JPH08102312A - 電池用隔膜の製造方法 - Google Patents
電池用隔膜の製造方法Info
- Publication number
- JPH08102312A JPH08102312A JP6236191A JP23619194A JPH08102312A JP H08102312 A JPH08102312 A JP H08102312A JP 6236191 A JP6236191 A JP 6236191A JP 23619194 A JP23619194 A JP 23619194A JP H08102312 A JPH08102312 A JP H08102312A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin film
- battery
- porous resin
- particle layer
- polymer particle
- Prior art date
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- Withdrawn
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Cell Separators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電池のサイクル寿命特性の向上およびシャッ
トダウン特性の安定化を図ることができる、電池用隔膜
の製造方法を提供する。 【構成】 ポリテトラフルオロエチレンファインパウダ
ーのペースト押出によって得られる未焼結成形体を、融
点未満の温度で二軸延伸した後、拘束状態で完全焼結す
ることにより、ポリテトラフルオロエチレン多孔性樹脂
膜1を形成するステップと、形成された多孔性樹脂膜1
の表面に、熱融解性ポリマー粒子層2を形成するステッ
プと、形成されたポリマー粒子層2に、アンカー3を形
成するための処理を施すステップとを備える。
トダウン特性の安定化を図ることができる、電池用隔膜
の製造方法を提供する。 【構成】 ポリテトラフルオロエチレンファインパウダ
ーのペースト押出によって得られる未焼結成形体を、融
点未満の温度で二軸延伸した後、拘束状態で完全焼結す
ることにより、ポリテトラフルオロエチレン多孔性樹脂
膜1を形成するステップと、形成された多孔性樹脂膜1
の表面に、熱融解性ポリマー粒子層2を形成するステッ
プと、形成されたポリマー粒子層2に、アンカー3を形
成するための処理を施すステップとを備える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池用隔膜の製造方法
に関するものであり、特に、非水電解質2次電池用隔膜
の製造方法に関するものである。
に関するものであり、特に、非水電解質2次電池用隔膜
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のLi2次電池においては、電池内
外短絡時の電池内部温度の急激な上昇によって電池内容
物が噴出し、さらには爆発が発生する問題があった。そ
こで、その対策として、隔膜に安全機能を付与する試み
が行なわれており、たとえば、合成樹脂微細多孔膜上に
溶融可能な樹脂多孔性粉末集合体を被覆したもの(特開
平3−283259)、架橋ポリエチレンと未架橋ポリ
エチレンの積層体構造とするもの(特開平3−5994
7)、隔膜表面全体をポリエチレン微粒子で覆って温度
上昇時のイオン導電性を損なわしめる方法(特公平5−
16139)等が検討されてきた。
外短絡時の電池内部温度の急激な上昇によって電池内容
物が噴出し、さらには爆発が発生する問題があった。そ
こで、その対策として、隔膜に安全機能を付与する試み
が行なわれており、たとえば、合成樹脂微細多孔膜上に
溶融可能な樹脂多孔性粉末集合体を被覆したもの(特開
平3−283259)、架橋ポリエチレンと未架橋ポリ
エチレンの積層体構造とするもの(特開平3−5994
7)、隔膜表面全体をポリエチレン微粒子で覆って温度
上昇時のイオン導電性を損なわしめる方法(特公平5−
16139)等が検討されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような電池用隔膜は、安全性の面で必ずしも十分なもの
ではなかった。
ような電池用隔膜は、安全性の面で必ずしも十分なもの
ではなかった。
【0004】すなわち、特開平3−283259および
特公平5−16139においては、微細多孔膜上の粉末
集合体やポリエチレン微粒子が、充放電サイクルの増加
に伴い、多孔膜表面から脱落してしまうため、シャット
ダウン特性が低下するという問題や、デントライトのセ
パレータ貫通抑制効果が低減して正負両極が短絡し、サ
イクル寿命が短くなる等の課題があった。
特公平5−16139においては、微細多孔膜上の粉末
集合体やポリエチレン微粒子が、充放電サイクルの増加
に伴い、多孔膜表面から脱落してしまうため、シャット
ダウン特性が低下するという問題や、デントライトのセ
