JPH08110390A - 原子炉建屋 - Google Patents

原子炉建屋

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JPH08110390A
JPH08110390A JP6245889A JP24588994A JPH08110390A JP H08110390 A JPH08110390 A JP H08110390A JP 6245889 A JP6245889 A JP 6245889A JP 24588994 A JP24588994 A JP 24588994A JP H08110390 A JPH08110390 A JP H08110390A
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reactor
chamber
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container
building
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Hiroaki Abe
宏章 阿部
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】狭隘な空間を有する小型高速炉原子炉建屋にお
いて、建設期間を短縮する。 【構成】反射体制御方式の小型高速炉の原子炉をコンク
リート製原子炉建屋本体2内に一体的に炉容器室3を構
築する。この炉容器室3の内壁面に円筒状容器32を形成
する。この円筒容器32内に炉容器空冷筒9および遮蔽体
13を設ける。また円筒容器32の上端部に原子炉支持リン
グ8を設け、この原子炉支持リング8と円筒容器32の外
面にスタッドボルトを設ける。円筒容器32の中間部に連
通する貫通スリーブ18を炉容器室3の壁面を貫通して設
ける。貫通スリーブ18には排気ベローズ16を有する排気
ダクト17と断熱材19が設けられ、断熱材19の端面に閉止
板20を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速炉に使用され、特に
中性子反射体を用いて炉心の反応度を制御する反射体制
御方式の小型高速炉を収納する原子炉建屋に関する。
【0002】
【従来の技術】反射体制御方式の小型高速炉の原子炉容
器は、その内部に核燃料からなる炉心とその周囲に中性
子の漏洩量を調整するための円環状の中性子反射体と原
子炉容器の本体および原子炉容器外空間に照射される中
性子を減少させる炉内遮蔽体とを同心円状に収納すると
共に前記炉内遮蔽体の上方に円環状の電磁ポンプおよび
中間熱交換器を収納しているために、小径長尺容器とな
る特長がある。
【0003】原子炉容器を収納する原子炉建屋はプラン
トの経済性を高める観点からその寸法を必要最小限に限
定することが一般的であり、前記小型高速炉の原子炉容
器を収納する炉容器室は原子炉容器の形状的特長から内
径寸法が小さく室内高さが高いピット状の部屋となる。
【0004】原子炉建屋内の炉容器室に隣接する2次冷
却系設備室には、原子炉容器内に配備される中間熱交換
器で炉心を冷却するための1次冷却材から熱を伝達され
た2次冷却材を熱源として蒸気を発生させる蒸気発生器
やその下方に2次冷却材を収納するためのダンプタンク
等が収納されており、小型高速炉の原子炉建屋は全体的
に平面寸法に比べ高さ方向に長大な建屋形状となる特長
がある。
【0005】図8は、従来の小型高速炉において単基ま
たは複数基の原子炉を収納する原子炉建屋のうち、ある
一基の原子炉およびその周辺部構造について示してい
る。小径長尺の原子炉容器1を収納する原子炉建屋2は
全体が鉄筋コンクリートによって形成され、内部に原子
炉容器1の本体を収容する炉容器室3と、原子炉容器1
の上部を塞ぐプラグや、反射体駆動装置を内包する格納
ドーム4を収容する炉上部室が形成されている。
【0006】炉容器室3と炉上部室5の境界には段部が
形成され、この段部は原子炉建屋2と一体に構築された
原子炉支持部6を構成し、その上部には原子炉支持リン
グアンカボルト7を介して原子炉支持リング8が固定さ
れ原子炉容器1を上下方向に熱伸縮可能に支持してい
る。原子炉支持リングには二重Oリングを具備したフラ
ンジ(図示せず)が設けられており、格納ドーム4を固
定している。
【0007】炉容器室3に収納される原子炉容器1の周
囲には間隙を隔てて原子炉容器1の外周壁を取り囲む炉
容器空冷筒9が配置されており、炉容器空冷筒9は上端
が原子炉容器1の上部に接続され、下端は炉容器室3の
下部空間に開放されている。炉容器空冷筒9はその上部
に設けられた炉容器空冷筒支持フランジ12を介して炉容
器室3の壁体部の上部に埋め込まれた埋込金物10に固定
された複数個の炉容器空冷筒支持構造物11上に支持され
ている。
【0008】炉容器室3の中間部には、炉容器空冷筒9
の外周部に円環状の遮蔽体13が配置されており、炉容器
室3の壁体部に埋め込まれた埋込金物10に固定されてい
る。この遮蔽体13には空気流路を形成する複数の小径貫
通孔が上下方向に穿設されている。
【0009】原子炉建屋2のコンクリート壁体内部に
は、原子炉支持リング8の直胴部に穿設された給気孔14
に連通する給気ダクト15と、端部に排気ベローズ16を介
して炉容器空冷筒9に連通する排気ダクト17を内包する
貫通スリーブ18が形成されている。この貫通スリーブ18
と排気ダクト17の間隙部には断熱材19が配設され、貫通
スリーブ18の両端部には間隙部を塞ぐ閉止板20が設定さ
れている。
