JPH08115830A - ライン・ノイズ・フィルタ - Google Patents

ライン・ノイズ・フィルタ

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JPH08115830A
JPH08115830A JP6253099A JP25309994A JPH08115830A JP H08115830 A JPH08115830 A JP H08115830A JP 6253099 A JP6253099 A JP 6253099A JP 25309994 A JP25309994 A JP 25309994A JP H08115830 A JPH08115830 A JP H08115830A
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JP
Japan
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noise filter
magnetic core
magnetic
winding
common mode
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JP6253099A
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Susumu Nakajima
晋 中島
Masahiro Okada
昌宏 岡田
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Hitachi Ferrite Electronics Ltd
Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
Hitachi Ferrite Electronics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広い動作温度範囲において広い周波数帯で大
きなノイズ減衰率を有し、かつ小型のライン・ノイズ・
フィルタを提供する。 【構成】 少なくとも2つのコモン・モード・チョーク
コイルが直列接続されており、上記コモン・モード・チ
ョークコイルのうちの少なくとも1つは結晶粒径50n
m以下の微細なナノ結晶粒が組織の少なくとも体積全体
の50%を占めるナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いた巻磁
心で構成し、他のコモン・モード・チョークの少なくと
も1つはフェライトを用いた外鉄型のコモン・モード・
チョークであるライン・ノイズ・フィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電源ラインと電子・電気
装置間に挿入されるEMI(Electro-MagneticInterfere
nce)対策用のライン・ノイズ・フィルタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体スイッチング素子の高性能化の進
展にともない、スイッチング電源やインバータ装置が急
速に普及している。特に、IGBTに代表される高周波
化対応の大出力用半導体スイッチ素子の開発により、ス
イッチング周波数を可聴周波数帯の上限以上とした低騒
音インバータ装置を始めとして、大容量インバータ装置
の高周波化が急速に図られつつある。
【0003】しかし、このようなスイッチング電源と高
周波インバータ装置の普及にともない、これらの装置の
半導体スイッチ素子のスイッチング動作により発生する
高周波ノイズが電源ラインを介して同一の電源ラインに
接続される他の電子機器に障害を与えてしまう問題があ
る。
【0004】このため、このようなスイッチング動作を
行う装置から電源ライン側に伝搬される高周波ノイズを
抑制するため、従来、例えば図1に示すような回路構成
のライン・ノイズ・フィルタが前記スイッチング動作を行
う装置と電源ライン間に挿入されている。
【0005】また、これらのライン・ノイズ・フィルタは
電源ラインから装置に高周波ノイズが進入し装置が誤動
作するのを防止する機能も付加されている。
【0006】図1は単相用のライン・ノイズ・フィルタの
回路構成であり、同図で21と22は電源ラインに接続
