE2)、S4(GE3)、S5(GE
4)、S6(GE5)、S7(GE6)、S9(GE
8)、S10(GE8)、S11(GE9)、S12
(GE10)、S14(GE11)、S15(GE1
2)を発生させる。
【0005】そして、図5(d)に示すように、これら
のエコー信号S1〜S15の発生直前に位相エンコード
用の傾斜磁場Gpのパルスをそれぞれ加えるが、その各
々のGpパルスの印加量は、各エコー信号S1〜S15
から得たデータがKスペース(生データ空間とも呼ばれ
る)上での図6(a)に示すように配置されるものとな
るような位相エンコード量に対応させられる。
【0006】すなわち、まずスピンエコー信号SE1〜
SE3から得たデータがKスペースの中心の領域(低周
波領域)に、グラジェントエコー信号GE1,GE
5,GE9,GE2,GE6,GE10とグラジェント
エコー信号GE3,GE7,GE11,GE4,GE
8,GE12がKスペースの周辺の領域(高周波領域)
とにそれぞれ配置され、かつその領域,,の
それぞれの中では各エコー信号の発生順位に従って上か
ら下へと、つまり正の高周波領域から低周波域を経て負
の高周波領域に向かう方向へと並ぶような位相エンコー
ド量となるように、位相エンコード用の傾斜磁場Gpの
パルスの印加量が定められている。
【0007】このような移動エンコード量を与えるため
に、図5(d)および図6(b)に示すように、最初の
180°パルス101の直後であって、最初のグラジェ
ントエコー信号S1(GE1)の直前の位相エンコード
用の傾斜磁場Gpのパルス131aの印加量が最も大き
くされる。これによりグラジェントエコー信号S1(G
E1)から得られたデータがKスペース内で最も上側
(正側)に配置される。エコー信号S2(GE2),S
3(SE1),S4(GE3),S5(GE4)の各々
の直前の位相エンコード用の傾斜磁場Gpパルス131
b〜131eは、極性が傾斜磁場パルスGp131aと
は逆で、各パルス131b〜131eの大きさは同じ
で、かつ、傾斜磁場Gpパルス121aよりも小さい。
これによりエコー信号S2,S3,S4,S5から得ら
れたデータは、Kスペース内において信号S1のデータ
位置から下側に等間隔だけ離れた位置に配置される(図
6(b)参照) 。
【0008】その後に加えられる位相エンコード用の傾
斜磁場Gpパルス131fはリワインド用であって、次
の180°パルス102が加わる前に積算された位相エ
ンコード量をいったん零に戻すものである。2番目の1
80°パルス102の後で加えられる位相エンコード用
の傾斜磁場Gpパルス132aの大きさは傾斜磁場Gp
パルス131aの大きさよりもやや小さいものとされ
る。これによりエコー信号S6(GE5)は、エコー信
号S1(GE1)から得られたデータのKスペース上で
の配置場所に隣接した下側の場所に配置されるような位
相エンコード量となる。エコー信号S7〜S10の各々
の直前に加えられる傾斜磁場Gpパルス132b〜13
2eの大きさおよび極性は先の傾斜磁場Gpパルス13
1b〜131eと同じである。そのためエコー信号S7
(GE6),S8(SE2),S9(GE7),S10
(GE8)から得られたデータのKスペース上での配置
場所は、上記のエコー信号S1,S2,S3,S4,S
5のそれぞれの間の間隔と同じ間隔だけ、エコー信号S
6のデータの配置場所より離れた下側となり、信号S
7,S8,S9,S10から得られたデータのKスペー
ス上での配置位置はそれぞれ信号S2,S3,S4,S
5から得られたデータの下側に隣接したものとなる。そ
の後リワインド用の傾斜磁場Gpパルス132fが加え
られる。
【0009】3番目の180°パルス103の後で加え
られる傾斜磁場Gpパルス133aの大きさは傾斜磁場
Gpパルス132aよりもさらにやや小さいものとされ
る。傾斜磁場Gpパルス133b〜133eの大きさお
よび極性は傾斜磁場Gpパルス131b〜131e(お
よび傾斜磁場Gpパルス132b〜132e)と同じで
ある。そのため、信号S11(GE9),S12(GE
10),S13(SE3),S14(GE11),S1
5(GE12)から得られたデータは、エコー信号S
6,S7,S8,S9,S10から得られたデータの下
側に隣接したものとなる。
【0010】このようにKスペースの中央部の領域
(中央部の領域は、低周波領域でありKスペースを2
次元フーリエ変換して画像再構成する際に画像のコント
ラストに大きな影響を及ぼす)に、静磁場の不均一によ
る位相誤差がなく、かつ、ケミカルシフトによる位相誤
差がないスピンエコー信号から得られたデータが配置さ
れるような位相エンコード量としているので、位相誤差
によってKスペース上での位相エンコード量が不連続と
なることに起因する偽像(アーティファクト)の一種で
ある画像ぶれが再構成画像に生じにくいという利点があ
る。また、180°パルスの各間隔内におけるエコー信
号の発生順位が同一の各エコー信号をグルーピング(図
6(a)のSGE1,SGE2,SSE,SGE3,S
