JPH08114168A - エンジンのノック制御装置 - Google Patents

エンジンのノック制御装置

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JPH08114168A
JPH08114168A JP6276020A JP27602094A JPH08114168A JP H08114168 A JPH08114168 A JP H08114168A JP 6276020 A JP6276020 A JP 6276020A JP 27602094 A JP27602094 A JP 27602094A JP H08114168 A JPH08114168 A JP H08114168A
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JP
Japan
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knock
timing
signal
signal level
signal line
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Application number
JP6276020A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Sakakibara
榊原  浩二
Masaru Uchiyama
賢 内山
Hiroshi Haraguchi
寛 原口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 既存の機能を有効活用することにより、最小
限の信号線を使用して、かつ、処理負荷を増やさないよ
うにノック判定及びフェイル判定を行う。 【構成】 ノック検出部12では、ノック量に基づいて
ノック判定をコード化し、TDCとゲートクローズタイ
ミングにおいて出力信号線IKSOUTの値を変化さ
せ、ノック制御部のECU20では、二回のタイミング
に出力信号線IKSOUTの値を読み取ってコードを作
成し、ノック判定結果を復元する。これにより、一本の
出力信号線IKSOUTの値で最大4つの判定とノック
の有無のみならず強度をも伝達できる。また、ECU2
0は入力信号線IKSINを反転させてノック検出部に
TDCを伝達するとともに、これを正転させるタイミン
グを気筒によって変化させており、変化させる範囲内で
ノック検出部が入力信号線IKSINの値を読み取る。
この結果、一本の入力信号線IKSINでTDCのみな
らず気筒の情報をも伝達できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのノック制御
装置(ノックコントロールシステム:KCS)に関し、
特に、ノックを検出するノック検出部とノックに基づい
て点火時期の遅角制御を行なうノック制御部とを分離し
て信号線で接続したエンジンのノック制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年においては、エンジンコントロール
ユニット(ECU)のコンパクト性が要望され、センサ
の側で信号処理を行なってECUの負担を軽減しつつ小
型化を図っている。KCSにおいてもセンサの側に信号
処理回路を備えてノック検出部を構成するとともに、E
CUの側はノック制御部として別体の構成をとり、両者
を信号線で接続している。
【0003】ノック検出部とノック制御部とを別体の構
成とした場合、ノック検出部からノック制御部に対して
はノック検出結果を送信する必要があり、逆に、ノック
制御部からノック検出部に対しては基準角度と気筒情報
を送信する必要がある。後者の情報は、ノック検出部に
おいて、有効な検出期間を定めるとともに、各気筒に応
じてフィルタの設定を変化させる必要があるためであ
る。ところで、ノック検出部とノック制御部とを信号線
で接続する場合、スペースの問題と故障軽減の問題から
信号線の数の低減化が要望される。しかし、信号線の数
の低減化は送信可能な情報量を低減させるか、信号処理
回路の複雑化を招くことになる。
【0004】従来、ノック検出部とノック制御部とを別
体とするとともに、両者を信号線で接続するものとし
て、特開平4−219465号公報に開示されたもの
と、特開平1−178754号公報に開示されたものと
が知られている。前者のものは、ノック検出部からノッ
ク制御部に対してノック検出結果を送信するものであ
り、二本の信号線を使ってノック検出部でノック判定す
る毎に判定結果に応じて信号レベルを変化させている。
一方、後者のものは、基準角度と気筒情報を一本の信号
線で通信するためにパルス間隔を一部分だけ変え、一つ
の信号線に基準角度と気筒判別情報を持たせている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のエンジ
ンのノック制御装置においては、次のような課題があっ
た。前者のものは、ノック検出部からノック制御部に対
してノック検出結果を送信するために、二本の信号線を
必要としており、近年の課題である信号線の数の低減化
を図れない。ここで、ノック検出結果を一本の信号で通
信しようとすると、信号線のレベルを反転あるいは正転
させてノックの有無を伝達することになる。しかし、こ
のようにするとノックの強度を通信できなくなり、過渡
ノックをすみやかに回避することが困難となるし、ま
た、振動検出センサの故障を伝達することもできない。
【0006】一方、後者のものは、ノック制御部からノ
ック検出部に対して基準角度と気筒情報を一本の信号線
で送信できるものの、ノック検出部にパルス間隔を計測
して不等間隔のパルスを検出するという新たな機能を持
たせなければならなくなり、ノック検出部の負荷が大き
くなって装置の大型化を招く。むろん、信号線を二本に
すれば容易に基準角度と気筒の情報を通信できるが、前
者のものと同様に近年の課題である信号線の数の低減化
を図れない。本発明は、上記課題にかんがみてなされた
もので、既存の機能を有効活用することにより、最小限
