JPH08109022A - 良好なる分散性及び分散安定性を示す鱗片状酸化鉄系顔料及びその製造方法並びに該顔料を含む樹脂組成物又は有機溶媒組成物 - Google Patents

良好なる分散性及び分散安定性を示す鱗片状酸化鉄系顔料及びその製造方法並びに該顔料を含む樹脂組成物又は有機溶媒組成物

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JPH08109022A JP24765494A JP24765494A JPH08109022A JP H08109022 A JPH08109022 A JP H08109022A JP 24765494 A JP24765494 A JP 24765494A JP 24765494 A JP24765494 A JP 24765494A JP H08109022 A JPH08109022 A JP H08109022A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基体顔料の表面が単位表面積(1m2)当た
りに換算して0.2〜10mgの燐酸エステルで被着さ
れたものであって、樹脂、樹脂を含む有機溶媒及び有機
溶媒に対して良好なる分散性及び分散安定性を示す事を
特徴とする鱗片状酸化鉄系顔料であって、好ましくは、
平均径で2〜30μmの顔料。水中に懸濁した基体顔料
に燐酸エステルであって、好ましくは、少なくとも燐酸
基及び酸化エチレンを有する有機燐酸エステルを添加し
た後、水分を除去して製造する。 【効果】 極めて簡便な方法で鱗片状酸化鉄系顔料は分
散性及び分散安定性を改善でき、樹脂、塗料等の分野に
おいて産業上極めて有益な技術である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂、樹脂を含む有機
溶媒及び有機溶媒中で、良好なる分散性及び分散安定性
をしめす光沢顔料及びその製造方法、並びに該光沢顔料
を用いた樹脂、塗料、印刷、インキ等の幅広い分野に於
いて利用される樹脂組成物及び有機溶媒組成物を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】鱗片状酸化鉄系顔料は天然にはMIOと
して産出され防食用塗料に利用されたり、近年において
は人工的に合成されるようになっている。下層用として
用いられる防食用塗料としては、その外観は重要視され
ないのに対し、光沢顔料として使用される場合は各種車
両や電化製品などの上塗りであるため、極めて高い品質
が要求される。特に自動車の分野では一台の車両はもち
ろんのこと多台数にわたっても同一の色であることが要
求される。
【0003】ところが鱗片状酸化鉄系顔料は樹脂や塗料
に分散し難く、又樹脂や塗料中に於いて分散安定性が不
良であった。特に分散安定性が不良であるために樹脂や
塗料中で沈殿しやすく、この結果色別れや色むらの問
題、或いは保存時には常に攪拌する必要があるなど様々
な問題を有している。この原因は鱗片状酸化鉄系顔料の
形状や大きさに起因すると考えられる。即ち分散性に関
しては通常の顔料が一般的には球状或いは粒状であり粒
子同士の接触が主に点接触であるのに対し、鱗片状酸化
鉄系顔料は板状形態を有することから、粒子同士の接触
が板面同士の面接触となるため、一般的な顔料に比べ粒
子同士の結合力が大きくなりやすいためだと考えられ
る。又分散安定性が不良であるのは粒径が1μm以上と
通常の顔料の数倍から数十倍と大きく更に比重が約5.