される入力端子、23と25は電源ライン間コンデンサ
(以下Xコンと略す)、24と28はコモン・モード・チ
ョークコイル、26と27は各々電源ラインとアース間
のコンデンサ(以下Yコンと略す)、29と30は装置
に接続される出力端子、31はアース端子である。
【0007】図1のコモン・モード・チョークコイル24
と28には、従来、日立フェライト(株)のGQ―5
C、GP―9、GP―11、TDK(株)のH5B、H
5B2、H5C2、(株)トーキンの6000H、12
001H、富士電気化学(株)の2H06、2H07な
どの高透磁率Mn―Znフェライト磁心、日立フェライ
ト(株)のACO―4M、VACUUMSCHMELZE GMBHのVITRO
VAC 6025Fなどの高透磁率Co基非晶質軟磁性合金
薄帯を用いた巻磁心、あるいは、Y. Yoshizawa,K.Yamau
chi, T. Yamane and H. Sugihara: "Common mode choke
cores using the new Fe-based alloys composed of u
ltrafine grain structure" , J. Appl.Phys. 64 (10),
15 November 1988 pp6047-6049 (以下、文献1と称す
る)あるいは特開平3―19303号に記載される組織
の少なくとも50%が最大寸法で測定した場合50nm
以下の平均粒径の結晶粒である鉄基軟磁性合金薄帯を用
いた巻磁心が用いられてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、IGBTを
用いた低騒音タイプの高周波インバータあるいは、通常
の電源機器で用いられているコンデンサ・インプット型
整流回路の欠点である高調波電流の発生を抑えるための
アクティブ・フィルタを付加した電源装置のように高レ
ベルの高調波ノイズを発生する装置に前記従来技術によ
る高透磁率Mn―Znフェライト磁心を用いたライン・
ノイズ・フィルタにより、FCC Part15、FTZ
VDE 0871、VCCIあるいはCISPRなどの
ノイズ規格を満足させる高インダクタンスのコモン・モ
ード・チョークコイルを得ようとすると、前記磁心の1
0kHzにおける交流比初透磁率μri(10kHz)は150
00程度以下、100kHzにおける交流比初透磁率μ
ri(100kHz)は10000程度以下にすぎないためコモン
・モード・チョークコイルが大型のものとなり、強いては
ライン・ノイズ・フィルタそのものも大きくなる問題があ
った。
【0009】また、前記高透磁率Mn―Znフェライト
磁心のキュリー温度は150℃程度以下と低いため、同
磁心の使用温度の上限を85℃程度以下とする必要があ
り、一般のライン・ノイズ・フィルタの使用上限温度は6
0℃程度であるから、銅損による磁心の温度上昇を30
℃程度とせざるを得ない。このため、有効断面積の大き
な磁心に巻線径の大きな巻線を巻いて電気抵抗を小さく
して巻線の銅損による温度上昇を抑える必要があり、コ
モン・モード・チョークコイルが更に大型化する問題もあ
った。
【0010】さらに同磁心の使用上限温度である85℃
付近の実効飽和磁束密度は20℃のときの実効飽和磁束
密度の70%程度の0.3T程度まで低下してしまうの
に対し、20℃と85℃の実効飽和残留磁束密度は0.
1T程度とほとんど変わらないため、85℃において単
極性矩形波で駆動したときの最大動作磁束密度量ΔBm
は20℃のときの60%程度の約0.2Tとなってしま
う。このため電源ラインから装置に進入するパルス・ノ
イズを抑制する性能の目安であるパルス減衰特性も85
℃では20℃のときの約60%にまで低下してしまう問
題があった。
【0011】一方、前記Co基非晶質軟磁性合金薄帯を
用いた巻磁心の交流比初透磁率μriは10kHzで約1
00000、100kHzで約15000と前記高透磁
率Mn―Znフェライト磁心より大きな値を示すが、1
MHz程度以上の高周波領域では、その交流比初透磁率
μriが前記高透磁率Mn―Znフェライト磁心と同程度
もしくはそれ以下の値を示す。
【0012】このため、Co基非晶質軟磁性合金薄帯を
用いた巻磁心を使用したライン・ノイズ・フィルタは、前
記Mn―Znフェライト磁心を用いたライン・ノイズ・フ
