JPH0798064A - シール用oリングおよびその製造法 - Google Patents
シール用oリングおよびその製造法Info
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- JPH0798064A JPH0798064A JP20276893A JP20276893A JPH0798064A JP H0798064 A JPH0798064 A JP H0798064A JP 20276893 A JP20276893 A JP 20276893A JP 20276893 A JP20276893 A JP 20276893A JP H0798064 A JPH0798064 A JP H0798064A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 シール用メタルOリングが高温で塑性変形
し、弾性を失うことのないようにする。 【構成】 メタルOリング部材1の中空部に膨張黒鉛2
を高密度で充填して構成する。 【効果】 膨張黒鉛は高密度にされるとゴム弾性を発揮
する。よって、上記構成によれば、高温でのメタルOリ
ング部材の弾性はその内部の膨張黒鉛に保持される。ま
た、メタルOリング部材で密閉状にされた膨張黒鉛は直
接空気に触れることがないから酸化減量することがな
く、高温での弾性はそのまま維持される。
し、弾性を失うことのないようにする。 【構成】 メタルOリング部材1の中空部に膨張黒鉛2
を高密度で充填して構成する。 【効果】 膨張黒鉛は高密度にされるとゴム弾性を発揮
する。よって、上記構成によれば、高温でのメタルOリ
ング部材の弾性はその内部の膨張黒鉛に保持される。ま
た、メタルOリング部材で密閉状にされた膨張黒鉛は直
接空気に触れることがないから酸化減量することがな
く、高温での弾性はそのまま維持される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルブ、ポンプ等の流
体機器の軸封部や配管フランジ接合部等に組み込まれ
て、各種流体を密封するのに用いられるシール用Oリン
グおよびその製造法に関する。
体機器の軸封部や配管フランジ接合部等に組み込まれ
て、各種流体を密封するのに用いられるシール用Oリン
グおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のシール用Oリングとし
て、メタルパイプを適当の長さに切断し、それをリング
状に成形し、その両端を溶接した中空メタルOリング体
が知られており、高温、高圧のガスケットとして用いら
れている。一方、膨張黒鉛よりなるシール用材料または
部材は、例えば長尺の膨張黒鉛シートを渦巻き状に巻回
して成形金型に入れて圧縮成形する方法で得られるもの
で、膨張黒鉛の柔軟特性と黒鉛の本来的特性を有するこ
とから、いわゆるグランドパッキンまたはガスケットと
して多用されている。
て、メタルパイプを適当の長さに切断し、それをリング
状に成形し、その両端を溶接した中空メタルOリング体
が知られており、高温、高圧のガスケットとして用いら
れている。一方、膨張黒鉛よりなるシール用材料または
部材は、例えば長尺の膨張黒鉛シートを渦巻き状に巻回
して成形金型に入れて圧縮成形する方法で得られるもの
で、膨張黒鉛の柔軟特性と黒鉛の本来的特性を有するこ
とから、いわゆるグランドパッキンまたはガスケットと
して多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記メ
タルOリングは圧縮および復元に対して弾性を示す範囲
が少なく、特に高温での塑性変形が著しく、使用金属材
料によっては、500℃以上で弾性を失い、シール性能
が大きく低下するという欠陥がある。一方、前記膨張黒
鉛よりなるOリングは、400℃以上の空気に触れると
酸化減量する欠陥を有している。
タルOリングは圧縮および復元に対して弾性を示す範囲
が少なく、特に高温での塑性変形が著しく、使用金属材
料によっては、500℃以上で弾性を失い、シール性能
が大きく低下するという欠陥がある。一方、前記膨張黒
鉛よりなるOリングは、400℃以上の空気に触れると
酸化減量する欠陥を有している。
【0004】
【発明の目的】本発明は、前述したメタルOリングおよ
び膨張黒鉛パッキンの欠点を除去し、かつ両者の特性を
あわせ持つ改良されたシール用Oリングとその製造法を
提供することを主たる目的としている。
び膨張黒鉛パッキンの欠点を除去し、かつ両者の特性を
あわせ持つ改良されたシール用Oリングとその製造法を
提供することを主たる目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるシール用O
リングは、メタルOリング部材の中空部に膨張黒鉛を高
密度で充填して構成したことを要旨とする。また、本発
明によるシール用Oリングの製造法は、直線状のメタル
パイプ部材の中空部に膨張黒鉛を絞り加工等により高密
度に充填し、この膨張黒鉛入りの直線状メタルパイプ部
材をリング状に湾曲して突き合わせ、その突き合わせ部
分を溶接にて結合することを要旨としている。
リングは、メタルOリング部材の中空部に膨張黒鉛を高
密度で充填して構成したことを要旨とする。また、本発
明によるシール用Oリングの製造法は、直線状のメタル
パイプ部材の中空部に膨張黒鉛を絞り加工等により高密
度に充填し、この膨張黒鉛入りの直線状メタルパイプ部
