JPH0799777B2 - 非晶質半導体素子 - Google Patents

非晶質半導体素子

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JPH0799777B2
JPH0799777B2 JP61069382A JP6938286A JPH0799777B2 JP H0799777 B2 JPH0799777 B2 JP H0799777B2 JP 61069382 A JP61069382 A JP 61069382A JP 6938286 A JP6938286 A JP 6938286A JP H0799777 B2 JPH0799777 B2 JP H0799777B2
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layer
type layer
amorphous semiconductor
semiconductor device
film
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和彦 福島
秀夫 糸崎
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
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    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は非晶質半導体素子、特に太陽電池、光センサ
ー、感光体、その他のアモルファス半導体素子として有
用な、i型層としてアモルファスシリコンゲルマニウム
層を有する非晶質半導体素子の長波長側での光感度の改
良に関するものである。
従来の技術 光起電力効果を利用した電子デバイスの代表的なものと
しては太陽電池を挙げることができる。この太陽電池
は、太陽エネルギー(0.3〜3μmの広い範囲に亘るス
ペクトル分布を有する)あるいはその他の光エネルギー
を電気エネルギーに変換するものであり、今後のエネル
ギー対策の一環として注目される技術の一つである。こ
の太陽電池による光エネルギーの電気エネルギーへの変
換は半導体の各種接合、例えばヘテロ接合、pnまたはpi
n接合あるいはショットキー接合などの最も基本的な性
質である光起電力効果を利用するものであり、入射する
光を吸収し、そこで電子・正孔対を形成し、これが外部
に取出されるといった機構により起こる。
ところで、最近薄膜化・大面積化が可能であり、また組
成の大きな自由度を有し、電気的並びに光学的特性を広
い範囲で制御できるなどの興味ある各種利点を有するこ
とから、アモルファスシリコン(a−Si:H)などのアモ
ルファス半導体薄膜が太陽電池材料として注目されてお
り、これは、太陽エネルギー分布のピーク(500nm)近
傍の光に対する吸収係数が結晶Siに比較して1桁程大き
く、成膜温度が低く、更に原料からグロー放電分解によ
って直接膜形成でき、接合形成も容易である等の興味深
い特性を有している。
太陽電池を設計、製作し、実用化し得るまでにするため
には、光電変換効率を高めることが最も重要である。そ
こで、pin/pin‥‥あるいはnip/nip‥‥という多層型構
造とすることにより、n層とp層とが直接々触している
部分での再結合を利用して非対称の起電力を得る構造の
ものが知られており、これによれば実質的に多数の太陽
電池を直列に接続したことになり、大きな起電力を得る
ことができる。
また、変換効率の向上のためには広いスペクトル分布を
有する太陽エネルギーの全域に渡り、良好な吸収効率を
達成し得る構造、材料の選択を行うことが好ましい。こ
のために、a−Si:Hに他の元素をモディファイアとして
添加し、a−Si:Hの禁止帯幅に変化をもたせる検討が行
われており、通常モディファイアとしてはシリコンと4
配位結合し易いIV族元素が使用されている。
例えば、モディファイアとして炭素を用いると禁止帯幅
が広くなるので、これを太陽電池のp型層として光の入
射側に用いることにより、一層短波長光の有効利用が可
能となり、光電変換効率の向上を図ることが可能とな
る。また、モディファイアとしてGe(アモルファスシリ
コンゲルマニウム:a−SiGe:H)、Sn、Pb等の元素を用い
