JPH08113686A - 生分解性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

生分解性樹脂組成物及び成形品

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JPH08113686A
JPH08113686A JP27834294A JP27834294A JPH08113686A JP H08113686 A JPH08113686 A JP H08113686A JP 27834294 A JP27834294 A JP 27834294A JP 27834294 A JP27834294 A JP 27834294A JP H08113686 A JPH08113686 A JP H08113686A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形性に優れ、良好な機械的性質と生分解性
を有するポリビニルアルコール系樹脂組成物及びその成
形品を提供する。 【構成】 (A)ポリビニルアルコール系樹脂 100重量部
(B)粒子径50μm 以下のセルロース粒子10〜300 重量部
(C)多価アルコール10〜100 重量部からなる生分解性樹
脂組成物及びその組成物より形成された成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
系樹脂、セルロース粒子及び多価アルコールから成る、
土壌や海水中などの自然環境中で分解される組成物とそ
れより形成された成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】合成高分子からなる成形品は、優れた機
械的性質をもち経済性に富むため、現在までに非常に広
範な分野で使用されてきている。しかし、近年その合成
高分子成形品の最も有用な特徴である耐久・耐候性のた
めに、使用済み樹脂成形品の廃棄によって環境が悪化す
ることが重大な問題となり、その改善が研究されるよう
になった。この問題に対応するため今日までに、すでに
微生物産生によるポリエステルや合成法による脂肪族ポ
リエステルが実用化されている。しかし、これらのもの
はいまだ経済的に高価であったり、生分解に長時間を要
する欠点を有している。
【0003】汎用されているポリビニルアルコール系樹
脂は、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)
などの特定の微生物により分解されるが、普遍的な土壌
や河川や海の水によって容易には分解されない。上記の
ようにポリビニルアルコール系樹脂が微生物により分解
されることは多くの報文で報告されているが、ポリビニ
ルアルコール系樹脂製のフィルムやボトルなどの成形品
については、通常、土壌中や海水中などの環境中では1
年間経っても成形品の表面が荒れるとか、細菌が付着す
ることによって外観上の変化はあるものの成形品自体が
崩壊や分解することは先ずない。このようにポリビニル
アルコール系樹脂については、崩壊や分解に至るまでに
非常に長い時間がかかるので、ポリビニルアルコール系
樹脂の生分解性を促進するための種々の組成物が従来よ
り数多く提案されている。例えば特開平2-151639号公報
ではポリビニルアルコールとでんぷん類を含んでなり、
かつ少なくとも1軸方向へ延伸されてなるポリビニルア
ルコール・でんぷん系フイルが、特開平 3-79645号公報
ではポリビニルアルコール系樹脂と変性でんぷんの組成
物が、特開平6-200108号公報ではポリビニルアルコール
系樹脂とグルテンの組成物が公開されているが、該組成
物によって作られた成形品の耐水性、耐熱性が乏しかっ
たり、生分解の時間も必要以上に長かったりして、いず
れも満足し得るものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の上記問題点を解決するためになされたものであり、
成形性に優れ、良好な機械的強度をもち、かつ生分解性
を有する樹脂組成物を提供することを目的とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究し、検討を重ねた結果、ポリビ
ニルアルコール系樹脂にセルロース粒子を添加した組成
物から得られる成形品は、通常の土壌中や海水中などの
環境中での崩壊が促進され、分解時間を著しく短縮でき
ることを見いだした。セルロースは、天然高分子であ
り、微生物により分解されて自然界の循環系に組み込ま
