JPH0799704B2 - 引環の嵌合構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は嵌合構造に関する。より詳細には枢軸旋回する
引環の嵌合構造に関する。

発明の背景 小物を手で操作し易くするため、小物に引環を取り付け
ることが普通に行われるようになっている。こうした小
物の代表的な例として、差込プラグとか各種道具、ある
いは玩具がある。これら引環は好ましくは、しまってお
かれてある位置から枢軸旋回して出てきて、当該小物を
操作するのに利用できるように伸長した格好になるのが
よい。そうした引環はしまっておく位置から操作位置へ
と動くように回転ないし旋回することが自由でなければ
ならないから、引環は小物に永久的に取り付けられてい
ない。

引環は小物に永久的に取り付け得ない結果、引環は小物
から取り外すことができ、その小物の操作を困難、場合
によっては不可能にする。しかもこの引環を取り付けら
れた小物から取り外すことができれば、幼児が誤って引
環を飲み込んでしまうおそれもあり危険である。また引
環が使われる小物が平べったい非常に薄型の差込プラグ
であるような場合は、引環の取り外しをするのにプラグ
の下側に指を差し込んでプラグを引き抜くことまでさせ
るおそれがある。こんな指の差し込み、特にそれが子供
とか手の十分な働きがない者による場合は、プラグの電
気端部から電気ショックを受ける危険がある。

発明の概要 本発明の１実施例によれば、枢軸旋回する引環は小物に
半永久的に取り付けられ、これによって小物は操作され
ることになる。この取り付けは、普通の使用状態では取
り外しが防止されるか、あるいは取り外すために相当な
努力をしても取り外しが防止されるように行われる。

具体的には枢軸旋回する引環が、引環が保持される端部
に斜めに嵌合する短根、すなわち嵌合短部で設けられて
いる。この引環で操作される小物は、嵌合短部のための
凹部、すなわち嵌合短部用凹部に嵌合短部を嵌め込むこ
とができるように、嵌合タブを外側へ押しやって嵌合タ
ブを変形させる組付け作業中に嵌合短部を嵌め込むこと
ができる嵌合短部用凹部が形成されている。この嵌合短
部が嵌合短部用凹部にあるときは嵌合タブはその元の位
置に戻り嵌合短部を嵌合短部用凹部中に嵌合させてい
る。嵌合短部が嵌合タブに対し強制的に挿入されるとき
は、嵌合短部が徐々に変形することを容易にするよう、
嵌合短部用凹部から離れている側面で緩慢な傾斜路を形
成されている。しかし嵌合短部用凹部に対向している嵌
合タブの側面は嵌合短部用凹部側から嵌合タブが変形す
ることを阻止するよう断絶した垂直面となっており、こ
れで永久的に嵌合短部を嵌合短部用凹部内に嵌合してい
る。

以下、本発明は1990年５月22日に発行の本件出願人特許
第4927376号に記載の平坦差込プラグとの関連で記載す
る。しかしながら本発明の引環の原理は、枢軸旋回可能
に２つの物を結合するものである限り該差込プラグ以外
のどんな物にも適用できるものである。

本発明が薄型の差込プラグに適用されるときは、引環は
差込プラグ内に永久的に係合されるのであって、もし引
環が差込プラグから取り外せるとしたら幼児が引環を飲
み込んだり、指で差込プラグを引き抜いたりする危険が
あるのを回避することができる。

本発明の１特徴は、成型品に引環を永久的に取り付ける
のに簡単かつ低廉にできることである。引環の嵌合短部
を作るのには殆ど費用がかからないし、嵌合短部用凹部
は射出成型技術により成型品に特別な追加費用をかけな
くても容易に形成することができるのである、 図面の簡単な説明 本発明の十分なる理解は添付の図面を参照して詳細に説
明している次の記述から得ることができる。