ると逆に禁止帯幅が小さくなり、これをi型層として使
用することにより太陽電池は長波長光を吸収し易くな
り、その有効利用が可能となる。
一般には光の入射面から順に禁止帯幅が順次狭くなって
いくような構成、材料とすることにより広範囲の波長域
に亘る太陽エネルギーの有効利用が可能となる。
高効率、低価格の薄膜太陽電池材料として前記a−Si:H
のi型層をキャリア発生源に持つアモルファスシリコン
(a−Si)太陽電池は、長波長感度を有するがために極
めて有望視されているが、ガラス/透明電極/pin/金属
電極構造のアモルファス太陽電池を形成する際に、pお
よびn型層をa−Si:H膜で形成し、またi型層をa−Si
Ge:H膜で形成したpin構造では太陽電池特性が低く、従
ってこのような構成の太陽電池を実用化し得るものとす
るためには、その特性改善を図る必要があった。
以上、太陽電池について説明したが、同様なことは光セ
ンサー、感光体、その他のアモルファス半導体素子につ
いても同様である。そこで、説明を簡単化するために、
以下太陽電池を例として記載するものとする。
従来の上記のような型の太陽電池は例えば第2図に示し
たようにガラス基板1と、その上に順次設けられた透明
電極2、アモルファス層3(p型層4、i型層5および
n型層6とで構成される)および金属電極7からなって
いる。このような構成では、即ちp型層としてのa−S
i:H層に続いてa−SiGe:Hのi型層を有する構造では、
p型層中に添加された不純物としての硼素(B)など
が、成膜操作中に許容濃度以上にi型層内に拡散した
り、あるいは成膜室から混入して、i型層のp型層化を
生じ、その結果i型層内の内部電界が弱まり、出力特性
の低下をもたらし、またGeが添加されたi型層と添加さ
れていないp型層との界面で格子不整合を生じることが
しられている。これらの理由から、出力電流、曲線因子
等が大巾に低下し、太陽電池の出力特性も低下する。即
ち、出力電流、開放電圧、曲線因子のいずれも低くな
る。
更に、p型層はi型層により多くの光を導入する役割と
電極の役割とを果す層であるが、特にp/i界面近傍でi
型層の形成中にi型層中のゲルマニウムがp型層中に拡
散して、p型層のバンドギャップエネルギーの低下をき
たし、p型層として本来あるべき膜特性が劣化するため
に、光導入機能を果さなくなる。その結果、i型層に到
達する光量が低下し、太陽電池の出力電流の低下を招
く。また、バンドギャップエネルギーの低下は開放電圧
と関連する拡散電位の低下につながり、結果として開放
電圧の低下をもたらす。
硼素Bのi型層からp型層への拡散、p/i層界面におけ
る格子不整合による電気的接合損失並びにp/i層界面近
傍におけるGe原子の拡散などの現象は上記のように成膜
操作中ばかりでなく、太陽電池の使用中にも生じ、出力
特性の劣化をきたす。
そこで、本発明者等はこのような従来法により得られる
アモルファス多層膜型太陽電池にみられた諸欠点を克服
し、高い信頼性と高い変換効率を達成し得るアモルファ
ス太陽電池を開発する上で、a−SiGe:H膜をi型層とし
て有し、またa−Si:H(不純物を含む)膜をp型層とし
て有するpin構造のアモルファス太陽電池のp型層とi
型層との間にバッファー層を設けることが有利であるこ
とを見出し、既に特許出願している。
即ち、該発明のアモルファス光起電力素子は、p型アモ
ルファスシリコン層と、i型アモルファスシリコンゲル
マニウム層を含むpin構造の光起電力素子であって、上
記p型層とi型層との間に設けられた、i型アモルファ
スシリコンバッファー層を有することを特徴とするもの
であり、その基本構成は模式的に第3図に示すようなも
のである。即ち、光入射側からa−Si:H膜からなる型層
4(P)と、i型a−Si:Hバッファー層8(i1)と、a
−SiGe:Hからなるi型層5(i2)とn型層6(n)とを
配置した構成となっている。このようにp−i層間にバ
ッファー層i2を設けることにより、p−i界面における
電子−ホール間の再結合を防止もしくは減少させ、短絡
電流(JSC)、曲線因子(FF)の向上を図ることが可能
となる。
そこで、実際にa−Si:H膜をバッファー層としたa−Si
Ge:H非晶質半導体素子と、バッファー層のないa−SiG
e:H非晶質半導体素子の分光感度を比較してみると第4a
図に示すように、バッファー層を有するもの(曲線X)
