JPH08109361A - 通気性を備えた使い捨て製品用ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents
通気性を備えた使い捨て製品用ホットメルト接着剤組成物Info
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- JPH08109361A JPH08109361A JP10402595A JP10402595A JPH08109361A JP H08109361 A JPH08109361 A JP H08109361A JP 10402595 A JP10402595 A JP 10402595A JP 10402595 A JP10402595 A JP 10402595A JP H08109361 A JPH08109361 A JP H08109361A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】含有オイルの滲み出しおよび糊残り現象が生じ
ず、しかも常温から体温付近での経時的にも安定した接
着性に優れた通気性を備えた使い捨て製品用ホットメル
ト接着剤組成物を提供する。 【構成】下記の(a)〜(c)成分を主成分とし、
(a)成分の配合割合が組成物全体の20〜40重量
%、(b)成分全体の配合割合が組成物全体の50〜7
0重量%、(c)成分全体の配合割合が組成物全体の2
0重量%以下に設定された使い捨て製品用ホットメルト
接着剤組成物。 (a)下記の一般式(1)で表されるブロック共重合体
であって、スチレン含有量がブロック共重合体全体の2
0〜50重量%に設定され、かつ一般式(1)における
B部分のスチレン−ブタジエンランダム共重合体のスチ
レン含有量がブロック共重合体全体の1〜15重量%に
設定されている合成ゴム。 A−B−A …(1) 〔上記式(1)において、Aはポリスチレン、Bはスチ
レン−ブタジエンのランダム共重合体である。〕 (b)粘着付与樹脂。 (c)可塑化オイル。
ず、しかも常温から体温付近での経時的にも安定した接
着性に優れた通気性を備えた使い捨て製品用ホットメル
ト接着剤組成物を提供する。 【構成】下記の(a)〜(c)成分を主成分とし、
(a)成分の配合割合が組成物全体の20〜40重量
%、(b)成分全体の配合割合が組成物全体の50〜7
0重量%、(c)成分全体の配合割合が組成物全体の2
0重量%以下に設定された使い捨て製品用ホットメルト
接着剤組成物。 (a)下記の一般式(1)で表されるブロック共重合体
であって、スチレン含有量がブロック共重合体全体の2
0〜50重量%に設定され、かつ一般式(1)における
B部分のスチレン−ブタジエンランダム共重合体のスチ
レン含有量がブロック共重合体全体の1〜15重量%に
設定されている合成ゴム。 A−B−A …(1) 〔上記式(1)において、Aはポリスチレン、Bはスチ
レン−ブタジエンのランダム共重合体である。〕 (b)粘着付与樹脂。 (c)可塑化オイル。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、生理用品等の衛生材
料,紙器包装,建材等の分野に用いられる通気性を備え
た使い捨て製品用ホットメルト接着剤組成物に関するも
のである。
料,紙器包装,建材等の分野に用いられる通気性を備え
た使い捨て製品用ホットメルト接着剤組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】通常、生理用ナプキンのような衛生材料
用品は、図1に示す構成からなる。1は吸液性シートで
あって、この吸液性シートを包むように防漏フィルム2
が配されている。3は透液性シートである。さらに、上
記防漏フィルム2面には、ショーツ生地に接着しナプキ
ンのずれ防止用のホットメルト接着剤層4が適宜に設け
られている。そして、上記ホットメルト接着剤層4の形
成材料には、ショーツ生地に対する接着性はもとより、
使用者がその使用後にナプキンを取り除く際に、ショー
ツ生地側に接着剤が残らないことが重要な基本性能とし
て要求されている。このことから、現在では、水素添加
