JPH08105923A - 位相差測定装置及びそのゼロ調整装置及び方法 - Google Patents

位相差測定装置及びそのゼロ調整装置及び方法

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JPH08105923A
JPH08105923A JP26615494A JP26615494A JPH08105923A JP H08105923 A JPH08105923 A JP H08105923A JP 26615494 A JP26615494 A JP 26615494A JP 26615494 A JP26615494 A JP 26615494A JP H08105923 A JPH08105923 A JP H08105923A
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慶一 笠原
Kazuo Higuchi
和男 樋口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディジタル回路を使用してゼロ調整をスイッ
チの一押しで簡単円滑且つ正確に行い、長時間安定に保
持しうるゼロ調整装置及び方法を提供すること。 【構成】 クロック源1から入力した高周波クロック信
号を低周波の参照信号にする周波数逓減装置12と、検
出した低周波信号の位相と参照信号の位相との差異に対
応する電圧値及び正または負の値を有する直流電圧を出
力する位相検波手段17と、入力した直流電圧の正また
は負の値に対応して進相または遅相を指令する移相極性
選択信号と、入力した直流電圧値に応答したパルス間隔
を持つ移相指令パルスとを出力する信号判別回路19と
からなり、移相極性選択信号及び移相指令パルスに応答
して参照信号の位相を進め又は遅らせることによりゼロ
調整するようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地下に埋没する金属体
をはじめ、物体内部に存在する金属体等全て一般的な金
属の探知に用いる電磁誘導型金属探知器に関し、特に、
電磁誘導型金属探知器に用いられる信号の位相差を測定
する位相差測定装置の始業時ゼロ調整を円滑且つ安定的
に行なうためにディジタル調整方法を用いた位相差測定
装置からなる電磁誘導型金属探知器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている電磁誘導型金属
探知器に採用されてきた位相差測定装置及びそのゼロ調
整装置としては図5に示すようなものがあった。図5は
従来のゼロ調整装置を用いた位相差測定装置からなる電
磁誘導型金属探知器の構成を示すブロック図である。図
7において、51は位相が0°と90°の2つのサイン
ウェーブを出力する2相発振器、53は位相0°のサイ
ンウェーブの電力を増幅する電力増幅器、55は電力増
幅器53の出力により磁場を発生する一次コイル、57
は一次コイルにより発生した磁場を検出する二次コイル
である。この一次及び二次コイルにより金属探知センサ
を構成する。
【0003】更に、59は検出した磁場信号の電力を増
幅する電力増幅器、61は磁場信号の周波数帯域300
Hz−500Hzを通過するバンドパスフィルタ(BP
F)、67は0°−360°調整可能なサインコサイン
ポテンショメータからなるゼロ調整器、65はゼロ調整
器67の制御により入力したサインウェーブ0°と反転
回路を通した180°及び90°と反転回路を通した2
70°の位相を調整して1つのサインウェーブを出力す
る移相器、69は移相器65からのサインウェーブ出力
を矩形波の参照信号に整形する波形整形器である。
【0004】また、63はバンドパスフィルタ61から
の磁場信号(サインウェーブ)と波形整形器69からの
参照信号(矩形波)の位相差を検波し直流電圧として出
力する位相検波器、71は位相検波器の出力の直流成分
を通過するローパスフィルタ(LPF)、73はローパ
スフィルタの出力(磁場信号と参照信号の位相差を表
し、例えば、0ボルトのときは位相差0を示す)を表示
してゼロ調整状態か否かを示す指示メータである。
【0005】次に、同じく図7を参照して、従来の電磁
誘導型金属探知器に用いられた位相差測定装置及びその
ゼロ調整装置の動作について説明する。まず、2相発振
