JPH08109455A - NiTi系二方向性形状記憶合金の製造方法 - Google Patents

NiTi系二方向性形状記憶合金の製造方法

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JPH08109455A
JPH08109455A JP6247989A JP24798994A JPH08109455A JP H08109455 A JPH08109455 A JP H08109455A JP 6247989 A JP6247989 A JP 6247989A JP 24798994 A JP24798994 A JP 24798994A JP H08109455 A JPH08109455 A JP H08109455A
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JP
Japan
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shape
shape memory
memory alloy
shot peening
alloy
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JP6247989A
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English (en)
Inventor
Kengo Mitose
賢悟 水戸瀬
Hiroshi Horikawa
宏 堀川
Tatsuhiko Ueki
達彦 植木
Kazuo Matsubara
和男 松原
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 NiTi系形状記憶合金の二方向形状記憶効
果を容易に、かつ精度よく複雑な形状にも記憶できるよ
うにしたこと。 【構成】 NiTi系形状記憶合金を通常の記憶処理し
た後、Ms点+20℃以下の温度で所定の形状に固定
し、ショットピーニングを施して加工硬化する方法、お
よび該合金の所望局部にショットピーニング強度を変化
させたショットピーニングを施す方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製造が容易で、かつ複雑
な形状にも記憶させることができるNiTi系二方向性
形状記憶合金の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】NiTi合金は、高温母相領域で任意の
形状に固定、保持した後、マルテンサイト相まで冷却し
た状態ですべりが生じない程度に変形を加えても、高温
相になるまで再び加熱した時に、初めに高温で記憶させ
た形状に戻る性質を有しており、形状記憶合金と呼ばれ
ている。上記処理を施した材料は通常冷却時にはその形
状に変化が現れないため、一方向形状記憶と呼ばれてい
る。しかし特別な処理を行うことにより、加熱時のみな
らず冷却時においても形状を記憶させる、すなわちある
温度以上で高温側の形状を、ある温度以下で低温側の形
状を記憶させることが可能であり、二方向形状記憶と呼
ばれている。
【0003】通常、一方向形状記憶合金にバイアスばね
を併用して二方向形状記憶効果を持たせて利用されてい
るが、部品点数の減少や寸法の小型化に限度がある。合
金に二方向性を付与するためには、形状記憶合金の高温
母相に内部応力場を導入させればよいことが一般に知ら
れている。内部応力導入方法としては、合金が低温のマ
ルテンサイト相にある状態で、限界以上の強加工を合
金に与える(強加工法)、変形、拘束固定して、加熱
により逆変態させる(拘束加熱法)、形状回復が可能
な程度に変形し、加熱して形状回復させる操作を繰り返
す(トレーニング法)、などがある。通常トレーニング
法が、その繰り返し熱耐久性などの良好な特性を有する
点からもっとも信頼性が高く、強加工法、拘束加熱法は
ほとんど使われていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしトレーニング法
は「低温で変形→加熱回復→冷却して再び変形」という
操作を数回から数十回繰り返す必要があり、作業量が多
い。また、操作の回数や変形量などの数量の決定が困難
なことから、回復量や発生力の制御ができない。さら
に、トレーニング操作では低温側で記憶させることが可
能な形状に限界があり、複雑な形状を記憶させることが
できない等の問題があった。本発明は上記の問題につい
て検討の結果、比較的容易にかつ複雑な形状にも記憶さ
せることができるNiTi系二方向性形状記憶合金の製
造方法を開発したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、NiTi系形