GE4)しているので、〔グルーピングされているエコ
ー信号群の境界には位相誤差が残るが〕グルーピングさ
れている各エコー信号の境界での位相誤差がなくなって
画像ぶれが生じにくいという利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記のパルスシーケンスでは、グルーピングされている
エコー信号群から得られたデータ群の境界(SGE1と
SGE2,SGE2とSSE,SSEとSGE3,SG
E3とSGE4)で急激な信号強度差ΔSが発生する。
すなわち、各エコー信号S1〜S15の信号強度は図6
(c)に示すようになる。これは図5(e)に示すよう
に、各エコー信号S1〜S15の信号強度が最初の90
°パルス100以降徐々に時定数T2 および時定数T2
* に応じて減衰してくることに起因している(なお、時
定数T2 はスピンエコー信号に生じる横緩和時間(スピ
ン−スピン緩和時間とも呼ばれる)を示し、時定数T2
* は静磁場の不均一によって時定数T2 よりも速く減衰
する、グラジェントエコー信号に生じる横緩和時間を示
す)。すなわち、エコー信号S1〜S15の各々の信号
強度はその発生順位にしたがって順に小さいものとな
る。
【0012】ところがエコー信号S1〜S15から得ら
れた各々のデータは、図6(a)に示すようにKスペー
ス内で配置されるためにKスペースの位相エンコード方
向(上下方向)に見ると、S11のデータが配置される
位置とS2のデータが配置される位置との境界(SGE
1とSGE2との境界)、S12のデータが配置される
位置とS3のデータが配置される位置との境界(SGE
2とSSEとの境界)、S13のデータが配置される位
置とS4のデータが配置される位置との境界(SSEと
SGE3との境界)、S14のデータが配置される位置
とS5のデータが配置される位置との境界(SGE3と
SGE4との境界)において信号強度が急激に変化して
いる。その結果、このようにしてKスペース内に配置さ
れたデータを2次元フーリエ変換して画像を再構成する
と、その再構成された画像に画像ぶれアーティファクト
が発生するという問題点がある。
【0013】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、各エコー信号から得られたデータの
うち、Kスペース上で隣接するデータの信号強度差を小
さくすることによって、画像ぶれアーティファクトを抑
制することができるMRイメージング装置を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明に係るMRイメージング装置は、NMR現
象を利用してイメージングを行なうMRイメージング装
置であって、撮影領域空間に均一な静磁場を発生する主
マグネットと、前記静磁場空間で直交する3次元方向に
磁場強度がそれぞれ変化する3つの傾斜磁場パルス(ス
ライス選択用傾斜磁場パルス、読み出し用傾斜磁場パル
ス、位相エンコード用傾斜磁場パルス)を発生させるた
めの第1ないし第3の傾斜磁場コイルと、励起RFパル
スとリフォーカスRFパルスの照射およびエコー信号の
検出を行なうためのRFコイルと、前記RFコイルを介
して、1個の励起RFパルスとそれに続く複数個のリフ
ォーカスRFパルスとを所定のタイミングで順に照射す
るRF照射手段と、前記励起RFパルスおよびリフォー
カスRFパルスの各パルスの照射タイミングに合わせ
て、前記第1の傾斜磁場コイルを介してスライス面を選
択するための傾斜磁場パルスを発生するスライス選択用
傾斜磁場パルス発生手段と、前記複数個のリフォーカス
RFパルスの各パルス間隔内において、複数回の極性切
り換えを行なって各スピンエコー信号を中心に複数個の
グラジェントエコー信号を発生させるとともに、前記各
スピンエコー信号および前記各グラジェントエコー信号
の各エコー信号の発生タイミングに合わせて、前記第2
の傾斜磁場コイルを介して読み出し用の傾斜磁場パルス
を発生する読み出し用傾斜磁場パルス発生手段と、前記
各エコー信号が発生する直前に前記第3の傾斜磁場コイ
ルを介して次の各条件、(a)前記各エコー信号の位相
エンコード量の積算量が、前記各スピンエコー信号の発
生順位に従って正(または負)から零付近を通って負
(または正)の値に変化するように前記位相エンコード
用傾斜磁場パルスの強度を変えること、(b)前記各グ
ラジェントエコー信号のうち、前記各パルス間隔内にお
ける発生順位が同一のグラジェントエコー信号群には、
前記各スピンエコー信号が発生した時点を基準として時
間間隔が最も短いグラジェントエコー信号群から時間間
隔が長くなるにつれて、前記各スピンエコー信号の位相
エンコード量の積算量が変化する方向を交互に切り換
え、かつ、前記時間間隔が短いグラジェントエコー信号
群の位相エンコード量の積算量の絶対値より大きくなる
ように前記位相エンコード用傾斜磁場パルスの強度を変
えること、を全て満たす位相エンコード用傾斜磁場パル
スを発生する位相エンコード用傾斜磁場パルス発生手段
と、前記RFコイルで検出したエコー信号からデータを