器51からの位相0°の出力信号は電力増幅器53を経
由して一次コイル55に流れ、そこに磁場を発生させ
る。他方、2相発振器51から出力した位相90°のサ
イン信号は移相器65に送られ、ゼロ調整器67により
移相調整され、調整された位相のサイン信号が波形整形
器69により矩形波の参照信号に整形される。
【0006】二次コイル57は一次コイル55により発
生した磁場を検出してサインウェーブの磁場信号を発生
し、それを電力増幅器5を介してバンドパスフィルタ6
1に送る。バンドパスフィルタ61を通過したサイン信
号の位相は位相検波器63において波形整形器69から
の参照信号の位相と比較され、その位相差が検波され直
流電圧として出力され、ローパスフィルタ71を経由し
て指示メータ73に送られ、そこでゼロ調整の結果とし
て表示される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の電磁誘導型金属探知装置に使用されている
ような、一次コイルからの交流磁場によって金属体に誘
起された磁力を二次コイルで検出するようにした高感度
金属探知方式においては、位相検波器を備えて、一次と
二次の磁場の位相差を検出することにより金属の有無を
探知するようにしている。その場合、付近に金属のない
状態でメータ指示(位相検波出力)がゼロになるよう、
位相検波器に対する参照信号の位相を調整する必要があ
った。そのために、アナログ又はディジタル位相器が用
いられてきたが、その方式では、回路部パネル面での手
動調整を必要とするほか、特に、アナログ方式では製作
時調整を必要とする上、温度変化の影響(ドリフト)が
入り易く、頻繁に位相調整を行なわなければならない等
の不便さがあった。
【0008】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
ので、ディジタル回路を使用して位相検波器のゼロ調整
をゼロ調整スイッチの一押しで簡単、円滑、且つ正確に
行い、且つその状態を長時間安定に保てるようにした位
相差測定装置及びそのゼロ調整装置及び方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】又、本発明は、上記の問題に鑑みてなされ
たもので、ゼロ調整スイッチを金属探知センサ側におく
ことにより、潜水金属探査など測定回路部を手元に置け
ない場合でも、作業中随時ゼロ調整ができるようにした
位相差測定装置及びそのゼロ調整装置及び方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるゼロ調整装
置は、上記の目的を達成するため、入力した高周波クロ
ック信号の周波数を逓減して低周波の参照信号を出力す
る第1の周波数逓減装置と、高周波クロック信号を逓減
して磁場発生用の低周波信号を出力する第2の周波数逓
減装置と、磁場から検出した低周波信号の位相と参照信
号の位相とを比較してその差異に対応する電圧値及び正
または負の値を有する直流電圧を出力する位相検波手段
と、ゼロ調整スイッチに接続され、該ゼロ調整スイッチ
を押したとき、入力した直流電圧の正または負の値に対
応して進相または遅相を指令する移相極性選択信号と、
入力した直流電圧の電圧値に応答してパルス間隔が異な
る移相指令パルスとを第1の周波数逓減装置に出力する
信号判別回路とからなり、第1の周波数逓減装置は移相
極性選択信号及び移相指令パルスを受けて、参照信号の
位相を進め又は遅らせ、それにより位相検波手段におい
て進め又は遅らせた参照信号の位相を検出した低周波信
号と所定の位相関係に導くようにしたことにより位相検
波手段の直流電圧出力をゼロ調整することを特徴とする
ものである。
【0011】また、本発明による位相差測定装置に用い
るゼロ調整装置は、上記の目的を達成するため、信号判
別回路がCPUと、パラレルペリフェラルインターフェ
ースと、アナログ/ディジタルコンバータとを含むこと
を特徴とするものである。
【0012】また、本発明による位相差測定装置に用い
るゼロ調整装置は、上記の目的を達成するため、信号判
別回路が絶対値回路と、コンパレータ回路とを含むこと
を特徴とするものである。
【0013】本発明による位相差測定装置は、上記の目
的を達成するため、信号を通して磁場を発生する一次コ
