JPH08113996A - 大型外装パネルの取り付け方法及び外装パネル - Google Patents

大型外装パネルの取り付け方法及び外装パネル

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JPH08113996A
JPH08113996A JP24959294A JP24959294A JPH08113996A JP H08113996 A JPH08113996 A JP H08113996A JP 24959294 A JP24959294 A JP 24959294A JP 24959294 A JP24959294 A JP 24959294A JP H08113996 A JPH08113996 A JP H08113996A
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exterior panel
horizontal
panel
hanging
wall
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JP24959294A
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English (en)
Inventor
Sunao Izuhara
直 出原
Fumiaki Kishida
文明 岸田
Takaharu Nakamura
隆治 中村
Hiroshi Tanaka
宏 田中
Akio Sato
秋雄 佐藤
Yoichi Masuda
陽一 増田
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Takenaka Komuten Co Ltd
Kikukawa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
Kikukawa Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物の外壁面を仕上げる大型外装パネルを外
壁躯体へ取り付ける方法及び同方法の実施に使用される
外装パネルを提供する。 【構成】 建物の外壁躯体1の外面の上下に吊り具2を
複数設け、外装パネル3の裏面に複数の横補強桟材4及
び複数の縦補強桟材5を配置し、更に前記縦又は横補強
桟材に下向きに鉤形をなす吊り掛け部6を設ける。外装
パネル3の前記吊り掛け部6を建物の外壁躯体1の前記
吊り具2へ吊り掛ける。外装パネルの吊り掛け部6を外
壁躯体1の吊り具2へ押し付け、外装パネル3の水平横
方向への移動を1箇所で拘束し、外装パネル3の浮き上
がりを防止する。 【効果】 ファスナーを一切使用しない施工方法であ
り、大型外装パネルの現場取付け作業を簡素化し、施工
性の向上、無足場工法への展開を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建物の外壁面を仕上
げる大型外装パネルを外壁躯体へ取り付ける方法及び同
方法の実施に使用される外装パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、外装パネルの取り付けには、種々
な構造形式の所謂ファスナーが使用されている。その代
表的な構成は、外装パネルの裏面にスタッドボルトを熔
着し、該スタッドボルトを利用して外装パネル裏面に桟
材を取り付けて下地を作り、建物の外壁躯体側には取り
付け金物(一次ファスナー)を設け、この取り付け金物
へ前記外装パネルの桟材をボルト止め等のファスナー手
段で結合している。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】従来のようにファス
ナーを使用した取り付け方法は、外装パネルを取り付け
金物と結合するボルト止め作業の工数がかなり多くて時
間がかかるし、施工精度を向上させることに限度があっ
た。また、建物の外壁躯体に取り付け金物を設置するこ
とにも多くの工数と時間がかかった。しかも、外装パネ
ル表面の平面度を確保するためには剛性が大きいしっか
りとした下地を組む必要があり、そのようにすると下地
フレームやファスナー等が割高なものとなり、相対的に
パネル材に充分なコストをかけられない。その結果、経