ィルタに比べて低周波領域のノイズ減衰特性は良好であ
るが、1MHz程度以上の高周波領域でのノイズ減衰特
性は前記Mn―Znフェライト磁心同程度もしくはそれ
以下になってしまう。例えば、高周波領域でのノイズの
大きな電子機器のライン・ノイズを減衰させ、FCC P
art 15、FTZ VDE 0871、VCCIある
いはCISPRなどのノイズ規格を満足させるライン・
ノイズ・フィルタとして用いる場合、Co基非晶質軟磁
性合金薄帯を用いた巻磁心を使用したライン・ノイズ・フ
ィルタと前記高透磁率Mn―Znフェライト磁心を用い
たライン・ノイズ・フィルタはほとんど同程度のサイズに
なってしまい、ライン・ノイズ・フィルタの小型化の要求
に十分答えられない問題があった。
【0013】さらに、Co基非晶質軟磁性合金薄帯を用
いた巻磁心をライン・ノイズ・フィルタのコモン・モード・
チョークコイルに用いた場合、同コモン・モード・チョー
クコイルの使用温度の上限である85℃程度で誘導磁気
異方性が生じ、使用しているうちに交流比初透磁率が低
下して行くとともに、角型比と磁心損失が徐々に増加す
る経時変化の問題がある。
【0014】この経時変化により、コモン・モード・チョ
ークコイルのインダクタンスが徐々に低下し、初期状態
でノイズ規格を満足していても使用後所定の期間を過ぎ
るとノイズ規格を満足し得なくなる問題があった。
【0015】さらに前記経時変化により、同巻磁心の角
型比も徐々に増加して行くため、単極性パルスで駆動し
たときの最大動作磁束密度量ΔBmは低下してしまい、
初期状態のパルス減衰特性を維持できないと言う問題も
生じる。
【0016】これに対し、前記文献1に記載されるFT
―1M巻磁心は前記Co基非晶質軟磁性合金薄帯を用い
た巻磁心と異なり誘導磁気異方性に起因する経時変化の
問題もなくキュリー温度が570℃と高いことから温度
特性の面でも優れる。同巻磁心の10kHzの交流比透
磁率μri(10kHz)は約50000、100kHzの交流
比透磁率μri(100kHz)は16000程度と前記Co基非
晶質軟磁性合金薄帯を用いた巻磁心と同様、特に、低周
波領域において前記高透磁率Mn―Znフェライト磁心
よりもその交流比初透磁率μriが高い特性を有する。
【0017】このため、前記Mn―Znフェライト磁心
を用いたライン・ノイズ・フィルタに比べて低周波領域で
のノイズ減衰特性は良好であるが、高周波領域でのノイ
ズ減衰特性は同程度になってしまう。例えば、高周波領
域でのノイズの大きな電子機器のライン・ノイズを減衰
させ、FCC Part 15、FTZ VDE 087
1、VCCIあるいはCISPREなどのノイズ規格を
満足させるライン・ノイズ・フィルタとして用いる場合、
FT―1M巻磁心を使用したライン・ノイズ・フィルタと
前記高透磁率Mn―Znフェライト磁心を用いたライン
・ノイズ・フィルタはほとんど同程度のサイズになってし
まい、ライン・ノイズ・フィルタの小型化の要求に十分答
えられない問題があった。
【0018】本発明の目的は、前記従来技術ライン・ノ
イズ・フィルタでは実現困難であった広い動作温度範囲
において広い周波数帯で大きなノイズ減衰率を有し、か
つ小型のライン・ノイズ・フィルタを提供することにあ
る。
【0019】
【発明を解決するための手段】本発明は、電源ラインと
電子・電気装置間に挿入されるライン・ノイズ・フィルタ
において、同ライン・ノイズ・フィルタには少なくとも2
つのコモン・モード・チョークコイルが直列接続されてお
り、上記コモン・モード・チョークコイルのうちの少なく
とも1つは結晶粒径50nm以下の微細なナノ結晶粒が
組織の少なくとも体積全体の50%を占めるナノ結晶軟
磁性合金薄帯を用いた巻磁心で構成し、他のコモン・モ
ード・チョークの少なくとも1つはフェライトを用いた
外鉄型のコモン・モード・チョークであることを特徴とす
るライン・ノイズ・フィルタである。
【0020】前記ナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いた巻磁
心が低周波領域で交流比初透磁率μriが高いことを利用
して、同巻磁心用いたコモン・モード・チョークコイルを
主に低周波領域のノイズ減衰用に用い、フェライトを用
いた外鉄型のコモン・モード・チョークを高周波領域のノ
イズ減衰用に用いることにより広い周波数帯域でノイズ
