JPH08110126A - ステップ流量制御弁 - Google Patents

ステップ流量制御弁

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JPH08110126A
JPH08110126A JP6242751A JP24275194A JPH08110126A JP H08110126 A JPH08110126 A JP H08110126A JP 6242751 A JP6242751 A JP 6242751A JP 24275194 A JP24275194 A JP 24275194A JP H08110126 A JPH08110126 A JP H08110126A
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plunger
valve
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valve body
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Yasuo Komiya
靖雄 小宮
Mineo Kinoshita
峰夫 木下
Tokuji Tanii
吐句児 谷井
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Saginomiya Seisakusho Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造簡単にして四段階の流量制御を高精度に
行うことができるステップ流量制御弁を提供すること。 【構成】 電磁コイル19に通電が行われていない通常
状態時には戻しばね12のばね力により弁体5を最小開
弁位置に位置させ、電磁コイル19に順方向通電が行わ
れることにより弁体5を第一中間開弁位置に位置させ、
電磁コイル19に逆方向通電が行われることにより弁体
を最大開弁位置に位置させ、最大開弁状態にて電磁コイ
ル19に対する逆方向通電を停止することにより第二中
間開弁位置が得られるよう、ヨーク16、永久磁石17
に加えて磁気抵抗付与スペーサ13を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステップ流量制御弁に
関し、特に冷凍サイクルにおいて冷媒の絞り流量制御や
蒸発圧力制御などを四段階に行う四位置型のステップ流
量制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空調装置などの冷凍サイクルにおいて冷
媒の絞り流量制御や蒸発圧力制御などを多段階に行うス
テップ流量制御弁は、実公平2−32945号公報、特
開平3−113183号公報、特開平3−113184
号公報、特開平4−340356号公報に示されてい
る。
【0003】実公平2−32945号公報に示されてい
るステップ流量制御弁は、二つのばねによる二段ばね構
造を使用し、電磁コイルに与える電流値を、零、小、大
の三段階に制御することによって電磁コイルの励磁力と
二段ばね構造によるばね力との平衡関係により、弁体を
全閉位置を含む最小開弁位置と中間開弁位置と最大開弁
位置の三つの位置に択一的に位置させる。特開平3−1
13183号公報、特開平3−113184号公報に示
されているステップ流量制御弁は、リニアステッピング
モータを使用して弁体を多段階に駆動し、多段階に流量
制御を行う。特開平4−340356号公報に示されて
いるステップ流量制御弁は、一つの電磁石と、当該電磁
石の両端部に各々配置された二つの永久磁石と、ばねに
よって互いに離間され各々外周面に所定ピッチで円環状
ランド部(リブ)を有する弁体駆動用の二つのプランジ
ャとを使用し、電磁石に対する通電のオン、オフと通電
方向の反転とにより、所定ピッチづつ弁体を多段階に駆
動し、多段階に流量制御を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】実公平2−32945
号公報に示されているステップ流量制御弁は、構造は簡
単であるが、三位置しか取り得ず、三段階以上の多段に
流量制御を行うことができない。特開平3−11318
3号公報、特開平3−113184号公報に示されてい
るステップ流量制御弁は、三段階以上の多段に流量制御
を行うことができるが、リニアステッピニグモータの使
用により、構造が複雑になり、小型化が難しい。特開平
4−340356号公報に示されているステップ流量制
御弁は、構造簡単にして三段階以上の多段に流量制御を
行うことができるが、しかし、各開度に於ける弁体の位
置は、弁体に作用するばねのばね力と磁力との平衡関係
により決まるため、不安定であり、流量特性にばらつき
が生じ、高精度の流量制御を行うことが難しい。
【0005】本発明は、上述の如き問題点に着目してな
されたものであり、構造簡単にして四段階の流量制御を
高精度に行うことができるステップ流量制御弁を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的を達成す
るため、請求項1に記載の本発明によるステップ流量制
御弁は、弁本体と、前記弁本体に対して軸線方向に移動
することにより弁座部と共働して流量制御を行う弁体
と、前記弁体を閉弁方向へ付勢する戻しばねと、前記弁
体の移動方向に第一の位置と第二の位置との間に移動可
能に配置され第一の位置から第二の位置へ移動すること
により前記弁体を第一のリフト量をもって開弁移動させ
る第一のプランジャと、前記第一のプランジャと前記弁
体の移動方向に同方向に移動可能に配置され前記第一の
プランジャが前記第一の位置に位置している状態にては
前記弁体の移動方向に第三の位置と第四の位置との間に
移動可能で前記第三の位置から前記第四の位置に移動す
ることにより前記弁体を第二のリフト量をもって開弁移
動させ前記第一のプランジャが前記第二の位置に位置し
ている状態にては前記弁体の移動方向に前記第三の位置
と第五の位置との間に移動可能で前記第三の位置より前
記第五の位置に移動することにより前記弁体を前記第一
のリフト量と前記二のリフト量との合計値に等しい第三
のリフト量をもって開弁移動させる第二のプランジャ