2と大きいことによるためだと考えられる。
【0004】この問題を解決する手段の一つとして、顔
料に高剪断力を作用させて機械的に分散状態にする手法
が一般的な顔料で行われているが、鱗片状酸化鉄系顔料
ではそれらの板状形状のために、高剪断力を作用させて
機械的に分散状態にすることができない。これはこのよ
うな作用下では鱗片状酸化鉄系顔料が破砕され、光輝性
が減じられるか或いは完全に喪失されてしまうからであ
る。このことは特開昭63−46266において同様の
形状を有する鱗片状マイカ顔料でも指摘されている。
【0005】又他方では顔料表面に親水基と親油基を有
する物質を被着して分散性を向上させることがあり、例
えば光沢顔料の一つであるアルミフレークのように必要
に応じてステアリン酸やオレイン酸等の脂肪酸が分散性
向上のために付与されている。ところがこれらの脂肪酸
を鱗片状酸化鉄系顔料に適用しようとした場合、該顔料
が一次粒子に分散されていない状態、即ち二次凝集粒子
に被着されることになり、乾燥時に固着して樹脂や塗料
中でも凝集体として挙動してしまい、分散性や分散安定
性は改善されない。さらにこれらの脂肪酸を添加する前
に鱗片状酸化鉄系顔料を一次分散させるために高剪断力
を作用させることは樹脂や塗料に分散させる時と同様の
理由により不可能である。
【0006】一方、酸化鉄に燐酸エステルを被着するも
のとして、磁気記録媒体に利用される磁性酸化鉄に燐酸
エステルを被着し磁気記録媒体としての特性の向上を図
ることが開示されている。例えば特開昭54−3693
1、特開昭57−56330、特開昭58−36931
などが公開されているが、これらは鱗片状酸化鉄系顔料
に比べて極めて微細な0.1μm以下の針状の粒子に対
してのものであり本発明とは思想が異なる。しかもそれ
らの処理方法はボールミル、サンドグラインダーミル、
エッヂランナー方式の粉砕機等を使用しており、鱗片状
酸化鉄系顔料では粒子の破砕が生じるために簡単に応用
できない。
【0007】このように鱗片状酸化鉄系顔料は産業的に
は極めて有用な材料であるにもかかわらず、その形状や
大きさが従来の顔料とはまったく異なるために、該顔料
を利用するに当たっての技術が開発不充分な現状にあっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の鱗片状酸化鉄系
顔料は分散性及び分散安定性が悪く、特に上塗り用とし
て用いられる場合、分散安定性が不良であることに起因
する色別れや色むら或いは保存安定性に劣る等の問題点
を有していた。
【0009】これに対して本発明は分散性及び分散安定
性に優れ、上述の諸問題を解決しうる鱗片状酸化鉄系顔
料とその製造方法及び該顔料を用いた樹脂組成物及び有
機溶媒組成物を提供するものである。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明者は鋭意研究を重ねた結
果、鱗片状酸化鉄系顔料に燐酸エステルを適量被着する
ことによって、鱗片状酸化鉄系顔料の樹脂や有機溶媒へ
の分散性及び樹脂や有機溶媒中での分散安定性が飛躍的
に改善する事を見出だし、本発明の完成に至ったもので
ある。又その製造方法に於いても極めて簡便且つ容易な
方法を見出だし広く活用できるものである。
【0011】次に本発明を説明する。まず、顔料の分散
性や分散安定性を向上する手段として物理的な剪断力を
作用させること以外の方法としては主に 1)顔料表面と分散媒の相溶性の向上 2)顔料同士の電荷反発 3)顔料表面への立体障害を生ずる物質の被着 等が理論的には考えられる。
【0012】これよりまず鱗片状酸化鉄系顔料を水中に
分散させる方法を考えると、上述の1)については元々
酸化鉄の表面は水酸基で覆われているために、水との相
溶性は良好であり、3)については顔料の分散自体が先
に達成されていないと効果は無いため考慮できない。従
って2)の方法によらなければならないことに必然的に
到達する。顔料の表面電荷を変える方法としては水のp
Hを顔料の等電点と異なった値にすることもあるが、顔
料表面に他の無機物質、例えば燐酸を被着する事による
方法がある。
【0013】一方鱗片状酸化鉄系顔料を樹脂や有機溶媒
に分散させる方法を考えると、上述の2)の方法は樹脂
や有機溶媒の極性が水に比べて極めて小さいか或いは全
く無いために有効な手段とはならない。従ってここでは
1)或いは3)による方法となる。1)については顔料
表面に樹脂や有機溶媒と相溶性が大なる物質、例えば酸
化エチレン基、アルキル基やアルキルフェノール基等の