減衰特性の良好な小型のライン・ノイズ・フィルタを実現
できる。
【0021】前記本発明のライン・ノイズ・フィルタにお
いて、ナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いた巻磁心の磁化力
の波高値0.05A/m、周波数10kHzの交流比初
透磁率μri(10kHz)が50000〜100000、かつ
磁化力の波高値0.05A/m、周波数100kHzの
交流比初透磁率μri(100kHz)が10000〜25000
である場合には、10kHz〜1MHzの周波数領域に
おいて高いインピーダンス特性を有するコモン・モード・
チョークコイルを実現できるため、10kHz〜1MH
zの低周波領域でノイズ減衰特性の良好な小型のライン
・ノイズ・フィルタを実現でき好ましい。
【0022】前記本発明のライン・ノイズ・フィルタにお
いて、フェライトを用いた外鉄型のコモン・モード・チョ
ークコイルが分割巻されている場合には、同コモン・モ
ード・チョークコイルの巻線間容量を減少させることが
できるため、同コモン・モード・チョークコイルの高周
波領域のインピーダンスの減少率を小さくすることがで
き高周波領域でノイズ減衰特性の良好な小型のライン・
ノイズ・フィルタを実現することができ好ましい。図1
に外鉄型分割巻のコモン・モード・チョークコイルの外
観を示す。図1(a)は正面図、図1(a)は側面図であ
る。磁心1の内側にボビン2に、分割巻された第1の巻
線3と分割巻された第2の巻線4を各々設けた構造とな
っている。
【0023】
【実施例】以下本発明の実施例について詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限るものではない。 (実施例)出力750Wの3相誘導電動機駆動用の単相
AC200V入力、定格容量1.5kVAのインバータ
にAC入力ライン・ノイズ・フィルタ挿入し、雑音端子電
圧がCISPR Pub.11の規定値を満足するかどう
かの実装試験を行った。本インバータはIGBTを使用
したIPM(Intelligent Power Module)により基本周
波数20kHzのスイッチング動作を行っている。
【0024】AC入力ライン・ノイズ・フィルタとして、
図2の回路構成のライン・ノイズ・フィルタを使用した。
図2のXコン23と25には静電容量0.47μFのメ
タライズド・ポリ・エステル・フィルム・コンデンサ、同Y
コン26と27には静電容量2200pFのセラミック
・コンデンサを使用した。
【0025】図2のコモン・モード・チョークコイル24
には、コモン・モード・チョークコイルとしての実装面積
がほぼ同一となる表1に示す2種類の磁心を使用した。
表1において、BsおよびBr/Bsは、各々、直流磁気
特性における直流磁界の強さが800A/mの実効飽和
磁束密度と角形比であり、μri(10kHz)とμri(100kHz)
は磁界の強さの最大値を0.05A/mのときの、周波
数10kHzと100kHzにおける交流比初透磁率で
ある。
【0026】
【表1】 注)磁心Aおよび磁心Bの形状は、各々、JIS C 2
514に記載されるFEE―33B、およびJIS C
2569に記載されるFOR 28。
【0027】表1の磁心Aは、JIS C 2514に記
載されるEE形状FEE―33BのMn―Znフェライ
ト磁心であり、フェノール樹脂製のボビンに片ラインあ
たり16ターンの巻線を8ターンづつ2分割巻きした巻
線と組み合わせることにより外鉄型のコモン・モード・チ
ョークコイルを構成している。
【0028】一方、表1の磁心BはJIS C 2569
に記載されるトロイダル形状FOR28(外径38m
m、内径16mm、高さ13mm)のMn―Znフェラ
イト磁心であり、同磁心をポリ・ブチレン・テレフタレー
ト製のケースに挿入した後に、片ラインあたり11ター
ンの巻線を巻きコモン・モード・チョークコイルを構成し
ている。
【0029】図2のコモン・モード・チョークコイルには
表2に示す磁心1から磁心7、および磁心aからcに示
す10種類の磁心を使用した。表2の磁心は、全てJI
SC2569に記載されるトロイダル形状FOR 28
(外径28mm、内径16mm、高さ13mm)と同寸
法であり、いづれもポリ・ブチレン・テレフタレート製の
ケースに挿入した後、片ラインあたり11ターンの巻線