と、前記第一のプランジャの前記第二の位置側の端面に
対向して固定配置された吸引子と、一端が前記吸引子に
磁気的に接続されたヨークと、前記第一のプランジャと
前記第二のプランジャとの磁気的吸着を保持し前記第一
のプランジャが前記第一の位置に位置し前記第二のプラ
ンジャが前記第四の位置に位置することにより前記第二
のプランジャを前記第四の位置にラッチする永久磁石
と、第一の方向の通電により前記ヨークを前記永久磁石
の磁極方向とは逆方向の第一の磁極方向に励磁して前記
第一のプランジャのみを前記第二の位置へ駆動し、前記
第一の方向とは反対の第二の方向の通電により前記ヨー
クを前記永久磁石の磁極方向と同方向の第二の磁極方向
に励磁して前記第一のプランジャと前記第二のプランジ
ャとを磁気的に吸着し前記第一のプランジャを前記第二
の位置へ駆動すると共に前記第二のプランジャを前記第
五の位置へ駆動する電磁コイルとを有していることを特
徴としている。前記吸引子と前記第一のプランジャとの
間には磁気抵抗付与スペーサを配置することも有効であ
る(請求項2)。
【0007】このステップ流量制御弁においては、前記
永久磁石は前記第一のプランジャと第二のプランジャと
の配置境界部に対応する位置に配置され、一方の磁極面
を前記ヨークの他端に磁気接続されていてよく、また前
記永久磁石の他方の磁極面に磁極片部材が磁気的に接続
され、前記磁極片部材は第二のプランジャを取り囲むエ
クステンション部を有してよい。
【0008】また、上述の如き目的を達成するため、請
求項5に記載の本発明によるステップ流量制御弁は、弁
本体と、前記弁本体に対して軸線方向に移動することに
より弁座部と共働して流量制御を行う弁体と、前記弁体
を閉弁方向へ付勢する戻しばねと、前記弁体の移動方向
に第一の位置と第二の位置との間に移動可能に配置さ
れ、第一の位置から第二の位置へ移動することにより前
記弁体を第一のリフト量をもって開弁移動させる第一の
プランジャと、前記第一のプランジャと前記弁体の移動
方向に同方向に移動可能に配置され前記第一のプランジ
ャが前記第一の位置に位置している状態にては前記弁体
の移動方向に第三の位置と第四の位置との間に移動可能
で前記第三の位置より前記第四の位置に移動することに
より前記弁体を第二のリフト量をもって開弁移動させ前
記第一のプランジャが前記第二の位置に位置している状
態にては前記弁体の移動方向に前記第三の位置と第五の
位置との間に移動可能で、前記第三の位置より前記第五
の位置に移動することにより前記弁体を前記第一のリフ
ト量と前記二のリフト量との合計値に等しい第三のリフ
ト量をもって開弁移動させる第二のプランジャと、前記
第一のプランジャの前記第二の位置側の端面に対向して
固定配置された吸引子と、一端がプランジャ保持チュー
ブを介して前記第一のプランジャの第二の位置側に磁気
的に接続されたヨークと、前記第一のプランジャと吸引
子との磁気的吸着を保持し前記第一のプランジャを前記
第二の位置にラッチする永久磁石と、第一の方向の通電
により前記ヨークを前記永久磁石の磁極方向とは逆方向
の第一の磁極方向に励磁して前記第二のプランジャのみ
を前記第四の位置へ駆動し前記第一の方向とは反対の第
二の方向の通電により前記ヨークを前記永久磁石の磁極
方向と同方向の第二の磁極方向に励磁して前記第一のプ
ランジャと前記第二のプランジャとを磁気的に吸着し前
記第一のプランジャを前記第二の位置へ駆動すると共に
前記第二のプランジャを前記第五の位置へ駆動する電磁
コイルとを有していることを特徴としている。前記吸引
子と前記第一のプランジャとの間には請求項2の場合と
同様に磁気抵抗付与スペーサを配置することも有効であ
る(請求項6)。
【0009】前記第一のプランジャと前記第二のプラン
ジャとの間に配置された磁気抵抗付与スペーサと、この
ステップ流量制御弁においては、前記永久磁石は前記ヨ
ークの一端と前記吸引子との間に前記磁極片部材を介し
て磁気接続状態で配置されていてよく、また前記ヨーク
の他端には第二のプランジャを取り囲むエクステンショ
ン部が形成されていてよい。
【0010】上述の何れのステップ流量制御弁も、前記
第一のプランジャの前記第一の位置と前記第二のプラン
ジャの前記第三の位置は各々、各プランジャが位置決め
ストッパに当接することより設定され、前記第一のプラ
ンジャの前記第二の位置は第一のプランジャが吸引子に
直接あるいは磁気抵抗付与スペーサを挟んで当接するこ
とにより設定され、前記第二のプランジャの前記第四の
位置および第五の位置は各々前記第二のプランジャが前
記第一のプランジャに直接あるいは磁気抵抗付与スペー
スを挟んで当接することにより設定されることを特徴と
している。また上述の何れのステップ流量制御弁も、前
記第一のリフト量が前記第二のリフト量より小さいこ
と、あるいは大きいことを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1および請求項2に記載のステップ流量
制御弁においては、電磁コイルに通電が行われていない
通常状態時には、戻しばねのばね力により弁体は最小開
弁位置である第一の開度位置に位置する。電磁コイルに
第一の方向の通電が行われると、第一のプランジャが第
二の位置へ移動し、弁体が第一のリフト量をもって開弁
する。電磁コイルに第二の方向の通電が行われると、第
一のプランジャと第二のプランジャとが磁気的に吸着
し、第一のプランジャが第二の位置へ移動すると共に第
二のプランジャが第五の位置へ移動する。これにより弁
体が第一のリフト量と二のリフト量との合計値に等しい
第三のリフト量をもって開弁する。
【0012】上記第三のリフト量で開弁した状態におい
て、磁気抵抗付与スペーサを備えていない場合には、電
磁コイルに対する通電を第二の方向から第一の方向に切
り換えると、吸引子と第一のプランジャ間の吸着力(F
1 )、および第一のプランジャと第二のプランジャ間の
吸着力(F2 )は共に減少する。しかし、F1 <F2
関係にあるから、F1 <FS <F2 (ただし、FS は前
記戻しばねのばね力)となるような電圧を印加すると、
永久磁石の磁気作用によって第一のプランジャと第二の
プランジャとが互いに磁気吸着した状態を維持しなが