年のくり返し応力の作用で下地の変形等がパネル表面に
出現しやすい結果となっている。更に、一旦取り付けた
外装パネルは、メンテナンス時に必要があっても単体で
取り外すことは不可能に近く不便であった。
【0004】従って、本発明の第一の目的は、大型外装
パネルの現場での取り付け方法を簡素化して工場製作の
容易性、及び現場での施工性の向上、品質の確保を図る
と共に、無足場工法への展開も可能ならしめることであ
る。本発明の次の目的は、外装パネルの取り付け精度の
向上、及び熱による伸縮変形に対する自在性、並びに地
震力又は風荷重に対する取り付け状態の安定性を高め、
更には外装パネルをメンテナンスの為にパネル単独で取
り付け取り外し可能とすることである。
【0005】本発明の異なる目的は、経年のくり返し応
力を受けても歪みを生じ難く、高い平面度を保ち、質感
の良い仕上げを可能ならしめ、更に安価に高品質の外装
仕上げ工事を可能にすること、そして、オープンジョイ
ントによる優れた両仕舞を実現する、大型外装パネルの
取り付け方法と、同方法の実施に使用する外装パネルを
提供することである。
【0006】本発明の究極の目的は、ファスナーを一切
使用せず、外装パネルの裏面に取り付けた縦横の桟材
(下地材)でサッシュ又は捨枠へ吊り下げる単純な取り
付け方法、そして、外装パネルの取り付け状態の精度を
高め、熱伸縮に対する制御、地震や風荷重に対する確実
で自在な制御方法を確立した取り付け方法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の課題
を解決するための手段として、請求項1の発明に係る大
型外装パネルの取り付け方法は、建物の外壁躯体1の外
面の上下に水平方向に平行な配置で吊り具2を複数設け
ること、外装パネル3の裏面の上下に水平方向に平行な
複数の横補強桟材4を配置し、左右にも上下方向に平行
な複数の縦補強桟材5を配置し、更に前記縦又は横補強
桟材に前記外壁躯体の上下の吊り具2,2と略同一の間
隔で下向きに鉤形をなす吊り掛け部6を設けること、外
装パネル3の前記吊り掛け部6を、建物の外壁躯体1の
外面の相対応する前記吊り具2へ吊り掛けること、外装
パネルの吊り掛け部6を外壁躯体1の吊り具2へ押し付
け拘束する処置、外装パネル3の水平横方向への移動を
1箇所で拘束する処置、及び外装パネル3の浮き上がり
を防止する処置を各々施すこと、をそれぞれ特徴とす
る。
【0008】上記発明の吊り具2は、建物の外壁躯体1
が形成する開口部に嵌め込み固定された開口外周枠7の
上下辺の外面に沿って設けられている。また、上記発明
の吊り掛け具6は、外装パネル3の裏面の上下に外壁躯
体の上下の吊り具2,2と略同一の間隔で水平方向に平
行に配置した横補強桟材4の内側面に沿って設けられて
いる。
【0009】更に請求項1の発明において、外装パネル
3の吊り掛け部6を外壁躯体1の吊り具2へ押し付け拘
束する処置は、建物の外壁躯体1を内側から外向きにね
じ込み貫通させた押し出しボルト10で桟材又は吊り掛
け具6を外向きに押し出す操作によって行ない、外装パ
ネル3の水平横方向への移動を拘束する処置は、外装パ
ネルの縦又は横補強桟材に内外方向に水平な凹所11を
設け、建物の外壁躯体1を内側から外向きにねじ込み貫
通させた左右位置固定ボルト12を前記凹所11内へ挿
入することによって行ない、外装パネルの浮き上がりを
防止する処置は、横補強桟材の軸線方向の複数位置に、
外壁躯体を内側から外向きにねじ込み貫通させた浮き上
がり防止ボルト13を横補強桟材の上面に当接させるこ
とによって行うことを特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、建物の外壁躯体1のう
ち、押し出しボルト10、左右位置固定ボルト12、浮
き上がり防止ボルト13をねじ込み貫通させる部分は、
同外壁躯体が形成する開口部に嵌め込み固定した開口外
周枠7であることを特徴とする。請求項6の発明に係る
外装パネル3は、外装パネルの裏面の上下に水平方向に
平行な複数の横補強桟材4が配置され、左右にも上下方
向に平行な複数の縦補強桟材5が配置されており、更に
前記縦又は横補強桟材に外壁躯体1の上下の吊り具2,
2と略同一の間隔で下向きに鉤形をなす吊り掛け部6が
一体的に設けられていることを特徴とする。
【0011】前記の発明において、外装パネル3と横補