を巻いてコモン・モード・チョークコイルとして構成され
ている。
【0030】
【表2】 注)磁心の形状は、いづれもJIS C 2569に記載
されるFOR 28と同寸法。
【0031】表2において、磁心1から磁心7はナノ結
晶質軟磁性合金で構成された磁心であり、単ロール法で
製造したその組成がFe73.5Cu1Nb3Si13.5B9、
幅13mm、厚さ約20μm非晶質軟磁性合金薄帯を用
い、所定の形状のトロイダル形状の巻磁心を製作した
後、この巻磁心を前記非晶質軟磁性合金薄帯の結晶化温
度以上である550℃の窒素雰囲気中で熱処理後、徐冷
することによって製造された。
【0032】ここで、磁心1から磁心7の磁気特性の違
いは前記550℃の熱処理時間および550℃から常温
まで徐冷する温度勾配を変えることによって得られたも
のである。なお、前記磁心1から磁心7の占積率Kはい
づれも0.85となるように製作した。
【0033】磁心aは、Mn―Znフェライト磁心であ
る。磁心bと磁心cは、各々、その組成が、Feを主成
分としSiとBが添加された幅13mm、厚さ約20μ
mの非晶質軟磁性合金薄帯、あるいはCoを主成分とし
Fe、Mo、Si、Bが添加された幅13mm、厚さ約
20μmの非晶質軟磁性合金薄帯を用いた磁心であり、
いづれも所定の形状のトロイダル形状の巻磁心として製
作し、これら巻磁心を前記非晶質軟磁性合金薄帯の結晶
化温度以下の窒素雰囲気中で熱処理後、徐冷することに
よって製造された。また、磁心bと磁心cの占積率Kは
いづれも0.85になるように製作した。
【0034】以上説明した各種コモン・モード・チョーク
コイルを組み合わせて構成した図1のライン・ノイズ・フ
ィルタを前記インバータのAC入力ラインに実装して測
定した雑音端子電圧測定結果を表3に示す。ここで、雑
音端子電圧が前記CISPRPub.11のClass
Aを満足する場合を○、同Class AとClass
Bを同時に満足する場合を二重丸、いづれも満足しない
場合を×とした。
【0035】表3から解るように、CISPR Pub.
11のClass Aを満足できるのは、本発明による
ナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いた巻磁心を使用したコモ
ン・モード・チョークコイルとMn―Znフェライト磁心
を用いた外鉄型のコモン・モード・チョークコイルの組み
合わせの場合と、Co基非晶質軟磁性合金薄帯を用いた
巻磁心を使用したコモン・モード・チョークコイルとMn
―Znフェライト磁心を用いた外鉄型のコモン・モード・
チョークコイルの組み合わせの場合に限られることが解
る。
【0036】
【表3】
【0037】しかし、前記各種コモン・モード・チョーク
コイルを組み合わせて構成した図1のライン・ノイズ・フ
ィルタを前記インバータのAC入力ラインに実装し、周
囲温度40℃で1000時間連続運転した後、再度、雑
音端子電圧を測定した結果、前記Co基非晶質軟磁性合
金薄帯を用いた巻磁心を使用したコモン・モード・チョー
クコイルとMn―Znフェライト磁心を用いた外鉄型の
コモン・モード・チョークコイルの組み合わせによる比較
例2のライン・ノイズ・フィルタを用いた場合には、前記
CISPR Pub.11のClass Aすら満足でき
なくなってしまう経時変化の問題があることがわかっ
た。
【0038】なお、比較例2と比較例12のライン・ノ
イズ・フィルタを除く、本発明1から本発明7、比較例
1、比較例3から比較例11および比較例13では、上
記経時変化の影響によるライン・ノイズ・フィルタの特性
劣化は認められなかった。
【0039】この原因を調査したところ、前記Co基非
晶質軟磁性合金薄帯を用いた高透磁率の巻磁心で不可避
的に生じる誘導磁気異方性による交流非初透磁率の低下
によるものであることが判明した。
【0040】したがって、経時安定性も考慮した場合、
前記CISPR Pub.11を満足できるのは、本発明
によるナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いた巻磁心を使用し
たコモン・モード・チョークコイルとMn―Znフェライ
ト磁心を用いた外鉄型のコモン・モード・チョークコイル
の組み合わせの場合のみであることがわかった。
【0041】特に、本発明によるナノ結晶軟磁性合金薄