されたスチレン−ブタジエン−スチレンの共重合体(S
EBS)をベースポリマーとしてこれに多量のオイルを
添加したポリスチレン系ホットメルト接着剤が用いられ
ている。一方、上記防漏フィルム2には、従来から、非
通気性のポリエチレンフィルムが使用されてきたが、近
年、使用者に対してむれ,かぶれ等の発生防止やソフト
な風合いを付与する目的から通気性のポリエチレンフィ
ルムが使用されるようになった。上記通気性ポリエチレ
ンフィルムは、一般に、ポリエチレンに炭酸カルシウム
等の充填剤を添加し溶融押出後に延伸して、通気孔を設
けることにより得られる。しかし、この通気孔を設けた
ことが原因で、通気性ポリエチレンフィルムを加温した
際に、熱収縮が起こり皺が発生して美観を損ねるという
問題が生じる。したがって、上記皺の発生を防止するた
めに、ポリエチレンフィルムの形成材料に、ポリブテン
やヒマシ油等の可塑剤を添加する方法が提案されてい
る。また、上記SEBSベースのポリスチレン系ホット
メルト接着剤には、多量のオイルが含有されているた
め、上記通気性ポリエチレンフィルムを用いると、上記
オイルが滲み出して美観を損ねるという問題が生じる。
用品は、図1に示す構成からなる。1は吸液性シートで
あって、この吸液性シートを包むように防漏フィルム2
が配されている。3は透液性シートである。さらに、上
記防漏フィルム2面には、ショーツ生地に接着しナプキ
ンのずれ防止用のホットメルト接着剤層4が適宜に設け
られている。そして、上記ホットメルト接着剤層4の形
成材料には、ショーツ生地に対する接着性はもとより、
使用者がその使用後にナプキンを取り除く際に、ショー
ツ生地側に接着剤が残らないことが重要な基本性能とし
て要求されている。このことから、現在では、水素添加
されたスチレン−ブタジエン−スチレンの共重合体(S
EBS)をベースポリマーとしてこれに多量のオイルを
添加したポリスチレン系ホットメルト接着剤が用いられ
ている。一方、上記防漏フィルム2には、従来から、非
通気性のポリエチレンフィルムが使用されてきたが、近
年、使用者に対してむれ,かぶれ等の発生防止やソフト
な風合いを付与する目的から通気性のポリエチレンフィ
ルムが使用されるようになった。上記通気性ポリエチレ
ンフィルムは、一般に、ポリエチレンに炭酸カルシウム
等の充填剤を添加し溶融押出後に延伸して、通気孔を設
けることにより得られる。しかし、この通気孔を設けた
ことが原因で、通気性ポリエチレンフィルムを加温した
際に、熱収縮が起こり皺が発生して美観を損ねるという
問題が生じる。したがって、上記皺の発生を防止するた
めに、ポリエチレンフィルムの形成材料に、ポリブテン
やヒマシ油等の可塑剤を添加する方法が提案されてい
る。また、上記SEBSベースのポリスチレン系ホット
メルト接着剤には、多量のオイルが含有されているた
め、上記通気性ポリエチレンフィルムを用いると、上記
オイルが滲み出して美観を損ねるという問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記皺の
発生を防止するために上記可塑剤が添加された通気性ポ
リエチレンフィルム面に、前記ホットメルト接着剤層4
を形成すると、経時的に可塑剤がホットメルト接着剤層
4に移行してホットメルト接着剤の凝集力が大幅に低下
し、使用後にナプキンを取り除く際に、被接着物である
ショーツにホットメルト接着剤の一部が残存する(糊残
り)という問題が生ずる。したがって、このような問題
の発生を抑制する目的で、可塑剤を含む通気性ポリエチ
レンフィルムに対して、実用上問題の生じ難いレベルで
接着強度が確保可能なホットメルト接着剤を選択し使用
しているが、やはり可塑剤を含む通気性フィルムに対す
る効果的なずれ止め用ホットメルト接着剤はなく、現在
はやむを得ず可塑剤を含まない通気性フィルムが使用さ
れているのが実情である。
発生を防止するために上記可塑剤が添加された通気性ポ
リエチレンフィルム面に、前記ホットメルト接着剤層4
を形成すると、経時的に可塑剤がホットメルト接着剤層
4に移行してホットメルト接着剤の凝集力が大幅に低下
し、使用後にナプキンを取り除く際に、被接着物である