材をリング状に湾曲して突き合わせ、その突き合わせ部
分を溶接にて結合することを要旨としている。
【0006】
【作用】上記構成のシール用Oリングにおいて、メタル
Oリング部材内部に高密度に充填された膨張黒鉛はゴム
弾性を発現することから、高温でのメタルOリング部材
の弾性は前記膨張黒鉛により保持される。また、メタル
Oリング部材で密閉状にされた膨張黒鉛は直接空気に触
れず、酸化減量しないので、前述した高温での弾性はそ
のまま維持される。また、上記シール用Oリングの製造
法によれば、メタルOリング部材の特性を具備し、しか
も高温で弾性を失うことのないシール用Oリングを簡易
な作業工程により得ることができる。
Oリング部材内部に高密度に充填された膨張黒鉛はゴム
弾性を発現することから、高温でのメタルOリング部材
の弾性は前記膨張黒鉛により保持される。また、メタル
Oリング部材で密閉状にされた膨張黒鉛は直接空気に触
れず、酸化減量しないので、前述した高温での弾性はそ
のまま維持される。また、上記シール用Oリングの製造
法によれば、メタルOリング部材の特性を具備し、しか
も高温で弾性を失うことのないシール用Oリングを簡易
な作業工程により得ることができる。
【0007】
【実施例】図1〜図2に、本発明の一実施例を示す。図
1〜図2において、Aはシール用Oリングを示す。1は
そのOリングを構成するメタルOリング部材、2はこの
メタルOリング部材の中空部に高密度に充填された膨張
黒鉛である。3はメタルOリング部材の突き合わせ溶接
部を示す。
1〜図2において、Aはシール用Oリングを示す。1は
そのOリングを構成するメタルOリング部材、2はこの
メタルOリング部材の中空部に高密度に充填された膨張
黒鉛である。3はメタルOリング部材の突き合わせ溶接
部を示す。
【0008】上記メタルOリング部材1に使用する金属
材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、高ニ
ッケル合金、インコネル等が挙げられる。メタルOリン
グの肉厚は、少なくとも突き合わせ溶接が可能であり、
かつ必要最小限の強度を有し、しかも内部に高密度に充
填された膨張黒鉛に発現されるゴム弾性をメタルを通し
て外部に充分に出せるような肉厚に定められる。これら
点を考慮すると、上記メタルOリング部材の肉厚は0.
1mm〜0.5mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.
8mm〜0.5mmである。
材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、高ニ
ッケル合金、インコネル等が挙げられる。メタルOリン
グの肉厚は、少なくとも突き合わせ溶接が可能であり、
かつ必要最小限の強度を有し、しかも内部に高密度に充
填された膨張黒鉛に発現されるゴム弾性をメタルを通し
て外部に充分に出せるような肉厚に定められる。これら
点を考慮すると、上記メタルOリング部材の肉厚は0.
1mm〜0.5mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.
8mm〜0.5mmである。
【0009】膨張黒鉛は、これを圧縮して高密度にする
と、ゴム弾性が発現され、これが低温、高温においても
保持されるという特性をもっている。実験によれば、膨
張黒鉛は密度が1.8g/cm3以上になるとゴム弾性が
顕著に発現されることが確認されている。この場合、O
リング本体の装着時の締付け圧による圧縮を考慮する
と、Oリング本体製品での膨張黒鉛の充填密度は1.8
g/cm3以下であっても、締付けによって1.8g/cm3
以上になることで、目的とするゴム弾性を発現させるこ
とができる。上記締付け圧による圧縮を考慮した場合、
Oリング製品の膨張黒鉛の充填密度は1.3g/cm3程
度であってもよい。
と、ゴム弾性が発現され、これが低温、高温においても
保持されるという特性をもっている。実験によれば、膨
張黒鉛は密度が1.8g/cm3以上になるとゴム弾性が
顕著に発現されることが確認されている。この場合、O
リング本体の装着時の締付け圧による圧縮を考慮する
と、Oリング本体製品での膨張黒鉛の充填密度は1.8
g/cm3以下であっても、締付けによって1.8g/cm3
以上になることで、目的とするゴム弾性を発現させるこ
とができる。上記締付け圧による圧縮を考慮した場合、
Oリング製品の膨張黒鉛の充填密度は1.3g/cm3程
度であってもよい。
【0010】上記のように構成されたシール用Oリング
にあっては、メタルOリング部材1に高密度に充填され
た膨張黒鉛2はゴム弾性を発現し得ることから、高温で
のメタルOリング部材の弾性は、その内部に充填された
膨張黒鉛2が有するゴム弾性により保持される。また、
メタルOリング部材1で密閉された膨張黒鉛は直接空気
に触れることがないので、酸化減量するおそれは全くな
く、高温でのゴム弾性もそのまま維持されて一般的なメ
タル中空Oリングに比較して大きな圧縮復元性能が得ら
れる。
にあっては、メタルOリング部材1に高密度に充填され
た膨張黒鉛2はゴム弾性を発現し得ることから、高温で
のメタルOリング部材の弾性は、その内部に充填された
膨張黒鉛2が有するゴム弾性により保持される。また、
メタルOリング部材1で密閉された膨張黒鉛は直接空気
に触れることがないので、酸化減量するおそれは全くな
く、高温でのゴム弾性もそのまま維持されて一般的なメ
