JPH08113861A - ポリウレタン弾性繊維不織布及びそれを用いた積層複合不織シート - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維不織布及びそれを用いた積層複合不織シート

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JPH08113861A
JPH08113861A JP25349394A JP25349394A JPH08113861A JP H08113861 A JPH08113861 A JP H08113861A JP 25349394 A JP25349394 A JP 25349394A JP 25349394 A JP25349394 A JP 25349394A JP H08113861 A JPH08113861 A JP H08113861A
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polyurethane
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坦 金平
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 薄葉でその目付けが極めて低い通気性不織布
に拘わらずその構成単繊維の分散がよく分布が均一でそ
の不透明性が極めて高いポリウレタン弾性繊維不織布を
工業的に安定して得る。また、このような不織布を用い
た薄くて、柔らかさ、ソフト感に優れた積層複合不織シ
ートを得る。 【構成】 熱可塑性ポリウレタンをメルトブロー法で紡
糸して得られた不織布であって、不織布は繊維中に0.
3〜2.0重量%のブロッキング防止剤を含有し、その
目付量が15〜50g/m2で、不透明度が0.6以下
であることを特徴としより好ましくは、該ブロッキング
防止剤として高級脂肪酸ビスアミド、又はモンタン酸エ
ステル、或はモンタン酸エステルとモンタン酸金属塩と
の混合物を用いるポリウレタン弾性繊維不織布。又、こ
れと少なくとも横方向に伸長可能な非弾性不織布とを接
合してなる積層複合不織シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメルトブロー法で紡糸し
て得られるポリウレタン弾性繊維不織布に係り、特に、
その目付けが極めて低く薄葉であるにもかかわらずその
構成繊維の分散がよく分布が均一でその不透明性が極め
て高いポリウレタン弾性繊維不織布に関する。しかもそ
のような不織布を工業上安定に生産できる不織布に関す
るものである。又本発明は、そのポリウレタン弾性繊維
不織布を用い、非弾性不織布と接合させた薄くて柔らか
く、ソフトな積層複合不織シートに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンをメルトブロー法
を用いて紡糸し不織布とすることは既に知られており、
その目付量の点でも一般記載的には10g/m2程度と
いった極低目付けのものまで製造され得るかの如き記載
がなされたものも散見される。しかし、上記の如き極低
目付量の一般的な記載はあっても、具体的な実施例をみ
ればおよそ100g/m2ないし80g/m2程度の中目
付けの不織布が実現されているのが普通であり、50g
/m2以下といった低目付量の不織布を工業的に安定に
得る技術については未だ有効な提案がなされていない。
【0003】よく知られているように、この種熱可塑性
ポリマーを用いたメルトブロー法による不織布は、その
伸縮特性を基本として、例えば、通気性があるが微細な
塵埃を通さない特性を利用して医療用衣料素材として、
また半導体工場でのクリーンルーム作業用衣料素材ある
いは手袋、マスク等の副装素材として、更には又オムツ
等の伸縮部材として広くその用途が展開されているが、
この不織布はそれ単独で用いられることもあるが、用途
毎に要求される多様な機能を満足させるために、一般的
には他の素材と複合化して用いられることが多い。従っ
て当然のことながら、その不織布自体として上記特性を
維持している範囲で、その目付量がより低いものが要請
されている。
【0004】メルトブロー法による不織布の製造は、溶
融したポリマーを紡糸ノズルから吐出させ、そのノズル
吐出口を挟む両側部に配置された気体噴出口より加熱気
体を噴出させることにより、該吐出した溶融ポリマーを
細化させ、この細化させた繊維を実質的に収束すること
なく移動するネットコンベア上に吹き当て、該ネット上
で気体流と分離して該ネット上に積層させる。積層させ
た繊維は自己の有する熱によりその接触点で接合し、い
わゆるウェッブ状物となるが、その際、即ち冷却前に加
圧ローラーを用いて加圧し接合を強化することも、また
繊維が冷却後加熱加圧ローラーを用いて加熱加圧し接合
を強化することも行われる。いずれにしても、該積層さ
