JPH08101148A - ガス検出器 - Google Patents

ガス検出器

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JPH08101148A
JPH08101148A JP9884495A JP9884495A JPH08101148A JP H08101148 A JPH08101148 A JP H08101148A JP 9884495 A JP9884495 A JP 9884495A JP 9884495 A JP9884495 A JP 9884495A JP H08101148 A JPH08101148 A JP H08101148A
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cathode
oxygen
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圭三 古崎
Mineji Nasu
峰次 那須
Toshitaka Matsuura
利孝 松浦
Akio Takami
昭雄 高見
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 陽極と感ガス層間の抵抗が上昇し、感ガス層
の抵抗値が初期状態から異なった値となる様な経時変化
による劣化を抑制するガス検出器を提供すること。 【構成】 陽極および陰極からなる1対の電極16a,
16bと、この電極16a,16bを覆い、感ガス性の
チタニア等の遷移金属酸化物を含み、ガス成分および/
またはガス濃度に応じて電気抵抗が変化する多孔質の感
ガス層24と、とを備え、上記陽極周辺の感ガス層24
に、上記遷移金属より原子価の大きい元素を含んだ電子
のドナー添加剤を添加した酸素ガス検出器10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス成分またはその濃
度を検出するためのガス検出器に関するものであって、
特に感ガス性の遷移金属酸化物を用いたガス検出器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来よりガスの存在、あるいはその濃度
を検出するためのガス検出器として、酸素ガス検出器、
可燃性ガス検出器等が実用化されている。これらの中
に、ガスが接触した場合に、その電気抵抗が変化する特
性を持った感ガス性の金属酸化物を使用しているものが
ある。例えばTiO2 CoO,NiO等の遷移金属元素
の酸化物等は酸素センサとして使用できる。
【0003】ここで例示した遷移金属酸化物は、非化学
量論的化合物である。そして、この非化学量論的化合物
中の荷電担体(ホール、電子)の量は、周囲の酸素ガス
分圧によって変化する。そのために、周囲の酸素ガス分
圧に応じて導電率が変化するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記酸素セ
ンサのうち、例えば、TiO2センサでは、陰極と陽極
間のバイアスによるイオン電流のために、陽極側では、
Ti4+の不足状態になるとともに、O2-の過剰な状態に
なって酸素欠陥が少なくなる。このため陽極とTiO2
の感ガス層間の抵抗が上昇し、感ガス層の抵抗値が初期
状態から異なった値となって劣化する。一方、陰極側で
も、イオン電流のために、Ti4+の過剰状態になるとと
もに、O2-の不足状態になるが、O2-は雰囲気中から補
給させるのでTiO2からなる多孔質の感ガス層は焼結
して表面積が減少する。このような感ガス層の焼結の進
行により、ガス濃度の変化に対して応答遅れを起こす。
【0005】本発明は、上記従来の技術の問題点を究明
した結果なされたもので、経時変化による劣化の少ない
ガス検出器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために次の手段を採用した。すなわち、第1の発
明は、陽極および陰極からなる1対の電極と、この電極
を覆い、感ガス性の遷移金属酸化物を含み、ガス成分お
よび/またはガス濃度に応じて電気抵抗が変化する多孔
質の感ガス層と、とを備え、上記陽極周辺の感ガス層
に、上記遷移金属より価数の大きい元素を含んだ電子の
ドナー添加剤を添加したことを特徴とするガス検出器を
要旨とする。
【0007】また、第2の発明は、陽極および陰極から
なる1対の電極と、この電極を覆い、感ガス性の遷移金
属酸化物を含み、ガス成分および/またはガス濃度に応
じて電気抵抗が変化する多孔質の感ガス層と、とを備
え、上記陰極周辺の感ガス層に、該感ガス層の焼結を抑
止する焼結抑止剤を添加したことを特徴とするガス検出
器を要旨とする。
【0008】さらに、第3の発明は、陽極および陰極か
らなる1対の電極と、この電極を覆い、感ガス性の遷移
金属酸化物を含み、ガス成分および/またはガス濃度に
応じて電気抵抗が変化する多孔質の感ガス層と、とを備
え、上記陰極周辺の感ガス層の表面積を陽極側に対して
小さくしたことを特徴とするガス検出器を要旨とする。
【0009】ここで、上記電極としては、耐熱性の導電