タル中空Oリングに比較して大きな圧縮復元性能が得ら
れる。
【0011】図3〜図5に、前記シール用Oリングの製
造法の一例を示す。まず、図3に示すように、所要の長
さをもつ棒状のメタルパイプ1’に丸棒状に予備成形し
た膨張黒鉛棒2’を押し込み充填し、次に図4に示すよ
うに、メタルパイプ1’の一端を扁平状につぶし、チャ
ック4で把持し、この膨張黒鉛充填メタルパイプ1’を
ダイス5を通して絞り加工し、この絞り加工によりパイ
プ径を縮少しながらパイプに充填された膨張黒鉛棒2’
を高密度に圧縮する。このあと図5に示すように、膨張
黒鉛充填の棒状メタルパイプ1’をリング状に湾曲成形
し、その両端を突き合わせ、パイプの突き合わせ部を抵
抗溶接にて結合することにより、所望とするシール用O
リング製品が得られる。
造法の一例を示す。まず、図3に示すように、所要の長
さをもつ棒状のメタルパイプ1’に丸棒状に予備成形し
た膨張黒鉛棒2’を押し込み充填し、次に図4に示すよ
うに、メタルパイプ1’の一端を扁平状につぶし、チャ
ック4で把持し、この膨張黒鉛充填メタルパイプ1’を
ダイス5を通して絞り加工し、この絞り加工によりパイ
プ径を縮少しながらパイプに充填された膨張黒鉛棒2’
を高密度に圧縮する。このあと図5に示すように、膨張
黒鉛充填の棒状メタルパイプ1’をリング状に湾曲成形
し、その両端を突き合わせ、パイプの突き合わせ部を抵
抗溶接にて結合することにより、所望とするシール用O
リング製品が得られる。
【0012】上記製造法によれば、Oリング寸法に合わ
せた金型等の成形治具を使用しないので、所望の径寸法
を有するシール用Oリングを簡単容易に、かつ安価に製
作することができる。なお、前記ダイスによる絞り加工
によらず、例えば一端を蓋板で閉塞した棒状のメタルパ
イプ1’に膨張黒鉛棒を短いブロックに分けて入れ、そ
れを押し棒で順次に押圧して密度を上げる手段を適用し
てもよい。
せた金型等の成形治具を使用しないので、所望の径寸法
を有するシール用Oリングを簡単容易に、かつ安価に製
作することができる。なお、前記ダイスによる絞り加工
によらず、例えば一端を蓋板で閉塞した棒状のメタルパ
イプ1’に膨張黒鉛棒を短いブロックに分けて入れ、そ
れを押し棒で順次に押圧して密度を上げる手段を適用し
てもよい。
【0013】図6は、前記シール用OリングAをバルブ
装着した例を示している。同図中、6はスタフィングボ
ックス、7はストッパーであって、そのあいだにシール
用リング体Aが装着され、ナット8を回すことで、シー
ルのための初期締付けを行い、バルブ本体9とスタフィ
ングボックス6のシールを行う。軸10とスタフィング
ボックス6とのシールはグランドパッキン11で行い、
グランド押え部材12で締付けることにより、シールを
している。
装着した例を示している。同図中、6はスタフィングボ
ックス、7はストッパーであって、そのあいだにシール
用リング体Aが装着され、ナット8を回すことで、シー
ルのための初期締付けを行い、バルブ本体9とスタフィ
ングボックス6のシールを行う。軸10とスタフィング
ボックス6とのシールはグランドパッキン11で行い、
グランド押え部材12で締付けることにより、シールを
している。
【0014】通常、この種のバルブにあっては、高温流
体のサイクル加圧により、シール部材に荷重が繰り返し
加わり、同時に空気の出入りが発生する。従来の膨張黒
鉛のみでシールしていると酸化減量が激しく、耐用寿命
が短い。しかし、本発明のシール用OリングAの使用に
よれば、膨張黒鉛はメタルOリング部材1で密閉されて
いるので、直接空気に触れることがなく、酸化は起こら
ない。また、繰り返し荷重に対して、弾性が内部の高密
度膨張黒鉛で保たれるので、シール性能は安定状態に維
持される。
体のサイクル加圧により、シール部材に荷重が繰り返し
加わり、同時に空気の出入りが発生する。従来の膨張黒
鉛のみでシールしていると酸化減量が激しく、耐用寿命
が短い。しかし、本発明のシール用OリングAの使用に
よれば、膨張黒鉛はメタルOリング部材1で密閉されて
いるので、直接空気に触れることがなく、酸化は起こら
ない。また、繰り返し荷重に対して、弾性が内部の高密
度膨張黒鉛で保たれるので、シール性能は安定状態に維
持される。
【0015】図7は、前記シール用OリングAをフラン
ジ接合部に装着した例を示している。同図中、13,1
4は配管フランジであり、フランジに対するセンターリ
ング15の内側にシール用リング本体Aを嵌め込み、フ
ランジのガスケットとしたものである。前記フランジ接
合部の使用例においても、シール用OリングAは高温で
の復元性が大きく、優れたシール安定性が得られる。
ジ接合部に装着した例を示している。同図中、13,1
4は配管フランジであり、フランジに対するセンターリ
ング15の内側にシール用リング本体Aを嵌め込み、フ
ランジのガスケットとしたものである。前記フランジ接
合部の使用例においても、シール用OリングAは高温で
の復元性が大きく、優れたシール安定性が得られる。
【0016】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
メタルOリング部材の中空部に膨張黒鉛を高密度で充填
した構成としたので、高温での弾性が保たれ、かつ高温
でのシール安定性を有するシール用Oリングが得られ
る。加えて、本発明によれば、前記構成のシール用Oリ
ングを簡易な作業工程により得ることができる。また従