の信号線を使用して、かつ、処理負荷を増やさないよう
にすることが可能なエンジンのノック制御装置の提供を
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、図1に示すように、ノッ
クを検出してノック量を表わす信号を第一の信号線を介
して出力するノック検出部と、このノック量を表わす信
号を前記第一の信号線を介して入力して点火時期の遅角
制御を行うノック制御部とを備えるとともに、第二の信
号線を介してノック制御部からノック検出部に対してク
ランク角に応じた所定のタイミングで基準角度信号を出
力するエンジンのノック制御装置において、前記ノック
検出部は、ノックの有無を判定するための特定の区間を
設定するゲート区間設定手段と、ノック量を信号レベル
の順列にコード化し、前記基準角度および前記特定区間
のタイミングでこのコード化された情報に基づいて前記
第一の信号線の信号レベルを変化させるコード化手段と
を備え、前記ノック制御部は、異なる複数のタイミング
で前記第一の信号線の信号レベルを読み取り、読み取っ
た信号レベルの順列に対応するノック量を復元するコー
ド復元手段とを備える構成としてある。また、請求項2
にかかる発明は、請求項1に記載のエンジンのノック制
御装置において、前記ノック制御部が前記第一の信号線
の信号レベルを読み取る複数のタイミングの内の少なく
とも一つを前記基準角度を出力するタイミングとする構
成としてある。さらに請求項3にかかる発明は、請求項
1または請求項2に記載のエンジンのノック制御装置に
おいて、上記ノック制御部は、正常なノツク量ではない
コードが入力される頻度を検知して、同頻度が高い場合
に故障と判断する故障判断手段を有する構成としてあ
る。さらに、請求項4にかかる発明は、請求項3に記載
のエンジンのノック制御装置において、前記故障判断手
段は、信号レベルが変化しないコードが入力される頻度
が高い場合に、信号線の故障と判断する手段を含む構成
としてある。さらに、請求項5にかかる発明は、請求項
3または請求項4に記載のエンジンのノック制御装置に
おいて、前記故障判断手段は、信号レベルが変化するコ
ードが入力される頻度が高い場合に、信号線以外の故障
と判断する手段を含む構成としてある。さらに、請求項
6にかかる発明は、請求項1から請求項5のいずれか一
つに記載のエンジンのノック制御装置において、前記ノ
ック制御部は、前記基準角度を表わすタイミングで前記
第二の信号線の信号レベルを反転させ、次の基準角度の
タイミングより前の第一のタイミングにて同信号レベル
を正転させ、かつ、正転させるタイミングを特定気筒の
ときに前記第一のタイミングとは異なる第二タイミング
に変化させる角度信号送信手段を備え、前記ノック検出
部は、前記基準角度を表わすタイミングに基づいて前記
第一のタイミングと前記第二のタイミングとの間で信号
レベルを読み取り、読み取った信号レベルが反転中か否
かに応じて特定の気筒であるか否かを判断する気筒判別
手段を備える構成としてある。さらに、請求項7にかか
る発明は、前記角度信号送信手段は、前記第一のタイミ
ングと前記第二のタイミングとのいずれか一方を前記特
定区間の前に、他方を前記特定区間の後に設け、前記気
筒判別手段は、前記特定区間の設定タイミングで、信号
レベルを読み取る構成としている。さらに、請求項8に
かかる発明は、図2に示すように、ノックを検出してノ
ック量を表わす信号を出力するノック検出部と、このノ
ック量を表わす信号を入力して点火時期の遅角制御を行
うノック制御部とを備えるとともに、信号線を介してノ
ック制御部からノック検出部に対してクランク角に応じ
た燃焼サイクルの基準角度と気筒の情報を出力するエン
ジンのノック制御装置において、前記ノック制御部は、
前記基準角度を表わすタイミングで前記信号線の信号レ
ベルを反転させ、次の基準角度のタイミング前の第一タ
イミングにて同信号レベルを正転させ、かつ、正転させ
るタイミングを特定の気筒のときに同第一タイミングと
は異なる第二タイミングに変化させる角度信号送信手段
を備え、前記ノック検出部は、前記基準角度を表わすタ
イミングに基づいて前記第一タイミングと前記第二タイ
ミングとの間で信号レベルを読み取り、反転中か否かに
応じて特定の気筒であるか否かを判断する気筒判別手段
を備える構成としてある。
【0008】また、請求項2にかかる発明は、請求項1
に記載のエンジンのノック制御装置において、上記ノッ
ク制御部は、正常なノック量ではないコードが出力され
る頻度を検知して同頻度が高い場合に故障と判断する故
障判断手段を有する構成としてある。さらに、請求項3
にかかる発明は、請求項2に記載のエンジンのノック制
御装置において、信号レベルが変化するコードに正常な
ノック量を表わすコードが割り当てられている場合に、
上記故障判断手段は、信号レベルが変化しないコードを
信号線の故障と判断する構成としてある。さらに、請求
項4にかかる発明は、請求項2または請求項3に記載の
エンジンのノック制御装置において、上記故障判断手段
は、信号レベルが変化するコードを信号線以外の故障と
判断する構成としてある。
【0009】さらに、請求項5にかかる発明は、図2に
示すように、ノックを検出してノック量を表わす信号を
出力するノック検出部と、このノック量を表わす信号を
入力して点火時期の遅角制御を行なうノック制御部とを
備えるとともに、信号線を介してノック制御部からノッ
ク検出部に対してクランク角に応じた燃焼サイクルの基
準角度と気筒の情報を出力するエンジンのノック制御装
置において、上記ノック制御部は、上記基準角度を表わ
すタイミングで上記信号線の信号レベルを反転させ、次
の基準角度のタイミング前の第一タイミングにて同信号
レベルを正転させ、かつ、正転させるタイミングを特定
の気筒のときに同第一タイミングとは異なる第二タイミ
ングに変化させる角度信号送信手段を備え、上記ノック
検出部は、上記基準角度を表わすタイミングに基づいて
上記第一タイミングと第二タイミングとの間で信号レベ
ルを読み取り、反転中か否かに応じて特定の気筒である
か否かを判断する気筒判別手段を備えた構成としてあ