体であれば特に限定はないが、通常、タングステン、モ
リブデン、金あるいは白金族を主成分としたものが用い
られる。感ガス層に用いられる感ガス性金属酸化物とし
ては、検出するガス成分に応じてその物質を選択すれば
よいが、通常用いられるものとして、TiO2 ,SnO
2 ,CoO,ZnO,Nb2O5,Cr2O3,NiO等の
遷移金属酸化物があげられ、本発明においてもこれらの
うちのいずれか1つまたは2つ以上の組合せの物質を用
いればよい。
【0010】ドナー添加剤として、例えばTiO2を主
成分とする酸素センサでは、Ti4+よりイオン価数の大
きいTa5+やNb5+等のドナーとなる陽イオンおよびそ
の酸化物がある。また、第2の発明においては、焼結抑
止剤として、例えば、TiO2を主成分とする酸素セン
サでは、ZrO2の母材中に安定化剤としてY2O3を含
有したもの、あるいはCeO2などの酸化物がある。
【0011】本発明のガス検出器は、例えば、セラミッ
ク基板上に厚膜技術等のハイブリッド技術により感ガス
層等を設けることにより作成できる。あるいは、厚膜技
術等を使用せずに、サーミスタ等で用いられる、ディス
ク型、ビード型等に形成してもよい。
【0012】さらに、測定時におけるガス検出器の温度
特性の変動の減少を目的として、発熱体を感ガス層の近
傍に設けても良い。そして、この発熱体の一部とガス検
出器の一方の電極とを連結して感ガス層に電圧を印加
し、端子の数を減らすと共に測定回路を簡単にしてもよ
い。
【0013】
【作用】第1の発明では、陽極と陰極間のバイアスによ
るイオン電流によって、陽極側のTi4+の不足およびO
2-の過剰になっても、陽極側の感ガス層に添加されたド
ナー添加剤により、陽極側の感ガス層の陽イオンが多く
なっているので、過剰なO2-が酸化されてO2-を減少さ
せるとともに、還元されたドナー添加剤が感ガス層の結
合格子を構成することになる。したがって、感ガス層の
電極間抵抗の経時変化が低減される。
【0014】第2の発明では、陰極周辺の感ガス層は、
イオン電流によりTi4+の過剰状態になり、周辺ガスの
雰囲気から供給されたO2-により焼結による表面積が減
少していくが、焼結抑止剤により陰極周辺の感ガス層の
焼結が抑止されるので、感ガス濃度の変化に対する応答
性の経時変化が低減される。
【0015】また、第3の発明では、第2の発明と同様
に、陰極側の焼結を抑止するために、陰極側の感ガス層
の吸着面積を予め小さくしてあるので、焼結による吸着
面積の減少の割合を小さくできるから、応答性などの経
時変化が少なくなる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス検出
器によれば、使用に伴う劣化を低減し、安定した特性を
得ることができる。そして、第1の発明によれば、陽極
周辺にドナー添加剤を添加することにより、陽極周辺の
抵抗の増加に伴う劣化を抑制できる。
【0017】また、第2の発明によれば、陰極側の焼結
抑止剤により、陰極側の感ガス層の焼結が抑止され、ま
た、第3の発明によれば、陰極側の感ガス層の比表面積
が予め小さくなっているので、焼結に伴う比表面積の初
期状態からの変化が少なく、応答性の劣化を低減でき
る。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。な
お、説明上各図の縮尺は異なる。まず、本発明の一実施
例を第1図によって説明する。本実施例は、感ガス層と
してTiO2を使用した酸素ガス検出器10である。
【0019】第1図の部分破断した斜視図に示すよう
に、セラミック基板12上には、端子13a,13b,
13eで白金リード線14a,14b,14eに接続さ
れた検出用電極16a,16bおよび熱抵抗電極16e
等の電極パターン16が形成され、さらに上記セラミッ
ク基板12上および電極パターン16上にセラミック基
板12と一体化された第1のセラミック積層板18およ
び第1のセラミック積層板18上に第2のセラミック積
層板19がそれぞれ積層されている。この第1のセラミ
ック積層板18には、仕切り部18aで分けられた陽極
側および陰極側下窓部20a,20bが形成され、さら
に、第2のセラミック積層板19には、上記両下窓部2
0a,20bにとともに窓部20を形成する上窓部20
cが形成されている。
【0020】上記窓部20のうち陽極側および陰極側下
窓部20a,20bには、第1表に示すような組成の陽
極側および陰極側ペーストが充填されて陽極側および陰
極側感ガス下層24a,24bが形成されており、さら
に上窓部20cには、通常のTiO2の感ガス層を形成
するTiO2ペーストが充填されて感ガス上層24cが
形成されている。そして、これらの各層により感ガス層
24が形成されている。また、上記セラミック基板12
と感ガス層24との間に両者の剥離を防ぐ球形造粒粒子
22が介在している。
【0021】次に、上記酸素ガス検出器10の製造工程
を第2図ないし第6図にしたがって説明する。 アルミナ92wt%、マグネシア3wt%、および焼結
助剤(シリカ、カルシア等)5wt%をポットミルにて2
0時間混合する。その後、該混合物に有機バインダーと