ショーツにホットメルト接着剤の一部が残存する(糊残
り)という問題が生ずる。したがって、このような問題
の発生を抑制する目的で、可塑剤を含む通気性ポリエチ
レンフィルムに対して、実用上問題の生じ難いレベルで
接着強度が確保可能なホットメルト接着剤を選択し使用
しているが、やはり可塑剤を含む通気性フィルムに対す
る効果的なずれ止め用ホットメルト接着剤はなく、現在
はやむを得ず可塑剤を含まない通気性フィルムが使用さ
れているのが実情である。
【0004】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、含有オイルの滲み出しおよび糊残り現象が生
じず、しかも常温から体温付近での経時的にも安定した
接着性に優れた通気性を備えた使い捨て製品用ホットメ
ルト接着剤組成物の提供をその目的とする。
たもので、含有オイルの滲み出しおよび糊残り現象が生
じず、しかも常温から体温付近での経時的にも安定した
接着性に優れた通気性を備えた使い捨て製品用ホットメ
ルト接着剤組成物の提供をその目的とする。
【0005】
(b)粘着付与樹脂。 (c)可塑化オイル。
【0006】
【作用】すなわち、この発明者は、含有するオイルの滲
み出しが防止され、しかも経時的に優れた接着性および
高凝集力を備えたホットメルト接着剤を得るために一連
の研究を重ねた。その結果、上記(a)〜(c)成分が
特定の含有割合で含有され、しかも(a)成分が、上記
一般式(1)で表され、その一般式(1)におけるB部
分中のスチレン含有量および(a)成分全体のスチレン
含有量がそれぞれ特定の含有割合に設定されたブロック
共重合体からなる合成ゴムを用いると、所期の目的が達
成されることを見いだしこの発明に到達した。なお、こ
の発明において、「主成分とする」とは主成分のみから
なる場合も含める趣旨である。
み出しが防止され、しかも経時的に優れた接着性および
高凝集力を備えたホットメルト接着剤を得るために一連
の研究を重ねた。その結果、上記(a)〜(c)成分が
特定の含有割合で含有され、しかも(a)成分が、上記
一般式(1)で表され、その一般式(1)におけるB部
分中のスチレン含有量および(a)成分全体のスチレン
含有量がそれぞれ特定の含有割合に設定されたブロック
共重合体からなる合成ゴムを用いると、所期の目的が達
成されることを見いだしこの発明に到達した。なお、こ
の発明において、「主成分とする」とは主成分のみから
なる場合も含める趣旨である。
【0007】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0008】この発明の通気性を備えた使い捨て製品用
ホットメルト接着剤組成物(以下「ホットメルト接着剤
組成物」と略す)は、特定の合成ゴム(a成分)と、粘
着付与樹脂(b成分)と、可塑化オイル(c成分)とを
用いて得られる。
ホットメルト接着剤組成物(以下「ホットメルト接着剤
組成物」と略す)は、特定の合成ゴム(a成分)と、粘
着付与樹脂(b成分)と、可塑化オイル(c成分)とを
用いて得られる。
【0009】上記特定の合成ゴム(a成分)は、下記の
一般式(1)で表されるブロック共重合体である。
一般式(1)で表されるブロック共重合体である。
【0010】A−B−A …(1) 〔上記式(1)において、Aはポリスチレン、Bはスチ
レン−ブタジエンのランダム共重合体である。〕
レン−ブタジエンのランダム共重合体である。〕
【0011】そして、上記一般式(1)において、B部
分であるスチレン−ブタジエンランダム共重合体中のス
チレン含有量が、ブロック共重合体全体の1〜15重量
%(以下「%」と略す)の範囲に設定する必要がある。
好ましくは2〜10%であり、特に好ましくは3〜7%
である。すなわち、ブロック共重合体全体のスチレン含
有量が1%未満では、凝集力が弱くなり、15%を超え
ると、凝集力が低下するからである。さらに、上記ブロ
ック共重合体(a成分)において、スチレン含有量が、
ブロック共重合体(a成分)全体の20〜50%の範囲
に設定する必要がある。すなわち、スチレン含有量がa
成分全体の20%未満では、凝集力が低下し、50%を
