JPH08110146A - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫

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JPH08110146A
JPH08110146A JP24615894A JP24615894A JPH08110146A JP H08110146 A JPH08110146 A JP H08110146A JP 24615894 A JP24615894 A JP 24615894A JP 24615894 A JP24615894 A JP 24615894A JP H08110146 A JPH08110146 A JP H08110146A
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heater
refrigerator
defrosting
cover
evaporator
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JP24615894A
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Mitsutaka Shizutani
光隆 静谷
Hiroshi Iwata
博 岩田
Masuji Sudo
益二 須藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】蒸発器の除霜を短時間で効率良く行うことによ
り、除霜に伴なう消費電力の低減が可能な冷蔵庫を提供
する。 【構成】本発明の冷蔵庫では、除霜ヒータ10とその上
方に配置された蒸発器1の間に、除霜水の流れ方向の下
流端が内側に深く折り曲げられたスカート部を有する、
一つ又は複数の傾斜した平面又は曲面で形成されたヒー
タカバーの上部カバー17を設ける等の構成をとる。さ
らに、前記傾斜した平面の場合は20°以上60°以下
の傾斜角度を持つ斜面とし、前記曲面の場合は10mm
以上23mm以下の曲率半径の曲面とする。 【効果】上部カバーの排水性が向上する等の効果によ
り、除霜水の加熱・蒸発による損失等が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸発器の下方に配設さ
れた除霜ヒータによる加熱で除霜を行う形式の冷蔵庫に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に家庭用の冷蔵庫の構造は、機能
の面から、断熱容器・強度部材の役割をもつ本体である
箱体・扉部分と、庫内冷却を行うための冷凍サイクル部
とに大別できる。
【0003】箱体・扉部分は、外箱(主に鋼板製)と内
箱(主に樹脂製)で断熱材(主に発泡ウレタン製)を挟
むように一体化した構造をもつそれぞれの主構造部分
と、箱体内を冷凍室や冷蔵室(温度条件等を多少変えて
チルド室や野菜室とすることも一般的である)等の各室
や冷気通路に区画するための区画部材(単独の樹脂製か
樹脂と断熱用のスチロフォームとの複合構造)と、各室
や扉内側を細かく区画するための内装部材(主に樹脂
製)とから構成される。
【0004】また、冷凍サイクル部は、冷媒を昇圧・循
環させる圧縮機や庫内の熱を逃がす凝縮器等の庫外に設
置される部品と、庫内に設置され庫内を冷やす作用をす
る蒸発器と、冷媒を循環させるように各部品間を結ぶ冷
媒管とから構成されている。
【0005】このような冷蔵庫のうち小形を除く大部分
のものについては、庫内の冷却は、冷凍室や冷蔵室等の
各室とは別の区画である冷気ダクト内に設置された蒸発
器へ、各室から戻った冷気を集めて冷却し(冷媒はここ
で冷気から熱を奪って蒸発し、後に庫外の凝縮器等で放
熱・凝縮する)、冷気を送風機で再び各室に分配しなが
ら送り込むという形の冷気強制循環方式により行われて
いる。
【0006】蒸発器(多数のフィンが冷媒管に貫通され
る形で一体化されると共に冷媒管は蛇行管状である、ク
ロスフィンチューブ構造が一般的)では、各室から戻っ
た冷気は平均温度が氷点以下であり、庫内の食品からの
水分の蒸散や扉開閉時の多湿空気の侵入により、湿度も
ある程度高い状態になっているため、熱交換と同時に、
低温である蒸発器の表面に冷気中の水分が凝縮・凍結し
て霜が生成される。
【0007】冷蔵庫の運転を続けた結果として、蒸発器
への着霜量がある程度以上多くなると、通風抵抗の増大
による風速の減少等から熱交換性能の低下が顕著とな
る。さらに、フィン間の空気流路が霜でほぼ閉塞した状
態になると大幅に熱交換量が減少して、冷蔵庫の正常な
運転が継続できなくなる。これを防ぐために冷蔵庫で
は、一般に、ヒータ加熱により強制的に霜を解かす形で
の蒸発器の除霜が定期的あるいは着霜量の多くなった時
点等に行われる。
【0008】上記の除霜に関して、従来より、ヒータで
発生される熱の除霜への利用効率を向上し、消費電力を
低減する種々の技術が開示されている。
【0009】例えば、特開平5−306877号公報
は、冷媒管に繋がるパイプを除霜ヒータの下に延長して
配設し、前記パイプ内の冷媒によるヒートパイプ作用に
より、除霜ヒータの下方への放射熱を、効率良く冷却器
全体に熱搬送しようとするものである。
【0010】また、特開平3−31680号公報は、ヒ
ータカバーが除霜ヒータと蒸発器との間に設けられるこ
とによって、除霜ヒータからの放射熱が除霜に有効利用
できないことを指摘し、ヒータカバーを網状にすること
によって、放射熱を有効利用できるようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】除霜は蒸発器につく霜
の融解に必要な顕熱及び潜熱を除霜ヒータによる加熱で
与えて除霜水とし、庫外に取り除くことを目的としてい
るが、その過程では本来の除霜には不必要な加熱もある
程度伴い、損失となる電力が発生することが避けらな
い。除霜に伴って消費される電力には、除霜時に加熱の
ためヒータ通電する分と、除霜後に再冷却のためサイク
ルを運転する分とがある。前者の除霜時の不必要な加熱
分としては、除霜水の氷点を上回る温度への加熱や蒸
発、蒸発器の加熱、蒸発器内の冷媒の加熱、及び冷気ダ
クト・水受けの側面・底面の加熱があり、これらにより
加熱及び再冷却のための電力がかなり増えることにな
る。
【0012】特に、除霜水は、水の放射率が大きく熱線
を吸収しやすいことや水滴・水膜として暖気や高温部分
に接触するため、排出されるまでに、ヒータカバーや水
受けに長く滞留すればするほど加熱され、除霜のための
電力が浪費されることになる。また、排出される経路に
おいて、除霜水が特に高温になるヒータカバーに長く接
触して少量であっても蒸発するならば、その顕熱と(蒸
発)潜熱は大きいので損失となる電力として無視できな
くなる。
【0013】従って、ヒータカバーや水受けからの除霜
水の排出を速やかに行なうことと、除霜水の排出経路上
に高温部を設けないことが、除霜を短時間で効率よく行
うこと、即ち除霜に伴う消費電力の低減に有効である。
特に、除霜ヒータに除霜水が触れることを防止する前記
ヒータカバーは、ヒータからの熱線の放射を至近距離で
直接受けるため、100°を大幅に上回る温度に容易に
達し、この部分での除霜水の余分な加熱や蒸発はかなり
多くなり、効果的な対策が必要となる。
【0014】従来の冷蔵庫においては、ヒータカバーと
して、例えば、特開平5−306877号公報の図4に
示されているような、冷蔵庫側面方向から見た断面が山
形形状をしたものや、特開平3−31680号公報に示
されているような、水平板の端を浅く折り曲げた断面形
状をしたもの等(これらの断面形状はヒータカバーの変
形防止を目的としたもの)が使用されていた。
【0015】しかし、上記従来技術では先に述べたよう
な除霜水の加熱の問題は考慮しておらず、従って、除霜
水の排水に最適な形状になっていなかった。また、ヒー
タカバーの高温化防止についても、特に考慮された形状
となっていなかった。
【0016】本発明の目的は、冷気ダクト及び水受け部
からの除霜水の排水を速やかに行なうことにある。ま
た、本発明の他の目的は、除霜水の排水経路上に構成さ
れる高温部の低温化を図ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置される
除霜ヒータと、前記除霜ヒータの周囲に設けられるヒー