強桟材4とは、外装パネルの裏面に片入れ形状の溝14
を掘削し、該溝中に横補強桟材のフック部15を挿入し
て一体化されていることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1〜5の発明に係る大型外装パネルの取
り付け方法によると、外装パネル3はクレーン等で垂直
な姿勢に吊り、その表裏面を建物と一致させた上で外壁
躯体1の取り付け位置の面前へ持ってゆき、同外装パネ
ル3の裏面の吊り掛け部6を外壁躯体1の相対応する吊
り具2へ吊り掛ける操作により、取り付け作業の約90
%を遂行したに等しい仮止め状態となるから、極めて作
業が簡単である。この場合に、外装パネル3を図9のよ
うな玉掛け用フック40を利用して吊ると、クレーンの
操作員を除けば、建物内のパネル取り付け位置の近傍に
1人又は2人の作業員が待機しておれば外装パネル3の
取り付け作業を支障無く行えるから、無足場工法も実現
可能である。前記のように仮止めした外装パネル3は、
その後、建物の内側から外向きにねじ込む押しボルト1
0、左右位置固定ボルト12、及び浮き上がり防止ボル
ト13を各々働かせる簡単な操作で、迅速に精度良く、
しかも熱による伸縮に対して自在性があり、地震や風荷
重による慣性力に対して安全で信頼性の高い取り付けを
完成できる。
【0013】請求項4に記載したように、押し出しボル
ト10で桟材4を直接に押すか(図10)、又は吊り掛
け具6を押して(図9)吊り掛け部6を吊り具2へきっ
ちり押し付けると、外装パネル3を面外方向の外力に対
して拘束する力を発揮すると共に、外壁躯体1の吊り具
2の位置を基準とした外装パネルの取り付けができ、各
パネル相互間の平面度が高く、位置ずれや振動(がたつ
き)を生じない取り付けを行なえる。また、外装パネル
3の水平横方向の略中央部に1箇所設けた左右位置固定
ボルト12を同外装パネル3の凹所11内へ挿入する
と、両者が相互に引っ掛かるずれ止め作用により、水平
横方向に関する外装パネル3の取り付け位置が確定(拘
束)され、ずり動くこともない。しかも外装パネル3の
水平横方向への熱伸縮は一切拘束せず自由なので、熱応
力や熱歪みが発生する心配がなく、取り付け精度を長く
保てる。因みに、同外装パネル3の上下方向の熱伸縮
は、前記吊り具2に対する吊り掛け部6の吊り深さ(図
8中の隙間S及びS′を参照)の限度に自由度を与えら
れる。従って、外装パネル3の経年的な熱伸縮によって
パネルに歪みを生じたり取り付け位置のずれを発生する
ことはなく、平面度の高い良質な仕上げ面を長く維持で
きる。更に浮き上がり防止ボルト13を横補強桟材4の
上面へ当たるように働かせると、外装パネル3の上下方
向の振動(がたつき)や掛け外れを確実に防止できる。
【0014】従って、逆説的には前記押し出しボルト1
0、左右位置固定ボルト12、及び浮き上がり防止ボル
ト13を順次にゆるめて抜き外すと、該当する外装パネ
ル3は1枚毎の単位で取り外すことが出来る訳である。
請求項2のように、開口外周枠7(サッシュ)の外面に
吊り具2を設けると、外壁躯体側の取り付け下地造りは
一切無用である。
【0015】同様に、請求項3のように、外装パネル裏
面の横補強桟材4の内側面に吊り掛け具6を設けると、
パネル側の取り付け下地造りは一切無用である。請求項
6のように、パネル裏面の上下左右の位置を複数の縦、
横補強桟材4、5で補強された大型の外装パネル3は、
風荷重で歪まないように補剛され、高い平面度の仕上げ
面を長く維持する。また、外装パネル3は、吊り掛け部
6も含めて工場で厳しい品質管理の下に量産することが
出来、現場施工の工数削減と品質確保に寄与する。
【0016】
【実施例】次に、図示した本発明の実施例を説明する。
図1と図2は建物の外壁仕上げの一例を示している。各
階の梁8及びスラブ9と一体的に外壁躯体1が形成され
ている。但し、外壁躯体1の構造は鉄筋コンクリート造
に限らず、プレキャストコンクリート板又は鉄フレーム
に軽量気泡コンクリート板を取り付けた複合板などで構
成することも実施される。上下階の外壁躯体1,1の間
に窓用開口が形成され、その開口に窓ガラス16が建て
込まれている。外壁躯体1の外面に外装パネル3を取り
付けて仕上げが行われている。
【0017】図3〜図5に外壁パネル3の構造の詳細を
示している。図示した外装パネル3は、縦が1.55