イルと該一次コイルで発生した磁場を検出してその信号
を発生する二次コイルとを含み、一次コイルに印加した
信号の位相と二次コイルから発生した信号の位相の位相
差を測定する位相差測定器であつて、高周波クロック信
号を発生するクロック信号発生手段と、高周波クロック
信号を入力して周波数を逓減し、低周波の参照信号を出
力する第1の周波数逓減装置と、高周波クロック信号を
入力して周波数を逓減し、低周波の参照信号と同一周波
数の磁場発生信号を一次コイルに出力する第2の周波数
逓減手段と、二次コイルから検出された磁場信号と参照
信号とを入力して該両信号の位相差を検出し、該位相差
に対応する電圧値及び正または負の値を有する直流電圧
を出力する位相検波手段と、ゼロ調整スイッチに接続さ
れ、該ゼロ調整スイッチを押したとき、入力した直流電
圧の正または負の値に対応して進相または遅相を指令す
る移相極性選択信号と、入力した直流電圧の電圧値に応
答してパルス間隔が異なる移相指令パルスとを第1の周
波数逓減装置に出力する信号判別回路と、磁場信号と参
照信号の位相差がゼロのゼロ調整状態にあるか否かを表
示する表示手段とを含み、第1の周波数逓減装置は移相
極性選択信号及び移相指令パルスを受けて、参照信号の
位相を進め又は遅らせ、それにより位相検波手段におい
て進め又は遅らせた参照信号の位相を検出した磁場信号
と所定の位相関係に導くようにしたことにより位相検波
手段の直流電圧出力をゼロ調整することを特徴とするも
のである。
【0014】本発明によるゼロ調整方法は、上記の目的
を達成するため、入力した高周波クロック信号の周波数
を逓減して低周波の参照信号を発生し、検出した低周波
信号の位相と参照信号の位相とを比較してその差異に対
応する電圧値及び正または負の値を有する直流電圧を発
生し、ゼロ調整スイッチの押圧により可能化されたと
き、入力した直流電圧の正または負の値に対応して進相
または遅相を指令する移相極性選択信号と、該入力した
直流電圧の電圧値に対応してパルス間隔が異なる移相指
令パルスとを発生し、移相極性選択信号及び移相指令パ
ルスに基づき、参照信号の位相を進め又は遅らせ、それ
により進め又は遅らせた参照信号の位相を検出した低周
波信号と所定の位相関係に導くことにより位相検波手段
の直流電圧出力のゼロ調整を行う各工程を含むことを特
徴とするものである。
【0015】本発明による位相差測定方法は、上記の目
的を達成するため、信号を通して磁場を発生する一次コ
イルと該一次コイルで発生した磁場を検出してその信号
を発生する二次コイルとを含み、一次コイルに印加した
信号の位相と二次コイルから発生した信号の位相の位相
差を測定する位相差測定方法であつて、一定周波数の高
周波クロック信号の周波数を逓減して低周波の参照信号
を発生し、該高周波クロック信号の周波数を逓減して、
低周波の参照信号と同一周波数の磁場発生信号を一次コ
イルに出力し、二次コイルから検出された磁場信号と参
照信号の位相差を検出して、該位相差に対応する電圧値
及び正または負の値を有する直流電圧を出力し、ゼロ調
整スイッチの押圧により可能化されたとき、入力した直
流電圧の正または負の値に対応して進相または遅相を指
令する移相極性選択信号と、入力した直流電圧の電圧値
に対応してパルス間隔が異なる移相指令パルスとを発生
し、磁場信号と参照信号の位相差がゼロのゼロ調整状態
にあるか否かを表示し、移相極性選択信号及び移相指令
パルスに基づき、参照信号の位相を進め又は遅らせ、そ
れにより進め又は遅らせた参照信号の位相を二次コイル
から検出された磁場信号と所定の位相関係に導くことに
より位相検波手段の直流電圧出力のゼロ調整を行う各工
程からなることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明による位相差測定装置及びそのゼロ調整
装置及び方法は、上記のように構成し、特に、全てディ
ジタル信号を用いて制御し、入力した一定の高周波クロ
ック信号の周波数を逓減して低周波の参照信号を発生
し、該参照信号の位相と検出した低周波信号の位相とを
比較してその差異に対応する電圧値及び正または負の値
を有する直流電圧を発生し、ゼロ調整スイッチを押圧し
たときのみ、入力した直流電圧の正または負の値に対応
して進相または遅相を指令する移相極性選択信号と、該
入力した直流電圧の電圧値に対応してパルス間隔が異な