タカバーとを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒータの
上方又は下方に位置する前記ヒータカバーを、除霜水の
下流端に、除霜水の流れる面を鉛直面よりも深い角度に
折り曲げたスカート部を有する、一つ又は複数の傾斜し
た平板又は曲面板で形成したものである。 また、上記
目的を達成するために、蒸発器と、前記蒸発器の下方に
設置される除霜ヒータと、前記除霜ヒータの周囲に設け
られるヒータカバーとを備えた冷蔵庫において、前記除
霜ヒータの上方に位置する前記ヒータカバーを、一つ又
は複数の傾斜した平板又は曲面板で形成された除霜水を
導く導水部と、前記除霜ヒータからの熱線を遮蔽する遮
蔽部とから構成したものである。
【0018】また、上記目的を達成するために、蒸発器
と、前記蒸発器の下方に設置される除霜ヒータと、前記
除霜ヒータの周囲に設けられるヒータカバーとを備えた
冷蔵庫において、前記除霜ヒータの上方に位置する前記
ヒータカバーを一つ又は複数の傾斜した平板又は曲面板
で形成し、前記ヒータカバーと前記除霜ヒータとの間に
熱線を遮蔽する遮蔽板を設けたものである。
【0019】また、蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置
される除霜ヒータと、前記除霜ヒータの周囲に設けられ
るヒータカバーとを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒ
ータの上方又は下方に位置する前記ヒータカバーを、斜
面の傾斜角が水平より20°以上60°以下の一つ又は
複数の傾斜した平板で形成したものである。
【0020】また、蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置
される除霜ヒータと、前記除霜ヒータの周囲に設けられ
るヒータカバーとを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒ
ータの上方又は下方に位置する前記ヒータカバーを、曲
率半径が10mm以上23mm以下の上に凸な曲面を持
つ一つ又は複数の曲面板で形成したものである。
【0021】さらに、上記目的を達成するために、本発
明の冷蔵庫は、蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置され
る除霜ヒータと、前記除霜ヒータの上方に設けられ、長
手方向に対する横手方向断面が山形形状で、前記横手方
向の両端に内側に深く折り曲げたスカート部を有するヒ
ータカバーとを備えたものである。
【0022】
【作用】以下、本発明の目的を達成するための上記各手
段の作用について述べる。
【0023】前記ヒータカバーの除霜水の流れる方向の
下流端に設けたスカート部は、前記ヒータカバーの傾斜
した平板又は曲面板を流れ落ちる除霜水の排水性を良好
にするが、これについて、図18を用いて説明する。
【0024】図18の(a)は除霜水の下流端にスカー
ト部が設けられない場合であり、(b)はスカート部の
除霜水の流れる面が鉛直面よりも浅い角度に折り曲げら
れた場合である。さらに、図18の(c)はスカート部
の除霜水の流れる面が鉛直面よりも深い角度に折り曲げ
られた場合で、本発明の状態を示している。
【0025】図18の(a)、(b)においては、上流
側から移動してきた水滴18が、下流端で他の水滴と合
流して、かなり大きくなるまで保持されて残るのに対し
て、(c)の場合には、水滴18は下流端で吊り下げら
れる形で保持されるので落下しやすく、下流端に残る水
滴も小さなものに限られる。従って、除霜水の流れる面
が鉛直面よりも深い角度に折り曲げられたスカート部
は、排水性を向上させるように作用する。
【0026】このスカート部は、除霜ヒータの上方に配
置されるヒータカバーのほか、前記ヒータの下方に配置
されるヒータカバーや、前記ヒータを囲むように設けら
れる箱状カバーの底板部に設けることができる。
【0027】次に、ヒータカバーの排水性が良好になる
ような、傾斜した平板の場合の斜面の傾斜角度及び曲面
板の場合の曲面曲率半径について説明する。
【0028】後述するヒータカバーの上部カバーの排水
性の観察実験の結果からヒータカバーが傾斜した平板の
場合は斜面の傾斜角度を20°以上にすることにより、
また、ヒータカバーが上に凸な曲面板の場合は曲面の曲
率半径を23mm以下にすることにより、各面上での水
滴の下流側への移動が速やかに行なわれるようになる。
つまり、図19に示すように、上記の範囲外では、表面
張力の作用が重力に勝り、多数の水滴が合流してかなり
大きくなるまで、水滴18は上部ヒータカバー17の中
央や端部に保持され、排水性が悪くなる。
【0029】ヒータカバー上における水滴の滞留時間と
カバーの傾斜角又は曲率半径の関係については、図21
のような傾向がある。図21に示すように、排水性は上
記の傾斜角の下限値及び曲率半径の上限値付近で急激に
変化するので、傾斜角を20°以上又は曲率半径を23m
m以下にすれば、実用上十分な排水性が保たれる。
【0030】上記のように、傾斜角の下限値及び曲率半
径の上限値は排水性の点から決まってくるが、ヒータカ
バーの上部カバーの場合の傾斜角の上限値及び曲率半径
の下限値については、除霜ヒータの直径や除霜ヒータと
蒸発器との間隔等の実用上の制約から次のように決まっ
てくる。例えば、現状の冷蔵庫での一般的な寸法を採用
するならば、除霜ヒータの直径は10mm程度であり、
除霜ヒータと蒸発器との間隔は近いものでは20mm程
度である。このとき、除霜ヒータの上部カバーに除霜ヒ
ータの直径の2倍程度の幅が要求されるとすると、上部
カバーの幅としては少なくとも20mm程度が必要とい
うことになる。従って、傾斜角の上限及び曲率半径の下
限の値としては、実質的にそれぞれ60°(θ=arc
tan(20/10))及び10mm程度に決まってく
る。ヒータカバーの下部カバーや箱状カバーの底板部に
ついても、同様な寸法的な制約から、傾斜角の上限及び
曲率半径の下限の値は上部カバーと同等に制限されると
考えられる。
【0031】上記の傾斜角又は曲率半径の問題は、その
他の除霜水の排出経路となる部材にも適用することがで
きる。例えば、前記除霜ヒータ及びヒータカバーの下方
の水受けの底面(ただし、水受けでは底面は平面とする
のが一般的であり、寸法的な制約の違いから傾斜角の上
限は特に制限する必要がない)にも適用することができ
る。
【0032】次に、ヒータカバーに用いる分割された複
数の傾斜した平板又は曲面板と、単調に傾斜した平板と
山形の傾斜平板との組合せについて説明する。
【0033】ヒータカバーを分割された複数の傾斜した
平板又は曲面板で構成したり、又は単調に傾斜した平板
と山形の傾斜平板を組み合わせて構成することにより、
除霜ヒータにより生成された暖気を効果的に上方に放出
する開口又は隙間をヒータカバーに配設することができ
る。これにより、上部ヒータカバーが高温になることを
抑制することができ、また、前記暖気による対流伝熱を
強化して、除霜特性を向上させることもできる。
【0034】また、上記開口を設ける場合、除霜水が除
霜ヒータにかかる心配のある部分では、前記開口又は隙
間を直接上方に向けて設けないようにすることが必要で
ある。 また、ヒータカバーを全体的に単調に傾斜した
平板で構成した場合でも、除霜ヒータによって温められ
た暖気は除霜水の流れる方向の上流端から上方に効果的
に放出される。
【0035】次に、除霜ヒータの下方に配置されるヒー
タカバーについて説明する。
【0036】このようなヒータカバーとしては、除霜ヒ
ータの下方に他と分割されて配置される下部カバーや、
前記除霜ヒータの側方から下方にかけてカバーする箱状
カバーの底板部がある。前記下部カバー又は前記底板部
は、排水性を良くするために、上記したような傾斜角又
は曲率半径を有する傾斜した平板又は曲面板で形成する
が、このとき、前記傾斜した平板又は曲面板の除霜水の
下流端となる部分には開口又は隙間を設ける。除霜水は
この開口又は隙間から下方の水受けに落下して排出され
る。
【0037】また、前記開口又は隙間には、排水性を良
くするために、除霜水の流れる面が鉛直面よりも深い角
度に折り曲げられたスカート部が設けられる。前記開口
部は一枚の板材に開けられた穴であってもよいし、分割
された複数の板材の間に形成される隙間であってもよ
い。
【0038】次に、ヒータカバーの導水部と遮蔽部につ