してポリビニールブチラール12wt%、フタル酸ジブチ
ル4wt%を添加し、溶剤としてメチルエチルケトン、ト
ルエン等を加えた。さらにポットミルで15時間混合し
てスラリーとし、ドクタープレート法により基板用およ
び積層用グリーンシート12A,18A,19Aを形成
する。
【0022】上記グリーンシートの形状は、基板用グリ
ーンシート12Aで47.8mm×4.0mm×0.8
mmt、第1,第2の積層用グリーンシート18A,1
9Aで47.8mm×4.0mm×0.28mmtであ
る。そして、上記第1の積層用グリーンシート18A
は、仕切り部18aで仕切られた2つの陽極側および陰
極側下窓部を3.05mm×0.8mmの寸法で形成
し、さらに、第2の積層用グリーンシート19Aの上窓
部20cを3.05mm×2.0mmの寸法で形成す
る。
【0023】 次に、白金黒とスポンジ状白金とを、
2:1の比率に調合し、他に上記で用いたグリーンシ
ートの材料混合物を10wt%添加し、ブチルカルビドー
ル、エトセル等の溶剤を加えて、電極用ペーストとす
る。 次に、で調整した電極用ペーストを用い厚膜印刷
により、基板用グリーンシート12A上に電極パターン
16を形成する。電極パターン16として、上述したよ
うに、検出用電極パターン16a,16b、および感ガ
ス層24を加熱するためのヒータとなる熱抵抗電極パタ
ーン16eと、上記両パターン16の端子となる端子パ
ターン13a,13b,13eを形成する。(第2図
(イ)(ロ)) その後、上記端子パターン13a,13b,13e
に、直径0.2mmの白金リード線14a,14b,1
4eをそれぞれ接続する(第3図(イ)(ロ))。
【0024】 次に、上記基板用グリーンシート12
A上に第1の積層用グリーンシート18A、さらに第2
の積層用グリーンシート19Aを積層熱圧着して積層体
を形成する。このとき、該積層用グリーンシート18
A,19Aの窓部20には、検出用電極パターン16
a,16bの先端が露出している。そして、窓部20中
にで調整したグリーンシートと同一の材料からなる8
0〜150メッシュの球形造粒粒子(2次粒子)22を
分散付着させてから、上記積層体を1500℃で大気と
ほぼ同一雰囲気中にて2時間焼成することで一体となっ
たセラミック基板12およびセラミック積層板18,1
9を形成する(第4図(イ)、(ロ))。
【0025】上述のように球形造粒粒子22を分散付着
させて焼成すると、各粒子22が、セラミック基板12
上に分散して凹凸面を形成する。 次に、セラミック積層板18,19の窓部20内
に、TiO2を主成分とする感ガス性の金属酸化物を充
填するのであるが、ここでは、まず、第1表の試料N
o.5に示すような陽極側ペーストを調整する。
【0026】すなわち、大気中1200℃で1時間仮焼
した平均粒径1.2μmのTiO2粉末100重量部に
対して、電子導電性を高めるドナー添加剤として、平均
粒径0.5μmのTa2O5を5重量部添加し、触媒とし
て、白金黒20重量部を加え、さらに、バインダーとし
て、3重量%のエチルセルロースを2重量部だけ添加
し、これらをブチカルビトール(2−(2−ブトキシエ
トキシ)エタノールの商品名)中で混合し、300ポイ
ズの粘度にしてTiO2ペーストを調整する。そして、
この陽極側TiO2ペーストを、陽極側下窓部20a内
の陽極パターン16a上に20〜50μm厚膜塗布する
(第5図(イ)(ロ))。
【0027】一方、陰極側ペーストは、まず陽極側Ti
O2粉末の粒径より大きい平均粒径3.5μmのTiO2
粉末の100重量部に対して、焼結抑止剤として、Y2
O37モル%含有のZrO2を5重量部、そして触媒とし
て白金黒20重量部を加えて、以下、陽極側ペーストと
同様に調整する。そして、この陰極側ペーストを陰極側
下窓部20b内に20〜50μm厚膜塗布する。
【0028】次に、陽極および陰極の両電極にまたがっ
て塗布されるペーストを調整するのであるが、まず、平
均粒径1.2μmのTiO2粉末100重量部に対し
て、触媒として白金黒10重量部とロジウム黒1重量部
を加え、上記ペーストと同様に調整してペーストを作
る。そして、このペーストを上記両層上の上窓部内20
cに50〜500μm厚膜印刷する。
【0029】 その後に、上記工程を終えた積層体を
1200℃の大気中に1時間放置して焼成する(第6図
(イ)(ロ))。上記の工程で用いる陽極側および陰
極側ペーストの組成を第1表のように変えてガス検出器
の試料を作成する。この試料を酸素センサに組み立たて
た後に、次の実験によって各試料の応答速度、耐久性を
測定する。実験の結果を第2表に示す。 ○ 応答速度試験 プロパンガスバーナの排ガス中に酸素センサとして
組み立てられた試料をさらす。このプロパンガスバーナ
は、排気温が350℃で、かつ1秒毎に空気燃料比が燃
料過剰(以下リッチという、空気燃料比λ=0.9)と
燃料不足(以下リーンという、λ=1.1)との間で変
化するよう制御されている。
【0030】 排ガスがリッチのときにガス検出器1
0の出力が1V、リーンの時の出力が0Vとなるよう
に、センサに加える電圧を調整する。 応答速度として、雰囲気がリーンからリッチに変わ