【0010】以上説明したように、給気ダクト15や、炉
容器空冷筒9および排気ダクト17等から形成される空気
流路によって原子炉容器支持部6のコンクリート構造体
や原子炉支持リング8を低温空気で冷却し、原子炉容器
支持部6等の構造物を高温空気に曝すことなく原子炉容
器1の周囲の高温空気を直接外部に排出できる構造とな
っている。
【0011】このように構成された小型高速炉の原子炉
の周辺部における建設手順を図9(a)〜(c)および
図10により説明する。図9(a)〜(c)は従来の原子
炉建屋のうち、原子炉の周辺部の躯体構築工事の建設手
順を示している。
【0012】図9(a)は原子炉建屋の躯体構築工事の
うち初期段階の状態を示している。すなわち、岩盤21上
に構築された鉄筋コンクリート製の原子炉建屋のベース
マット22の上面から炉容器室3を形成する鉄筋コンクリ
ート製の炉容器室壁体23が上方に向けて構築されてい
る。炉容器室壁体23の周囲および炉容器室3内部には工
事用の仮設足場24が配設されており、この足場24は炉容
器室壁体23の建設作業に対する足場となっている。
【0013】炉容器室壁体23の中に埋設される貫通スリ
ーブ18と原子炉支持リングアンカボルト7は、炉容器室
壁23の建設が貫通スリーブ18の設定高さの直下に達した
段階で仮設支持構造物25を介して炉容器室壁23の上端部
に固定される。
【0014】仮設支持構造物25は原子炉建屋内に埋設さ
れる貫通スリーブ18や原子炉支持リングアンカボルト7
がコンクリート中に埋設されるまでの支持を行うもので
あり、コンクリートの打設に伴ってその支持機能は喪失
し原子炉建屋の躯体内に埋設されるものである。
【0015】図9(b)は同(a)から引き続いた原子
炉建屋の躯体構築工事の中期段階の状態を示している。
炉容器室壁体23は原子炉支持リング8の設定高さまでコ
ンクリートが打設されることにより、前記貫通スリーブ
18と原子炉支持リングアンカボルト7の下半部は炉容器
室壁体23の炉容器室壁体23内に埋設される。
【0016】この状態で原子炉支持リングアンカボルト
7を介して原子炉容器支持リング8を炉容器室壁体23の
上部に固定し、原子炉支持リング8の固定後に給気ダク
ト15の端部と原子炉支持リング8を接続する。給気ダク
ト15は、コンクリート内に埋設され固定されるまで仮設
支持構造物25により支持される。
【0017】また、原子炉支持リング8および給気ダク
ト15の固定作業を行うために原子炉容器支持部6に連続
して形成される鉄筋コンクリート製の中間床26を建設す
るために仮説足場24は作業に合わせて上方へ延ばされて
いる。
【0018】図9(c)は原子炉建屋の躯体構築工事の
最終段階の状態を示している。炉容器室壁体23の上方に
形成される原子炉容器支持部6と中間床26のコンクリー
トを打設することにより原子炉支持リング8と給気ダク
ト15はコンクリート内に埋設される。
【0019】中間床26上から炉上部室5を形成する鉄筋
コンクリート製炉上部室壁体27が上方に構築された後に
炉上部室5に連通するハッチ28が配備された天井スラブ
29が建設され、原子炉建屋2の躯体工事は完成する。躯
体工事後に不要となる仮設足場24は、解体して原子炉建
屋外へ搬出する。
【0020】図10は図9(c)に示した原子炉建屋の躯
体構築工事完了後の炉容器室および炉上部室の機器設定
工事の施工手順を説明するためのものである。すなわ
ち、炉容器室3を形成する炉容器室壁体23の内面には躯
体構築工事中に埋め込まれた埋込金物10が複数個配設さ
れている。原子炉支持リング8の中心部に形成された開
口部30内を通過可能なように分割された遮蔽体13を原子
炉建屋2の外部に配備された仮設揚重設備(図示せず)
により垂下し、炉容器室3内に形成された仮設足場31を
利用して埋込金物10に固定する。
【0021】つぎに一端に排気ベローズ16を連結し、両
端部には内側閉止板20Aと外側閉止板20Bが固定された
排気ダクト17を炉容器室3の外側から貫通スリーブ18に
挿入し外側閉止板20Bと貫通スリーブ18を固定する。内
側閉止板20Aと外側閉止板20Bとの間の排気ダクト17の
外周部には断熱材19が予め固定されている。
【0022】続いて炉容器空冷筒支持構造物11を炉容器
室壁体23の内面上部に埋設された埋込金物10に固定す
る。仮設足場31は以上の炉容器室3内の工事に適した組
み替えを複数回行い、炉容器室3内の工事完遂後に炉容
器室3内の仮設足場31を解体して直上部のハッチ28より
仮設揚重設備にて搬出する。
【0023】炉容器室3内の仮設足場31が搬出された後
に、炉容器空冷筒9を直上部のハッチ28から仮設揚重設
備にて垂下し、炉容器空冷筒支持構造物11に炉容器空冷
筒支持フランジ12を固定する。
【0024】炉容器室壁体23には、炉容器空冷筒9の固
定作業のために炉容器空冷筒支持フランジ12へ作業員が
アクセスするための仮設マンホール(図示せず)が設け
られており、炉容器空冷筒9の固定後には仮設マンホー
ルにコンクリートを充填して閉鎖する。
【0025】以下の建設手順は、炉容器空冷筒9の固定
後にハッチ28から作業用ゴンドラ(図示せず)を炉容器
空冷筒9内に降ろして、炉容器空冷筒9の内部側より排
気ベローズ16と炉容器空冷筒9とを接続する。
【0026】この後、原子炉建屋2の上部に構築された
原子炉建屋上屋に具備された天井走行クレーンで炉上部
室5の直上部に形成されたハッチ28から原子炉容器1と
格納ドーム4とを垂下し、原子炉支持リング8に夫々固
定した後にハッチ28を閉鎖する。
【0027】このようにこれまでの反射体制御方式の小