る移相指令パルスとを発生し、その移相極性選択信号及
び移相指令パルスに基づき、参照信号の位相を進め又は
遅らせて検出した低周波信号のゼロ調整を行うようにし
たことにより、位相差測定装置のゼロ調整を簡単且つ正
確に行うこと、調整動作を極めてスムーズにすること、
気温の変化又は電源電圧の変化に影響されず、磁場信号
と参照信号との位相関係を安定且つ正確に維持すること
等ができる上、製作時調整が不要である等実施容易であ
り、高性能且つ安価な位相差測定装置を提供することが
できる。
【0017】
【実施例】以下、添付図面、図1乃至図6に基づき、本
発明の一実施例における位相差測定装置のゼロ調整装置
及び方法について詳細に説明する。図1は本発明の一実
施例によるゼロ調整装置を用いた位相差測定装置の構成
を示すブロック図、図2は図1の実施例における位相差
測定装置の各部の信号の波形を例示し移送指令パルスが
発生しない場合のタイミングチャート、図3は図1の実
施例における位相差測定装置の各部の信号の波形を例示
し移送指令パルスの発生と共に移相極性選択信号が進相
を示す場合のタイミングチャート、図4は図1の実施例
における位相差測定装置の各部の信号の波形を例示し移
送指令パルスの発生と共に移相極性選択信号が遅相を示
す場合のタイミングチャート、図5は図1の実施例にお
けるゼロ調整装置の信号判別回路の一例の詳細な構成を
示すブロック図、図6は同様にして図1の実施例におけ
る信号判別回路の他の例の詳細な構成を示すブロック図
である。
【0018】図1は、本発明の一実施例による位相差測
定装置を中心として表した電磁誘導型金属探知器の回路
の概要を示すもので、図2乃至図4はその動作を示すタ
イミングチャートである。図1において、1は高周波ク
ロック信号(以下、原高周波クロック信号という)(図
2の(A)、以下、例として図2の符号のみを示す)を
出力するクロック信号発生手段、3はクロック信号発生
手段1からの原高周波クロック信号の周波数を逓減して
一定周波数のクロック信号(図2の(B))を出力する
第2の周波数逓減装置、5は周波数逓減手段3のクロッ
ク信号出力を電力増幅しその波形をサインウェーブに整
形して磁場発生信号を出力する電力増幅波形整形器、7
は磁場発生信号を導通してそこに磁場を発生する一次コ
イル、9は一次コイル7により発生した磁場を検出し
て、対応する電流を発生する二次コイルである。
【0019】更に、11は二次コイルで検出した信号を
電力増幅して磁場信号を出力する電力増幅器、13はク
ロック信号発生手段1からの原高周波クロック信号を受
けてその周波数を1/2に逓減したクロック信号(図2
の(E))を出力する移相用素子、15は移相用素子1
3の出力を受けて更にその周波数を逓減し、第2の周波
数逓減手段から出力されるクロック信号(図2の
(B))と同位相の参照信号(図2の(F))を出力す
る周波数逓減手段、12は移相用素子13と周波数逓減
手段15とからなる第1の周波数逓減装置である。
【0020】又、17は電力増幅器11からの磁場信号
と周波数逓減手段15からの参照信号の両位相を比較し
てその位相差を検波しその位相差に対応した直流電圧を
出力する位相検波手段、19は位相検波手段17からの
直流電圧の大きさ及び極性を判別して移相指令パルス
(図2の(C):直流電圧の絶対値が大きい場合は周期
が短く、小さい場合は周期が長い、尚、電圧ゼロ及びゼ
ロ調整スイッチ21がオフの場合はパルスを発生しな
い)及び移相極性選択信号(図2の(D):“1”の場
合は位相を進め(進相)、“0”の場合は位相を遅らせ
る(遅相))を発生して移相用素子13に送るようにし
た信号判別回路、21は例えば、押圧して(切替えでも
よい)信号判別回路を接地して作動させうるようにした
ゼロ調整スイッチ、23は位相検波手段17からの直流
電圧出力を受けてゼロ調整の結果を表示する指示メータ
である。
【0021】次に、図1乃至図4を参照して、本実施例
によるゼロ調整装置を具備する位相差測定装置の動作に
ついて説明する。クロック信号発生手段1からの原高周
波クロック信号(図2の(A))は第2の周波数逓減手
段3において低周波クロック信号に変換され、電力増幅
波形整形器5を経由して一次磁場発生用のサインウェー
ブ信号を発生して一次コイル7に送られ、そこで磁場を
