JPH0798278A - 化学物質センサ - Google Patents

化学物質センサ

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JPH0798278A
JPH0798278A JP35247593A JP35247593A JPH0798278A JP H0798278 A JPH0798278 A JP H0798278A JP 35247593 A JP35247593 A JP 35247593A JP 35247593 A JP35247593 A JP 35247593A JP H0798278 A JPH0798278 A JP H0798278A
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JP
Japan
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chemical substance
film
sensor
thin film
substrate
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Application number
JP35247593A
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English (en)
Inventor
Yasuki Yoshida
泰樹 吉田
Shuichi Hashiyama
秀一 橋山
Masatoshi Nakayama
正俊 中山
Atsuhiro Tsuyoshi
淳弘 津吉
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 厳しい使用条件下でも十分な耐久性が得ら
れ、しかも信頼性に優れた化学物質センサを提供するこ
とを目的とする。 【構成】 本発明の化学物質センサは、光透過性基体
と、この基体上に形成されたセンサ膜とを備え、前記セ
ンサ膜が、前記基体上に形成された光学薄膜と、この光
学薄膜上に形成され、化学物質感受性化合物を含む化学
物質感受性膜とを備え、前記光学薄膜が、計測に使用さ
れる光の波長域において、前記基体より大きな屈折率、
および1.0以下の消衰係数を有し、前記化学物質感受
性膜中の化学物質感受性化合物が被検化学物質と結合す
ることによって前記センサ膜の光反射率が変化するよう
に構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学物質を検知、定量
する化学物質センサに関する。
【0002】
【従来の技術】外界に存在する特定の化学物質を選択的
に吸着させ、またはそれと選択的に反応し、そのことに
よる抵抗率や誘電率等の電気信号の変化から化学物質の
種類と濃度を検知する化学物質センサが知られている。
【0003】このようななかで、色素膜の反射を利用し
たセンサ、例えば湿度センサが提案されている(特開平
2−169449号、特開平2−193045号)。こ
のものは、化学物質感受性化合物(親水性化合物)と色
素との混合膜をセンサ膜としたり、化学物質感受性化合
物膜(親水性化合物膜)と色素膜とを積層した積層膜と
したりするものであり、被検化学物質、例えば雰囲気中
の水分が化学物質感受性化合物(親水性化合物)と結合
することによって変化する光反射率を検知するように構
成したものである。また、親水性基を有する色素の単層
膜をセンサ膜とし、この色素膜の光反射率の変化を検出
するように構成した湿度センサも提案されている(本出
願人による特開平2−264253号)。以上のような
センサは、素子構成が簡易で製造が容易であるなど種々
の利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、継続使用によ
る親水性化合物と水との反応に従い、基体とセンサ膜や
親水性化合物膜が色素膜に積層されるときにはこれらの
膜間の密着性が劣化して、基体からセンサ膜が剥離した
り、膜間の剥離が生じたりして、センサ機能に問題が生
じることが判明した。また、このように色素を用いた化
学物質センサにおいては、光の吸収により熱が発生し、
これにより自己劣化が生じ、耐久性が悪く、計測誤差が
生ずるという問題点がある。この問題点は、高温状態
や、被検化学物質の高濃度雰囲気での連続使用等の厳し
い使用条件下で、特に顕著である。
【0005】そこで、本発明は、上記のような厳しい使
用条件下でも十分な耐久性が得られ、しかも信頼性に優
れた化学物質センサを提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の本発明により達成される。
【0007】(1)光透過性基体と、この基体上に形成
されたセンサ膜とを備え、前記センサ膜が、前記基体上
に形成された光学薄膜と、この光学薄膜上に形成され、
化学物質感受性化合物を含む化学物質感受性膜とを備
え、前記光学薄膜が無機化合物を含み、使用される光の
波長域において、前記基体より大きな屈折率と、1.0
以下の消衰係数とを有し、前記化学物質感受性膜中の化
学物質感受性化合物が被検化学物質と結合することによ
って前記センサ膜の光反射率が変化するように構成した
化学物質センサ。 (2)光透過性基体と、この基体上に形成されたセンサ
膜とを備え、前記センサ膜が、前記基体上に形成された
光学薄膜と、この光学薄膜上に形成され、化学物質感受
性化合物を含む化学物質感受性膜とを備え、前記光学薄
膜が、ダイヤモンドライクカーボン薄膜であり、使用さ
れる光の波長域において、前記基体より大きな屈折率
と、1.0以下の消衰係数とを有し、前記化学物質感受
性膜中の化学物質感受性化合物が被検化学物質と結合す
ることによって前記センサ膜の光反射率が変化するよう
に構成した化学物質センサ。 (3)前記光学薄膜の屈折率が、基体の屈折率より0.