型高速炉の建設では、炉容器室内が狭隘な空間であるこ
とと上下方向に連続する作業となることから作業員の作
業スペースが十分に確保できないため平行作業による工
期短縮が困難であり建屋規模が小さいにもかかわらず建
屋工期が長期化する課題があった。
【0028】また、排気ダクトの貫通スリーブへの挿入
は炉容器室が狭隘であることから炉容器室外側からしか
挿入できず炉容器室外に排気ダクトを挿入するためのス
ペースを確保する必要があり原子炉建屋が大きくなる課
題があった。
【0029】さらに、炉容器空冷筒の設定のため炉容器
室壁体に作業員の仮設マンホールを設ける必要があり工
程数が増加し建設工期が長期化する課題があった。さら
に、炉容器室は労働安全衛生法施行令によるところの酸
素欠乏危険場所に該当するため換気設備等の酸欠防止対
策を施す必要があり仮設備を配備するための設備費や維
持管理費等により建設費が高騰するか課題があった。
【0030】つぎに従来の小型高速炉の原子炉建屋のう
ち2次冷却系設備を収納する部分の構造について図11に
より説明する。原子炉建屋2は全体が鉄筋コンクリート
により形成されており、原子炉容器1を収納する炉容器
室3と格納ドーム4を収納する炉上部室5からなる原子
炉の設置区画に隣接して、原子炉容器1内に配備される
図示してないが中間熱交換器によって炉心を冷却する1
次冷却材から熱を伝達された2次冷却材を熱源として蒸
気を発生させる蒸気発生器を49を収納する区画が形成さ
れている。
【0031】蒸気発生器49は原子炉容器支持部6で連続
した鉄筋コンクリートにより形成された蒸気発生器支持
床53上に図示してないがアンカボルトを介して支持され
ている。
【0032】蒸気発生器支持床53の上部には、蒸気発生
器49の上半部を収納する2次冷却系上部室50が形成さ
れ、また蒸気発生器支持床53の下部には、蒸気発生器49
の下半部とダンプタンク51を収納する2次冷却系下部室
52が形成されている。
【0033】2次冷却系上部室50には2次冷却材を循環
移送するための2次冷却系配管や蒸気発生器49に給水す
るための給水配管および蒸気発生器49で発生した蒸気を
取り出す蒸気配管等が配設されている。蒸気発生器49の
内部には、2次冷却材を循環させるための電磁ポンプ
(図示せず)が具備されている。
【0034】2次冷却系下部室52には、ダンプタンク51
と蒸気発生器49や図示してない2次冷却系配管とを接続
する2次冷却系補助配管等が配設されている。2次冷却
系下部室52の床面には、漏洩した2次冷却材とコンクリ
ートが接触しないように鋼製のライナ板57が敷設されて
いると共に、床面とライナ板57との間にはライナ断熱材
58が配備されている。
【0035】このような構成の2次冷却系設備室の建設
手順を以下に説明する。例えば原子炉建屋1のベースマ
ット22上に炉容器室3を形成する壁体部の躯体構築工事
と平行に2次冷却系下部室52を形成する躯体構築工事が
行われる。ベースマット22にはダンプタンク51とライナ
板57とを原子炉建屋2に固定するためのアンカボルトが
埋設されている。
【0036】蒸気発生器支持床53の躯体構築工事を行う
前に原子炉建屋2の外側に配備された仮設揚重機でダン
プタンク51を2次冷却系下部室52内に垂下し、前記アン
カボルトを介してダンプタンク51を原子炉建屋2に固定
する。これは2次冷却系設備室ひいては原子炉建屋2が
大型化しないようにダンプタンク51を2次冷却系下部室
52内に搬入する開口部を蒸気発生器支持床53に配備しな
いためである。
【0037】続いて、ダンプタンク51の固定後に蒸気発
生器支持床53と2次冷却系上部室50の躯体構築工事が行
われる。躯体構築工事の完了後に、原子炉建屋2の上部
に構築された原子炉建屋上屋に具備された天井走行クレ
ーンで炉上部室5の天井部と連続する2次冷却系上部室
50の天井部に形成された2次系ハッチ59より蒸気発生器
49を垂下し、蒸気発生器支持床53に埋設されたアンカボ
ルトを介して蒸気発生器49を蒸気発生器支持床53に固定
する。
【0038】蒸気発生器49の固定後に2次冷却系配管と
給水配管と蒸気配管の据付けが行われ、また2次冷却系
下部室52では床面のライナ板57の据付け工事と2次冷却
系補助配管(図示せず)の据付け工事が行われる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の2次
冷却系設備室内の建設においては、2次冷却系設備室の
躯体構築工事の途中で2次冷却系下部室52内にダンプタ
ンク51を搬入しなければならないため、工程数が増加し
建設工期が長くなる課題がある。
【0040】また、蒸気発生器49の搬入は天井走行クレ
ーンの稼働開始後に行われるため、原子炉建屋上屋構築
工事および天井走行クレーン据付け工事を待たねばなら
ず、蒸気発生器49周りの配管工事を含めた2次冷却系設
備室内の工事着手時期が遅れ建設工期が長期化してしま
う課題があり、この原子炉の周辺部や2次冷却系設備室
の建設工期の長期化に係わる課題は、複数基の原子炉を
配備する小型高速炉プラントにおいて、さらに顕著とな
る。
【0041】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところは建設工期を大幅
に短縮することが可能な小型高速炉の原子炉建屋を提供
することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、単
基または複数基の反射体制御方式の小型高速炉と、この
小型高速炉の原子炉を収納する鉄筋コンクリート製の原
子炉建屋と、前記原子炉の原子炉容器下部を収納する原
