JPH0810629Y2 - 工事用足場 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、住宅の補修工事等に使用される工事用足
場に関し、詳細には、組立が簡便で且つ高さ調整を任意
に行うことができる工事用足場に関するものである。

〔従来の技術〕

住宅等の補修工事に際しては、高所作業を伴うことが
多く、補修工事の為の足場等が必要となるが、補修工事
の場合には新築時とは違って本格的な足場を建築するこ
とが経済的に困難であり、また、補修工事は短期間で終
了するので必要以上に充実した足場を建築する必要もな
い。そこで、脚立或いははしごの上で作業を行うか、或
いは簡易的な足場を組立てて作業を行なうのが一般的で
ある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかるに、簡易的な足場等による補修工事において
は、作業状態が不安定で作業性が悪いだけでなく、安全
性に欠ける面があり、労働安全衛生規則等の面からも改
善の余地がある。さらに、足場高さは作業位置に応じて
自由に変えられることが望ましいが、上記の簡易的な足
場等では高さ調整が難しいので適正な作業姿勢を取りに
くいという問題点がある。

この考案は、こうした事情に着目してなされたもので
あって、簡便に組立てることができると共に、安定した
作業状態を得ることができ、さらに、作業位置に応じた
足場高さを自由に得ることができるような工事用足場を
提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための手段とするところは、第１
に、１対の脚部材の間にブレース及び連結板を架設して
なる工事用足場であって、前記脚部材を、対向配置され
た１対の縦桟の間に複数の横桟を架け渡してそれぞれは
しご状に形成された内側枠と外側枠で構成し、これら内
側枠と外側枠を相互に長手方向にスライド可能に連結す
ると共に、そのいずれか一方の横桟に、任意のスライド
位置で他方の横桟に着脱自在に係合される係止部材を回
動自在に取付けたことにある。

第２に、前記脚部材に、サポート部材を取付けてなる
ことにある。

〔作用〕

この考案に係る工事用足場によれば、１対の脚部材の
間にブレース及び連結板を架設しているので、安定した
工事用足場を簡便に形成することができる。

又、上記脚部材を構成する内側枠と外側枠を相互に長
手方向にスライド可能に連結し、且つそのいずれか一方
の横桟に、任意のスライド位置で他方の横桟に着脱自在
に係合される係止部材を回動自在に取付けているので、
内側枠と外側枠のスライド位置を調整して前記一方の横
桟に取付けられた係止部材を他方の横桟に係合させて固
定すれば、１対の脚部材の間、すなわち１対の内側枠又
は外側枠の間に架設された連結板を作業位置に応じて所
望の高さに配置することができる。

さらに、上記内側枠と外側枠は、対向配置された１対
の縦桟の間に複数の横桟を架け渡してそれぞれはしご状
に形成されているので、これらを連結板上への昇降用の
はしごとして利用することができる。

加えて、上記脚部材に必要に応じてサポート部材を取
付けた場合には、当該工事用足場の安定性が向上する。

そして、上記工事用足場は、工事終了後、簡便に分解
することができ、また、足場を構成する脚部材，ブレー
ス，連結板等は嵩ばらず、運搬及び保管が容易であり、
繰り返し使用することができる。

〔実施例〕

第１乃至第４図は、この考案の実施例に係る工事用足
場を示す説明図であり、工事用足場１は、対向配置され
る脚部材2,2aと該脚部材2,2aの間に架設されるブレース
３及び連結板４等から構成される。

脚部材2,2aは、夫々内側枠５と外側枠６を相互に長手
方向にスライド可能に連結して構成され、内側枠５及び
外側枠６は、夫々断面コの字形の縦桟7,7aの間に複数の
横桟8,8aを架け渡して所渭はしご状に形成したものであ
る。但し外側枠６は、第５図に示すように、断面コの字
形の縦桟７の凹部側同士を対向させて配置し、一方、内
側枠５は、断面コの字形の縦桟7aの凹部側が夫々外方を
向くように配置して横桟8,8aを架け渡しており、内側枠
５の縦桟7a同士のスパンに比べて、外側枠６の縦桟７同
士のスパンが若干長めに形成されている。そして、外側
枠６の縦桟７の凹部側の片側屈曲部９と横桟８との隙間
に、内側枠５の縦桟7aの片側屈曲部9aを入り込ませて内
側枠５と外側枠６を互いに離脱しないように連結させて
いる。

又、このように嵌合わせ状態を維持しながら長手方向
にスライド可能に連結された内側枠５と外側枠６には、
夫々ストッパ10,10aを取付けてスライド上昇限及びスラ
イド下降限を夫々規制している。

さらに実施例の工事用足場１においては、外側枠６
に、横桟８を延長する方向に支持棒11を取付けると共
に、サポート部材12を、外側枠６の支持棒11の取付点よ
り上方位置と支持棒11の先端位置とに固着して地面に到
達するように取付けている。なお、上記では該サポート
部材12を固着したが、ねじ等によって着脱自在に固定す
ることもできる。又、内側枠５には、第６図に示すよう
に、内側枠５の横桟8aの１つに、先端が二股に分れた係
止部13を有する係止部材14を回動自在に支持させてお
り、該係止部材14の係止部13が外側枠６の横桟８と係合
し得るように構成している。

さらに又、内側枠５及び外側枠６の外面には、ブレー
ス３を取付ける為のボルト15が植設されている。

一方、ブレース３は、高力棒3aの両端にリング状金具
3bを取付けたものであり、又、連結板４は、矩形枠4aで
囲まれた中央部分に網板4bを張設したもので、その長手
方向両端にかけ止め用のフック4cを２個ずつ取付けてい
る。