超えると、接着力が低下するからである。
分であるスチレン−ブタジエンランダム共重合体中のス
チレン含有量が、ブロック共重合体全体の1〜15重量
%(以下「%」と略す)の範囲に設定する必要がある。
好ましくは2〜10%であり、特に好ましくは3〜7%
である。すなわち、ブロック共重合体全体のスチレン含
有量が1%未満では、凝集力が弱くなり、15%を超え
ると、凝集力が低下するからである。さらに、上記ブロ
ック共重合体(a成分)において、スチレン含有量が、
ブロック共重合体(a成分)全体の20〜50%の範囲
に設定する必要がある。すなわち、スチレン含有量がa
成分全体の20%未満では、凝集力が低下し、50%を
超えると、接着力が低下するからである。
【0012】さらに、a成分であるブロック共重合体に
おいて、一般式(1)におけるB部分(スチレン−ブタ
ジエンランダム共重合体)が水素添加されたものを用い
ると、ホットメルト接着剤組成物の接着性の向上および
凝集力の低下の抑制効果に加えて熱安定性の一層の向上
を図ることが可能となり特に好ましい。
おいて、一般式(1)におけるB部分(スチレン−ブタ
ジエンランダム共重合体)が水素添加されたものを用い
ると、ホットメルト接着剤組成物の接着性の向上および
凝集力の低下の抑制効果に加えて熱安定性の一層の向上
を図ることが可能となり特に好ましい。
【0013】上記a成分とともに用いられる粘着付与樹
脂(b成分)としては、特に限定するものではなく従来
公知のものが用いられる。例えば、クマロン・インデン
樹脂,フェノール・ホルムアルデヒド樹脂,変性キシレ
ン樹脂,テルペン・フェノール樹脂,テルペン樹脂,水
素添加テルペン樹脂,ポリブテン,ポリイソブチレン,
石油樹脂,水素添加石油樹脂,水素添加ロジン,水素添
加ロジンエステル,スチレン樹脂等があげられる。これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。さら
に、上記粘着付与樹脂において、水素添加されたものを
用いることが熱安定性という観点から一層好ましい。
脂(b成分)としては、特に限定するものではなく従来
公知のものが用いられる。例えば、クマロン・インデン
樹脂,フェノール・ホルムアルデヒド樹脂,変性キシレ
ン樹脂,テルペン・フェノール樹脂,テルペン樹脂,水
素添加テルペン樹脂,ポリブテン,ポリイソブチレン,
石油樹脂,水素添加石油樹脂,水素添加ロジン,水素添
加ロジンエステル,スチレン樹脂等があげられる。これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。さら
に、上記粘着付与樹脂において、水素添加されたものを
用いることが熱安定性という観点から一層好ましい。
【0014】上記a成分およびb成分とともに用いられ
る可塑化オイル(c成分)も、特に限定するものではな
く従来公知のものが用いられる。例えば、パラフィン系
オイル,ナフテン系オイル,あるいは芳香族系成分を多
量に含むオイル等があげられる。これらは単独でもしく
は2種以上併せて用いられる。
る可塑化オイル(c成分)も、特に限定するものではな
く従来公知のものが用いられる。例えば、パラフィン系
オイル,ナフテン系オイル,あるいは芳香族系成分を多
量に含むオイル等があげられる。これらは単独でもしく
は2種以上併せて用いられる。
【0015】この発明のホットメルト接着剤組成物に
は、上記a〜c成分以外に、必要に応じて、スチレン−
エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共
重合体やスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン
(SEPS)ブロック共重合体等の合成ゴム、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート
共重合体等のエチレン共重合体、ポリプロピレン−ポリ
エチレン共重合体、ポリプロピレン−ポリエチレン−ブ
テン−1共重合体等のオレフィン系樹脂、また、液状ポ
リブテン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン
や酸化防止剤等の他の添加剤を適宜に配合することがで
きる。
は、上記a〜c成分以外に、必要に応じて、スチレン−
エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共
重合体やスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン
(SEPS)ブロック共重合体等の合成ゴム、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート
共重合体等のエチレン共重合体、ポリプロピレン−ポリ
エチレン共重合体、ポリプロピレン−ポリエチレン−ブ
テン−1共重合体等のオレフィン系樹脂、また、液状ポ
リブテン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン
や酸化防止剤等の他の添加剤を適宜に配合することがで
きる。
【0016】この発明のホットメルト接着剤組成物は、
例えばつぎのようにして作製される。すなわち、a〜c
成分および必要に応じて他の添加剤を所定の割合に配
合,混合し、加熱溶融することにより得られる。
例えばつぎのようにして作製される。すなわち、a〜c
成分および必要に応じて他の添加剤を所定の割合に配
合,混合し、加熱溶融することにより得られる。
【0017】上記配合において、a〜c成分の各含有割
合は、a成分がホットメルト接着剤組成物全体の20〜
40%の範囲に、b成分がホットメルト接着剤組成物全
体の50〜70%の範囲に、またc成分がホットメルト
接着剤組成物全体の20%以下にそれぞれ設定する必要
がある。すなわち、各含有割合において、上記a成分の
含有割合が20%未満では、凝集力が低下し、40%を
超えると、接着力が低下し、溶融粘度が上昇する。ま
た、b成分の含有割合が50%未満、あるいは70%を
超えると、初期接着力(タック力)低下するからであ
る。さらに、上記c成分の含有割合が20%を超える
と、凝集力が弱くなり、滲み出しが激しくなるからであ
る。
合は、a成分がホットメルト接着剤組成物全体の20〜
40%の範囲に、b成分がホットメルト接着剤組成物全
体の50〜70%の範囲に、またc成分がホットメルト
接着剤組成物全体の20%以下にそれぞれ設定する必要
がある。すなわち、各含有割合において、上記a成分の
含有割合が20%未満では、凝集力が低下し、40%を
超えると、接着力が低下し、溶融粘度が上昇する。ま
た、b成分の含有割合が50%未満、あるいは70%を
超えると、初期接着力(タック力)低下するからであ
る。さらに、上記c成分の含有割合が20%を超える
と、凝集力が弱くなり、滲み出しが激しくなるからであ
る。
【0018】このように、この発明のホットメルト接着
剤組成物は、前記一般式(1)で表されるブロック共重
合体により合成ゴム(a成分)であるベースポリマーが
構成され、しかも一般式(1)中のスチレン−ブタジエ
ンランダム共重合体(B部分)のスチレン含有量および
組成物全体のスチレン含有量が特定の割合であることか
ら、オイルの滲み出しが防止され、しかも常温から体温
付近での凝集力の低下が抑制されて糊残りが生じず、経
時的に安定したずれ止め性が得られる。
剤組成物は、前記一般式(1)で表されるブロック共重
合体により合成ゴム(a成分)であるベースポリマーが
構成され、しかも一般式(1)中のスチレン−ブタジエ
ンランダム共重合体(B部分)のスチレン含有量および
組成物全体のスチレン含有量が特定の割合であることか
ら、オイルの滲み出しが防止され、しかも常温から体温
付近での凝集力の低下が抑制されて糊残りが生じず、経
時的に安定したずれ止め性が得られる。
【0019】
【発明の効果】以上のように、この発明のホットメルト
接着剤組成物は、特定量のスチレンを含有した前記一般
式(1)で表されるブロック共重合体で、しかも一般式
(1)におけるB部分のスチレン含有量も特定の割合に
設定された合成ゴム(a成分)をベースポリマーとし、
これに特定割合の粘着付与樹脂(b成分)および可塑化
オイル(c成分)を主成分とするものから構成されてい