パレータ貫通抑制効果が低減して正負両極が短絡し、サ
イクル寿命が短くなる等の課題があった。
【0005】また、特開平3−59947においては、
充放電サイクルの増加に伴い、未架橋フィルムと架橋フ
ィルム間の積層強度が弱まり、シャットダウン特性が不
安定になるという問題や、場合によっては未架橋フィル
ムが剥離してしまいシャットダウン特性が全く得られな
くなる等の問題があった。
充放電サイクルの増加に伴い、未架橋フィルムと架橋フ
ィルム間の積層強度が弱まり、シャットダウン特性が不
安定になるという問題や、場合によっては未架橋フィル
ムが剥離してしまいシャットダウン特性が全く得られな
くなる等の問題があった。
【0006】本発明は、上述の問題点を解決し、電池の
サイクル寿命特性の向上およびシャットダウン特性の安
定化を図ることができる、電池用隔膜の製造方法を提供
することにある。
サイクル寿命特性の向上およびシャットダウン特性の安
定化を図ることができる、電池用隔膜の製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による電池用隔
膜の製造方法は、ポリテトラフルオロエチレンファイン
パウダーのペースト押出によって得られる未焼結成形体
を、融点未満の温度で二軸延伸した後拘束状態で完全焼
結することにより、ポリテトラフルオロエチレン多孔性
樹脂膜を形成するステップと、形成された多孔性樹脂膜
の表面に、熱融解性ポリマー粒子層を形成するステップ
と、形成されたポリマー粒子層に、アンカーを形成する
ための処理を施すステップとを備えている。
膜の製造方法は、ポリテトラフルオロエチレンファイン
パウダーのペースト押出によって得られる未焼結成形体
を、融点未満の温度で二軸延伸した後拘束状態で完全焼
結することにより、ポリテトラフルオロエチレン多孔性
樹脂膜を形成するステップと、形成された多孔性樹脂膜
の表面に、熱融解性ポリマー粒子層を形成するステップ
と、形成されたポリマー粒子層に、アンカーを形成する
ための処理を施すステップとを備えている。
【0008】本発明に用いられるポリマー粒子層は、多
孔性樹脂膜が疎水性である場合、側鎖を有するエチレン
共重合体を含むものであれば特に限定されるものではな
い。これは、多孔性樹脂膜の表面張力とポリマー粒子層
の表面張力が近接するからである。
孔性樹脂膜が疎水性である場合、側鎖を有するエチレン
共重合体を含むものであれば特に限定されるものではな
い。これは、多孔性樹脂膜の表面張力とポリマー粒子層
の表面張力が近接するからである。
【0009】また、ポリマー粒子層の融点は、シャット
ダウンの高速化およびLiメタルの溶融温度以下を考慮
して、60〜170℃に設定されるとよい。60℃以下
では通常の動作環境下でシャットダウンしてしまい、一
方、170℃以上では負極のLiメタルが溶融して発火
してしまうからである。
ダウンの高速化およびLiメタルの溶融温度以下を考慮
して、60〜170℃に設定されるとよい。60℃以下
では通常の動作環境下でシャットダウンしてしまい、一
方、170℃以上では負極のLiメタルが溶融して発火
してしまうからである。
【0010】さらに、本発明に用いる多孔性樹脂膜の気
孔率は、内部抵抗を低減し、ハイレート特性の向上を図
る意味で、できるたけ高い方が好ましく、具体的には6
0〜95%が望ましい。
孔率は、内部抵抗を低減し、ハイレート特性の向上を図
る意味で、できるたけ高い方が好ましく、具体的には6
0〜95%が望ましい。
【0011】また、多孔性樹脂膜の孔径は、デントライ
トの貫通抑制の意味で小さい方が好ましく、かつ、内部
抵抗が増加しない範囲であることが必要なため、具体的
には0.01〜1.0μmが望ましい。
トの貫通抑制の意味で小さい方が好ましく、かつ、内部
抵抗が増加しない範囲であることが必要なため、具体的
には0.01〜1.0μmが望ましい。
【0012】さらに、多孔性樹脂膜の膜厚は、高エネル
ギー密度化の点で薄い方が望ましいが、取扱い等の実用
面を考慮すると、10〜50μm程度が好ましい。
ギー密度化の点で薄い方が望ましいが、取扱い等の実用
面を考慮すると、10〜50μm程度が好ましい。
【0013】また、アンカーは、多孔性樹脂膜と接する
熱融解性ポリマー粒子の一部が融解し粒子の表面から突
起するものであって、多孔性樹脂膜の表面に形成されて
いる孔と嵌合している。アンカーの形成は、多孔性樹脂
膜の表面上に熱融解性ポリマー粒子の層を設けた後、加
熱し、または、加熱するとともに、粒子層側からロー
ル、プレス等で圧着または粒子層の反対側から減圧する
ことによって行なわれる。あるいは、粒子層側からの加
圧と反対側からの減圧を同時に行なうことによっても、
アンカーを形成することができる。以上の操作により、
多孔性樹脂膜と接する熱融解性ポリマー粒子が溶融し
て、その表面の一部が突起し、多孔性樹脂膜の孔の中に
浸入して、孔と嵌合するアンカーとなる。
熱融解性ポリマー粒子の一部が融解し粒子の表面から突
起するものであって、多孔性樹脂膜の表面に形成されて
いる孔と嵌合している。アンカーの形成は、多孔性樹脂
膜の表面上に熱融解性ポリマー粒子の層を設けた後、加