15以上大きく設定されている上記(1)または(2)
の化学物質センサ。 (4)前記光学薄膜の消衰係数が0.5以下である上記
(1)〜(3)のいずれかの化学物質センサ。 (5)前記無機化合物が、酸化物、窒化物、セレン化物
および硫化物のうちの少なくとも1種である上記
(1)、(3)または(4)の化学物質センサ。 (6)前記無機化合物が、金属酸化物、窒化珪素、セレ
ン化亜鉛、硫化カドミウムおよび硫化亜鉛の中から選ば
れた1種以上を含有する上記(5)の化学物質センサ。 (7)前記金属酸化物が、Mg、Sn、La、In、N
d、Sb、Zr、Ce、Ti、BiまたはPrの酸化
物、Tiを含む複合酸化物、およびTaを含む複合酸化
物から選ばれた1種以上を含有する上記(6)の化学物
質センサ。 (8)前記光学薄膜が、前記金属酸化物を主成分とし、
この金属酸化物を構成する金属とは別の金属元素とし
て、アルカリ土類金属、Ta、NbまたはLaを10wt
%以下含む上記(7)の化学物質センサ。 (9)前記ダイヤモンドライクカーボン薄膜が、金属元
素、Si、N、P、OおよびFの1種以上を含有する上
記(2)、(3)または(4)の化学物質センサ。 (10)前記光学薄膜の膜厚が200〜3000Aの範
囲に設定されている上記(1)〜(7)のいずれかの化
学物質センサ。 (11)さらに、前記基体のセンサ膜が形成された側と
は反対側に光源部と受光部とを配し、光源部からの光を
前記基体を介して前記センサ膜に照射し、その反射光を
受光部で受光して、このセンサ膜の光反射率変化を検出
し、被検化学物質を検知、定量するように構成した上記
(1)〜(10)のいずれかの化学物質センサ。
【0008】
【作用】本発明のセンサ膜は、化学物質感受性化合物を
含み、この化学物質感受性化合物は被検化学物質と結合
することによって膜物性が変化し、この膜物性の変化に
よりセンサ膜全体としての光反射量すなわち光反射率を
変化させる。この光反射量すなわち光反射率の変化を測
定することにより、被検化学物質の検知、定量を行な
う。
【0009】また、本発明においては、色素を一切用い
ず、金属酸化物等の無機化合物で構成される光学薄膜あ
るいはダイヤモンドライクカーボン(以下、DLC)薄
膜の光学薄膜を介して基体上にセンサ膜を積層したの
で、次のような利点を有している。その一つは、色素を
用いず、金属酸化物やDLC等を用いることにより、N
X 、SOX などの腐食性ガス雰囲気下での計測や、高
温多湿下での長時間計測を行なうことができるようにな
る。また、色素膜の場合におけるような光の吸収もほと
んどないため、膜の発熱による劣化や計測値も誤差も生
じない。すなわち、本化学物質センサは、厳しい条件下
でも極めて耐久性が良好である。更に、色素を用いた場
合には、上記発熱を抑えるため、パルス発光などの間欠
発光を必要とする場合があるが、本発明の場合には、発
熱がほとんど生じないか、色素の場合と比べて極めて小
さいため、上記のような間欠発光のような手段をこうじ
る必要がなく、装置全体をシンプルな構造のものとする
ことができる。
【0010】
【具体的構成】以下、本発明の構成について、詳細に説
明する。
【0011】本発明において、センサ膜は、光学薄膜お
よび化学物質感受性膜から形成される。光学薄膜と化学
物質感受性膜は、別個に積層して設けられる。
【0012】本発明において、センサ膜は基体上に層形
成されるが、このとき、光学薄膜が基体側となるように
配置される。このように形成することによって、基体裏
面側からの検出が可能となる。
【0013】本発明における基体は、材質的に特に制限
はないが、実質的に透明であることが好ましい。基体の
裏面側からの検知が可能となるからである。具体的に
は、ガラスや、硬質塩化ビニル、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリオレフィン、ポリメチルメタク
リレート(PMMA)、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエー
テルサルフォン、メチルペンテンポリマー、ビスフェノ
ールA−テレフタル酸共重合体等の各種樹脂が挙げられ
る。
【0014】このような基体の形状は特に制限はない
が、通常、板状、フィルム状とする。
【0015】本発明における光学薄膜は、計測に使用さ
れる光の波長域において、上記基体より大きな屈折率、
好ましくは、基体の屈折率より0.15以上大きな屈折
率を有している。基体を構成するガラス等の屈折率がほ
ぼ1.5程度であるので、本発明における光学薄膜は、
通常、それ以上の値の屈折率に設定される。この屈折率
には特に上限はないが、通常3程度である。この屈折率
の相違により、各膜間での多重反射が起こり、これによ
って、計測に用いられる光を効率よく利用することがで
きる。
【0016】上記光学薄膜の消衰係数は、1.0以下、
好ましくは0.5以下に設定される。この消衰係数は、
0に近ければ、近い方が望ましく、実際、金属酸化物や
DLCの中にはほとんど0のものもある。この消衰係数