収集し、前記各エコー信号毎の位相エンコード量の積算
量に応じて各データをkスペース上に配置して断層像を
再構成するデータ処理手段とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0015】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。撮影領域
空間には主マグネットによって静磁場が発生し、さらに
撮影領域空間には第1の傾斜磁場コイルを介してスライ
ス選択用傾斜磁場パルスが印加され、スライス面が選択
される。そしてRF照射手段がRFコイルを介して、1
個の励起RFパルスとそれに続く複数個のリフォーカス
RFパルスを照射する。この励起RFパルスと最初のリ
フォーカスRFパルスとの時間間隔の偶数倍の時間間隔
となる時間には、主マグネットによる静磁場の不均一や
ケミカルシフトに起因する位相誤差のないスピンエコー
信号が発生する。さらに、複数個のリフォーカスRFパ
ルスの各パルス間隔内では、読み出し用傾斜磁場パルス
発生手段が第2の傾斜磁場コイルを介して読み出し用の
傾斜磁場パルスの複数回の極性切り換えを行なうことに
よって、前記スピンエコー信号を中心にして複数個のグ
ラジェントエコー信号を発生させる。
【0016】したがって、リフォーカスRFパルスの各
間隔内には、スピンエコー信号を中心にして複数個のグ
ラジェントエコー信号が発生することになる。なお、こ
れらのエコー信号の信号強度は、ほぼ横緩和時間の時定
数で順次に減衰している。
【0017】そして順次に発生した各エコー信号は、位
相エンコード用傾斜磁場パルス発生手段が第3の傾斜磁
場コイルを介して位相エンコード用の傾斜磁場パルスを
発生することによって順次に位相エンコードを施され
る。その位相エンコードは次のように行なわれる。
【0018】まず、各スピンエコー信号の位相エンコー
ド量の積算量が、各スピンエコー信号の発生順位に従っ
て、正(または負)から零付近を通って負(または正)
の値に変化するように位相エンコード用傾斜磁場パルス
の大きさを変える。このように各スピンエコー信号には
その発生順位に従って位相エンコード量の積算量が順次
に減少(または増加)するように施されるので、各スピ
ンエコー信号から得られたデータがKスペースに配置さ
れる際にはKスペースの正方向からその発生順序(また
はその逆の順序)で配置される。したがってKスペース
上では、各スピンエコー信号から得られたデータの信号
強度が〔その発生順序の時〕Kスペースの正方向から減
少(または〔発生順序の逆の時〕増加)するように、各
データがKスペース上に配置される。また、位相エンコ
ードの積算量は、零付近を通っているので、各スピンエ
コー信号から得られたデータの配置位置は再構成画像の
コントラストに大きな影響を及ぼすKスペース上の中央
部に配置されることになる。
【0019】次に、各グラジェントエコー信号には、次
のように位相エンコードが施される。各グラジェントエ
コー信号のうち、リフォーカスRFパルスの各パルス間
隔内における発生順位が同一のグラジェントエコー信号
群には、各パルス間隔内のスピンエコー信号発生時点を
基準として時間間隔が最も短いグラジェントエコー信号
群から時間間隔が長くなるにつれて、スピンエコー信号
に施された位相エンコード量の積算量が変化する方向を
交互に切り換え、かつ、前記時間間隔が短いグラジェン
トエコー信号群の位相エンコード量の積算量の絶対値よ
り大きくなるように前記位相エンコード用傾斜磁場パル
スの強度を変える。このように発生順位が同一のグラジ
ェントエコー信号群には、リフォーカスRFパルスの各
間隔内におけるスピンエコー信号が発生した時点を基準
として時間間隔が最も短いグラジェントエコー信号群か
ら時間間隔が長くなるにつれて、スピンエコー信号に施
された位相エンコード量の積算量が変化する方向を交互
に切り換えるので、スピンエコー信号から得られたデー
タがKスペース上で信号強度の減少するような配置の場
合には、その反対に信号強度が減少するようなデータの
配置となり、増加するような配置の場合には、その反対
に信号強度が減少するようなデータの配置となる。
【0020】さらに、時間間隔が長くなるにつれて時間
間隔が短いグラジェントエコー信号群の位相エンコード
量の積算量の絶対値より大きくなるように位相エンコー
ド量の積算量の絶対値を大きくするので、周辺部に配置
されるグラジェントエコー信号群から得られたデータ群
は、隣接するデータ群の信号強度の減少または増加傾向
の逆の傾向で配置されることになる。
【0021】したがって、Kスペース上で隣接する、各
スピンエコー信号から得られるデータ群(信号強度が増
加(または減少))とその周辺部に配置される各グラジ
ェントエコー信号から得られるデータ群(信号強度が減
少(または増加))とは、増加傾向の信号強度と減少傾
向の信号強度(または減少傾向の信号強度と増加傾向の
信号強度)となるので、その境界での信号強度差は小さ
くなる。さらに、各グラジェントエコー信号から得られ