の方がこれを含まないもの(曲線Y)よりも短波長領域
から可視光領域において、分光感度が上昇していること
がわかる。しかしながら、長波長光(700〜900nm)の領
域においては光感度が優れず、バッファー層のない場合
と殆ど同程度でしかない。
これは、a−Si:H膜をバッファー層(i1)とした場合、
a−Si:H膜は弱いn型の膜であるために、a−SiGe:H非
晶質半導体素子の構造は第4b図に示すようになると考え
られ、ホール9がi1層の高い障壁のために移動できない
ことによるものと思われる。ここでFLはフェルミ準位を
表す。
このような情況の下で、バッファー層i1を設けたa−Si
Ge:H非晶質半導体素子の長波長領域における吸収効率
(光感度)を改良し、全波長領域で高い光感度を有する
半導体素子を開発することは高い光電変換効率の太陽電
池、高い光感度のセンサー、感光体等を得る上で極めて
重要である。
そこで、本発明の目的はi型層としてa−SiGe:H膜を用
い、かつp−i層間のバッファー層を有する非晶質半導
体素子の長波長感度を改良し、広い波長範囲で高い変換
効率を実現し得る非晶質半導体素子を提供することにあ
る。
問題点を解決するための手段 本発明者等は、非晶質半導体素子、特にp−i層間にa
−Si:H膜からなるi型バッファー層を有する素子の長波
長側の光感度または光電変換効率を改良すべく種々検討
・研究を行った結果、該i型バッファー層に特定のドー
パントを添加することが有効であることを知り、目的と
する長波長側での光感度が大巾に改善でき、広い波長域
で有効な非晶質半導体素子を実現できた。
即ち、本発明の非晶質半導体素子は、a−SiGe:H膜をi
型層として有する非晶質半導体素子のp−i層間にa−
Si:H膜のi型バッファー層を介在層として設けたもので
あって、該バッファー層としてのa−Si:Hに微量の硼素
をドーパントとして添加したことを特徴とするものであ
る。
本発明の非晶質半導体素子において、p、i、n型層は
夫々水素および/またはフッ素を含有する。これはアモ
ルファス層が一般にグロー放電法、水銀増感光CVD法、
直接励起光CVD法等によりSiH4、GeH4等から形成される
が、この際に生成する水素ラジカルの不足のために未結
合手(ダングリングボンド)が残留し、これが膜の欠陥
を構成することから、HまたはFを用いてダングリング
ボンドと結合させて、これをターミネータとして機能さ
せていることに基づき含まれるものである。
本発明の特徴である微量の硼素を含有するバッファー層
は30〜500Åの範囲内の厚さを有する。これは本発明に
おいて臨界的な条件であって、30Åに満たない場合には
バッファー層としての機能、即ちp−i界面でのキャリ
ヤ再結合阻止の役割を十分に果たすことができず、一方
500Åを越える場合には、キャリヤ再結合阻止効果は十
分であるが、下層(a−SiGe:Hのi層)に到達する光量
を著しく減じてしまい、非晶質半導体素子のJSCを大巾
に低下させる。そのために、上記範囲内とすることが好
ましい。
また、i型層は通常幾分n型となっており、これを真性
化する目的でIII族元素、例えばB原子が許容範囲内で
添加されている。その量は0.2〜3ppmの範囲であり、こ
れも本発明においては臨界的な条件となる。即ち、0.2p
pm未満では添加効果はなく、また3ppmを越える場合には
p型となり好ましくない。
かくして本発明の非晶質半導体素子の基本構造は光入射
側からa−Si:H膜のp型層と、微量の硼素(B)を含む
a−Si:Hのi型バッファー層と、a−SiGe:H膜(Bを含
んでいてもよい)のi型層およびa−Si:Hのn型層とで
構成され、実際にはこれらを、第2図にみられるよう
に、透明基板、透明電極、および金属電極などと組合せ
て例えば太陽電池などとして利用される。この基本構成
は1組のみでなく、2組もしくはそれ以上積層して使用
することができる。
このような本発明の非晶質半導体素子、例えば透明基
板、透明電極、上記1組の基本構成および金属電極の組
合せからなる素子の製造は以下のように行う。
まず、基板としては約1mmの厚さのものが一般的であ
り、ガラス、セラミックス、プラスチック、軟鋼、Al、
Cu等の金属あるいは合金、ステンレス鋼、モリブデン等
いずれも使用可能である。更に、電極層はITO(インジ