来の膨張黒鉛によるシール材は400℃以上では単独に
使用できなかったが、本発明によれば、メタル部材の材
質によっては1000℃以上の高温において使用可能で
ある。
メタルOリング部材の中空部に膨張黒鉛を高密度で充填
した構成としたので、高温での弾性が保たれ、かつ高温
でのシール安定性を有するシール用Oリングが得られ
る。加えて、本発明によれば、前記構成のシール用Oリ
ングを簡易な作業工程により得ることができる。また従
来の膨張黒鉛によるシール材は400℃以上では単独に
使用できなかったが、本発明によれば、メタル部材の材
質によっては1000℃以上の高温において使用可能で
ある。
【図1】本発明の一実施例を示すシール用Oリングの正
面図である。
面図である。
【図2】前記Oリングの断面図である。
【図3】シール用Oリングを製造する第1工程図であ
る。
る。
【図4】シール用Oリングを製造する第2工程図であ
る。
る。
【図5】シール用Oリングを製造する第3工程図であ
る。
る。
【図6】シール用Oリングを装着したバルブの断面図で
ある。
ある。
【図7】シール用Oリングを装着したフランジ接合部の
断面図である。
断面図である。
A シール用Oリング 1 メタルOリング部材 2 膨張黒鉛 3 溶接部 4 チャック 5 絞りダイス 1’ メタルパイプ 2’ 膨張黒鉛棒 6 スタフィングボックス 7 ストッパー 8 ナット 9 バルブ本体 10 軸 11 グランドパッキン 12 グランド押え部材 13,14 配管フランジ 15 センターリング
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 シール用Oリングおよびその製造法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルブ、ポンプ等の流
体機器の軸封部や配管フランジ接合部等に組み込まれ
て、各種流体を密封するのに用いられるシール用Oリン
グおよびその製造法に関する。
体機器の軸封部や配管フランジ接合部等に組み込まれ
て、各種流体を密封するのに用いられるシール用Oリン
グおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のシール用Oリングとし
て、メタルパイプを適当の長さに切断し、それをリング
状に成形し、その両端を溶接した中空メタルOリング体
が知られており、高温、高圧のガスケットとして用いら
れている。一方、膨張黒鉛よりなるシール用材料または
部材は、例えば長尺の膨張黒鉛シートを渦巻き状に巻回
して成形金型に入れて圧縮成形する方法で得られるもの
で、膨張黒鉛の柔軟特性と黒鉛の本来的特性を有するこ
とから、いわゆるグランドパッキンまたはガスケットと
して多用されている。
て、メタルパイプを適当の長さに切断し、それをリング
状に成形し、その両端を溶接した中空メタルOリング体
が知られており、高温、高圧のガスケットとして用いら
れている。一方、膨張黒鉛よりなるシール用材料または
部材は、例えば長尺の膨張黒鉛シートを渦巻き状に巻回
して成形金型に入れて圧縮成形する方法で得られるもの
で、膨張黒鉛の柔軟特性と黒鉛の本来的特性を有するこ
とから、いわゆるグランドパッキンまたはガスケットと
して多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記メ
タルOリングは圧縮および復元に対して弾性を示す範囲
が少なく、特に高温での塑性変形が著しく、使用金属材
料によっては、500℃以上で弾性を失い、シール性能
が大きく低下するという欠陥がある。一方、前記膨張黒
鉛よりなるOリングは、400℃以上の空気に触れると
酸化減量する欠陥を有している。
タルOリングは圧縮および復元に対して弾性を示す範囲
が少なく、特に高温での塑性変形が著しく、使用金属材
料によっては、500℃以上で弾性を失い、シール性能
が大きく低下するという欠陥がある。一方、前記膨張黒
鉛よりなるOリングは、400℃以上の空気に触れると
酸化減量する欠陥を有している。
【0004】
【発明の目的】本発明は、前述したメタルOリングおよ
び膨張黒鉛パッキンの欠点を除去し、かつ両者の特性を
併せ持つ改良されたシール用Oリングとその製造法を提
供することを主たる目的としている。
び膨張黒鉛パッキンの欠点を除去し、かつ両者の特性を
併せ持つ改良されたシール用Oリングとその製造法を提
供することを主たる目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるシール用O
リングは、インコネル製Oリング部材の中空部に密度
1.6g/cm3以上の膨張黒鉛成形体を充填して構成
したことを要旨としている。また、本発明によるシール
用Oリングの製造法は、直線状のメタルパイプ部材の中
空音に密度1.3g/cm3以上の膨張黒鉛成形体を充
填し、その中実のパイプ部材を絞り加工して、中芯の膨
張黒鉛成形体の密度を1.6g/cm3以上に高密度化
する工程と、この絞り加工後の中実パイプ部材をリング
状に湾曲して突き合わせ、その突き合わせ部分を溶接に
て結合する工程とから成ることを要旨としている。
リングは、インコネル製Oリング部材の中空部に密度
1.6g/cm3以上の膨張黒鉛成形体を充填して構成
したことを要旨としている。また、本発明によるシール
用Oリングの製造法は、直線状のメタルパイプ部材の中
空音に密度1.3g/cm3以上の膨張黒鉛成形体を充
填し、その中実のパイプ部材を絞り加工して、中芯の膨