たデータ群(信号強度が減少(または増加))の周辺に
は、信号強度が増加(または減少)する、各グラジェン
トエコー信号から得られたデータ群が配置される。した
がって、各グラジェントエコー信号から得られるデータ
群(信号強度が減少(または増加))とその周辺部に配
置される各グラジェントエコー信号から得られるデータ
群(信号強度が増加(または減少))とは、減少傾向の
信号強度と増加傾向の信号強度(または増加傾向の信号
強度と減少傾向の信号強度)となるので、その境界での
信号強度差は小さくなる。したがって、Kスペース上に
おいて、その中央部に配置される各スピンエコー信号か
ら得られたデータ群とその周辺に隣接する各グラジェン
トエコー信号から得られたデータ群との境界だけでな
く、さらにその周辺に配置されて隣接する、発生順位が
同一であるグラジェントエコー信号群から得られたデー
タ群のそれぞれの境界においても信号強度差が小さくな
る。
【0022】このように位相エンコードを施された各エ
コー信号は、RFコイルによって検出され、データ処理
手段によってそれぞれの位相エンコード量の積算量に応
じてKスペースに配置される。そして2次元フーリエ変
換法によって画像を再構成する。このときKスペース上
において、中央部に配置されたデータ群(各スピンエコ
ー信号から得られたデータ群)とその周辺部に配置され
たデータ(各グラジェントエコー信号から得られたデー
タ群)との境界の信号強度差は小さく〔滑らかに〕なっ
ており、さらにその周辺部に配置されたデータ(各グラ
ジェントエコー信号から得られたデータ群)との境界の
信号強度差も小さく〔滑らかに〕なっているので、再構
成された画像の画像ぶれアーティファクトをさらに抑制
することができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。まず、図1に示したMRイメージング装置に
ついて説明すると、静磁場を発生するための主マグネッ
ト1と、この静磁場に重畳するように傾斜磁場を印加す
る3つの傾斜磁場コイル2(2x,2y,2z)とが備
えられている。傾斜磁場コイル2は、主マグネット1に
よる均一な静磁場に、磁場強度が直交する3次元方向
(X,Y,Z)にそれぞれ変化する3つの傾斜磁場G
s,Gp,Grのパルス(スライス選択用傾斜磁場パル
ス、位相エンコード用傾斜磁場パルス、読み出し用傾斜
磁場パルス)を重畳する3組の傾斜磁場コイル2x,2
y,2zから構成されている。この静磁場及び傾斜磁場
が加えられる空間には図示しない被検体(患者)が配置
され、その被検体にはRFコイル3が取り付けられる。
【0024】傾斜磁場コイル2には傾斜磁場電源4が接
続され、傾斜磁場Gx,Gy,Gzの各傾斜磁場発生用
電力が供給される。この傾斜磁場電源4には波形発生器
5からの波形信号が入力されて傾斜磁場Gx,Gy,G
zの各傾斜磁場波形が制御される。RFコイル3にはR
Fパワーアンプ6からRF信号が供給され、これにより
被検体へのRF信号照射が行なわれる。このRF信号
は、RF信号発生器7より発生させられた所定のキャリ
ア周波数のRF信号を、変調器8で、波形発生器5から
送られてきた波形に応じて振幅変調したものとなってい
る。
【0025】被検体で発生したエコー信号はRFコイル
3により受信され、プリアンプ9を経て位相検波器10
に送られる。受信信号は、位相検波器10においてRF
信号発生器7からのRF信号をリファレンス周波数とし
て位相検波され、検波出力がA/D変換器11に送られ
る。このA/D変換器11にはサンプリングパルス発生
器12からサンプリングパルスが入力されており、この
サンプリングパルスに応じて検波出力のデジタルデータ
への変換が行なわれる。そのデジタルデータはホストコ
ンピュータ20に取り込まれる。
【0026】データ処理手段に相当するホストコンピュ
ータ20は、取り込まれたデータを処理して画像を再構
成するとともに、シーケンサー23を介してシーケンス
全体のタイミングを定める。すなわち、シーケンサー2
3は、ホストコンピュータ20の制御の下に、波形発生
器5、RF信号発生器7、サンプリングパルス発生器1
2等にタイミング信号を送り、波形発生器5から各波形
信号が出力されるタイミングを定めるとともに、RF信
号発生器7からのRF信号発生タイミングを定め、さら
にサンプリングパルス発生器12からのサンプリングパ
ルス発生タイミングを定める。また、ホストコンピュー
タ20は、波形発生器5に波形情報を送り、Gx,G
y,Gzの各傾斜磁場パルスの波形、強度等を制御する
とともに、RFコイル3から被検体に照射するRF信号
のエンベロープを定め、さらにRF信号発生器7に信号
を送ってRF信号のキャリア周波数を制御する。したが
って、このホストコンピュータ20により、GRASE
法に基づくパルスシーケンス全体の制御がなされる。
【0027】このようなMRイメージング装置におい
て、コンピュータ20及びシーケンサー23の制御の下
に図2に示すようなパルスシーケンスが行なわれる。こ