m、横が6.2m余の大型パネルであり、アルミニュウ
ム板、又はステンレス鋼板、又は鉄板などで形成されて
いる。この外装パネル3の裏面には、図1及び図3〜図
5に示したように、上下に水平方向に平行な配置で2本
(但し、2本以上複数本でも可。)の横補強桟材4が配
置され、左右には上下方向に平行な複数の縦補強桟材5
が略等間隔に配置され、各々は略格子状の補強枠を形成
して外装パネル3に取り付けられている。上下の横補強
桟材4に関しては、外装パネル3の裏面の水平横方向に
図6に示した浅い片入れ形状のあり溝14を掘削し、他
方、桟材4には前記溝内にピッタリ納まるあり形状のフ
ック部15を設け、該フック部15を前記あり溝14内
へ片側から挿入する事によって一体的に結合されてい
る。あり溝14は図6に示したように一端部に幅の広い
挿入部14aが形成され、該挿入部から水平横方向に前
記フック部15と同一幅のあり溝14が深さ3.5mm
位、全長95mm位に形成されている。このようなあり溝
14の掘削を前提として、外装パネル3は8mm程度の厚
板で形成されている。よって溝を形成しない実施方法の
場合は、外装パネルの厚さは従来と同様に3mm程度のも
のを使用できる。フック部15は挿入部14aの位置か
ら挿入し、横方向へスライドさせて定着する。フック部
15の抜け外れを防ぐため、前記挿入部14aにはノッ
クボルト19がねじ込まれる。前記溝とフック部は上下
方向の向きに設けて縦補強桟材の取り付けに採用するこ
ともできる。
【0018】もっとも、溝及びフック部の形状は、図示
したダブテール形状に限らず、T形状又はL形状その他
を実施可能である。あるいは、図9に示したようにスタ
ッドボルト41を外装パネルの裏面へ熔着してボルト接
合の方法を実施することも可能である。縦補強桟材5
は、図示例の場合、前記横補強桟材4との交点をボルト
17で結合されている。縦横の桟材を予め組み立てた後
に、前記横補強桟材4のフック部15を溝14へ挿入し
てパネルと一体化する。但し、縦補強桟材5も単独で、
前記した横補強桟材の場合と同様な結合手段で外装パネ
ル3へ取り付けることも出来る。なお、図中の符号18
は前記ボルト17を通過させる通孔である。かくして外
装パネル3は、その裏面に取り付けた縦、横の補強桟材
により全面を略一様に補強(補剛)され、風荷重等の経
年的な繰り返しによって平面度を損なわない構成とされ
る。
【0019】上下の横補強桟材4には、その内側面の全
長にわたり、下向きに鉤形をなす吊り掛け部6が一体的
に設けられている。要するに図示の横補強桟材4は、図
3の断面形状のアルミニュウム押し出し材として吊り掛
け部6が一体成形されている。場合によっては吊り掛け
部6を別体として金属の折り曲げ材、鋳造品などとして
製造し、横補強桟材4へ取り付けることも行なわれる。
ちなみに縦補強桟材5も図5の断面形状を持つアルミニ
ュウム押し出し材として吊り具2が一体成形されてい
る。なお、縦、横の補強桟材には、金属の折り曲げ形材
を使用することも可能である。前記横補強桟材4の吊り
掛け部6の有効深さは12mm程度である。
【0020】次に、外壁躯体1のパネル取り付け部の構
造は、図7に示したように、外壁躯体1の上下の辺に沿
って開口外周枠7(サッシュ)が取り付けられている。
具体的には、外壁躯体1の上下の縁に沿って予め打ち込
まれた溝形鋼状の縁材20の上面又は下面に沿って高さ
調整用のライナー21を複数噛ませた上で、やや大型
(100×100×9)のアングル22がアンカ−ボル
ト23を利用して結合されている。前記アングル22の
外側部分に、アルミニュウム押し出し材による開口外周
枠7がボルト24及びナット25で取り付けられてい
る。上辺の開口外周枠7は荷受けボルト26によっても
支持されている。開口外周枠7は窓ガラス16を取り付
ける窓枠の働きを主目的としており、ガラス受け部31
の部位にはアルミニュウム押し出し材である押し縁27
を使用して窓ガラス16が固定されている。また、タイ
トゴム28、コーキング材29、シリコーン30などを
使用して雨仕舞い処理が完全に行われている。従って、
これらの外側に位置する外装パネル相互間の目地は雨仕
舞いを必要とせず、オープンジョイントが可能である。
【0021】前記開口外周枠7の外面であって前記ガラ
ス受け部31を避けた位置に、断面が横向きにT形をな