いて説明する。
【0039】ヒータカバーでの除霜水の余分な加熱を抑
制するために、ヒータカバーを2重板構造にして、除霜
水の流れる導水部(2重板のヒータから遠い側)と、ヒ
ータからの熱線を直接受ける遮蔽部(2重板のヒータに
近い側)とから構成することが考えられる。このとき、
前記遮蔽部は、いわゆる「防熱板」の作用により、除霜
ヒータからの熱線の放射で前記導水部が直接加熱される
ことを防止する。これによって、除霜水の流路である前
記導水部が高温となるのを抑えることができ、導水部を
流れる除霜水の余分な加熱を抑制することができる。
【0040】ヒータカバーに前記遮蔽部及び前記導水部
を設ける代わりに、除霜水の流路となるヒータカバーと
除霜ヒータとの間に、ヒータカバーと別部材の、除霜ヒ
ータからの熱線を遮蔽する遮蔽板を設けてもよい。この
とき、ヒータカバーと蒸発器の間に導水板を設けるとい
うことは、ヒータカバーと除霜ヒータとの間に遮蔽板を
設けるということと、実質的に同じことである。
【0041】
【実施例】本発明の実施例の説明に先立って、図25な
いし図27を用いて、冷蔵庫の蒸発器周辺の構造と通常
運転での着霜状態、及び除霜時の状態の詳細について説
明する。
【0042】図25は従来の冷蔵庫での蒸発器を含む本
体部分を側方から見た断面図であり、図26は図25の
XXVI−XXVI矢視断面図である。また、図27は図25の
XXVII部の詳細図である。
【0043】蒸発器1(図のように縦長の全体形状で冷
気7を垂直・上向きに流す形式が一般的である)は、冷
蔵庫本体2の内部に冷凍室3や冷蔵室4とは別に内箱や
区画部材で形成された冷気ダクト5の内部に設置(図の
ように冷凍室に対し冷蔵庫本体の背面側となる位置が一
般的である)されている。冷気ダクト5には、蒸発器1
の側面との間にバイパスダクト12(本体の前面側と背
面側のいずれか一方あるいは両方に設けられる)が、蒸
発器1の上方に送風機13と庫内の各室への吐出・導入
口14とが設置されている。また、冷気ダクト5の下方
には水受け6が冷気7の通風方向に滑らかに接続するよ
うに形成されており、水受け6の本体前面側の側面には
庫内を循環した冷気7の戻り口8が、底面の最下部には
排水口9が、また蒸発器1の下方に相当する水受け6の
中央には除霜ヒータ10とその周囲近傍の少なくとも上
方を覆う単独または複数の板材から成るヒータカバー1
1とがある。
【0044】冷蔵庫の通常運転の場合には、既に述べた
冷気強制循環方式により、冷凍室3や冷蔵室4の各室か
ら戻った冷気7は、水受け6に側面の戻り口8を通って
流入して合流・混合しながら垂直・上向きに曲げられ
る。冷気7は冷気ダクト5内で蒸発器1のフィン間の空
気流路を熱交換しながら流れて冷却された後、冷気ダク
ト5の上部の送風機13から吐出・導入口14を経て、
冷蔵庫本体2の各室に再び送り込まれる。
【0045】冷気7と蒸発器1との熱交換では、既に述
べたように着霜を伴い、通常運転の前半では着霜量が少
なく、冷気7は蒸発器1の各部分へあまり抵抗なく流入
できる。そのため、冷気7との温度差の大きい蒸発器1
の通風方向の上流部分(蒸発器の下部)で熱交換が比較
的多く行なわれ、着霜量も速く増える。これに対し、通
常運転の後半では、蒸発器1の上流部分での着霜量が多
く、この部分の通風抵抗が大きくなっている。そのた
め、冷気7の大部分は上流部分を迂回してバイパスダク
ト12から蒸発器1の下流部分(蒸発器の上部)に流入
してこの部分での熱交換と着霜が多くなる。しかし、通
常運転の全体としては蒸発器1の全域で有効に熱交換が
行われ、ほぼ全域に着霜することになる。
【0046】一方、蒸発器1の着霜量が多くなって除霜
が必要になった場合には、図27に示すような伝熱・除
霜水の状態を経て、次のように除霜が行われる。
【0047】除霜ヒータ10は蒸発器1の下方に配置さ
れ、その周囲近傍には少なくとも上方を覆うように単独
または複数の板材のヒータカバー11が設置され、蒸発
器1の上端より下方の冷気ダクト5の側面及び水受け6
の底面には熱線反射用シート材(一般的に幅広のアルミ
ニウムテープを貼り付ける)が密着させて設置されてい
る。ヒータカバー11はアルミニウム板製で、上部に配
置されるカバーは霜15の融解水、即ち除霜水16が、
除霜ヒータ10に直接落下・接触して発熱部を破損した
り騒音を発生するのを主に防ぐ。さらに、場合によって
は下部カバーあるいは周囲を囲む箱状カバーも設置さ
れ、それらは除霜ヒータ10の熱線を反射して、上方へ
の放射と暖気の生成の効率を上げる作用をする。
【0048】除霜は、送風機13と圧縮機(共に図示せ
ず)を停止して冷気7と冷媒の循環を止めた上で、除霜
ヒータ10に通電して発熱させ、冷気ダクト5と水受け
6との内部のほぼ閉じられた空間に熱を集中させること
で行われる。通常、蒸発器の最上部まで、通常運転時の
約−20℃から+20℃に昇温されるように、15〜3
0分保持される。その状態が保たれることで、蒸発器1
の霜15はほぼ下部から上部に向かって解かされ、除霜
水16になってゆく。
【0049】除霜水16は水滴の生成・合体で大きくな
るにつれて、蒸発器1の下部へ移動し、蒸発器1から直
接あるいはヒータカバー11を経由して水受け6へ落下
する。さらに、除霜水16は水受け6の底面の排水口9
へ移動し、庫外に排出される。こうして、蒸発器1の霜
15は次第に取り除かれる。
【0050】除霜の終了は、蒸発器1の最上部温度を検
出することにより、蒸発器1の霜15の大部分が解けた
状態を判定し、決定している。
【0051】上記のような除霜の過程での伝熱及び除霜
水の状態を詳しく見てみると、次のようになる。除霜ヒ
ータ10で発生した熱は、放射A(ヒータ表面から赤外
線・遠赤外線等の熱線の形で熱が伝わる)と対流B(ヒ
ータ周辺で作られた暖気が浮力で上昇し上方の低温部分
に接触して熱が伝わる)とで蒸発器1の周辺に伝えら
れ、また蒸発器1の内部では熱の一部は伝導C(ヒータ
に近く比較的高温な蒸発器の下部から低温な上部へ高熱
伝導性の冷媒管・フィン・冷媒により熱が伝わる)でも
伝えられる。
【0052】放射Aによる熱は、次の表1に示した関連
物質の放射率からわかるように、ヒータカバー11の内
面や冷気ダクト5と水受け6の表面の熱線反射用シート
材で反射されたり、高温になるヒータカバー11の上部
カバーを経由することで、霜15に伝えられる。上記の
放射率は1に近いほど熱線を放出しやすいことを意味す
るが、入射する熱線に対しては放射率の値が吸収率に、
1から放射率を減じた値が反射率になる。また、熱線反
射用シート材は一般にアルミニウム製で、反射率は0.
93〜0.97と大きく、特に冷気ダクトと水受けでは
表中のグラファイト・塗料で代表される樹脂の場合に比
べ、反射率が大きく改善される。また、霜の吸収率は氷
や雪の放射率と同等に大きいと考えられる。
【0053】しかし、上記の各部品の表面での反射では
乱反射(清浄な研磨面以外では必ず発生する)や表面の
汚れ(除霜水の付着で反射率は急減する)で熱線が減衰
し、また放射の経路上に物体があっても熱線は減衰する
ので、放射Aによる伝熱が除霜に有効なのは主に除霜ヒ
ータ10に近い蒸発器1の下部に限られる。蒸発器1の
上部に対しては、経路上の物体での反射により、熱線は
途中でほぼ失われ、代わりに途中の暖めれた部材から対
流Bや伝導Cで間接的に伝熱されるようになる。従っ
て、除霜に対して損失につながるような加熱が現れやす
くなってくる。
【0054】
【表1】
【0055】また、対流Bによる熱は、除霜ヒータ10
によりヒータカバー11の内部で発生した暖気が、ヒー
タカバー11の上部の両端から蒸発器1の内部やバイパ
スダクト12を通って上昇し、蒸発器1に付着・残存す
る霜15の最下部に達すると急冷却されて(このとき霜
は解かされる)下降するという循環流が形成されること
により伝えられる。
【0056】上昇中の暖気は蒸発器1でも霜15のない
部分では、熱容量が小さく霜のある部分より暖気との温
度差はすぐに小さくなるため、あまり熱交換は行なわれ
ない。暖気はさらに上昇して霜15の残る部分に到達し
てから活発に熱交換するため、対流Bによる伝熱は蒸発
器1のどの部分についても有効に作用する性質がある。
【0057】さらに、伝導Cによる伝熱は、放射Aや対
流Bで一旦蒸発器1の下部に伝えられた熱が、蒸発器1
内の霜15の残る部分との温度差を解消するように冷媒
管・フィン・冷媒を通して熱伝導でさらに伝わる(後述