張黒鉛成形体の密度を1.6g/cm3以上に高密度化
する工程と、この絞り加工後の中実パイプ部材をリング
状に湾曲して突き合わせ、その突き合わせ部分を溶接に
て結合する工程とから成ることを要旨としている。
【0006】
【作用】上記構成のシール用Oリングにおいて、メタル
Oリング部材に用いているインコネルはクロム、鉄を含
む高ニッケル合金で、耐食性を有し、かつ1000℃ま
での高温雰囲気で使用可能であり、またそのOリング部
材内部には密度1.6g/cm3以上の膨張黒鉛成形体
が充填されているので、その高密度の膨張黒鉛はゴム弾
性を発現することから、高温でのインコネル製Oリング
部材の弾性は前記膨張黒鉛により保持される。また、イ
ンコネル製Oリング部材で密閉状にされた膨張黒鉛は直
接空気に触れず、酸化減量しないので、前述した高温で
の弾性はそのまま維持される。また、前記シール用Oリ
ングの製造法によれば、メタルOリング部材の特性を具
備し、しかも高温で弾性を失うことのないシール用Oリ
ングを簡易な作業工程により得ることができる。
Oリング部材に用いているインコネルはクロム、鉄を含
む高ニッケル合金で、耐食性を有し、かつ1000℃ま
での高温雰囲気で使用可能であり、またそのOリング部
材内部には密度1.6g/cm3以上の膨張黒鉛成形体
が充填されているので、その高密度の膨張黒鉛はゴム弾
性を発現することから、高温でのインコネル製Oリング
部材の弾性は前記膨張黒鉛により保持される。また、イ
ンコネル製Oリング部材で密閉状にされた膨張黒鉛は直
接空気に触れず、酸化減量しないので、前述した高温で
の弾性はそのまま維持される。また、前記シール用Oリ
ングの製造法によれば、メタルOリング部材の特性を具
備し、しかも高温で弾性を失うことのないシール用Oリ
ングを簡易な作業工程により得ることができる。
【0007】
【実施例】図1〜図2に、本発明の一実施例を示す。図
1〜図2において、Aは本発明方法によって得られたシ
ール用Oリングを示す。1はそのOリングを構成するイ
ンコネル製Oリング部材、2はこのインコネル製Oリン
グ部材の中空部に密度1.6g/cm3以上の高密度に
充填された膨張黒鉛成形体である。3はメタルOリング
部材の突き合わせ溶接部を示す。
1〜図2において、Aは本発明方法によって得られたシ
ール用Oリングを示す。1はそのOリングを構成するイ
ンコネル製Oリング部材、2はこのインコネル製Oリン
グ部材の中空部に密度1.6g/cm3以上の高密度に
充填された膨張黒鉛成形体である。3はメタルOリング
部材の突き合わせ溶接部を示す。
【0008】上記シール用Oリング部材に使用する金属
材料としては、1000℃の高温雰囲気で使用可能なイ
ンコネルが最も好ましい。しかし、アルミニウム、ステ
ンレス鋼、銅等の金属材料も使用できる。これらのメタ
ルOリングの肉厚は、少なくとも突き合わせ溶接が可能
であり、かつ必要最小限の強度を有し、しかも内部に高
密度に充填された前記膨張黒鉛成形体に発現されるゴム
弾性をメタルを通して外部に充分に出せるような肉厚に
定められる。これらの点を考慮すると、上記メタルOリ
ング部材の肉厚は0.1mm〜1.0mmの範囲が好ま
しく、より好ましくは0.5mm〜0.8mmである。
材料としては、1000℃の高温雰囲気で使用可能なイ
ンコネルが最も好ましい。しかし、アルミニウム、ステ
ンレス鋼、銅等の金属材料も使用できる。これらのメタ
ルOリングの肉厚は、少なくとも突き合わせ溶接が可能
であり、かつ必要最小限の強度を有し、しかも内部に高
密度に充填された前記膨張黒鉛成形体に発現されるゴム
弾性をメタルを通して外部に充分に出せるような肉厚に
定められる。これらの点を考慮すると、上記メタルOリ
ング部材の肉厚は0.1mm〜1.0mmの範囲が好ま
しく、より好ましくは0.5mm〜0.8mmである。
【0009】膨張黒鉛は、これを圧縮して高密度にする
と、ゴム弾性が発現され、これが低温、高温においても
保持されるという特性をもっている。実験によれば、膨
張黒鉛は密度が1.6g/cm3以上になると復元率が
急激に増大し、ゴム弾性が顕著に発現されることが確認
されている。この場合、Oリング本体の装着時の締付け
圧による圧縮を考慮すると、Oリング本体に充填する膨
張黒鉛の充填密度は1.6g/cm3以下であっても、
締付け圧によって1.6g/cm3以上になることで、
目的とするゴム弾性を発現させることができる。上記締
付け圧による圧縮を考慮した場合、Oリング製品の膨張
黒鉛の充填密度は1.3g/cm3程度であってもよ
い。
と、ゴム弾性が発現され、これが低温、高温においても
保持されるという特性をもっている。実験によれば、膨
張黒鉛は密度が1.6g/cm3以上になると復元率が
急激に増大し、ゴム弾性が顕著に発現されることが確認
されている。この場合、Oリング本体の装着時の締付け
圧による圧縮を考慮すると、Oリング本体に充填する膨
張黒鉛の充填密度は1.6g/cm3以下であっても、
締付け圧によって1.6g/cm3以上になることで、
目的とするゴム弾性を発現させることができる。上記締
付け圧による圧縮を考慮した場合、Oリング製品の膨張
黒鉛の充填密度は1.3g/cm3程度であってもよ
い。
【0010】図3のグラフは、膨張黒鉛を高密度に充填
して構成したメタルOリング部材における膨張黒鉛の充
填密度と、Oリング締付け復元率との関係を示したもの
である。供試体としては、厚さ0.28mm、外径4.