熱し、または、加熱するとともに、粒子層側からロー
ル、プレス等で圧着または粒子層の反対側から減圧する
ことによって行なわれる。あるいは、粒子層側からの加
圧と反対側からの減圧を同時に行なうことによっても、
アンカーを形成することができる。以上の操作により、
多孔性樹脂膜と接する熱融解性ポリマー粒子が溶融し
て、その表面の一部が突起し、多孔性樹脂膜の孔の中に
浸入して、孔と嵌合するアンカーとなる。
【0014】さらに、二軸延伸は、縦延伸率および横延
伸率が、ともに20%以上となるように行なうことが好
ましい。これは、樹脂膜の薄肉化のためである。なお、
ここで、縦延伸率および横延伸率とは、以下の式で表わ
される値をいう。
伸率が、ともに20%以上となるように行なうことが好
ましい。これは、樹脂膜の薄肉化のためである。なお、
ここで、縦延伸率および横延伸率とは、以下の式で表わ
される値をいう。
【0015】 縦延伸率(%)={(a2 −a1 )/a1 }×100 横延伸率(%)={(b2 −b1 )/b1 }×100 a1 :延伸前の膜の縦の長さ b1 :延伸前の膜の横の長さ a2 :延伸後の膜の縦の長さ b2 :延伸後の膜の横の長さ
【0016】
【作用】この発明によれば、二軸延伸した後拘束状態で
完全焼結することにより、多孔性樹脂膜を形成する。こ
のようにして形成された多孔性樹脂膜は、フィブリル径
が細く、実質有効表面積が大きい。そのため、表面に担
持したポリマー粒子層の密着性が向上する。
完全焼結することにより、多孔性樹脂膜を形成する。こ
のようにして形成された多孔性樹脂膜は、フィブリル径
が細く、実質有効表面積が大きい。そのため、表面に担
持したポリマー粒子層の密着性が向上する。
【0017】また、この発明によれば、ポリマー粒子に
アンカーが形成されている。そのため、より強固に多孔
性樹脂膜に固定され、充放電サイクル試験においてもポ
リマー粒子層の脱落がない。その結果、短絡による異常
電流が発生しても速やかに充填閉塞し、安定したシャッ
トダウン特性を示す。さらに、原因はよくわからない
が、アンカーにより強固に固定されたポリマー粒子層付
多孔性樹脂膜は、圧縮強度が強く、デントライトの抑制
に効果的であり、サイクル特性の高寿命化の点でも有利
である。
アンカーが形成されている。そのため、より強固に多孔
性樹脂膜に固定され、充放電サイクル試験においてもポ
リマー粒子層の脱落がない。その結果、短絡による異常
電流が発生しても速やかに充填閉塞し、安定したシャッ
トダウン特性を示す。さらに、原因はよくわからない
が、アンカーにより強固に固定されたポリマー粒子層付
多孔性樹脂膜は、圧縮強度が強く、デントライトの抑制
に効果的であり、サイクル特性の高寿命化の点でも有利
である。
【0018】また、この発明によれば、二軸延伸後に完
全焼結されている。そのため、加熱収縮が全くなく、形
状保持性能に優れた電池用隔膜が得られる。その結果、
正負両極の短絡を生じにくいという効果が得られる。
全焼結されている。そのため、加熱収縮が全くなく、形
状保持性能に優れた電池用隔膜が得られる。その結果、
正負両極の短絡を生じにくいという効果が得られる。
【0019】
(実施例1)ダイキン工業社製ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)ファインパウダーF−104(分子量
400−500万)1000gと、液状潤滑剤として2
60gのホワイトオイルとを混合した。この混合物を圧
力20kg/cm2 で加圧成形後、ペースト押出機によ
り押出圧延を施し、厚さ0.2mmのシート状に形成し
た。これを、200℃の加熱炉中を通過させて加熱乾燥
し、液状潤滑剤を除去した。次いで、約300℃に加熱
したロール型延伸機で、縦方向に1000%および横方
向に500%延伸した。この延伸シートを、延伸した状
態のまま収縮しないようにして拘束状態で、500℃で
5分間加熱焼結した。
レン(PTFE)ファインパウダーF−104(分子量
400−500万)1000gと、液状潤滑剤として2
60gのホワイトオイルとを混合した。この混合物を圧
力20kg/cm2 で加圧成形後、ペースト押出機によ
り押出圧延を施し、厚さ0.2mmのシート状に形成し
た。これを、200℃の加熱炉中を通過させて加熱乾燥
し、液状潤滑剤を除去した。次いで、約300℃に加熱
したロール型延伸機で、縦方向に1000%および横方
向に500%延伸した。この延伸シートを、延伸した状
態のまま収縮しないようにして拘束状態で、500℃で
5分間加熱焼結した。
【0020】このようにして得られたシート状PTFE
多孔性樹脂膜は、厚さ10μm、気孔率80%、孔径
0.2μmであった。
多孔性樹脂膜は、厚さ10μm、気孔率80%、孔径
0.2μmであった。
【0021】図1は、このようにして得られた多孔性樹
脂膜の顕微鏡写真(5000倍)である。図1を参照し
て、この膜は、フィブリル径が細長く、綿密である。
脂膜の顕微鏡写真(5000倍)である。図1を参照し
て、この膜は、フィブリル径が細長く、綿密である。
【0022】次に、この多孔性樹脂膜に、ロールコータ