る。
【0010】
【作用】上記のように構成した請求項1にかかる発明に
おいては、前記ノック検出部のゲート区間設定手段は、
ノックの有無を判定するための特定の区間を設定してお
り、コード化手段は、ノック量を信号レベルの順列にコ
ード化するとともに前記基準角度および前記特定区間の
タイミングでこのコード化された情報に基づいて第一の
信号線の信号レベルを変化させる。一方、ノック制御部
のコード復元手段においては、異なる複数のタイミング
で前記第一の信号線の信号レベルを読み取り、読み取っ
た信号レベルの順列に対応するノック量を復元する。ま
た、請求項2にかかる発明においては、前記ノック制御
部は、少なくとも基準角度を出力するタイミングで前記
第一の信号線の信号レベルを読み取るようにしている。
これにより、新たに信号レベルを取り込むタイミングを
設定する処理を省くことができる。さらに請求項3にか
かる発明において、通常の制御においてノックをなくす
ように制御が行われているので、ノック制御部は、正常
なノック量ではないコードが入力される頻度を検知し
て、同頻度が高い場合に故障と判断する。なお、本発明
において、「頻度を検知して頻度が高いか否かを判断す
る」というのは文字どおりの頻度を検知するものであっ
てもよいし、所定の回数だけ連続した場合に頻度が高い
と検知するものであってもよく、頻度が高いことを検知
するものすべてを広義に解釈すべきである。さらに、請
求項4にかかる発明においては、前記故障判断手段は、
前記信号レベルが変化しないコードが入力される頻度が
高い場合に、信号線の故障(断線やショート)と判断す
る。さらに、請求項5にかかる発明においては、信号線
が断線したり、ショートした場合には信号レベルが一定
となるため、信号レベルが一定でなく、かつ、正常でな
いノック量を表わすコードが高い頻度で検出された時に
は、前記故障判断手段は、信号線以外の故障と判断す
る。さらに、請求項6にかかる発明においては、前記ノ
ック制御部の角度信号送信手段は、前記基準角度を表わ
すタイミングで前記第二の信号線の信号レベルを反転さ
せる。そして、次の基準角度のタイミングより前の第一
のタイミングにて同信号レベルを正転させ、かつ、正転
させるタイミングを特定気筒のときに前記第一のタイミ
ングとは異なる第二のタイミングに変化させる。一方、
前記ノック検出部の気筒判別手段は、前記基準角度を表
わすタイミングに基づいて前記第一タイミングと前記第
二タイミングとの間で信号レベルを読み取り、読み取っ
た信号レベルが反転中か否かに応じて特定の気筒である
か否かを判断する。すなわち、例えば、第二タイミング
が第一タイミングよりも後であるとすると特定の気筒の
とき以外は第一タイミングよりも後に気筒判別手段が信
号先の信号レベルを読み取れるので、信号レベルは正転
しているが、特定の気筒のときには第二タイミングまで
反転を維持されているので、信号レベルは反転した状態
である。したがって、信号レベルが特定の気筒に対応す
る。特定の気筒が判別できれば基準角度を表わすタイミ
ングをカウントして他の気筒を判断することができる。
さらに、請求項7にかかる発明おいては、角度信号送
信手段は、前記第一のタイミングと前記第二のタイミン
グとのいずれか一方を前記特定区間の前に、他方を前記
特定区間の後に設け、前記気筒判別手段は、前記特定区
間の設定タイミングで信号レベルを読み取るようにして
いる。これにより、ノツク検出部において、気筒判別を
行うための信号を読み取るタイミングを別途設ける必要
をなくすことができる。さらに、請求項8にかかる発明
においては、ノック制御部の側の角度信号送信手段が、
基準角度を表わすタイミングで信号線の信号レベルを反
転させ、次の基準角度のタイミングより前の第一のタイ
ミングにて同信号レベルを正転させている。一般の気筒
のときにはこの第一のタイミングで信号レベルを正転さ
せるが、特定の気筒のときには同第一のタイミングとは
異なる第二のタイミングに変化させる。これに対し、ノ
ック検出部の気筒判別手段は、基準角度を表わすタイミ
ングに基づいて第一のタイミングと第二のタイミングと
の間で信号レベルを読み取っており、読み取った信号が
反転中か否かに応じて特定の気筒であるか否かを判断す
る。すなわち、例えば、第二のタイミングが第一のタイ
ミングよりも後であるとすると特定の気筒のとき以外は
第一のタイミングよりも後に気筒判別手段が信号線の信
号レベルを読み取るので、信号レベルは正転している
が、特定の気筒のときには第二のタイミングまで反転を
維持されているので、信号レベルは判定した状態のまま
である。したがって、信号レベルが特定の気筒に対応す
る。特定の気筒の判別ができれば、基準角度を表わすタ
イミングをカウントして他の気筒を判断することができ
る。
【0011】また、上記のように構成した請求項2にか
かる発明においては、通常の制御においてノックをなく
すように制御が行なわれているので、ノック検出部から
正常なノック量ではないコードが高い頻度で出力された
場合には、ノックの制御の不良と判断することなく、ノ
ック制御部の故障判断手段は故障と判断する。本発明に
おいて、「頻度を検知して頻度が高いか否かを判断す
る」というのは文字通りの頻度を検知するものであって
もよいし、所定の回数だけ連続した場合に頻度が高いと
検知するものであってもよく、頻度が高いことを検知す
るもの全てを広義に解釈すべきである。
【0012】さらに、上記のように構成した請求項3に
かかる発明においては、故障を判断するにあたって、信
号レベルが変化するコードに正常なノック量を表わすコ
ードが割り当てられているとすると、正常な状態では信
号レベルが変化するはずであって、かつ、その頻度も高
いはずである。すなわち、信号レベルが変化しないとき
には断線やショートの可能性が高く、信号線の故障と判
断できる。このため、故障判断手段は、信号レベルが変
化しないコードを信号線の故障と判断する。さらに、上
記のように構成した請求項4にかかる発明においては、
信号線が断線したり、ショートした場合には、信号レベ
ルは一定となるため、信号レベルが一定でなく、かつ、