る時のガス検出器10の出力が300mVから600mVに
変化する時間と、雰囲気がリッチからリーンに変わる時
の出力が600mVから300mVに変化する時間を測定す
る。 ○ 耐久性試験 酸素センサとして組み立てられた試料を実車に取り
付け、所定の耐久パターンで運転し、運転の前後の応答
速度変化から耐久性を調べる。すなわち、酸素センサS
は、第7図に示すように市販の2000ccのEFI付3
元触媒車のエンジンEngと3元触媒THC との間の排気管M
anに取り付けられる。そして、制御ユニットUni は酸素
センサSの出力に応じてエンジンの運転状態を制御す
る。センサSの出力は第8図のような回路で検出され
る。ここで、Bは電源、Rcは比較抵抗である。
【0031】 上記エンジンEng を、第9図に示す耐
久パターンで300時間運転する。なお、図中の実線は
試料の温度、破線は排気ガスの温度を示している。この
運転の前後で、上述の応答速度Tlr,Trlを測定し、そ
の変化をもって耐久性の結果とする。すなわち、運転の
前後で、応答速度の変化の少ない試料ほど耐久性に優れ
ていると判定する。なお、第1表中では、運転前を初
期、運転後を耐久試験後と記す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】上記実験から第2表に示すように、次のこ
とが分かった。 試料No.2、4〜7のように、陽極周辺の感ガス
層にTa2O5またはNb2O5が含まれていると、電極間
の抵抗RTが初期値から耐久試験後の値と比較して、ほ
とんど変化なく、試料No.1、3と比較してその効果
が顕著である。
【0035】 試料No.3〜7のように、陰極周辺
の感ガス層にY2O37モル%含有のZrO2、またはC
eO2の焼結抑止剤が含まれていると、リッチとリーン
の応答時間Tlr,Trlが初期値と耐久試験後の値との間
にさほど差がなく、焼結抑止剤の含まれていない試料N
o.1、2と比較して、その効果が顕著である。
【0036】なお、試料No.2に示すように、陽極側
の感ガス層に焼結抑止剤が添加されていない場合であっ
ても、耐久試験の前後で抵抗値の変化がないことから、
焼結は、主として陰極側で進行することが分かる。ま
た、試料No.4と試料No.5とを比較して明らかな
ように、TiO2の粒度を1.2μmから3.5μmと
大きくして、感ガス層の表面積を予め小さくすることに
より、焼結の進行を抑止し、応答時間Tlr,Trlの変化
を低減することができる。
【0037】上述したように、 抵抗値RTの応答時間
Tlr,Trlの変化は、次の実験によっても確かめられ
る。すなわち、第10図に示すように、感ガス層中の陽
極パターン16aと陰極パターン16bの外に、第3の
電極16fを設け、(イ)第3の電極16fをマイナス
側に、両電極パターン16a,16bをプラス側に接続
し、また、(ロ)第3の電極16fをプラス側に、両電
極パターン16a,16bをマイナス側に接続して、抵
抗値RTおよび応答時間Tlr,Trlを測定し、(イ)の
結果を第11図に、(ロ)の結果を第12図に示す。
【0038】この結果、(イ)の接続によれば、第1表
の試料2のドナー添加剤を含有したものでは、耐久試験
の前後で抵抗値RTの変化が見られない(第11図
(イ))。このことから、陽極側でTi4+の不足、およ
びO2-の過剰による欠陥の低減をドナー添加剤で補償す
ることができることが分かる。
【0039】また、(ロ)の接続によれば、第1表の試
料3の焼結防止剤を添加したものでは、応答時間の変化
は殆どない(第12図(ロ))。このことから、陰極側
で進行する焼結を焼結抑止剤により防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による酸素センサを示す部
分破断斜視図である。
【図2】 実施例の製造の説明図である。
【図3】 実施例の製造の説明図である。
【図4】 実施例の製造の説明図である。
【図5】 実施例の製造の説明図である。
【図6】 実施例の製造の説明図である。
【図7】 酸素センサを内燃機関に使用する耐久性試験
の要領説明図である。
【図8】 酸素センサを内燃機関に使用する耐久性試験
の要領説明図である。
【図9】 試験の耐久パターン図である。
【図10】 同実施例の作用を説明する説明図である。
【図11】 同実施例の特性を示すグラフである。
【図12】 同実施例の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10・・・酸素センサ(ガス検出器)、 12・・・セラミック基板、 16,16a,16b・・電極パターン(電極)、 18・・・第1のセラミック積層板、 19・・・第2のセラミック積層板、 20・・・窓部、 24・・・感ガス層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月23日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ガス検出器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス成分またはその濃