状記憶合金を通常の記憶処理した後、Ms点+20℃以
下の温度で所定の形状に固定し、ショットピーニングを
施して加工硬化させることを特徴とするNiTi系二方
向性形状記憶合金の製造方法を請求項1とし、NiTi
系形状記憶合金を通常の記憶処理した後、Ms点+20
℃以下の温度で所定の形状に固定し、該合金の所望局部
にショットピーニング強度を変化させたショットピーニ
ングを施して加工硬化させることを特徴するNiTi系
二方向性形状記憶合金の製造方法を請求項2とするもの
である。
【0006】
【作用】材料表面の冷間加工法として、ショットピーニ
ング法が知られている。ショットピーニングとは、スチ
ール、もしくはガラスなどの無数の微粒子を10〜10
0m/sの高速度で金属材料表面に吹き付け、表面のみ
に冷間加工を施す加工法であり、材料表面層に加工硬化
と圧縮残留応力を与える。二方向形状記憶合金を製造す
る場合、通常は初めに高温側での形状記憶処理をするた
め、合金内部の残留応力は除去されている。この合金を
Ms点+20℃以下の低温で所定の形状に拘束固定し、
その合金表面にショットピーニングを施すことにより、
合金表面層に圧縮残留応力を発生させ、低温での形状の
記憶が可能となるものである。
【0007】合金に目的の形状を記憶させるためにはシ
ョットピーニング強度が問題となる。強すぎると加熱時
に低温側で記憶した歪みが残り、強度が弱いと低温側で
の形状回復量が減少する結果となる。したがって、材料
の寸法、目的の形状等に合わせてショットピーニング強
度を選定する必要がある。このショットピーニング強度
の調整は、ショトピーニングをかける時間や圧力をコン
トロールすることにより可能である。なおMs点+20
℃以下の温度で所定の形状に固定するのは、この範囲外
の温度では二方向形状記憶効果が得られないからであ
る。
【0008】本発明は、上記したようにショットピーニ
ングを施すことにより合金表面層に圧縮残留応力を発生
させ、低温での形状記憶を可能としたものであるが、同
一材料の所望局部にショットピーニングの強度を変化さ
せて施すことにより、例えば強ければ加熱時に低温側で
記憶した歪みを残した形状に記憶させることができ、ま
た弱くすれば低温側での形状回復量を減少させた形状に
記憶させることができる。
【0009】本発明に適用できるNiTi系形状記憶合
金としては、at%でNi49〜52%、残部Tiから
なるNiTi合金或は、上記のNiまたは/およびTi
の一部をFe、Cr、Al、V、Pd、Mn、Co、N
b、Cuのいずれか1種または2種以上で0.01〜2
%の範囲で置換したNiTi系合金が適用できる。また
合金材としては、板、線、箔等、通常の形状記憶合金材
の形態のものが適用できる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の一実施例について説明する。 (実施例1)50.3at%Ni残部TiのNiTi組
成の形状記憶合金を溶解鋳造し、熱間加工、冷間加工、
冷間圧延を経て厚さ0.3mmの板材に加工した。これ
から寸法20mm×5mmの板を切り出し、450℃、
1時間の平板記憶処理を施した。次に、Ms温度(−
1.9℃)+20℃以下(室温:22℃)で、図1に示
すように半円形の治具2の半円部に密着するように形状
記憶合金1を拘束し、板の治具に接していない方の表面
に、空気圧式ショットピーニング装置によりショットピ
ーニング加工を施した。砥粒にはガラスビーズを用い、
約2秒間、板表面全体に均一にショットピーニングし
た。加工後、拘束を解いても板は拘束時の形状、すなわ
ち半円形状のままであったが、ドライヤーによりAf温
度(60℃)以上に加熱(板の温度:約70℃)した結
果、ほぼ平板形状に形状回復し、また冷風によりMs点
+20℃以下に冷却(室温)した結果再び半円形状にも
どった。加熱、冷却の繰り返し操作による形状回復の疲
労特性は良好であった。
【0011】
【比較例】上記ショットピーニング法の比較例としてト
レーニング法による二方向形状記憶処理を実施した。実
施例1と同じ組成で同寸法の板を切り出し、450℃、
1時間の平板記憶処理を施した後、Ms点+20℃以下
の温度(室温)でこの板を円筒形の金属製の治具に手で
巻き付けて、ドライヤーによりAf点以上の温度(約7
0℃)に加熱して平板形状に回復させ、氷水冷却により
再びMs点以下の温度に冷却し治具に巻き付けるという
一連の繰り返し作業を10回行った。その結果ショット
ピーニング法と同等な回復を示す二方向形状記憶合金を
作製することができたが、作業に多大な時間と手間を要
した。
【0012】(実施例2)ショットピーニング加工時