は、光の減衰に関する係数であり、薄膜の反射と透過の
スペクトル(実測)から求められるものである。この消
衰係数を小さくすることにより、光学薄膜の光の吸収を
減少し、これにより、計測に用いられる光を効率よく利
用し、これによって精度および効率のよい化学物質の検
知、定量を行なうとともに、光吸収に基づく発熱を抑
え、センサ膜の劣化を防止し、耐久性のよい化学物質セ
ンサを提供する。
【0017】上記光学薄膜は、上記の条件を満足するも
のであるならどのような無機材料で形成してもよいが、
この無機材料としては、例えば、酸化物、窒化物、セレ
ン化物および硫化物のうちの少なくとも1種を用いるこ
とが望ましく、アモルファス状をなしていることが好ま
しい。上記無機化合物は、金属酸化物、Tiを含む複合
酸化物、Taを含む複合酸化物等の酸化物、窒化珪素、
セレン化亜鉛、硫化カドミウムおよび硫化亜鉛の中から
選ばれた1種以上を含むものであることが好ましい。
【0018】上記金属酸化物は、Mg、Sn、La、I
n、Nd、Sb、Zr、Ce、Ti、BiおよびPr等
の酸化物であることが好ましい。また、Tiを含む複合
酸化物は、BaTiO3 、PbTiO3 、SrTi
3 、CdTiO3 およびCaTiO3 等であることが
好ましい。更に、Taを含む複合酸化物は、KTa
3 、NaTaO3 およびLiTaO3 であることが好
ましい。上記光学薄膜には、特に金属酸化物と組み合わ
せて、アルカリ土類金属、Ta、Nb、La等を10wt
%以下含んでいてもよい。10wt%を超えると、組成が
不均一となり、結晶化しやすくなる。
【0019】これら無機化合物の膜は、蒸着法、スパッ
タ法、ゾルゲル法等により形成すればよい。膜は光学特
性上アモルファスであることが好ましい。
【0020】また、光学薄膜にDLCの薄膜を用いても
よい。DLCは炭化水素を励起し、分解して得た高硬度
炭素膜である。炭化水素としては、CH4 、C26
38 等の飽和炭化水素、C24 、C36 、C2
2 等の不飽和炭化水素のいずれを用いてもよい。
【0021】炭化水素を分解するには、例えば特開平4
−41672号等に記載されたプラズマCVD法や、特
開平1−234396号、特開平1−234397号、
特開平2−196095号等に記載されたイオン化蒸着
法を用いることが好ましいが、この他熱フィラメント
法、スパッタ法、イオンビーム蒸着法、熱CVD法など
を用いてもよく、これらの詳細はダイヤモンド薄膜技術
(総合技術センター発行)のP73等に記載されてい
る。なお、プラズマCVD法におけるプラズマは、直
流、交流いずれであってもよく、交流としては数Hzから
マイクロ波まで可能である。また、ダイヤモンド薄膜技
術に記載のECRプラズマも使用可能である。
【0022】このようにして活性種、より好ましくはイ
オンに分解された炭化水素を堆積する際には、基板とし
ての非堆積物に負のバイアス電圧を印加することが好ま
しい。バイアス電圧には直流でも交流(例えば50Hz〜
2.45GHz )でもよい。さらには電圧を印加した電極
はプラズマ中のエレクトロンが表面に付着し負の電圧と
なる。これをセルフバイアス電圧といい、これを利用す
ることもできる。すなわち、電源を印加した電極に発生
するセルフバイアスを用いてもよく、電気的に絶縁され
ている電極に直流または交流の電源を印加すればよい。
この方法は、例えば本発明者らの M.Nakayama et al, J
ournal of the Ceramic Society of Japan lin. Editio
n Vol 98 607-609 (1990) 等に詳細に記載されている。
【0023】バイアス電圧を例えば−50〜−2000
V の範囲で変化させることにより、0.5以下の消衰係
数を維持したままで、屈折率は1.5〜2.4程度まで
変化させることができる。
【0024】このようにして得られたDLC膜は、巨視
的にはアモルファスであるが、微視的にはダイヤモンド
に近い結合をもつ。そして、ヴィッカース硬度Hv50
0〜8000のきわめて高い硬度をもつ。なお、DLC
膜中のH量(FTIRから測定されるCH2 、CH
3 量)は、通常0〜4×104 cm-2程度である。これに
ついては本発明者らの M.Nakayama et al, Jpanese Jou
rnal of Applied PhyeicsVol.30 L924-L926 (1991) に
説明されてある。
【0025】このようなDLC膜中には、金属元素、例
えばFe、Co、Ni、Al、Cu、Ti、Cr、M
n、Mo、Ta等や、Si、N、B、P、O、Fなどの
1種以上が総計35at% 以下含有されていてもよい。こ
れらは各種有機金属化合物、シラン化合物、シロキサン
化合物、アンモニア、アミン化合物、NOx、O2 、C
2 、フッ化炭化水素、SiF4 、フォスフィン、ジボ
ラン等を用いてDLC薄膜中に導入可能である。また、
金属は電極材料から膜中に導入することも可能である。
これらの添加物によっても屈折率を制御することが可能
であり、特に屈折率を大きくするためには金属の混入は
