JPH0798420A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

光導波路の製造方法

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JPH0798420A
JPH0798420A JP22582193A JP22582193A JPH0798420A JP H0798420 A JPH0798420 A JP H0798420A JP 22582193 A JP22582193 A JP 22582193A JP 22582193 A JP22582193 A JP 22582193A JP H0798420 A JPH0798420 A JP H0798420A
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JP
Japan
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film
core
optical waveguide
refractive index
waveguide
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JP22582193A
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English (en)
Inventor
Shigeru Kawamata
繁 川又
Akihiro Hori
彰弘 堀
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 屈折率が高く光の透過性の良好な光導波路の
製造方法を提供する。 【構成】 基板1の表面に光導波路用ガラス膜として低
屈折率層2及びコアガラス膜3を形成し、そのコアガラ
ス膜3に第一の熱処理を施した後フォトリソグラフィ及
びドライエッチングによりコア導波路をパターン化し、
そのパターン化したコア導波路上にクラッド膜6を形成
した後第二の熱処理を施す光導波路の製造方法におい
て、第一、第二の熱処理の前にコアガラス膜3及びコア
導波路に屈折率制御用添加物の揮散を阻止する拡散障壁
膜を被着することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導波路の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の光導波路の製造方法を示す
工程図である。
【0003】同図において、シリコン基板(或いは石英
基板)1上に電子ビーム蒸着法、化学的気相成長法或い
は火炎堆積法等により低屈折率層としてのバッファ膜2
及びコアガラス膜3を順次堆積し(a)、これらの膜が
電子ビーム蒸着法、化学的気相法により形成した場合に
あっては、ガラス膜の膜質を改善するため、火炎堆積法
により形成した場合にあってはガラス膜を焼結してガラ
ス化するため、高温熱処理を施し(b)、コアガラス膜
3にフォトリソグラフィ及びドライエッチングによりパ
ターンを形成し(c)、コア導波路としてのコア膜5の
屈折率よりも低いクラッド膜6をそのパターン化したコ
アガラス膜3上の全面に形成した後さらにクラッド膜6
の膜質を改善するため、又はガラス化するため高温熱処
理を施すことにより光導波路を製造するものである
(d)。このコア膜5の材質にはP2 5 、GeO2
TiO2 、N2 等の屈折率制御用の添加物を含むSiO
2 系或いはSix y z 系ガラスが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の光導波路の製造方法において、コアガラス膜3を形
成した後、その膜質を改善するため或いは焼結してガラ
ス化するため、1000℃〜1300℃で数時間の熱処
理がなされる。このため、高い屈折率のコアガラス膜3
を堆積させても熱処理工程で屈折率制御用の添加物が外
部に拡散してしまい、屈折率の高いコアガラス膜3を実
現することは難しかった。したがって、比屈折率差はわ
ずか1%程度が限界であった。
【0005】また、コアガラス膜3中の屈折率制御用添
加物の拡散量を制御することができないため、屈折率を
ある設計値の許容範囲内に抑えることが難しくなり、再
現性に問題があった。
【0006】さらに、屈折率制御用添加物が拡散した結
果、図2の特性曲線(破線)L1 で示すように屈折率は