度を検出するためのガス検出器に関するものであって、
特に感ガス性の遷移金属酸化物を用いたガス検出器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来よりガスの存在、あるいはその濃度
を検出するためのガス検出器として、酸素ガス検出器、
可燃性ガス検出器等が実用化されている。これらの中
に、ガスが接触した場合に、その電気抵抗が変化する特
性を持った感ガス性の金属酸化物を使用しているものが
ある。例えばTiO 2CoO,NiO等の遷移金属元
素の酸化物等は酸素ガス検出器として使用できる。
【0003】ここで例示した遷移金属酸化物は、非化学
量論的化合物である。そして、この非化学量論的化合物
中の荷電担体(ホール、電子)の量は、周囲の酸素ガス
分圧によって変化する。そのために、周囲の酸素ガス分
圧に応じて導電率が変化するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記酸素ガ
ス検出器のうち、例えば、チタニアセンサでは、陰極と
陽極間のバイアスによるイオン電流(陰極から陽極への
酸素イオンO2-の移動による電流)のために、陽極側で
は、Ti 4+ の不足の状態になるとともに、O 2- 過剰の状
態となって、本来チタニアに存在していた格子欠陥(酸
素欠陥;ホール)に酸素原子が入り込み、酸素欠陥を埋
めてしまうので、酸素欠陥が少なくなる。つまり、陽極
側のチタニアが、外部の直流電圧による陰極側のチタニ
アからのO 2-の移動によって、電気的に酸化され、その
電気伝導度が低下する。このため、酸素ガス検出器を使
用しているうちに、陽極とチタニアの感ガス層間の抵抗
が上昇し、感ガス層の抵抗値が初期状態と異なる値とな
って劣化する。
【0005】本発明は、上記従来の技術の問題点を究明
した結果なされたもので、経時変化による劣化の少ない
ガス検出器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために次の手段を採用した。すなわち、発明
は、陽極および陰極からなる1対の電極と、この電極を
覆い、感ガス性の遷移金属酸化物を含み、ガス成分およ
び/またはガス濃度に応じて電気抵抗が変化する多孔質
の感ガス層と、を備え、上記陽極周辺の感ガス層に、上
記遷移金属より原子価の大きい元素を含んだ電子のドナ
ー添加剤を添加したことを特徴とするガス検出器を要旨
とする。
【0007】ここで、上記電極としては、耐熱性の導電
体であれば特に限定はないが、通常、タングステン、モ
リブデン、金あるいは白金族を主成分としたものが用い
られる。感ガス層に用いられる感ガス性金属酸化物とし
ては、検出するガス成分に応じてその物質を選択すれば
よいが、通常用いられるものとして、TiO 2 ,SnO
2 ,CoO,ZnO,Nb 2 5 ,Cr 2 3 ,NiO等の
遷移金属酸化物があげられ、本発明においてもこれらの
うちのいずれか1つまたは2つ以上の組合せの物質を用
いればよい。
【0008】また、電子のドナー添加剤としては、例え
ばチタニアを主成分とする酸素ガス検出器では、Tiよ
り原子価の大きなTaやNb等の元素及びその酸化物が
挙げられる。尚、本発明を明確に示すために、結合の手
に相当する表現として、価数よりも原子価という表現が
適切であるので、原子価と表現した。
【0009】ここで、電子のドナー添加剤とは、過剰の
電子を供給する物質を意味し、電気伝導度を向上させる
ために、このドナー添加剤が加えられる。具体的には、
感ガス層を構成する遷移金属酸化物よりも原子価の大き
い元素、例えばTi(原子価4;従ってTiイオンはT
4+)に対しては、Ta(原子価5;従ってTaイオン
はTa5+)やNb(原子価5;従ってNbイオンはNb
5+)を添加することによって、結晶格子中の余剰電子数
を増加させる手段を意味する。 例えばチタニアに対し
て、原子価の大きいTaを添加した場合、TaはTiO
2の結晶格子中に入り込み結合にあずかるが、4価のT
iに比較してTaは5価であるために、酸素との結合に
あずからない自由電子(=過剰な電子e-)を1個もつ
ことになる。この様に、例えばTaは余剰電子の供給側
(ドナー)と定義されるので、Taが電子のドナー添加
剤となる。
【0010】本発明のガス検出器は、例えば、セラミッ
ク基板上に厚膜技術等のハイブリッド技術により感ガス
層等を設けることにより作成できる。あるいは、厚膜技
術等を使用せずに、サーミスタ等で用いられる、ディス
ク型、ビード型等に形成してもよい。
【0011】さらに、測定時におけるガス検出器の温度
特性の変動の減少を目的として、発熱体を感ガス層の近
傍に設けても良い。そして、この発熱体の一部とガス検
出器の一方の電極とを連結して感ガス層に電圧を印加
し、端子の数を減らすと共に測定回路を簡単にしてもよ
い。
【0012】
【作用】a)まず、ドナーの意味について説明する。酸化チタン
(チタニア;TiO2)の様な金属酸化物が電気伝導を
生じるのは、金属酸化物中の金属原子が酸素原子と完全