7mmのインコネル製パイプに膨張黒鉛を充填し、外径
200mmのOリング部材に構成したものを用い、締付
け圧は60kgf/cmとした。このグラフに示すよう
に、メタルOリング部材に膨張黒鉛を高密度、特に1.
6g/cm3以上に充填することによって、メタルOリ
ング部材の復元率は顕著に発揮されることが認められ
た。
して構成したメタルOリング部材における膨張黒鉛の充
填密度と、Oリング締付け復元率との関係を示したもの
である。供試体としては、厚さ0.28mm、外径4.
7mmのインコネル製パイプに膨張黒鉛を充填し、外径
200mmのOリング部材に構成したものを用い、締付
け圧は60kgf/cmとした。このグラフに示すよう
に、メタルOリング部材に膨張黒鉛を高密度、特に1.
6g/cm3以上に充填することによって、メタルOリ
ング部材の復元率は顕著に発揮されることが認められ
た。
【0011】上記のように構成されたシール用Oリング
にあっては、インコネル製Oリング部材1に高密度に充
填された膨張黒鉛成形体2はゴム弾性を発現し得ること
から、高温でのインコネル製Oリング部材の弾性は、そ
の内部に充填された膨張黒鉛成形体2が有するゴム弾性
により保持される。また、インコネル製Oリング部材1
で密閉された膨張黒鉛は直接空気に触れることがないの
で、酸化減量するおそれは全くなく、高温でのゴム弾性
もそのまま維持されて一般的なメタル中空Oリングに比
較して大きな圧縮復元性能が得られる。
にあっては、インコネル製Oリング部材1に高密度に充
填された膨張黒鉛成形体2はゴム弾性を発現し得ること
から、高温でのインコネル製Oリング部材の弾性は、そ
の内部に充填された膨張黒鉛成形体2が有するゴム弾性
により保持される。また、インコネル製Oリング部材1
で密閉された膨張黒鉛は直接空気に触れることがないの
で、酸化減量するおそれは全くなく、高温でのゴム弾性
もそのまま維持されて一般的なメタル中空Oリングに比
較して大きな圧縮復元性能が得られる。
【0012】図4〜図6に、前記シール用Oリングの製
造法の一例を示す。まず、図4に示すように、所要の長
さをもつ棒状のインコネル製等のメタルパイプ1’に丸
棒状に予備圧縮成形した膨張黒鉛棒2’を押し込み充填
し、次に図5に示すように、メタルパイプ1’の一端を
扁平状につぶし、チャック4で把持し、この膨張黒鉛充
填メタルパイプ1’をダイス5を通して絞り加工し、こ
の絞り加工によりパイプ径を縮少しながらパイプに充填
された膨張黒鉛棒2’を高密度に圧縮する。このあと図
6に示すように、膨張黒鉛充填の棒状メタルパイプ1’
をリング状に湾曲成形し、その両端を突き合わせ、パイ
プの突き合わせ部を抵抗溶接にて結合することにより、
所望とするシール用Oリング製品が得られる。
造法の一例を示す。まず、図4に示すように、所要の長
さをもつ棒状のインコネル製等のメタルパイプ1’に丸
棒状に予備圧縮成形した膨張黒鉛棒2’を押し込み充填
し、次に図5に示すように、メタルパイプ1’の一端を
扁平状につぶし、チャック4で把持し、この膨張黒鉛充
填メタルパイプ1’をダイス5を通して絞り加工し、こ
の絞り加工によりパイプ径を縮少しながらパイプに充填
された膨張黒鉛棒2’を高密度に圧縮する。このあと図
6に示すように、膨張黒鉛充填の棒状メタルパイプ1’
をリング状に湾曲成形し、その両端を突き合わせ、パイ
プの突き合わせ部を抵抗溶接にて結合することにより、
所望とするシール用Oリング製品が得られる。
【0013】前記メタルパイプの溶接には、抵抗溶接
(バット溶接)、TIG溶接、プラズマ溶接が挙げられ
る。バット溶接の場合、リングの小口径溶接時には、非
溶接部である膨張黒鉛中芯部分に大量に電流が流れた
り、流れる電流値が不安定になると、溶接部の制御に影
響が出て、良好かつ安定した溶接結果が得られない。そ
こで、メタルOシール用パイプの内面に、シリコン系ワ
ニス(溶剤系)をそそぎ込んでコーティングし、風乾
後、所定温度(120℃〜150℃)にて数時間焼付け
し、電気絶縁膜(0.01mm程度の膜厚、抵抗値数M
Ω〜∞)を形成させる。上記のようなコーティングは、
リング外径が50mm〜200mm(パイプ径3.2m
m〜6.4mmに対し)の溶接時、溶接を安定的に実施
するための溶接準備として行うのがよい。
(バット溶接)、TIG溶接、プラズマ溶接が挙げられ
る。バット溶接の場合、リングの小口径溶接時には、非
溶接部である膨張黒鉛中芯部分に大量に電流が流れた
り、流れる電流値が不安定になると、溶接部の制御に影
響が出て、良好かつ安定した溶接結果が得られない。そ
こで、メタルOシール用パイプの内面に、シリコン系ワ
ニス(溶剤系)をそそぎ込んでコーティングし、風乾
後、所定温度(120℃〜150℃)にて数時間焼付け
し、電気絶縁膜(0.01mm程度の膜厚、抵抗値数M
Ω〜∞)を形成させる。上記のようなコーティングは、
リング外径が50mm〜200mm(パイプ径3.2m
m〜6.4mmに対し)の溶接時、溶接を安定的に実施
するための溶接準備として行うのがよい。
【0014】TIG溶接、プラズマ溶接は膨張黒鉛中芯
を入れたメタルOシール用パイプを、溶接部がストレー
トで正確に突き合わさるようにセットし、溶接トーチを
溶接面の外間上に回転移動させて、溶接を完成させる。
TIG溶接、プラズマ溶接はバット溶接に比して、メタ
ルOリング用パイプの肉厚が0.5mm以下のものに使
用され、内面側への溶接バリのはり出しが少なく、溶接
代をほとんどゼロにすることができる。バット溶接では
溶接部の接触抵抗を利用して、溶接発熱をさせて溶着を
完了させるが、肉厚がうすくなると、溶接温度、電流、
時間を制御するのがむづかしく、安定的に溶接を量産化
することが困難である。これに対し、TIG溶接、プラ
ズマ溶接はバット溶接のごとく溶接代をほとんど取らな