形成する。
【0022】一方クロック信号発生手段1からの原高周
波クロック信号は、更に、第1の周波数逓減装置12の
移相用素子13に送られる。移相用素子13は原高周波
クロック信号の受信用の他、進相用及び遅相用の移相極
性選択信号と移相の速度を指令する移相指令パルス用
(詳細は後述する)の入力端子と、次段の周波数逓減手
段15に対する出力端子とを持ち、通常状態(位相検波
手段17からの直流電圧出力がゼロか又はゼロ調整スイ
ッチ21がオフで指令パルスが発生しない状態)では入
力した原高周波クロック信号を1/2に逓減したクロッ
ク信号(図2の(E))を出力する。すなわち、移相用
素子13は基本的には1/2周波数逓減器ということが
できる。そして、この通常状態の出力クロック信号の周
期を基本サイクルとする。
【0023】図2は通常状態を示す図であり、検出され
た磁場信号と参照信号との位相が所定の位相関係(後に
詳細に説明する)にあるから移相指令パルスは発生しな
い。又、図3に示すように、移相指令パルスと共に、進
相を示すレベル“1”の移相極性選択信号が移相用素子
13に印加されると、移相用素子13は1基本サイクル
だけ、1/2に逓減したクロック信号を出力せず、その
代わり入力した原クロック信号を出力する。そのため、
参照信号は1/2基本サイクルだけ第2の周波数逓減装
置3の出力より進相する。
【0024】他方、図4に示すように、移相指令パルス
と共に、遅相を示すレベル“0”の移相極性選択信号が
移相用素子13に印加されると、移相用素子13は1基
本サイクルだけ、クロック信号の出力を停止して、1基
本サイクルだけ遅れたクロック信号を出力する。この動
作は移相指令パルスが入力される毎に行われる。すなわ
ち、移相指令パルスの周期が移相速度を指示することに
なる。これらの機能は、例えば、PLD(プログラマブ
ルロジックデバイス)などの論理素子によって実現する
ことができる。
【0025】原高周波クロック信号より周波数を1/2
に逓減した移相用素子13の出力信号は周波数逓減手段
15に送られて、更に周波数が逓減され、周波数逓減手
段15の出力クロック信号は、第2の周波数逓減手段3
の低周波クロック信号と周波数同一及び移相同一の低周
波の参照信号となる。すなわち、一次コイル7に印加さ
れる第2の周波数逓減手段3の低周波クロック信号と位
相検波手段17に印加される参照信号とは図2のタイミ
ングチャート(B),(F)に示すように、基本的に
は、周波数同一及び移相同一の波形となる。
【0026】電力増幅波形整形器5を経由した一次磁場
発生用のサインウェーブ信号は一次コイル7に印加さ
れ、そこに磁場を形成する。その磁場近傍に金属体があ
れば、二次コイルはその磁場の変化を探知して、微細な
電圧を発生し、電力増幅器11において増幅して後、位
相検波手段17に磁場信号として入力する。この一次コ
イル7及び二次コイル9により金属探知部又は金属セン
サを形成し、その間に金属が存在した場合、一次コイル
7を介して入力した磁場発生信号の位相と検出した磁場
信号の位相との間の位相差が変化するので、それを検出
して金属の存在を探知する。
【0027】位相検波手段17は別途入力した参照信号
(図2の(F))と検出した磁場信号との位相差を判定
して、その位相差に基づく電位の直流電圧を出力する。
金属を検出していない通常状態においては、この磁場信
号と参照信号とは周波数同一であり、且つ所定の位相関
係(例えば、両信号は大体+90°又は−90°位相が
ずれた関係)となるようゼロ調整される。それは、位相
検波手段17において、二次コイル9を介して検出され
た磁場信号のピーク・ツー・ピークと入力した参照信号
の矩形波の+側又は−側とが一致するような位相関係で
あり、それは参照信号の位相を第1の周波数逓減装置1
2において調整することにより達成される。このように
調整されたときに、磁場信号のピーク・ツー・ピークを
位相検波手段17で検波すると、そこからはゼロ直流電
圧が出力されることになる。
【0028】すなわち、位相検波手段17の直流電圧出
力は、参照信号と磁場信号との位相差が上記のような位
相関係にある場合は0ボルト(他の電圧でもよい)であ
り、例えば、参照信号より磁場信号が進んでいる場合は
正電圧(負電圧でもよい)を出力し、遅れている場合は
負電圧(正電圧でもよい)を出力する。又、位相差が大