するように、冷媒はヒートパイプ作用も行うと考えられ
る)ものである。しかし、蒸発器1の下部と霜15の残
る部分とは除霜の初期以外は離れていて熱伝導の経路の
抵抗が比較的大きいことから、前記2項ほど伝熱量は多
くないと考えられる。
【0058】除霜に関係した蒸発器1の周辺部分の構造
を変更することで、このような各伝熱機構で伝えられる
熱量を増減させることにより、損失につながる熱量をあ
る程度まで制御できるが、各伝熱機構による伝熱量の合
計値は除霜ヒータ10での発生熱量から変わらない点に
注意が必要である。
【0059】以上のように除霜ヒータ10から霜15に
熱が伝えられると、氷点を超えるのに必要な顕熱及び潜
熱分以上の熱を受けた部分では霜15の融解が始まる。
後述の除霜のモデル実験での観察から、このような霜1
5の融解は蒸発器1内のほぼ同一高さの平面内で集中的
に起こり、前記平面が蒸発器1の下部から上部に移動し
てゆき、除霜部分の下方には霜15は残らないことがわ
かっている。このとき、前記平面の上方では除霜開始か
ら融解が始まるまで氷点以下のままあまり昇温しない。
【0060】融解した霜15は除霜水16となり霜15
との混在あるいは水滴の形でしばらく留まっているが、
除霜水16の生成・合体が進んである程度大きな水滴に
なると、付着力より重力が勝って蒸発器1の表面を伝っ
てフィンの下端やフィンと冷媒管との固定部に下降す
る。このとき、除霜が行なわれた蒸発器1の下部では霜
がなくほぼ濡れているため移動は滑らかに起こる。
【0061】前記固定部でさらに大きな水滴になると、
蒸発器1から離脱して水受け6へ、直接あるいはヒータ
カバー11の上部カバー等に一時的に滞留しながら落下
する。水受け6に落下した除霜水16は、水受け6の底
面の傾斜(長手方向に直角な断面では中央や一方の端に
最低部をもち、その最低部が長手方向の中央等の排水口
9に連なる形状をとる)に従って排水口9に移動し、最
終的に庫外に排出されることになる。
【0062】ここで、除霜に有効あるいは損失となる各
項目の電力量の大きさを、従来の冷蔵庫について検討す
る。
【0063】各項目において、加熱のための電力量、即
ち加熱量について、冷蔵庫の測定値や後述の除霜のモデ
ル実験の結果等から仮定を行って試算してみる。この検
討において、試算した各電力量は各項目で使用される全
体の電力量より再冷却のための分だけ小さいが、各項目
の比率は同一になる。検討対象は、後述のモデル実験と
共通な350Lの中形冷蔵庫で、蒸発器周辺は従来の構
造をもつものとする。
【0064】まず、除霜に有効に使われる「氷点まで
の霜の顕熱・潜熱分」を考えると、このクラスの冷蔵庫
の着霜量Gは0.2kg(通常の冷蔵庫の使用状態でや
や多い場合に相当)であり、この霜を通常運転時の−2
0℃から0℃に加熱して水にするのに必要な加熱量Q
は、氷の比熱c=2.0kJ/(kg・K)及び(融
解)潜熱L=334kJ/kg、温度差Δt=20Kで
あることから、Q=G×(c×Δt+L)=0.2×
(2×20+334)=75kJとなる。
【0065】次に損失となる分のうち「除霜水の氷点
以上への加熱分」を考えると、着霜量Gの90%が20
℃に加熱されて庫外に排出されると仮定すれば、水の比
熱c=4.2kJ/(kg・K)及び温度差Δt=20
Kであることから、加熱量Q=G×c×Δt=0.18
×4.2×20=15kJとなる。
【0066】また、「除霜水の蒸発分」は、従来の冷
蔵庫ではヒ−タカバ−の上部カバ−に除霜水が滞留しや
すく着霜量Gの10%が蒸発すると仮定すれば、水の比
熱cはと同様で(蒸発)潜熱L=2257kJ/k
g、温度差Δt=100Kであることから、加熱量Q=
G×(c×Δt+L)=0.02×(4.2×100+
2257)=54kJとなる。
【0067】さらに、「蒸発器の加熱分」は、350
L冷蔵庫用の蒸発器が質量Gがほぼ0.7kgのアルミ
ニウム製であり通常運転時の−20℃から20℃に加熱
されると仮定すれば、アルミニウムの比熱c=0.88
kJ/(kg・K)及び温度差Δt=40Kであること
から、加熱量Q=G×c×Δt=0.7×0.88×4
0=25kJとなる。
【0068】さらに、「蒸発器内の冷媒の加熱分」
は、350L冷蔵庫用の蒸発器の冷媒管の内容積Vを1
40cm3(内径6mm、長さ5mとして算出)とし、
この内容積の半分を占める液冷媒R134aが−20℃
から20℃に加熱されて蒸発(簡略化のため蒸発温度は
0℃とする)すると仮定すれば、上記の温度範囲につい
て冷媒R134aの液相の密度ρ=1280kg/
3、液相・気相の比熱c、c’=1.11、0.60
kJ/(kg・K)で(蒸発)潜熱L=205kJ/k
gであり、液相・気相の温度差Δt、Δt’=20K、
20Kであることから、加熱量Q=ρ×V×(c×Δt
+L+c’×Δt’)=1280×0.00007×
(1.11×20+205+0.60×20)=21k
Jとなる。
【0069】最後に、「冷却ダクト・水受けの加熱
分」を考えると、樹脂製(厚さ1〜2mm程度のポリプ
ロピレン等)であるこれらの部分の内表面(表面積A=
0.5m2)の深さdが2mmまでの領域が−20℃か
ら20℃に加熱されると仮定すれば、樹脂(ポリプロピ
レンの値を使用)の密度ρ=910kg/m3、比熱c
=1.7kJ/(kg・K)及び温度差Δt=40Kで
あることから、加熱量Q=ρ×A×d×c×Δt=91
0×0.5×0.002×1.7×40=62kJとな
る。
【0070】全加熱量の合計Q=257kJに占める
〜の各々の加熱量の比率は、それぞれ29%、8%、
21%、10%、8%及び24%であり、既に述べたよ
うに、加熱量でも除霜に伴う全体の電力量でも各項目の
比率は変わらないことから、従来の冷蔵庫では除霜に有
効なの電力量が全体の1/3以下と少なく、逆に除霜
に伴い損失となる電力量がかなり多いことがわかる。
【0071】以上の試算は、測定値やモデル実験等に基
づいているが、多くの仮定を用いているため概略評価と
見なすべきものである。しかし、得られた全加熱量Q=
257kJの計算値は、対象とした350Lの冷蔵庫で
の除霜特性の測定結果(着霜量0.2kgの条件で入力
P=160Wのヒータによる除霜時間Tが28分)から
求められる全加熱量の測定値Q=P×T=0.16kW
×0.47h=0.075kWh=271kJにほぼ一
致しており、妥当な計算結果になっていると考えられ
る。
【0072】従来の一般的な除霜に関係する蒸発器周辺
の構造をもつ冷蔵庫では、上記のように除霜に有効に使
われる電力量が少ない割に損失となる電力量が多いため
に除霜特性として十分ではなく、除霜を短時間で効率良
く行うことができていないと考えられる。
【0073】上記の検討から、以下のことが導き出され
る。
【0074】既に示した損失となる電力量のうちの「
除霜水の氷点以上への加熱分」と「除霜水の蒸発分」
は、合計では除霜に有効な「氷点までの霜の顕熱・潜
熱分」と同等なほど大きな電力量であり、特に除霜水の
蒸発量が多くなると比率の大きいが増えて合計の電力
量が増えやすい傾向がある。これらは、除霜水が蒸発器
からヒータカバー、水分けを経て排出口に至るまでの排
出経路で除霜ヒータからの熱の放射・対流を受けたり高
温部分に接触して加熱されることで生じる。
【0075】従って、対策の基本的な方針としては、排
出経路で滞留せず速やかに移動するように排水性を向上
させること、排出経路上にあまり高温部分を作らないこ
とが上げられる。
【0076】このような観点から排出経路上の部品を見
てみると、第1に蒸発器については、通常運転での熱交
換器としての性能にあまり影響を与えない範囲でしか構
造は変えられないため、「従来の技術」で示した表面処
理以外に対策は限られており、有効な対策は見当たらな
い。
【0077】第2にヒータカバーについては、上部カバ
ーは除霜ヒータへの除霜水の接触防止、下部カバーや箱
状カバーの底板部は熱線の反射と暖気の生成という機能
をある程度果たす範囲ならば、除霜特性のために構造を
大きく変更することが可能である。
【0078】しかし、従来の冷蔵庫のヒータカバーで
は、排水性については考慮されておらず、従って上部カ
バーを構成する板材の傾斜角や曲率半径が排水性を考慮
した値になっていなかった。このような上部カバー等の
形状では、除霜水は水滴どおしの合体で両端や開口から
はみ出すまで成長しないと上部カバー等の上面から落下
・排除されず(ヒータカバーの断面が山形平板の場合、
傾斜が緩いと中央と両端に保持されやすい)、また排除