れるけれども、それ単独では物理的・化学的に使用に耐
えるものではなかったので、他の高分子物質との組み合
わせ、例えばキチンとのブレンド体や、セルロース変性
体にすることも試みられたが、分解性は満たされるが未
だ成形品としては、物性面で十分でなかった。即ち、セ
ルロース粒子の粒子径を抑制することと多価アルコール
の添加により、ポリビニルアルコール系樹脂がもってい
る成形性と成形品の機械的性質をほとんど損なわないこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明はポリビニルアルコール系樹脂に特別に調製され
た粒子径分布をもったセルロース粒子と多価アルコール
を添加することを特徴とするものであり、粒子径50μm
以下のセルロース粒子10〜300 重量部、ポリビニルアル
コール系樹脂に対して可塑効果を示す多価アルコール10
〜100 重量部をポリビニルアルコール系樹脂 100重量部
に対して混合分散させた生分解性組成物である。
【0006】本発明に用いられるポリビニルアルコール
系樹脂はビニルアルコール系樹脂単位を主体としてなる
ビニルアルコール系重合体ならなんでも良いが、好まし
くは平均重合度 500〜2,500 、多分散度 1.0〜2.5 、ビ
ニルアルコール系樹脂単位 15mol%以上、さらにケン化
度 75mol%以上のものがよい。本発明におけるセルロー
ス粒子としては、粒子径50μm より大きいセルロース粒
子を用いたとき、成形性を損ねるばかりでなく、成形品
の機械的性質が著しく低下するので、粒子径50μm 以
下、好ましくは30μm 以下であり、さらに好ましくは20
μm 以下の粒子径をもつセルロース粒子が適当である。
ここでいう粒子径とは、セルロース粒子が球状であれば
直径であることはいうまでもないが、円柱状、その類似
形の場合、あるいは短径と長径がある場合は粒子径は長
径を意味する。セルロース粒子の添加量は、10重量部よ
り少なくては樹脂組成物から得られる成形品の崩壊性が
極端に遅く、分解までに長時間を要し、 300重量部より
多くなると成形性が著しく悪化し、成形品の機械的性質
が極端に失われる。前記条件を満たすセルロース粒子と
しては、例えば、精選された木材バルブを短繊維分別し
乾燥し乾式ボールミルにて機械的に極限まで粉砕された
粉末セルロース、木材バルブあるいはコットンリンター
等のセルロース原料の非晶部分を鉱酸で加水分解して崩
壊し水洗・乾燥後粉砕した微結晶セルロース、また前記
微結晶セルロースの懸濁液を高圧用均質化装置で処理し
たもの、脱リグニン処理したセルロース系素材を爆砕処
理したセルロース微粉末、さらにセルロース系素材に酸
加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、スチームエク
スプロージョン分解、水蒸気蒸煮の解重合処理を施し容
器内で強制撹拌し湿式粉砕された微細セルロースがあげ
られる。
【0007】本発明に用いる多価アルコールは、得られ
る樹脂組成物の可塑性、加工性を向上させ、さらに成形
品の柔軟性を向上させるばかりでなく、生分解性をも向
上させる効果をもっている。この目的のための好ましい
多価アルコールとして、グリセリン、ジグリセリン、ポ
リグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、
グリセロールモノアセテート、ソルビトール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エ
チレン−プロピレン)グリコールがあげられる。また、
この多価アルコールの添加量であるが、10重量部より少
なくては成形性が著しく悪化し、成形品の機械的性質が
極端に失われ、生分解性も著しく遅延する。反対に 100
重量部より多くなると成形性は良好となるが、得られる
成形品の耐水性や機械的性質が著しく低下するので実用
上使用することができない。
【0008】本発明の樹脂組成物は、前記ポリビニルア
ルコール系樹脂、セルロース粉末及び多価アルコールか
らなるものであるが、かかる樹脂組成物にはさらに必要
により、充填剤、潤滑剤、改質剤、発泡剤、増量剤、流
動加速剤、離型剤、分散安定剤、ブロッキング防止剤、
着色剤等を使用目的に合わせて調合し添加することもで
きる。本発明の樹脂組成物は、その水溶液をスリットも
しくはホッパーにて熱ドラム上に流延・乾燥させる水溶
液流延法にてフィルム化することもできるし、また周知
の押出成形機、射出成形機、熱プレス成形機、ブロー成