る。このため、得られるホットメルト接着剤組成物を、
例えば、生理用ナプキン等の衛生用品のずれ止め用ホッ
トメルト接着剤として用いると、オイルの滲み出しが防
止され著しく美観が損なわれることがなく、しかも着用
時の体温等の軟化により凝集力の低下が防止されてずれ
やナプキン除去時の糊残り現象の発生が防止される。こ
のように、接着性に優れ、しかも被接着物に対してずれ
や糊残り等の不具合の生じない優れたホットメルト接着
剤である。また、従来のSEBSベースに比べて安価で
あり、低コスト化が図れる。したがって、この発明のホ
ットメルト接着剤組成物は、生理用ナプキンやおむつカ
バーを必要とする紙おむつ等の衛生材料の通気性フィル
ムに形成されるずれ止め用接着層形成材料の接着剤とし
て最適である。
接着剤組成物は、特定量のスチレンを含有した前記一般
式(1)で表されるブロック共重合体で、しかも一般式
(1)におけるB部分のスチレン含有量も特定の割合に
設定された合成ゴム(a成分)をベースポリマーとし、
これに特定割合の粘着付与樹脂(b成分)および可塑化
オイル(c成分)を主成分とするものから構成されてい
る。このため、得られるホットメルト接着剤組成物を、
例えば、生理用ナプキン等の衛生用品のずれ止め用ホッ
トメルト接着剤として用いると、オイルの滲み出しが防
止され著しく美観が損なわれることがなく、しかも着用
時の体温等の軟化により凝集力の低下が防止されてずれ
やナプキン除去時の糊残り現象の発生が防止される。こ
のように、接着性に優れ、しかも被接着物に対してずれ
や糊残り等の不具合の生じない優れたホットメルト接着
剤である。また、従来のSEBSベースに比べて安価で
あり、低コスト化が図れる。したがって、この発明のホ
ットメルト接着剤組成物は、生理用ナプキンやおむつカ
バーを必要とする紙おむつ等の衛生材料の通気性フィル
ムに形成されるずれ止め用接着層形成材料の接着剤とし
て最適である。
【0020】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
明する。
【0021】まず、実施例に先立って、下記の表1およ
び表2に示す合成ゴムa〜hを準備した。なお、これら
合成ゴムa〜hはいずれも下記の一般式(2)で表され
るブロック共重合体である。 A−B−A …(2) 〔上記式(2)において、Aはポリスチレン、Bはスチ
レン−ブタジエンのランダム共重合体である。〕
び表2に示す合成ゴムa〜hを準備した。なお、これら
合成ゴムa〜hはいずれも下記の一般式(2)で表され
るブロック共重合体である。 A−B−A …(2) 〔上記式(2)において、Aはポリスチレン、Bはスチ
レン−ブタジエンのランダム共重合体である。〕
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【実施例1〜12、比較例1〜16】下記の表3〜表9
に示す各成分を同表に示す割合で配合し、混合した。つ
いで、加熱溶融した後、冷却固化することによりホット
メルト接着剤組成物を製造した。
に示す各成分を同表に示す割合で配合し、混合した。つ
いで、加熱溶融した後、冷却固化することによりホット
メルト接着剤組成物を製造した。
【0025】
【表3】 *1:水素添加脂環族系石油樹脂。 *2:パラフィン系オイル。
【0026】
【表4】 *1:水素添加脂環族系石油樹脂。 *2:パラフィン系オイル。
【0027】
【表5】 *1:水素添加脂環族系石油樹脂。 *2:パラフィン系オイル。
【0028】
【表6】 *1:水素添加脂環族系石油樹脂。 *2:パラフィン系オイル。
【0029】
【表7】 *1:水素添加脂環族系石油樹脂。 *2:パラフィン系オイル。
【0030】
【表8】 *1:水素添加脂環族系石油樹脂。 *2:パラフィン系オイル。
【0031】
【表9】 *1:水素添加脂環族系石油樹脂。 *2:パラフィン系オイル。
【0032】
【比較例17】合成ゴムとして、下記の一般式(3)で
表されるブロック共重合体iを準備した。そして、下記
の表10に示す各成分を同表に示す割合で配合し、混合
した。ついで、加熱溶融した後、冷却固化することによ