せ繊維間を接合させたウェッブ状物はネットコンベヤと
共に移動し、その後該ネットコンベヤから捲取のための
他の装置に渡されて移動し最終的にローラー上に捲取ら
れるものである。
【0005】熱可塑性ポリウレタンの不織布をこのよう
なメルトブロー法を用いて製造する場合、該ポリウレタ
ンウェッブの前記ネットコンベヤあるいはその後の移動
手段、捲取手段への粘着(膠着)現象が発生しがちであ
る。この粘着や膠着現象は、それが発生しても、ウェッ
ブの目付量が大きい場合には各単繊維段階での破壊やウ
ェッブの形態を比較的に損なうことなく、即ちウェッブ
の基本的な特性を損なうことなく、その粘着を剥がして
移動させることができるが、ウェッブの目付量が小さい
場合には、各繊維段階での破壊やウェッブの形態破壊を
免れ得ず、ウェッブをスムーズに移動させることができ
なくなるのである。即ち、目付量が50g/m2以下と
いつたものを工業的に安定して製造することは、実際上
難しい状況にあるのである。
【0006】ところで、この種熱可塑性ポリウレタンの
メルトブロー法による不織布は、例えば“エスパンシオ
ーネ”(鐘紡(株)社製商品名)が上市され、しかもそ
の仕様中、目付量として20g/m2程度のものも含ま
れ市販されている。しかしこの“エスパンシオーネ”不
織布は、その不織布強度の向上を狙い、その不織布を構
成する繊維の繊維直径が太いフィラメントとなるように
メルトブロー法の紡糸条件を設定して得たものである。
即ち、該不織布で目付量の低いものとすれば、当然その
不織布は構成繊維間の空隙が大きい、目の粗いものとな
らざるを得ず、このことは目付量が低くなればなる程そ
の傾向が一層強まり、目付量が上記20g/m2といっ
たものでは、たとえ強度的な向上がはかれても、例えば
前記の如きフィルター特性、とりわけその特性が高度に
要求されるところには、それ単独の適用は不都合であ
る。即ち、上記市販の低目付けの不織布は目が粗く、不
透明度を高くしたり、また通気度を低減させたものとは
ならないのである。従って又、そのような不織布を他の
不織布と積層複合したシートとしても、高度なフィルタ
ー特性および/あるいは高度隠蔽性が要求されるような
使用には不適であることには変わりはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】即ち、薄葉でその目付
けが極めて低い通気性不織布であるにもかかわらずその
構成単繊維の分散がよく分布が均一でその不透明性が極
めて高いといったポリウレタン弾性繊維不織布を工業的
に安定して得ることについては、未だ課題として残され
ているのであり、本発明はこのような不織布を得ること
をその主題とするものである。また本発明は、このよう
な不織布を用いた薄くて、柔らかさ、ソフト感に優れた
複合シートを得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
満足する熱可塑性ポリウレタンのメルトブロー不織布と
その製造法につき鋭意検討した結果、基本的には、用い
るポリウレタン原料中に特定のブロッキング防止剤を特
定量含有させて紡糸することによって目的の不織布が得
られることを見いだした。即ち、本発明は、熱可塑性ポ
リウレタンをメルトブロー法で紡糸して得られた不織布
であって、該不織布はその構成繊維中に0.3〜2.0
重量%のブロッキング防止剤を含有しており、その目付
量が15〜50g/m2で、本文中で規定する不透明度
が0.6以下であることを特徴とするポリウレタン弾性
繊維不織布であり、より好ましくは、該ブロッキング防
止剤として高級脂肪酸ビスアミド、又はモンタン酸エス
テル、或はモンタン酸エステルとモンタン酸金属塩との
混合物を用いることを特徴とするポリウレタン弾性繊維
不織布である。又本発明は、このようなポリウレタン弾
性繊維不織布と、少なくとも横方向に伸長可能な非弾性
不織布とを接合してなる積層複合不織シートである。
【0009】
【作用】本発明のポリウレタン弾性繊維不織布は、その
基本的な伸縮特性が優れていることは無論のこと、その
目付けが低く、極めて薄くて柔らかであり、その上で通
気性があるにもかかわらずその開孔が小さくかつ均一に
分散し分布している構造をとるものであるため、同種メ
ルトブロー法不織布の同目付量のそれに比較してより不
透明度が高く、又はより微細なフィルター効果が発揮で
き、逆に同程度の前記特性を発揮させるのに、より薄い
不織布として構成できるものである。そしてこのこと
は、他の部材と複合するに際してもより薄い複合素材と
することができるものである。更に又、前記の不織布構
造により、工場で該不織布を吸引把持して移動させ整理
する機械的な自動移動化手段に対応でき、手での把持に
よる該不織布の作業性の悪さ、損傷を防ぎ、それを取扱
う作業をより容易にすることができる。
【0010】本発明で原料として用いる熱可塑性ポリウ
レタンとしては特に限定されるものではなく、これまで