子炉建屋内に一体に構築された炉容器室と、この炉容器
室内に配備された炉容器空冷筒と遮蔽体からなる原子炉
建屋において、この炉容器室の内面を形成する円筒容器
と、この円筒容器の内部に具備した炉容器冷却筒および
遮蔽体と、前記円筒容器の上端部に接続された原子炉支
持リングと、前記円筒容器と原子炉支持リングの外面に
具備された複数のスタッドボルトと、前記円筒容器の中
間部に連通するように具備された貫通スリーブと、前記
貫通スリーブには排気ベローズと断熱材とを具備した排
気ダクトが閉止板を介して固定されていることを特徴と
する。
【0043】また、本発明の請求項2は、前記円筒容器
の内部に原子炉容器耐震振れ止め装置を具備したことを
特徴とする。本発明の請求項3は、前記原子炉支持リン
グ上面に穿設された雌ねじと平板または鏡板の養生板と
養生板固定ボルトを設けたことを特徴とする。本発明の
請求項4は、前記円筒容器の製作法として円筒容器内部
に具備される構造物毎の円筒部品を接続することを特徴
とする。
【0044】本発明の請求項5は、単基または複数基の
反射体制御方式の小型高速炉と、この小型高速炉を収納
する鉄筋コンクリート製の原子炉建屋と、前記高速炉を
収納する原子炉建屋に一体に構築された炉容器室および
炉上部室と前記炉容器室および炉上部室に隣接する2次
冷却系設備室からなる原子炉建屋において、2次冷却系
設備室に内装することをが可能な鉄鋼製架台と、この鉄
鋼製架台に固定された蒸気発生器およびダンプタンク
と、鉄鋼製架台の下部にライナ板を具備したことを特徴
とする。
【0045】また、本発明の請求項6は、前記単基また
は複数基の小型高速炉と蒸気発生器からなる原子炉建屋
において、原子炉建屋の屋上部に配備され炉上部室と2
次冷却系設備室上を走行するガントリークレーンと原子
炉建屋躯体内に埋設されたクレーン構台を具備したこと
を特徴とする。
【0046】
【作用】本発明の請求項1では、原子炉建屋と一体に構
築される炉容器室の壁体部の施工時に、円筒容器および
原子炉支持リングを炉容器室壁体部の内面を形成するコ
ンクリート型枠として使用することにより、躯体構築工
事の建設工数を削減できる。また、円筒容器内には炉容
器空冷筒と遮蔽体が固定されていることから、炉容器室
内の現場作業を削減できる。
【0047】また、本発明の請求項2では、耐震振れ止
め装置を円筒容器内部に固定しておくことにより小型高
速炉を高地震帯に設置する場合における炉容器室内の現
場作業を大幅に削減することができる。
【0048】また、本発明の請求項3では、原子炉支持
リング上面に取り外し可能な養生板を固定することによ
り、建設期間中の円筒容器内部の構造物が建設現場環境
に直接曝されることなく保管することができる。また、
本発明の請求項4では、円筒容器を容易に製作すること
ができる。
【0049】本発明の請求項5では、鉄鋼製架台に蒸気
発生器とダンプタンクおよび2次冷却系配管等を固定し
一体化した状態で原子炉建屋内の2次冷却系設備室に据
え付けることにより2次系設備室内の現場作業を大幅に
削減できることから建設工期の大幅な短縮を図ることが
可能となる。
【0050】また、本発明の請求項6では、前記炉容器
室を形成する円筒容器と炉容器室内に設置される原子炉
容器と前記鉄鋼製架台を容易に垂下でき、建設工期の大
幅な短縮と共に仮設揚重機を削減することが可能とな
る。
【0051】
【実施例】図1および図2を参照して本発明に係る原子
炉建屋の第1の実施例を説明する。図1は小型高速炉の
原子炉建屋のうち原子炉の周辺部を示した図であり、図
1中の符号1は反射体制御方式の原子炉容器を示してい
る。小径長尺の原子炉容器1を収納する原子炉建屋本体
2は全体が鉄筋コンクリートによって形成され、内部に
原子炉容器1の本体を収納する炉容器室3と、格納ドー
ム4を収納する炉上部室5が形成されている。
【0052】炉容器室3と炉上部室5の境界には段部が
形成され、この段部は原子炉建屋と一体に構築された原
子炉容器支持部6を構成している。原子炉容器支持部6
の上部は、原子炉支持リング8が配備され、原子炉容器
1を上下方向に熱伸縮可能に支持している。また原子炉
支持リング8には図示してないが二重Oリングを具備し
たフランジが設けられており、格納ドーム4を固定して
いる。
【0053】炉容器室3の内周壁面は、円筒形状の円筒
容器32により形成されている。この円筒容器32の上端部
は原子炉支持リング8の下端部に接続されており、下端
部は炉容器室3の床を形成する外周部に円筒容器下部フ
ランジ33を具備する平板が接続されている。
【0054】炉容器室3に収納される原子炉容器1の周
囲には間隔を隔てて原子炉容器1を取り囲む炉容器空冷
筒9が配設されており、炉容器空冷筒9は上端が原子炉
容器1に接続され、下端は炉容器室3の下部空間に開放
されている。この炉容器空冷筒9は円筒容器32の上部に
固定された炉容器空冷筒支持構造物11によって支持され
ている。
【0055】炉容器室3の中間部には、炉容器空冷筒9
の外周部に円環状の遮蔽体13が配設されており、円筒容
器32に固定されている。この遮蔽体13には空気流路を形
成する複数の小径貫通孔が上下方向に穿設されている。
【0056】原子炉建屋本体2のコンクリート壁体内部
には、原子炉支持リング8の直胴部に穿設された給気孔
14に連通する給気ダクト15と、端部に排気ベローズ16を
介して炉容器空冷筒9に連通する排気ダクト17を内包す
る貫通スリーブ18が形成されている。この貫通スリーブ
18と排気ダクト17の間隙部には断熱材19が配設され、貫
通スリーブ18の両端部にはこの間隙部を塞ぐ閉止板20が