図１は本発明の引環が設けられている差込プラグの斜視
図である。

図２は図１の差込プラグの引環の斜視図である。

図３は図１の差込プラグの斜視図で引環が取り外された
ものを示し、引環の端部に形成されてあるフックを受け
る内側の引環用凹部を破線で示してある。

図４は図１の差込プラグの底部の斜視図で、引環が取り
外された所を示し、内側の引環用凹部が設けられた底部
を示す。

図５は図１の差込プラグの１端を部分断面図で表すもの
で、引環用凹部に挿入されようとしている引環を示す。

図６は図５の差込プラグの端部の部分断面図で、嵌合短
部用凹部への入口における可変形な嵌合タブを嵌合しよ
うとする所を示す。

図７は図５に示した差込プラグの端部の部分断面図で、
嵌合短部用凹部への入口で可変形な嵌合タブと完全に係
合している状態の引環を示す。

図８は図１に示した差込プラグの端部の部分断面図で、
しまい込んだ状態にある引環を示す。

図９は図８に示した差込プラグの端部の部分断面図で、
途中まで引っ張り出された状態の引環を示す。

図10は図１の差込プラグの一部切欠端面図で、しまい込
まれた状態の引環を示す。

図11は図10の差込プラグの一部切欠端面図で、途中まで
引っ張り出された状態の引環を示す。

以下、簡明なる理解を期して同一箇所を示す符号は統一
して同一符号で示すものとする。

発明の詳細な説明 図１は、八角形の本体11と１本の引環12とを有する差込
プラグ10を下方に眺めた斜視図である。引環12を本体11
の上端周りの半分に設けられた溝14内にしまい込んだと
き、引環12を捕らえることができるように切欠部13が本
体11に設けられている。凹部15、16は引っ張り出すとき
（図１参照）としまい込むとき（溝14内に収められる）
に引環12を回転させるための空間をもっている。袖17は
本体11の内部からコード18を器具（図示せず）へ導くガ
イドの役をしている。本体11の表側（図１では見えな
い）には差込プラグの刃があり、コンセントに差し込む
ことができるようにされている。この差込プラグ10につ
いては1990年５月22日発行の本件出願人の特許第492737
6号に詳細に開示されている。

図２は本体11から取り外された引環12の斜視図である。
図２に示したように引環12は本体11の周縁形状に合致す
るように八角形の半分の形状にされており、１つの垂直
部20と、２つの傾斜部21、22と、２つの水平部23、24が
ある。水平部23、24の先端は各々、座部25、26となって
おり、引環12が引っ張り出されたとき凹部15、16（図
１）の底に座す。底部25、26の先端は各々、枢軸棒27、
28で、引環12がしまい込まれた状態から引っ張り出され
るとき引環12の枢軸となって機能する。

本発明の図示実施例によれば、枢軸棒27、28の先端は各
々、嵌合短部29、30、すなわちフックとなっている。後
述するが、嵌合短部29、30は引環12を本体11から取り外
すことが実質的に不可能なような具合に本体11内にある
嵌合短部用凹部に嵌合されている。差込プラグ10はコン
セントからいつでも引き抜くことができるように引環12
は常に利用可能でなければならないから、引環12が本体
11から取り外すことができないように本体11中にある引
環12を掴むことが必要で、たとえ家具を移動させるとき
不注意に引環12が引掛けられたときなど相当な力が掛か
っても取り外されないようにされている。後に詳述する
が、嵌合短部29、30は嵌合短部用凹部内に嵌合短部29、
30の挿入を許すようにいつでも変形可能だが嵌合短部2
9、30の抜けを許すようには変形しない可変形嵌合タブ
と嵌合している。

図３は本体11の上面を見せる斜視図で、引環12が座す凹
部15、16の詳細を示している。凹部15は本体11の面に対
し垂直となる位置で引環12を保持するよう引環12の枢軸
旋回を引環の水平部23で制限する肩31を有している。こ
の時、引環の座部25は凹部15の座部32に嵌合して引環12
の枢軸旋回を同様に制限する。嵌合短部29は図３に破線
で示した1/4円の嵌合短部用凹部33に嵌合する。また図
３に破線で示されているのは傾斜路状の嵌合タブ34で、
嵌合短部用凹部33への入口に位置している。図３に見ら
れるように嵌合タブ34には嵌合タブ34の外側に向いてい
る面を緩慢な傾斜路35に形成されており、嵌合短部29の
嵌合短部用凹部33への挿入を容易にしている。嵌合タブ
34は、嵌合短部29を嵌合短部用凹部33へ挿入すれば変形
することができるように片持状に本体11からせり出てい
る。嵌合タブ34が変形すると嵌合短部用凹部33に入口を
開けて嵌合短部29が嵌合短部用凹部33に入れるようにな
る。一方、嵌合タブ34の内側では嵌合タブ34が嵌合タブ
34の変形を阻止し嵌合短部用凹部33から嵌合短部29が取
り外されることを阻止する垂直面36が形成されている。
凹部16も当然、同様の肩、座部、および嵌合短部30を嵌
合短部用凹部に嵌合する嵌合タブによってガードされた
同様の嵌合短部用凹部を有している。