ら、第一のプランジャと吸引子間の磁気的吸着が解除さ
れて、第一のプランジャは第一の位置に戻る。これによ
り第二のプランジャが第四の位置に位置し、第二のプラ
ンジャは永久磁石によりこの第四の位置にラッチされ
る。この時には弁体が第二のリフト量をもって開弁す
る。一方、磁気抵抗付与スペーサを備えている場合に
は、上記第三のリフト量で開弁した状態において、電磁
コイルに対する第二の方向の通電が停止されると、上記
と同様に第一と第二のプランジャが永久磁石の磁気作用
によって磁気吸着した状態で磁気抵抗付与スペーサによ
る磁気抵抗付与により第一のプランジャと吸引子との磁
気的吸着が解除され、第一のプランジャが第一の位置に
戻る。このように、磁気抵抗付与スペーサの有無によ
り、電磁コイルに対する第二の方向の通電を停止する
か、あるいは通電を第二の方向から第一の方向に切り換
えることにより、第二のプランジャは第四の位置にラッ
チされ、弁体は第二のリフト量をもって開弁した状態と
なる。
【0013】請求項5および請求項6に記載のステップ
流量制御弁においては、電磁コイルに通電が行われてい
ない通常状態時には、戻しばねのばね力により弁体は最
小開弁位置である第一の開度位置に位置する。電磁コイ
ルに第一の方向の通電が行われると、第二のプランジャ
が第四の位置へ移動し、弁体が第二のリフト量をもって
開弁する。電磁コイルに第二の方向の通電が行われる
と、第一のプランジャと第二のプランジャとが磁気的に
吸着し、第一のプランジャが第二の位置へ移動すると共
に第二のプランジャが第五の位置へ移動する。これによ
り弁体は第一のリフト量と二のリフト量との合計値に等
しい第三のリフト量をもって開弁する。
【0014】上記第三のリフト量で開弁した状態におい
て、磁気抵抗付与スペーサを備えていない場合には、電
磁コイルに対する通電を第二の方向から第一の方向に切
り換えると、吸引子と第一のプランジャ間の吸着力(F
1 ′)、および第一のプランジャと第二のプランジャ間
の吸着力(F2 ′)は共に減少する。しかし、F1 ′>
2 ′の関係にあるから、F1 ′>FS ′>F2 ′(た
だし、FS ′は前記戻しばねのばね力)となるような電
圧を印加すると、永久磁石の磁気作用によって第一のプ
ランジャと吸引子とが互いに磁気吸着した状態を維持し
ながら、第一のプランジャと第二のプランジャ間の磁気
的吸着が解除されて、第二のプランジャが第三の位置に
戻る。これにより第一プランジャが第二の位置に位置
し、第一のプランジャは永久磁石によりこの第二の位置
にラッチされる。この時には弁体が第一のリフト量をも
って開弁する。一方、磁気抵抗付与スペーサを備えてい
る場合には、上記第三のリフト量で開弁した状態におい
て、電磁コイルに対する第二の方向の通電が停止される
と、上記と同様に永久磁石の磁気作用によって第一のプ
ランジャと吸引子とが磁気的に吸着した状態で、磁気抵
抗付与スペーサによる磁気抵抗付与により第一のプラン
ジャと第二のプランジャとの磁気的吸着が解除され、第
二のプランジャが第三の位置に戻る。このように、磁気
抵抗付与スペーサの有無により、電磁コイルに対する第
二の方向の通電を停止するか、あるいは通電を第二の方
向から第一の方向に切り換えることにより、第一のプラ
ンジャは第二の位置にラッチされ、弁体は第一のリフト
量をもって開弁した状態となる。
【0015】
【実施例】以下に添付の図を参照して本発明を実施例に
ついて詳細に説明する。 図1〜図4は本発明によるス
テップ流量制御弁の第一実施例を示している。 ステッ
プ流量制御弁は弁本体1を有し、弁本体1には、二つ接
続ポート2、3と、弁座部4とが設けられている。弁本
体1にはニードル状の弁体5が軸線方向(図にて上下方
向)に移動可能に嵌合している。弁体5は、先端部に弁
座部4と共働して流量制御を行う段差による流量設定部
6を有し、図1に示されている最小流量位置(第一の開
度位置)、図2に示されている第一中間流量位置(第二
の開度位置)、図3に示されている第二中間流量位置
(第三の開度位置)および図4に示されている最大流量
位置(第四の開度位置)との間で往復移動する。
【0016】弁本体1にはプランジャ保持チューブ7が
弁体5の軸線方向と同方向に固定装着されており、プラ
ンジャ保持チューブ7の中心部には弁体5のステム部5
aが延在している。プランジャ保持チューブ7内には中
空構造の上部プランジャ(第一のプランジャ)9と下部
プランジャ(第二のプランジャ)10とが弁体5の移動
方向に互いに直列に移動可能に嵌合装填されている。プ
ランジャ保持チューブ7の上端部には吸引子11が固定
装着されており、吸引子11の下底面は上部プランジャ
9の上端面に所定間隔をおいて対向している。
【0017】上部プランジャ9の上端面、即ち吸引子1
1の下底面との対向面部には非磁性材(非磁性体)より
なる薄い磁気抵抗付与スペーサ13が配置されている。
吸引子11と弁体5との間には圧縮コイルばねによる戻
しばね12が設けられており、戻しばね12は、弁体5
を図にて下方、即ち最小流量位置(全閉位置)へ向けて
付勢している。
【0018】上部プランジャ9は、図1に示されている
ようにプランジャ保持チューブ7内に固定配置されたス
トッパリング14と当接する降下位置(第一の位置)
と、図2に示されているように磁気抵抗付与スペーサ1
3を挟んで吸引子11と当接する上昇位置(第二の位
置)との間に移動可能であり、この降下位置と上昇位置
との間の移動量が第一のリフト量T1 を設定する。
【0019】下部プランジャ10は図1に示されている
ように弁本体1により与えられるストッパ面部1aと当
接する降下位置(第三の位置)と、図3に示されている
ように降下位置に位置している上部プランジャ9と当接
する中間上昇位置(第四の位置)を経て、図4に示され
ているように上昇位置に位置している上部プランジャ9
と当接する最上昇位置(第五の位置)との間に移動可能
である。この下部プランジャ10の降下位置と中間上昇
位置との間の移動量が第二のリフト量T2 を設定する。
この実施例では第一のリフト量T1 は第二のリフト量T
2 の1/2に設定されている。
【0020】下部プランジャ10と上部プランジャ9の
各々の中空部には弁体5のステム部5aが軸線方向に相
