JPH0810581B2 - カラ−受像管 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明はシャドウマスク型カラー受像管に係り、特に
シャドウマスクの保持構造に関するものである。

（従来の技術） 一般にシャドウマスク型カラー受像管は、第４図に示
すような多数の微細なスリット透孔（１）を有し、薄い
金属板からなるシャドウマスク（２）と、支持フレーム
（３）を溶接固定し、そのフレーム（３）の各辺のほぼ
中央に弾性保持体（４）が溶接固定されたシャドウマス
ク組立体（11）を図示しない硝子外囲器に内装してい
る。このシャドウマスク組立体（11）は、弾性保持体
（４）の先端にあけられた孔を外囲器のパネルガラスの
内面に固定されたスタッドピン（以上図示せず）に嵌合
することにより所定の位置に懸架保持されている。この
ようなシャドウマスク組立体（11）においては支持フレ
ーム（３）の対角部隅部の外側壁は、加工のしやすさか
ら通常は湾曲面をなしている。

最近、支持フレームの各辺の中央ではなく、対角部に
弾性保持体を固定し、パネルガラス内面のスタッドピン
も対角部に設けて両者を嵌合させ、シャドウマスクを保
持する方法が考えられている。

支持フレームの対角部に弾性保持体を固定する場合、
フレームの対角部の外側壁が湾曲状であると弾性保持体
をフレームに密着させて強固に固定するためには、弾性
保持体の一部をフレームの対角線とほぼ同じ湾曲面形状
にしなければならない。このような形状の弾性保持体
は、加工が難しいばかりか、湾曲しているため弾性が強
くなり過ぎて、カラー受像管の製造において数回行なわ
れるシャドウマスクの着脱作業が困難となる。これを回
避するため、例えば本願と同一出願人により出願された
特願昭60−63834号では、支持フレームの対角部に平坦
部を設けるという技術が提案されている。また、最近の
シャドウマスク型カラー受像管は、より映像をきめ細か
く写し出す高精細化の傾向にある。高精細化のために
は、シャドウマスクの横ピッチを小さくすることが必要
であるが、それによって蛍光面とシャドウマスクの間隔
（ｑ値）が小さくなり、画面有効径も小さくなってしま
う。画面有効径は、規格値を満足しなければならないの
で、多数の微細なスリット透孔を有する有効部領域を大
きくする必要がある。

しかし、一般には、特に対角部においてシャドウマス
クのマスクカート部と有効部領域は非常に接近してい
る。

従って、有効部領域をある限度以上に拡大すると、カ
ラー受像管の製造において行なわれるシャドウマスクの
曲面を形成するプレス作業時に、スリット透孔の伸びが
異常に大きくなったり、シャドウマスクの破断を引き起
こしやすくなる。これは、ジャドウマスク外径を大きく
することで回避できるが、シャドウマスク外径を大きく
するにはフレーム外径も大きくしなければならず、フレ
ーム外径を大きくすればスタッドピンとフレームとの間
隔が狭くなる。そのため、カラー受像管の製造において
数回おこなわれる脱着作業を非常に困難なものとする。

（発明が解決しようとする問題点） 以上のように、従来の支持フレームの形状では、シャ
ドウマスクの有効領域の拡大が制限されてしまい、ま
た、弾性保持体の形状も複雑化し、脱着が困難となる。

本発明は、以上の欠点を解消し、対角部の画面有効径
の余裕度を増し、しかも、弾性保持体の形状が簡単で、
シャドウマスクの脱着作業も容易なシャドウマスク保持
構造を有するカラー受像管を提供することを目的とす
る。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明によるカラー受像管は上記問題を解決するため
になされたもので、矩形状シャドウマスクを固定支持す
るフレームの対角部に、管軸にほぼ平行な第１の平坦部
と第２の平坦部を有し、その第２の平坦部は第１の平坦
部よりパネル対角部方向に突出しており、第２の平坦部
にはシャドウマスクのスカート部を溶接固定し、前記第
１の平坦部には弾性保持体の一方を固定し、この弾性保
持体の他方に設けられた孔とパネルの対角部内壁面に固
定されたスタッドピンと嵌合させることにより、シャド
ウマスクを懸架支持するものである。

（作用） 本発明によれば、シャドウマスクの対角部での画面有
効径の余裕度を増すことができ、しかも、弾性保持体が
簡単な構造にでき、脱着作業によるシャドウマスクの位
置ズレを引き起し難くなる。