いため、シール面を凹部にさせず、かつ溶着不足になら
ないよう、溶接条件を設定することが重要となる。
を入れたメタルOシール用パイプを、溶接部がストレー
トで正確に突き合わさるようにセットし、溶接トーチを
溶接面の外間上に回転移動させて、溶接を完成させる。
TIG溶接、プラズマ溶接はバット溶接に比して、メタ
ルOリング用パイプの肉厚が0.5mm以下のものに使
用され、内面側への溶接バリのはり出しが少なく、溶接
代をほとんどゼロにすることができる。バット溶接では
溶接部の接触抵抗を利用して、溶接発熱をさせて溶着を
完了させるが、肉厚がうすくなると、溶接温度、電流、
時間を制御するのがむづかしく、安定的に溶接を量産化
することが困難である。これに対し、TIG溶接、プラ
ズマ溶接はバット溶接のごとく溶接代をほとんど取らな
いため、シール面を凹部にさせず、かつ溶着不足になら
ないよう、溶接条件を設定することが重要となる。
【0015】上記製造法によれば、Oリング寸法に合わ
せた金型等の成形治具を使用しないので、所望の径寸法
を有するシール用Oリングを簡単容易に、かつ安価に製
作することができる。なお、前記ダイスによる絞り加工
によらず、例えば一端を蓋板で閉塞した棒状のメタルパ
イプ1’に膨張黒鉛棒を短いブロックに分けて入れ、そ
れを押し棒で順次に押圧して密度を上げる手段を適用し
てもよい。
せた金型等の成形治具を使用しないので、所望の径寸法
を有するシール用Oリングを簡単容易に、かつ安価に製
作することができる。なお、前記ダイスによる絞り加工
によらず、例えば一端を蓋板で閉塞した棒状のメタルパ
イプ1’に膨張黒鉛棒を短いブロックに分けて入れ、そ
れを押し棒で順次に押圧して密度を上げる手段を適用し
てもよい。
【0016】図7は、前記シール用OリングAをバルブ
装着した例を示している。同図中、6はスタフィングボ
ックス、7はストッパーであって、そのあいだにシール
用OリングAが装着され、ナット8を回すことで、シー
ルのための初期締付けを行い、バルブ本体9とスタフィ
ングボックス6のシールを行う。軸10とスタフィング
ボックス6とのシールはグランドパッキン11で行い、
グランド押え部材12で締付けることにより、シールを
している。
装着した例を示している。同図中、6はスタフィングボ
ックス、7はストッパーであって、そのあいだにシール
用OリングAが装着され、ナット8を回すことで、シー
ルのための初期締付けを行い、バルブ本体9とスタフィ
ングボックス6のシールを行う。軸10とスタフィング
ボックス6とのシールはグランドパッキン11で行い、
グランド押え部材12で締付けることにより、シールを
している。
【0017】通常、この種のバルブにあっては、高温流
体のサイクル加圧により、シール部材に荷重が繰り返し
加わり、同時に空気の出入りが発生する。従来の膨張黒
鉛のみでシールしていると酸化減量が激しく、耐用寿命
が短い。しかし、本発明のシール用OリングAの使用に
よれば、膨張黒鉛はインコネル製Oリング部材1で密閉
されているので、直接空気に触れることがなく、酸化は
起こらない。また、繰り返し荷重に対して、弾性が内部
の高密度膨張黒鉛で保たれるので、シール性能は安定状
態に維持される。
体のサイクル加圧により、シール部材に荷重が繰り返し
加わり、同時に空気の出入りが発生する。従来の膨張黒
鉛のみでシールしていると酸化減量が激しく、耐用寿命
が短い。しかし、本発明のシール用OリングAの使用に
よれば、膨張黒鉛はインコネル製Oリング部材1で密閉
されているので、直接空気に触れることがなく、酸化は
起こらない。また、繰り返し荷重に対して、弾性が内部
の高密度膨張黒鉛で保たれるので、シール性能は安定状
態に維持される。
【0018】図8は、前記シール用OリングAをフラン
ジ接合部に装着した例を示している。同図中、13,1
4は配管フランジであり、フランジに対するセンターリ
ング15の内側にシール用OリングAを嵌め込み、フラ
ンジのガスケットとしたものである。前記フランジ接合
部の使用例においても、シール用OリングAは高温での
復元性が大きく、優れたシール安定性が得られる。
ジ接合部に装着した例を示している。同図中、13,1
4は配管フランジであり、フランジに対するセンターリ
ング15の内側にシール用OリングAを嵌め込み、フラ
ンジのガスケットとしたものである。前記フランジ接合
部の使用例においても、シール用OリングAは高温での
復元性が大きく、優れたシール安定性が得られる。
【0019】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によるシー
ル用Oリングは、メタルOリング部材に、耐食性を有
し、かつ1000℃までの高温雰囲気で使用可能なイン
コネル製パイプを使用し、その中空部に密度1.6g/
cm3以上の膨張黒鉛を充填した構成としたので、高温
での弾性が保たれ、かつ高温での格段のシール特性が発
揮される。加えて、本発明方法によれば、金属製Oリン
グ部材の中空部に膨張黒鉛を高密度、特に1.6g/c
m3以上に充填することによって、その復元率、ひいて
はOリング部材の弾力性を顕著に発揮させることができ
る。また従来の膨張黒鉛によるシール材は400℃以上
では単独に使用できなかったが、本発明によれば、メタ
ル部材にインコネルを用いているので、1000℃以上
の高温において使用可能である。
ル用Oリングは、メタルOリング部材に、耐食性を有
し、かつ1000℃までの高温雰囲気で使用可能なイン
コネル製パイプを使用し、その中空部に密度1.6g/
cm3以上の膨張黒鉛を充填した構成としたので、高温
での弾性が保たれ、かつ高温での格段のシール特性が発
揮される。加えて、本発明方法によれば、金属製Oリン
グ部材の中空部に膨張黒鉛を高密度、特に1.6g/c
m3以上に充填することによって、その復元率、ひいて
