JPH0798793B2 - 硫酸の分離法 - Google Patents

硫酸の分離法

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JPH0798793B2
JPH0798793B2 JP62324168A JP32416887A JPH0798793B2 JP H0798793 B2 JPH0798793 B2 JP H0798793B2 JP 62324168 A JP62324168 A JP 62324168A JP 32416887 A JP32416887 A JP 32416887A JP H0798793 B2 JPH0798793 B2 JP H0798793B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、パラフィンスルホン酸との水性混合物から硫
酸を分離する方法に係る。
本発明に従って硫酸が分離される混合物は、水の存在
下、温度25ないし50℃で紫外線を照射して(C12−C18
−n−パラフィンをSO2及びO2でスルホ酸化することに
よって調製され、n−パラフィン及び過剰のSO2が除去
され、さらに下記の処理法のいずれかに供された後のも
のである。
a)公知のシステムにより、混合物が少なくとも濁りを
生ずるまで(二相系の形成による)残留混合物を脱水
し、この脱水した濁った混合物から又は二相系の上澄相
から、温度32ないし80℃、圧力75ないし350バールにお
いて超臨界CO2により、CO2/パラフィンスルホン酸の重
量比1/1ないし50/1で未スルホ酸化パラフィンを抽出す
ること。
b)少なくとも混合物が濁るまで(二相系の形成によ
る)、残留混合物にH2SO4を添加し、濁った混合物から
又は二相系の上澄相から、前記と同じ条件下で、超臨界
CO2によって残留パラフィンを抽出すること。
c)残留混合物に炭素数4以下の脂肪族アルコール(好
ましくはイソプロパノール)を二相系混合物が形成され
るまで添加し、この二相系混合物から、前記a)と同じ
条件下で、超臨界CO2によって残留パラフィンを抽出す
ること。
上記処理法a)、b)又はc)から得られるパラフィン
を含有しない又は実質的にパラフィンを含有しない混合
物(「精製混合物」という)は、パラフィンスルホン酸
の他に、なおかなりの量のH2SO4を含有する。
本発明の方法の目的は、この過剰の硫酸を除去すること
にある。
上記方法a)ないしc)によって得られたパラフィンス
ルホン酸の精製混合物の組成は、次のとおりである。
1)(C12−C18)−パラフィンスルホン酸 3−83重量% 2)H2O 79−8.5重量% 3)H2SO4 18−8.5重量% 4)(C12−C18)−パラフィン 1%より小((12−C18) −パラフィンスルホン 酸に対して) 明らかなように、本発明の方法における原料の混合物
は、上述の3種の方法によって得られたものであるが、
他の方法に従って調製されてもよく、従って、本発明
は、上記組成を有する原料の混合物が得られる方法に限
定されず、上記組成を有する混合物を調製できる方法で
あれば、いかなる方法によって得られた混合物にも適用
される。
本発明による方法は、上記組成を有する粗製混合物を、
温度10ないし80℃、好ましくは20ないし50℃で、一般式 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6の少なくとも1つは
ハロゲン(フッ素及び/又は塩素及び/又は臭素及び/
又はヨウ素)であり、他はHである)で表されるものの
中から選ばれる1又はそれ以上のハロゲン化溶媒と混合
させて、主として有機性の相とH2SO4でなる相との2相
を形成せしめ、これら2相に、炭素数1ないし6の低
級、飽和、直線状又は分枝状のアルコール、又は炭素数
2ないし10の低級、直線状、分枝状又は環状の脂肪族エ
ーテル(置換されていてもよい)の中から選ばれる少な
くとも1の補助溶媒を添加して、H2SO4及びH2Oでなる相
を分離、除去することを包含する。ついで、実質的にH2
SO4を含有しない残りの有機相について、特に温度100℃
以下、好ましくは50−60℃、さらに好ましくは減圧下で
の蒸留による溶媒及び補助溶媒の除去を行う。
精製混合物に対する溶媒の量は重量比で0.5/1ないし5/1
であり、補助溶媒の量は精製混合物に対する重量比で0.