形機、インフレーション成形機、Tダイキャスト成形機
等でフィルム、シート、各種射出成形品、各種容器等の
成形品を得ることもできる。
【0009】以下実施例を示し、より詳細な説明を行う
が、これらは本発明の範囲をなんら制限するものではな
い。また、実施例・比較例の機械的性質の測定と生分解
性試験は次の方法によって評価した。このフィルムの機
械的性質の測定として、フィルムを試料幅15mm、長さ 2
00mmの短冊状に切り出し、引張試験機を用いてチャック
間隔 100mm、引張スピード 100mm/minで、破断時の強度
および伸度を測定した。また、成形品の生分解性試験に
関しては、試料を50mm×50mmに切り、20メッシュの金剛
で挟んで保持し、愛知県豊橋市の土壌中 (深さ約15cm)
に埋設するか、愛知県豊橋港の海水中 (水深約50cm) に
浸漬し、1年後の成形品の分解状態を観察して、面積百
分率で表示した。
【0010】
【実施例1】島津レーザー回析式粒度分布測定装置(S
ALD−1100)により測定した平均粒子径が 3.5μ
m のセルロース粒子 (旭化成製微細結晶セルロース、セ
オラスクリームFP−03)50重量部を90℃の温水中に
十分に分散させた後、平均重合度 1,650、多分散度2.0
4、ケン化度 99.6mol%のポリビニルアルコール系樹脂
(ユニチカケミカル製、UV) 100重量部を加え溶解し
た。溶解後多価アルコールとしてグリセリン (和光純薬
工業製) を30重量部添加し、十分に撹拌混合した。前記
水溶液を90℃に保持したドラム上にスリットより流延
し、90℃の熱風を吹きつけ乾燥して、厚さ50μm の均一
なフィルムを得た。表1に前記フィルムの機械的性質と
生分解試験結果を示す。
【0011】
【実施例2】平均粒子径が 6.0μm のセルロース粒子
(旭化成製結晶セルロース、アビセルPH−M06) 20
0重量部を90℃の温水中に十分に分散させた後、平均重
合度 1,650、多分散度2.04、ケン化度 99.6mol%のポリ
ビニルアルコール系樹脂 (信越化学製、SN) 100重量
部を加え溶解した。溶解後多価アルコールとしてジグリ
セリン (東京化成工業製) を50重量部添加し、十分に撹
拌混合した。前記水溶液を90℃に保持したドラム上にス
リットより流延し、90℃の熱風を吹き溶媒を乾燥して、
厚さ50μm の均一なフィルムを得た。表1に前記フィル
ムの機械的性質と生分解試験結果を示す。
【0012】
【実施例3】重合度 1,500、ケン化度 78mol%の押出グ
レードのフレーク状ポリビニルアルコール系樹脂 (クラ
レ製、SV−217) 100重量部の平均粒子径が 6.0μ
m のセルロース粒子 (旭化成製結晶セルロース、アビセ
ルPH−M06)50重量部と多価アルコールとして平均
分子量 400のポリエチレングリコール (三洋化成製)を5
0重量部をブレンドし、スクリュー直径50mm、 L/D=26
のシングルフライト型スクリューをもつ一軸押出機で溶
融混練し、押出機先端のペレットダイよりストランドと
し、ペレタイザーで直径 2.0mm、長さ 5.0mmに切断して
ペレット化した。上記ペレットは、上記押出機に 600mm
幅のT型ダイを取り付けた製膜装置より押し出し、厚さ
0.2mmのシートを得た。表1に前記シートの機械的性質
と生分解試験結果を示す。
【0013】
【実施例4】実施例3で作成したペレットをブロー成形
機を用いて、側面の厚みが 1.0mm、底面の厚みが 2.0m
m、内容積 500mLのボトルを成形した。表1に前記ボト
ルの生分解試験結果を示す。
【0014】
【比較例1】重合度 1,650、多分散度2.04、ケン化度 9
9.6mol%のポリビニルアルコール系樹脂 (ユニチカケミ
カル製、UV) 100重量部を90℃の温水中に溶解し、可
塑剤としてグリセリン (和光純薬工業製) を30重量部添
加し十分に撹拌した。前記水溶液を90℃に保持したドラ
ム上にスリットより流延・乾燥し、厚さ50μm の均一な
フィルムを得た。表1に前記フィルムの機械的性質と生
分解試験結果を示す。
【0015】
【比較例2】走査型電子顕微鏡で観察したところ、75μ
m 以上の粒子径をもつセルロース粒子を多量に含むセル
ロース粉末 (山陽国策バルブ製、バルブフロックW−
1) 200重量部を90℃の温水中に十分に分散させた後、
重合度 1,650、多分散度2.04、ケン化度 99.6mol%のポ
リビニルアルコール系樹脂 (ユニチカケミカル製、U
V) 100重量部を加え溶解した。溶解後多価アルコール