対変位可能に嵌合しており、ステム部5aには、上部プ
ランジャ9に形成された段差部9aと係合するフランジ
部5bと、下部プランジャ10に形成された段差部10
aと係合する段差部5cとが形成されている。
【0021】上部プランジャ9は、上昇位置へ移動する
ことにより段差部9aをもってフランジ部5bと係合
し、弁体5を戻しばね12のばね力に抗して最小流量位
置より第一のリフト量T1 をもって第一中間流量位置へ
移動させる。下部プランジャ10は、中間上昇位置へ移
動することにより段差部10aをもって段差部5cと係
合し、弁体5を戻しばね12のばね力に抗して最小流量
位置から第二のリフト量T2 をもって第一中間流量位置
より大きい第二中間流量位置へ移動させる。また下部プ
ランジャ10は、最上昇位置へ移動することにより段差
部10aをもって段差部5cと係合し、弁体5を戻しば
ね12のばね力に抗して最小流量位置より第一のリフト
量T1 と第二のリフト量T2 との合計値に等しい第三の
リフト量T3 (図4参照)をもって最大流量位置(全開
位置)へ移動させる。
【0022】吸引子11の上端部にはボルト15により
ヨーク16の上部片部16aが固定接続されている。ヨ
ーク16は、コ字状の外函をなしてプランジャ保持チュ
ーブ7の一側方を覆うように配置され、プランジャ保持
チューブ7内における上部プランジャ9の下端近傍に概
ね対応する高さ位置に位置する下部片部16bを有して
いる。下部片部16bの下面には永久磁石17がN極を
もって磁気的に接続装着されている。永久磁石17は、
リング状をなして上部プランジャ9と下部プランジャ1
0との配置境界部に対応する位置に、これらプランジャ
を取り囲んで配置され、上部プランジャ9と下部プラン
ジャ10との磁気的吸着を保持し、上部プランジャ9が
降下位置に位置し、下部プランジャ10が中間上昇位置
に位置することにより下部プランジャ10を中間上昇位
置にラッチする。
【0023】永久磁石17の下側の磁極面、即ちS極に
は磁極片部材18が磁気的に接続装着されている。磁極
片部材18は下部プランジャ10の外周を取り囲む筒状
のエクステンション部18aを一体に有している。
【0024】ヨーク16の上部片部16aと下部片部1
6bとの間には直流式の電磁コイル19がプランジャ保
持チューブ7を取り囲む形態にて固定配置されている。
電磁コイル19は、第一の方向(以下、順方向と云う)
の通電によりヨーク16を永久磁石17の磁極方向とは
逆方向の図2にて実線矢印で示す第一の磁極方向に励磁
して上部プランジャ9を上昇位置へ駆動し、第一の方向
とは反対の第二の方向(以下、逆方向と云う)の通電に
よりヨーク16を永久磁石17の磁極方向とは同方向の
図4にて実線矢印で示す第二の磁極方向に励磁して上部
プランジャ9と下部プランジャ10を磁気的に吸着し、
上部プランジャ9を上昇位置へ駆動すると共に下部プラ
ンジャ10を最上昇位置へ駆動する。
【0025】次に上述の如き構成よりなるステップ流量
制御弁の作用を図5を参照して説明する。電磁コイル1
9に通電が行われていない通常状態時には、図1に示さ
れているように、戻しばね12のばね力により弁体5は
弁座部4に着座して最降下位置である全閉位置に位置し
ている。
【0026】この通常状態にて、電磁コイル19に順方
向通電が行われると、ヨーク16が図2にて実線矢印で
示す第一の磁極方向に励磁し、その実線矢印で示されて
いる磁気回路が構成される。これにより上部プランジャ
9が上昇移動し、上部プランジャ9が磁気抵抗付与スペ
ーサ13を挟んで吸引子11に磁気吸着して上昇位置に
位置する。この移動により弁体5は、戻しばね12のば
ね力に抗して第一のリフト量T1だけ持ち上げられ、図
2に示されている第一中間流量位置に位置する。
【0027】同電磁コイル19に逆方向通電が行われる
と、ヨーク16が図4にて実線矢印で示す第二の磁極方
向に励磁し、その実線矢印で示されている磁気回路が構
成される。これにより上部プランジャ9と下部プランジ
ャ10とが互いに磁気的に吸着し、上部プランジャ9が
上昇位置へ移動すると共に下部プランジャ10が最上昇
位置へ移動する。この移動により弁体5が、第一のリフ
ト量T1 と第二のリフト量T2 との合計値に等しい第三
のリフト量T3 だけ持ち上げられ、図4に示されている
全開位置に位置する。
【0028】この状態にて電磁コイル19に対する逆方
向通電が停止されると、電磁コイル19による磁気回路
が消滅し、永久磁石17の磁気作用によって上部プラン
ジャ9と下部プランジャ10とが互いに磁気吸着した状
態のまま、磁気抵抗付与スペーサ13による磁気抵抗付
与により、上部プランジャ9と吸引子11との磁気的吸
着が解除される。これにより図3に示されているよう
に、上部プランジャ9がストッパリング14と当接する
降下位置にまで降下し、下部プランジャ10が中間上昇
位置に位置し、下部プランジャ10は、図3にて実線に
より示されている永久磁石17の磁力線により上部プラ
ンジャ9に磁気吸着した状態にて中間上昇位置にラッチ
される。これにより弁体5が第二のリフト量T2 だけ持
ち上げられた状態になり、図3に示されている第二中間
流量位置に位置する。第二中間流量位置は第一中間流量
位置よりリフト量T2 −T1 だけ大きい開弁位置であ
る。従って電磁コイル19に対する逆方向通電を数秒間
だけ瞬間的に行うことにより弁体5は全閉位置あるいは
第一中間流量位置より全開位置を経て第二中間流量位置
へ移動する。
【0029】なお、上部プランジャ9と下部プランジャ
10との磁気吸着は、磁極片部材18のエクステンショ
ン部18aが永久磁石17により磁化されて下部プラン
ジャ10に作用する磁界が拡張されていることにより、
強固なものになっている。
【0030】弁体5を第二中間流量位置より第一中間流
量位置へ戻すには、電磁コイル19に順方向通電を行
う。これによりヨーク16が図2にて実線矢印で示す第
一の磁極方向に励磁し、その実線矢印で示されている磁
気回路が構成されることにより、永久磁石17による上
部プランジャ9と下部プランジャ10との磁気吸着が解
除され、下部プランジャ10が降下位置に降下し、上部
プランジャ9が上昇移動し、磁気抵抗付与スペーサ13
を挟んで吸引子11に磁気吸着して上昇位置に位置す