3/1ないし2/1である。
補助溶媒を添加する際の温度は10ないし80℃、好ましく
は20ないし50℃である。本発明の方法の好適な具体例に
よれば、ハロゲン化溶媒及び補助溶媒は、単一工程で精
製混合物に同時に混合される。
好適なハロゲン化溶媒としては、クロロホルム、塩化メ
チレン、四塩化炭素及びジクロロエタンがある。
アルコールの中でも、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール
が好適であり、エーテルの中では、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、メチル−第3級ブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン及びモノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−メチ
ルヒドロフランが好適である。
残留H2SO4、又は本発明による方法に供する前に存在す
る一部のH2SO4を、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化
物又は酸化物を添加して、特に炭酸カルシウム、水酸化
カルシウム又は酸化カルシウムを添加して不溶性生成物
に変化させることによって除去できる。
次に、本発明をさらに説明するためにいくつかの実施例
を例示するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1 密封可能な大きいガラス製試験管に、以下の組成を有す
る混合物2.1012gを充填した。
組成 パラフィンスルホン酸 59.95(重量%) (C12−C18)−n−パラフィン 0.22 水 28.72 硫酸 11.11 この混合物は、特願昭62−182434号に開示された如く、
(C12−C18)−n−パラフィンのスルホ酸化によって得
られた下記組成を有するパラフィンスルホン酸の粗製混
合物(この混合物から、n−パラフィン及びSO2をデカ
ンテーションによって除去した後)の上相に含有される
n−パラフィンを、濃度96重量%のH2SO420重量%(粗
製混合物の重量に対して)による抽出の後、超臨界CO2
で抽出して得られたものである。
組成 パラフィンスルホン酸 24.74(重量%) (C12−C18)−n−パラフィン 26.46 水 40.94 硫酸 7.86 上記混合物(H2SO4/パラフィンスルホン酸の重量割合
=18.5%)を、室温(20−22℃)において、H2O1.9013g
で処理し、ついで、塩化メチレン6.4562gで処理した。
混合物を数分間激しく振とうし、ついで30分間静置し
た。このようにして、2相が相互に分離された。この上
相は、水、硫酸、初めから存在していたn−パラフィン
及び塩化メチレンと共にパラフィンスルホン酸のすべて
を含有しており、一方、下相は、少量の塩化メチレン、
水及び硫酸を含有していた。特に、上相における硫酸の
含量は、パラフィンスルホン酸に対して、18.5%から11
%に低減された。
つづいて、相を分離することなく、エチルアルコール1.
340gを添加し、試験管を激しく振とうさせ、ついで30分
間静置した。
下相は、少量の水、初めから存在していたn−パラフィ
ン、塩化メチレン及びエチルアルコールと共にパラフィ
ンスルホン酸のすべてを含有し、上相は、硫酸、水及び
エチルアルコールを含有していた。
分析によれば、有機相中における硫酸/パラフィンスル
ホン酸の重量割合は11%から1.5%に低下されていた。
実施例2 実施例1で使用したものと同じ組成を有する混合物1.91
73gを、室温(20−22℃)において、H2O1.7349gで処理
し、つづいて塩化メチレン/エチルアルコール混合物
(重量比3/1)8.6370gで処理した。全混合物を激しく振
とうし、ついで15分間遠沈させた。
下相は、少量の水、初めから存在していたn−パラフィ
ン、塩化メチレン及びエチルアルコールと共にパラフィ
ンスルホン酸のすべてを含有し、一方、上相は、硫酸、
水及びエチルアルコールを含有していた。
分析の結果、有機相における硫酸/パラフィンスルホン
酸の重量割合は18.5%から1.8%に低下されていた。
実施例3 前記実施例1で使用したものと同じ組成を有する混合物
20.85gを、室温(23℃)において、H2O18.85g、塩化メ
チレン64.00g及びエタノール13.30gで順次処理した。混
合物を激しく振とうさせ、ついで15分間遠沈させた。
下相は、少量の水、初めから存在していたn−パラフィ
ン、塩化メチレン及びエチルアルコールと共にパラフィ
ンスルホン酸を含有しており、上相は硫酸、水及びエチ
ルアルコールを含有していた。
2相を相互に分離した。下相について、回転エバポレー
ター内で蒸発を行ない、加熱浴を70℃(最後の5分間は
75℃)に維持し、最終工程の間に減圧状態から徐々に75
0mmHgまで圧力を上昇させながら、溶媒の全量を留去し
た。
蒸留残渣は、主としてパラフィンスルホン酸、H2O4.91
重量%、H2SO41.84重量%及び(C12−C18)−n−パフ
ィン0.337重量%でなる希薄な液状物であった。
濃縮した最終生成物中におけるモノスルホン酸、ジスル
ホン酸及びトリスルホン酸の分布は、スルホ酸化反応器
の下流域におけるパラフィンスルホン酸の粗製混合物の
ものと同じであった。
実施例4ないし21 前記の各実施例に記載の操作法に従い、溶媒及び補助溶
