JPH08109499A - 電解酸洗方法 - Google Patents

電解酸洗方法

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JPH08109499A
JPH08109499A JP24616294A JP24616294A JPH08109499A JP H08109499 A JPH08109499 A JP H08109499A JP 24616294 A JP24616294 A JP 24616294A JP 24616294 A JP24616294 A JP 24616294A JP H08109499 A JPH08109499 A JP H08109499A
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JP
Japan
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wire
electrolysis
current density
smut
iron
Prior art date
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Pending
Application number
JP24616294A
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English (en)
Inventor
Masumi Akanuma
増美 赤沼
Kenji Ito
建司 伊藤
Minoru Shimizu
実 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一溶液中で線材の表面の脱スケールを行な
え、かつその表面を粗面化することができると同時に、
スマットの除去も達成することができる電解酸洗方法を
提供する。 【構成】 硫酸の溶液中に線材Wを進行させ、その溶液
中を進行する線材Wの前段部Aと後段部Bとで電解を行
ない、その前段部Aでの電解の電流密度を、線材Wの表
面から鉄が良好に溶解する大きさに設定し、後段部Bで
の電解の電流密度を、線材Wの表面が不動態化する大き
さに設定し、この設定により後段部Bでの電解時に発生
する多量の水素ガスで線材Wの表面のスマットを除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸線前の線材のスケー
ル(酸化被膜)を除去する電解酸洗方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に熱処理をした線材(炭素鋼)の表
面には、鉄の厚い酸化被膜(スケール)が付着してお
り、このスケールはFeO、Fe34 、Fe23
の酸化物からなり、非常に硬質で加工が困難であるた
め、伸線前にこのスケールを完全に除去しておかなけれ
ばならない。また線材の表面には、伸線を容易にするた
めに、スケールを除去した後に潤滑剤をコーティングす
る作業が行なわれる。
【0003】ところで、タイヤコード用などの高級線材
においては、伸線とは別工程で、濃度が25%程度の塩
酸中に線材を10〜30分間ほど浸漬してスケールを除
去するバッチ方式が一般に採用されている。このバッチ
方式においては、塩酸中に鉄が溶解することで、線材の
表面のスケールが剥離して除去されるが、さらに線材の
表面がいわゆる梨地状に粗面化し、潤滑剤をコーティン
グしやすい表面状態となる。
【0004】しかしながら、この方式は線材を塩酸中に
長時間浸漬しなければならないから伸線機とインライン
で処理するには不向となる。そこで、インラインでの処
理の場合は、電解方式でスケールを除去する手段が採ら
れている。
【0005】すなわち、線材の供給装置と伸線機との間
に、メカニカルデスケーラ、電解酸洗装置、水洗装置、
ボラックスコーティング装置、乾燥装置などを配置して
線材を連続的に進行させながらスケールを除去するシス
テムである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この場合、インライン
に組み込まれた電解酸洗装置を線材が通過する速度は、
100〜200 m/分程度であるため、線材が電解液中に滞
留する時間は数秒しかなく、非常に短時間内で脱スケー
ルを済ませ、かつ線材の表面を粗面化する必要がある。
【0007】短時間に脱スケールを行ない、かつ線材の
表面を粗面化するためには、電解電流を上げれば良い
が、しかしこの場合、溶解残渣物である多量のスマット
が線材の表面に付着して残ってしまう。線材の表面に残
ったスマットは、水洗やワイピングでは容易に除去でき
ず、伸線機での伸線性を阻害する原因となる。
【0008】スマットを除去するには、苛性ソーダなど
のアルカリ性水溶液中で電解洗浄する手段が知られてい
るが、この場合、硫酸電解後の入念な水洗とアルカリ電
解後の入念な水洗が必要となり、システムの全体が長く
なり、またアルカリ中に蓄積する水酸化鉄の除去が困難
となることなどから、実ラインへの適用は困難である。
【0009】本発明はこのような点に着目してなされた
もので、その目的とするところは、一溶液中で線材の表
面の脱スケールを行なえ、かつその表面を粗面化するこ
とができると同時に、スマットの除去も達成することが
できる電解酸洗方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】硫酸の溶液中で鉄を電解
するときに、その電解の電流密度を徐々に上げていく
と、鉄の表面の陽極となっている部分では、初めは鉄の
溶解速度が電流密度に比例して上昇していくが、ある点
から鉄の表面で分極が起って不動態化することにより鉄
の溶解が止まる。そして、鉄の表面の陰極となっている
部分では、電解の電流密度が大きくなるに従って多量の
水素ガスが発生するようになる。
【0011】本発明はこの現象を応用したもので、硫酸
の溶液中を進行する線材を電解するにあたって、その電
解を線材の進行の前段部と後段部とに分けて行ない、そ
