JPH081155A - 軟水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で使い勝手が良く、イオン交換樹脂の再
生率を高くすることを目的とする。 【構成】 活性炭４を収納した浄水カートリッジ５と、
浄水カートリッジ５と全く同一構造で食塩１１を収納
し、内部にオリフィス１０を設けた食塩カートリッジ９
を備えた構成により、食塩タンク用のスペースが省略で
きることにより本体３が小型化でき、また大量の食塩１
１を投入し、オリフィス１０で流速を制御することによ
り高い再生率とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は水道水などを活性炭とイ
オン交換樹脂とで処理することにより浄水化かつ軟水化
する軟水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】水道水などの軟水化には従来よりイオン
交換法、逆浸透膜法、電気透析法、化学的沈澱法が用い
られてきたが、最も普及しているのがイオン交換法であ
り、特に家庭用軟水器では安価なこともありその大部分
を占めている。

【０００３】イオン交換法で用いるイオン交換樹脂の再
生について、工夫がなされている（例えば特開平３−１
３７９９６号公報参照）。

【０００４】以下に従来の軟水装置について説明する。
水道蛇口直結型のイオン交換樹脂による軟水装置は、イ
オン交換樹脂の上流側に着脱可能に配設した活性炭を収
納した浄水カートリッジを備え、活性炭とイオン交換樹
脂により浄化された軟水を得ることができる、軟水の利
用分野は、家庭用として飲料、調理用、洗濯用、風呂用
等に応用が可能である。特に飲料用としてはコーヒー、
お茶に使用したときに浄化された軟水により味が美味し
くなるというメリットがある。調理用としては軟水の方
が硬水に比べてエキスに対する抽出効率が高いことを利
用してだし等を良く出す効果が期待される。洗濯、風呂
用としては硬水に比べて軟水の方が洗剤に対する泡立ち
効果が高く、また肌のすべすべ感が良くなること等のメ
リットがある。工業用としては特にボイラーに有用であ
り、スケールの発生防止に効果がある。

【０００５】上述のイオン交換法では、イオン交換樹脂
の再生が必要となるが、家庭用の軟水器装置では再生剤
として食塩が使用されることが多く、食塩による再生は
自動型と非自動型がある。

【０００６】自動型では食塩タンクがイオン交換樹脂を
収納したイオン交換樹脂筒とは別個に設置され、自動的
に機械的にイジェクター等により食塩水を吸い上げイオ
ン交換樹脂に通水することにより再生する。非自動型で
はイオン交換樹脂に直接、もしくはイオン交換樹脂の直
前の上流側に食塩を投入し、手動攪拌や水流等により食
塩を溶解させて再生する。

【０００７】これ等の再生においては、手動攪拌による
煩雑さが伴い、また食塩投入のためのスペースを別個に
設ける必要があり、かつ再生時における流量制御がなさ
れていなかったので再生率が非常に低いという課題があ
った。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の構
成では、自動型では付帯設備の増加による高コストや食
塩タンクを設置するためのスペースがイオン交換樹脂筒
とは別に必要であるという問題点、また、非自動型では
攪拌による食塩の溶解等の煩雑さや食塩投入のためのス
ペースの設置の必要性や食塩投入容積の制約や再生時の
流速に起因する再生率の低下が生じるという問題点を有
していた。

【０００９】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、イオン交換樹脂の再生率が高く、小型で使い勝手が
良く、低コストの軟水装置を提供することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の軟水装置は、イオン交換樹脂の再生時は、浄
水カートリッジと容易に交換でき、かつ入水口および・
または出水口に食塩水の流速を抑制するオリフィスを有
する食塩カートリッジを設けたものである。

【００１１】

【作用】この構成において、通常の使用時は浄水カート
リッジ中の活性炭により原水を浄化し、かつ、イオン交
換樹脂により軟水を得ることとなり、イオン交換樹脂の
再生時は浄水カートリッジと食塩カートリッジを交換
し、通水することにより食塩を水流により溶解しながら
イオン交換樹脂筒へ流速を制限して送り込むこととな
る。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。

【００１３】図１に示すように、水道蛇口１に水スイッ
チ２を介して連結される本体３には、上流側に活性炭４
を収納した浄水カートリッジ５と、その下流側にイオン
交換樹脂６を収納したイオン交換樹脂筒７を配設し、吐
出管８を連結した構成としている。

【００１４】浄水カートリッジ５は、水を浄化する性能
を有する活性炭４をカートリッジ化し、本体３に容易に
着脱できるように、本体３と浄水カートリッジ５の接合
部位をかぎとかぎ穴の関係とし、ゴムパッキンで両者の
接合部を密着させて水漏れを防ぐ構成としている。着脱
可能なため、寿命の来た活性炭４は容易に交換すること
ができる。