媒について、その種類及び量を変えて各種のテストを行
なった。いずれのテストにおいても、前記実施例1で使
用したものと同じパラフィンスルホン酸の混合物を使用
している。
得られた結果を次表に示す。
フロントページの続き (72)発明者 エドアルド・プラトーネ イタリー国サンドナトミラネーゼ市ビア・ パーセ6 (72)発明者 コジーモ・フランコ イタリー国ロークリ市ビア・バーリ3

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(C12−C18)−パラフィンスルホン酸含量
    3ないし83重量%、水含量8.5ないし79重量%、H2SO4
    量8.5ないし18重量%、及び(C12−C18)−n−パラフ
    ィン1重量%より小を有する(C12−C18)−パラフィン
    スルホン酸及び硫酸の水性混合物から硫酸を分離する方
    法において、前記水性混合物を、可能であれば水で希釈
    した後、温度10ないし80℃で、一般式 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6の少なくとも1つは
    ハロゲンであり、他はHである)で表されるものの中か
    ら選ばれる1又はそれ以上のハロゲン化溶媒と混合させ
    て、主として有機性の相とH2SO4でなる相との2相を形
    成せしめ、これら2相に、炭素数1ないし6の低級、飽
    和、直線状又は分枝状のアルコール、又は炭素数2ない
    し10の低級、直線状、分枝状又は環状の脂肪族エーテル
    (置換されていてもよい)の中から選ばれる少なくとも
    1の補助溶媒を添加して、H2SO4及びH2Oでなる相を分
    離、除去し、残りの有機相から前記溶媒及び補助溶媒を
    除去することを特徴とする、硫酸の分離法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、前記ハロゲン化溶媒が、クロロホルム、塩化メチレ
    ン、四塩化炭素及びジクロロエタンの中から選ばれるも
    のである、硫酸の分離法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、前記補助溶媒が、メタノール、エタノール、プロパ
    ノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノー
    ル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピル
    エーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−第3級ブ
    チルエーテル、テトラヒドロフラン及びモノ−、ジ−、
    トリ−及びテトラ−メチルヒドロフランの中から選ばれ
    るものである、硫酸の分離法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、前記補助溶媒を、温度10ないし80℃で、パラフィン
    スルホン酸及びH2SO4の混合物に添加する、硫酸の分離
    法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、ハロゲン化溶媒又はハロゲン化溶媒系/混合物の重
    量比が0.5/1ないし5/1である、硫酸の分離法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、補助溶媒/混合物の重量比が0.3/1ないし2/1であ
    る、硫酸の分離法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項又は第4項に記載の
    方法において、温度が20ないし50℃である、硫酸の分離
    法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、前記ハロゲン化溶媒及び補助溶媒の除去を、温度10
    0℃以下、好ましくは50−60℃以下での蒸留によって行
    なう、硫酸の分離法。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第1項又は第8項に記載の
    方法において、前記ハロゲン化溶媒及び補助溶媒の除去
    を減圧下で行なう、硫酸の分離法。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、前記ハロゲン化溶媒又はハロゲン化溶媒系及び補助
    溶媒を、単一工程において、パラフィンスルホン酸の混
    合物に同時に添加する、硫酸の分離法。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、パラフィンスルホン酸の最終混合物中になお存在す
    るH2SO4を、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物又は
    酸化物の添加による不溶化によって除去する、硫酸の分
    離法。
JP62324168A 1986-12-23 1987-12-23 硫酸の分離法 Expired - Lifetime JPH0798793B2 (ja)

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