の図2に示すパルスシーケンスは、基本的には上述した
GRASE法によるものであり、一部を改良したものな
っている。
【0028】まず、図2(a),(b)に示すように、
RFコイル3を介して1個の90°パルス(励起RFパ
ルス)100を印加すると同時に傾斜磁場コイル2xを
介してスライス選択用傾斜磁場Gsのパルス110を加
える。次いで1個の180°パルス(リフォーカスRF
パルス)101を、90°パルス100の照射時点を時
間原点としてτ時間後に照射し、さらにその2τ時間後
に180°パルス102を照射する。このようにして1
80°パルス101,102,103をスライス選択用
傾斜磁場Gsのパルス111,112,113とともに
順次照射していく。
【0029】この場合、図2(e)に示すように、最初
のスピンエコー信号S3(SE1)は、90°パルス1
00と180°パルス101の間の時間間隔τと同じ時
間間隔だけ180°パルス101から経過した時点を中
心にして生じる。ここでは90°パルス100からスピ
ンエコー信号S3(SE1)のエコー中心までの時間
(エコーディレイ時間2τ)をt1 とする。このように
90°パルス100からエコー中心までのエコーディレ
イ時間をt1 とすると、最初の180°パルス101
は、90°パルス100を時間原点(t=0)として、
t=(1/2)t1 =τで与えられる。そして、n(n
は正の整数)番目の180°パルスの照射タイミングは
{2(n−1)+1}τに設定されている。すなわち、
180°パルス101,102,103の各照射タイミ
ングは、t=τ、t=(3/2)t1 =3τ、(5/
2)t1 =5τの各時点に設定されることによって、ス
ピンエコー信号S3(SE1),S8(SE2),S1
3(SE3)をt=t1 ,t2 ,t3 の各時点で発生さ
せるようにする。これにより90°パルス100から2
番目以降のスピンエコー信号S8(SE2),S13
(SE3)の発生時点までの時間間隔t2 ,t3 が、9
0°パルス100から最初のスピンエコー信号発生時点
までの時間間隔t1 の整数倍、すなわち、t2 =2
1 、t3 =3t1 とすることができる。
【0030】このように180パルスの照射タイミング
を制御することによって、180°パルスの不完全性に
よる擬似スピンエコー信号(spurious spin echo)を本来
のスピンエコー信号と同時刻に発生させて位相ずれを少
なくしながら擬似スピンエコー信号をも画像化のための
スピンエコー信号(stimulated spin echo)として利用す
ることができる。
【0031】図2(c)を参照する。傾斜磁場コイル2
zを介して、〔プロトンのスピン位相をばらばらにする
ための〕ディフェーズ用グラジェントパルス120を、
最初の180°パルス101の前に印加した後、180
°パルス101と102の間隔内において、Grパルス
の極性を例えば4回切り換える(121aと121b,
121bと121c,121cと121d,121dと
121e)ことにより、この間隔内でエコー信号S1〜
S5を発生させる。第2番目の180°パルス102と
第3番目の180°パルス103の間隔内および第3番
目の180°パルス103以降において同様にGrパル
スの極性を切り換えることにより、それぞれ5個のエコ
ー信号S6〜S10およびS11〜S15を発生させ
る。これらの各エコー信号S1〜S15のうち中央のエ
コー信号S3,S8,S13は、主マグネット1による
静磁場の不均一やケミカルシフトに起因する位相誤差の
ないスピンエコー信号SE1〜SE3であり、その他の
エコー信号はグラジェントエコー信号GE1〜GE12
である。なお、これらのエコー信号S1〜S15は、図
2(e)に示すようにその発生順に次第に信号強度が減
衰する。この減衰の時定数は、横緩和時間T2 およびT
2 * であり、正確には静磁場の不均一の影響を受けない
スピンエコー信号SE1〜SE3が横緩和時間T2 (ス
ピン間でエネルギー交換を行なうことからスピン−スピ
ン緩和時間とも呼ばれる)で減衰し、静磁場の不均一の
影響を受けるグラジェントエコー信号GE1〜GE12
が静磁場の不均一の影響で横緩和時間T2 よりも速く減
衰するT2 * で減衰する。
【0032】そして、傾斜磁場コイル2yを介して、エ
コー信号S1〜S15のそれぞれに異なる位相エンコー
ド量の積算量となるような位相エンコード用の傾斜磁場
パルスGpが印加される。図2(a)〜(e)を参照す
る。まず、第1番目の180°パルス101の後にであ
って、エコー信号S1の発生前に印加されるGpパルス
301aは、正極性であり最も大きなものとされる。こ
れによりグラジェントエコー信号S1(GE1)から得
られたデータが、図3(a)に示すようにKスペース上
で上下方向(位相エンコード方向)の最も上側(正側)
に配置されるようになる。次のエコー信号S2の発生前
に印加されるGpパルス301bは、負極性であるが既
に印加されたGpパルス301aとの積算量が正となる
ような大きさである。これによりグラジェントエコー信