きい場合は電圧の絶対値が大きく、位相差が小さい場合
は絶対値が小さい電圧を発生する。
【0029】位相検波手段17からの直流電圧出力は指
示メータ23に出力されて位相差の結果が可視表示され
ると共に、信号判別回路19に出力される。信号判別回
路19はゼロ調整スイッチ21が押されて導通し接地さ
れている間のみ作動して、入力した直流電圧に応じた前
述のような移相極性選択信号及び移相指令パルスを移相
用素子13に出力する。そして、上記のように、移相用
素子13の出力クロックパルスを増減し、その結果、参
照信号の位相を微小量づつ進相又は遅相させてゼロ調整
を完了する。
【0030】従って、位相検波手段17では、二次磁場
から検出された磁場信号の位相に対して参照信号の位相
が調節され、その直流電圧出力は次第に電圧0の状態に
移行しようとする。すなわち、直流電圧の絶対値が小さ
くなると、信号判別回路19からの移相指令パルスのパ
ルス率(パルス周期)は入力した直流電圧の絶対値に応
じて長くなる。そのように、入力した直流電圧が0に近
づくにつれて位相の調節は減速しつつ、スムースに0位
置に到達する。位相検波手段17の出力が0に落ちつい
たところ、すなわち、0位置ではパルスは発生しないか
らゼロ調整スイッチ21を離せば、ゼロ調整は完了す
る。
【0031】本実施例における信号判別回路19は、例
えば、図5に示すように、アナログ/ディジタルコンバ
ータ(ADC)33とパラレルペリフェラルインターフ
ェース(PPI)31をCPU35に付加して実現する
ことができる。すなわち、位相検波手段17からの直流
電圧をアナログ/ディジタルコンバータ(ADC)33
でディジタル信号に変換し、CPU35で処理して、ゼ
ロ調整スイッチ21のオンにより作動可能状態にされた
パラレルペリフェラルインターフェース(PPI)31
から移相極性選択信号と移相指令パルスの両信号を移相
用素子13に対して出力する。
【0032】信号判別回路19は、又、例えば、図6に
示すように、絶対値回路43とコンパレータ回路41と
を組み合わせて実現することができる。すなわち、絶対
値回路43の出力電圧とコンパレータ回路41内に予め
設定した基準電圧とを比較して、入力直流電圧の値に対
応した移相極性選択信号と移相指令パルスとを出力する
ように構成することができる。信号判別回路19は、そ
の他、電圧周波数(VF)変換器など適当な専用ICを
用いて組み立てることもできる。何れにせよ、上記の各
装置は市販のICを用いて実現することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明による電磁誘導型金属探知器用位
相差測定装置のゼロ調整装置及び方法は、上記のように
構成し、特に、参照信号と磁場信号の位相の差異を自動
的に検出し、ゼロ調整スイッチを押すのみで参照信号を
磁場信号に位相合わせしうるようにしたことにより、位
相差測定装置のゼロ調整を簡単且つ正確に行うことがで
きる。
【0034】また、本発明による電磁誘導型金属探知器
用位相差測定装置のゼロ調整装置及び方法は、上記のよ
うに構成し、特に、位相差測定装置のゼロ調整がゼロに
近づくに従い、信号判別回路からの移相指令パルスの発
生を少なくして移相速度を緩和することにより、調整動
作を極めてスムーズにすることができる。
【0035】また、本発明による電磁誘導型金属探知器
用位相差測定装置のゼロ調整装置及び方法は、上記のよ
うに構成し、特に、位相差測定に使用するクロック信号
と参照信号を作成するクロック信号とを共通のクロック
信号発生手段から取るようにしたことにより、気温の変
化又は電源電圧の変化に影響されず、磁場信号と参照信
号との位相関係を安定且つ正確に維持することができ
る。
【0036】また、本発明による電磁誘導型金属探知器
用位相差測定装置のゼロ調整装置及び方法は、上記のよ
うに構成し、特に、ゼロ調整スイッチを測定回路から離
して一次及び二次コイルからなるセンサ側に置き、遠隔
的にゼロ調整を行いうるようにすると、作業能率を向上
することができる。
【0037】また、本発明による電磁誘導型金属探知器
用位相差測定装置のゼロ調整装置及び方法は、上記のよ
うに構成し、特に、ディジタル素子のみで構成したこと
により、製作時調整が不要である等実施容易であり、高