正常なノック量を表わすコードについては、故障判断手
段が信号線以外の故障と判断する。
【0013】さらに、上記のように構成した請求項5に
かかる発明においては、ノック制御部の側の角度信号送
信手段が、基準角度を表わすタイミングで信号線の信号
レベルを反転させ、次の基準角度のタイミング前の第一
タイミングにて同信号レベルを正転させている。一般の
気筒のときにはこの第一タイミングで信号レベルを正転
させるが、特定の気筒のときには同第一タイミングとは
異なる第二タイミングに変化させる。これに対し、ノッ
ク検出部の気筒判別手段は、基準角度を表わすタイミン
グに基づいて第一タイミングと第二タイミングとの間で
信号レベルを読み取っており、反転中か否かに応じて特
定の気筒であるか否かを判断する。
【0014】すなわち、例えば、第二タイミングが第一
タイミングよりも後であるとすると特定の気筒のとき以
外は第一タイミングよりも後に気筒判別手段が信号線の
信号レベルを読み取るので、信号レベルは正転している
が、特定の気筒のときは第二タイミングまで反転を維持
されているので、信号レベルは反転した状態である。従
って、信号レベルが特定の気筒に対応する。特定の気筒
が判別できれば、基準角度を表わすタイミングをカウン
トして他の気筒を判断してもよいし、あるいは、同じよ
うにして個々に気筒を表わしてもよい。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、情報をコ
ード化して一本の信号線の信号レベルを時系列的に変化
させるシリアルの通信を行なうようにしたので、一本の
信号線ではあるもののノックの有無のみならず、ノック
量をも通信することができる。ここにおいて、ノック検
出部にて信号レベルを変化させるタイミングを現在の基
準角度および特定区間のタイミングに基づいて生成して
いるため新たにタイミングを設定するための手段を設け
る必要がなく、構成も簡易となる。
【0016】また、請求項2にかかる発明によれば、故
障判断のために特別な装置を使用することなく、ノック
検出部から出力されるノック量に基づいて故障と判断で
き、装置の小型化と信頼性の向上を図ることができる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、容易に信号線
の故障を判断することができる。さらに、請求項4にか
かる発明によれば、容易に信号線以外の故障を判断する
ことができる。さらに、請求項5にかかる発明によれ
ば、基準タイミングに基づく二つのタイミングの間に信
号レベルを読み取るだけで容易に気筒の情報を得ること
が可能となり、信号線を減らしつつ、かつ、複雑な回路
を必要とすることなく一本の信号線で基準角度と気筒の
情報を伝えることができる。
【0017】
【実施例】以下、図面にもとづいて本発明の実施例を説
明する。図3は、本発明の一実施例にかかるエンジンの
ノック制御装置のブロック図である。エンジンブロック
に装着されるインテリジェントタイプのノックセンサ
(ノック検出部)10は、エンジンルーム内に別個に装
着されるECU(エンジン制御ユニット:ノック制御
部)20に対して入力信号線IKSINと出力信号線I
KSOUTと電源供給線BATを介して接続されてい
る。なお、出力信号線IKSOUTについてはECU2
0の側でプルアップして接続してある。ノックセンサ1
0は、図4に示すように、樹脂製のハウジング内に、振
動を検知して当該振動の強さに対応する信号を出力する
振動検出部11と、この振動検出部11から出力される
信号に基づいてノックの有無を検出するノック検出部1
2とを備えている。また、同ノック検出部12は、図5
に示すように、振動検出部11から入力される信号のう
ち所定の周波数帯の成分を取り出すフィルタ121と、
複数のゲインを有してフィルタ121から出力される信
号を増幅するゲインアンプ122と、所定のゲート信号
によって有効化された期間内に上記ゲインアンプ122
にて増幅された信号のピーク値をホールドするピークホ
ールド回路123と、このピークホールド回路123に
てホールドされたピーク値をA/D変換するA/D変換
器124と、後述するフローチャートに対応したプログ
ラムを実行してこれらの各回路を制御するとともに同A
/D変換器124にて変換されたデジタル値のノック量
を入力して信号処理するマイコン125とを備えてい
る。
【0018】一方、図3に示すようにECU20内に
は、後述するフローチャートに対応したプログラムを実
行してノックセンサ10と信号をやりとりしてノック制
御を実行するエンジン制御マイコン21が備えられてお
り、このエンジン制御マイコン21からの制御信号に基
づいて点火を行なわしめるイグナイタ31と、ノック制
御にあたって必用なクランク角情報を出力する回転角セ
ンサ32とが、当該ECU20に接続されている。ここ
において、回転角センサ32は、図6に示すように、7
20゜CAごとに1エッジを出力するカム角センサと、
30゜CAごとに1エッジを出力するクランク角センサ
とにより構成されており、第1(#1)気筒のBTDC
30゜CA〜TDC間にカム角センサのエッジが入るよ
うに設定してある。なお、ECU20は、他のエンジン
制御をも行なうものであり、図示していない他のセンサ
およびアクチュエータなども接続されている。
【0019】次に、上記構成からなる本実施例の電子部
品付きコネクタについて、図7のタイムチャートを参照
しながらその動作を説明する。ECU20においては、
概ね、三つの制御を行なっている。すなわち、一つ目
は、各気筒ごとにTDCとATDC30゜CAという二
つのタイミング(特定区間)を生成する。二つ目は、T
DCにて出力信号線IKSOUTの値を第一情報として
読み取るとともに、ATDC30゜CAにて出力信号線
IKSOUTの値を第二情報として読み取り、二つの情
報で一つのノック量を表わすコードとしてこれをノック
量に復元する。三つ目は、入力信号線IKSINの値を
TDCごとに反転するとともにATDC30゜CA(第
一タイミング)とATDC150゜CA(第二タイミン
グ)という二つのタイミングを生成し、#1気筒のとき