設定されている。
【0057】図2は以上の構成による原子炉建屋本体2
の炉容器室3の躯体構築工事の初期段階の状況を示した
概略的断面図である。すなわち、岩盤21上に構築された
鉄筋コンクリート製ベースマット22の上面に、円筒容器
下部フランジ33を円筒容器アンカボルトを介してベース
マット22に固定した円筒容器32を示している。円筒容器
32の上端部には予め原子炉支持リング8が接続されてい
る。
【0058】円筒容器32の直胴部外面と原子炉支持リン
グ8の外周面には複数のスタッドボルト35が配設されて
いる。円筒容器32の上部には炉容器空冷筒支持構造物11
を介して円筒容器32に固定された炉容器空冷筒9と、円
筒容器32内の中間部には遮蔽体13とが予め固定されてお
り、円筒容器32直胴部の中間部には円筒容器32に連通す
る貫通スリーブ18が固定されている。
【0059】貫通スリーブ18内には排気ダクト17が挿入
されており、この排気ダクト17の一端は排気ベローズ16
を介して炉容器空冷筒9に固定されている。貫通スリー
ブ18と排気ダクト17の間隙部には断熱材19が充填されて
おり、貫通スリーブ18の両端部に固定された閉止板20に
て間隙部を塞いでいる。
【0060】つぎに上記実施例の作用を説明する。岩盤
21上に構築されたベースマット22上に仮設揚重設備で円
筒容器32を上載し、ベースマット22に埋設された円筒容
器アンカボルト34を介して円筒容器下部フランジ33を固
定する。続いて炉容器室3を形成する壁体部の躯体構築
工事が続行される。
【0061】この円筒容器32を構成する直胴部は、炉容
器室3の内面を形成する壁体部のコンクリート型枠とし
て使用することにより一般の型枠工事は不要となる。原
子炉支持リング8と貫通スリーブ18は予め円筒容器32に
接続されており、これらの設定作業による炉容器室3の
壁体部構築工事を中断する必要はない。
【0062】炉容器室3の壁体部コンクリート打設後
は、円筒容器32の直胴部外面および原子炉支持リング8
外周部に配設された複数のスタッドボルト35が壁体部コ
ンクリートと円筒容器32および原子炉支持リング8との
密着性を高めるため、円筒容器32および原子炉支持リン
グ8に作用する炉容器空冷筒9や原子炉容器1等の支持
荷重は確実に炉容器室3を形成する壁体部に伝達するこ
とが可能である。
【0063】続いて炉容器室3の壁体部を形成するコン
クリートが円筒容器32の上端部まで打設された後に、原
子炉支持リング8に穿設された給気孔14に給気ダクト15
を接続し、炉上部室5を形成する壁体部と天井部の工事
を行って原子炉建屋工事を完遂する。
【0064】炉容器室3内には予め炉容器空冷筒9およ
び遮蔽体13を円筒容器32に固定しているため、建設現場
における炉容器室3内での工事は不要であり、直ちに原
子炉容器1を炉容器室内に垂下することが可能である。
【0065】つぎに本実施例の効果を説明する。まず、
円筒容器32を炉容器室3内面のコンクリート型枠として
使用することにより炉容器室3内部での型枠工事が不要
となり躯体構築工事の工数を削減できる。また、円筒容
器32に原子炉支持リング8と貫通スリーブ18とを予め固
定しておくことにより炉容器室3を形成する壁体部のコ
ンクリート工事がこれら設定作業に関係なく連続して可
能となり、炉容器室3の壁体部躯体構築工事の工程を削
減できる。さらに、円筒容器32内部に予め炉容器室3内
に設定する炉容器空冷筒9と遮蔽体13および排気ダクト
17を固定しておくことにより炉容器室3内の現地工事工
程を削減できる。
【0066】つぎに図3により本発明の第2の実施例を
説明する。図3は、本発明の第2実施例における円筒容
器32の中間部を拡大して示すもので、この第2の実施例
では炉容器室3内に炉容器空冷筒9と原子炉容器1の耐
震振れ止め装置37を具備したものである。
【0067】炉容器室3と炉容器空冷筒9の間隙部およ
び炉容器空冷筒9と原子炉容器1の間隙部に空気流路を
形成するように上下方向に複数の小径の貫通孔36を穿設
した円錐台状の原子炉容器耐震振れ止め装置37が円筒容
器32の内面に固定されている。原子炉容器耐震振れ止め
装置37と原子炉容器1とは原子炉容器1が上下方向に摺
動可能なよう適度な間隙を隔てて配備されている。
【0068】この原子炉容器耐震振れ止め装置37により
炉容器空冷筒9の一部を構成する上下に二分割された炉
容器空冷筒上半部11aと炉容器空冷筒下半部11bのう
ち、炉容器空冷筒下半部11bは上端を原子炉容器耐震振
れ止め装置37の下面に固定され原子炉容器耐震振れ止め
装置37の上面には炉容器空冷筒下半部11bの上方に連続
する円環状の炉容器空冷筒上半部ガイドスリーブ38が具
備されており、炉容器空冷筒上半部11aの下端部内面と
接している。
【0069】このような構成による第2の実施例の作用
を説明する。原子炉施設は耐震設計が厳しいことから、
高地震帯に原子炉を設置する場合には一般的に原子炉容
器1に耐震振れ止め装置37を設定しており、小型高速炉
を高地震帯に設置する場合にも同様の対応を図ることと
なる。
【0070】原子炉容器1の下部に原子炉容器耐震振れ
止め装置37を設定することで、原子炉容器1の固有周期
を高めることが可能になると共に原子炉の水平方向の変
位を制限し支持部に作用する応力を減ずることが可能と
なり、原子炉の耐震性を高めることができる。
【0071】また、原子炉容器1の耐震振れ止め装置37
によって分割された炉容器空冷筒上半部11aと炉容器空
冷筒下半部11bについては、原子炉容器1の耐震振れ止
め装置37から支持することで空気流路を閉塞することな