性能且つ安価な電磁誘導型金属探知器を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるゼロ調整装置を用いた
位相差測定装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の実施例における位相差測定装置の各部の
信号の波形を例示し移送指令パルスが発生しない場合の
タイミングチャート
【図3】図1の実施例における位相差測定装置の各部の
信号の波形を例示し移送指令パルスの発生と共に移相極
性選択信号が進相を示す場合のタイミングチャート
【図4】図1の実施例における位相差測定装置の各部の
信号の波形を例示し移送指令パルスの発生と共に移相極
性選択信号が遅相を示す場合のタイミングチャート
【図5】図1の実施例におけるゼロ調整装置の信号判別
回路の一例の詳細な構成を示すブロック図
【図6】図1の実施例における信号判別回路の他の例の
詳細な構成を示すブロック図
【図7】従来のゼロ調整装置を用いた位相差測定装置か
らなる電磁誘導型金属探知器の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 クロック信号発生手段 3 第2の周波数逓減装置 5 電力増幅波形整形器 7 一次コイル 9 二次コイル 11 電力増幅器 12 第1の周波数逓減装置 13 移相用素子 15 周波数逓減手段 17 位相検波手段 19 信号判別回路 21 ゼロ調整スイッチ 23 指示メータ 31 PPI 33 ADC 35 CPU 41 コンパレータ回路 43 絶対値回路 51 2相発振器 53 整形回路 55 一次コイル 57 二次コイル 59 増幅器 61 BPF 63 位相検波器 65 移相器 67 ゼロ調整器 69 波形整形器 71 LPF 73 指示メータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力した高周波クロック信号の周波数を
    逓減して低周波の参照信号を出力する第1の周波数逓減
    装置と、 前記高周波クロック信号を逓減して磁場発生用の低周波
    信号を出力する第2の周波数逓減装置と、 前記磁場から検出した低周波信号の位相と前記参照信号
    の位相とを比較してその差異に対応する電圧値及び正ま
    たは負の値を有する直流電圧を出力する位相検波手段
    と、 ゼロ調整スイッチに接続され、該ゼロ調整スイッチを押
    したとき、入力した直流電圧の正または負の値に対応し
    て進相または遅相を指令する移相極性選択信号と、前記
    入力した直流電圧の電圧値に応答してパルス間隔が異な
    る移相指令パルスとを前記第1の周波数逓減装置に出力
    する信号判別回路とからなり、 前記第1の周波数逓減装置は前記移相極性選択信号及び
    移相指令パルスを受けて、前記参照信号の位相を進め又
    は遅らせ、それにより前記位相検波手段において前記進
    め又は遅らせた参照信号の位相を前記検出した低周波信
    号と所定の位相関係に導くようにしたことにより前記直
    流電圧をゼロ調整することを特徴とするゼロ調整装置。
  2. 【請求項2】 前記信号判別回路はCPUと、パラレル
    ペリフェラルインターフェースと、アナログ/ディジタ
    ルコンバータとを含むことを特徴とする請求項1記載の
    ゼロ調整装置。
  3. 【請求項3】 前記信号判別回路は絶対値回路と、コン
    パレータ回路とを含むことを特徴とする請求項1記載の
    ゼロ調整装置。
  4. 【請求項4】 信号を通して磁場を発生する一次コイル
    と該一次コイルで発生した磁場を検出してその信号を発
    生する二次コイルとを含み、前記一次コイルに印加した
    信号の位相と前記二次コイルから発生した信号の位相の
    位相差を測定する位相差測定器であつて、 高周波クロック信号を発生するクロック信号発生手段
    と、 前記高周波クロック信号を入力して周波数を逓減し、低
    周波の参照信号を出力する第1の周波数逓減装置と、 前記高周波クロック信号を入力して周波数を逓減し、前
    記低周波の参照信号と同一周波数の磁場発生信号を前記
    一次コイルに出力する第2の周波数逓減手段と、 前記二次コイルから検出された磁場信号と前記参照信号