の前段部での電解では電解の電流密度を線材の表面から
鉄が良好に溶解する大きさに設定し、後段部での電解で
は電解の電流密度を線材の表面が不動態化する大きさに
設定するようにしたものである。
【0012】
【作用】前段部での電解時には、線材の表面から鉄が溶
出し、この鉄の溶出で線材の表面のスケールが除去され
るとともに、線材の表面が適度な梨地状に粗面化し、同
時に線材の表面に溶解残渣物であるスマットが付着して
残る。
【0013】後段部での電解時においては、鉄の溶出が
止まり、線材の表面から水素ガスが活発に発生し、この
水素ガスにより線材の表面のスマットが除去される。し
たがって、面倒なアルカリ電解処理が不要で、このまま
連続的に次の工程に移行することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1に示す符号1は電解槽であり、この電
解槽1内に電解液として硫酸の溶液が収容されている。
そしてこの電解槽1の内部をその一端側から他端側に渡
って線材Wが一定の速度で進行するものである。
【0015】電解槽1内は線材Wの進行の前段部Aと後
段部Bとに見掛上区分され、その前段部Aの領域の範囲
内と後段部Bの領域の範囲内とに、それぞれ陽極2と陰
極3とが交互に配置するように設けられている。そして
前段部Aの範囲内に配置する陽極2と陰極3との間に直
流の電流を流す第1の整流器A1 と、後段部Bの範囲内
に配置する陽極2と陰極3との間に直流の電流を流す第
2の整流器B1 とが設けられている。
【0016】電解槽1内に挿入した線材Wは、各陽極2
および各陰極3に隣接して対向するように配置し、この
状態でこの線材Wを一定の速度で一方向に順次進行させ
ながら、電解槽1内の前段部Aの領域と後段部Bの領域
とでそれぞれ電解を行なう。
【0017】このとき、前段部Aの電解では第1の整流
器A1 による調整でその電解の電流密度を、線材Wの表
面から鉄が良好に溶解する大きさに設定し、後段部Bの
電解では第2の整流器B1 による調整でその電解の電流
密度を、線材Wの表面が不動態化する大きさに設定す
る。
【0018】このような電解が行われると、前段部Aの
領域において陰極3に対向した線材Wの表面では活発に
鉄が溶出する。後段部Bの領域において陰極3に対向し
た線材Wの表面では分極により不動態化し鉄の溶出がな
く、陽極2と対向する表面部分では水素ガスが多量に発
生し、この水素ガスにより線材Wの表面のスマットが吹
き飛ばされて除去される。
【0019】ここで、線材Wとして直径が5mm、0.72%
Cのピアノ線材を用い、電解液の硫酸濃度約260g/l、液
温32℃、線材Wの進行速度 100m/分とした条件のもと
で、電流密度(A/dm2 )を種々変えて電解を行なった実
験結果を次の表1に示す。なお、スマット量は線材Wの
表面を目視観察して5段階評価(評点1が最少、評点5
が最多)により評価し、また表面粗さは粗さ計で測定し
た結果から3段階評価により評価した。
【0020】
【表1】
【0021】この表の結果から、前段部Aでの電解の電
流密度が大きいほど線材Wの表面粗さが大きくなること
が分かる。また前段部Aでの電解の電流密度が大きいほ
どスマット量が多いが、前段部Aでの電解の電流密度が
同一水準内にあるときには、後段部Bでの電解の電流密
度が大きくなるにつれてスマット量が減少することが分
かる。この実験の条件のもとにおいては、前段部Aでの
電解の電流密度が80〜90A/dm2 、後段部Bでの電解の電
流密度が 260〜320 A/dm2 のときに、バッチ方式による
酸洗の場合と同等の表面性状が得られた。なお、本発明
における線材としては、帯鉄、条鋼を含み、またその材
質も炭素鋼に限らず、低合金鋼等のものであってもよ
い。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、一
溶液中で線材の表面の脱スケールを行なえ、かつその表
面を粗面化することができると同時に、スマットの除去
も達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するための模式図。
【符号の説明】
1…電解槽 2…陽極 3…陰極 W…線材 A…前段部 B…後段部 A1 …第1の整流器 B1 …第2の整流器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸溶液中に複数の陽極と陰極とを交互に
    配置してその溶液中を進行する線材を電解処理する方法
    であって、その電解の処理を、硫酸溶液中を進行する線
    材の前段部の領域と後段部の領域とに分けて行ない、そ
    の前段部での電解の電流密度を、線材の表面から鉄が良
    好に溶解する大きさに設定し、後段部での電解の電流密
    度を、線材の表面が不動態化する大きさに設定すること
    を特徴とする電解酸洗方法。
JP24616294A 1994-10-12 1994-10-12 電解酸洗方法 Pending JPH08109499A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348377A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Nippon Steel Corp 外観に優れた表面処理鋼板の製造方法およびその装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348377A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Nippon Steel Corp 外観に優れた表面処理鋼板の製造方法およびその装置
JP4523878B2 (ja) * 2005-06-20 2010-08-11 新日本製鐵株式会社 外観に優れた表面処理鋼板の製造方法およびその装置

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