に、板の場所によりショットピーニング強度を変化させ
て、形状の制御を試した。図1に示すように、まず実施
例1と同じ組成で同寸法の板を同様の450℃、1時間
の平板記憶処理を施した形状記憶合金板1を室温で半円
形の治具2の半円部に拘束固定した。次に実施例1と同
じ条件で約2秒間、板表面全体に均一にショットピーニ
ングを施した。そして図2の斜線部に示す強度のショッ
トピーニングを施す部分5にはさらに約2秒間のショッ
トピーニングを施した。この板の拘束を解きドライヤー
により加熱(約70℃)した結果、図3に示すように、
斜線部に相当する部分にはショットピーニングが強いた
め、わずかに弧形状が残る形状となった。この材料は、
低温側で半円形、高温側で両サイドに反りを持つ直線形
状を記憶した二方向形状記憶合金となる。なおショット
ピーニングのかけ方は、最初、斜線部を除く部分に2秒
間施し、次に斜線部に4秒間続けて施す方法でもよい。
【0013】(実施例3)50.75at%Ni、0.
05Fe、残部TiのNiTi系組成の形状記憶合金を
溶解鋳造し、熱間加工、冷間加工を経て直径1mmの素
線に加工した。この線の約20cmを切り出し450
℃、1時間の直線記憶処理を施した後、Ms点(4.4
℃)+20℃以下の温度(室温)で図4のように形状記
憶合金線材3を波型の治具4に固定し約3秒の間ショッ
トピーニングを施した。その結果、Af温度(60℃)
以上の高温では直線を、室温の低温では波型の複雑な形
状を記憶させることが可能であった。
【0014】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
比較的簡単な方法により、二方向形状記憶効果を精度良
く付与することができると共に、複雑な形状にも記憶さ
せることができるもので工業状顕著な効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る板材に二方向形状記憶
効果を付与する状態を示す斜視図
【図2】本発明の一実施例に係る板材に二方向形状記憶
効果を付与する状態の他の例を示す斜視図
【図3】本発明の一実施例に係るショットピーニング処
理した板の高温側での形状を示す斜視図
【図4】本発明の一実施例に係る線材に二方向形状記憶
効果を付与する状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 形状記憶合金板材 2 半円形の治具 3 形状記憶合金線材 4 波形の治具 5 強度のショットピーニングを施す部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 和男 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NiTi系形状記憶合金を通常の記憶処
    理した後、Ms点+20℃以下の温度で所定の形状に固
    定し、ショットピーニングを施して加工硬化させること
    を特徴とするNiTi系二方向性形状記憶合金の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 NiTi系形状記憶合金を通常の記憶処
    理した後、Ms点+20℃以下の温度で所定の形状に固
    定し、該合金の所望局部にショットピーニング強度を変
    化させたショットピーニングを施して加工硬化させるこ
    とを特徴するNiTi系二方向性形状記憶合金の製造方
    法。
JP6247989A 1994-10-13 1994-10-13 NiTi系二方向性形状記憶合金の製造方法 Pending JPH08109455A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5863360A (en) * 1994-03-05 1999-01-26 The University Of Dundee Surface treatment of shape memory alloys
JP2007075618A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Sportswire Llc 疲労耐性を改善した器具を製造する際に使用するためのニチノールを準備する方法
WO2010103691A1 (ja) * 2009-03-12 2010-09-16 株式会社吉見製作所 形状記憶合金製部材の製造方法及び形状記憶合金製部材を利用したアクチュエータ
CN115519847A (zh) * 2022-10-10 2022-12-27 太原理工大学 一种具有双程形状记忆效应的金属复合薄带及其成形方法

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