を用いて、ポリオレフィンディスパージョン(三井石油
化学(株)製ケミパールA100:融点85℃)を10
μmの厚さで塗工した。次いで、80℃で1分間の熱処
理を実施し、アンカー付電池用隔膜を作製した。
を用いて、ポリオレフィンディスパージョン(三井石油
化学(株)製ケミパールA100:融点85℃)を10
μmの厚さで塗工した。次いで、80℃で1分間の熱処
理を実施し、アンカー付電池用隔膜を作製した。
【0023】図3は、このようにして得られた電池用隔
膜を模式的に示す断面図である。図3を参照して、この
隔膜は、多孔性樹脂膜1と、その表面に形成された熱融
解性ポリマー粒子層とからなり、ポリマー粒子2の一部
に形成されたアンカー3が、多孔性樹脂膜1の孔4と嵌
合している。
膜を模式的に示す断面図である。図3を参照して、この
隔膜は、多孔性樹脂膜1と、その表面に形成された熱融
解性ポリマー粒子層とからなり、ポリマー粒子2の一部
に形成されたアンカー3が、多孔性樹脂膜1の孔4と嵌
合している。
【0024】(比較例1)アンカーを形成するための処
理を施さない以外は実施例1と同様にして、電池用隔膜
を作製した。なお、他の条件については実施例1と全く
同様であるので、その説明は省略する。
理を施さない以外は実施例1と同様にして、電池用隔膜
を作製した。なお、他の条件については実施例1と全く
同様であるので、その説明は省略する。
【0025】(比較例2)完全焼結を施さない以外は実
施例1と同様にして、電池用隔膜を作製した。なお、他
の条件については実施例1と全く同様であるので、その
説明は省略する。
施例1と同様にして、電池用隔膜を作製した。なお、他
の条件については実施例1と全く同様であるので、その
説明は省略する。
【0026】(評価)このようにして作製された3種の
電池用隔膜をそれぞれ用いて、正極にLiCoO2 、負
極に天然黒鉛を使用したLiイオン電池を作製し、充放
電電流100mA、充電終始電圧4.1V、放電終始電
圧3.0Vの条件下で、定電流充放電サイクル試験を実
施した。
電池用隔膜をそれぞれ用いて、正極にLiCoO2 、負
極に天然黒鉛を使用したLiイオン電池を作製し、充放
電電流100mA、充電終始電圧4.1V、放電終始電
圧3.0Vの条件下で、定電流充放電サイクル試験を実
施した。
【0027】充放電200サイクル試験後の容量とシャ
ットダウン特性評価結果を、表1に示す。なお、シャッ
トダウン評価は、JIS−P8110−1980に準じ
て行なった。
ットダウン特性評価結果を、表1に示す。なお、シャッ
トダウン評価は、JIS−P8110−1980に準じ
て行なった。
【0028】
【表1】
【0029】表1より明らかなように、実施例1の隔膜
を用いた電池では、200サイクル後の容量低下が少な
いとともに、透気度が無限大となっており、シャットダ
ウン特性が優れていることがわかる。これは、多孔性樹
脂膜上に密着した担持粒子の作用により、デントライト
が抑制されたためと考えられる。しかも、担持粒子は、
表面積が大きくかつアンカーが形成されていることか
ら、多孔性膜上に強固に接着している。そのため、担持
粒子は、脱落したり剥がれることがない。その結果、安
定したシャットダウン性能が得られるものと考えられ
る。
を用いた電池では、200サイクル後の容量低下が少な
いとともに、透気度が無限大となっており、シャットダ
ウン特性が優れていることがわかる。これは、多孔性樹
脂膜上に密着した担持粒子の作用により、デントライト
が抑制されたためと考えられる。しかも、担持粒子は、
表面積が大きくかつアンカーが形成されていることか
ら、多孔性膜上に強固に接着している。そのため、担持
粒子は、脱落したり剥がれることがない。その結果、安
定したシャットダウン性能が得られるものと考えられ
る。
【0030】一方、アンカー形成処理をしない比較例1
および完全焼結をしない比較例2の隔膜を用いた電池
は、容量低下が大きいとともにシャットダウン特性が良
くない。比較例1は担持粒子が脱落したためであり、比
較例2はシャットダウン時の多孔性樹脂膜の収縮により
正極と負極が短絡したためと考えられる。
および完全焼結をしない比較例2の隔膜を用いた電池
は、容量低下が大きいとともにシャットダウン特性が良
くない。比較例1は担持粒子が脱落したためであり、比
較例2はシャットダウン時の多孔性樹脂膜の収縮により
正極と負極が短絡したためと考えられる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による電
池用隔膜を用いることにより、容量低下が少なく、サイ
クル寿命特性に優れ、かつシャットダウン特性の良い安
全な非水電解質2次電池が得られる。
池用隔膜を用いることにより、容量低下が少なく、サイ
クル寿命特性に優れ、かつシャットダウン特性の良い安
全な非水電解質2次電池が得られる。
【図1】本発明による多孔性樹脂膜の繊維の形状の写真
である。
である。
【図2】比較例の多孔性樹脂膜の繊維の形状の写真であ
る。
る。
【図3】本発明による電池用隔膜を模式的に示す断面図
である。
である。