に結合した状態でないためと考えられている。
【0013】例えば、チタン原子が2つの酸素原子と完
全に結合していれば、チタン原子は本来金属原子として
保有していた4つの自由電子を、全て酸素との結合に使
っているから、その様なチタン原子のみで構成された酸
化チタンの抵抗体は、殆ど電気を流さない。
【0014】しかし、チタン原子が1つの酸素原子とし
か結合していなければ、2つの自由電子が残るから、こ
れらの電子が電気伝導に寄与することになる。現実の酸
化チタンは、(4つの自由電子を全て酸素との結合に使
用している)酸化チタンと(結合に使用していない2つ
の自由電子を残す)酸化チタンが、ある割合で混合した
ものと考えられており、各々が共有結合して格子を形成
していると考えられる。
【0015】即ち、酸化チタンの中には、チタン原子の
不完全結合によって、結合に預からない自由電子が存在
する。この様に結合に預からない自由電子を持つ原子の
ことをドナーと呼ぶ。通常の酸化チタン中では、チタン
原子がドナーとして存在しており、それが酸化チタンの
電気伝導を生じさせている。この場合、完全に格子が形
成されていないので、酸素原子の抜けている所を格子欠
陥(酸素欠陥)と呼ぶ。
【0016】ところが、直流電流を酸化チタンに流す
と、イオン電流によって、陰極から酸素イオンが陽極に
運ばれるので、陽極近傍では、酸素が過剰になる。結果
として、本来存在していた格子欠陥に酸素原子が入り込
み、格子欠陥を埋めてしまうので、チタン原子がドナー
でなくなり(即ち自由電子が無くなり)、電気伝導が悪
くなるという経時変化を生じる。
【0017】b)そこで、本発明では、その対策とし
て、チタン原子の代わりにチタン原子よりも自由電子の
数の多い(即ち原子価の多い)原子を、陽極周辺の酸化
チタンの格子に嵌め込むことを考え。例えばチタンより
一つ原子価の多いタンタル(Ta)をチタンの代わりに
格子に嵌め込むと、自由電子を有する格子となる。
【0018】つまり、タンタルの原子価は5であるの
で、1つの格子欠陥に対してチタンよりも自由電子が1
つ多く生じることになる。この事が、酸素の余剰によっ
て格子欠陥が消滅しても、電気伝導度の経時変化を抑え
る働きをする。即ち、直流電流で酸素イオンが運ばれ、
酸素が余剰になることで格子欠陥が無くなったとして
も、依然として1つの自由電子が残ることになる。
【0019】つまり、本発明は、上述した原理によっ
て、電気伝導度の経時変化を効果的に抑制することがで
きる。この様に、本発明では、陽極周辺の感ガス層に
(過剰の電子を供給する)電子のドナー添加剤が加えら
れているので、陽極と陰極間のバイアスによるイオン電
流によって、陽極側の例えばTi4+不足及びO2-の過剰
になり、酸素欠陥に酸素原子が入り込んで酸素欠陥が減
少した場合でも、陽極周辺には過剰の電子が存在してい
る状態が維持される。そのため、長期間のガス検出器の
使用によって酸素欠陥が徐々に低下しても、この過剰の
電子により、陽極周辺の電気伝導度がそれほど減少せ
ず、よって、感ガス層の電極間抵抗の経時変化が低減さ
る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス検出
器によれば、使用に伴う劣化を低減し、安定した特性を
得ることができる。つまり、本発明によれば、陽極周辺
に電子のドナー添加剤を加えることによって、陽極周辺
の抵抗の増加に伴う劣化を抑制できる。
【0021】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。な
お、説明上各図の縮尺は異なる。まず、本発明の一実施
例を図1によって説明する。本実施例は、感ガス層とし
てTiO 2 を使用した酸素ガス検出器10である。
【0022】図1の部分破断した斜視図に示すように、
セラミック基板12上には、端子13a,13b,13
eで白金リード線14a,14b,14eに接続された
検出用電極16a,16bおよび熱抵抗電極16e等の
電極パターン16が形成され、さらに上記セラミック基
板12上および電極パターン16上にセラミック基板1
2と一体化された第1のセラミック積層板18および第
1のセラミック積層板18上に第2のセラミック積層板
19がそれぞれ積層されている。この第1のセラミック
積層板18には、仕切り部18aで分けられた陽極側お
よび陰極側下窓部20a,20bが形成され、さらに、
第2のセラミック積層板19には、上記両下窓部20
a,20bとともに窓部20を形成する上窓部20cが
形成されている。
【0023】上記窓部20のうち陽極側および陰極側下
窓部20a,20bには、表1に示すような組成の陽極
側および陰極側ペーストが充填されて陽極側および陰極
側感ガス下層24a,24bが形成されており、さらに
上窓部20cには、通常のTiO 2 の感ガス層を形成す
るTiO 2 ペーストが充填されて感ガス上層24cが形
成されている。そして、これらの各層により感ガス層2
4が形成されている。また、上記セラミック基板12と
感ガス層24との間に両者の剥離を防ぐ球形造粒粒子2
2が介在している。
【0024】次に、上記酸素ガス検出器10の製造工程