有効である。
【0026】光学薄膜は、上記の機能を発揮するには、
その膜厚が200〜3000A の範囲、特に400〜2
000Aの範囲に設定されることが好ましい。
【0027】本発明におけるセンサ膜の化学物質感受性
膜に含まれる化学物質感受性化合物は、被検化学物質と
接触することにより、物理的および/または化学的に変
化を起こし、その変化が光学的に検知できるものである
ならばどのような化合物であってもよい。上記の変化
は、非可逆的変化であってもよいが、可逆的変化である
ことが好ましい。
【0028】より具体的には、化学物質感受性化合物
は、目的とする被検化学物質と分子間にて種々の結合状
態を持ちうるものであり、この結合には、種々の反応、
あるいは共有結合、イオン結合、配位結合等の種々の結
合の他、吸着や吸収等が包含されるものである。
【0029】被検化学物質を水とするときには、化学物
質感受性化合物としては、親水性化合物等を用いる。
【0030】親水性化合物等の具体例としては、以下の
ようなものがある。
【0031】a)セルロース系 アセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ニトロ
セルロース、アセチルブチルセルロース、プロピオニル
セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースなど。
【0032】d)熱可塑性樹脂 ナイロン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリメ
タクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルケトン、
ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルピロリドン(PV
P)、ポリアルキレン(エチレン)グリコール、ポリア
クリルアミド、PVA−エチレン共重合体など。
【0033】c)熱硬化性樹脂 フェノール樹脂、フラン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など。
【0034】d)これらのブレンドまたは共重合体 なお、これらは架橋して三次元構造をもっていてもよ
い。
【0035】これら化合物は、膜物性が良好で、しかも
耐水性が高いことで好ましく用いられる。
【0036】これら化合物は1種または2種以上用いて
もよい。
【0037】そして、このとき水蒸気を検出する湿度セ
ンサとすることができる。
【0038】次に、アンモニアを被検化学物質とすると
きには、ブロムチモールブルー、チモールブルー、アク
リジンオレンジ、ポリ−2−パラ(メタクロイルアミノ
フェニル)−5−フェニル−1,3−オキサゾール等を
化学物質感受性化合物として用いればよい。
【0039】さらに、Na+ 、K+ 等のアルカリ金属や
アルカリ土類金属のイオンやAg+等の各種金属イオン
等を被検化学物質とするときにはクラウンエーテルを用
いる。
【0040】クラウンエーテルとしては、ベンゾ−15
−クラウン5(被検化学物質;Na+ )、ジベンゾピリ
ジノ−18−クラウン−6(被検化学物質;各種金属イ
オン)、クリプトフィックス222CC(メルク製)
(被検化学物質;K+ )、長鎖を導入したアザクラウン
エーテル(被検化学物質;Ag+ )(例えば、下記化
1、化2で示されるものなど)等が使用可能である。
【0041】
【化1】
【0042】
【化2】
【0043】その他、種々のガスに対応するものとして
コレステリック液晶、O2 を被検化学物質とするものと
してピレン、N,N−ジメチルアニリン、トリス(4,
7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)Ru錯
体、(Cl CH2 CH22Sまたは(Cl CH2 CH2
2 NHを被検化学物質とするものとしてトリフェニ
ルメチンニュートラルレッドなどがそれぞれ挙げられ
る。
【0044】本発明においては、前述のように、センサ
膜で化学物質感受性化合物と被検化学物質とが結合する
ことによって、センサ膜の全体としての光反射率が変化
することを利用して被検化学物質の検出を行っている。
【0045】この場合の光反射率の変化は、前述のよう
に、膜厚、膜密度、屈折率等の膜物性の変化に起因する
と考えられる。
【0046】すなわち、本発明では、化学物質感受性化
合物と被検化学物質との結合に応じた膜物性の変化を、
センサ膜全体の光反射率の変化によってとらえ、被検化
学物質を定量するものである。
【0047】より具体的に説明すれば、特に上記したよ
うな親水性化合物においては水蒸気により水和が起こっ
たり、水が吸着したり、吸収されたりすることにより、
膨潤し、化学物質感受性膜の膜厚が変化し、これによっ
て、光路長が変化すると考えられる。
【0048】また、ブロムチモールブルー等においては
アンモニアとの間で何らかの相互作用、究極的には電荷
移動錯体の形成等が起こることによると考えられる。