有機物を被着することで改善される。また3)について
は顔料表面に有機或いは無機の高分子鎖を被着する事で
改善される。
【0014】そこで水中に於いては顔料を電荷反発させ
る燐酸基と、樹脂或いは有機溶媒中ではこれらに対して
相溶性大なる酸化エチレン基と、望ましくはさらに適度
な高分子鎖を有するアルキル基やアルキルフェノール基
等の有機物を合わせ持つ物質を鱗片状酸化鉄系顔料に処
理すれば、鱗片状酸化鉄系顔料を利用するに当たっての
諸問題を一挙に解決できるのではないかと考えた。
【0015】即ち鱗片状酸化鉄系顔料の懸濁水溶液に対
して燐酸エステルを処理することによって、鱗片状酸化
鉄系顔料の水中での高分散状態を達成し、さらに水分を
除去して得られた鱗片状酸化鉄系顔料が樹脂或いは有機
溶媒に対して良好なる分散性及び分散安定性を示すこと
を見出だした。又鱗片状酸化鉄系顔料の工業的製法は鉄
を含んだアルカリ水溶液を高圧容器中で高温高圧として
鱗片状の酸化鉄とした後、適宜洗浄、乾燥して得るもの
であり、鱗片状酸化鉄系顔料の懸濁水溶液に直接燐酸エ
ステルを処理するこの方法は工業的にも極めて利用しや
すいという特徴がある。
【0016】より具体的には鱗片状酸化鉄系顔料を含む
懸濁水溶液に燐酸エステルを添加し、顔料の単位表面積
(1▲▼)当たりに換算して0.2〜10mgの燐酸エ
ステルを被着して使用目的に合わせてpHを調整した
後、適当な方法で水分を除去することによって分散性及
び分散安定性に優れる鱗片状酸化鉄系顔料が得られる。
【0017】ここで重要な点は燐酸エステルの被着量で
あり、被着量が少ないと分散効果が現れにくく、又被着
量を多くすると分散効果の点では問題とならないが、コ
スト的には好ましくない。被着量としては顔料の単位比
表面積当たりに換算して0.2〜10mg望ましくは
0.5〜5mgが適当である。
【0018】燐酸エステルとしては少なくとも燐酸基と
酸化エチレン基を含む必要があるが、さらに樹脂や有機
溶媒と相溶性大で高分子鎖を有する適当な有機物、例え
ば炭素数6〜40のアルキル基やアルキルフェノール基
等を含むことが好ましい。
【0019】基体となる鱗片状酸化鉄系顔料の粒径が大
きすぎると顔料の比表面積が小さくなり、相対的に顔料
の単位重量当たりの燐酸エステルの被着量が少なくなる
ので、分散性及び分散安定性が改善されなくなる。一方
粒径が小さい場合には特に問題ないと考えられるが、元
々の顔料自身の光輝性が小さくなるために本発明の効果
が現れにくくなる。平均径としては2〜30μm望まし
くは3〜20μmが適当である。又板状比については特
に制約はないと考えられるので、光輝性が充分に現れる
2〜300の板状比を有する鱗片状酸化鉄系顔料に適用
できる。
【0020】又鱗片状酸化鉄系顔料の結晶構造には特に
制限はないと考えられるが、酸化鉄系顔料のうち磁化量
の大きなマグネタイトやマグヘマイトは磁気凝集を起こ
しやすい点で好ましくなく、望ましくはヘマタイト型構
造を有するのが好ましい。
【0021】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。但し以下の実施例は単に例示のために示すものであ
り、本発明の範囲がこれらによって制限されるものでは
ない。
【0022】以下の実施例の鱗片状酸化鉄系顔料の平均
径はセイシン工業製LASER MICRON SIZ
ER PRO−7000Sを用いて測定した。板状比は
平均径と電子顕微鏡による厚みの測定値より計算した。
【0023】又、顔料の分散性及び分散安定性について
は絶対評価ができないため、樹脂或いは有機溶媒中に於
ける顔料の沈降体積の大小と顔料の沈降速度によって比
較することとした。これは一般に顔料が溶媒に対して分
散性及び分散安定性が良好であるとき顔料が沈降した際
には小さな沈降体積となるが、分散性不良で一次粒子に
分散されずにアグロメレーションを形成していたり、或
いはいったん機械的な力等で一次粒子に分散しても分散
安定性不良で再び顔料同士が結合してフロキュレーショ
ンを形成するとその沈降体積は大きくなる。又沈降速度
は顔料の粒径の二乗に比例して速くなるため、分散性及
び分散安定性が良好であれば沈降速度は遅くなり、逆に
分散性や分散安定性が不良でアグロメレーションやフロ
キュレーションを形成すると見掛けの粒径が大きくなる
ために沈降速度は速くなる。
【0024】以上を元に非極性有機溶媒としてトルエン
中での顔料濃度30g/lの時の沈降速度及び顔料3g
の沈降体積の測定と、トルエンとアクリル樹脂(アクリ
ディック47−712:大日本インキ化学工業株式会社