の際も成長した水滴の一部は上面に取り残される傾向が
あり、除霜水の排水性はかなり低い。
【0079】また、従来の上部カバーでは、暖気が放出
されにくいことから高温になりやすい(合計の伝熱量は
変わらないが、対流よりも放射が主体の伝熱になる)と
いう傾向があり、上記の・の損失が発生しやすい構
造であることがわかる。
【0080】これらを改善するためには、まず除霜水の
排水性向上の面からは、上部カバーや下部カバーや箱状
カバーの底板部の断面をある程度以上の傾斜をもった平
板や平面(山形平板や単独・組合わせの傾斜平板等)や
曲率半径が小さく上に凸な曲面板や曲面とすることが必
要である(傾斜角の上限や曲率半径の下限は、既に述べ
たように、ヒータカバーの寸法的な制約で制限され
る)。また、上部カバーを高温にしないためには、上方
への暖気放出用の開口・隙間をもった開口山形平板や単
独又は組合わせた傾斜平板による構造(放射よりも対流
が主体の伝熱になる)と、カバーの断面をそのような形
状にした上で2重板とする構造とが考えられる。後者の
カバーの2重板化は上部カバーの下板部から上板部への
伝導や放射による伝熱を小さくするもので、上板部は除
霜水を下流側へと導く導水部として、下板部は除霜ヒー
タから放射で導水部が直接加熱されることを防止する防
熱板の効果をもつ遮蔽部として使われる。
【0081】発明者らは、上記の排水性向上のための構
造の仕様を具体化するため、上部カバー単体による排水
状態の観察実験を実施した。観察実験では、図19に示
すような上部カバーの全体形状による排水性の違い、図
18に示すような上部カバーの下端の形状による保水性
の違い、及び図20に示すような上部カバーの上端の形
状による水滴の落下方向の違い(最後のものは除霜ヒー
タへの除霜水の落下防止を目的としている)について調
べた。
【0082】実験により全体形状の効果について、以下
のことがわかった。
【0083】上部カバー17の長手方向に直角な断面
が、中央の高い山形平板の場合は傾斜角を水平より約2
0°以上(傾斜平板でも同様)、凸面板の場合は曲率半
径を約23mm以下にすれば、上方から落下した水滴1
8は小さな水滴18のまま速やかに両端(下流端)に移
動する。従って、両端に達するときは移動速度が大きく
なり水滴18の大部分はそのまま落下しやすくなる。ま
た、両端に保持されても、他の水滴と合体してやや大き
くなると落下するという傾向が強くなり、排水性が良好
になる。上記の範囲外では、表面張力の作用が重力に勝
って、水滴18は上部カバー17の中央や両端に大きく
なるまで保持されるので排水性は低くなる。
【0084】排水性の傾向を説明した図21からわかる
ように(縦軸は水滴の滞留時間で短い方が排水性が良好
なことを意味する)、このような上部カバー17の排水
性は上記のような傾斜角の下限値及び曲率半径の上限値
付近で急激に変化するので、20°以上の角度や23m
m以下の半径にすれば、実用上は十分な排水性が保たれ
る。上記のしきい値は撥水性等の表面処理で変わるが、
カバ−の温度上昇や汚れに対する耐久性の点で実用的で
なくそのような表面処理は行わないのが一般的なため、
上部カバー17の排水性の実用的なしきい値としては上
記のままでよい。 なお、傾斜角の上限値及び曲率半径
の下限値については、既に述べたように、ヒータカバー
の寸法的な制約から、それぞれ60°と10mmに決まっ
てくる。
【0085】また、上部カバー17の水滴18の排水方
向の下流端の形状については、以下のことがわかった。
【0086】下流端を折り曲げない場合や下流端を浅く
折り曲げてカバー下面の外側にくるようにした場合で
は、上部から移動してきた水滴18が下流端でかなり大
きくなるまで保持されて残る。これに対し、下流端を深
く内方に折り曲げてカバー下面の内側にくるようにした
場合では、水滴18は下流端で吊り下げられる形で保持
されるので落下しやすく、残る水滴18も小さなものに
限られる傾向がある。従って、後者の方が保水性が低
く、排水性としては良好であることがわかった。
【0087】これらの排水性向上に有効な全体形状と下
端の形状は上部カバーばかりでなく、既に述べたよう
に、下部カバーや箱状カバーの底板部でも明らかに同様
な効果をもつと考えられる。
【0088】また、上部カバー17の上端の形状につい
ては、以下のことがわかった。
【0089】上端を折り曲げない場合や上端を深く折り
曲げてカバー下面の内側にくるようにした場合では、上
端に落下した水滴18は下面を伝わるか上端から離れる
時に内側に回り込むためにカバー下面の内側に落下する
のに対し、上端を浅く折り曲げてカバー下面の外側にく
るようにした場合では、上端から離れる時にはやや外向
きになるためにカバー下面の外側に落下する傾向があ
る。従って、傾斜面を構成する場合、後者のような上端
の折り曲げが除霜ヒータへの除霜水の落下防止には有効
であることがわかった。従来の冷蔵庫では上部カバ−が
上端をもつ断面形状の例はない。
【0090】以上のような観察実験で得られた排水性向
上のための構造を上部カバーや下部カバーや箱状カバー
の底板部に採用することや、既に述べた高温になりにく
い上部カバーの構造を採用することにより、既に示した
損失となる電力量のうちの・の損失に対してかなり
有効な対策を行うことができる。特に、上部カバーへの
対策はの損失を大幅に減らせる可能性があり最も有効
であると考えられる。
【0091】・の損失に関連して、水受けはその底
面に除霜水が付着・滞留しやすく、水受け表面からの伝
導や高温となる部材からの放射によって、除霜水は加熱
されやすい状態にある。従来の冷蔵庫の水受けの底面の
傾斜は十分でなく(本発明のように底面の大部分が長手
方向に直角な断面を20°以上傾斜させたものはな
い)、従って排水性はかなり低い構造になっていた。
【0092】このことと上記のヒータカバーの上部カバ
ーの排水状態の観察実験の結果から、水受けの底面を長
手方向に直角な断面が水平より20°以上傾斜した単独
又は複数の平面で構成すること(断面内の最低部が中央
や一方に偏った位置にくることで逆山形平面や傾斜平面
になる)が考えられる。このような断面形状であれば、
水滴として水受けに落下した除霜水は底面の最低部にす
ぐに移動し、そこで同様に集められた他の水滴と合体
し、大きくなって速やかに排水口に流れ込み排除され
る。水受けの底面の場合、既に述べたように、寸法的な
制約が異なるために傾斜角の上限値は特に制限の必要が
ない。このとき、各断面の最低部は樋状に排水口に連な
るが、その部分の傾斜は水滴が大きく流動しやすいため
従来どおりに緩やかでよい。従って、不必要な加熱を受
けることが少なくなる。このような水受けの改善は、そ
の表面はあまり高温にならないため、主にの損失に対
して有効な対策となる。
【0093】既に示した損失となる電力量のうち「蒸
発器の加熱分」と「蒸発器内の冷媒の加熱分」につい
ては、蒸発器は熱を与えるべき霜が付着している対象で
あり、蒸発器内の冷媒は蒸発器の配管構成(縦置きの蛇
行管で冷媒は上部で流入・流出が行われる形式)から除
霜開始時に管内に溜まりやすいことから、除霜時に霜と
共に加熱してしまうのは避けられない。また、蒸発器で
は熱交換器としての性能重視の点から除霜特性のための
構造変更が制限されることからも、この・の損失と
なる電力量については低減のための有効な対策はあまり
考えられない。
【0094】既に示した損失となる電力量のうちの「
冷却ダクト・水受けの加熱分」については、既に示した
試算の結果では除霜に有効な電力量よりやや小さいが全
体の電力量の中で大きな比率を占めるものであり、その
低減のための対策は重要である。従来の冷蔵庫でのの
損失への対策としては、冷却ダクト及び水受けの表面の
大部分に熱線反射用シート材を密着させて設置すると共
に、表面を熱伝導率の低い樹脂製(両部品は内箱や区画
部材の単独・複合構造であるが、表面は強度・精度等の
点から樹脂にするのが一般的)にすることが行われてい
る。
【0095】これらのうち、前者の対策は表面の放射に
よる加熱を少なくするものであり、既に述べたように、
熱線反射用シート材による熱線の反射率は十分高く水受
けの底面以外は除霜水で濡れて反射率が低下することも
少ないため、従来以上に改善する余地は少ないと考えら
れる。一方、後者の対策は放射や対流により表面に熱が
伝えられても熱伝導を抑えて表面付近の加熱を少なくす
るものであり、表面の材料である樹脂の熱伝導率は0.