次いで、上記構成の脚部材2,2a及びブレース３、連結
板４等を用いた工事用足場１の組立て状態を説明する
と、まず対向配置された上記脚部材2,2aの内側枠5,5同
士の間及び外側枠6,6同士の間にブレース３を夫々交差
するように配置し、ブレース３のリング状金具3bを、内
側枠5,5及び外側枠6,6の前記ボルト15に嵌込み、ねじ止
めすることによって内側枠５及び外側枠６とブレース３
を連結する。そして、内側枠5,5の最上部の横桟8,8に連
結板４のフック4cを係合させ、内側枠5,5の間に連結板
４を架け渡す。さらに、内側枠5,5の最上部間には、長
手方向及びその直交方向に、手摺16を前記ブレース３と
同様の方法で架設すると、工事用足場１を形成すること
ができる。

上記のように構成される工事用足場１を用いて住宅等
の補修工事を行なうに当たっては、作業位置が低い場合
には、第１図に示すように、低位で内側枠５を外側枠６
に固定して作業者が連結板４の上に載って作業を行ない
得るようにすればよい。一方、作業位置が高い場合に
は、第１図の状態から内側枠５を少し持ち上げて外側枠
６と係合している係止部材14を外側枠６の横桟８から離
脱させ、さらに、内側枠５を例えば第２図に示す高さま
で上昇させて上昇位置で係止部材14を外側枠６の前記と
は異なる横桟８に改めて係合させればよい。これによっ
て工事用足場１を高位置に位置決めすることができ、補
修作業を安全に且つ能率良く行なうことができる。

尚、外側枠６に対して内側枠５を昇降させる操作は、
例えば、第７図に示されるような滑車を用いた機構を利
用すればよい。即ち、この機構は、外側枠６の上部にブ
ラケット17を取付けると共に、該ブラケット17に滑車18
を枢支させ、且つ内側枠５の下部にも滑車19を枢支させ
ている。そして、ブラケット17に端部を係止したロープ
20を、滑車19に架け渡した後、引上げて滑車18に通し、
さらに工事用足場１の下部まで引きおろしている。この
機構では、ロープ20を引き取ることによって内側枠５を
上昇させることができ、緩めることによって下降させる
ことができる。又、所望の位置で前記係止部材14を係合
させた後、その位置で張設状態にあるロープ20の引取り
端部を横桟８等に結束しておけば、係止部材14が仮には
ずれても、ロープ20によって内側枠５の落下を防止する
ことができる。

〔考案の効果〕

この考案は、以上のように構成されており、１対の脚
部材の間にブレース及び連結板を架設しているので、安
定した工事用足場を簡便に形成することができる。

又、上記脚部材を構成する内側枠と外側枠を相互に長
手方向にスライド可能に連結し、且つそのいずれか一方
の横桟に、任意のスライド位置で他方の横桟に着脱自在
に係合される係止部材を回動自在に取付けることによっ
て、内側枠と外側枠のスライド位置を調整して前記一方
の横桟に取付けられた係止部材を他方の横桟に係合させ
て固定可能としているので、例えば内側枠を上昇させて
所望の高さに固定することができる。従って、その間に
架設された連結板を作業位置に応じて所望の高さに配置
できると共に、該連結板上の作業状況に応じて安全で且
つ良好な作業姿勢で補修作業を行うことができる。

さらに、上記内側枠と外側枠を、対向配置された１対
の縦桟の間に複数の横桟を架け渡してそれぞれはしご状
に形成することによって、これらを連結板上への昇降に
利用可能としているので、昇降用のはしご等を別途用意
する必要がない。又、上記のように、これら内側枠と外
側枠のいずれか一方の横桟に取付けられた係止部材でス
ライド位置を固定できるので、構造が簡単であると共
に、製造も簡便である。

加えて、上記脚部材に必要に応じてサポート部材を取
付けることによって、当該工事用足場の安定性を向上さ
せた場合には、補修作業をより安全に行うことができ
る。

かくして、種々の作業高さが要求される補修工事にお
いて、最適の作業高さの工事用足場を容易に形成するこ
とができ、作業能率を向上させることができる。

又、工事用足場の組立てと同時に、補修作業終了後の
足場の分解も簡便に実施することができ、さらに分解し
た足場構成部品は嵩張らないので運搬や保管にも便利で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第７図は、実施例に係る工事用足場を示す説
明図で、第１図は低位置における正面図、第２図は高位
置における正面図、第３図は高位置における側面図、第
４図は高位置における斜視図、第５図は内側枠と外側枠
の組合せ構造を示す横断面図、第６図は係止部材による
固定構造を示す要部拡大図、第７図は内側枠と外側枠の
昇降機構を示す要部側面図である。 １……工事用足場 2,2a……脚部材 ３……ブレース ４……連結板 ５……内側枠 ６……外側枠 7,7a……縦桟 8,8a……横桟 12……サポート部材 14……係止部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】１対の脚部材の間にブレース及び連結板を
   架設してなる工事用足場であって、前記脚部材を、対向
   配置された１対の縦桟の間に複数の横桟を架け渡してそ
   れぞれはしご状に形成された内側枠と外側枠で構成し、
   これら内側枠と外側枠を相互に長手方向にスライド可能
   に連結すると共に、そのいずれか一方の横桟に、任意の
   スライド位置で他方の横桟に着脱自在に係合される係止
   部材を回動自在に取付けたことを特徴とする工事用足
   場。
2. 【請求項２】前記脚部材に、サポート部材を取付けてな
   る請求項１に記載の工事用足場。