コアの中心付近で高く、周辺部で低くなり、ステップイ
ンデクス形の屈折率分布を有する光導波路膜を形成する
ことができなかった。尚、図2は熱処理後の屈折率分布
を示す図であり、横軸がコア寸法を示し、縦軸は屈折率
を示している。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、屈折率が高く光の透過性の良好な光導波路の製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、基板の表面に光導波路用ガラス膜として低屈
折率層及びコアガラス膜を形成し、そのコアガラス膜に
第一の熱処理を施した後フォトリソグラフィ及びドライ
エッチングによりコア導波路をパターン化し、そのパタ
ーン化したコア導波路上にクラッド膜を形成した後第二
の熱処理を施す光導波路の製造方法において、第一、第
二の熱処理の前にコアガラス膜及びコア導波路に屈折率
制御用添加物の揮散を阻止する拡散障壁膜を被着するも
のである。
【0009】また、本発明は、基板の表面に光導波路用
ガラス膜として低屈折率層及びコアガラス膜を形成し、
そのコアガラス膜をフォトリソグラフィ及びドライエッ
チングによりコア導波路をパターン化し、そのパターン
化したコア導波路に第一の熱処理を施し、その上にクラ
ッド膜を形成した後第二の熱処理を施す光導波路の製造
方法において、第一の熱処理前にパターン化したコア導
波路に屈折率制御用添加物の揮散を阻止する拡散障壁膜
を被着するものである。
【0010】基板の表面に光導波路用ガラス膜として低
屈折率のバッファ膜及びコアガラス膜を形成し、そのコ
アガラス膜にフォトリソグラフィ及びドライエッチング
によりコア導波路をパターン化し、そのパターン化した
コア導波路上にクラッド膜を形成した後熱処理を施す光
導波路の製造方法において、低屈折率のバッファ膜の表
面及びコア導波路の表面に光導波路用ガラス膜のガラス
屈伏点より高いガラス屈伏点を有する阻止膜を被着させ
るものである。
【0011】
【作用】上記構成によれば、屈折率制御用の添加物を添
加したコア膜或いは略矩形状に形成したコア膜の表面に
拡散障壁膜を被着した後に高温の熱処理が施されるの
で、高温の熱処理時に屈折率制御用添加物元素が気化し
てコアガラス膜中から外部に揮散するのが阻止されると
共に、外部からコア膜内に光の透過に悪影響を及ぼす不
純物が侵入し、拡散するのが阻止される。このため高い
屈折率を有し、かつ、屈折率にゆらぎのない光導波路を
安定に、かつ、再現性よく形成することができる。
【0012】また、コア導波路の表面に、コア導波路の
ガラス屈伏点より高いガラス屈伏点を有する阻止膜が被
着されているため、光導波路を高温で熱処理する際にコ
ア導波路が軟化しても阻止膜は軟化しないので、コア導
波路の形状や位置が保持されコア導波路の捩じれ変形や
移動が阻止される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0014】図1は本発明の光導波路の製造方法の一実
施例を示す工程図である。尚、図4に示した従来例と共
通の部材には共通の符号を用いた。
【0015】この方法は、シリコン基板(或いは石英基
板)1上に電子ビーム蒸着法、化学的気相成長法、火炎
堆積法等を用いて低屈折率のバッファ膜2、屈折率制御
用添加物を添加したコアガラス膜3を順次積層して形成
し(a)、積層したこれらの膜の密度を上げ、安定した
膜に変えるために高温の熱処理(焼結)を行い(b)、
コアガラス膜3をパターン化し、ドライエッチングによ
りその断面が略矩形状になるように加工してコア膜5を
形成する(この工程の後に上述した熱処理を行う場合も
ある)(c)、コア膜5の屈折率よりも低いクラッド膜
6を電子ビーム蒸着法、化学的気相成長法或いは火炎堆
積法等の方法によりパターン化したガラス層(バッファ
膜2及びコア膜5)の全面に形成し、さらに熱処理を行
うことにより光導波路膜を形成するものである(d)。
【0016】本実施例では、屈折率制御用添加物の窒素
について詳細に述べる。
【0017】図1に示すようにシリコン基板1に高温の
水蒸気酸化によりバッファ膜2となる厚さ約5μmの酸
化膜を形成する。化学的気相成長法(プラズマCVD)
によりSiH4 、N2 O及びN2 ガスを所望の分圧比で
約250℃の反応室内に導入し、厚さ約8ミクロンで組
成が略Six y z からなるコアガラス膜3をバッフ
ァ膜2の上に形成する(a)。
【0018】次に屈折率制御用添加物としてのN2 ガス