2W/m2K程度(ポリプロピレンの値)であるが一般
的な断熱材ではその1/5〜1/10の値(スチロフォ
ームが0.036W/m2K、発泡ウレタンが0.01
8W/m2K)であり、このような断熱材が利用できる
のならば改善が可能である。
【0096】実用性の点から冷却ダクト及び水受けの表
面の材質は従来どおり樹脂にしながら表面付近だけ熱伝
導率を低くするには、上記のような断熱材を薄板状の断
熱用シート材にした上で熱線反射用シート材に裏打ちし
た構造か熱線反射用シート材で被覆した構造の複合断熱
部材とし、従来の熱線反射用シート材のように両部品の
表面に密着させて設置することが考えられる。このよう
な改善構造は、両部品の加熱される領域が表面付近に限
られるため断熱用シート材が2〜3mm程度の厚さで効
果があることから可能となるものであり、表面の加熱量
は断熱用シート材の熱伝導率にほぼ比例して減少すると
考えられ、これを採用することでの損失に対して有効
な対策を行うことができる。
【0097】以上の検討により、損失となる電力量の各
項目の低減の可能性と具体的な対策が明らかになった
が、対策の改善効果を定量的に確認するため、最も有効
な対策となるヒータカバーの上部カバーの改善構造につ
いて、冷蔵庫の除霜状態を模擬したモデル実験を行っ
た。
【0098】除霜のモデル実験の方法としては、冷気ダ
クト以外の部品は実際の350Lの冷蔵庫のものを、冷
気ダクトはスチロフォーム板を使用して蒸発器周辺だけ
のモデルを構成し、蒸発器に冷蔵庫の通常運転のように
冷媒と冷気を供給して着霜させた上で、モデルを密閉し
た状態で除霜ヒータに通電して除霜し、除霜中の各部分
の温度や除霜水量の時間変化を測定するようにした。供
試したヒータカバーの上部カバーの仕様は、図22に示
す3種類である。これらのうち、「従来型」は実際の冷
蔵庫に採用されているもので、断面が水平平板で両端を
浅く折り曲げた形状のものである。一方、「改良型A」
は既に示した・の損失への対策の中から排水性を向
上する構造を採用した上部カバー形状(断面を山形平板
の全体形状とすると共に下端を深く折り曲げたもの)と
したものである。また、「改良型B」は・の損失へ
の対策の中から排水性向上とカバーの高温化防止のため
の構造を併用した上部カバー形状(断面を全長の中央を
傾斜平板、残りを山形平板の全体形状とすると共に下端
を深く折り曲げたもの)としたものである。
【0099】上記の改良型の上部カバーを除霜時の伝熱
状態の点から特徴付けると、「改良型A」は「従来型」
に比べ対流より放射による伝熱を強化したもの(熱線の
反射方向や暖気が滞留しやすい形状のため)であり、
「改良型B」は放射より対流による伝熱を強化したもの
であるといえる。
【0100】各改良型の上部カバーを用いたモデル実験
で測定された除霜特性として、上部カバー温度と除霜水
量比(最終除霜水量で除した除霜水量)の時間変化を
「従来型」と比較しながら、図23,図24に示す。
【0101】図23の「改良型A」では、「従来型」に
比べカバーの排水性が向上すると共に、カバーの高温化
により放射伝熱がやや強化されるという特徴から、蒸発
器下部が除霜される除霜前半は除霜時間(同一の除霜水
量比で評価)がかなり短縮されるが、除霜後半は蒸発器
上部への放射伝熱が有効でなく損失が現れやすくなるこ
とから差はやや小さくなっている。このとき、「従来
型」に比べた最終的な除霜時間の短縮は約11%になっ
ている。
【0102】また図24の「改良型B」では、「従来
型」に比べてもカバー温度が低く(最後に急上昇してい
るのは除霜終了のためで、除霜中はほぼ一様に低温であ
る)、カバーの排水性も良いために除霜水の加熱・蒸発
等による損失が現れにくい。また、蒸発器のどの部分の
霜に対しても対流で効率良く伝熱されることから、除霜
の進行と共に除霜時間が大幅に短縮される。このとき、
「従来型」に比べた最終的な除霜時間の短縮は約17%
と最も大きくなっている。
【0103】この「改良型B」では、傾斜平板となって
いる部分、即ち対流伝熱のための暖気を放出する部分は
長手方向の中央で冷蔵庫本体の背面側に限られている
が、蒸発器内の除霜作用はそれ程背面側だけに偏ること
はなく、特に除霜の後半では蒸発器のほぼ同一高さの平
面内で起こることを確認している。もし、蒸発器の着霜
分布に偏りがある場合には、暖気の放出を着霜量の多い
部分に集中させた方が除霜特性が良くなることは明らか
である。
【0104】以上の実験結果から、「改良型A」のよう
に、既に示した・の損失へのヒータカバーの上部カ
バー等の改善による対策の中で、排水性向上のための構
造を単独(この場合、同時に対流より放射が主体の伝熱
となっている)か、「改良型B」のように、カバーの高
温化防止のための構造を併用の形で採用した場合に除霜
特性が大きく向上し、より有効な対策が可能になること
がわかる。
【0105】以下に、図面を用いて、本発明の具体的な
実施例を説明する。本発明の冷蔵庫の第1の構成につい
て説明する。本構成は、冷蔵庫の除霜ヒータのヒータカ
バーにおいて、その上部カバーの除霜水が排出される方
向の下流端を鉛直面よりも深く折り曲げ、また除霜ヒー
タの軸に直角なその断面が、斜面の傾斜角が水平より2
0°以上60°以下の山形平板か、曲率半径が10mm
以上23mm以下の上に凸な曲面板となるようにしたも
のである。
【0106】図1は、本構成における冷蔵庫の第1の実
施例を示す冷蔵庫側方から見た断面図である。図2は図
1の冷蔵庫における除霜ヒータのヒータカバーの上部カ
バーの斜視図(II−II矢視断面図も含む)であり、図3
は本構成における第2の実施例での上部カバーの斜視図
(III−III矢視断面図も含む)である。
【0107】図1において、蒸発器1の下方に除霜ヒー
タ10が配置され、除霜ヒータ10の周囲にはヒータカ
バー11が配置される。除霜ヒータ10及びヒータカバ
ー11の下方には水受け6の底面があり、上方から落ち
てくる除霜水の水滴を集めて、庫外に排出するようにな
っている。また、図1において、除霜ヒータ10及びヒ
ータカバー11の長手方向は除霜ヒータの軸方向と一致
する。
【0108】図1においては、ヒータカバー11は本発
明の特徴を有する上部カバー17と箱状カバーの底板部
22を備えて構成されている。本実施例では図1に示し
た形状の上部カバー17と底板部22を用いているが、
本発明の特徴を有するその他の形状の上部カバー、下部
カバー、箱状カバーの底板部等を図1の除霜ヒータ10
の周囲に単独又は複数を組合わせて適用することもでき
る。
【0109】第1の実施例の本構成の上部カバーの詳細
について、図2を用いて説明する。本実施例では上部カ
バー17を山形平板で構成しており、除霜ヒータ10の
軸に直角な断面を、斜面の傾斜角度が水平より20°以
上60°以下の山形にしたものである。そしてさらに、
上部カバー17の除霜水の流れる面の下流端に鉛直面よ
りも深く折り曲げた形状のスカート部19が形成されて
いる。
【0110】第1の構成における第2の実施例では、上
部カバー17を曲率半径が10mm以上23mm以下の
上に凸な曲面板にしたもので、上部カバー17の下流端
には第1の実施例と同様なスカート部19が形成されて
いる。
【0111】既に示した上部カバーの排水状態の観察実
験や除霜のモデル実験から、これらの第1の構成の冷蔵
庫では、従来のものより、除霜時に上部カバーの排水性
を向上させながら放射伝熱もやや強化する効果があり、
結果として除霜水の不必要な加熱・蒸発等による損失が
少なくなると共に、霜への伝熱も放射が主体となってあ
る程度まで効率良く行われるために、全体として除霜特
性を向上させることができる。
【0112】次に、本発明の第2の構成の冷蔵庫につい
て、図4ないし6を用いて、説明する。図4ないし図6
は、本構成での冷蔵庫における除霜ヒータのヒータカバ
ーの上部カバーの第1ないし第3の実施例の斜視図であ
る。図4ないし図6には、それぞれIV−IV矢視断面図、
V−V矢視断面図、VI−VI矢視断面図を併せて示す。
【0113】図4に示す本構成の第1の実施例は、上部
カバー17を、除霜ヒータ10の軸に直角な断面が一方
向に単調に傾斜した傾斜平板で構成したものである。
【0114】図5に示す本構成の第2の実施例は、上部
カバー17を、中央が高くなるように2枚の板材を組合
わせ、2枚の板材の間に隙間を設けるようにした傾斜平
板群で構成したものである。このとき、一方の傾斜平板
の上端が他方の傾斜平板の上端の上方にせり出すように
して、上方から落ちてくる除霜水が前記隙間から浸入し
て、除霜ヒータ10に接触することを防止している。
【0115】図6に示す本構成の第3の実施例は、上部
カバー17を、除霜ヒータ10の軸に直角な断面が山形
になるような1枚の板材に成形し、さらにその頂上部に
一方の斜面の上端が他方の斜面の上端を覆うようにして
傾斜角度が90°以上となるオーバーハング面61を形
成し、そのオーバーハング面61に開口を設けるように
した開口山形平板としたものである。オーバーハング面
61に開口を設けることにより、除霜水の前記開口から
の浸入を防止することができる。
【0116】また、図4ないし図6に示した実施例で
は、各斜面が水平より20°以上60°以下の角度を持って
傾斜するようにし、上部カバー17の除霜水の下流端に
は内側に深く折り曲げたスカート部19を設けている。
また、上部カバー17の上端20は下面の外側にくるよ
うに浅く折り曲げている。これは、上部カバー17の上
端から上部カバー17の下面に、除霜水が回り込むのを
防止するためである。
【0117】また、図5の実施例では、スカート部19
を除く斜面の主要部分が平面でなく全体として偏平な曲
面になっている。この場合でも、前記偏平な曲面を平均
して得られる等価的な平面が、上記の傾斜角条件を満足