（実 施 例） 本発明の実施例を第１図を用いて説明する。第１図
は、シャドウマスク組立体の一部斜視図であり、第２図
は、シャドウマスク組立体を上から見た正面図であり、
第３図はシャドウマスク組立体を懸架したカラー受像管
の一部拡大断面である。第１図に示すように、シャドウ
マスク（２）は0.1〜0.3mm程度の厚さで、ほぼ矩形状を
なす、鉄製の薄板であり、多数の微細なスリット透孔
（１）があけられている。支持フレーム（13）は、厚さ
が0.5〜2.0mm程度の矩形枠状をなす鉄である。対角部４
カ所は第２図からも明らかなように、第１の平坦部（1
8）および第２の平坦部（19）で構成されている。第２
の平坦部（19）は第１の平坦部（18）よりパネル（６）
（第３図参照）の対角部方向、すなわち、、外方に突出
している。この第２の平坦部（19）の内壁に、第２図に
示すように、シャドウマスク（２）の周端部の折り曲げ
られたスカート部（10）の外壁を溶接することにより、
支持フレーム（13）にシャドウマスク（２）を固定して
いる。

対角部の第１の平坦部（18）は、支持フレーム（13）
を回転させるようなモーメントが生じないように、対角
軸にほぼ垂直であることが望ましい。また、第２の平坦
部（19）もマスクスカート部（10）との溶接が容易にで
きるよう、ほぼ垂直であることが望ましい。支持フレー
ム（13）の第１の平坦部（18）には、第３図に示すよう
に弾性保持体（14）が溶接により固定されている。第２
の平坦部（19）の底面部は弾性保持体（14）の取り付け
余裕をとるため空間であってもよい。弾性保持体（14）
は、例えばSUS631のようなばね性の強い材料であり、厚
さは0.2〜0.8mm程度が適当である。弾性保持体（14）
は、第１図および第３図に示すように、支持フレーム
（13）と反対側の部分に孔（15）があげられていて、こ
れがガラスパネル（６）の内面に固定されたスタッドピ
ン（17）に嵌合してシャドウマスク及び支持フレームが
所定の位置に懸架されている。この様な構造にすること
で対角部の有効径の余裕度をふやすことができ、しかも
弾性保持体の形状も簡単でシヤドウマスクの脱着も容易
にできる。

前述の実施例においてシャドウマスク及び支持フレー
ムは鉄の例を示した熱膨張係数の小さい例えばアンバー
合金を用いることができる。

〔発明の効果〕

本発明において対角部でシャドウマスクを保持するカ
ラー受像管において、対角画面有効径の余裕度をふやす
ことができる。弾性保持体も簡単な構造でしかも強固に
シャドウマスクをとりつけることができ、製造工程中の
脱着作業においてシャドウマスクの位置ズレが起りにく
く、また強固な固定によって外部からの衝撃に対しても
強い構造が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の実施例を示すものであり、
第１図はシャドウマスクの一部拡大斜視図、第２図は上
面図、第３図は対角部の断面図、第４図は従来のシャド
ウマスク組立体の上面図である。 （１）……スリット透孔、（２）……シャドウマスク、 （３），（13）……支持フレーム、（４），（14）……
弾性保持体、 （６）……ガラスパネル、 （７），（17）……スタッドピン、（15）……孔、 （18）……第１の平坦部、（19）……第２の平坦部 （10）……スカート部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ほぼ矩形状のパネル内面に、シャドウマス
   クとこのシャドウマスクを複数箇所において固着支持す
   る矩形状の支持フレームとを有し、前記支持フレームを
   弾性保持体を介してこのフレームの対角部で懸架するカ
   ラー受像管において、前記支持フレームの対角部に、管
   軸にほぼ平行で前記弾性保持体が固着される第１の平坦
   部と、管軸にほぼ平行で前記シャドウマスクと接合され
   る第２の平坦部とを有し、前記第２の平坦部は前記第１
   の平坦部に比し前記パネル側の対角部方向に突出してい
   ることを特徴とするカラー受像管。
2. 【請求項２】支持フレームの第１の平坦部及び第２の平
   坦部が、対角軸に対しほぼ垂直である特許請求の範囲第
   １項記載のカラー受像管。
3. 【請求項３】支持フレームの第２の平坦部の底面部は空
   間である特許請求の範囲第１項記載のカラー受像管。