帯を用いた巻磁心を使用したコモン・モード・チョークコ
イルとMn―Znフェライト磁心を用いた外鉄型のコモ
ン・モード・チョークコイルの組み合わせにおいて、前記
ナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いた巻磁心の磁化力の波高
値0.05A/m、周波数10kHzの交流比初透磁率
μri(10kHz)が50000〜100000、かつ磁化力
の波高値0.05A/m、周波数100kHzの交流比
初透磁率μri(100kHz)が10000〜25000である
場合には、前記CISPR Pub.11 Class B
の規格も満足することができ極めて優れる特性を示すこ
とがわかった。
【0042】なお、本実施例では、ナノ結晶質軟磁性合
金で構成された磁心として所定の形状の巻磁心を製作し
た後、この巻磁心を前記非晶質軟磁性合金薄帯の結晶化
温度以上である550℃の窒素雰囲気中で無磁場熱処理
後、徐冷することによって製造したものを使用した場合
について説明したが、前記巻磁心の磁路と垂直方向に磁
場を加えながら熱処理して磁心の直流磁気特性における
角型比を低下させた磁心の場合にも、全く同様の効果が
得られることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明のライン・ノ
イズ・フィルタを用いれば、広い周波数帯域に渡って高
いノイズ減衰特性を有する小型で高性能かつ経時安定性
にも優れた極めて信頼性の高いライン・ノイズ・フィルタ
を実現でき、実用上の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】外鉄型分割巻のコモン・モード・チョークコイ
ルの外観を示す図。
【図2】本発明によるライン・ノイズ・フィルタの回路構
成を示すブロック図。
【符号の説明】
1、磁心 2、ボビン、3、第1の巻線、4、第2の巻
線、21ライン・ノイズ・フィルタの入力端子、22 ラ
イン・ノイズ・フィルタの入力端子、23 電極ライン間
コンデンサ、25 電源ライン間コンデンサ、24 コ
モン・モード・チョークコイル、28 コモン・モード・
チョークコイル、 26 電極ラインとアース間のコン
デンサ、27 電源ラインとアース間のコンデンサ、2
9 ライン・ノイズ・フィルタの出力端子、30 ライ
ン・ノイズ・フィルタの出力端子、31 アース端子。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源ラインと電子・電気装置間に挿入さ
    れるライン・ノイズ・フィルタにおいて、同ライン・ノイ
    ズ・フィルタには少なくとも2つのコモン・モード・チョ
    ークコイルが直列接続されており、上記コモン・モード・
    チョークのうちの少なくとも1つは結晶粒径50nm以
    下の微細なナノ結晶粒が組織の少なくとも体積全体の5
    0%を占めるナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いた巻磁心で
    構成し、他のコモン・モード・チョークの少なくとも1つ
    はフェライトを用いた外鉄型のコモン・モード・チョーク
    であることを特徴とするライン・ノイズ・フィルタ。
  2. 【請求項2】 ナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いた巻磁心
    は、磁化力の波高値0.05A/m、周波数10kHz
    の交流比初透磁率μri(10kHz)が50000〜1000
    00、かつ磁化力の波高値0.05A/m、周波数10
    0kHzの交流比初透磁率μri(100kHz)が10000〜
    25000であることを特徴とする請求項1に記載のラ
    イン・ノイズ・フィルタ。
  3. 【請求項3】 フェライトを用いた外鉄型のコモンモー
    ドチョークは分割巻されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載のライン・ノイズ・フィルタ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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