していれば排水性向上や高温化防止等の効果は同等に得
られる。また、本実施例において、上記傾斜角を有する
平板を適用してもよい。
【0118】これらの第2の構成の冷蔵庫においては、
従来のものより、除霜時に上部カバーの排水性向上と高
温化防止をしながら対流伝熱も強化する効果があり、結
果として除霜水の不必要な加熱・蒸発等による損失が少
なくなると共に、霜への伝熱も対流が主体となって効率
良く行われるために、全体として除霜特性を向上させる
ことができる。また、本構成の実施例で、上部カバー
が、傾斜平板群や開口山形平板の場合には、暖気の放出
が中央の開口又は隙間から行われるため、傾斜平板のよ
うに偏って放出されるものより対流伝熱が同等以上に強
化されて、除霜特性がさらに向上すると考えられる。
【0119】次に、本発明の第3の構成の冷蔵庫につい
て、図7を用いて説明する。図7には、第3の構成の冷
蔵庫における除霜ヒータのヒータカバーの上部カバーの
一実施例の斜視図と、VII−VII矢視断面図及びH矢視図
を併せて示す。
【0120】本実施例では、上部カバー17の除霜ヒー
タ10の軸に直角な断面が、カバーの長手方向の中央部
分が傾斜平板、カバーの長手方向の両端部分が山形平板
となるように構成されている。傾斜平板と山形平板の斜
面は水平より20°以上60°以下の角度を持って傾斜して
おり、上部カバー17の除霜水の下流端には内側に折り
曲げたスカート部19が設けられている。
【0121】また、上部カバー17の中央部分の傾斜平
板部では、その上端が下面の外側にくるように浅く折り
曲げられており、傾斜平板部上端から上部カバー17の
下面に除霜水が回り込むのを防止している。
【0122】本実施例に冷蔵庫においては、上部カバー
の排水性向上と高温化防止と共に、既に除霜のモデル実
験で示したように、暖気の放出が偏ることで除霜のため
の対流伝熱が強化されるために、全体として除霜特性が
改善される。また蒸発器の着霜部分に偏りがある場合
は、着霜量の多い部分に暖気を放出して、その部分の除
霜作用を局所的に強化することもできる。
【0123】次に、本発明の第4の構成の冷蔵庫につい
て、図8ないし図10を用いて説明する。
【0124】図8は、図4の実施例において、上部カバ
ー17を1枚の板材の折り曲げによって2重板化した実
施例の冷蔵庫の、上部カバー17の断面図である。ま
た、図9は、図4の実施例において、上部カバー17を
2枚の板材を上下に配置して2重板化した実施例の冷蔵
庫の同様な断面図である。図10は同様に図6の実施例
で1枚の板材の折り曲げにより2重板化した実施例の冷
蔵庫の同様な断面図である。
【0125】本構成の冷蔵庫においては、2重板化した
上部カバー17の上部に位置する板材81は除霜水の流
路として機能し、下部に位置する板材82は除霜ヒータ
10から放射で除霜水の流路となる上部の板材が直接加
熱されることを防止するように機能する。この意味で、
上部の板材81は導水部(板)であり、下部の板材82
は(熱線の)遮蔽板である。本構成の上部カバー17を
別の見方をすれば、上部カバー17と除霜ヒータ10の
間に遮蔽板を設けたものとすることができる。
【0126】従って、本構成の冷蔵庫においては、上部
カバーが傾斜平板等であることによる排水性向上と高温
化防止の効果と共に、2重板化によりさらに上部カバー
の、前記導水部(板)の高温化を防止の効果が加わるた
め、上部カバーでの除霜水の加熱・蒸発による損失が少
なくなり、全体として除霜特性を向上させることができ
る。
【0127】次に、本発明の第5の構成の冷蔵庫につい
て、図11ないし図13を用いて説明する。
【0128】図11ないし図13には、第5の構成の第
1ないし第3の実施例の冷蔵庫における、ヒータカバー
11の下部カバーまたは箱状カバーの底板部(後者の場
合、図には箱状カバー全体を示す)斜視図を示す。第1
及び第3の実施例は下部カバーに関するものであり、第
2の実施例は箱状カバーの底板部に関するものである。
また、図11ないし図13には、それぞれXI矢視面の断
面図,XII−XII矢視断面図,XIII−XIII矢視断面図を併
せて示す。
【0129】第1の実施例の冷蔵庫では、下部カバー2
1の除霜ヒータ10の軸に直角な断面を、中央が低い逆
山形とし、前記中央に開口をもつ開口逆山形平板にして
いる。また、第2の実施例の冷蔵庫では、底板部22の
除霜ヒータ10の軸に直角な断面を、中央の高い山形で
両端に開口をもつ山形平板にしている。第3の実施例の
冷蔵庫では、下部カバー21の除霜ヒータ10の軸に直
角な断面を、中央が低い逆山形となるように、逆方向の
傾斜を持つ2枚の板材を組み合わせ、前記2枚の板材の
間に隙間を設けた逆傾斜平板群にしている。
【0130】上記の第1ないし第3の実施例の冷蔵庫の
下部カバー21又は箱状カバーの底板部22において
は、除霜水の下流端は下部カバー21又は底板部22に
設けられた開口又は隙間によって形成されている。ま
た、いずれの実施例においても、各平板の斜面が水平よ
り20°以上60°以下の傾斜角を持つようにし、下部
カバー21又は底板部22の除霜水の下流端には、除霜
水の流れる面が鉛直よりも深い角度に曲げられたスカー
ト部19を設けている。
【0131】また、本構成の第3の実施例では、下部カ
バー21が曲面板であり、両端の折り曲げ部を除いた部
分が平板でなく全体として偏平な曲面板になっている
が、この曲面板の平均的な等価平面の傾斜角について
は、図5の実施例と同様に考えることができる。また、
本実施例において、上記傾斜角を持つ平板を使用しても
良い。
【0132】本構成の冷蔵庫においては、下部カバー又
は箱状カバーの底板部において、従来のものより除霜時
の排水性を向上させた構造になっており、結果として除
霜水の不必要な加熱等による損失が少なくなり、全体と
して除霜特性を向上させることができる。
【0133】除霜特性を向上して除霜に伴う消費電力を
低減するという本発明の目的に関連して、冷蔵庫の水受
け6の底面にヒータカバーにと同様な斜角(ただし、寸
法の制約がないため角度の上限値は制限しない)を適用
して排水性向上を図った構造としてもよい。
【0134】図14及び図15には、水受けに上記の改
良を行った冷蔵庫の第1および第2の実施例についての
斜視図が示されている。また、図14及び図15には、
それぞれXIV−XIV矢視断面図及びXV−XV矢視断面図を併
せて示す。
【0135】図14の実施例の冷蔵庫では、水受け6の
底面23の除霜ヒータ10の軸に直角な断面を、中央が
低い逆山形平面になるようにしている。また、図15の
実施例の冷蔵庫では、同様な断面を、一方向に単調に傾
斜した傾斜平面になるようにしている。また、両実施例
の水受け6の底面の斜面の傾斜角は水平より20°以上
となるようにしている。
【0136】水受けの底面を上記のような構造にするこ
とにより、除霜水の排水性を向上させて、水受け部にお
ける除霜水の余分な加熱を抑制することができ、全体と
して除霜特性が向上する。
【0137】また、除霜特性を向上して除霜に伴なう消
費電力を低減するという本発明の目的に関連して、除霜
時に冷気ダクトと水受けの表面が極力加熱されないよう
に、冷気ダクトと水受けの側面及び底面の一部あるいは
全部に、熱線反射用シート材と断熱用シート材を組合わ
せた複合断熱部材を密着させて設置してもよい。
【0138】図16は、上記の改良を行った冷蔵庫の一
実施例について、蒸発器周辺を冷蔵庫箱体の側方から見
た断面図である。蒸発器1の下部と除霜ヒータ10の側
方とに相当する冷気ダクト5と水受け6の壁面には、熱
線反射用シート材に断熱用シート材を裏打ちした構造の
複合断熱部材24が、密着させて設置されている。
【0139】断熱用シート材を組み合わせることによ
り、従来の熱線反射用シート材だけの場合より、冷気ダ
クトと水受けの各表面近くの断熱性が向上し、結果とし
て冷気ダクトと水受けの表面の不必要な加熱による損失
を抑制することができる。また、冷気ダクトと水受けの
表面の不必要な加熱を抑制することは、それらの表面に
付着、排出される除霜水の加熱を抑制することにもな
る。以上のように、上記のような改良を行った冷蔵庫に
おいては、冷気ダクトと水受けの加熱が抑制されること
等により、全体として除霜特性を向上させることができ
る。
【0140】本発明の各実施例の冷蔵庫におけるヒータ
カバーや水受け等の斜面は、既に示した図5及び図15
の実施例のヒータカバーのように、斜面の両端を除いた
主要部分が全体として偏平であると共に、局所的に傾斜
が変わらないような曲面であれば、平面の場合と同様な
排水性向上の効果を得ることができる。
【0141】また、本発明の各実施例で示した上部カバ
ー、下部カバー又は箱状カバーの底板部、水受け等を適
当に組み合わせることにより、除霜水の加熱をさらに抑
制することができる。また、複合断熱部材を併せて用い
れば、冷気ダクト及び水受け部の加熱を抑制することが
できるので、さらに効果的である。
【0142】このような実施例として、図17に、図1
6の複合断熱部材24、上述の本発明におけるヒータカ
バー及び水受け6を組み合わせて適用した冷蔵庫の蒸発
器1の周辺を、冷蔵庫の側方から見た断面図である。こ
の実施例では、既に示した図4の上部カバー17、図1
2の下部カバー22、図15の水受け6の底面23、及
び図16に示した複合断熱部材24とが適用されてい
る。
【0143】以上に示したように、本発明の各構成要素
を単独又は適正に組み合わせて冷蔵庫に適用することに
より、除霜水の余分な加熱又は蒸発を抑制すること等が
できるようになるので、除霜に伴ない損失となる電力量
を少なくすることができる。従って、除霜特性の向上、
即ち除霜を短時間で効率良く行うことができ、除霜に伴
なう消費電力を低減することが可能となる。