に公知の溶融紡糸可能なものであればすべて用いること
ができる。より好ましいものとしては、低分子量のジオ
ールとジカルボン酸の縮合重合でポリエステルジオー
ル、ラクタムの開環重合で得たポリラクトンジオール、
ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレンカー
ボネートグリコールなどの平均分子量500〜3000
のポリマーグリコール、有機ジイソシアネート、活性水
素原子を2個有する低分子化合物とを反応させて得た熱
可塑性ポリウレタンである。
【0011】とりわけより好ましい熱可塑性ポリウレタ
ンとしては、炭素数2〜12の脂肪族ジオールまたは脂
環族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12
−ドデカンジオール、2−又は3−メチル−1,7−ヘ
プタンジオール、2−又は3−メチル−1,8−オクタ
ンジオール、ω,ω’−ジヒドロキシ−1,4−ジメチ
ルシクロヘキサンなどの直鎖状又は側鎖状の脂肪族ジオ
ール或は脂環族ジオールから選ばれた少なくとも1種類
のジオールと、脂肪族ジカルボン酸、例えば、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、又はそれらジカルボン酸のエステルなどから選ばれ
た少なくとも1種類のジカルボン酸或はそのエステルと
を反応して得た平均分子量600〜3000のポリエス
テルジオールと、有機ジイソシアネートとして、例え
ば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香
族又は脂環族のジイソシアネートを主体とした有機ジイ
ソシアネート、それに必要に応じて脂肪族ジイソシアネ
ート又はナフタリン環を有するジイソシアネートから選
ばれた有機ジイソシアネートと、活性水素原子を2個有
する低分子化合物、例えば、ジオール、アミノアルコー
ル、ヒドラジン、ジアミンなどから選ばれた鎖伸長剤で
ある。そして、ポリマージオールと有機ジイソシアネー
トと鎖伸長剤を所望の組成比で選び、溶融重合法、塊状
重合法あるいは溶液重合法などで重合して熱可塑性ポリ
ウレタンとする。
【0012】この熱可塑性ポリウレタンは、均一性の良
い不織布を得るためには、ポリウレタン製造時の組成に
おいて、ソフトセグメントとなるポリマージオールの含
有量が45〜75重量%となるようにすることが好まし
い。又、鎖伸長剤は特に低分子量の脂肪族ジオール又は
イソホロンジアミンから選ばれた化合物を主体とした鎖
伸長剤を用いて重合したポリウレタンであって、ポリウ
レタンの固有粘度〔η〕が0.5〜1.5dl/gの範
囲となるように重合度を調整することが好ましい。ポリ
ウレタン中のソフトセグメントの含有量が45重量%に
満たない場合は、紡糸性や極細繊維化の点では良いが、
不織布の柔軟化、伸縮性、形態の安定化、面の平滑性な
どの点で好ましくない。又、ソフトセグメントの含有量
が75重量%を越えて多くなると、不織布としての柔軟
性の点では良いが、紡糸性、極細繊維化が悪くなり、地
合いの良い不織布が得られなくなる。一方、ポリウレタ
ンの固有粘度〔η〕が小さい場合には十分に細化した繊
維が得られないし、不均一な太さの繊維の不織布にな
る。又、ポリウレタンの固有粘度〔η〕が大きい場合に
は溶融粘度が高くなり良好な繊維流の形成が得られな
い。
【0013】本発明においては、上記の如きポリウレタ
ンにブロッキング防止剤を含有させることにそのポイン
トを有するものであるが、このブロッキング防止剤とし
ては、高級脂肪酸ビスアミドやモンタン酸エステル、或
はモンタン酸エステルとモンタン酸金属塩との混合物が
好適である。
【0014】高級脂肪酸ビスアミドは、炭素数14〜3
5までの飽和の高級脂肪酸と炭素数1〜10までの脂肪
族ジアミンから製造される。該高級脂肪酸としては、例
えば、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、
ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキ
ン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチン酸、セロチン
酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙
げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、メチレ
ンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタ
ン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナ
ン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオク
タン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデ
カンなどが挙げられる。前記高級脂肪酸と脂肪族ジアミ
ンから生じる高級脂肪酸ビスアミドの中で、メチレンビ
スステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、テトラメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサン
メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスモンタ
ン酸アミド、テトラメチレンビスモンタン酸アミド、ヘ
キサンメチレンビスモンタン酸アミドが好ましい。より
好ましくはメチレンビスステアリン酸アミド、エチレン
ビスステアリン酸アミドである。
【0015】モンタン酸エステルは、鎖の長さがC20
〜C35の直鎖飽和カルボン酸混合物とエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、グリセリンなどの多価アルコールと反応して得られ
るエステルであり、モンタン酸金属塩とはモンタン酸と
周期律第I〜III主属の金属、例えば、リチウム、ナト
リウム、カリウム、バリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、アルミニウムなどの金属塩である。
【0016】このブロッキング防止剤は、用いる熱可塑
性ポリウレタンに対して0.3重量%以上、2.0重量
%以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは
0.7〜1.5重量%の範囲である。この含有量が0.
3重量%に満たない量であっては、製造時ウェッブの粘
着性を抑え、単繊維の解繊性を向上させ、もって低目付
け並びに高不透明度の不織布を安定的に製造する本発明
の目的効果が発揮できない。また逆に2.0重量%を越
える量であっては、メルトブロー後の繊維間接合が阻害
され不織布としての強度が低くなる点で好ましくなくな
る。このブロッキング防止剤は、ポリウレタンを溶融す
るに先立って、あるいは紡糸に先立って該ポリウレタン
に添加する。
【0017】なお本発明において、加熱溶融したポリウ
レタンが解離し好ましくない副反応を生起するのを防止
し、かつ酸化あるいは光による劣化を抑制するために、
ヒンダードフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合
物を0.5〜3重量%添加することもできる。
【0018】上記ポリウレタン組成物の本発明の不織布
を得るためのメルトブロー紡糸法としては、紡糸温度を
230〜280℃の範囲内で、ポリウレタンの溶融粘度
が500ポイズ以下となるように設定し、噴出空気量を
1m幅当たり10〜25Nm3/分の範囲内とし、これ
ら条件を組み合わせることによって、平均繊維直径が5
〜12ミクロン(μ)から成る、均一性の良好な繊維流
を形成することができる。この繊維流は搬送気体ととも
にネットコンベアに吹き当てられ、ここで気体と分離さ
れ、シート状に捕集し繊維間を自己接合することによっ
て均一性の良好なポリウレタン弾性繊維不織布とするこ
とができる。
【0019】本発明においては、ポリウレタン中に前記
ブロッキング防止剤を添加したことにより、繊維間の自
己接合は、実質的に阻害されることなく、製造時での移
動・捲取手段への粘着現象が防止されるものである。本
発明ポリウレタン弾性繊維不織布について、その各目付
量とその時の透明度との関係を示す実施例データの一例
を以下の表1で例示し、参考比較例としての市販のポリ
ウレタン弾性繊維不織布のデータとともに示す。ここで
市販の不織布とは、鐘紡(株)製“エスパンシオーネ”
(目付量25.2g/m2および76.8g/m2)を例
示した。
【0020】ここで本発明に言う不織布の透明度とは、
当該不織布を通過して下地がどれだけ透けて見えるかを
意味するものであり、次ぎのように測定して得られた値
である。即ち、富士写真フィルム(株)製黒白(Bla
ck & White)専用濃度計を使用し、専用台紙
(黒ケント紙)の上に試料(不織布)を置き測定する。
試料のないときの値(ブランク値)は1.3である。得
られた数値が小さいほど不透明である。即ち、隠蔽度が
大きい。
【0021】
【表1】
【0022】また本発明ポリウレタン弾性繊維不織布に
ついて、その各目付量とその時の通気度との関係を示す
実施例データの一例を以下の表2で例示し、参考比較例
としての市販のポリウレタン弾性繊維不織布のデータと
ともに示す。ここで市販の不織布とは、表1での不織布
と同一のものである。
【0023】ここで本発明に言う不織布の通気度とは、
一定圧力下での試料(不織布)単位面積の単位時間当た
りの通気量のことを意味し、次ぎのように測定して得ら
れた値である。即ち、JISL−1096、6.27.