の分圧比を変えることにより、組成比x、y、zを容易
に変えることができ、屈折率(波長0.63μm)を約
1.46から2.0近くまで変えることができる。その
後、コアガラス膜3の表面に約750℃の減圧下で、S
iH2 、Cl2 或いはSi(OC2 5 4 とNH3
を導入して熱反応させるLP・CVDにより、厚さ約
0.3μmのSi3 4 からなる拡散障壁膜4を形成す
る。次にコアガラス膜3を安定化するためにN2 雰囲気
で約1200℃、60分間の熱処理を行う。その後、熱
燐酸溶液中で拡散障壁膜4を除去する。Six y z
からなるコアガラス膜3とSi3 4 からなる拡散障壁
膜4とは熱燐酸に対するエッチング速度が異なるため、
エッチング速度を抑えることにより選択的に拡散障壁膜
4を除去することができる(b)。
【0019】次にフォトリソグラフィ技術を用いてコア
ガラス膜3に光導波路をパターン化し、反応性イオンエ
ッチング(RIE)装置を用いてエッチングガスCHF
3 によりドライエッチングし、コアガラス膜3を略矩形
状に加工してコア膜5を形成する。厚さ約0.3μmの
Si3 4 からなる拡散障壁膜4をコア膜5を覆うよう
に形成する。コア膜5の側面にできるエッチングダメー
ジや内部応力を緩和するため、コア膜5をN2 雰囲気で
約1200℃、60分間の熱処理を行う。尚、この熱処
理を行う場合にはコアガラス膜3の熱処理を省くことが
できる(c)。
【0020】次にコア膜5の屈折率よりも低い、低屈折
率のバッファ膜2と略等しい屈折率のクラッド膜6をプ
ラズマCVD法或いは火炎堆積法等を用いてパターン化
したガラス層(バッファ膜2及びコア膜5)の全面に形
成する。その後さらに熱処理を行い、埋め込み型、或い
はリッジ型の光導波路が形成される。
【0021】次に実施例の作用を述べる。
【0022】まず、プラズマCVDにより形成された厚
さ約8μmのSix y z からなるコアガラス膜3は
組成的にも不安定であり、膜の密度が低く、大きな内部
応力が存在する。このため、光の散乱が大きく低損失の
コア膜5を得ることができない。この改善策として、コ
アガラス膜3を高温で熱処理する方法が採られる。成膜
後のコアガラス膜3は上述したように膜の密度が低いた
め、高温の熱処理を行うと不安定な状態で存在する窒素
が膜外に揮散し(極端な場合には窒素が全部揮散し)、
屈折率が大幅に低下してSiO2 膜と略等しい膜になっ
てしまう。
【0023】高温の減圧CVD(LP・CVD)で形成
したSi3 4 膜は、ストイキオメトリの組成で密度の
高い膜である。また、高密度のSi3 4 膜は、屈折率
制御用添加物P2 5 、GeO2 、TiO2 、N2 等の
P、Ge、Ti、N或いはO元素のイオン半径より分子
間距離が小さい。この膜を拡散障壁膜4として用いるこ
とにより、コアガラス膜3内部より揮散した窒素元素が
膜外に揮散するのを防止することができる。従って、コ
アガラス膜3内部の窒素元素は均一で濃度勾配を生じな
い。このため、熱処理後のコアガラス膜3の組成は全て
の領域でSix y z のx、y、zが同一になる。ま
た、拡散障壁膜4は、熱処理工程の雰囲気中に存在する
酸素やその他の不純物がコアガラス膜3内部に拡散する
のを防ぐ。したがって図2の実線L2 で示すようなステ
ップインデクス形の屈折率分布を得ることができる。
尚、破線L3 は成膜後の屈折率を示している。
【0024】以上において本実施例によれば、屈折率制
御用の添加物を添加したコア膜或いは略矩形状に形成し
たコア膜の表面に拡散障壁膜を被着した後に高温の熱処
理が施されるので、高温の熱処理時に屈折率制御用添加
物元素が気化してコアガラス膜中から外部に揮散するの
が阻止されると共に、外部からコア膜内に光の透過に悪
影響を及ぼす不純物が侵入し、拡散するのが阻止され
る。このため光の透過損失の小さく、高屈折率、かつ、
屈折率分布の均一な安定したコア膜を容易に得ることが
できる。
【0025】尚、本実施例では拡散障壁膜用Si3 4
膜の形成方法として約750℃の減圧下で熱反応させて
成膜するLP・CVDについてのみ述べたが、SiH4
ガスとNH3 ガスとを所定の分圧比で約300℃の反応
室内に導入して成膜するプラズマCVDであってもよ
い。また、本実施例では拡散障壁膜を熱処理した後除去
したがそのまま残してもよい。さらに本実施例では屈折
率制御用添加物として窒素を用いたが、これに限定され
るものではなく、拡散障壁膜にP2 5 、GeO2 、T