く夫々の炉容器空冷筒9を支持することができる。
【0072】特に炉容器空冷筒上半部11aは下端部を炉
容器空冷筒上半部ガイドスリーブ38に外挿しているた
め、炉容器空冷筒上半部11aの熱膨張による応力を原子
炉容器耐震振れ止め装置37に作用させることなく空気流
路を形成し続けることが可能である。本実施例ではこの
原子炉容器1の耐震振れ止め装置37を予め円筒容器32に
固定しておくことにより、原子炉容器1の耐震振れ止め
装置37の設置作業に対する炉容器室3内の現場作業を削
減することができるものである。
【0073】つぎに、図4により本発明の第3実施例を
説明する。図4は図1における原子炉支持リング8部を
示すものである。原子炉支持リング8の上端部に雌ねじ
39が加工されており、原子炉支持リング8の上部には平
板または鏡板の養生板40が配設されている。養生板40は
養生板固定ボルト41にて原子炉支持リング8に固定され
ている。
【0074】このような構成による作用を説明する。原
子炉建屋の躯体構築工事が完了するまでの期間中におい
て原子炉支持リング8に形成される原子炉容器1を挿入
する開口部を養生板40で閉鎖することにより、雨水等が
原子炉支持リング8と連続する円筒容器32内へ侵入する
ことを防ぐことができる。
【0075】これにより円筒容器32内の構造物は、建設
現場環境に直接曝されることなく保管することができ構
造物の品質管理が容易となる。また養生板40は原子炉支
持リング8に養生板固定ボルト41にて固定されており、
円筒容器32の運搬時等において横倒しする場合において
も養生板40が外れることはないため、建設時のみならず
工場出荷時より炉容器室3内の保管が行える。
【0076】つぎに図5により本発明の第4実施例を説
明する。図5は図1における円筒容器の製作法を示すも
のである。
【0077】外面に複数のスタッドボルト35を具備した
円筒容器下部直胴部42と円環状の遮蔽体13を固定し外面
にスタッドボルト25を具備し外面にスタッドボルト35を
具備した遮蔽体支持リング43と、円筒胴部に貫通スリー
ブ18を連通するための開口部44を穿設し外面にスタッド
ボルト35を具備した排気ダクト支持リング45と、内面に
炉容器空冷筒支持構造物11を介して炉容器空冷筒9を固
定し外面にスタッドボルト35を具備した炉容器空冷筒支
持リング46と、外面にスタッドボルト35を具備した円筒
容器上部直胴部47と外面にスタッドボルト35を具備した
原子炉支持リング8の下部開口部とは、同径の円筒で構
成されている。
【0078】また、外周部に円筒容器下部フランジ33を
具備した円筒容器底板48は平円盤である。排気ダクト17
の両端部の外面には前記貫通スリーブ18に内挿できる大
きさの円環状の閉止板20が具備され、この閉止板20間の
外周部には断熱材19が固定されていると共に排気ダクト
17の一端には排気ベローズ16が固定されている。
【0079】つぎに第4の実施例の作用を説明する。円
筒容器は炉容器室内の現場作業を削減するために設置さ
れるものであり、円筒容器の製作は建設現場上ではない
工場にて行われるものである。以下に円筒容器の製作法
を述べる。遮蔽体支持リング43内に円環状に形成された
遮蔽体13を挿入し遮蔽体支持リング43内面に固定する。
【0080】排気ダクト支持リング45に穿設された開口
部44に連通するように貫通スリーブ18の一端を排気ダク
ト支持リング45に固定した後に排気ベローズ18と閉止板
20と断熱材19を固定した排気ダクト17を貫通スリーブ18
内に挿入し閉止板20と貫通スリーブ18を接続する。炉容
器空冷筒支持リング46の内面に複数の炉容器空冷筒支持
構造物11を固定した後に炉容器空冷筒9を炉容器空冷筒
支持リング46内に挿入し炉容器空冷筒9と炉容器空冷筒
支持構造物11とを固定する。
【0081】以上の後に円筒容器底板48上に円筒容器下
部直胴部42と遮蔽体支持リング43と排気ダクト支持リン
グ45と炉容器空冷筒支持リング46と円筒容器上部直胴部
47と原子炉支持リング8とを順次その端部を接続した後
に炉容器空冷筒9と排気ベローズ16を炉容器空冷筒9の
内部から接続する。
【0082】このような製作法による円筒容器32は、円
筒容器32内の炉容器空冷筒9や遮蔽体13の固定が短尺な
円筒部品で行えるため、固定作業が容易に行うことが可
能となる。また円筒部品は外面から例えば溶接で接続し
ていくことで円筒容器32を製作することが可能であり、
狭隘な円筒容器9内での作業は炉容器空冷筒9と排気ベ
ローズ18との接続作業に限定できるため、容易に且つ安
全に円筒容器32を製作できる。
【0083】つぎに図6により本発明の第5実施例を説
明する。図6は2次冷却系設備室の周辺部を示すもので
ある。原子炉建屋2は全体が鉄筋コンクリートにより形
成されており、原子炉容器1を収納する炉容器室3と格
納ドーム4を収納する炉上部室5からなる原子炉の設置
区画に隣接して、上部に2次系ハッチ59を配備する2次
冷却系設備室60が形成されている。
【0084】この2次冷却系設備室60には鉄鋼製架台61
が挿入されており、2次冷却系設備室60の床に埋設され
た鉄鋼製架台アンカボルト62を介して原子炉建屋2が固
定されていると共に鉄鋼製架台61は複数個の鉄鋼製架台
支持構造物63を介して2次冷却系設備室60の壁体部に埋
設された埋込金物10に固定されている。
【0085】この鉄鋼製架台61には蒸気発生器49とダン
プタンク51とが固定されており、また鉄鋼製架台61の下
部にはライナ板57が具備されている。蒸気発生器49の周
辺には2次冷却系配管と給水配管と蒸気配管が配設され