【0049】クラウンエーテルの場合はアルカリ金属や
アルカリ土類金属等のイオンを包接することによると考
えられる。
【0050】上記における結合は、可逆的であっても非
可逆的であってもよく、膜の光反射率を変化させるもの
であればよい。ただし、センサの繰返し使用の点では可
逆的であることが好ましい。
【0051】光源部の光源としては、単色光を発するも
のであってもよいが、少なくともある程度波長に幅をも
った光を発する光源を用いることが望ましい。この場合
には、光源としてLEDが使用でき、また光量変化も大
きくなる。この場合、使用される光の波長は、800〜
1000A程度となる。
【0052】化学物質感受性膜は、センサの目的に応
じ、すなわち被検化学物質の種類に応じて用いられる化
学物質感受性化合物が選択され、それに応じた方法によ
って成膜される。
【0053】具体的に、湿度センサとする場合には、特
に、前記例中において、親水性高分子化合物を用い、こ
の場合には、一般に、塗布により良好な膜物性を有する
塗膜が得られる。特に、アルコール可溶性の親水性ナイ
ロンを用いる場合には、これにメラミンを添加してアル
コール混合溶液とし、これをスピンコートし、さらに熱
架橋することによって化学物質感受性膜を形成してもよ
い。この化学物質感受性膜は、特に耐水性が向上する。
上記メラミンの他、酸触媒、酒石酸、シュウ酸、マレイ
ン酸等も用いることができる。
【0054】またアンモニアを被検化学物質とする場合
には、ポリ−2−パラ(メタクロイルアミノフェニル)
−5−フェニル−1,3−オキサゾール等が用いられ、
この場合も上記と同様に塗布により成膜が行なわれる。
【0055】なお、他の化合物では塗布あるいは蒸着に
より成膜すればよい。
【0056】また、同様の化学物質感受性化合物同士を
併用して化学物質感受性膜を作成することも可能であ
る。
【0057】この場合、例えば高分子の化学物質感受性
化合物にバインダ機能をもたせてもよい。
【0058】さらには、化学物質感受性化合物としての
機能を阻害しないような各種ポリマー等のバインダを併
用してもよい。
【0059】上記における化学物質感受性化合物の含有
量は、50〜100wt% 、好ましくは80〜100wt%
とするのがよい。
【0060】このような含有量とすることにより、化学
物質感受性膜の膜物性の変化が十分となる。
【0061】また、この場合の化学物質感受性膜の厚さ
は、0.05〜100μm 、好ましくは0.1〜5μm
とするのがよい。このように薄膜とすることにより、セ
ンサとしての応答が速くなる。
【0062】本発明の化学物質センサを製造するには、
基体上に光学薄膜を形成し、その上に化学物質感受性膜
を設層してセンサ膜を形成すればよい。
【0063】金属酸化物膜の設層は、アルコラートを用
いたいわゆるゾル−ゲル法で行なえばよい。上記ゾル−
ゲル法で行なう場合には、製造速度が早く、安価で、量
産性があり、しかも安定な膜が得られる。この他、蒸
着、スパッタ等であってもよい。また、DLC膜の設層
については上述した。化学物質感受性膜の設層は、特
に、化学物質感受性化合物の塗布液を調製し、その塗膜
を形成することにより行えばよい。塗膜形成の際の塗布
はスピンコート、ディッピング、スプレー等によればよ
い。上記のように、特に熱架橋したものであることが望
ましい。
【0064】塗布液の調製に際して用いる溶媒は、化学
物質感受性化合物が可溶なものであれば特に制限はな
い。具体的には、ケトアルコール系(脂肪族ケトアルコ
ール、特にジアセトンアルコール、アセトール、アセト
イン、アセトエチルアルコール等)、R1 O−R2 −O
H[ここでR1 は低級アルキル基(特に炭素原子数1〜
5)、R2 は低級アルキレン基(特に炭素原子数2〜
5)を表わす。]で示されるエーテル系、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘサキサノン
等のケトン系、酢酸ブチル、酢酸エチル、カルビトール
アセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステ
ル系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のエーテ
ル系ないしトルエン、キシレン等の芳香族系、ジクロロ
エタン等のハロゲン化アルキル系、水、アルコール等が
挙げられる。
【0065】本発明においては、さらにセンサ膜の膜面
を通気性保護板でエアーサンドイッチ化してもよく、膜
面に通気性保護板を設置してもよい。
【0066】また、膜面に特定の化学物質が通過可能な
フィルターを設けてもよい。
【0067】本発明においては、基体に金属酸化物膜お
よび化学物質感受性膜からなるセンサ膜を形成後、これ
を所望の寸法に打ち抜いたり、切断したりしてもよい。
この方法は量産性の上で好ましい。上記打ち抜き、切断
の場合には、基板上に予め打ち抜き、切断用の溝等を設
けて、その作業がし易くなるようにしておいてもよい。
【0068】また、基体にガラスファイバを用い、その