iO2 、クラッドへの添加物B2 3 、機能性を高める
Er等の希土類元素を用いても揮散(拡散)を防ぐ同様
な効果が得られる。
【0026】さらにまた、図1では簡略化してあるが、
バッファ膜2を形成した表面に拡散障壁膜(4)を形成
し、コアガラス膜3との間に拡散障壁膜(4)を介在さ
せることもできる。この場合にはコアガラス膜3の表面
に形成した拡散障壁膜(4)を熱処理後に除去しないで
残す方法と共に適用される。
【0027】また、本実施例では拡散障壁膜としてSi
3 4 膜について述べたが、これに限定されるものでは
なく、Si、Al、Ti、Ta等の屈折率制御用添加物
元素の窒化物から選ばれた少なくとも1種類の材料から
なる膜であってもよい。この場合、成膜方法としてはL
P・CVD法やプラズマCVD法の他、反応性のスパッ
タリング法も適用される。
【0028】さらに本実施例では基板としてシリコン基
板についてのみ述べたが、これに限定されるものではな
くガラス(石英系、他成分系)、半導体(GaAs、I
nP等)、強誘電体(LiNbO3 、LiTaO3 、Y
・LaTiO3 等)、磁性体、サファイア等を用いても
よい。特に不純物がより外部に揮散する基板を用いたと
きにその効果が発揮される。
【0029】ところで、上述した光導波路において、バ
ッファ膜2は、基板1、コア膜5及びクラッド膜6と屈
折率や熱膨張係数を合わせるために添加物としてB2
3 やP2 5 などが添加され、このバッファ膜2上に略
矩形状のコア膜5が形成される。その後、加工歪みや膜
質を改善するためにアニール工程として1200〜13
00℃の高温の熱処理がなされる。
【0030】しかし、B2 3 やP2 5 などを添加し
たバッファ膜2のガラス屈伏点(ガラスが屈伏を開始す
る温度)はアニール温度との差を十分にとることができ
ないので、バッファ膜2が軟化し、その上に形成した略
矩形状のコア膜5が自重や内部応力により移動したり捩
じれ変形してしまう。このため光導波路の特性が不安定
になり、再現できないことがある。また、クラッド膜6
は方向性結合器や分岐器のように狭い2本のコア膜5間
を平坦に埋め込むことが要求される。この場合、ガラス
を軟化させて埋め込むためにクラッド膜6のガラス屈伏
点はバッファ膜2やコア膜5より低く設定されるので、
上述したバッファ膜2と同様にガラス屈伏点を下げるた
めに屈折率を調節しながらP2 5 やB2 3 が添加さ
れる。このため、ガラスを軟化させて埋め込む際の約1
300℃の焼結工程で、これらの添加物がコア膜5とバ
ッファ膜2或いはコア膜5とクラッド膜6間で拡散し合
うため、屈折率をある設計値の許容範囲内に抑えること
が容易でなく、再現できないことがある。この解決策と
してバッファ膜2のガラス屈伏点を高い温度に維持する
方法があるが、この方法は屈折率の調整や熱膨張係数を
合わせる上でプロセスマージンが十分にとれないことが
ある。
【0031】そこで、本発明者らはアニール或いは焼結
工程における高温の熱処理でコアが移動したり、屈折率
制御用添加物が他の層に拡散するのを防止することがで
きる光導波路の製造方法を提案した。
【0032】図3は本発明の光導波路の製造方法の他の
実施例を示す工程図である。
【0033】同図において、シリコン基板1上に電子ビ
ーム蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(P
−CVD)、火炎堆積法のいずれかの方法を用いて、後
述するクラッド膜6の屈折率に略等しい厚さ約5μmの
バッファ膜2を形成する。このバッファ膜2の表面に電
子ビーム蒸着法、スパッタリング法或いは化学的気相成
長法等の低温で成膜できる方法を用いて、SiH4 とN
2 Oガスとを所望の分圧比で約250℃の反応室内に導
入し、SiO2 からなる厚さ約1μmの薄い阻止膜10
aを形成する。阻止膜10aの屈折率はバッファ膜2の
屈折率に略等しい値である。次にSiO2 に屈折率制御
用添加物GeO2 を含むタブレットを電子ビーム蒸着法
を用いてバッファ膜2の表面に厚さ約8μm被着させた
コアガラス膜3を形成する。この後、バッファ膜2及び
コアガラス膜3の膜質を安定化させるためにO2 或いは
2 ガス雰囲気で1200℃、60分間の熱処理を行う
(図3(a))。
【0034】次にフォトリソグラフィ技術によってコア
ガラス膜3をパターン化し、その後エッチングガスにC
HF3 ガスを用い、反応性イオンエッチング(RIE)