ており、ダンプタンク51と蒸気発生器49や2次冷却系配
管等とを接続する2次冷却系補助配管が鉄鋼製架台下部
に固定されている。
【0086】このように構成された原子炉建屋2内の2
次冷却系設備室の建設手順を説明する。原子炉建屋2の
ベースマット22の鉄筋工事後に鉄鋼製架台アンカボルト
62を設定しベースマット22のコンクリートを打設する。
2次冷却系設備室60の壁体部躯体構築工事を行いながら
埋込金物10を埋設し2次冷却系設備室60の躯体構築工事
を完遂する。
【0087】躯体構築工事後に予め蒸気発生器49とダン
プタンク51とライナ板57と各配管等を固定した鉄鋼製架
台61を2次系ハッチ59より垂下し、鉄鋼製架台アンカボ
ルト62を介して原子炉建屋2に固定し、また2次冷却系
設備室60の壁体部に埋設された埋込金物10と鉄鋼製架台
61との隙間には鉄鋼製架台支持構造物63を固定すること
で鉄鋼製架台61を原子炉建屋2と一体化させる。
【0088】鉄鋼製架台61を2次冷却系設備室60に固定
した後に2次系ハッチ59を閉鎖し、2次冷却系設備室60
と隣接する区画との各配管を接続することで2次冷却系
設備室の建設を完了する。
【0089】本実施例によれば鉄鋼製架台には建設期間
の長い2次冷却系設備を予め固定することにより、建設
現場上ではない場所で躯体構築工事と平行に2次冷却系
設備の工事が可能となり、建設工事が大幅に短縮でき
る。また、鉄鋼製架台を工場などで製作する場合、2次
冷却系設備の耐圧試験装置や系統試験装置をその工場に
配備しておくことにより、プラントの運転開始までに必
要な試験検査を工場で実施することが可能となり建設現
場での試験検査期間を大幅に短縮できる。
【0090】つぎに図7により本発明の第6実施例を説
明する。図7は複数基の小型高速炉を収納する原子炉建
屋の構造を示すものである。原子炉建屋2に一体に構築
され内面を円筒容器32により形成された炉容器室3に小
型高速炉の原子炉容器1が夫々配設されており炉上部室
5内には格納ドーム4が夫々設置されている。この炉容
器室3と炉上部室5に隣接して原子炉建屋2に一体に構
築された2次冷却系設備室60には夫々に蒸気発生器49と
ダンプタンク51とを固定した鉄鋼製架台61が配設されて
いる。
【0091】炉上部室5を構成する壁体部の上端部には
図示していないガイドレールが配設されており、そのレ
ール上にはガントリークレーン64が配備されている。ガ
ントリークレーン64は炉上部室5の天井部に配設された
ハッチ28および2次冷却系設備室60の上端部に形成され
た2次系ハッチ59上をその寄付範囲としており、原子炉
容器1内の核燃料の交換や蒸気発生器49等のメンテナン
スに使用する。
【0092】前記レールは岩盤21上より立脚し原子炉建
屋2を形成する壁体部に埋設される鉄鋼製のクレーン構
台65上に固定されておりクレーン構台64を介して原子炉
建屋2に固定されている。また原子炉建屋2上部には前
記ガントリークレーン64を内包するように原子炉建屋上
屋66が形成され、原子炉建屋2上部に原子炉容器1内の
核燃料を交換する際のスペースや蒸気発生器49等のメン
テナンススペースを提供している。
【0093】このような構成による原子炉建屋2の建設
手順をつぎに説明する。小型高速炉プラントの建設にお
いて岩盤21上に構築されたクレーン構台65上に設けられ
たレールの上にガントリークレーン64を設置した後に原
子炉建屋2の躯体構築工事を行う。ベースマット22の構
築に必要な例えば鉄筋などの資材は前記ガントリークレ
ーン65を用いて行う。ベースマット22の構築後に順次円
筒容器32を前記ガントリークレーン65にて設置してい
く。
【0094】続いて炉容器室3と炉上部室5および2次
冷却系設備室60の壁体部を前記ベースマット22と同様に
ガントリークレーン65を用いて構築し原子炉建屋2の躯
体構築工事を完遂する。原子炉建屋2の躯体構築工事後
にガントリークレーン64により原子炉容器1や格納ドー
ム4をガントリークレーン65により原子炉建屋2内に搬
入し据付けを行うと共に原子炉建屋上屋66の構築工事を
行う。
【0095】しかして、従来の原子炉建屋では原子炉建
屋上屋66に具備された天井走行クレーンを用いて原子炉
容器1などを原子炉建屋2内に垂下していたが、本実施
例によれば、原子炉建屋2の構築以前にクレーン構台65
上をガントリークレーン64が走行できるため、円筒容器
32の据付けや原子炉建屋2の躯体構築工事の揚重設備と
しても使用することが可能となり、建設期間中の仮設揚
重設備を削減することができる。
【0096】また、原子炉建屋2の躯体構築工事の完了
後に原子炉建屋上屋66の構築工事に平行して原子炉容器
1や格納ドーム4および鉄鋼製架台61を原子炉建屋2内
に搬入することができるため大幅に建設工期を短縮でき
る。
【0097】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、原子炉建屋
のコンクリート工事の工数が削減でき、コンクリート内
埋設物設定工事の工程が削減でき、炉容器室内の構造物
設定工事の工程を削減できると共に、原子炉建屋全体の
建設工事期間の大幅な短縮できる。
【0098】本発明の請求項2によれば、高地震帯にお
ける小型高速炉の建設においても建設期間を短縮でき、
本発明の請求項3によれば、建設期間中の円筒容器内の
構造物を建設現場環境から隔離し、構造物に係わる品質
の維持が容易に行え、本発明の請求項4によれば、円筒
容器を容易に製作することができ、本発明の請求項5に
よれば、2次冷却系設備の建設期間を大幅に短縮でき、