号S2(GE2)から得られたデータが、Kスペース上
でグラジェントエコー信号S1(GE1)から下方向に
大きく離れた位置に配置される。次のエコー信号S3の
発生前に印加されるGpパルス301cは、負極性であ
り小さななものであるが既に印加された位相エンコード
量の積算量によりその積算量が僅かに正となる。これに
よりスピンエコー信号S3(SE1)から得られたデー
タが、Kスペース上でグラジェントエコー信号S2(G
E2)のデータの下側に隣接する位置に配置される。次
のエコー信号S4の発生前に印加されるGpパルス30
1dは、グラジェントエコー信号S2(GE2)に印加
されたGpパルス301bと同じ大きさである。したが
ってグラジェントエコー信号S4(GE3)から得られ
たデータが、Kスペース上でスピンエコー信号S3(S
E1)のデータの下方に遠く離れた位置に配置される。
次のエコー信号S5の発生前に印加されるGpパルス3
01eは、負極性でありスピンエコー信号S3(SE
1)に印加したGpパルス301cと同じ大きさであ
る。これによりグラジェントエコー信号S5(GE4)
から得られたデータが、Kスペース上でグラジェントエ
コー信号S4(GE3)の下側に隣接する位置に配置さ
れる。そして、リワインドパルス301fが、次の18
0°パルス102の前に印加される。
【0033】第2番目の180°パルス102の印加後
であって、エコー信号S6の発生前に印加されるGpパ
ルス302aは、正極性でありグラジェントエコー信号
S1(GE1)に印加されたGpパルス301aより僅
かに小さなものとされる。これによりグラジェントエコ
ー信号S6(GE5)から得られたデータが、Kスペー
ス上でグラジェントエコー信号S1(GE1)の下側に
隣接する位置に配置される。次のエコー信号S7の発生
前に印加されるGpパルス302bは、負極性であるが
既に印加されたGpパルス302aにより積算量が正と
なるような大きさである。これによりグラジェントエコ
ー信号S7(GE6)は、Kスペース上でグラジェント
エコー信号S6(GE5)から下方に離れた位置に配置
される。同様にエコー信号S8〜S10には、既に〔グ
ラジェントエコー信号S7(GE6)に〕印加されたG
pパルス302bと同じ大きさのGpパルス302c,
302d,303eが印加されるので、それらから得ら
れた各データはKスペース上での配置位置がグラジェン
トエコー信号S6(GE5)とS7(GE6)との間隔
と同じだけ離れた位置となる。そして、同様にリワイン
ドパルス302fを印加する。
【0034】第3番目の180°パルス103の後であ
って、エコー信号S11(GE9)の発生前には、正極
性でありグラジェントエコー信号S6(GE5)に印加
されたGpパルス302aより僅かに小さなGpパルス
303aが印加される。これによりグラジェントエコー
信号S11(GE9)から得られたデータが、Kスペー
ス上でグラジェントエコー信号S6(GE5)の下側に
隣接する位置に配置される。次のエコー信号S12の発
生前に印加されるGpパルス303bは、既に〔スピン
エコー信号S3(SE1)に〕印加されたGpパルス3
01cと同じ大きさである。これによりグラジェントエ
コー信号S12(GE10)から得られたデータが、K
スペース上でのグラジェントエコー信号S2(GE2)
とスピンエコー信号S3(SE1)の間隔と同じ間隔だ
けグラジェントエコー信号S11(GE9)から下方に
離れた位置に配置される。すなわち、グラジェントエコ
ー信号S11(GE9)の下側に隣接する位置に配置さ
れる。次のエコー信号S13の発生前に印加されるGp
パルス303cは、負極性であり既に印加されたGpパ
ルス301bと同じ大きさである。これによりスピンエ
コー信号S13(SE3)から得られたデータが、Kス
ペース上でのグラジェントエコー信号S1(S1)とS
2(GE2)の間隔と同じ間隔だけグラジェントエコー
信号S12(GE10)から下方に離れた位置に配置さ
れる。次のエコー信号S14の発生前に印加されるGp
パルス303dは、負極性であり既に印加されたGpパ
ルス303bと同じ大きさである。これによりグラジェ
ントエコー信号S14(GE11)から得られたデータ
が、Kスペース上でのスピンエコー信号S13(SE
3)の下側に隣接する位置に配置される。次のエコー信
号S15の発生前に印加されるGpパルス303eは、
既に印加されたGpパルス303cと同じ大きさであ
る。これによりグラジェントエコー信号S15(GE1
2)から得られたデータが、Kスペース上でのグラジェ
ントエコー信号S12(GE10)とスピンエコー信号
S13(SE3)の間隔と同じ間隔だけグラジェントエ
コー信号S14(GE11)から下方に離れた位置であ
って、Kスペースの最も下側の位置に配置される。すな
わち、グラジェントエコー信号S10(GE8)の下側
に隣接する位置に配置される。そして同様にリワインド
パルス303fを印加する。
【0035】このように施された位相エンコード量の積