る。この移動により弁体5は、戻しばね12のばね力に
抗して第一のリフト量T1だけ持ち上げられ、図2に示
されている第一中間流量位置に戻る。
【0031】弁体5を第一中間流量位置から全閉位置へ
戻すには、電磁コイル19に対する順方向通電を停止す
る。これにより電磁コイル19による磁気回路が消滅
し、戻しばね12のばね力によって上部プランジャ9が
降下位置に戻り、弁体5が弁座部4に着座する全閉位置
に戻る。
【0032】弁体5を第二中間流量位置から全閉位置へ
戻すには、弁体5が第一中間流量位置にならない程度
で、永久磁石17の磁力線を打ち消す程度の電流値をも
って電磁コイル19に順方向通電を行うか、数ミリ秒幅
のパルスをもって数回繰り返し順方向通電を行う。これ
により上部プランジャ9と下部プランジャ10とが共に
に降下位置に戻り、弁体5が弁座部4に着座する全閉位
置に戻る。
【0033】以上は、上部プランジャ9が磁気抵抗付与
スペーサ13を備えている場合に、逆方向通電の停止に
より弁体5が第二中間流量位置へ移動する例について説
明したが、この移動については他の方法を採用すること
ができる。この方法の特徴は、構造的に磁気抵抗付与ス
ペーサ13を薄くするか、あるいは磁気抵抗付与スペー
サ13の使用を省略することである。この場合には、逆
方向通電の停止の代わりに逆方向通電を順方向通電に切
り換えて行う。このときの順方向通電の電圧(V3 )の
大きさは、全閉位置⇒第一中間流量位置の場合の電圧を
1 、第二中間流量位置⇒全閉位置の場合の電圧をV2
とすると、V1 >V 2 >V3 となるように設定すればよ
い。
【0034】即ち、磁気抵抗付与スペーサ13を用いな
い場合は、上記全開位置において、電磁コイル19に対
する通電を逆方向から順方向に切り換えると、吸引子1
1と上部プランジャ9間の吸着力(F1 )、および上部
プランジャ9と下部プランジャ10間の吸着力(F2
は共に減少する。しかし、F1 <F2 の関係にあるか
ら、F1 <FS <F2 (ただし、FS は前記戻しばね1
2のばね力)となるような電圧を印加すると、永久磁石
17の磁気作用により上部プランジャ9と下部プランジ
ャ10とが吸着した状態で、上部プランジャ9と吸引子
11間の磁気的吸着が解除されて、上部プランジャ9は
下降位置に戻る。なお、順方向通電の電圧V3 を印加す
る代わりに、図5に示すようにV3 相当のパルス状電圧
を印加してもよい。
【0035】このように、磁気抵抗付与スペーサ13の
有無により、電磁コイル19に対する逆方向通電を停止
するか、あるいは通電を逆方向から順方向に切り換える
ことにより、下部プランジャ10は中間上昇位置にラッ
チされ、弁体5は第二中間流量位置となる。
【0036】図6〜図9は本発明によるステップ流量制
御弁の第二実施例を示している。なお、第二実施例にお
いて第一実施例と同様の部分は第一実施例における符号
と同一の符号を付してその説明を省略する。このことは
以降の各実施例においても同様である。この実施例では
第一のリフト量T1 は第二のリフト量T2 の2倍に設定
されており、このこと以外は第一実施例と同一である。
この実施例でも電磁コイル19に通電が行われていない
通常状態時には、図6に示されているように、戻しばね
12のばね力により弁体5は弁座部4に着座して最降下
位置である全閉位置に位置している。
【0037】電磁コイル19に順方向通電が行われる
と、ヨーク16が図7にて実線矢印で示す第一の磁極方
向に励磁し、その実線矢印で示されている磁気回路が構
成されることにより、上部プランジャ9が磁気抵抗付与
スペーサ13を挟んで吸引子11に磁気吸着される上昇
位置へ上昇移動する。この移動により弁体5は、戻しば
ね12のばね力に抗して第一のリフト量T1 だけ持ち上
げられ、T1 >T2 により、図7に示されている第二中
間流量位置に位置する。
【0038】電磁コイル19に逆方向通電が行われる
と、ヨーク16が図9にて実線矢印で示す第二の磁極方
向に励磁し、その実線矢印で示されている磁気回路が構
成されることにより、上部プランジャ9と下部プランジ
ャ10とが磁気的に吸着し、上部プランジャ9が上昇位
置へ移動すると共に下部プランジャ10が最上昇位置へ
移動する。この移動により、弁体5が第一のリフト量T
1 と第二のリフト量T2との合計値に等しい第三のリフ
ト量T3 だけ持ち上げられ、図9に示されている全開位
置に位置する。
【0039】この状態にて電磁コイル19に対する逆方
向通電が停止されると、電磁コイル19による磁気回路
が消滅し、永久磁石17の磁気作用によって上部プラン
ジャ9と下部プランジャ10とが互いに磁気吸着した状
態のまま、磁気抵抗付与スペーサ13による磁気抵抗付
与により、上部プランジャ10と吸引子11との磁気的
吸着が解除される。これにより図8に示されているよう
に、上部プランジャ9がストッパリング14と当接する
降下位置にまで降下し、下部プランジャ10が中間上昇
位置に位置し、下部プランジャ10は図8にて実線によ
り示されている永久磁石17の磁力線により上部プラン
ジャ9に磁気吸着した状態にて中間上昇位置にラッチさ
れる。この時には弁体5が第二のリフト量T2 だけ持ち
上げられた状態になり、図8に示されている第一中間流
量位置に位置する。
【0040】なお、磁気抵抗付与スペーサ13を備えて
いない場合に、逆方向通電の停止に代えて逆方向通電を
順方向通電に切り換えることにより、弁体5を第一中間
流量位置に位置するようにすることは、第1実施例の場
合と同様であるから説明を省略する。
【0041】図10〜図13は本発明によるステップ流
量制御弁の第三実施例を示す。この実施例では、永久磁
石17がS極をもってヨーク16の上部片部16aに磁
気的に接続され、N極を磁極片18、ナット20によっ
て吸引子11と磁気的に接続されている。永久磁石17
は、上部プランジャ9を吸引子11に磁気的に吸着し、
上部プランジャ9を上昇位置にラッチする。磁気抵抗付
与スペーサ13は上部プランジャ9と下部プランジャ1
0との間に配置されている。ヨーク16の下部片部16
bには下部プランジャ10の外周を取り囲む筒状のエク
ステンション部16cが一体に形成されている。なお、
この実施例では第一のリフト量T1 は第二のリフト量T