製)との1:1混合溶液及び極性有機溶媒としてトルエ
ン/酢酸ブチル/軽ソルベントナフタ(Solvess
o100:Esso Stndard Oil C
o.,Inc.,製)の3:5:2混合有機溶媒とアク
リル樹脂(アクリディック47−712:大日本インキ
化学工業株式会社製)との3:2混合溶液の2種類の溶
液中での沈降状態の比較によって分散安定性の比較を行
った。ここで沈降状態の比較とはそれぞれの溶液に顔料
を分散して一定時間静置し、未処理品の顔料の沈降状態
(顔料の沈降界面形成とその高さ)に対して 極めて良好…顔料の沈降界面が形成されていないもの 良好…顔料の沈降界面は形成されるがその高さが未処理
品より高いもの 変化無し…顔料の沈降界面が形成されその高さも未処理
品と同等であるもの の3水準で比較したものである。
【0025】尚燐酸エステルはアルキルフェノール基を
有するものとして東邦化学製のRE−610を、アルキ
ル基を有するものとして東邦化学製のRS−710を使
用した。
【0026】実施例1 平均径15μm、板状比5を有する鱗片状酸化鉄顔料を
水に懸濁し、これをゆっくりと撹拌しながら燐酸エステ
ル(東邦化学製RE−610)を添加し単位表面積当た
り1mgを被着し、これを瀘別乾燥した。得られた顔料
は表1に示すごとく、未処理品に比べいずれの溶液中で
も分散性及び分散安定性に優れるものであった。
【0027】実施例2 平均径7μm、板状比60を有し、Al23換算で7重
量部のAlを含む、Al置換型鱗片状酸化鉄系顔料(チ
タン工業製 酸化鉄パール顔料AM−100)を水に懸
濁し、これをゆっくりと撹拌しながら燐酸エステル(東
邦化学製RE−610)を添加し単位表面積当たり1m
gを被着し、これを瀘別乾燥した。得られた顔料は表1
に示すごとく、未処理品に比べいずれの溶液中でも分散
性及び分散安定性に極めて優れるものであった。
【0028】実施例3 平均径12μm、板状比50を有し、Al23換算で4
重量部のAlを含む、Al置換型鱗片状酸化鉄系顔料
(チタン工業製 酸化鉄パール顔料AM−200)を水
に懸濁し、これをゆっくりと撹拌しながら燐酸エステル
(東邦化学製RE−610)を添加し単位表面積当たり
1mgを被着し、これを瀘別乾燥した。得られた顔料は
表1に示すごとく、未処理品に比べいずれの溶液中でも
分散性及び分散安定性に極めて優れるものであった。
【0029】実施例4 平均径15μm、板状比5を有し、Al23換算で1重
量部のAl及びZnO換算で0.5重量部のZnを含む
Al−Zn置換型鱗片状酸化鉄系顔料(チタン工業製
酸化鉄パール顔料AM−400)を水に懸濁し、これを
ゆっくりと撹拌しながら燐酸エステル(東邦化学製RE
−610)を添加し単位表面積当たり1mgを被着し、
これを瀘別乾燥した。得られた顔料は表1に示すごと
く、未処理品に比べいずれの溶液中でも分散性及び分散
安定性に優れるものであった。
【0030】実施例5 平均径9μm、板状比90を有し、Al23換算で6重
量部のAl及びMnO換算で1重量部のMnを含むAl
−Mn置換型鱗片状酸化鉄系顔料を水に懸濁し、これを
ゆっくりと撹拌しながら燐酸エステル(東邦化学製RE
−610)を添加し単位表面積当たり1mgを被着し、
これを瀘別乾燥した。得られた顔料は表1に示すごと
く、未処理品に比べいずれの溶液中でも分散性及び分散
安定性に極めて優れるものであった。
【0031】実施例6 平均径12μm、板状比50を有し、Al23換算で4
重量部のAlを含む、Al置換型鱗片状酸化鉄系顔料
(チタン工業製 酸化鉄パール顔料AM−200)を水
に懸濁し、これをゆっくりと撹拌しながら燐酸エステル
(東邦化学製RE−610)を添加し単位表面積当たり
0.5mgを被着し、これを瀘別乾燥した。得られた顔
料は表1に示すごとく、未処理品に比べいずれの溶液中
でも分散性及び分散安定性に極めて優れるものであっ
た。
【0032】実施例7 平均径12μm、板状比50を有し、Al23換算で4
重量部のAlを含む、Al置換型鱗片状酸化鉄系顔料
(チタン工業製 酸化鉄パール顔料AM−200)を水
に懸濁し、これをゆっくりと撹拌しながら燐酸エステル
(東邦化学製RE−610)を添加し単位表面積当たり
2.5mgを被着し、これを瀘別乾燥した。得られた顔
料は表1に示すごとく、未処理品に比べいずれの溶液中
でも分散性及び分散安定性に極めて優れるものであっ
た。
【0033】実施例8 平均径12μm、板状比50を有し、Al23換算で4
重量部のAlを含む、Al置換型鱗片状酸化鉄系顔料
(チタン工業製 酸化鉄パール顔料AM−200)を水