【0144】
【発明の効果】本発明によれば、除霜水の流路を構成す
る部材の排水性を向上させることにより、除霜水の冷気
ダクト又は水受け部における滞留時間を短くすることが
できるので、除霜水の加熱又は蒸発を抑制することがで
きる。
【0145】また、本発明の他の構成によれば、除霜水
の流路の低温化が図れるので、流路において除霜水の加
熱又は蒸発を抑制することができる。
【0146】上記の除霜水の加熱又は蒸発の抑制効果に
よって、本発明では、除霜水の加熱・蒸発に使用される
エネルギ(損失)を低減することができ、除霜特性を向
上することができるため、除霜の短時間化と小消費電力
化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の構成による第1の実施例の冷蔵
庫の、冷蔵庫側方から見た断面図である。
【図2】本発明の第1の構成による第1の実施例の冷蔵
庫についてのヒータカバーの上部カバーの斜視図(断面
図も含む)である。
【図3】本発明の第1の構成による第2の実施例の冷蔵
庫についてのヒータカバーの上部カバーの斜視図(断面
図も含む)である。
【図4】本発明の第2の構成による第1の実施例の冷蔵
庫についてのヒータカバーの上部カバーの斜視図(断面
図も含む)である。
【図5】本発明の第2の構成による第2の実施例の冷蔵
庫についてのヒータカバーの上部カバーの斜視図(断面
図も含む)である。
【図6】本発明の第2の構成による第3の実施例の冷蔵
庫についてのヒータカバーの上部カバーの斜視図(断面
図も含む)である。
【図7】本発明の第3の構成による一実施例の冷蔵庫に
ついてのヒータカバーの上部カバーの斜視図(断面図も
含む)である。
【図8】本発明の第4の構成による第1の実施例の冷蔵
庫についてのヒータカバーの上部カバーの断面図であ
る。
【図9】本発明の第4の構成による第2の実施例の冷蔵
庫についてのヒータカバーの上部カバーの断面図であ
る。
【図10】本発明の第4の構成による第3の実施例の冷
蔵庫についてのヒータカバーの上部カバーの断面図であ
る。
【図11】本発明の第5の構成による第1の実施例の冷
蔵庫についてのヒータカバーの独立した下部カバーの斜
視図(断面図も含む)である。
【図12】本発明の第5の構成による第2の実施例の冷
蔵庫についてのヒータカバーの箱状カバーの斜視図(断
面図も含む)である。
【図13】本発明の第5の構成による第3の実施例の冷
蔵庫についてのヒータカバーの箱状カバーの斜視図(断
面図も含む)である。
【図14】本発明と同じ目的の改良を行った冷蔵庫の水
受けの一実施例の斜視図(断面図も含む)である。
【図15】本発明と同じ目的の改良を行った冷蔵庫の水
受けの一実施例の斜視図(断面図も含む)である。
【図16】本発明と同じ目的の改良を行った冷蔵庫の蒸
発器周辺を冷蔵庫の側方から見た断面図である。
【図17】本発明の構成の適用と本発明と同じ目的の改
良を複数行った冷蔵庫の蒸発器周辺を冷蔵庫の側方から
見た断面図である。
【図18】ヒータカバーの上部カバーの下端の形状によ
る保水性の違いに関する観察実験結果を説明した図であ
る。
【図19】ヒータカバーの上部カバー全体の傾斜角・曲
率半径を変えた場合の排水性の変化の状況を説明した図
である。
【図20】ヒータカバーの上部カバーの上端の形状によ
る水滴の落下方向の違いに関する観察実験結果を説明し
た図である。
【図21】ヒータカバーの上部カバーの全体形状による
排水性の違いに関する観察実験結果を説明した図であ
る。
【図22】除霜のモデル実験に使用したヒータカバーの
上部カバーの仕様を示した図である。
【図23】除霜のモデル実験での改良型Aの上部カバー
の場合の除霜特性を示した図である。
【図24】除霜のモデル実験での改良型Bの上部カバー
の場合の除霜特性を示した図である。
【図25】従来の冷蔵庫についての蒸発器を含む本体部
分の側方から見た断面図である。
【図26】従来の冷蔵庫についての蒸発器を含む本体部
分の正面から見た断面図である。
【図27】従来の冷蔵庫において、除霜時の伝熱・除霜
水の状態を示した蒸発器周辺の側方から見た部分断面図
である。
【符号の説明】
1…蒸発器、5…冷気ダクト、6…水受け、10…除霜
ヒータ、11…ヒータカバー、17…上部カバー、21
…下部カバー、22…(箱状カバーの)底板部、23…
(水受けの)底面、24…複合断熱部材。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置される
    除霜ヒータと、前記除霜ヒータの周囲に設けられるヒー
    タカバーとを備えた冷蔵庫において、 前記除霜ヒータの上方又は下方に位置する前記ヒータカ
    バーが、除霜水の下流端に、除霜水の流れる面を鉛直面
    よりも深い角度に折り曲げたスカート部を有する、一つ
    又は複数の傾斜した平板又は曲面板で形成されたことを
    特徴とする冷蔵庫。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の冷蔵庫において、前記傾
    斜した平板の斜面を、水平より20°以上60°以下傾斜
    させたことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の冷蔵庫において、前記曲
    面板の曲面を、曲率半径が10mm以上23mm以下
    で、上方に凸な曲面としたことを特徴とする冷蔵庫。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の冷蔵庫において、前記除
    霜ヒータの上方又は下方に位置する前記ヒータカバー
    が、分割された複数の傾斜した平板又は曲面板で形成さ
    れたことを特徴とする冷蔵庫。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の冷蔵庫において、前記除
    霜ヒータの上方に位置するヒータカバーが、その長手方
    向に沿って、前記長手方向に対する横手方向に単調に傾
    斜した単調傾斜部と、前記横手方向の両端部に向かって
    下降傾斜した山形傾斜部とを設けたことを特徴とする冷
    蔵庫。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の冷蔵庫において、前記除
    霜ヒータの下方に位置する前記ヒータカバーの除霜水の
    下流端が、開口によって形成されることを特徴とする冷
    蔵庫。
  7. 【請求項7】蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置される
    除霜ヒータと、前記除霜ヒータの周囲に設けられるヒー
    タカバーとを備えた冷蔵庫において、 前記除霜ヒータの上方に位置する前記ヒータカバーが、
    一つ又は複数の傾斜した平板又は曲面板で形成された除
    霜水を導く導水部と、前記除霜ヒータからの熱線を遮蔽
    する遮蔽部とから構成されることを特徴とする冷蔵庫。
  8. 【請求項8】蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置される
    除霜ヒータと、前記除霜ヒータの周囲に設けられるヒー
    タカバーとを備えた冷蔵庫において、 前記除霜ヒータの上方に位置する前記ヒータカバーを一
    つ又は複数の傾斜した平板面又は曲面板で形成し、前記
    ヒータカバーと前記除霜ヒータとの間に、熱線を遮蔽す
    る遮蔽板を設けたことを特徴とする冷蔵庫。
  9. 【請求項9】請求項7又は8に記載の冷蔵庫において、
    請求項7又は8にそれぞれ記載の導水部又はヒータカバ
    ーの除霜水の下流端に、除霜水の流れる面を鉛直面より
    も深い角度に折り曲げたスカート部を設けたことを特徴
    とする冷蔵庫。
  10. 【請求項10】蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置され
    る除霜ヒータと、前記除霜ヒータの周囲に設けられるヒ
    ータカバーとを備えた冷蔵庫において、 前記除霜ヒータの上方又は下方に位置する前記ヒータカ
    バーが、斜面の傾斜角が水平より20°以上60°以下
    の一つ又は複数の傾斜した平板で形成されたことを特徴
    とする冷蔵庫。
  11. 【請求項11】蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置され
    る除霜ヒータと、前記除霜ヒータの周囲に設けられるヒ
    ータカバーとを備えた冷蔵庫において、 前記除霜ヒータの上方又は下方に位置する前記ヒータカ
    バーが、曲率半径が10mm以上23mm以下の上に凸
    な曲面を持つ一つ又は複数の曲面板で形成されたことを
    特徴とする冷蔵庫。
  12. 【請求項12】蒸発器と、前記蒸発器の下方に設置され
    る除霜ヒータと、前記除霜ヒータの上方に設けられ、長
    手方向に対する横手方向断面が山形形状で、前記横手方
    向の両端に内側に深く折り曲げたスカート部を有するヒ
    ータカバーとを備えたことを特徴とする冷蔵庫。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017026173A (ja) * 2015-07-16 2017-02-02 シャープ株式会社 冷却システムおよび冷蔵庫
WO2020125446A1 (zh) * 2018-12-20 2020-06-25 青岛海尔电冰箱有限公司 除霜装置

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