2 の2倍に設定されている。これらのこと以外は第一実
施例と同一である。
【0042】次に第三実施例のステップ流量制御弁の作
用を説明する。電磁コイル19に通電が行われていない
通常状態時には、図10に示されているように、戻しば
ね12のばね力により弁体5は弁座部4に着座して最降
下位置である全閉位置に位置している。なお、初期状態
(無通電状態)では必ずしも全閉位置にあるとは限らな
いので、この場合は原点出し(起点出し)することによ
り全閉位置を確実にすることができる。方法としては、
順方向通電後に通電を絶てばよい。
【0043】この通常状態にて、電磁コイル19に順方
向通電が行われると、ヨーク16が図11にて実線矢印
で示す第一の磁極方向に励磁し、その実線矢印で示され
ている磁気回路が構成される。これにより下部プランジ
ャ10が降下位置に位置している上部プランジャ9に磁
気抵抗付与スペーサ13を挟んで当接する中間上昇位置
に上昇移動する。この移動により弁体5は、戻しばね1
2のばね力に抗して第一のリフト量T2だけ持ち上げら
れ、T1 >T2 により、図11に示されている第一中間
流量位置に位置する。この時に下部プランジャ10に作
用する電磁コイル19による磁界がヨーク16のエクス
テンション部16cに拡張されており、これにより下部
プランジャ10の上昇移動が確実なものになる。
【0044】電磁コイル19に逆方向通電が行われる
と、ヨーク16が図13にて実線矢印で示す第二の磁極
方向に励磁し、その実線矢印で示されている磁気回路が
構成される。これにより上部プランジャ9と下部プラン
ジャ10とが磁気抵抗付与スペーサ13を挟んで磁気的
に吸着し、上部プランジャ9が吸着子11に磁気的に吸
着する上昇位置へ移動すると共に下部プランジャ10が
最上昇位置へ移動する。この移動により、弁体5が第一
のリフト量T1 と第二のリフト量T2 との合計値に等し
い第三のリフト量T3 だけ持ち上げられ、図13に示さ
れている全開位置に位置する。
【0045】この状態にて電磁コイル19に対する逆方
向通電が停止されると、電磁コイル19による磁気回路
が消滅し、永久磁石17の磁気作用によって上部プラン
ジャ9が吸着子11に磁気的に吸着した状態のまま、磁
気抵抗付与スペーサ13による磁気抵抗付与により、上
部プランジャ9と下部プランジャ10との磁気的吸着が
解除される。これにより図12に示されているように、
下部プランジャ10が降下位置にまで降下し、図12に
て実線により示されている永久磁石17の磁力線により
上部プランジャ9が上昇位置に位置した状態にてラッチ
される。この時には弁体5が第二のリフト量T1 だけ持
ち上げられた状態になり、図12に示されている第二中
間流量位置に位置する。
【0046】なお、磁気抵抗付与スペーサ13を備えて
いない場合に、逆方向通電の停止に代えて逆方向通電を
順方向通電に切り換えることにより、弁体5を第二中間
流量位置に位置するようにすることは、第1実施例の場
合と同様であるから説明を省略する。
【0047】図14〜図17は本発明によるステップ流
量制御弁の第四実施例を示している。この実施例では第
一のリフト量T1 は第二のリフト量T2 の1/2に設定
されており、このこと以外は第三実施例と同一である。
この実施例でも、電磁コイル19に通電が行われていな
い通常状態時には、図14に示されているように、戻し
ばね12のばね力により弁体5は弁座部4に着座して最
降下位置である全閉位置に位置している。
【0048】この通常状状態にて、電磁コイル19に順
方向通電が行われると、ヨーク16が図15にて実線矢
印で示す第一の磁極方向に励磁し、その実線矢印で示さ
れている磁気回路が構成される。これにより下部プラン
ジャ10が降下位置に位置している上部プランジャ9に
磁気抵抗付与スペーサ13を挟んで当接する中間上昇位
置へ上昇移動する。この移動により弁体5は、戻しばね
12のばね力に抗して第二のリフト量T2 だけ持ち上げ
られ、T1 <T2 により、図15に示されている第二中
間流量位置に位置する。
【0049】電磁コイル19に逆方向通電が行われる
と、ヨーク16が図17にて実線矢印で示す第二の磁極
方向に励磁し、その実線矢印で示されている磁気回路が
構成されることにより、上部プランジャ9と下部プラン
ジャ10とが磁気抵抗付与スペーサ13を挟んで磁気的
に吸着し、上部プランジャ9が吸着子11に磁気的に吸
着する上昇位置へ移動すると共に下部プランジャ10が
最上昇位置へ移動する。この移動により、弁体5が第一
のリフト量T1 と第二のリフト量T2 との合計値に等し
い第三のリフト量T3 だけ持ち上げられ、図17に示さ
れている全開位置に位置する。
【0050】この状態にて電磁コイル19に対する逆方
向通電が停止されると、電磁コイル19による磁気回路
が消滅し、永久磁石17の磁気作用によって上部プラン
ジャ9が吸着子11に磁気的に吸着した状態のまま、磁
気抵抗付与スペーサ13による磁気抵抗付与により上部
プランジャ9と下部プランジャ10との磁気的吸着が解
除される。これにより図16に示されているように、下
部プランジャ10が降下位置にまで降下し、図16にて
実線により示されている永久磁石17の磁力線により上
部プランジャ9が上昇位置に位置した状態にてラッチさ
れる。この時には弁体5が第二のリフト量T1 だけ持ち
上げられた状態になり、図12に示されている第二中間
流量位置に位置する。
【0051】なお、磁気抵抗付与スペーサ13を備えて
いない場合に、逆方向通電の停止に代えて逆方向通電を
順方向通電に切り換えることにより、弁体5を第二中間
流量位置に位置するようにすることは、第1実施例の場
合と同様であるから説明を省略する。
【0052】図18は本発明によるステップ式パイロッ
ト電磁開閉弁の駆動回路の一実施例を示している。この
駆動回路は、スイッチング素子として、4個のトランジ
スタTr1、Tr2、Tr3、Tr4をブリッジ接続さ
れ、直流電源21を単一電源として電磁コイル19に対
する通電方向、換言すれば極性を反転制御する。
【0053】この駆動回路においては、トランジスタT
r2、Tr3がオフ状態のまま、トランジスタTr1、
Tr4の各々のゲート端子a、dにオン信号が入力さ