に懸濁し、これをゆっくりと撹拌しながら燐酸エステル
(東邦化学製RE−610)を添加し単位表面積当たり
10mgを被着し、これを瀘別乾燥した。得られた顔料
は表1に示すごとく、未処理品に比べいずれの溶液中で
も分散性及び分散安定性に極めて優れるものであった。
【0034】実施例9 平均径12μm、板状比50を有し、Al23換算で4
重量部のAlを含む、Al置換型鱗片状酸化鉄系顔料
(チタン工業製 酸化鉄パール顔料AM−200)を水
に懸濁し、これをゆっくりと撹拌しながら燐酸エステル
(東邦化学製RS−710)を添加し単位表面積当たり
1mgを被着し、これを瀘別乾燥した。得られた顔料は
表1に示すごとく、未処理品に比べいずれの溶液中でも
分散性及び分散安定性に極めて優れるものであった。
【0035】以上の実施例の概要を表1に示す。又上記
のいずれの実施例においても、燐酸エステルを添加した
後の懸濁水溶液中の鱗片状酸化鉄系顔料は添加前の状態
より明らかに分散していた。
【0036】比較例1 平均径12μm、板状比50を有し、Al2O3換算で
4重量部のAlを含む、Al置換型鱗片状酸化鉄系顔料
(チタン工業製 酸化鉄パール顔料AM−200)を水
に懸濁し、これをゆっくりと撹拌しながら燐酸エステル
(東邦化学製RE−610)を添加し単位表面積当たり
0.05mgを被着し、これを瀘別乾燥した。得られた
顔料は表1に示すごとく、未処理品に比べトルエン中の
分散性はやや改善されるものの、トルエン−アクリル樹
脂の溶液中及びトルエン/酢酸ブチル/S−100−ア
クリル樹脂の溶液中では分散安定性に差はなかった。又
燐酸エステルを添加した後の懸濁水溶液中の鱗片状酸化
鉄系顔料の分散状態は添加前の状態と殆ど変化しなかっ
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】鱗片状酸化鉄系顔料は樹脂や有機溶媒に
分散しにくく、樹脂や有機溶媒中に於いて分散安定性が
不良であった。特に分散安定性が不良であるために樹脂
や有機溶媒中で沈降しやすく、この結果色別れや色むら
或いは保存時には常に攪拌する必要があるなど様々な問
題を有していた。
【0039】本発明の鱗片状酸化鉄系顔料は分散性及び
分散安定性を改善することによって、これらの諸問題を
解決し、樹脂、塗料等の分野に於いて産業上極めて有益
な技術を提供するものである。又その製法も極めて簡便
且つ効果的なものであり産業上極めて利用しやすいもの
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09C 3/08 PBT

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体顔料の表面が単位表面積(1m2
    当たりに換算して0.2〜10mgの燐酸エステルで被
    着された事を特徴とする鱗片状酸化鉄系顔料。
  2. 【請求項2】 基体顔料が平均径で2〜30μmである
    事を特徴とする請求項1記載の鱗片状酸化鉄系顔料。
  3. 【請求項3】 基体顔料がヘマタイト型構造を有する鱗
    片状酸化鉄顔料又はその鉄元素の一部がAl単独で置換
    されるか、或いはさらにSi、Mn、Zn、Sb及びS
    nからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素によっ
    て置換した鱗片状酸化鉄系光沢顔料である事を特徴とす
    る請求項1記載の鱗片状酸化鉄系顔料。
  4. 【請求項4】 水中に懸濁した基体顔料に対して燐酸エ
    ステルを添加した後、水分を除去する事を特徴とする請
    求項1記載の鱗片状酸化鉄系顔料の製造方法。
  5. 【請求項5】 燐酸エステルが少なくとも燐酸基及び酸
    化エチレンを有する有機燐酸エステルであることを特徴
    とする請求項4記載の鱗片状酸化鉄系顔料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の鱗片状酸化鉄系顔料を含
    むことを特徴とする樹脂組成物又は有機溶媒組成物。
JP24765494A 1994-10-13 1994-10-13 良好なる分散性及び分散安定性を示す鱗片状酸化鉄系顔料及びその製造方法並びに該顔料を含む樹脂組成物又は有機溶媒組成物 Expired - Fee Related JP3653110B2 (ja)

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