1A法にもとづき、フラジール型試験機を用いて測定
し、換算法により算出した値である。
【0024】
【表2】
【0025】表1および表2の実測データで示されるよ
うに、本発明のポリウレタン弾性繊維不織布は単にその
目付量が低いというだけのものではなく、その目付量が
低いばかりか該不織布の構成極細単繊維が極めて均一に
分散しそれで形成される空隙孔が微細であるばかりか、
極めて均一に分布していることを示し、例えば伸長弾性
回復性と隠蔽性とのバランスが良好である高度な特性を
満たすのに、本発明不織布が従来のこの種ポリウレタン
弾性繊維不織布に比べて、より薄い約70%の薄さ(目
付け)の不織布で満足できることである。
【0026】上記の如きポリウレタン弾性繊維不織布
は、その特性を活かして、単独で作業用手袋やマスクあ
るいはオムツの伸縮部材等として使用することができる
が、ブロッキング防止剤が添加されているとは言え、皮
膚に直接に接触した場合の感触や滑り止め感があるた
め、他素材を積層複合化し、より使い易い方向での加工
を施すことができる。
【0027】積層複合素材の相手としては、その積層複
合不織シートの最終使用用途にもよるが、一般的には非
弾性不織布である。とりわけ、横方向に容易に伸長可能
な非弾性不織布を使用することが生産上効率が良く、水
流絡合品は伸度が大きく、しかも強度も高く、かつタフ
ネスもねばりある高いものであり、非弾性不織布として
最適であることが判明した。この非弾性繊維不織布の横
方向の伸度は180%以上、その場合100%伸長時の
引張強力が150〜300g/5cmであることが好適
である。目付量は15〜40g/m2が好ましく、15
g/m2未満では伸度180%を維持した不織布は得難
く、また40g/m2を超えるものでは本発明の前提の
薄くて柔らかくソフトな積層複合不織シートを得るとい
う方向から外れてくる。
【0028】この非弾性繊維不織布の構成繊維として
は、天然繊維、合成繊維、再生繊維と何でも良く、肌ざ
わりの点からレーヨン、ポリエステルが良好である。又
許容される範囲において毛羽防止のために熱融着繊維の
混綿も認められるが、伸度を考慮して30%以内の混綿
に抑えるべきである。さらに熱融着繊維を使った単なる
熱風不織布よりは水流絡合することによって高伸度を維
持できることも判明した。
【0029】複合化の方法は、両者がいずれも非伸長状
態で接合することが好ましく、非伸長状態で接合するこ
とを特徴としているものであって、片方または両者伸長
状態では工程スペースを取り、生産性に乏しいものとな
る。又接合方法は接着剤、超音波、熱融着等いろいろ採
用できるが、生産性の点で熱接着が最も有利である。接
着は非連絡又はタテ方向のみ連続であっても良く、ヨコ
伸長を阻害しなければ良い。面積では10〜30%が良
く、好ましくは15〜25%である。10%未満では剥
離強力が得られないし、30%より多くなると強力が強
くなって低強力高伸度を謌うことが出来なくなる。
【0030】
〔不織布物性値〕
目 付:35g/m2 引張強力:1.15kg/5cm(タテ)×1.00k
g/5cm(ヨコ) 伸 度:430%(タテ)×450(ヨコ) 100%伸長時応力:0.45kg/5cm(タテ)×
0.40kg/5cm(ヨコ) 透明度 :0.462 通気度 :131cc/cm2・s
【0031】実施例2;実施例1のブロッキング防止剤
“アルフロー”に代えてモンタン酸エステルとモンタン
酸カルシウム塩との混合物(商品名:ヘキスト・ワック
スOP)1.0%を添加した原料を使用して、実施例1
と同一条件にて紡糸したところ、不織布物性は実施例1
とほぼ似た値を示すが、捕集ネット上での膠着があり、
捕集ネットの速度より約10%捲取速度を速くすること
で連続捲取りが可能となった。
【0032】比較例1;実施例1の樹脂のブロッキング
防止剤のない原料を用いて、同一条件にて紡糸したとこ
ろ、捕集ネット上での膠着が激しく、捕集ネットの速度
より約20%捲取速度を速くすることで連続捲取りはで
きたが、巾縮みをおこし、タテ張力の非常に強い状態で
の捲取りとなった。この製品をリワインドしたところ、