す吊り具2が全長にわたり一体的に設けられている。外
壁躯体1の上下に平行に位置する二つの吊り具2、2の
間隔は、前記外装パネル3の裏面の上下に平行に取り付
けた横補強桟材4、4の吊り掛け部6、6に対し、数mm
程度大きい余裕を設けてあり、取り付け誤差、上下方向
の熱伸びがあっても下位の吊り具及び吊り掛け部で荷重
を受けないようにしている。なお、吊り具2も、開口外
周枠7とは別体として製造し、開口外周枠7へ取り付け
ることも行なわれる。
【0022】従って、上述した外装パネル3をトラック
クレーン等で天地の向きを正しく垂直な姿勢に吊り、且
つその表裏面を外壁躯体1と一致させた上で取り付け位
置の面前へ平行な配置で持って行き、同外装パネル3の
吊り掛け部6を対応する吊り具2へ吊り掛けると、図8
に示したように、外装パネル3の取り付け(仮止め)の
ほぼ90%前後が達成される。この場合、特に下位の掛
け止め部6と吊り具2との間には上下方向に数mm程度の
隙間S及びS’が形成され、パネルの上下方向の熱伸縮
を許容する。また、各吊り掛け部6と吊り具2との接触
面間には例えばテフロン(商標)テープのような滑り材
を介在させ、もって水平横方向の熱伸縮の自由度を高め
ている。隣接するパネル相互間の上下、左右の目地部分
は、熱伸縮に支障ない程度の隙間をあけたオープンジョ
イントになっている。
【0023】なお、吊り具2を設ける場所及びその形
状、並びに吊り掛け部6を設ける場所及びその形状は、
図示例の限りではない。当業者が通常行う設計、あるい
は変形応用の範囲で種々な態様の実施を行える。例えば
図9のように吊り掛け部6を開断面の横補強桟材4に独
立して設け、該吊り掛け部6を利用して玉掛け用フック
40を設けることも実施される。図9は横補強桟材をス
タッドボルト41で取り付けた構造も示している。
【0024】ところで、上記のようにして取り付けた外
装パネル3を、更に熱伸縮、或いは地震や風荷重などに
対して安定な状態に制御して、しかもパネル単位で取り
外しも容易な構造で取り付けを完成する手段を以下に説
明する。まず、図10及び図11は、外装パネル3の取
り付け位置を規定し、水平横方向へのずり動きを1箇所
で拘束する処置の手段を示している。外装パネル3の裏
面の好ましくは上位の横補強桟材4の上面であって同桟
材の軸線方向の略中央位置(但し、必ずしも中央でなく
ても可)に、後述のボルトが略ぴったり納まる幅寸法と
深さの凹所11を形成した止め金具31が、前記凹所1
1が内外方向に水平となる配置でビス32により固定さ
れている。他方、上述した開口外周枠7には、前記凹所
11の中心線を共有する位置に、ステンレス鋼製で外径
が12mm位の左右位置固定ボルト12が内側から外向き
にねじ込まれ貫通されており、同ボルトの先端部が凹所
11内へ20mm前後の長さ挿入されている。従って、開
口外周枠7によって位置を固定されている左右位置固定
ボルト12に対して止め金具31が突き当たる結果とし
て、外装パネル3の水平横方向の取り付け位置が確定さ
れる。しかも1箇所のみの拘束であり、止め金具31の
両側方向へのパネルの熱伸縮は一切拘束されないので、
水平横方向への伸縮の自由度が確保されている。なお、
凹所11を設ける場所及び凹所の形状は図示例の限りで
はない。例えば縦補強桟材5に相当大きさの孔を設けて
該孔へ左右位置固定ボルトを挿入する構成で実施するこ
ともできる。
【0025】次に、外装パネル3の浮き上がりを防止
し、吊り掛け部6が吊り具2から抜け外れる事故を防ぐ
処置の手段として、図12と図13は、まず外装パネル
裏面の上位(又は下位)の横補強桟材4の上面であって
同横補強桟材の軸線方向に等分した複数位置に、平板状
の受け板33がビス34で固定されている。他方、開口
外周枠7には、前記受け板33上に約2mm程度の隙間を
確保する位置に、同開口外周枠7を内側から外向きにね
じ込み貫通させた浮き上がり防止ボルト13が前記受け
板33の上に突き出され、前述の許容隙間以上浮き上が
るとボルト13に当り、抜け外れを確実に防止する構成
とされている。前記許容隙間はパネルの上下方向の熱伸
縮の自由を許容する意味もある。
【0026】最後に、図14は外装パネル上部の吊りか
け部6を釣り具2へ押し付けて拘束する処置の手段を示
し、図15は同外装パネル下部の吊り掛け部6を吊り具
2へ押し付けて拘束する処置の手段をそれぞれ示してい