【００１５】また、上述の浄水カートリッジ５の構成と
同様に、本体３に着脱できる構成とした食塩カートリッ
ジ９を別に設けている。

【００１６】また、食塩カートリッジ９には、流速を制
限するオリフィス１０と、食塩１１を投入した後に閉め
る上蓋１２と、連結部１３を設けている。なお、図中の
１４は入水管である。

【００１７】以上のように構成された軟水装置につい
て、以下その動作を説明する。水道蛇口１に直結した入
水管１４を介し、まず活性炭４に水道水が導かれる。水
量の調節は水道蛇口１の開閉の度合により任意にでき
る。活性炭４は粒状または粉末状で、これにより水道水
中のカルキ（次亜塩素酸）と、にごり成分が除去され
る。

【００１８】次に活性炭４を通った水は、イオン交換樹
脂筒７へ導かれ、イオン交換樹脂６により水道水中の硬
度成分（カルシウムやマグネシウム）が除去され、軟水
となる。

【００１９】以上のように、活性炭４とイオン交換樹脂
６を通過させ、水道蛇口１の開度を調節することによ
り、任意の量の浄水化された軟水を得ることができる。

【００２０】次にイオン交換樹脂６が硬度成分で飽和し
たときのイオン交換樹脂６の再生操作について説明す
る。まず食塩カートリッジ９の上蓋１２を開け、任意の
量の食塩１１を投入し上蓋１２を閉める。ついで、浄水
カートリッジ５を本体３より取り外し、先に調製した食
塩カートリッジ９と交換する。本体３と食塩カートリッ
ジ９との連結部１３は浄水カートリッジ５と全く同一で
あるので交換が容易にできる。ついで、水道蛇口１を開
いて通水させると、食塩カートリッジ９の中に存在する
食塩１１が水流により食塩水となり、食塩カートリッジ
９の下流側にあるイオン交換樹脂筒７へと導かれる。イ
オン交換樹脂６には硬度成分であるカルシウムとマグネ
シウムが飽和状態で吸着しているが、高濃度の食塩水に
よりイオン交換反応が起こり、カルシウムとマグネシウ
ムがイオン交換樹脂６から遊離し、再生される。

【００２１】また、食塩カートリッジ９中のオリフィス
１０により、再生時の流速を制限することにより、イオ
ン交換樹脂６の再生率を向上させることができる。

【００２２】以上のように本実施例によれば、食塩カー
トリッジ９用の余分なスペースを省略することができ、
装置を縮小化できるとともに、活性炭４の容量と同程度
の大量の食塩１１を投入できることにより再生率が大き
く向上でき、また、水流による食塩１１の溶解により手
動攪拌のような煩雑さからも解放されるとともに、オリ
フィス１０による食塩水の流速を適確化して高い再生率
でイオン交換樹脂６を再生することができる。

【００２３】なお、浄水化濾材は活性炭４に限るもので
なく、イオン交換樹脂６の再生剤も食塩１１に限るもの
でないことはいうまでもない。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
は、イオン交換樹脂の再生時は、浄水カートリッジと容
易に交換でき、かつ入水口および・または出水口に食塩
水の流速を抑制するオリフィスを有する食塩カートリッ
ジを設けた構成により、イオン交換樹脂の再生率が高
く、小型で使い勝手が良く、低コストの優れた軟水装置
を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の一実施例の軟水装置を水道蛇
口に直結した状態の断面略図 （ｂ）は同軟水装置の食塩カートリッジの断面略図

【符号の説明】

３ 本体 ４ 活性炭 ５ 浄水カートリッジ ６ イオン交換樹脂 ７ イオン交換樹脂筒 ８ 吐出管 ９ 食塩カートリッジ １０ オリフィス

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吐出管と、イオン交換樹脂を収納したイ
   オン交換樹脂筒と、前記イオン交換樹脂筒の上流側に配
   設し、かつ本体に容易に着脱できる構成とした浄水化濾
   材の活性炭を収納した浄水カートリッジを備えた軟水装
   置であって、前記浄水カートリッジと交換して前記本体
   に容易に着脱できる構成とした前記イオン交換樹脂の再
   生用の食塩を収納した食塩カートリッジを設けたことを
   特徴とした軟水装置。
2. 【請求項２】 食塩カートリッジは、入水口および・ま
   たは出水口に、再生用の食塩水の流速を抑制するオリフ
   ィスを有する請求項１記載の軟水装置。