原反同志の膠着が激しく、捲出しが難しく、特に捲芯部
に近くなった場合断布した。
【0033】実施例3;実施例1で生産したポリウレタ
ン弾性不織布と、下記の物性をもった水流絡合不織布、
即ち、熱融着繊維/ポリエステル繊維=20重量%/8
0重量% 目 付:25g/m2 引張強力:3.37kg/5cm(タテ)×0.68k
g/5cm(ヨコ) 伸 度:40%(タテ)×192%(ヨコ) ヨコ100%伸長時応力:0.22kg/5cm とを圧着面積20%ドットタイプの凹凸柄のロールとフ
ラットロールとの組合わせにおいて凹凸柄ロール温度1
35℃、フラットロール温度125℃、線圧40kg/
cm、速度40m/分にて積層エンボス複合処理をし
て、積層複合不織シートを得た。その不織シートの物性
値は次のごとくであった。 〔不織シート物性値〕 目 付:60g/m2 引張強力:4.06kg/5cm(タテ)×1.20k
g/5cm(ヨコ) 伸 度:43%(タテ)×213%(ヨコ) ヨコ100%伸長時応力:0.68kg/5cm 通気度 :104cc/cm2・s 剥離強力:0.34kg/5cm
【0034】
【発明の効果】本発明のポリウレタン弾性繊維不織布は
その基本的な伸縮特性が優れていることは無論のこと、
その目付けが極めて低く、極めて薄くて柔らかくソフト
であり、またその上で、通気性があるにもかかわらずそ
の開孔が小さくかつ均一に分散し分布している構造をと
るものであるため、同種メルトブロー法不織布の同目付
量のそれに比較してより不透明度が高く、又はより微細
なフィルター効果が発揮できる。逆に同程度の前記特性
を発揮させるのに、より薄い不織布として構成できるも
のであり、他の部材と複合するに際してもより薄い柔ら
かくソフトな複合素材とすることができるものである。
また前記の不織布構造により、工場で該不織布を吸引把
持して移動させ整理する機械的な自動移動化手段に対応
でき、手での把持による該不織布の作業性の悪さ、損傷
を防ぎ、それを取扱う作業をより容易にすることができ
る。さらにまた、目付けが極めて低くても高性能を発揮
できるので、高価なポリウレタンの使用が軽減でき、該
不織布のコストを低減することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタンをメルトブロー法
    で紡糸して得られた不織布であって、該不織布はその構
    成繊維中に0.3〜2.0重量%のブロッキング防止剤
    を含有しており、その目付量が15〜50g/m2で、
    本文中で規定する不透明度が0.6以下であることを特
    徴とするポリウレタン弾性繊維不織布。
  2. 【請求項2】 ブロッキング防止剤が高級脂肪酸ビスア
    ミドであることを特徴とする請求項1に記載されたポリ
    ウレタン弾性繊維不織布。
  3. 【請求項3】 ブロッキング防止剤がモンタン酸エステ
    ル又はモンタン酸エステルとモンタン酸金属塩との混合
    物であることを特徴とする請求項1に記載されたポリウ
    レタン弾性繊維不織布。
  4. 【請求項4】 不織布を構成する単繊維の平均直径が5
    〜12ミクロン(μm)であることを特徴とする請求項
    1ないし3に記載されたポリウレタン弾性繊維不織布。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4に記載されたポリウレ
    タン弾性繊維不織布と、水流絡合されて少なくとも横方
    向の伸度が180%以上、その100%伸長時の引張強
    力が150〜300g/5cmで、目付量が15〜40
    g/m2の非弾性不織布とが接合されてなる積層複合不
    織シート。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のポリウレタン弾性繊維
    不織布と非弾性不織布との両者の結合が、両者がいずれ
    も非伸長状態で接合されてなるものであることを特徴と
    する積層複合不織シート。
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