る。図14の場合は、開口外周枠7へ内側から外向きに
ねじ込み貫通させた押し出しボルト10の先端が直接吊
り掛け部6の内側面へ当接されている。図15の場合
は、開口外周枠7へ内側から外向きにねじ込み貫通させ
た押し出しボルト10の先端は、直面する吊り掛け部6
の一部を切り欠いた場所を通り、横補強桟材4の本体部
内側面へ当接されている。いずれの方式にせよ、押し出
しボルト10が開口外周枠7に反力をとって外装パネル
3の桟材を外方へ押し出し、吊り掛け部6の外面が吊り
具2の内面へぴったり接触した状態を確保することによ
り、各外装パネル3の内外方向に関する取り付け位置
が、開口外周枠7の吊り具2の位置を基準として確定さ
れている。また、外装パネル3に対する風荷重等の所謂
面外力に対しても、外装パネルがずり動いたり、がたが
た振動する不都合も防止されるのである。従って、押し
出しボルト10が押す場所は、図示例の限りではない。
【0027】上述した構成であるが故に、押し出しボル
ト10、左右位置固定ボルト12、浮き上がり防止ボル
ト13をそれぞれ抜きはずす事により、外装パネル3は
1枚毎の単位で取り外すことができ、また、取り付ける
ことも出来る。押し出しボルト10、左右位置固定ボル
ト12、浮き上がり防止ボルト13については、各々定
着後に、シール材35を充填して雨仕舞い処置が施され
ている。
【0028】
【本発明が奏する効果】請求項1〜5の発明に係る大型
外装パネルの取り付け方法は、ファスナーを一切使用し
ない施工方法であり、大型外装パネルの現場での取り付
け作業を簡素化し、施工性の向上と、無足場工法への展
開を可能ならしめる。しかも、外装パネルの取り付け精
度の向上と、熱による伸縮変形に対する自在性(制御
性)、地震力又は風荷重に対する取り付けの安定性を高
め、更には外装パネルをメンテナンスの必要に応じてパ
ネル単位で取り付け又は取り外すことを可能ならしめ至
便である。また、経年のくり返し応力を受けても歪みを
生じないで、高い平面性を保ち、質感の良い仕上げを可
能ならしめる。更に安価に高品質の外装仕上げ工事を可
能にする。そして、オープンジョイントによる優れた両
仕舞を実現する。
【0029】また、請求項6の発明に係る大型外装パネ
ルは、厳しい品質管理下の工場製作として、パネルの裏
面に縦横の桟材(下地材)及び吊り掛け部を設けること
が可能で、その分現場作業を省略でき、現場単位の施工
品質のばらつきを平均化し、外装パネルの取り付け状態
の精度を高めることに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】建物の外壁部分の一部を示した正面図である。
【図2】建物の外壁部分の一部を示した断面図である。
【図3】外装パネルの構造を示した断面図である。
【図4】外装パネルの構造の一部分を示した正面図であ
る。
【図5】図4の5ー5線矢視の断面図である。
【図6】溝の一例を示した正面図である。
【図7】外壁躯体における外装パネル取り付け部の断面
図である。
【図8】外壁躯体へ外装パネルを取り付けた状態の断面
図である。
【図9】外壁躯体へ外装パネルを取り付けた状態の異な
る構造の例を示した断面図である。
【図10】外装パネルの水平横方向への移動を拘束する
処置部分を示した断面図である。
【図11】図10の10−10線矢視の断面図である。
【図12】外装パネルの浮き上がり防止の処置部分を示
した断面図である。
【図13】図12の12−12線矢視の断面図である。
【図14】外装パネルを押し出し拘束する上側部分を示
した断面図である。
【図15】外装パネルを押し出し拘束する下側部分を示
した断面図である。
【符号の説明】
1 外壁躯体 2 吊り具 3 外装パネル 4 横補強桟材 5 縦補強桟材 6 吊り掛け部 7 開口外周枠 10 押し出しボルト 11 凹所 12 左右位置固定ボルト 13 浮き上り防止ボルト 14 あり溝 15 フック部
フロントページの続き (72)発明者 中村 隆治 北海道札幌市中央区大通西四丁目1番 株 式会社竹中工務店北海道支店内 (72)発明者 田中 宏 東京都墨田区菊川二丁目18番10号 菊川工 業株式会社内 (72)発明者 佐藤 秋雄 東京都墨田区菊川二丁目18番10号 菊川工 業株式会社内 (72)発明者 増田 陽一 東京都墨田区菊川二丁目18番10号 菊川工 業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の外壁躯体の外面の上下に水平方向