りホットメルト接着剤組成物を製造した。 A−B−A …(3) 〔上記式(3)において、Aはポリスチレン、Bはポリ
ブタジエンである。〕
表されるブロック共重合体iを準備した。そして、下記
の表10に示す各成分を同表に示す割合で配合し、混合
した。ついで、加熱溶融した後、冷却固化することによ
りホットメルト接着剤組成物を製造した。 A−B−A …(3) 〔上記式(3)において、Aはポリスチレン、Bはポリ
ブタジエンである。〕
【0033】
【表10】 *1:水素添加脂環族系石油樹脂。 *2:パラフィン系オイル。
【0034】このようにして得られた実施例品および比
較例品のホットメルト接着剤組成物について、その滲み
出し性,糊残り性,接着力,熱安定性の各特性を測定し
評価した。その結果を後記の表11〜表14に示す。な
お、上記特性評価の測定方法を下記に示す。
較例品のホットメルト接着剤組成物について、その滲み
出し性,糊残り性,接着力,熱安定性の各特性を測定し
評価した。その結果を後記の表11〜表14に示す。な
お、上記特性評価の測定方法を下記に示す。
【0035】〔滲み出し性〕ポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に、厚み50μmに塗布したホットメルト
接着剤組成物を、幅2.54cm×長さ20cmに切り
取り、可塑剤を含む市販の通気性ポリエチレンフィルム
と貼り合わせた。これを、60℃の温度雰囲気下で3日
間放置した。そして、全く透明性が無い場合を◎、殆ど
透明性が無い場合を○、やや透明性がある場合を△、明
らかに透明性がある場合を×として表示した。
トフィルム上に、厚み50μmに塗布したホットメルト
接着剤組成物を、幅2.54cm×長さ20cmに切り
取り、可塑剤を含む市販の通気性ポリエチレンフィルム
と貼り合わせた。これを、60℃の温度雰囲気下で3日
間放置した。そして、全く透明性が無い場合を◎、殆ど
透明性が無い場合を○、やや透明性がある場合を△、明
らかに透明性がある場合を×として表示した。
【0036】〔糊残り性〕ポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、厚み50μmに塗布したホットメルト接
着剤組成物と、コットン生地とを、幅2.54cm×長
さ20cmにわたって貼り合わせた。これを、40℃の
温度雰囲気下で、1kgの荷重をかけて8時間放置した
後、生地を剥がした。そして、生地面にホットメルト接
着剤組成物が全く付着していない場合を◎、殆ど付着し
ていない場合を○、やや付着している場合を△、明らか
に付着している場合を×として表示した。
フィルム上に、厚み50μmに塗布したホットメルト接
着剤組成物と、コットン生地とを、幅2.54cm×長
さ20cmにわたって貼り合わせた。これを、40℃の
温度雰囲気下で、1kgの荷重をかけて8時間放置した
後、生地を剥がした。そして、生地面にホットメルト接
着剤組成物が全く付着していない場合を◎、殆ど付着し
ていない場合を○、やや付着している場合を△、明らか
に付着している場合を×として表示した。
【0037】〔接着力〕20℃の雰囲気下で、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、厚み50μmに塗布
したホットメルト接着剤組成物と、コットンショーツ生
地とを、幅2.54cm×長さ20cmで貼り合わせ
た。これを、40℃雰囲気下で、1kgの荷重をかけて
6時間放置した後、20℃雰囲気下で、引張試験機を用
いて剥離強度を測定した(JIS Z−0237に準
拠)。
レンテレフタレートフィルム上に、厚み50μmに塗布
したホットメルト接着剤組成物と、コットンショーツ生
地とを、幅2.54cm×長さ20cmで貼り合わせ
た。これを、40℃雰囲気下で、1kgの荷重をかけて
6時間放置した後、20℃雰囲気下で、引張試験機を用
いて剥離強度を測定した(JIS Z−0237に準
拠)。
【0038】〔熱安定性〕180℃の雰囲気下に72時
間放置したホットメルト接着剤組成物の色相を目視によ
り判定した。そして、完全に無色あるいは白色の場合を