ウム スズ 酸化物:Indium Tin Oxide)、SnO2等の透
明導電膜、Al等の金属など公知のものを挙げることがで
きる。
これら基板と電極とは光起電力素子の形状によって変化
し、基板が透明材料であり、基板側から光が入射する型
の他、基板を不透明材料で形成し、電極を透明材料で形
成して、光を電極側から入射するような構成とすること
も可能である。更に、基板を導電性材料で形成し、これ
に光電流・光電圧取出し用電極としての機能をも併せも
たせることもまた可能である。
電極層は一般に約5,000Å(透明電極は約1μm程度)
であり、その形成はCVD法、蒸着法などの公知の任意の
方法で実施することができ、またそのパターン化が必要
な場合にはフォトリソグラフィーなどの常法が利用でき
る。
各アモルファス層は上記のような材料で構成され、プラ
ズマCVD法、光CVD法、スパッタ法などにより形成でき
る。例えばプラズマCVD法で形成する場合、n型層はSiH
4、Si2H6、SiF4などを主原料とし、希釈ガスとしてのH2
およびドーピングガスとしてのPH3、AsH3、Sb(C
H3、Bi(CH3などを使用する。また、i型層の
形成はSi源としてSiH4、Si2H6、SiF4を、またGe源とし
てGeH4、GeF4を、更にn層と同様に希釈ガスとしてH2
用いる。バッファー層の形成には主原料としてSiH4、Si
2H6、SiF4などを希釈ガスのH2などと共に使用し、ドー
パンドのB源としてはB2H6などを主原料ガスに対して0.
5〜5ppmの割合で添加する。
最後にp型層の形成には、Si源としてSiH4、Si2H6、SiF
4などが、希釈ガスとしてのH2と共に使用され、またド
ーピングガスとしてはB2H6などが有効である。
また、光入射側に反射防止コーティングを施して、光の
吸収効率の改善を図ることができ、この場合ITOは反射
防止コーティングとしての機能も有しているので光入射
側の電極をITOで形成し、電極と反射防止膜の機能とを
併せ持たせることができる。その他の反射防止コーティ
ング材料としてはSiO、SiO2、ZrO2、ZnS、Si3N4、Ta
2O5、Al2O3、Sb2O3、TiO2など、あるいはTa2O5/SiO2
どの多層構造も利用できる。これらは選ばれた材料の特
性に応じて、例えば真空蒸着法、スパッタ法、プラズマ
CVD法等、公知の各種の成膜法から最適のものを選択
し、形成することができる。
作用 非晶質半導体素子、例えばその代表的な素子としての太
陽電池などにおいては、これを実用化するためには光電
変換効率(Eff)、開放電圧(Voc)、短絡電流
(Jsc)、曲線因子(FF)などの諸特性の改善を図るこ
とが重要である。しかしながら、従来の特に多層型アモ
ルファス太陽電池にあっては、使用する薄膜材料に問題
があったために良好な特性を有する製品が得られなかっ
た。
上記特性劣化の原因としては、p/i界面を横切って各p
層およびi層のドーパントあるいは添加元素が許容範囲
を越えて相互に拡散したり、あるいは成膜操作中に混入
すること、更にp/i層界面での格子不整合に基く電気的
接合ロスが生じることなどが主なものであり、これらは
p型層のバンドギャップエネルギーの低下をもたらし、
これは順次拡散電位を低下し、これと関連する開放電圧
を低下する。更に、i型層に達すべき光量を低下させ、
太陽電池の出力(変換効率)を大巾に低下させる。上記
の特性劣化をきたす現象は太陽電池の使用中にも発生
し、寿命の低下を招いていた。
ところで、本発明者等は既にドーパント、添加元素など
の拡散を生ずるp/i層界面に、a−Si:Hからなるバッフ
ァー層を設けることが、太陽電池の各種特性の劣化につ
ながる要因を排除するのに有効であることを見出してい
る。即ち、Geを添加していないa−Si:H層(バッファー
層)がドーパント(p層中のBなど)および/または添
加元素(i型層中のGeなど)のp型層、i型層相互間の
拡散に対するバリヤー層あるいはバッファー層として機
能し、夫々の膜特性の変性を有効に防止し、本来の膜特
性を維持することを可能にした。従って、Ge拡散・侵入
に基くp型層のバンドギャップエネルギーの低下並びに
i型層への光量の低下を生じることがなく、i型層によ
り多くの光を導入し、また電極として十分に機能すると
いうp型層本来の特性を十分に発揮させることができ
た。