端面に金属酸化物膜および化学物質感受性膜からなるセ
ンサ膜を形成してもよい。さらにはこのものを複数束ね
て用いてもよい。また束ねて端面を研磨し、端面にセン
サ膜を設層してもよい。
【0069】さらにまた、センサ膜14の表面には、溌
水性物質層が設けられていてもよい。この溌水性物質層
は、水との接触角が90°以上、特に90〜130°で
あり、付着する水滴に対する影響を防止することが望ま
しい。また、同時に十分な水分の通過を確保する必要が
あり、そのためには、膜厚は、1μm以下、特に0.0
5〜0.2μmに規制することが好ましい。
【0070】このような溌水性物質層を構成する材質と
しては、溌水性のポリマー、例えば、ポリテトラフルオ
ロエチレン等のフッ素系ポリマー;ポリエチレンやポリ
プロピレン等のオレフィン系ポリマー;シリコーン系ポ
リマー等が好適に使用される。このような溌水性物質層
の保護膜は、塗布などによって形成すればよい。
【0071】本発明の化学物質センサにおいては、化学
物質感受性膜の膜厚の制御が可能であり、被検化学物質
を含む被検流体と接触させることにより、膜厚に応じて
被検化学物質をppb〜100%の範囲で測定すること
が可能となる。
【0072】本発明の化学物質センサの好ましい態様と
しては、例えば第1図に示される構成のものが挙げられ
る。
【0073】このものでは、透明な基体11の表面側
に、化学物質感受性化合物を含む化学物質感受性膜12
が、光学薄膜13を介して形成され、これによりセンサ
膜14が構成されている。一方、透明な基体11の裏面
側には、発光素子21と受光素子22とが設置されてお
り、これらのものがケーシング30内に一体的に収納さ
れている。
【0074】従って、発光素子21から発光された光を
センサ膜14に基体11の裏面側から入射させ、このと
きの反射光をやはり基体11裏面に設けた受光素子22
によってとらえ、反射率の変化から被検化学物質を検
知、定量する。
【0075】この場合、発光素子21と受光素子22と
は、設置スペース等が許す限り、できるだけ近接して設
置し、発光素子21からの光のセンサ膜への入射角がで
きるだけ、小さくなるようにすることが望ましい。
【0076】本発明における発光素子21の発光する光
の波長は、可視〜赤外域のいずれかの波長である。
【0077】発光素子21としては、特に制限はない
が、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(L
D)等であることが好ましい。
【0078】また、受光素子22としても特に制限はな
いがフォトダイオード、フォトトランジスタ等であるこ
とが好ましい。
【0079】その他、本発明の化学物質センサは、セン
サ膜として上記条件の光学薄膜と化学物質感受性膜とが
積層されていれば、その構成において特に制限はなく、
種々の態様が可能である。
【0080】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0081】実施例1 基体としてのガラス板(50×50×1mm、屈折率:
1.5)上に、アルキルタンタレートのアルコール溶液
(Ta2 5 換算で5wt%含有)をスピンコートし、こ
れを500℃で30分加熱処理し、酸化物薄膜である光
学薄膜を形成した。この薄膜の膜厚t、および波長90
0Aにおける屈折率nおよび消衰係数kを測定したとこ
ろ、それぞれt=500A、n=2.0、k=0.1で
あった。
【0082】ついで、上記酸化物薄膜上に、アセチルセ
ルロース(イーストマン・コダック社製)の2wt%シク
ロヘキサン溶液をスピンコートし、100℃で30分乾
燥して、化学物質感受性膜を作製した。この化学物質感
受性膜の膜厚tを測定したところ、1200Aであっ
た。
【0083】上記センサ膜が形成されたガラス基板を用
いて、第1図に示される構成のセンサを組立てた。
【0084】なお、発光素子には940nmの波長の光を
発光するLEDを受光素子にはPINダイオードをそれ
ぞれ用いた。
【0085】このようにして作製したセンサを湿度測定
に用いたところ、30〜90%RH の濃度まで水蒸気を測
定することができた。
【0086】この場合の相対湿度とセンサの出力電圧と
の関係の1例を第2図に示す。
【0087】この結果から測定の濃度範囲が広く、また
直線性も良好であることがわかる。
【0088】また、85℃、60%RH,500時間の
環境試験後も初期と同等のセンサ特性を示した。
【0089】実施例2 上記構成で、アセチルセルロースをアルコール可溶性ナ
イロン(AQ−ナイロンA−70、東レ(株)製)とメ
ラミン(ウオーターゾル、大日本インキ化学工業(株)
製の1:1アルコール混合溶液(2wt%)をスピンコー
トし、200℃で1時間加熱処理して、化学物質感受性
膜を形成した他は、上記と同じにして、センサを組立て
たところ、上記実施例1と同様、30〜90%RH でほぼ
直線的な出力変化を得た。なお、上記化学物質感受性膜
の膜厚は1000Aであった。
【0090】また、85℃、60%RH,500時間の