図2ないし図6にしたがって説明する。 アルミナ92wt%、マグネシア3wt%、および焼結
助剤(シリカ、カルシア等)5wt%をポットミルにて2
0時間混合する。その後、該混合物に有機バインダーと
してポリビニールブチラール12wt%、フタル酸ジブチ
ル4wt%を添加し、溶剤としてメチルエチルケトン、ト
ルエン等を加えた。さらにポットミルで15時間混合し
てスラリーとし、ドクターブレード法により基板用およ
び積層用グリーンシート12A,18A,19Aを形成
する。
【0025】上記グリーンシートの形状は、基板用グリ
ーンシート12Aで47.8mm×4.0mm×0.8
mm t 、第1,第2の積層用グリーンシート18A,1
9Aで47.8mm×4.0mm×0.28mm t であ
る。そして、上記第1の積層用グリーンシート18A
は、仕切り部18aで仕切られた2つの陽極側および陰
極側下窓部を3.05mm×0.8mmの寸法で形成
し、さらに、第2の積層用グリーンシート19Aの上窓
部20cを3.05mm×2.0mmの寸法で形成す
る。
【0026】 次に、白金黒とスポンジ状白金とを、
2:1の比率に調合し、他に上記で用いたグリーンシ
ートの材料混合物を10wt%添加し、ブチルカルビ
ル、エトセル等の溶剤を加えて、電極用ペーストとす
る。 次に、で調整した電極用ペーストを用い厚膜印刷
により、基板用グリーンシート12A上に電極パターン
16を形成する。電極パターン16として、上述したよ
うに、検出用電極パターン16a,16b、および感ガ
ス層24を加熱するためのヒータとなる熱抵抗電極パタ
ーン16eと、上記両パターン16の端子となる端子パ
ターン13a,13b,13eを形成する。(図2
(イ)(ロ)) その後、上記端子パターン13a,13b,13e
に、直径0.2mmの白金リード線14a,14b,1
4eをそれぞれ接続する(図3(イ)(ロ))。
【0027】 次に、上記基板用グリーンシート12
A上に第1の積層用グリーンシート18A、さらに第2
の積層用グリーンシート19Aを積層熱圧着して積層体
を形成する。このとき、該積層用グリーンシート18
A,19Aの窓部20には、検出用電極パターン16
a,16bの先端が露出している。そして、窓部20中
にで調整したグリーンシートと同一の材料からなる8
0〜150メッシュの球形造粒粒子(2次粒子)22を
分散付着させてから、上記積層体を1500℃で大気と
ほぼ同一雰囲気中にて2時間焼成することで一体となっ
たセラミック基板12およびセラミック積層板18,1
9を形成する(図4(イ)、(ロ))。
【0028】上述のように球形造粒粒子22を分散付着
させて焼成すると、各粒子22が、セラミック基板12
上に分散して凹凸面を形成する。 次に、セラミック積層板18,19の窓部20内
に、TiO 2 を主成分とする感ガス性の金属酸化物を充
填するのであるが、ここでは、まず、表1の試料No.
に示すような陽極側ペーストを調整する。
【0029】すなわち、大気中1200℃で1時間仮焼
した平均粒径1.2μmのTiO 2 粉末100重量部に
対して、電子導電性を高めるドナー添加剤として、平均
粒径0.5μmのTa 2 5 を5重量部添加し、触媒とし
て、白金黒20重量部を加え、さらに、バインダーとし
て、3重量%のエチルセルロースを2重量部だけ添加
し、これらをブチカルビトール(2−(2−ブトキシエ
トキシ)エタノールの商品名)中で混合し、300ポイ
ズの粘度にしてTiO 2 ペーストを調整する。そして、
この陽極側TiO 2 ペーストを、陽極側下窓部20a内
の陽極パターン16a上に20〜50μm厚膜塗布する
図5(イ)(ロ))。
【0030】一方、陰極側ペーストは、まず陽極側Ti
2 粉末の粒径より大きい平均粒径3.5μmのTiO 2
粉末の100重量部に対して、焼結の進行を抑制する焼
結抑止剤として、Y 2 3 7モル%含有のZrO 2 を5重
量部、そして触媒として白金黒20重量部を加えて、以
下、陽極側ペーストと同様に調整する。そして、この陰
極側ペーストを陰極側下窓部20b内に20〜50μm
厚膜塗布する。
【0031】次に、陽極および陰極の両電極にまたがっ
て塗布されるペーストを調整するのであるが、まず、平
均粒径1.2μmのTiO 2 粉末100重量部に対し
て、触媒として白金黒10重量部とロジウム黒1重量部
を加え、上記ペーストと同様に調整してペーストを作
る。そして、このペーストを上記両層上の上窓部内20
cに50〜500μm厚膜印刷する。
【0032】 その後に、上記工程を終えた積層体を
1200℃の大気中に1時間放置して焼成する(図6
(イ)(ロ))。上記の工程で用いる陽極側および陰
極側ペーストの組成を表1のように変えて酸素ガス検出
の試料を作成する。この試料を酸素ガス検出器に組み
立たてた後に、次の実験によって各試料の応答速度、耐
久性を測定する。実験の結果を表2に示す。 ○ 応答速度試験 プロパンガスバーナの排ガス中に酸素ガス検出器
して組み立てられた試料をさらす。このプロパンガスバ
ーナは、排気温が350℃で、かつ1秒毎に空気燃料比
が燃料過剰(以下リッチという、空気燃料比λ=0.