◎、殆ど無色あるいは白色に近い場合を○、やや着色の
ある場合を△、明らかに着色のある場合を×として表示
した。
間放置したホットメルト接着剤組成物の色相を目視によ
り判定した。そして、完全に無色あるいは白色の場合を
◎、殆ど無色あるいは白色に近い場合を○、やや着色の
ある場合を△、明らかに着色のある場合を×として表示
した。
【0039】
【表11】
【0040】
【表12】
【0041】
【表13】
【0042】
【表14】
【0043】上記表11〜表14の結果から、比較例品
は滲み出し性,糊残り性,接着力,熱安定性の少なくと
もいずれか一つの項目に劣っていた。これに対して、全
実施例品は滲み出し性,糊残り性,接着力および熱安定
性の全てに優れていた。
は滲み出し性,糊残り性,接着力,熱安定性の少なくと
もいずれか一つの項目に劣っていた。これに対して、全
実施例品は滲み出し性,糊残り性,接着力および熱安定
性の全てに優れていた。
【図1】生理用ナプキンの構成を示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の(a)〜(c)成分を主成分と
し、(a)成分の配合割合が組成物全体の20〜40重
量%、(b)成分全体の配合割合が組成物全体の50〜
70重量%、(c)成分全体の配合割合が組成物全体の
20重量%以下に設定されていることを特徴とする通気
性を備えた使い捨て製品用ホットメルト接着剤組成物。 (a)下記の一般式(1)で表されるブロック共重合体
であって、スチレン含有量がブロック共重合体全体の2
0〜50重量%に設定され、かつ一般式(1)における
B部分のスチレン−ブタジエンランダム共重合体のスチ
レン含有量がブロック共重合体全体の1〜15重量%に
設定されている合成ゴム。 A−B−A …(1) 〔上記式(1)において、Aはポリスチレン、Bはスチ
レン−ブタジエンのランダム共重合体である。〕 (b)粘着付与樹脂。 (c)可塑化オイル。 - 【請求項2】 (a)成分である合成ゴムにおいて、一
般式(1)におけるB部分が水素添加されている請求項
1記載の通気性を備えた使い捨て製品用ホットメルト接
着剤組成物。 - 【請求項3】 (b)成分である粘着付与樹脂が水素添
加されたものである請求項1または2記載の通気性を備
えた使い捨て製品用ホットメルト接着剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10402595A JPH08109361A (ja) | 1994-08-18 | 1995-04-27 | 通気性を備えた使い捨て製品用ホットメルト接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19412094 | 1994-08-18 | ||
JP6-194120 | 1994-08-18 | ||
JP10402595A JPH08109361A (ja) | 1994-08-18 | 1995-04-27 | 通気性を備えた使い捨て製品用ホットメルト接着剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08109361A true JPH08109361A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=26444583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10402595A Pending JPH08109361A (ja) | 1994-08-18 | 1995-04-27 | 通気性を備えた使い捨て製品用ホットメルト接着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08109361A (ja) |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP10402595A patent/JPH08109361A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040309 |