にはATDC150゜CAにて正転させるとともに#1
気筒以外のときにはATDC30゜CAにて正転させ
る。
【0020】この制御のため、ECU20のエンジン制
御マイコン21は、回転角センサ32のクランク角セン
サから入力される30゜CAごとのエッジに基づいて図
8に示すフローチャートに対応するプログラムを実行す
る。プログラムの実行を開始すると(ステップ10
0)、まず、変数としてもっているクランクカウンタを
「1」だけ増加させる(ステップ101)。このクラン
クカウンタは後で現在のクランク角を判断するときに参
照される。次にラッチ回路がカム角センサからの信号を
ラッチしているか判断する(ステップ102)。エンジ
ン制御マイコン21はこのラッチ回路にて、カム角セン
サが720゜CAごとに出力するエッジを検出してい
る。ステップ102にて、ラッチ回路がラッチしている
と判断すると一サイクルしたものとしてクランクカウン
タをリセットし(ステップ103)、ラッチしていない
と判断するとスキップする。本実施例では、カム角セン
サが720゜CAごとにエッジを出力するタイミングが
#1気筒のTDCに合わされるため、クランクカウンタ
がリセットされたときが#1気筒のTDCを意味する。
そして、次のエッジのためにラッチ回路をリセットして
おく(ステップ104)。
【0021】次に、現在のクランク角がTDCであるか
否か(ステップ105)、ATDC30゜CAであるか
否か(ステップ108)、ATDC150゜CAである
か否か(ステップ114)をクランクカウンタの値を参
照して判断する。クランクカウンタの値が「0」か
「6」の倍数{6n;n=0あるいは正の整数}であれ
ばTDCであると判断できる。TDCにおいては、上述
したように出力信号線IKSOUTの値を第一情報とし
て読み込む(ステップ106)。出力信号線IKSOU
Tの値は、同出力信号線IKSOUTの信号レベルに対
応している。エンジン制御マイコン21は図示していな
い入力ポートを介して当該出力信号線IKSOUTの信
号レベルを入力する。その後、入力信号線IKSINの
値を「0」にセットする(ステップ107)。入力信号
線IKSINの値も入力信号線IKSINの信号レベル
に対応しており、エンジン制御マイコン21は図示して
いない出力ポートを介して入力信号線IKSINの信号
レベルを「0」に反転させる。
【0022】クランクカウンタの値が「6」の倍数+1
{6n+1;n=0あるいは正の整数}であればATD
C30゜CAであると判断できる。ATDC30゜CA
のときには、上述したように、#1気筒であるか否かを
判断し(ステップ109)、#1気筒以外のときに入力
信号線IKSINの信号レベルを”1”に正転させる
(ステップ110)。また、出力信号線IKSOUTの
値を第二情報として読み込み(ステップ111)、第一
情報と第二情報とを組み合わせてコード化するとともに
このコードに基づいてノック判定結果を復元する(ステ
ップ112)。ここで、ノック判定結果の復元について
説明する前に、ノック検出部12にてどのようにノック
判定結果をコード化しているか説明する。ノック検出部
12は、各気筒ごとにフィルタ121の中心周波数とゲ
インアンプ122のゲインを設定するとともに、計測期
間であるゲートを設定し、このゲート期間中における振
動検出部11のピーク値を元にノック判定を行なってい
る。そして、このノック判定結果をコード化する。ノッ
ク判定は次のように対応付けられている。すなわち、
【0023】
【表1】 とし、「大ノック」をコード”00”にて表わし、「小
ノック」をコード”01”にて表わし、「ノック無し」
をコード”10”にて表わしている。なお、ノック判定
においては、あえて”11”を設定しておらず、このノ
ック判定とコード”11”とを組みあわせて、後で詳述
するフェイル判定を行っている。ノック検出部12は、
図示しない入力ポートを介して入力信号線IKSINの
信号レベルを検出しており、同信号レベルの立ち下がり
を検出すると図9に示すフローチャートが実行される。
このフローチャートが実行されると、まず、出力信号線
IKSOUTに対してノック判定結果を表わすコードの
第二情報を出力する(ステップ201)。ここで送られ
るノック判定結果は一つ前の気筒のものであり、後述す
るように今回の気筒の第一情報を後で出力している。な
お、第一情報と第二情報を出力するため、ノック検出部
12は出力ポートを介して同出力信号線IKSOUTの
信号レベルを設定する。すなわち、各情報が「1」であ
れば信号レベルも「1」とし、各情報が「0」であれば
信号レベルも「0」とする。
【0024】ノック検出部12においては、入力信号線
IKSINの立ち下がりエッジだけが外部から入力され
るタイミング情報であり、判定に使用するゲートはこの
TDCのタイミングとずれている。このため、ノック検
出部12は内部タイマを備えており、内部タイマの値を
設定したいゲートのタイミングに対応させる必要があ
る。このゲート区間はノックが発生する区間に合せて設
定するものであり、本実施例ではATDC10〜70゜
CAとしたが、低速ではノツクの発生角度が短くなるの
で、例えば、ATDC10〜50゜CAという具合にエ
ンジン条件に応じて変えても良い。マイコン125は、
両者の対応づけを行なうために、前回の立ち下がりエッ
ジと今回の立ち下がりエッジとの間隔を算出し(ステッ
プ202)、ゲートのオープンタイミングであるATD
C10゜CAを内部タイマのタイミングに設定する(ス
テップ203)。そして、マイコン125は、内部タイ
マの値がATDC10゜CAと対応したときに、図10
に示すゲートオープンタイミング処理(ステップ30
0)を実行する。
【0025】ゲートをオープンするときには、新たなゲ
ート中におけるピークホールドのためにピークホールド
回路123をリセットし、ピークホールドを開始させる
(ステップ301)。そして、ゲートオープンタイミン
グを設定したときと同様にゲートクローズタイミングで
あるATDC70゜CAを内部タイマのタイミングに設
定する(ステップ302)。内部タイマの値がATDC