    とを入力して該両信号の位相差を検出し、該位相差に対
    応する電圧値及び正または負の値を有する直流電圧を出
    力する位相検波手段と、 ゼロ調整スイッチに接続され、該ゼロ調整スイッチを押
    したとき、入力した直流電圧の正または負の値に対応し
    て進相または遅相を指令する移相極性選択信号と、前記
    入力した直流電圧の電圧値に応答してパルス間隔が異な
    る移相指令パルスとを前記第1の周波数逓減装置に出力
    する信号判別回路と、 前記磁場信号と参照信号の位相差がゼロのゼロ調整状態
    にあるか否かを表示する表示手段とを含み、 前記第1の周波数逓減装置は前記移相極性選択信号及び
    移相指令パルスを受けて、前記参照信号の位相を進め又
    は遅らせ、それにより前記位相検波手段において前記進
    め又は遅らせた参照信号の位相を前記検出した磁場信号
    と所定の位相関係に導くようにしたことにより前記直流
    電圧をゼロ調整することを特徴とする位相差測定装置。
  5. 【請求項5】 入力した高周波クロック信号の周波数を
    逓減して低周波の参照信号を発生し、 磁場から検出した低周波信号の位相と前記参照信号の位
    相とを比較してその差異に対応する電圧値及び正または
    負の値を有する直流電圧を発生し、 ゼロ調整スイッチの押圧により可能化されたとき、入力
    した直流電圧の正または負の値に対応して進相または遅
    相を指令する移相極性選択信号と、前記入力した直流電
    圧の電圧値に対応してパルス間隔が異なる移相指令パル
    スとを発生し、 前記移相極性選択信号及び移相指令パルスに基づき、前
    記参照信号の位相を進め又は遅らせ、それにより前記進
    め又は遅らせた参照信号の位相を前記検出した低周波信
    号と所定の位相関係に導くことにより前記直流電圧のゼ
    ロ調整を行う各工程、からなることを特徴とするゼロ調
    整方法。
  6. 【請求項6】 信号を通して磁場を発生する一次コイル
    と該一次コイルで発生した磁場を検出してその信号を発
    生する二次コイルとを含み、前記一次コイルに印加した
    信号の位相と前記二次コイルから発生した信号の位相の
    位相差を測定する位相差測定方法であつて、 一定周波数の高周波クロック信号の周波数を逓減して低
    周波の参照信号を発生し、 前記高周波クロック信号の周波数を逓減して、前記低周
    波の参照信号と同一周波数の磁場発生信号を前記一次コ
    イルに出力し、 前記二次コイルから検出された磁場信号と前記参照信号
    の位相差を検出して、該位相差に対応する電圧値及び正
    または負の値を有する直流電圧を出力し、 ゼロ調整スイッチの押圧により可能化されたとき、入力
    した直流電圧の正または負の値に対応して進相または遅
    相を指令する移相極性選択信号と、前記入力した直流電
    圧の電圧値に対応してパルス間隔が異なる移相指令パル
    スとを発生し、 前記磁場信号と参照信号の位相差がゼロのゼロ調整状態
    にあるか否かを表示し、 前記移相極性選択信号及び移相指令パルスに基づき、前
    記参照信号の位相を進め又は遅らせ、それにより前記進
    め又は遅らせた参照信号の位相を前記検出した低周波信
    号と所定の位相関係に導くことにより前記直流電圧のゼ
    ロ調整を行う各工程、からなることを特徴とする位相差
    測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007298300A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Chubu Regional Bureau Ministry Of Land Infrastructure & Transport 金属探知機及び金属探知方法
CN114325094A (zh) * 2021-12-29 2022-04-12 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 一种相位信息测量装置及方法

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