    に平行な配置で吊り具を複数設けること、 外装パネルの裏面の上下に水平方向に平行な複数の横補
    強桟材を配置し、左右にも上下方向に平行な複数の縦補
    強桟材を配置し、更に前記縦又は横補強桟材に前記外壁
    躯体の上下の吊り具と略同一の間隔で下向きに鉤形をな
    す吊り掛け部を設けること、 外装パネルの前記吊り掛け部を、建物の外壁躯体の外面
    の相対応する前記吊り具へ吊り掛けること、 外装パネルの吊り掛け部を外壁躯体の吊り具へ押し付け
    拘束する処置、外装パネルの水平横方向への移動を1箇
    所で拘束する処置、及び外装パネルの浮き上がりを防止
    する処置を各々施すこと、をそれぞれ特徴とする、大型
    外装パネルの取り付け方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した吊り具は、建物の外
    壁躯体が形成する開口部に嵌め込み固定された開口外周
    枠の上下辺の外面に沿って設けられていることを特徴と
    する、大型外装パネルの取り付け方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した吊り掛け具は、外装
    パネルの裏面の上下に外壁躯体の上下の吊り具と略同一
    の間隔で水平方向に平行に配置した横補強桟材の内側面
    に沿って設けられていることを特徴とする、大型外装パ
    ネルの取り付け方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した外装パネルの吊り掛
    け部を外壁躯体の吊り具へ押し付け拘束する処置は、建
    物の外壁躯体へ内側から外向きにねじ込み貫通させた押
    し出しボルトで桟材又は吊り掛け具を外向きに押し出す
    操作によって行われ、外装パネルの水平横方向への移動
    を拘束する処置は、外装パネルの縦又は横補強桟材に内
    外方向に水平な凹所を設け、建物の外壁躯体へ内側から
    外向きにねじ込み貫通させた左右位置固定ボルトを前記
    凹所内へ挿入することによって行なわれ、外装パネルの
    浮き上がり防止の処置は、横補強桟材の軸線方向の複数
    位置に、外壁躯体へ内側から外向きにねじ込み貫通させ
    た浮き上がり防止ボルトを横補強桟材の上面へ当接させ
    ることによって行うことをそれぞれ特徴とする、大型外
    装パネルの取り付け方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した建物の外壁躯体のう
    ち、押し出しボルト、左右位置固定ボルト、及び浮き上
    がり防止ボルトをねじ込み貫通させる部分は、同外壁躯
    体が形成する開口部に嵌め込み固定した開口外周枠であ
    ることを特徴とする、大型外装パネルの取り付け方法。
  6. 【請求項6】 外装パネルの裏面の上下に水平方向に平
    行な複数の横補強桟材が配置され、左右には上下方向に
    平行な複数の縦補強桟材が配置されており、更に前記縦
    又は横補強桟材に外壁躯体の上下の吊り具と略同一の間
    隔で下向きに鉤形をなす吊り掛け部が設けられているこ
    とを特徴とする外装パネル。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載した外装パネルと横補強
    桟材とは、外装パネルの裏面に片入れ形状の溝を掘削
    し、該溝中に横補強桟材のフック部を挿入して一体化さ
    れていることを特徴とする外装パネル。
JP24959294A 1994-10-14 1994-10-14 大型外装パネルの取り付け方法及び外装パネル Pending JPH08113996A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113668804A (zh) * 2021-07-27 2021-11-19 宁夏长力节能建材有限公司 一种建筑保温装饰结构板挂装系统

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