一方、i型層についてみても、p型層中のBが拡散・侵
入することによりp型層化することがなく、従ってi型
層は十分な強度の内部電界を維持し、結果として太陽電
池の出力特性、即ち出力電流、開放電圧、曲線因子いず
れの特性においても優れた値を与えた。
a−SiGe:H膜はGeの添加量の調節により、i型層の禁止
帯幅を変えることができ、従ってこのような膜をi型層
として用いたアモルファスシリコン太陽電池は高い長波
長感度を有するために有効とされているので、上記のよ
うな構成としてi型層並びにp型層の安定性を保証する
ことにより、著しく優れた長波長感度を有する、ひいて
は光電変換効率の高い太陽電池、光起電力素子を得るこ
とが可能となる。
しかしながら、このようなバッファー層(a−Si:H膜)
を設けた場合においても、a−Si:H膜が弱いn型の膜で
あることから、素子自体のバンド構造がホールの移動を
阻止するほどの高いi型層(バッファー層)の障壁が形
成されるために長波長感度、特に700〜900nmの範囲の領
域における感度は満足なものとはいえなかった。
そこで、本発明ではa−Si:Hからなるバッファー層内に
微量のB元素を添加して、これを真性化もしくは弱いp
型層に転化することによりi型層のホール移動に対する
障壁を低下させ、上記領域における長波長感度を改善す
ることができた。このことを添付第5a図および第5b図を
参照して考察すると、a−SiGe:Hのi型層5を有する非
晶質半導体素子のバンド構造は本来第5a図に示すような
構造をとるが、i型層5と、これに隣接するp層4との
間に設けたバッファー層8にB元素を添加することによ
り、得られるバッファー層8′のフェルミ準位と価電子
帯の幅(EV)が小さくなり(第5b図参照)、長波長側に
おいて発生するホール9の移動も大きくなる。尚、これ
らの図において10は電子を表す。
かくして、以下の実施例で証明するように短波長〜長波
長の広域に亘り、高い光感度(変換効率)を有する実用
化に有利な非晶質半導体素子が得られる。
また、本発明の非晶質半導体素子の構造は、従来のもの
についてみられたように、使用中にp型層・i型層相互
間のGe、B等の拡散を生じ、特性劣化を生ずることもな
い。即ち、極めて耐用寿命の長い、高信頼度の製品が提
供できることになる。
更に、本発明の非晶質半導体素子では従来の製品と同様
に反射防止コーティングを光入射側に施して、光の吸収
効率を高め、該素子の変換効率(光感度)を一層良好な
ものとすることができる。その態様としては所定の波長
域に対する単一の反射防止膜を設けるか、あるいは屈折
率の異る材料の膜を2層以上組合せてより広い波長範囲
に亘る光に対して有効な積層膜とすることもできる。
本発明による構成は、i型層としてa−SiGe:H膜を用い
た各種の非晶質半導体素子に対して有効であり、また本
発明の構造を有する光起電力素子と他の光起電力素子と
を組合せて直列に接合したタンデム型太陽電池あるいは
マルチカラー太陽電池などの構成要素として使用するこ
ともできる。
実施例 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、
本発明は以下の例により何等制限されない。
実施例1 添付第1図に本発明の非晶質半導体素子の好ましい基本
構造の実施例を示した。図から明らかな如く、この実施
例は光入射側から厚さ150Åのa−Si:Hのp型層4
(p)と、厚さ80ÅのBをドープしたa−Si:Hのバッフ
ァー層8′(i1)と、厚さ2000Åのa−SiGe:H膜のi型
層5(i2)と、300Åのa−Si:H膜からなるn型膜6
(n)で構成されるpin接合素子であり、これは例えば
太陽電池、光センサ等として有用である。
作製例1 各薄膜層の形成方法としては水銀増感光CVD法を採用
し、Eg(禁止帯幅)≒1.4eVのa−SiGe:H膜をi型層と
して用いた、a−SiGe:H非晶質半導体素子を種々作製
し、これらサンプルの物性について比較検討した。これ
等サンプルとしては以下のような3種(A、B、C)の
ものを作製した。
A(比較サンプル):バッファー層を含まないa−SiG
e:H太陽電池; B(比較サンプル):Bを含まないバッファー層を有する
a−SiGe:H非晶質半導体素子; C:Bを2.2ppm添加したバッファー層を有するa−SiGe:H
非晶質半導体素子。