はOリング部材の弾力性を顕著に発揮させることができ
る。また従来の膨張黒鉛によるシール材は400℃以上
では単独に使用できなかったが、本発明によれば、メタ
ル部材にインコネルを用いているので、1000℃以上
の高温において使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すシール用Oリングの正
面図である。
面図である。
【図2】前記Oリングの断面図である。
【図3】メタルOリング部材の膨張黒鉛充填密度と締付
け復元率との関係を示すグラフである。
け復元率との関係を示すグラフである。
【図4】シール用Oリングを製造する第1工程図であ
る。
る。
【図5】シール用Oリングを製造する第2工程図であ
る。
る。
【図6】シール用Oリングを製造する第3工程図であ
る。
る。
【図7】シール用Oリングを装着したバルブの断面図で
ある。
ある。
【図8】シール用Oリングを装着したフランジ接合部の
断面図である。
断面図である。
【符号の説明】 A シール用Oリング 1 インコネル製Oリング部材 2 膨張黒鉛成形体 3 溶接部 4 チャック 5 絞りダイス 1’ メタルパイプ 2’ 膨張黒鉛棒 6 スタフィングボックス 7 ストッパー 8 ナット 9 バルブ本体 10 軸 11 グランドパッキン 12 グランド押え部材 13,14 配管フランジ 15 センターリング
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図3】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真島 知央 神奈川県横浜市保土ケ谷区法泉1丁目18番 17号
Claims (2)
- 【請求項1】 メタルOリング部材の中空部に膨張黒鉛
を高密度で充填して構成したことを特徴とするシール用
Oリング。 - 【請求項2】 直線状のメタルパイプ部材の中空部に膨
張黒鉛を絞り加工等により高密度に充填し、この膨張黒
鉛入りの直線状メタルパイプ部材をリング状に湾曲して
突き合わせ、その突き合わせ部分を溶接にて結合するこ
とを特徴とするシール用Oリングの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20276893A JPH0798064A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | シール用oリングおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20276893A JPH0798064A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | シール用oリングおよびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0798064A true JPH0798064A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=16462854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20276893A Pending JPH0798064A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | シール用oリングおよびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0798064A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100357252B1 (ko) * | 2000-07-04 | 2002-10-18 | 주식회사 코렌 | 생체 및 화상 정보 인식용 광학계 |
JP2007112940A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Toyota Motor Corp | 部材間のシール構造及びガスケット |
JP2009270636A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-11-19 | Asahi Press Industry Co Ltd | 複合ガスケット |
CN105202184A (zh) * | 2015-10-19 | 2015-12-30 | 无锡市永亿精密铸造有限公司 | 一种阀门密封环 |
-
1993
- 1993-07-23 JP JP20276893A patent/JPH0798064A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100357252B1 (ko) * | 2000-07-04 | 2002-10-18 | 주식회사 코렌 | 생체 및 화상 정보 인식용 광학계 |
JP2007112940A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Toyota Motor Corp | 部材間のシール構造及びガスケット |
JP2009270636A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-11-19 | Asahi Press Industry Co Ltd | 複合ガスケット |
CN105202184A (zh) * | 2015-10-19 | 2015-12-30 | 无锡市永亿精密铸造有限公司 | 一种阀门密封环 |
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