JPH08113738A - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

インクジェット記録用水系インク

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JPH08113738A
JPH08113738A JP25056394A JP25056394A JPH08113738A JP H08113738 A JPH08113738 A JP H08113738A JP 25056394 A JP25056394 A JP 25056394A JP 25056394 A JP25056394 A JP 25056394A JP H08113738 A JPH08113738 A JP H08113738A
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JP
Japan
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ink
pigment
water
jet recording
ink jet
Prior art date
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Pending
Application number
JP25056394A
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English (en)
Inventor
Hideki Yanagi
秀樹 柳
Koichi Sakai
幸一 坂井
Masayoshi Nawa
政良 名和
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットプリンタのプリンタヘッドに
焦げ付かず、しかも目詰まりを起こさない印字を実現し
得るインクジェット記録用水系インク及びこれを用いた
インクジェット記録方法の提供。 【構成】 顔料と下記一般式(I)で表される化合物と
を含有することを特徴とするインクジェット記録用水系
インク。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録用
水系インクに関するものであり、更に詳しくは、インク
ジェットプリンタのプリンタヘッドに焦げ付かず、しか
も目詰まりを起こさない印字を実現し得るインクジェッ
ト記録用水系インク及びこれを用いたインクジェット記
録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、非常に微細
なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出、付着さ
せて、文字や画像を得る記録方式である。この方式によ
れば、使用する装置が低騒音で操作性がよいという利点
を有するのみならず、カラー化が容易であり且つ記録部
材として普通紙が使用できるという利点も有するため、
近年広く用いられている。インクの吐出方式としては、
プリンタヘッドに圧電素子を利用した圧電式と、発熱抵
抗素子のヒーターを利用した熱ジェット式とが、パーソ
ナルプリンタとして広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ノズルにインクが目詰
まりするのを防止するために、インクジェットプリンタ
に使用されるインクには通常水に溶解する水溶性染料が
用いられる。水溶性染料を用いることにより、インクは
ノズルに目詰まりしにくくなるが、反面、耐水性に劣る
という問題や、特に熱ジェット式の場合プリンタヘッド
における過剰の熱により染料が酸化されインクがプリン
タヘッドに焦げ付きやすいという問題があった。
【0004】熱ジェット式では、プリンタヘッド内に発
熱抵抗素子のヒータを組み込み、その熱エネルギーでイ
ンクを沸騰させて泡の圧力でインクを液滴として吐出す
ることによって記録を行うので、インクがヒータ上で加
熱沸騰されるときにインク中の染料などが変質・分解し
て不溶分がプリンタヘッドに沈着して目詰まりを起こす
ことがある。従って、このような目詰まりを防止するた
めには、インクの組成が重要となる。
【0005】プリンタヘッドにインクが焦げ付くのを防
止するために、インクに有機スルホン酸塩を含有させた
り(特開平4−227669号公報)、染料の構造を特
殊なものにしたり(特開平4−226175号公報)、
インクに胆汁酸塩を含有させたり(特開平5−1948
88号公報)すること等が提案されているが、十分なも
のとはいえない。
【0006】また、インクとして顔料を使用する場合に
は、顔料の安定性を向上せしめるために、AB又はBA
Bブロックコポリマー中に顔料を分散させたり(特開平
5−179183号公報)、インク中にスルホン酸又は
スルホン酸塩基を含有する染料を含有させたり(特開平
5−247391号公報)、顔料の表面に重合ビニル芳
香族塩を結合させたり(特開平4−234467号公
報)するといった多くの提案がなされているが、これら
の提案も未だ十分なものとはいえない。
【0007】更に、これらの複合された要求をバランス
良く満たすものは得られていなかった。
【0008】従って、本発明の目的は、インクジェット
プリンタのプリンタヘッドに焦げ付かず、しかも目詰ま
りを起こさない印字を実現し得るインクジェット記録用
水系インク及びこれを用いたインクジェット記録方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、インクジェット記録用水系インクにおいて、顔
料と特定の化合物とを組み合わせて使用することによっ
て、インクのプリンタヘッドへの焦げ付き及びノズルの
目詰まりを防止し得ることを知見した。
【0010】本発明は、上記の知見に基づきなされたも
のであり、顔料と下記一般式(I)で表される化合物と
を含有することを特徴とするインクジェット記録用水系
インクを提供することにより、上記目的を達成したもの
である。
【0011】
【化2】
【0012】また、本発明は、本発明の上記インクジェ
ット記録用水系インクを用いたインクジェット記録方法
として、熱エネルギーを利用して、本発明の上記インク
ジェット記録用水系インクをインク液滴としてノズルか
ら記録部材に吐出させて記録を行うことを特徴とするも