れ、トランジスタTr1、Tr4が各々オン状態になる
と、実線矢印方向に電流が流れ、電磁コイル19に順方
向通電が行われる。
【0054】これに対し方向、トランジスタTr1、T
r4がオフ状態のまま、トランジスタTr2、Tr3の
各々のゲート端子b、cにオン信号が入力され、トラン
ジスタTr2、Tr3が各々オン状態になると、破線矢
印方向に電流が流れ、電磁コイル19に逆方向通電が行
われる。なお、トランジスタTr1〜Tr4のすべてが
オフ状態の場合には電磁コイル19に通電が行われな
い。
【0055】この駆動回路では、トランジスタのオン・
オフだけで、直流電源21を単一電源として電磁コイル
19に対する通電方向を反転制御でき、またリレースイ
ッチによる場合よりも高速度に、しかも接点障害などを
生じることなく長期間に亙って安定して電磁コイル19
に対する通電方向の反転制御が行われる。なお、この駆
動回路におけるスイッチング素子は、トランジスタ以外
に、MOSFETなどであってもよい。
【0056】上述の何れの実施例においても、リフト量
T1 はリフト量T2 の1/2あるいは2倍であることに
より、弁体5のリフト量は等間隔になるが、本発明によ
るステップ流量制御弁は、これに限定されるものではな
く、リフト量T1 とリフト量T2 との大小関係は要求開
弁特性に応じて任意にされてよく、弁体5のリフト量は
不等間隔であってもよい。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明
によるステップ流量制御弁によれば、電磁コイルに対す
る通電方向の制御と通電オンオフだけで、ステッピング
モータなどを必要とすることなく、簡単な構造で、開弁
位置を四段階に切換ることができる。
【0058】磁極片部材あるいはヨークにエクスエンシ
ョン部が設けられていることにより、永久磁石あるいは
電磁コイルがプランジャに与える磁界が拡張され、プラ
ンジャの駆動、ラッチが永久磁石、電磁コイルの大型化
を要することなく確実なものになる。
【0059】また、各プランジャの各位置が位置決めス
トッパ、吸引子、他のプランジャとの当接により戸当た
り式に設定されることにより、弁体の開弁位置が確実に
高精度に決まり、四段階的の流量制御が高精度に行われ
るようになる。さらに、第一のリフト量と第二のリフト
量との大小関係により四段階の開弁特性が任意に設定さ
れるから、開弁特性の設定の自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるステップ流量制御弁の第一実施例
を最小流量状態について示す断面図である。
【図2】本発明によるステップ流量制御弁の第一実施例
を第一中間流量状態について示す断面図である。
【図3】本発明によるステップ流量制御弁の第一実施例
を第二中間流量状態について示す断面図である。
【図4】本発明によるステップ流量制御弁の第一実施例
を最大流量状態について示す断面図である。
【図5】第一実施例のステップ流量制御弁における通電
と流量との関係を示すタイムチャートである。
【図6】本発明によるステップ流量制御弁の第二実施例
を最小流量状態について示す断面図である。
【図7】本発明によるステップ流量制御弁の第二実施例
を第一中間流量状態について示す断面図である。
【図8】本発明によるステップ流量制御弁の第二実施例
を第二中間流量状態について示す断面図である。
【図9】本発明によるステップ流量制御弁の第二実施例
を最大流量状態について示す断面図である。
【図10】本発明によるステップ流量制御弁の第三実施
例を最小流量状態について示す断面図である。
【図11】本発明によるステップ流量制御弁の第三実施
例を第一中間流量状態について示す断面図である。
【図12】本発明によるステップ流量制御弁の第三実施
例を第二中間流量状態について示す断面図である。
【図13】本発明によるステップ流量制御弁の第三実施
例を最大流量状態について示す断面図である。
【図14】本発明によるステップ流量制御弁の第四実施
例を最小流量状態について示す断面図である。
【図15】本発明によるステップ流量制御弁の第四実施
例を第一中間流量状態について示す断面図である。
【図16】本発明によるステップ流量制御弁の第四実施
例を第二中間流量状態について示す断面図である。
【図17】本発明によるステップ流量制御弁の第四実施
例を最大流量状態について示す断面図である。
【図18】本発明によるステップ流量制御弁の駆動回路
の一実施例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
1 弁本体 4 弁座部 5 弁体 9 下部プランジャ 10 下部プランジャ 11 吸引子 12 戻しばね 13 磁気抵抗付与スペーサ 14 ストッパリング 16 ヨーク 17 永久磁石 19 電磁コイル

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁本体と、 前記弁本体に対して軸線方向に移動することにより弁座
    部と共働して流量制御を行う弁体と、 前記弁体を閉弁方向へ付勢する戻しばねと、 前記弁体の移動方向に第一の位置と第二の位置との間に
    移動可能に配置され、第一の位置から第二の位置へ移動
    することにより前記弁体を第一のリフト量をもって開弁
    移動させる第一のプランジャと、 前記第一のプランジャと前記弁体の移動方向に同方向に
    移動可能に配置され、前記第一のプランジャが前記第一
    の位置に位置している状態にては前記弁体の移動方向に
    第三の位置と第四の位置との間に移動可能で、前記第三
    の位置より前記第四の位置に移動することにより前記弁
    体を第二のリフト量をもって開弁移動させ、前記第一の
    プランジャが前記第二の位置に位置している状態にては
    前記弁体の移動方向に前記第三の位置と第五の位置との
    間に移動可能で、前記第三の位置から前記第五の位置に
    移動することにより前記弁体を前記第一のリフト量と前
    記二のリフト量との合計値に等しい第三のリフト量をも
    って開弁移動させる第二のプランジャと、 前記第一のプランジャの前記第二の位置側の端面に対向