算量を模式的に示すと、図4のようになる。なお、この
図では各Gpパルスの積算量を各Gpパルス符号に’を
付すことで表している。各スピンエコー信号に印加され
る位相エンコード量の積算量301c’,302c’,
303c’は、順に正から零を通って負の方向(符号
c)に変化するように設定されている。したがって各ス
ピンエコー信号SE1〜SE3から得られたデータは、
その発生順序でKスペース上の中央の領域に配置され
る。また、各グラジェントエコー信号に印加される位相
エンコード量の積算量301a’〜303a’,301
b’〜303b’,301d’〜303d’,301
e’〜303e’は、スピンエコー信号の発生した時点
を基準として時間間隔が最も短いグラジェントエコー信
号群(SGE2,SGE3)から時間間隔が長くなるに
つれて、スピンエコー信号に施された位相エンコード量
の積算量の変化の方向とは交互に切り換えた方向(符号
b,d:逆方向,符号a,e:同方向)に変化するよう
に設定されている。したがってグラジェントエコー信号
群SGE2,SGE3から得られたデータは、その発生
順序とは逆の順序でKスペースに配置され、グラジェン
トエコー信号群SGE1,SGE4から得られたデータ
は、その発生順序でKスペースに配置される。また、そ
れらの位相エンコード量の積算量の絶対値は、各スピン
エコー信号の位相エンコード量の積算量よりも大きいの
で、各グラジェントエコー信号群SGE1〜SGE4か
ら得られたデータ群は、Kスペース上でスピンエコー信
号から得られたデータの周辺に配置される。
【0036】このように各エコー信号に位相エンコード
を施すことによって、図3(a)に示すようなデータの
配置となる。すなわち、スピンエコー信号群(SSE)
についてはその発生順序となるように〔Kスペースの正
方向から〕S3(SE1),S8(SE2),S13
(SE3)の順序で、Kスペースの中央の低周波領域で
ある領域に配置される。各グラジェントエコー信号
は、180°パルス101〜103の各間隔内における
発生順位が同一のグラジェントエコー信号群(SGE
1,SGE2,SGE3,SGE4)ごとにグルーピン
グされ、かつ、その各グループ内での各信号の配置順序
がグラジェントエコー信号群SGE1,SGE4につい
ては信号の発生順序に、グラジェントエコー信号群SG
E2,SGE3については信号の発生順序とは逆になっ
ている。そして、グラジェントエコー信号群SGE1,
SGE2は、Kスペースの周辺の高周波領域である領域
に配置され、グラジェントエコー信号群SGE3,S
GE4は、同じく高周波領域である領域に配置され
る。
【0037】このようにKスペースに配置された〔エコ
ー信号から得られた〕データの信号強度は、図3(c)
に示すようになる。すなわち、各エコー信号S1〜S1
5の信号強度は、上述したように時定数T2 およびT2
* で減衰しているので、各エコー信号群内での信号の配
置順序が信号の発生順序となっているスピンエコー信号
群SSEおよびグラジェントエコー信号群SGE1,S
GE4では、Kp軸を横軸としてみると減少傾向(図中
に二点鎖線で示す)となっている。一方、グラジェント
エコー信号群SGE2,SGE3では、各グラジェント
エコー信号の配置順序が信号の発生順序とは逆となって
いるので、信号強度の傾向が増加傾向となっている。し
たがってスピンエコー信号群SSEとその周辺のグラジ
ェントエコー信号群SGE2,SGE3との境界での信
号強度の差およびグラジェントエコー信号群SGE2,
SGE3とその周辺のグラジェントエコー信号群SGE
1,SGE4との境界での信号強度の差がΔS1 とな
る。すなわち、隣接するエコー信号群の全ての境界での
信号強度差を小さくすることができる。これによりKス
ペースを2次元フーリエ変換して画像を再構成する際に
画像ぶれアーティファクトを抑制して優れた画質の再構
成画像を得ることができる。
【0038】なお、この実施例では位相エンコード用の
傾斜磁場Gpのパルス301a,302a,303aを
正極性のものとして徐々に小さくしているが、負極性の
ものとして徐々に小さくするとともに他のGpパルスの
極性も全て反対極性のものとしてもよい。これによると
図3(a)の上下関係を反転したようなKスペースでの
データ配置とすることができる。
【0039】また、この実施例では1個の90°パルス
(励起RFパルス)に続いて3個の180°パルス(リ
フォーカスRFパルス)を照射するとともに180°パ
ルスの各間隔内において傾斜磁場パルスの極性を4回切
り換えることにより、合計15個のエコー信号を発生さ
せているが、前記180°パルスに続いてさらに180
°パルスを追加することによって20個あるいは25個
のエコー信号を得るようにしてもよい。
【0040】また、この実施例では180°パルスの各
間隔内において傾斜磁場パルスの極性を4回切り換えた
が、これを6回あるいは8回切り換えるようにしてもよ
い。これによると180°パルスの各間隔内において、
7個あるいは9個のエコー信号(中央のエコー信号だけ