1 多孔性樹脂膜 2 熱融解性ポリマー粒子 3 アンカー
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリテトラフルオロエチレンファインパ
ウダーのペースト押出によって得られる未焼結成形体
を、融点未満の温度で二軸延伸した後、拘束状態で完全
焼結することにより、ポリテトラフルオロエチレン多孔
性樹脂膜を形成するステップと、 前記形成された多孔性樹脂膜の表面に、熱融解性ポリマ
ー粒子層を形成するステップと、 前記形成された熱融解性ポリマー粒子層に、アンカーを
形成するための処理を施すステップとを備える、電池用
隔膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記熱融解性ポリマー粒子は、側鎖を有
するエチレン共重合体を含み、融点が60〜170℃の
ポリマー粒子であることを特徴とする、請求項1記載の
電池用隔膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6236191A JPH08102312A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 電池用隔膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6236191A JPH08102312A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 電池用隔膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08102312A true JPH08102312A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=16997132
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6236191A Withdrawn JPH08102312A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 電池用隔膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08102312A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002124237A (ja) * | 2000-10-18 | 2002-04-26 | Nitto Denko Corp | 電池用セパレータおよびその製造方法 |
KR100409019B1 (ko) * | 2001-06-13 | 2003-12-06 | 주식회사 엘지화학 | 다층 미세 기공막 및 그 제조방법 |
KR100804695B1 (ko) * | 2006-04-27 | 2008-02-18 | 삼성에스디아이 주식회사 | 전지 모듈 |
JP2012209196A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Tdk Corp | 多層セパレータの製造方法 |
JP2020001962A (ja) * | 2018-06-28 | 2020-01-09 | 宇部興産建材株式会社 | ポリマーセメント組成物、硬化物及びコンクリート構造体 |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP6236191A patent/JPH08102312A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002124237A (ja) * | 2000-10-18 | 2002-04-26 | Nitto Denko Corp | 電池用セパレータおよびその製造方法 |
JP4573986B2 (ja) * | 2000-10-18 | 2010-11-04 | 日東電工株式会社 | 電池用セパレータおよびその製造方法 |
KR100409019B1 (ko) * | 2001-06-13 | 2003-12-06 | 주식회사 엘지화학 | 다층 미세 기공막 및 그 제조방법 |
KR100804695B1 (ko) * | 2006-04-27 | 2008-02-18 | 삼성에스디아이 주식회사 | 전지 모듈 |
JP2012209196A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Tdk Corp | 多層セパレータの製造方法 |
JP2020001962A (ja) * | 2018-06-28 | 2020-01-09 | 宇部興産建材株式会社 | ポリマーセメント組成物、硬化物及びコンクリート構造体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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