70゜CAと対応したときに、ゲート期間が終了し、マ
イコン125は図11に示すゲートクローズタイミング
処理(ステップ400)を実行する。マイコン125
は、ゲート期間中にピークホールド回路123がホール
ドしたピークホールド値をA/D変換器124にてA/
D変換させる(ステップ401)。一方、ATDC70
゜CAは、エンジン制御マイコン21が入力信号線IK
SINを正転させる二つのタイミングATDC30゜C
A(第一タイミング)とATDC150゜CA(第二タ
イミング)の中間であり、マイコン125は入力信号線
IKSINの値を読み取る。エンジン制御マイコン21
は#1気筒以外のときにはATDC30゜CAにて同入
力信号線IKSINの値を正転させているが、#1気筒
のときにはATDC150゜CAまで同入力信号線IK
SINの値を正転させていない。従って、読み取った値
が「1」であるならば#1気筒以外であるし、読み取っ
た値が「0」であるならば#1気筒である。マイコン1
25は読み取った値が「1」であるならば(ステップ4
02)、内部に有する気筒カウンタの値をそのままに
し、「1」でなければ同気筒カウンタをリセットする
(ステップ403)。この気筒カウンタはゲートクロー
ズタイミング処理中に「1」だけ増加させて更新される
ので(ステップ408)、この気筒カウンタの値を参照
して気筒を特定し、フィルタ121の中心周波数とゲイ
ンアンプ122のゲインを設定している(ステップ40
9)。
【0026】この入力信号線IKSINの読み取りタイ
ミングは、第一タイミングと第二タイミングの中間であ
ればよく、既存のKCSで利用されているタイミングを
利用すれば新たなタイミングを設定することなく気筒の
判別を行なうことができる。このように、既存のタイミ
ングを利用することにより、一本の入力信号線IKSI
NだけでTDCと気筒の情報を簡易な構成で伝達するこ
とができる。一方、マイコン125はA/D変換したピ
ークホールド値を元にノック量を判定し(ステップ40
4)、続いてフェイル判定を行なう(ステップ40
5)。このフェイル判定の結果がECU20へ伝達され
る。フェイル判定を三つの状態のいずれかに対応させて
コード化し(ステップ406)、第一情報の値を出力信
号線IKSOUTに出力する(ステップ407)。上述
したように、第二情報は次の気筒のTDCにて同出力信
号線IKSOUTに出力されている。
【0027】さて、ノック検出部12は、このようにし
てATDC70゜CAにてフェイル判定を表わす第一情
報を出力し、次の気筒のTDCにて第二情報を出力して
いる。一方、ECU20の側では、TDCにて第一情報
を読み取り、ATDC30゜CAにて第二情報を読み取
っている。ここにおいて、ECU20の側で第一情報を
読み取ってから入力信号線IKSINの値が変化してい
るので、ノック検出部12はECU20が第一情報を読
み取ってからTDCを検知して第二情報を出力すること
になり、情報の伝達は確実に行なわれている。また、こ
こにおいて使用されているタイミングは既存のKCSに
おいても必要とされるものであり、あえて特別なタイミ
ングを生成しているわけではない。ECU20は、図8
のフローチャートにて、第一情報と第二情報とを合成し
てコードを作成するとともに、このコードに基づいてノ
ック判定結果を復元する。すなわち、
【0028】
【表2】 と対応付けてノック判定を行ない(ステップ112)、
ノック制御量を演算する(ステップ113)。このよう
に、一本の出力信号線IKSOUTを利用してノックの
有無とともにノックの強さも伝達することができる。ま
た、既存のタイミングを利用しているので、簡易な構成
で実現できている。
【0029】ECU20は、復元されたノック判定結果
に基づいてノック制御量を演算するとともに(ステップ
113)、ノック判定結果に基づいて故障の有無を判断
し、安全制御も行なっている。もっとも発生しやすい故
障モードは、信号線の断線である。この場合、出力信号
線IKSOUTがECU20の側でプルアップされてい
るので、断線のようなオープン時にはコード”11”が
連続する。従って、この情報によって信号線のオープン
を検出することができる。上述したように、ノック判定
にはコード”11”を割り付けていないので、断線を極
めて簡単に判断することができる。また、信号線がショ
ートした場合はコード”00”が連続するので、この情
報により出力信号線IKSOUTがショートしていると
判断することができる。
【0030】次に、発生しやすい故障モードは、振動検
出部11の故障である。この故障の中には、純粋な振動
検出部11の故障の外に、ノックセンサ10がエンジン
ブロックのセンサボスから外れて、例えば、V型エンジ
ンのバンク間でグランドだけは取れているという故障も
多い。この場合、検出される振動レベルが小さくなって
しまい、ノック検出できなくなるおそれがある。そこ
で、第一情報と第二情報とが異なるコード”01”に小
ノックを割り付け、小ノックを表わすコード”01”が
連続して出力されたときに、ECU20では振動検出部
11の故障と判断するようにしている。
【0031】このように、第一情報と第二情報とが異な
るコード”10”に「ノック無し」のフェイル判定を割
り付けるとともに、同様に第一情報と第二情報とが異な
るコード”01”に「振動検出部11の故障」を割り付
け、コード”11”になにも割り付けないという、コー
ドの割り付けに重要な意義が存在している。以上の制御
をECU20は図12に示すフローチャートに対応した
プログラムを実行して行なっている。ノック制御量の演
算では、基本的に1秒経過ごとに点火時期を1゜CA進
角させる(ステップ501,502)。しかし、ノック
判定結果に基づき、小ノックが判定されたとき(ステッ
プ503)には点火時期を1゜CA遅角させ(ステップ
504)、小ノックでなく大ノックが判定されたとき
(ステップ505)には点火時期を2゜CA遅角させて
いる(ステップ506)。
【0032】このような制御のもとではノックが検出さ
れない状態に収束していくはずであり、「ノック無し」
以外の判定結果を表わすコードが継続して出力されるの