環境試験後も初期と同等のセンサ特性を示した。
【0091】実施例3 上記構成で、光学薄膜をTiO2 の蒸着膜に変えたこと
以外は上記と同じにして、センサを組立てた。上記光学
薄膜の膜厚t、屈折率nおよび消衰係数kを測定したと
ころ、それぞれt=500A、n=2.0、k=0.1
であった。
【0092】このようにして作製したセンサを湿度測定
に用いたところ、30〜90%RH の濃度まで水蒸気を測
定することができた。
【0093】また、85℃、60%RH,500時間の
環境試験後も初期と同等のセンサ特性を示した。
【0094】実施例4 実施例1で、金属酸化物膜形成における熱処理温度を5
00℃から200℃に変えて金属酸化物膜を得た。この
金属酸化物膜の屈折率nを測定したところ、n=1.6
で、基板の屈折率より0.1大きいだけであった。これ
以外は、実施例1と同様にしてセンサを組み立て、この
センサを湿度測定に用いたところ、出力が低下するもの
のセンサとして機能した。
【0095】比較例 実施例1の金属酸化物膜の代わりに、色素NK−261
2(日本感光色素(株)製)の2wt%アルコール溶液を
スピンコートし、不溶化処理を行なって形成した色素膜
を用いた他は、上記と同様にしてセンサを組み立てた。
【0096】このようにして作製したセンサを湿度測定
に用いたところ、本発明の上記実施例と同様、30〜9
0%RH の濃度まで水蒸気を測定することができた。しか
し、上記と同様に環境試験を行なったところ、色素膜の
劣化により、反射率が20%以上低下し、精度が悪くな
り、事実上センサとしての機能を失った。
【0097】実施例5 実施例3において、TiO2 を、MgO、SnO2 、L
23 、In23、Nd23 、Sb23 、Zr
2 、CeO2 、Pr23 、PbTiO3 、SrTi
3 、CdTiO3 、KTaO3 、NaTaO3 、Li
TaO3 、Si34 、ZnSe、CdS、ZnSの蒸
着ないしスパッタ膜にかえたところ、実施例3と同等の
効果が得られた。
【0098】実施例6 反応圧力0.05TorrでCH4 を10SCCM流し、RF1
3.56MHz の電源を500W の電力で印加してRFプ
ラズマCVDを行った。バイアスはDC−250Vとし
たところ、膜厚1000A 、屈折率2.15、消衰係数
0.01、Hv2100のDLC膜が得られた。この膜
を実施例1のTa25 膜にかえたところ、実施例1と
同等の効果が得られた。
【0099】実施例7 実施例6と同一の条件でRFプラズマCVDを行った。
バイアスはセルフバイアス−150Vとしたところ、膜
厚1200A 、屈折率1.95、消衰係数0.01、H
v950のDLC膜が得られた。この膜を実施例1のT
25 膜にかえたところ、実施例1と同等の効果が得
られた。
【0100】実施例8 島津製のDLC−150型のECRプラズマCVD装置
を用いてCH4 ガス100SCCMを導入し、マイクロ波3
00W を印加し、圧力0.01Torrの条件でECRプラ
ズマCVDを行った。バイアスはRF150W でセルフ
バイアス−100Vとしたところ、膜厚900A 、屈折
率2.00、消衰係数0.01、Hv1300のDLC
膜が得られた。この膜を実施例1のTa25 膜にかえ
たところ、実施例1と同等の効果が得られた。
【0101】実施例9 フィラメントに24A の電流を流し圧力0.01Torrと
しCH4 を10SCCM流し、イオン化蒸着を行った。バイ
アスはDC−900Vとしたところ、膜厚1050A 、
屈折率2.35、消衰係数0.01、Hv5500のD
LC膜が得られた。この膜を実施例1のTa25 膜に
かえたところ、実施例1と同等の効果が得られた。
【0102】実施例10 実施例9の条件においてCH4 10SCCMにテトラメトキ
シシラン2SCCMを加えて、イオン化蒸着を行った。バイ
アスはDC−300Vとしたところ、膜厚1050A 、
屈折率2.18、消衰係数0.01、Hv1900のS
i8.5at% を含有するDLC膜が得られた。この膜を
実施例1のTa25 膜にかえたところ、実施例1と同
等の効果が得られた。これらの結果はF、Fe、Co、
Al、Cu、Cr、Mn、Mo、Ta、N、P、O、B
等を35at% 以下含有する場合も同等に実現した。
【0103】
【発明の効果】本発明の化学物質センサは、被検流体中
の化学物質を検知、定量するのに使用されるものであ
る。
【0104】この場合、基板より屈折率の大きい光学薄
膜を介して、被検化学物質と結合する化学物質感受性化
合物を含む化学物質感受性膜を基板に設けてセンサ膜と
しているため、基板側から入射してきた光が各膜間で多
重反射し、結果的に光が上記化学物質感受性膜に何回も
入射することから、光が、物理的および/または化学的
に変化することにより、光学的特性を変えた化学物質感
受性膜の影響を多重に受け、その結果、反射光量の差が
増幅されて出力されるので、精度のよい被検化学物質の
検知、定量を行なうことができる。
【0105】また、特に、光学薄膜として金属酸化物膜
やDLC薄膜を用いるので、非常に安定であるので、耐