図４は本体11の１側部の斜視図で凹部15を表している。
図４に見られるように、嵌合短部用凹部33は、本体11の
もう一方の側に対応してある嵌合短部用凹部40と同様に
本体11の側面に連通している。本体11の１側面との連通
は嵌合構造にとり必須ではないが、連通していることに
より嵌合短部用凹部を金型のコアに配置される突起によ
って形成可能な射出成型技術で嵌合短部用凹部33、40の
形成を行うことを容易にする。

図５〜図７は本体11の１端の部分断面図で、嵌合短部用
凹部33への嵌合短部29の挿入の仕方を示している。図５
において引環12は挿入準備として本体11の外側に位置付
けられる。図６において、引環12は、嵌合短部29が嵌合
タブ34の傾斜路35に係合するように、その一部が本体11
中に挿入される。図７では嵌合短部29は嵌合タブ34に完
全に係合しており、嵌合タブ34は嵌合タブ34が嵌合短部
用凹部33へ入り込むように変形している。図７に明らか
なように、嵌合短部29が嵌合短部用凹部33の端部を一旦
通過したら、嵌合タブ34は変形していない元の形状に戻
ることができ、こうして嵌合タブ29を嵌合短部用凹部33
内に永久的に嵌合する。その後嵌合短部29を嵌合短部用
凹部33から取り外す唯一の方法は嵌合タブ34を壊して取
り除くことしかない。

図８は本体11の１端の部分断面図で、嵌合短部用凹部33
に完全に挿入されている嵌合短部29を示し、また引環12
は完全にしまい込まれた状態にある。図９は本体11の１
端の部分断面図で、嵌合短部用凹部33に完全に挿入され
た嵌合短部29と一部引っ張り出された状態の引環12を示
す。図９において、嵌合短部用凹部33内にある嵌合短部
29は完全にしまい込まれた位置から完全に引っ張り出さ
れた位置に至る間の旋回に必要な空間を有していること
が表されている。

図10は嵌合短部用凹部33に完全に挿入されている嵌合短
部29と、完全にしまい込まれた状態の引環12を示す。図
11は本体11の部分端面図で、嵌合短部用凹部33に完全に
挿入された嵌合短部29と途中まで引っ張り出された引環
12を示す。図10はまた、引環12の完全にしまい込まれた
位置から完全に引っ張り出された位置までの引環12の旋
回に必要な全範囲を嵌合短部29に提供するための凹部15
ならびに嵌合短部用凹部33の1/4円形状も表している。
引環12が完全にしまい込まれた位置から完全に引っ張り
出された位置にまで枢軸旋回することができるように、
嵌合短部用凹部33は嵌合短部29のために適切な空間を提
供していることが図11に示されている。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】差込プラグの刃を取り付けるための成型さ
   れた差込プラグ本体と、 該差込プラグ本体に取り付けられる引環であって、差込
   プラグ本体に当接してしまい込まれる状態と、コンセン
   トから差込プラグを抜き取るため上記引環を掴むことが
   容易なように差込プラグ本体から引っ張り出される状態
   とになることができるものと、 該差込プラグ本体に設けられた嵌合短部用凹部と、 該嵌合短部用凹部に挿入される引環に設けられた嵌合短
   部と、 挿入方向への強制力に応答して変形することにより嵌合
   短部用凹部に嵌合短部が入り込むことができるように嵌
   合短部用凹部の入口を完全に閉じており、かつ、挿入方
   向と反対方向への強制力に応答して可変形部の変形を阻
   止することにより嵌合短部用凹部から嵌合短部が抜け出
   ることを防止する可変形部と、 を有することを特徴とする差込プラグ。
2. 【請求項２】引環がほぼ八角形の可変形金属でできてい
   ることを特徴とする請求項１の差込プラグ。
3. 【請求項３】差込プラグ本体が成型された可変形のプラ
   スチック材でできていることを特徴とする請求項１の差
   込プラグ。
4. 【請求項４】嵌合短部用凹部の入口における可変形部が
   入口側で緩慢な傾斜路を有し出口側で断絶する肩を有し
   ている変形可能なタブであることを特徴とする請求項１
   の差込プラグ。
5. 【請求項５】差込プラグ本体に、引環が完全にしまい込
   まれた状態のとき該引環を捕らえるための凹部が設けら
   れており、 嵌合短部用凹部に、引環が完全に引っ張り出された状態
   のとき差込プラグ本体に対し垂直に該引環を保持する面
   が設けられていることを特徴とする請求項１の差込プラ
   グ。