がスピンエコー信号であり、他はグラジェントエコー信
号となる)を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、Kスペース上において、中央部に配置され
たデータ群(各スピンエコー信号から得られたデータ
群)とその周辺部に配置されたデータ(各グラジェント
エコー信号から得られたデータ群)との境界の信号強度
差は小さく〔滑らかに〕なっており、さらにその周辺部
に配置されたデータ(各グラジェントエコー信号から得
られたデータ群)との境界の信号強度差も小さく〔滑ら
かに〕なっているので、再構成された画像の画像ぶれア
ーティファクトをさらに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るMRイメージング装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図2】実施例に係るパルスシーケンスを示すタイムチ
ャートである。
【図3】Kスペースおよび信号強度を示す模式図であ
る。
【図4】位相エンコード量の積算量を示す模式図であ
る。
【図5】従来例のパルスシーケンスを示すタイムチャー
トである。
【図6】従来例のKスペースおよび信号強度を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 … 主マグネット 2 … 傾斜磁場コイル 3 … RFコイル 4 … 傾斜磁場電源 5 … 波形発生器 7 … RF信号発生器 20 … ホストコンピュータ 23 … シーケンサー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NMR現象を利用してイメージングを行
    なうMRイメージング装置であって、撮影領域空間に均
    一な静磁場を発生する主マグネットと、前記静磁場空間
    で直交する3次元方向に磁場強度がそれぞれ変化する3
    つの傾斜磁場パルス(スライス選択用傾斜磁場パルス、
    読み出し用傾斜磁場パルス、位相エンコード用傾斜磁場
    パルス)を発生させるための第1ないし第3の傾斜磁場
    コイルと、励起RFパルスとリフォーカスRFパルスの
    照射およびエコー信号の検出を行なうためのRFコイル
    と、前記RFコイルを介して、1個の励起RFパルスと
    それに続く複数個のリフォーカスRFパルスとを所定の
    タイミングで順に照射するRF照射手段と、前記励起R
    FパルスおよびリフォーカスRFパルスの各パルスの照
    射タイミングに合わせて、前記第1の傾斜磁場コイルを
    介してスライス面を選択するための傾斜磁場パルスを発
    生するスライス選択用傾斜磁場パルス発生手段と、前記
    複数個のリフォーカスRFパルスの各パルス間隔内にお
    いて、複数回の極性切り換えを行なって各スピンエコー
    信号を中心に複数個のグラジェントエコー信号を発生さ
    せるとともに、前記各スピンエコー信号および前記各グ
    ラジェントエコー信号の各エコー信号の発生タイミング
    に合わせて、前記第2の傾斜磁場コイルを介して読み出
    し用の傾斜磁場パルスを発生する読み出し用傾斜磁場パ
    ルス発生手段と、前記各エコー信号が発生する直前に前
    記第3の傾斜磁場コイルを介して次の各条件、(a)前
    記各エコー信号の位相エンコード量の積算量が、前記各
    スピンエコー信号の発生順位に従って正(または負)か
    ら零付近を通って負(または正)の値に変化するように
    前記位相エンコード用傾斜磁場パルスの強度を変えるこ
    と、(b)前記各グラジェントエコー信号のうち、前記
    各パルス間隔内における発生順位が同一のグラジェント
    エコー信号群には、前記各スピンエコー信号が発生した
    時点を基準として時間間隔が最も短いグラジェントエコ
    ー信号群から時間間隔が長くなるにつれて、前記各スピ
    ンエコー信号の位相エンコード量の積算量が変化する方
    向を交互に切り換え、かつ、前記時間間隔が短いグラジ
    ェントエコー信号群の位相エンコード量の積算量の絶対
    値より大きくなるように前記位相エンコード用傾斜磁場
    パルスの強度を変えること、を全て満たす位相エンコー
    ド用傾斜磁場パルスを発生する位相エンコード用傾斜磁
    場パルス発生手段と、前記RFコイルで検出したエコー
    信号からデータを収集し、前記各エコー信号毎の位相エ
    ンコード量の積算量に応じて各データをkスペース上に
    配置して断層像を再構成するデータ処理手段とを備えた
    ことを特徴とするMRイメージング装置。
JP6289043A 1994-10-27 1994-10-27 Mrイメージング装置 Pending JPH08117208A (ja)

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