としてジグリセリン (東京化成工業製) を50重量部添加
し十分に撹拌した。前記水溶液を90℃に保持したドラム
上にスリットより流延・乾燥し、厚さ50μm のフィルム
を得た。表1に前記フィルムの機械的性質と生分解試験
結果を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明の生分解性樹脂組成物は良好な成
形加工性を示し、その成形品は良好な機械的性質を有す
る反面、この樹脂組成物から得られる成形品は、土壌中
もしくは海水中などの環境中に置かれた場合、微生物に
より崩壊され、その形状や強度等を著しく失うという顕
著な効果を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】一方、合成高分子の中でも包装用フイルム
等に汎用されているポリビニルアルコール系樹脂は、シ
ュードモナス・プチダ(Pseudomonas pu
tida)などの特定の微生物により分解されることは
研究報告されているが、土壌や河川・海水中に普遍的に
棲息する微生物によっては容易に分解されない。特に
リビニルアルコール系樹脂製のフィルムやボトルなどの
成形品については、通常、土壌中や海水中などの環境中
では1年間経っても成形品の表面が荒れるとか、細菌が
付着することによって外観上の変化はあるものの成形品
自体が崩壊や分解することは先ずない。このようにポリ
ビニルアルコール系樹脂については、崩壊や分解に至る
までに非常に長い時間がかかるので、ポリビニルアルコ
ール系樹脂の生分解性を促進するための種々の組成物が
従来より数多く提案されている。例えば特開平2−15
1639号公報ではポリビニルアルコールとでんぷん類
を含んでなり、かつ少なくとも1軸方向へ延伸されてな
るポリビニルアルコール・でんぷん系フイルが、特開平
3−79645号公報ではポリビニルアルコール系樹脂
と変性でんぷんの組成物が、特開平6−200108号
公報ではポリビニルアルコール系樹脂とグルテンの組成
物が公開されているが、該組成物によって作られた成形
品の耐水性、耐熱性が乏しかったり、生分解の時間も必
要以上に長かったりして、いずれも満足し得るものでは
なかった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究し、検討を重ねた結果、ポリビ
ニルアルコール系樹脂にセルロース粒子を添加した組成
物から得られる成形品は、通常の土壌中や海水中などの
環境中での崩壊が促進され、分解時間を著しく短縮でき
ることを見いだした。セルロースは、天然高分子であ
り、微生物により分解されて自然界の循環系に組み込ま
れるけれども、それ単独では物理的・化学的に使用に耐
えるものではなかったので、他の高分子物質との組み合
わせ、例えばキチンとのブレンド体や、セルロース変性
体にすることも試みられたが、分解性は満たされるが未
だ成形品としては、物性面で十分でなかった。ポリビニ
ルアルコール系樹脂に添加するセルロース粒子の粒子径
を抑制することと多価アルコールの添加により、ポリビ
ニルアルコール系樹脂がもっている成形性と成形品の機
械的性質をほとんど損なわず優れた生分解性を達成した
ものである。すなわち、本発明はポリビニルアルコール
系樹脂に特別に調製された粒子径分布をもったセルロー
ス粒子と多価アルコールを添加することを特徴とするも
のであり、粒子径50μm以下のセルロース粒子10〜
300重量部、ポリビニルアルコール系樹脂に対して可
塑効果を示す多価アルコール10〜100重量部をポリ
ビニルアルコール系樹脂100重量部に対して混合分散
させた生分解性組成物である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】本発明に用いられるポリビニルアルコール
系樹脂はビニルアルコール系樹脂単位を主体としてなる
ビニルアルコール系重合体ならなんでも良いが、好まし
くは平均重合度500〜2,500、多分散度1.0〜
2.5、ビニルアルコール系樹脂単位15mol%以
上、さらにケン化度75mol%以上のものがよい。本
発明におけるセルロース粒子としては、粒子径50μm
より大きいセルロース粒子を用いたとき、成形性を損ね
るばかりでなく、成形品の機械的性質が著しく低下する
ので、粒子径50μm以下、好ましくは30μm以下で
あり、さらに好ましくは20μm以下の粒子径をもつセ
ルロース粒子が適当である。ここでいう粒子径とは、セ
ルロース粒子が球状であれば直径であることはいうまで
もないが、円柱状、その類似形の場合、あるいは短径と