久性が極めて良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化学物質センサの好ましい態様を示
す概略断面図である。
【図2】 本発明の化学物質センサを湿度センサに適用
したときの相対湿度と出力電圧との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】 11 基体 12 光学薄膜 13 化学物質感受性膜 14 センサ膜 21 発光素子 22 受光素子 30 ケーシング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津吉 淳弘 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性基体と、この基体上に形成され
    たセンサ膜とを備え、 前記センサ膜が、前記基体上に形成された光学薄膜と、
    この光学薄膜上に形成され、化学物質感受性化合物を含
    む化学物質感受性膜とを備え、 前記光学薄膜が無機化合物を含み、使用される光の波長
    域において、前記基体より大きな屈折率と、1.0以下
    の消衰係数とを有し、 前記化学物質感受性膜中の化学物質感受性化合物が被検
    化学物質と結合することによって前記センサ膜の光反射
    率が変化するように構成した化学物質センサ。
  2. 【請求項2】 光透過性基体と、この基体上に形成され
    たセンサ膜とを備え、 前記センサ膜が、前記基体上に形成された光学薄膜と、
    この光学薄膜上に形成され、化学物質感受性化合物を含
    む化学物質感受性膜とを備え、 前記光学薄膜が、ダイヤモンドライクカーボン薄膜であ
    り、使用される光の波長域において、前記基体より大き
    な屈折率と、1.0以下の消衰係数とを有し、 前記化学物質感受性膜中の化学物質感受性化合物が被検
    化学物質と結合することによって前記センサ膜の光反射
    率が変化するように構成した化学物質センサ。
  3. 【請求項3】 前記光学薄膜の屈折率が、基体の屈折率
    より0.15以上大きく設定されている請求項1または
    2の化学物質センサ。
  4. 【請求項4】 前記光学薄膜の消衰係数が0.5以下で
    ある請求項1〜3のいずれかの化学物質センサ。
  5. 【請求項5】 前記無機化合物が、酸化物、窒化物、セ
    レン化物および硫化物のうちの少なくとも1種である請
    求項1、3または4の化学物質センサ。
  6. 【請求項6】 前記無機化合物が、金属酸化物、窒化珪
    素、セレン化亜鉛、硫化カドミウムおよび硫化亜鉛の中
    から選ばれた1種以上を含有する請求項5の化学物質セ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 前記金属酸化物が、Mg、Sn、La、
    In、Nd、Sb、Zr、Ce、Ti、BiまたはPr
    の酸化物、Tiを含む複合酸化物、およびTaを含む複
    合酸化物から選ばれた1種以上を含有する請求項6の化
    学物質センサ。
  8. 【請求項8】 前記光学薄膜が、前記金属酸化物を主成
    分とし、この金属酸化物を構成する金属とは別の金属元
    素として、アルカリ土類金属、Ta、NbまたはLaを
    10wt%以下含む請求項7の化学物質センサ。
  9. 【請求項9】 前記ダイヤモンドライクカーボン薄膜
    が、金属元素、Si、N、P、OおよびFの1種以上を
    含有する請求項2、3または4の化学物質センサ。
  10. 【請求項10】 前記光学薄膜の膜厚が200〜300
    0Aの範囲に設定されている請求項1〜7のいずれかの
    化学物質センサ。
  11. 【請求項11】 さらに、前記基体のセンサ膜が形成さ
    れた側とは反対側に光源部と受光部とを配し、光源部か
    らの光を前記基体を介して前記センサ膜に照射し、その
    反射光を受光部で受光して、このセンサ膜の光反射率変
    化を検出し、被検化学物質を検知、定量するように構成
    した請求項1〜10のいずれかの化学物質センサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007248367A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Atsumi Tec:Kk 水素ガス検知装置
JP2007256294A (ja) * 1996-04-30 2007-10-04 Metrika Inc 反射光線の測定方法及びその装置
JP2010514937A (ja) * 2006-12-29 2010-05-06 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー プラズマ蒸着微孔性炭素材料

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