装置でコアガラス膜3をその断面が略矩形状になるよう
に加工してコア膜5を形成する。この工程で厚さ約1μ
mの阻止膜10aの一部が同時にエッチングされるが、
予めこれを見込んだ厚さを確保しておくことにより解決
できる(図3(b))。
【0035】次に断面を略矩形状に加工したコア膜5の
表面全体に、化学的気相成長法によりSiH4 とN2
ガスとを所望の分圧比で約250℃の反応室内に導入
し、厚さ約2〜3μmのSiO2 からなる阻止膜10b
を形成する。尚この阻止膜10bの屈折率はクラッド膜
6の屈折率に略等しい値である(図3(c))。
【0036】次にコア膜5の加工歪みを除去し、膜質を
安定化するためにO2 或いはN2 ガス雰囲気で1200
℃、60分間の熱処理を行う。阻止膜10bの厚さは、
屈折率制御用或いはガラスの軟化点を調整する添加物の
阻止膜10bに対する拡散係数及び熱応力を考慮して決
められる。
【0037】次にコア膜5の屈折率よりも低い屈折率を
有するクラッド膜6を、プラズマCVD法、電子ビーム
蒸着法、化学的気相成長法、火炎堆積法のいずれかを用
いてコア膜5を覆った阻止膜10b上の全面に形成す
る。その後不活性ガス雰囲気で1300℃、3時間の焼
結を行い、クラッド膜6を軟化させ透明ガラス化させ、
矩形状のコア膜5によって凹凸状のクラッド膜6の表面
を平坦化する。このようにしてコア膜5をクラッド膜6
で埋め込むことにより、光導波路が形成される(図3
(d))。
【0038】次に作用について述べる。
【0039】まず、後工程の熱処理温度よりガラス屈伏
点が低いバッファ膜2とコア膜5との界面にガラス屈伏
点の高い、緻密なSiO2 からなる阻止膜10aを介在
させてあるために、その後に行われる高温の熱処理によ
ってバッファ膜2が軟化した場合でも、阻止膜10aで
固定されて形成されているコア膜5は、自重や内部応力
によって変動したり、捩じれ変形することがない。同様
にコア膜5とクラッド膜6との間にガラス屈伏点の高い
阻止膜10bを介在させてあるため、クラッド膜6を軟
化させ透明ガラス化させて凹凸状の表面を平坦化させる
高温の焼結工程でコア膜6が変動したり、変形したりす
るのを防止することができる。
【0040】本実施例では、阻止膜10aをバッファ膜
2とコア膜5との界面に介在させると共に、阻止膜10
bをコア膜5とクラッド膜6との界面に介在させている
が、コア膜5の変動や変形を防ぐ目的ではいずれか一方
の阻止膜10a、10bを省略しても同様な結果が得ら
れる。また、ガラス屈伏点が高い、緻密な阻止膜10
a、10bは高温の熱処理により、屈折率制御用添加物
のP、Ge、Ti、B、N等の元素が他の層に拡散する
のを防止する。
【0041】このように本実施例によれば、コア膜が移
動したり捩じれ変形したりすることがなく、且つ屈折率
に揺らぎのない光導波路膜を再現性よく安定に得ること
ができる。
【0042】本実施例では、阻止膜の形成方法としてS
iH4 とN2 Oガスを用いたP−CVDについて述べた
が、反応ガスとして(C2 5 O)4 とO2 ガスとを用
いてもよく、SiH4 とO2 ガスとを所定の分圧比で約
300℃の反応室内に導入して成膜する常圧の熱CVD
や(C2 5 O)4 SiやSiH2 Cl2 とO2 ガスと
を約750℃の減圧下で熱反応させて成膜するLP・C
VDであってもよい。
【0043】また、阻止膜としてSiO2 の場合で説明
したが、これに限定されるものではなく、光導波路を構
成するバッファ膜やコア膜、クラッド膜の各々の屈折率
に合わせSiO2 の他SiOX Y 、Si3 4 等の膜
が選ばれるが同様な効果が得られる。
【0044】さらに本実施例では阻止膜の屈折率をバッ
ファ膜に阻止膜の屈折率をクラッド膜に合わせたが、コ
ア膜の屈折率に合わせた膜であってもよい。但しこの場
合は阻止膜をコアを覆っている部分を残して除去され
る。
【0045】さらにまた、基板としてシリコン基板につ
いてのみ述べたが、これに限定されるものではなくガラ
ス(石英系、他成分系)、半導体(GaAs、InP
等)、強誘電体(LiNbO3 、LiTaO3 、Y・L
aTiO3 等)、磁性体、サファイア等の種々のものを
用いることができる。
【0046】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0047】(1) コア膜の表面に拡散障壁膜を被着した
後に高温の熱処理が施されるので、屈折率が高く光の透
過性の良好な光導波路の製造方法を実現することができ