本発明の請求項6によれば、仮設揚重設備の削減と建設
期間を大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る小型高速炉の原子
炉建屋のうち、原子炉の周辺部の構造を一部側面で示す
縦断面図。
【図2】本発明に係る原子炉建屋の炉容器室の躯体構築
工事の初期段階の状況を一部側面で示す縦断面図。
【図3】本発明の第2実施例に係る円筒容器中間部の原
子炉容器耐震振れ止め装置を示す縦断面図。
【図4】本発明の第3実施例に係る原子炉支持リング部
を示す縦断面図。
【図5】本発明の第4実施例に係る円筒容器の製作法を
説明するための部分分解図。
【図6】本発明の第5実施例に係る2次冷却系設備室の
周辺部を一部側面で示す縦断面図。
【図7】本発明の第6実施例に係る複数基の小型高速炉
を収納する原子炉建屋の構造を一部側面で示す縦断面
図。
【図8】従来の小型高速炉の原子炉建屋のうち、原子炉
の周辺部の構造を一部側面で示す縦断面図。
【図9】従来の原子炉建屋建設に際しての原子炉周辺部
の躯体構築工事の建設手順工程を説明するための図で、
(a)は初期段階の状態図、(b)は中期段階の状態
図、(c)は最終段階の状態図。
【図10】従来の原子炉建屋の炉容器室および炉上部室
の機器設定工事の施工手順を一部概略的に示す縦断面
図。
【図11】従来の小型高速炉の原子炉建屋のうち2次冷
却系設備を収納する部分の構造を一部側面で示す縦断面
図。
【符号の説明】
1…原子炉容器、2…原子炉建屋本体、3…炉容器室、
4…格納ドーム、5…炉上部室、6…原子炉容器支持
部、7…原子炉支持リングアンカボルト、8…原子炉支
持リング、9…炉容器空冷筒、10…埋込金物、11…炉容
器空冷筒支持構造物、11a…炉容器空冷筒上半部、11b
…炉容器空冷筒下半部、12…炉容器空冷支持フランジ、
13…遮蔽体、14…給気孔、15…給気ダクト、16…排気ベ
ローズ、17…排気ダクト、18…貫通孔、19…断熱材、20
…閉止板、21…岩盤、22…ベースマット、23…炉容器室
壁体、24…仮設足場、25…仮設支持構造物、26…中間
床、27…炉上部壁体、28…ハッチ、29…天井スラブ、30
…開口部、31…仮設足場、32…円筒容器、33…円筒容器
下部フランジ、34…円筒容器アンカボルト、35…スタッ
ドボルト、36…貫通部、37…原子炉容器耐震振れ止め装
置、38…炉容器空冷筒上半部ガイドスリーブ、39…雌ね
じ、40…養生板、41…養生板固定ボルト、42…円筒容器
下部直胴部、43…遮蔽体支持リング、44…開口部、45…
排気ダクト支持リング、46…炉容器空冷筒支持リング、
47…円筒容器上部直胴部、48…円筒容器底板、49…蒸気
発生器、50…2次冷却系上部室、51…ダンプタンク、52
…2次冷却系下部室、53…蒸気発生器支持床、57…ライ
ナ板、58…ライナ断熱材、59…2次系ハッチ、60…2次
冷却系設備室、61…鉄鋼製架台、62…鉄鋼製架台アンカ
ボルト、63…鉄鋼製架台支持構造物、64…ガントリーク
レーン、65…クレーン構台、66…原子炉建屋上屋。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射体制御方式の小型高速炉の原子炉を
    収納する鉄筋コンクリート制限原子炉建屋本体と、この
    原子炉建屋本体に一体に構築された炉容器室と、この炉
    容器室の内壁面を形成する円筒容器と、この円筒容器の
    内部に設けられた炉容器冷却筒および遮蔽体と、前記円
    筒容器の上端部に接続された原子炉支持リングと、前記
    円筒容器と原子炉支持リングの外面に設けられた複数の
    スタッドボルトと、前記円筒容器の中間部に連通し前記
    炉容器室の壁面を貫通して設けられた貫通スリーブと、
    この貫通スリーブに貫挿した排気ベローズを有する排気
    ダクトおよび断熱材と、前記排気ダクトの側面を包囲し
    前記断熱材の端面に設けられた閉止板とを具備したこと
    を特徴とする原子炉建屋。
  2. 【請求項2】 前記円筒容器の内部に原子炉容器耐震振
    止め装置を設けてなることを特徴とする請求項1記載の
    原子炉建屋。
  3. 【請求項3】 前記原子炉支持リングの上面に雌ねじを
    設け、その雌ねじに平板または鏡板の養生板を具備した
    ことを特徴とする請求項1および2記載の原子炉建屋。
  4. 【請求項4】 前記円筒容器は円筒容器内構造物を単位
    とした円筒部品を接続してなることを特徴とする請求項
    1および2記載の原子炉建屋。
  5. 【請求項5】 反射体制御方式の小型高速炉を収納する
    鉄筋コンクリート製原子炉建屋本体と、この原子炉建屋
    本体に一体に構築された炉容器室および炉上部室と、前
    記炉容器室および炉上部室に隣接する2次冷却系設備
    と、この2次冷却系設備室に内装することが可能な鉄鋼
    製架台と、この鉄鋼製架台に固定された蒸気発生器およ
    びダンプタンクと、前記鉄鋼製架台の下部に設けたライ
    ナ板とを具備することとを特徴とする原子炉建屋。
  6. 【請求項6】 前記原子炉建屋本体の屋上部が配備され
    炉上部室の天井部に配置されたハッチと、前記2次冷却
    系設備室の天井部に配備された2次系ハッチ上を走行す
    るガントリークレーンと、前記原子炉建屋の躯体内に埋
    設されたクレーン構台を具備したことを特徴とする請求
    項5記載の原子炉建屋。
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