    して固定配置された吸引子と、 一端が前記吸引子に磁気的に接続されたヨークと、 前記第一のプランジャと前記第二のプランジャとの磁気
    的吸着を保持し、前記第一のプランジャが前記第一の位
    置に位置し、前記第二のプランジャが前記第四の位置に
    位置することにより前記第二のプランジャを前記第四の
    位置にラッチする永久磁石と、 第一の方向の通電により前記ヨークを前記永久磁石の磁
    極方向とは逆方向の第一の磁極方向に励磁して前記第一
    のプランジャのみを前記第二の位置へ駆動し、前記第一
    の方向とは反対の第二の方向の通電により前記ヨークを
    前記永久磁石の磁極方向と同方向の第二の磁極方向に励
    磁して前記第一のプランジャと前記第二のプランジャと
    を磁気的に吸着し、前記第一のプランジャを前記第二の
    位置へ駆動すると共に前記第二のプランジャを前記第五
    の位置へ駆動する電磁コイルと、を有していることを特
    徴とするステップ流量制御弁。
  2. 【請求項2】 前記吸引子と第一のプランジャとの間に
    磁気抵抗付与スペーサが配置されていることを特徴とす
    る請求項1に記載のステップ流量制御弁。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石は前記第一のプランジャと
    前記第二のプランジャとの配置境界部に対応する位置に
    配置され、一方の磁極面が前記ヨークの他端に磁気接続
    されていることを特徴する請求項1または2に記載のス
    テップ流量制御弁。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石の他方の磁極面に磁極片部
    材が磁気的に接続され、前記磁極片部材は前記第二のプ
    ランジャを取り囲むエクステンション部を有しているこ
    とを特徴とする請求項3に記載のステップ流量制御弁。
  5. 【請求項5】 弁本体と、 前記弁本体に対して軸線方向に移動することにより弁座
    部と共働して流量制御を行う弁体と、 前記弁体を閉弁方向へ付勢する戻しばねと、 前記弁体の移動方向に第一の位置と第二の位置との間に
    移動可能に配置され、第一の位置から第二の位置へ移動
    することにより前記弁体を第一のリフト量をもって開弁
    移動させる第一のプランジャと、 前記第一のプランジャと前記弁体の移動方向に同方向に
    移動可能に配置され、前記第一のプランジャが前記第一
    の位置に位置している状態にては前記弁体の移動方向に
    第三の位置と第四の位置との間に移動可能で、前記第三
    の位置より前記第四の位置に移動することにより前記弁
    体を第二のリフト量をもって開弁移動させ、前記第一の
    プランジャが前記第二の位置に位置している状態にては
    前記弁体の移動方向に前記第三の位置と第五の位置との
    間に移動可能で、前記第三の位置より前記第五の位置に
    移動することにより前記弁体を前記第一のリフト量と前
    記二のリフト量との合計値に等しい第三のリフト量をも
    って開弁移動させる第二のプランジャと、 前記第一のプランジャの前記第二の位置側の端面に対向
    して固定配置された吸引子と、 一端がプランジャ保持チューブを介して前記第一のプラ
    ンジャの第二の位置側に磁気的に接続されたヨークと、 前記第一のプランジャと前記吸引子との磁気的吸着を保
    持し、前記第一のプランジャを前記第二の位置にラッチ
    する永久磁石と、 第一の方向の通電により前記ヨークを前記永久磁石の磁
    極方向とは逆方向の第一の磁極方向に励磁して前記第二
    のプランジャのみを前記第四の位置へ駆動し、前記第一
    の方向とは反対の第二の方向の通電により前記ヨークを
    前記永久磁石の磁極方向と同方向の第二の磁極方向に励
    磁して前記第一のプランジャと前記第二のプランジャと
    を磁気的に吸着し、前記第一のプランジャを前記第二の
    位置へ駆動すると共に前記第二のプランジャを前記第五
    の位置へ駆動する電磁コイルと、を有していることを特
    徴とするステップ流量制御弁。
  6. 【請求項6】 前記第一のプランジャと前記第二のプラ
    ンジャとの間に磁気抵抗付与スペーサが配置されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のステップ流量制御
    弁。
  7. 【請求項7】 前記永久磁石は前記ヨークの一端と前記
    吸引子との間に磁極片部材を介して磁気接続状態で配置
    されていることを特徴する請求項5または6に記載のス
    テップ流量制御弁。
  8. 【請求項8】 前記ヨークの他端には第二のプランジャ
    を取り囲むエクステンション部が形成されていることを
    特徴とする請求項7に記載のステップ流量制御弁。
  9. 【請求項9】 前記第一のプランジャの前記第一の位置
    と前記第二のプランジャの前記第三の位置は各々、各プ
    ランジャが位置決めストッパに当接することより設定さ
    れ、前記第一のプランジャの前記第二の位置は第一のプ
    ランジャが吸引子に直接あるいは磁気抵抗付与スペーサ
    を挟んで当接することにより設定され、前記第二のプラ
    ンジャの前記第四の位置および前記第五の位置は各々前
    記第二のプランジャが前記第一のプランジャに直接ある
    いは磁気抵抗付与スペーサを挟んで当接することにより
    設定されることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記
    載のステップ流量制御弁。
  10. 【請求項10】 前記第一のリフト量は前記第二のリフ
    ト量より小さいことを特徴とする請求項1〜9の何れか
    に記載のステップ流量制御弁。
  11. 【請求項11】 前記第一のリフト量は前記第二のリフ
    ト量より大きいことを特徴とする請求項1〜10の何れ
    かに記載のステップ流量制御弁。
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