のを提供するものである。
【0013】以下、本発明のインクジェット記録用水系
インクについて詳述する。
【0014】本発明のインクジェット記録用水系インク
において、該インクに顔料と上記化合物とを含有せしめ
ることによって、該インクのプリンタヘッドへの焦げ付
き及びノズルの目詰まりを防止することができる理由は
必ずしも分明ではないが、以下のように推定される。イ
ンクはプリンタヘッドにおいて約700℃の高温にさら
される。顔料は高温にさらされると一般に活性化するが
本発明のインクにおいては、顔料は上記化合物によって
その表面を被覆されたような状態で媒体たる水中に存在
している。上記化合物は耐熱性に優れるので、上記化合
物によって被覆された顔料は、上記化合物によって熱か
ら保護される。その結果プリンタヘッドへの焦げ付きが
抑えられるものと考えられる。従って、上記化合物を顔
料以外の着色剤、例えば染料等と併用しても、染料は上
記化合物によって表面を保護されることはなく、インク
のプリンタヘッドへの焦げ付きを防止するといった効果
は期待できない。また同時に、上記化合物は、顔料の分
散剤としての作用も有するものと考えられる。このよう
に、本発明においては、顔料と上記化合物を組み合わせ
て使用することによって、従来のインクジェット用イン
クでは得られない、優れた効果を発揮するものである。
【0015】本発明のインクジェット記録用水系インク
に含有せしめる化合物は、上記一般式(I)で表される
ものである。ここで、一般式(I)中、Rで示される炭
素数1〜5の置換基を有してもよいアルキル基若しくは
アルケニル基としては、例えば、2,3−ジブロモプロ
ピル基、2−ヒドロキシエチル基、アリル基等が挙げら
れる。本発明においては、上記化合物は単独で使用して
もよく、又は2種以上を混合して使用してもよい。本発
明において特に好ましい化合物は下記(II)、(III) 及び
(IV)で表される化合物である。本発明に使用される上
記化合物としては、市販のもの、例えば、Great
Lake Chem.Corp.やブロモケム・ファー
イースト(株)より入手でき、例えば、テトラブロモビ
スフェノールA〔上記一般式(I)においてRが水素原
子の化合物〕等を使用することができる。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】本発明のインクジェット記録用水系インク
に含有せしめる顔料は、顔料であれば如何なるものでも
使用可能である。例えば、カーボンブラック;C.I.
ピグメント・イエロー1、5、12、14、17、2
4、42、53、83、95、97、98及び100;
C.I.ピグメント・レッド1、3、4、5、17、2
2、31、48、49、53、63、64、88及び1
01;C.I.ピグメント・ブルー1、15、16、2
7、28、29、56、60及び63;C.I.ピグメ
ント・ブラック1、7及び11;等が使用できる。その
配合量は、特に限定しないが、0.5〜10%が最適で
ある。
【0020】本発明のインクジェット記録用水系インク
は、水を媒体とし、顔料及び上記化合物を含有するのに
加えて、従来公知の各種添加剤、例えば多価アルコール
類のような湿潤剤、防黴剤及び/又はキレート剤等を更
に添加してもよい。湿潤剤としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリ
セリン、ジエチレングリコールジエテルエーテル、ジエ
チレングリコールモノn−ブチルエーテル等の多価アル
コール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−
2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等
の含窒素化合物類の一種又は二種以上を使用することが
できる。
【0021】本発明のインクジェット記録用水系インク
の配合組成には特に制限はないが、一般にはインクの全
重量に基づき顔料が0.5〜10重量%、上記化合物が
0.01〜15重量%、水が50〜98重量%、その他
の成分が0.1〜30重量%であり、好ましくは、顔料
が0.7〜7重量%、上記化合物が0.1〜10重量
%、水が60〜95重量%、その他の成分が0.5〜2
0重量%である。また、顔料と上記化合物との重量比
は、一般に10:1〜1:5であり、好ましくは5:1
〜1:3である。
【0022】上記の各成分を混合して本発明のインクジ
ェット記録用水系インクを調製する方法には特に制限は
なく、従来公知の装置、例えばボールミル、サンドミ
ル、アトライター、バスケットミル、ロールミル等を使
用して混合することができる。インクの調製に際して
は、顔料に上記化合物を練り込む等の表面処理を施すこ
とが好ましい。この場合の表面処理の方法には特に制限
はないが、インクを調製する以前に、顔料と上記化合物
とを混練することが望ましい。例えば顔料と上記化合物
のみ又はこれに少量の水を添加して、ニーダーで加熱処
理して表面処理品を得ることができる。このような処理
を行うことによって、顔料の表面が上記化合物によって
十分に被覆され、熱から一層保護される。
【0023】本発明のインクジェット記録用水系インク
は、インクジェット記録方式を用いたプリンターであれ
ば、如何なるプリンターにおいても使用することがで
き、例えば、プリンタヘッドに圧電素子を利用した圧電
記録方法のプリンター及びプリンタヘッドに発熱抵抗素
子のヒーター等の熱エネルギーを利用した熱ジェット記
録方法のプリンターの何れにも使用することができる。
特に、本発明のインクジェット記録用インクは、熱エネ
ルギーを利用して、インク液滴としてノズルから記録部
材に吐出させて記録を行う熱ジェット記録方法に好適に
用いられ、上記熱エネルギーとしては発熱抵抗素子のヒ
ーターが好適に用いられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例をもって本発明の有効性を例示
するが、もちろん本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、以下の例中、部は特に断らない限り重量部
を表す。
【0025】〔実施例1〕 ・カーボンブラック ;5部 ・(II)で表される化合物;5部 ・ジエチレングリコール;5部 ・水 ;85部 上記のカーボンブラックと(II)で表される化合物と水