長径がある場合は粒子径は長径を意味する。セルロース
粒子の添加量は、10重量部より少なくては樹脂組成物
から得られる成形品の崩壊性が極端に遅く、分解までに
長時間を要し、300重量部より多くなると成形性が著
しく悪化し、成形品の機械的性質が極端に失われる。前
記条件を満たすセルロース粒子としては、例えば、精選
された木材パルプを短繊維分別し乾燥し乾式ボールミル
にて機械的に極限まで粉砕された粉末セルロース、木材
パルプあるいはコットンリンター等のセルロース原料の
非晶部分を鉱酸で加水分解して崩壊し水洗・乾燥後粉砕
した微結晶セルロース、また前記微結晶セルロースの懸
濁液を高圧用均質化装置で処理したもの、脱リグニン処
理したセルロース系素材を爆砕処理したセルロース微粉
末、さらにセルロース系素材に酸加水分解、アルカリ酸
化分解、酵素分解、スチームエクスプロージョン分解、
水蒸気蒸煮の解重合処理を施し、これをセラミックや金
属ビーズ等の粉砕媒体とともに容器内で強制撹拌し湿式
粉砕された微細セルロースがあげられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明の樹脂組成物は、前記ポリビニルア
ルコール系樹脂、セルロース粉末及び多価アルコールか
らなるものであるが、かかる樹脂組成物にはさらに必要
により、充填剤、潤滑剤、改質剤、発泡剤、増量剤、流
動加速剤、離型剤、分散安定剤、ブロッキング防止剤、
着色剤等を使用目的に合わせて調合し添加することもで
きる。本発明の樹脂組成物は、その水溶液をスリット
熱ドラム上に流延・乾燥させる水溶液流延法にてフィ
ルム化することもできるし、また周知の押出成形機、射
出成形機、熱プレス成形機、ブロー成形機、インフレー
ション成形機、Tダイキャスト成形機等でフィルム、シ
ート、各種射出成形品、各種容器等の成形品を得ること
もできる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】以下実施例を示し、より詳細な説明を行う
が、これらは本発明の範囲をなんら制限するものではな
い。また、実施例・比較例の機械的性質の測定と生分解
性試験は次の方法によって評価した。このフィルムの機
械的性質の測定として、フィルムを試料幅15mm、長
さ200mmの短冊状に切り出し、引張試験機を用いて
チャック間隔100mm、引張スピード100mm/m
inで、破断時の強度および伸度を測定した。また、成
形品の生分解性試験に関しては、試料を50mm×50
mmに切り、20メッシュの金網で挟んで保持し、愛知
県豊橋市の土壌中(深さ約15cm)に埋設するか、愛
知県豊橋港の海水中(水深約50cm)に浸漬し、1年
後の成形品の分解状態を観察して、分解消失した面積を
元の試料に対する面積百分率で表示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリビニルアルコール系樹脂 100重
    量部、 (B)粒子径50μm 以下のセルロース粒子10〜300
    重量部、 (C)多価アルコール10〜100 重量部からなる生
    分解性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリビニルアルコール系樹脂 100重
    量部、 (B)粒子径50μm 以下のセルロース粒子10〜300
    重量部、 (C)多価アルコール10〜100 重量部からなる生
    分解性樹脂組成物より得られた成形品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004000929A1 (en) * 2002-06-19 2003-12-31 Nexsol Technologies, Inc. Biodegradable grafted block copolymer matrix compound having high content of steam-exploded biomass, a porducing method thereof, and method of producing molded article using the same

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JPS4837750A (ja) * 1971-09-17 1973-06-04

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