はなんらかの故障と判断することができる。そこで、
「小ノック」を表わすコード”01”が256回以上連
続して出力されたか否かを判断し(ステップ507)、
そのような状態であれば振動検出部11のフェイルと判
断して(ステップ508)点火時期を最遅角に設定して
しまう(ステップ513)。また、同様に「大ノック」
を表わすコード”00”が256回以上連続して出力さ
れたか否かを判断して(ステップ509)、そのような
状態であれば出力信号線IKSOUTがショートしたと
判断し(ステップ510)、ステップ513にて点火時
期を最遅角に設定する。更に、割り付けられていないコ
ード”11”が256回以上連続して出力されたか否か
を判断して(ステップ511)、そのような状態であれ
ば出力信号線IKSOUTか入力信号線IKSINに故
障が発生したとして(ステップ512)、点火時期を最
遅角に設定してしまう(ステップ513)。このような
場合、故障モードをバックアップRAMに記憶しておく
こともできる。
【0033】ところで、正常な制御状態であっても異常
な制御状態であっても、点火時期は所定の範囲を越える
ことはありえないので、所定範囲を外れているならば最
終的に点火時期として出力する前に所定の範囲内となる
ようにガードする(ステップ514)。むろん、上述し
た制御において、256回というのはこれに限定したも
のではなく、他の値でもよい。また、何回連続したかと
いう判断以外にも、例えば、100点火中の80点火以
上の頻度で「ノック無し」以外の特定コードが検出され
た場合には、故障と判定してもよい。さらに、このよう
な制御は点火時期を制御する場合以外にも、燃料噴射量
を制御する制御においても実行できる。
【0034】このように、ノック検出部12の側では、
ノック量に基づいてフェイル判定をコード化し、TDC
とゲートクローズタイミングにおいて出力信号線IKS
OUTの値を変化させ、ノック制御部であるECU20
の側では、この二回のタイミングで出力信号線IKSO
UTの値を読み取ってコードを作成し、ノック判定結果
を復元する。これにより、一本の出力信号線IKSOU
Tの値で最大4つの判定を伝達することができ、ノック
の有無のみならず強度をも伝達することができる。ま
た、ECU20は入力信号線IKSINを反転させてノ
ック検出部12にTDCを伝達するとともに、これを正
転させるタイミングを気筒によって変化させており、変
化させる範囲内でノック検出部12が入力信号線IKS
INの値を読み取っている。この結果、一本の入力信号
線IKSINでTDCのみならず気筒の情報をも伝達す
ることができる。
【0035】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、要旨を変更しない範囲内において以
下のような変形例に適用可能である。上述した実施例お
いては、ノック制御部であるECU20に30゜CAご
とのクランク角信号が入力され、同ECU20はこのク
ランク角信号が入力されたタイミング制御を実行してい
る。しかし、カム信号(TDC)だけが入力されている
場合でも本発明を実施することができる。すなわち、T
DC間の時間を計測し、時間によってATDC30゜C
AとATDC150゜CAを推定して入力信号線IKS
INの値を変化させればよい。
【0036】また、上述した実施例においては、入力信
号線IKSINの値を正転させるタイミングとしてゲー
トクローズタイミングを利用していたが、カム角信号
(TDC)だけを基準として、入力信号線IKSINの
値を変化させることもできる。例えば、図13に示すよ
うに、#1気筒のときは次の気筒である#3気筒のTD
Cまで同入力信号線IKSINの値を正転させず、#1
以外の気筒のときにはTDC後50μs後に正転させ
る。また、#3気筒のみTDCのタイミングで入力信号
線IKSINの値を”1”にし、50μs後”0”にし
てから、さらに50μs後”1”に戻すようにすればよ
い。ただし、この場合はノック検出部12の基準角度タ
イミングが#3気筒のTDCの時に少しずれてしまう。
また、この場合にはゲートオープンタイミングで入力信
号線IKSINの値を読み込んで気筒判別してもよい。
【0037】さらに、上述した実施例では、ノック検出
部12がゲートクローズタイミングと基準角度タイミン
グで出力信号線IKSOUTの値を出力したが、もう一
つのタイミングであるゲートオープンタイミングで出力
することもできる。例えば、図14に示すように、EC
U20はTDCとATDC30゜CAで出力信号線IK
SOUTを読み込む。しかし、この方法では、前者が時
間同期で出力し、後者が角度同期でその信号を読むた
め、急加速時にゲートオープンが遅れて誤って読んでし
まうおそれがある。この他、ノックセンサ10内にノッ
ク検出部12を内蔵するインテリジェントタイプのもの
について説明しているが、ECU内に内蔵する場合でも
信号線の低減という意味で同様の効果を生じる。また、
上述した実施例における点火時期制御についても特定さ
れるものではなく、他の制御例を実施するものであって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明のクレーム対応図である。
【図3】本発明の一実施例にかかるエンジンのノック制
御装置のブロック図である。
【図4】ノックセンサの断面図である。
【図5】ノック検出部のブロック図である。
【図6】回転角センサの信号出力タイミングを表わすタ
イミングチャートである。
【図7】タイミングチャートである。
【図8】ノック制御部の実行プログラムに対応したフロ
ーチャートである。
【図9】ノック検出部の実行プログラムに対応したフロ
ーチャートである。
【図10】ノック検出部の実行プログラムに対応したフ
ローチャートである。
【図11】ノック検出部の実行プログラムに対応したフ
ローチャートである。
【図12】ノック制御量の演算処理に対応したフローチ
ャートである。
【図13】他の実施例のタイミングチャートである。
【図14】他の実施例のタイミングチャートである。
【符号の説明】