尚、A、B、C共にバッファー層以外のp、iおよびn
層の形成条件は同一とした。以下の第1表にp、i、n
層の作製条件を示した。
一方、バッファー層(a−Si:H膜)の作製条件は、原料
ガスとしてSiH4(B2H6)を用い、Ts=190℃、THg=60
℃、圧力=5Torrおよび膜厚を80Åと設定した。かくし
て得た各サンプルにつき分光感度を測定し、結果を第6
図に示した。
第6図の結果から明らかな如く、バッファー層のない公
知の構成を有するA群のサンプルに比較して、バッファ
ー層を有し、B元素を添加していないB群のサンプル
は、既に第4a図に示したように短波長域で分光感度が改
善されており、また本発明によるC群のサンプルはA群
のサンプルに比して短波長および長波長域即ち、全領域
に亘り分光感度は大巾に改善され、B群のサンプルと短
波長域での分光感度は殆ど同じあるが、長波長域での分
光感度は大巾に改善されたことがわかる。この結果か
ら、本発明の非晶質半導体素子の有用性は明らかであ
る。
発明の効果 以上詳しく述べたように、本発明によれば、a−SiGe:H
膜をi型層として使用した各種非晶質半導体素子は、p
−i層間に微量の硼素をドーピングした初定の厚さのバ
ッファー層を介在させたことにより、従来問題となって
いた、特に長波長領域での分光感度が大巾に改善され、
従来のバッファー層をもたないものと比較して短波長か
ら長波長に亘る広い波長範囲で大巾に高められた分光感
度を有する各種非晶質半導体素子を得ることが可能とな
った。これは、長波長側で発生するホールに対して、従
来のバッファー層では高い障壁を形成し、その移動を阻
害していたが、この障壁が硼素原子の添加によって低下
されることによるものであると考えられる。
かくして、本発明によれば、分光感度に優れた各種非晶
質半導体素子、例えば太陽電池、光センサーをはじめと
する光電変換素子、感光体、あるいはこれ以外の非晶質
半導体素子を有利に得ることが可能となり、本発明はこ
れらを実用化する上で極めて重要な技術であると思われ
る。
【図面の簡単な説明】
添付第1図は本発明の非晶質半導体素子の好ましい実施
例の基本的構成を説明するための模式的な断面図であ
り、 第2図は従来のバッファー層をもつ同様な素子(太陽電
池)の構成を説明するための模式的な断面図であり、 第3図は第1図と同様な従来の非晶質半導体素子の基本
構造を示す模式的断面図であり、 第4a図は第3図に示した構成のおよびバッファー層をも
たない構成の分光感度を比較して示したグラフであり、
第4b図は第3図の構成の素子のバンド構造を示す模式的
な図であり、 第5a図および第5b図は夫々第3図および第1図に示した
構成の半導体素子のバンド構造を比較して示した図であ
り、 第6図は実施例で得られた各サンプルの分光感度を比較
して示したグラフである。 (主な参照番号) 1……基板、2……透明電極、3……アモルファス層、
4……p型層、5……i型層(i2)、6……n型層、7
……金属電極、8,8′……バッファー層(i1)、9……
ホール、10……電子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に順次積層された、透明電極
    と、p型層と、アモルファスシリコンからなるバッファ
    層と、アモルファスシリコンゲルマニウムからなるi型
    層およびn型層と、金属電極とを備える非晶質半導体素
    子において、 該バッファ層が、0.5〜5ppmの硼素源を添加された原料
    ガスにより形成された、厚さ30Å以上、500Å以下のア
    モルファスシリコン層により形成されていることを特徴
    とする非晶質半導体素子。
  2. 【請求項2】太陽電池であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の非晶質半導体素子。
  3. 【請求項3】光センサーであることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の非晶質半導体素子。
  4. 【請求項4】感光体であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載の非晶質半導体素子。
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