る。
【0048】(2) バッファ膜とコア膜との界面にガラス
屈伏点の高い阻止膜が介在しているので、アニール或い
は焼結工程における高温の熱処理でコアが移動したり、
屈折率制御用添加物が他の層に拡散するのを防止するこ
とができる光導波路の製造方法を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の製造方法の一実施例を示す
工程図である。
【図2】光導波路の熱処理後の屈折率分布を示す図であ
る。
【図3】本発明の光導波路の製造方法の他の実施例を示
す工程図である。
【図4】従来の光導波路の製造方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
1 (シリコン或いは石英)基板 2 バッファ膜(低屈折率層) 3 コアガラス膜 4 拡散障壁膜 5 コア膜 6 クラッド膜 10a、10b 阻止膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に光導波路用ガラス膜として
    低屈折率層及びコアガラス膜を形成し、そのコアガラス
    膜に第一の熱処理を施した後フォトリソグラフィ及びド
    ライエッチングによりコア導波路をパターン化し、その
    パターン化したコア導波路上にクラッド膜を形成した後
    第二の熱処理を施す光導波路の製造方法において、前記
    第一、第二の熱処理の前に前記コアガラス膜及び前記コ
    ア導波路に屈折率制御用添加物の揮散を阻止する拡散障
    壁膜を被着することを特徴とする光導波路の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板の表面に光導波路用ガラス膜として
    低屈折率層及びコアガラス膜を形成し、そのコアガラス
    膜をフォトリソグラフィ及びドライエッチングによりコ
    ア導波路をパターン化し、そのパターン化したコア導波
    路に第一の熱処理を施し、その上にクラッド膜を形成し
    た後第二の熱処理を施す光導波路の製造方法において、
    前記第一の熱処理前にパターン化した前記コア導波路に
    屈折率制御用添加物の揮散を阻止する拡散障壁膜を被着
    することを特徴とする光導波路の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記低屈折率層と前記コアガラス膜との
    界面に拡散障壁膜を設けることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の光導波路の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記拡散障壁膜としてSi、Al、T
    i、Taからなる窒化物から選ばれた少なくとも1種類
    の材料を用いたことを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載の光導波路の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板の表面に光導波路用ガラス膜として
    低屈折率のバッファ膜及びコアガラス膜を形成し、その
    コアガラス膜にフォトリソグラフィ及びドライエッチン
    グによりコア導波路をパターン化し、そのパターン化し
    たコア導波路上にクラッド膜を形成した後熱処理を施す
    光導波路の製造方法において、前記低屈折率のバッファ
    膜の表面及び前記コア導波路の表面に前記光導波路用ガ
    ラス膜のガラス屈伏点より高いガラス屈伏点を有する阻
    止膜を被着させることを特徴とする光導波路の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記阻止膜は、前記バッファ膜或いは前
    記クラッド膜の屈折率と略等しい膜であることを特徴と
    する請求項5記載の光導波路の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012154980A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Fujitsu Ltd リブ型光導波路デバイス及びその製造方法

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