9)と燃料不足(以下リーンという、λ=1.1)との
間で変化するよう制御されている。
【0033】 排ガスがリッチのときに酸素ガス検出
の出力が1V、リーンの時の出力が0Vとなるよう
に、酸素ガス検出器に加える電圧を調整する。 応答速度として、雰囲気がリーンからリッチに変わ
る時の酸素ガス検出器の出力が300mVから600mVに
変化する時間と、雰囲気がリッチからリーンに変わる時
の出力が600mVから300mVに変化する時間を測定す
る。 ○ 耐久性試験 酸素ガス検出器Sとして組み立てられた試料を実車
に取り付け、所定の耐久パターンで運転し、運転の前後
の応答速度変化から耐久性を調べる。すなわち、酸素ガ
ス検出器Sは、図7に示すように市販の2000ccのE
FI付3元触媒車のエンジンEngと3元触媒THC との間
の排気管Manに取り付けられる。そして、制御ユニットU
ni は酸素ガス検出器Sの出力に応じてエンジンの運転
状態を制御する。酸素ガス検出器Sの出力は図8のよう
な回路で検出される。ここで、Bは電源、Rcは比較抵抗
である。
【0034】 上記エンジンEng を、図9に示す耐久
パターンで300時間運転する。なお、図中の実線は試
料の温度、破線は排気ガスの温度を示している。この運
転の前後で、上述の応答速度Tlr,Trlを測定し、その
変化をもって耐久性の結果とする。すなわち、運転の前
後で、応答速度の変化の少ない試料ほど耐久性に優れて
いると判定する。なお、表2中では、運転前を初期、運
転後を耐久試験後と記す。また、RTは、リッチにおけ
る電極13a,13b間の抵抗値を示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】上記実験から表2に示すように、次のこと
が分かった。実施例の試料No.2〜6のように、陽極
周辺の感ガス層にTa 2 5 またはNb 2 5 が含まれてい
ると、電極間の抵抗RTが初期値から耐久試験後の値と
比較して、ほとんど変化なく、比較例の試料No.1の
試験結果と比べてその効果が顕著である。
図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による酸素ガス検出器を示
す部分破断斜視図である。
【図2】 実施例の製造の説明図である。
【図3】 実施例の製造の説明図である。
【図4】 実施例の製造の説明図である。
【図5】 実施例の製造の説明図である。
【図6】 実施例の製造の説明図である。
【図7】 酸素ガス検出器を内燃機関に使用する耐久性
試験の要領説明図である。
【図8】 酸素ガス検出器を内燃機関に使用する耐久性
試験の要領説明図である。
【図9】 試験の耐久パターン図である。
【符号の説明】 10・・・酸素ガス検出器、 12・・・セラミック基板、 16,16a,16b・・電極パターン(電極)、 18・・・第1のセラミック積層板、 19・・・第2のセラミック積層板、 20・・・窓部、 24・・・感ガス層
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】削除
フロントページの続き (72)発明者 高見 昭雄 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極および陰極からなる1対の電極と、 この電極を覆い、感ガス性の遷移金属酸化物を含み、ガ
    ス成分および/またはガス濃度に応じて電気抵抗が変化
    する多孔質の感ガス層と、 とを備え、 上記陽極周辺の感ガス層に、上記遷移金属より価数の大
    きい元素を含んだ電子のドナー添加剤を添加したことを
    特徴とするガス検出器。
  2. 【請求項2】 陽極および陰極からなる1対の電極と、 この電極を覆い、感ガス性の遷移金属酸化物を含み、ガ
    ス成分および/またはガス濃度に応じて電気抵抗が変化
    する多孔質の感ガス層と、 とを備え、 上記陰極周辺の感ガス層に、該感ガス層の焼結を抑止す
    る焼結抑止剤を添加したことを特徴とするガス検出器。
  3. 【請求項3】 陽極および陰極からなる1対の電極と、 この電極を覆い、感ガス性の遷移金属酸化物を含み、ガ
    ス成分および/またはガス濃度に応じて電気抵抗が変化
    する多孔質の感ガス層と、 とを備え、 上記陰極周辺の感ガス層の表面積を陽極側に対して小さ
    くしたことを特徴とするガス検出器。
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