10…ノックセンサ 11…振動検出部 12…ノック検出部 121…フィルタ 122…ゲインアンプ 123…ピークホールド回路 124…A/D変換器 125…マイコン 20…ECU 21…エンジン制御マイコン 31…イグナイタ 32…回転角センサ IKSIN…入力信号線 IKSOUT…出力信号線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図13】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図8】
【図11】
【図12】
【図14】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノックを検出してノック量を表わす信号
    を第一の信号線を介して出力するノック検出部と、この
    ノック量を表わす信号を前記第一の信号線を介して入力
    して点火時期の遅角制御を行なうノック制御部とを備え
    るとともに、第二の信号線を介してノック制御部からノ
    ック検出部に対してクランク角に応じた所定のタイミン
    グで基準角度信号を出力するエンジンのノック制御装置
    において、 前記ノック検出部は、 ノックの有無を判定するための特定の区間を設定するゲ
    ート区間設定手段と、 ノック量を信号レベルの順列にコード化し、前記基準角
    度および前記特定区間のタイミングでこのコード化され
    た情報に基づいて前記第一の信号線の信号レベルを変化
    させるコード化手段とを備え、 前記ノック制御部は、 異なる複数のタイミングで前記第一の信号線の信号レベ
    ルを読み取り、読み取った信号レベルの順列に対応する
    ノック量を復元するコード復元手段とを備えることを特
    徴とするエンジンのノツク制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ノック制御部が前記第一の信号線の
    信号レベルを読み取る複数のタイミングの内の少なくと
    も一つは、前記基準角度を出力するタイミングであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエンジンのノック制御
    装置。
  3. 【請求項3】 上記ノック制御部は、正常なノツク量で
    はないコードが入力される頻度を検知して、同頻度が高
    い場合に故障と判断する故障判断手段を有することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンのノ
    ック制御装置。
  4. 【請求項4】 前記故障判断手段は、信号レベルが変化
    しないコードが入力される頻度が高い場合に、信号線の
    故障と判断する手段を含むことを特徴とする請求項3に
    記載のエンジンのノック制御装置。
  5. 【請求項5】 前記故障判断手段は、信号レベルが変化
    するコードが入力される頻度が高い場合に、信号線以外
    の故障と判断する手段を含むことを特徴とする請求項3
    または請求項4に記載のエンジンのノック制御装置。
  6. 【請求項6】 前記ノック制御部は、 前記基準角度を表わすタイミングで前記第二の信号線の
    信号レベルを反転させ、次の基準角度のタイミングより
    前の第一のタイミングにて同信号レベルを正転させ、か
    つ、正転させるタイミングを特定気筒のときに前記第一
    のタイミングとは異なる第二のタイミングに変化させる
    角度信号送信手段を備え、 前記ノック検出部は、 前記基準角度を表わすタイミングに基づいて前記第一の
    タイミングと前記第二のタイミングとの間のタイミング
    で信号レベルを読み取り、読み取った信号レベルが反転
    中か否かに応じて特定の気筒であるか否かを判断する気
    筒判別手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求
    項5のいずれか一つに記載のエンジンのノック制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記角度信号送信手段は、前記第一のタ
    イミングと前記第二のタイミングとのいずれか一方を前
    記特定区間の前に、他方を前記特定区間の後に設け、 前記気筒判別手段は、前記特定区間の設定タイミング
    で、前記信号レベルを読み取ることを特徴とする請求項
    6に記載のエンジンのノック制御装置。
  8. 【請求項8】 ノックを検出してノック量を表わす信号
    を出力するノック検出部と、このノック量を表わす信号
    を入力して点火時期の遅角制御を行うノック制御部とを
    備えるとともに、信号線を介してノック制御部からノッ
    ク検出部に対してクランク角に応じた燃焼サイクルの基
    準角度と気筒の情報を出力するエンジンのノック制御装
    置において、 前記ノック制御部は、 前記基準角度を表わすタイミングで前記信号線の信号レ
    ベルを反転させ、次の基準角度のタイミング前の第一タ
    イミングにて同信号レベルを正転させ、かつ、正転させ
    るタイミングを特定の気筒のときに同第一タイミングと
    は異なる第二タイミングに変化させる角度信号送信手段
    を備え、 前記ノック検出部は、 前記基準角度を表わすタイミングに基づいて前記第一タ
    イミングと前記第二タイミングとの間で信号レベルを読
    み取り、反転中か否かに応じて特定の気筒であるか否か
    を判断する気筒判別手段を備えることを特徴とするエン
    ジンのノック制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057455A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Toyota Motor Corp 可変バルブタイミング装置

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