5部とをニーダーで60℃に加熱して2時間混練後、該
混練物、ジエチレングリコール及び残りの水を3本ロ−
ルミルを用いて2時間混合・分散して塗料化した。得ら
れた分散液を5ミクロンのフィルターによって濾過し、
ゴミ及び粗大粒子を除去してインクを得た。このインク
を用い、市販のキャノン製マイクロバブルジェットプリ
ンター(BJ−550)で印字したところ、表1に示し
たような結果を得た。なお、表1中、プリンタヘッドの
焦げ付きは、500万パルス印加後、プリンタヘッドの
焦げ付きの様子を顕微鏡観察により判定した。また、目
詰まり試験は、インクを35℃、85%RHの環境で3
ヵ月放置後、インクの目詰まりの具合を市販のキャノン
製マイクロバブルジェットプリンター(BJ−550)
での印刷及びノズルの顕微鏡観察により判定した。
【0026】〔実施例2〕 ・C.I.ピグメント・レッド3 ;5部 ・(III) で表される化合物 ;5部 ・グリセリン ;4部 ・水 ;86部 上記の成分を実施例1と同様の製造方法を用いて塗料化
した。得られた分散液を5ミクロンのフィルターによっ
て濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去してインクを得た。
このインクを用い、市販のキャノン製マイクロバブルジ
ェットプリンター(BJ−550)で印字したところ、
表1に示したような結果を得た。
【0027】〔実施例3〕 ・C.I.ピグメント・ブルー15;5部 ・(IV)で表される化合物 ;5部 ・ジエチレングリコール ;5部 ・水 ;85部 上記の成分を実施例1と同様の製造方法を用いて塗料化
した。得られた分散液を5ミクロンのフィルターによっ
て濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去してインクを得た。
このインクを用い、市販のキャノン製マイクロバブルジ
ェットプリンター(BJ−550)で印字したところ、
表1に示したような結果を得た。
【0028】〔比較例1〕 ・C.I.ソルベント・ブラック3(染料);6部 ・(III) で表される化合物 ;6部 ・グリセリン ;6部 ・水 ;82部 上記の成分を実施例1と同様の製造方法を用いて塗料化
した。得られた分散液を5ミクロンのフィルターによっ
て濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去してインクを得た。
このインクを用い、市販のキャノン製マイクロバブルジ
ェットプリンター(BJ−550)で印字したところ、
表1に示したような結果を得た。
【0029】〔比較例2〕 ・C.I.ピグメント・レッド3;5部 ・無水フタル酸 ;5部 ・グリセリン ;4部 ・水 ;86部 上記の成分を実施例1と同様の製造方法を用いて塗料化
した。得られた分散液を5ミクロンのフィルターによっ
て濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去してインクを得た。
このインクを用い、市販のキャノン製マイクロバブルジ
ェットプリンター(BJ−550)で印字したところ、
表1に示したような結果を得た。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から明らかなように、本発明の
インクジェット記録用水系インクは、プリンタヘッドに
焦げ付かず、しかもノズルが目詰まりを起こさない印字
を実現しており、当初の目的を十分に果している。特
に、本発明のインクジェット記録用水系インクは、熱ジ
ェット式インクジェットプリンターを用いて印字した場
合に優れた効果を発揮するものである。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェットプリン
タのプリンタヘッドに焦げ付かず、ノズルが目詰まりし
にくく、しかも高いラインマーカー性のある印字を実現
しうるインクジェット記録用水系インクが提供される。
また、本発明によれば、その様な水系インクを、特に、
発熱抵抗素子のヒータ等の熱エネルギーを利用した熱ジ
ェット式に使用する場合、過剰の熱によりプリンタヘッ
ドに該インクが焦げ付くのを防止し得るインクジェット
記録方法が提供される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料と下記一般式(I)で表される化合
    物とを含有することを特徴とするインクジェット記録用
    水系インク。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記化合物で顔料を表面処理する、請求
    項1記載のインクジェット記録用水系インク。
  3. 【請求項3】 熱エネルギーを利用して請求項1又は請
    求項2に記載のインクジェット記録用水系インクをイン
    ク液滴としてノズルから記録部材に吐出させて記録を行
    うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 熱エネルギーとして発熱抵抗素子のヒー
    ターを用いる、請求項3記載のインクジェット記録方
    法。
JP25056394A 1994-10-17 1994-10-17 インクジェット記録用水系インク Pending JPH08113738A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2371553A (en) * 2000-12-23 2002-07-31 Ilford Imaging Uk Ltd Inks for Ink Jet Printers

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2371553A (en) * 2000-12-23 2002-07-31 Ilford Imaging Uk Ltd Inks for Ink Jet Printers
US6565202B2 (en) 2000-12-23 2003-05-20 Ilford Imaging Uk Limited Pigmented aqueous inks and ink set for ink jet printing

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